特許第6427260号(P6427260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6427260車両実時間走行データ処理方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427260
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】車両実時間走行データ処理方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20181112BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   G01M17/007 H
   B60R16/02 650J
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-501688(P2017-501688)
(86)(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公表番号】特表2017-530334(P2017-530334A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】CN2015070726
(87)【国際公開番号】WO2016019705
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年1月12日
(31)【優先権主張番号】201410387984.3
(32)【優先日】2014年8月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516365909
【氏名又は名称】深▲せん▼市元征科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】劉 均
(72)【発明者】
【氏名】申 舎林
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−219717(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0246135(US,A1)
【文献】 特開2009−150798(JP,A)
【文献】 特開2005−044311(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0325250(US,A1)
【文献】 特開2001−317403(JP,A)
【文献】 特開2005−330658(JP,A)
【文献】 特表2013−509640(JP,A)
【文献】 特開2007−326425(JP,A)
【文献】 特開2007−106164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 17/007
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得する工程と、
シリアルポートから実時間データストリーム及びそのID、データストリームリスト、通報情報、故障コード及びスケジュール、加速度センサー(G−sensor)が収集した急激な変速や車両の加速具合振動アラームの情報を包含する前記実時間走行データを読取る工程と、
前記実時間走行データにおいて前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信した時に前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータキューと前記バックエンドサーバからの応答が不要なデータキューとに分類して保存する工程と、
少なくとも前記応答が必要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信することで、前記バックエンドサーバが現在の車両に診断又はサービス情報を提供する工程と、
前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信する前に、
前記バックエンドサーバにログインすることに成功したか否かを判断する工程と、
前記バックエンドサーバにログインすることに成功したと判断した場合、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信する工程と、を包括し、
前記バックエンドサーバにログインすることに失敗、或いは前記バックエンドサーバからの応答がなければ、前記実時間走行データをローカルに保存する工程と、
データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信した後に前記バックエンドサーバからの応答があった場合、前記ローカルから前記バックエンドサーバに送信したデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを削除する工程と、を更に包括することを特徴とする、車両の実時間走行データの処理方法。
【請求項2】
前記シリアルポートから前記実時間走行データを読取った後に、
前記実時間走行データから車両が停止しているか否かを判断する工程と、
WiFiデバイス及びブルートゥース(登録商標)デバイスに接続しているか否か、新しいシングルチップマイクロコンピュータプログラムがあるか否かを更に判断する工程と、
前記車両が停止していると判断した場合、車両の実時間走行データの処理装置を制御して待機状態にする工程と、を更に包括することを特徴とする請求項1に記載の、車両の実時間走行データの処理方法。
【請求項3】
前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信することは、
前記応答が不要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに直接送信する工程と、
前記応答が必要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信するとともに、前記バックエンドサーバの応答を待つ工程と、
前記バックエンドサーバからの応答があれば、データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに継続的に送信する工程と、を更に包括することを特徴とする請求項に記載の、車両の実時間走行データの処理方法。
【請求項4】
母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得するために用いる第一プロセッサと、
シリアルポートから実時間データストリーム及びそのID、データストリームリスト、通報情報、故障コード及びスケジュール、加速度センサー(G−sensor)が収集した急激な変速や車両の加速具合振動アラームの情報を包含する前記実時間走行データを読取るために用いるデータ読取モジュール、前記実時間走行データにおいて前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信した時に前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータキューと前記バックエンドサーバからの応答が不要なデータキューとに分類して保存するために用いる第一判断モジュール及び少なくとも前記応答が必要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信することで、前記バックエンドサーバが現在の車両に診断又はサービス情報を提供するために用いる第一送信モジュールを包含する第二プロセッサと、を包括し、
前記第二プロセッサは、
前記第一送信モジュールが前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信する前に、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したか否かを判断するために用いる第三判断モジュールと、
前記第三判断モジュールが、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したと判断した場合、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信するために用いる第三送信モジュールと、
前記第三判断モジュールが前記バックエンドサーバにログインすることに失敗、或いは前記バックエンドサーバからの応答がなければ、前記実時間走行データをローカルに保存するために用いるデータ保存モジュールと、
前記第三送信モジュールがデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信した後に前記バックエンドサーバからの応答があった場合、前記ローカルから前記バックエンドサーバに送信したデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを削除するために用いるデータ削除モジュールと、を更に包括することを特徴とする、車両の実時間走行データの処理装置。
【請求項5】
前記第一プロセッサ及び前記第二プロセッサは、
前記車両が停止していると判断した後、WiFiデバイス及びブルートゥース(登録商標)デバイスに接続しているか否か、新しいシングルチップマイクロコンピュータプログラムがあるか否かを更に判断し、
前記第二プロセッサは、
前記データ読取モジュールが前記シリアルポートから前記実時間走行データを読取った後、前記実時間走行データから車両が停止しているか否かを判断するために用いる第二判断モジュールと、
前記第二判断モジュールが、前記車両が停止していると判断し、前記第一プロセッサ及び前記第二プロセッサが前記WiFiデバイス及び前記ブルートゥースデバイスに接続していないとともに、前記新しいシングルチップマイクロコンピュータプログラムがないと判断した場合、車両の実時間走行データの処理装置を制御して待機状態にするために用いる待機制御モジュールと、を更に包括することを特徴とする請求項に記載の、車両の実時間走行データの処理装置。
【請求項6】
前記第一送信モジュールは、
前記応答が不要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに直接送信するために用いる第四送信ユニットと、
前記応答が必要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信するとともに、前記バックエンドサーバの応答を待つために用いる第五送信ユニットと、
前記バックエンドサーバからの応答があれば、データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに継続的に送信するために用いる第六送信ユニットと、を更に包括することを特徴とする請求項に記載の、車両の実時間走行データの処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレマティクス分野、特に車両実時間走行データ処理方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造技術の向上と製造コストの低下に伴い,自動車が一般的な移動手段になりつつあり、また、通信技術もまた、特にテレマティクス技術の発展に伴い、自動車が交通手段だけではなく、移動する生活環境になりつつある。使用者に便利で快適な整ったカーライフ体験を提供するため、バックエンドサーバは、車両実時間走行データを知り得ることで、使用者にサービスを提供する必要がある。
【0003】
しかし、現在ある多くの車載システムでは、使用者は、自分の車両が正常であるか否かを知りたい場合、自動車修理工場に行って技師に頼むしかなく、走行中、車両に故障が発生したことを気付いたとしても解決することができず、その期間の走行データを知り得たくても方法もなく、また、車両の安全を保証するにも条件に限りがある。何故ならば、周知のOBDアダプタが提供するデータが、専門家向けのものであるから、使用者はデータを取得することができないうえ、これ等データも解読することもできないため、周知の車載システムでは使用者に整った体験を提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、周知の車載システムにある、車両使用者に走行上の安全を保障するための車両実時間走行データを容易に取得することができないという技術的問題を解決する車両実時間走行データ処理方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明は、母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得する工程と、シリアルポートから実時間データストリーム及びそのID、データストリームリスト、通報情報、故障コード及びスケジュール、加速度センサー(G−sensor)が収集した急激な変速や車両の加速具合振動アラームの情報を包含する前記実時間走行データを読取る工程と、前記実時間走行データにおいて前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信した時に前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータキューと前記バックエンドサーバからの応答が不要なデータキューとに分類して保存する工程と、少なくとも前記応答が必要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信することで、前記バックエンドサーバが現在の車両に診断又はサービス情報を提供する工程と、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信する前に、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したか否かを判断する工程と、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したと判断した場合、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信する工程と、を包括し、前記バックエンドサーバにログインすることに失敗、或いは前記バックエンドサーバからの応答がなければ、前記実時間走行データをローカルに保存する工程と、データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信した後に前記バックエンドサーバからの応答があった場合、前記ローカルから前記バックエンドサーバに送信したデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを削除する工程と、を更に包括する車両の実時間走行データの処理方法を提供している。
【0006】
また、本発明のもう一つの目的は、母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得するために用いる第一プロセッサと、シリアルポートから実時間データストリーム及びそのID、データストリームリスト、通報情報、故障コード及びスケジュール、加速度センサー(G−sensor)が収集した急激な変速や車両の加速具合振動アラームの情報を包含する前記実時間走行データを読取るために用いるデータ読取モジュール、前記実時間走行データにおいて前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信した時に前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバからの応答が必要なデータキューと前記バックエンドサーバからの応答が不要なデータキューとに分類して保存するために用いる第一判断モジュール及び少なくとも前記応答が必要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信することで、前記バックエンドサーバが現在の車両に診断又はサービス情報を提供するために用いる第一送信モジュールを包含する第二プロセッサと、を包括し、前記第二プロセッサは、前記第一送信モジュールが前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信する前に、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したか否かを判断するために用いる第三判断モジュールと、前記第三判断モジュールが、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したと判断した場合、前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信するために用いる第三送信モジュールと、前記第三判断モジュールが前記バックエンドサーバにログインすることに失敗、或いは前記バックエンドサーバからの応答がなければ、前記実時間走行データをローカルに保存するために用いるデータ保存モジュールと、前記第三送信モジュールがデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信した後に前記バックエンドサーバからの応答があった場合、前記ローカルから前記バックエンドサーバに送信したデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを削除するために用いるデータ削除モジュールと、を更に包括する車両の実時間走行データの処理装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
上述したことからわかるとおり、母線を介して車両の電子制御ユニットECUから取得した実時間走行データは、シリアルポートから読取られた後、バックエンドサーバに送信されることで、バックエンドサーバが現在の車両に対して診断又はサービス情報を提供している。このため、周知技術に比べ、本発明が提供する方法は、車両使用者に遠隔診断又は遠隔サービスを極めて利便的に提供することができ、自動車を使用するにあたり、発生する様々なコストを低減している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例一が提供する車両の実時間走行データの処理方法の実施を示すフローチャートである。
図2】本発明の実施例二が提供する車両の実時間走行データの処理方法の実施を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例三が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である。
図4】本発明の実施例四が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である。
図5】本発明の実施例五が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である。
図6】本発明の実施例六が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である。
図7-a】本発明の実施例七が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である。
図7-b】本発明の実施例八が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の目的、技術的内容及びその効果を更に明確にするため、図面及び実施例を併せて、以下のように、本発明に対して更に詳細な説明を行う。なお、ここで叙述する具体的な実施例は、あくまでも本発明を説明するために用いたに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0010】
本発明の実施例は、母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得する工程と、シリアルポートから前記実時間走行データを読取る工程と、前記実時間走行データにおいて応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとに分類して保存する工程と、前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信することで、バックエンドサーバが現在の車両に診断又はサービス情報を提供する工程と、を包括する車両の実時間走行データの処理方法を提供している。本発明の実施例は、前記方法に対応する車両の実時間走行データの処理装置を更に提供している。以下において、それぞれ詳細な説明を行う。
【0011】
本発明の実施例一が提供する車両の実時間走行データの処理方法の実施を示すフローチャートである図1を参照すると、前記方法は、主に、以下の工程S101から工程S104を包括している。
【0012】
S101:母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得する。
【0013】
本発明の実施例において、深▲せん▼市元征科技股▲ふん▼有限公司が開発したgolo3アダプタに包含するプロセッサ、例えば、分散処理ユニット(Distributed Processing Unit、DPU)チップからなるプロセッサは、母線(bus)を介して車両の電子制御ユニット(Electronic Control Unit,ECU)と通信し、車両のECUから、実時間データストリーム及びそのID、データストリームリスト、通報情報、故障コード及びスケジュール等の情報を包含する実時間走行データを取得している。つまり、golo3アダプタは、DPUチップからなるプロセッサ(上述で実行したものはシングルチップマイクロコンピュータプログラム)以外に、Android操作システムを実行するMTKチップからなるプロセッサを更に包含し、そのアプリケーションプログラムは、「メインサービスAPK」と称する。なお、下記において区別且つ説明し易くするため、DPUチップからなるプロセッサを第一プロセッサと称し、MTKチップからなるプロセッサを第二プロセッサと称する。
【0014】
更に説明すると、DPUチップが母線を介して車両のECUから実時間走行データを取得する前に、メインサービスAPKを起動(或いはインストールしてから起動)することによって、デバイスに対して、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、GPSシリアルポート及び加速度センサ(G−Sensor)等の起動の初期化を行っている。
【0015】
S102:シリアルポートから前記実時間走行データを読取る。
【0016】
本発明の実施例において、第一プロセッサは、シリアルポートを介して第二プロセッサと通信している。このため、第一プロセッサが母線を介して車両のECUから実時間走行データを取得した後、第二プロセッサは、シリアルポートから第一プロセッサが取得した前記実時間走行データを読取ることができる。
【0017】
本発明のもう一つの実施例において、第二プロセッサは、シリアルポートから第一プロセッサが取得した前記実時間走行データを読取った後、前記実時間走行データから車両が停止しているか否かをさらに判断することができ、前記車両が停止していると判断した場合、車両の実時間走行データの処理装置を制御して待機状態にしている。この車両の実時間走行データの処理装置は、主に、第一プロセッサと、第二プロセッサと、即ち、DPUチップからなるプロセッサと、MTKチップからなるプロセッサとを包括している。前記実時間走行データは、車両の車速及び車輪の回転速度を包含しているため、車速及び/又は回転速度が0の場合、前記車両が停止していると判断することができ、MTKチップからなるプロセッサは、車両の実時間走行データの処理装置を制御して待機状態にしており、例えば、MTKチップからなるプロセッサによって待機状態にしたり、DPUチップからなる処理装置によって電源を遮断したりすることで、システムの消費電力を節減している。また、車両が停止していると判断した後、WiFiデバイス及びブルートゥース(登録商標)デバイスに接続しているか否か、新しいシングルチップマイクロコンピュータプログラムがあるか否かを更に判断することもでき、WiFiデバイス及びブルートゥース(登録商標)デバイスに接続していないとともに、新しいシングルチップマイクロコンピュータプログラムがない場合、MTKチップからなるプロセッサは、車両の実時間走行データの処理装置を制御して待機状態にしている。ブロードキャストからの再起動信号を受けると、MTKチップからなるプロセッサ上にあるメインサービスAPKがデバイスに対して再初期化を行っている。
【0018】
S103:前記実時間走行データにおいて応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとに分類して保存する。
【0019】
応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとは、いずれもデータバッファキューであって、その区別として、前者で蓄えられたデータは、バックエンドサーバに送信された時にバックエンドサーバの応答が必要なもので、後者で蓄えられたデータは、バックエンドサーバの応答が不要なものである。
【0020】
S104:前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信することで、バックエンドサーバが現在の車両に対して診断又はサービスメッセージを提供する。
【0021】
上述した本発明の実施例が提供する車両の実時間走行データの処理方法からわかるとおり、母線を介して車両の電子制御ユニットECUから取得した実時間走行データは、シリアルポートから読取られた後、バックエンドサーバに送信されることで、バックエンドサーバが現在の車両に対して診断又はサービス情報を提供している。このため、周知技術に比べ、本発明の実施例が提供する方法は、車両使用者に遠隔診断又は遠隔サービスを極めて利便的に提供することができ、自動車を使用するにあたり、発生する様々なコストを低減している。
【0022】
本発明の実施例二が提供する車両の実時間走行データの処理方法の実施を示すフローチャートである図2を参照すると、前記方法は、主に、以下の工程S201から工程S205を包括している。
【0023】
S201:母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得する。
【0024】
本発明の実施例において、深▲せん▼市元征科技股▲ふん▼有限公司が開発したgolo3アダプタに包含するプロセッサ、例えば、分散処理ユニット(Distributed Processing Unit、DPU)チップからなるプロセッサは、母線(bus)を介して車両の電子制御ユニット(Electronic Control Unit,ECU)と通信し、車両のECUから、実時間データストリーム及びそのID、データストリームリスト、通報情報、故障コード及びスケジュール等の情報を包含する実時間走行データを取得している。つまり、golo3アダプタは、DPUチップからなるプロセッサ(上述で実行したものはシングルチップマイクロコンピュータプログラム)以外に、Android操作システムを実行するMTKチップからなるプロセッサを更に包含し、そのアプリケーションプログラムは、「メインサービスAPK」と称する。なお、下記において区別且つ説明し易くするため、DPUチップからなるプロセッサを第一プロセッサと称し、MTKチップからなるプロセッサを第二プロセッサと称する。
【0025】
更に説明すると、DPUチップが母線を介して車両のECUから実時間走行データを取得する前に、メインサービスAPKを起動(或いはインストールしてから起動)することによって、デバイスに対して、WiFi、ブルートゥース(登録商標)、GPSシリアルポート及び加速度センサ(G−Sensor)等の起動の初期化を行っている。
【0026】
S202:シリアルポートから前記実時間走行データを読取る。
【0027】
本発明の実施例において、第一プロセッサは、シリアルポートを介して第二プロセッサと通信している。このため、第一プロセッサが母線を介して車両のECUから実時間走行データを取得した後、第二プロセッサは、シリアルポートから第一プロセッサが取得した前記実時間走行データを読取ることができる。
【0028】
更に説明すると、第二プロセッサは、シリアルポートから第一プロセッサが取得した前記実時間走行データを読取ることができる以外に、加速度センダー(G−sensor)が収集した急激な変速や車両の加速具合、振動アラーム等のデータを読取ることも、GPSモジュールが取得した位置データを読取ることもできる。
【0029】
S203:前記実時間走行データにおいて応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとに分類して保存する。
【0030】
応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとは、いずれもデータバッファキューであって、その区別として、前者で蓄えられたデータは、バックエンドサーバに送信された時にバックエンドサーバの応答が必要なもので、後者で蓄えられたデータは、バックエンドサーバの応答が不要なものである。更に説明すると、応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとは、取得した前記実時間走行データを蓄える以外に、その他のモジュールが取得したデータも蓄えることができる。例えば、前記加速度センダー(G−sensor)が収集した急激な変速や車両の加速具合、振動アラーム等のデータを応答が必要なデータキューに保存したり、前記GPSモジュールが取得した位置データを応答が不要なデータキューに保存したりすることができる。
【0031】
S204:バックエンドサーバにログインすることに成功したか否かを判断する。
【0032】
初期化した後、車両の実時間走行データの処理装置又はMTKチップからなるプロセッサであるクライアント端末は、バックエンドサーバにログインすることを試みている。例えば、3G信号があると判断すると、ソケット(socket)を介してバックエンドサーバにログインしている。アカウントとパスワードとが正しい場合、バックエンドサーバにログインすることに成功する。もし、前記バックエンドサーバにログインすることに失敗した場合、前記実時間走行データをローカルに保存する。
【0033】
S205:バックエンドサーバにログインすることに成功した場合、前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信することで、バックエンドサーバが現在の車両に対して診断又はサービスメッセージを提供する。
【0034】
具体的にいうと、応答が不要なデータキューにおける前記実時間走行データに対し、応答が不要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに直接送信することができ、応答が必要なデータキューにおける実時間走行データに対し、応答が必要なデータキューにある実時間走行データをバックエンドサーバに送信するとともに、前記バックエンドサーバの応答を待っている。
【0035】
更に説明すると、応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとに蓄えられた前記実時間走行データは、いずれもデータベースに保存されているデータである。本発明の実施例において、前記実時間走行データは、データファイルとして保存することもできる。応答が必要なデータキューにある実時間走行データをバックエンドサーバに送信するとともに、前記バックエンドサーバの応答を待った後、前記バックエンドサーバからの応答があれば、データファイルとして保存されている前記実時間走行データが存在するか否かを確認する。存在していた場合、データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに継続的に送信する。更に、データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信した後に前記バックエンドサーバからの応答があった場合、ローカルから前記バックエンドサーバに送信したデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを削除する。
【0036】
応答が必要なデータキューにある実時間走行データをバックエンドサーバに送信するとともに、前記バックエンドサーバの応答を待った後、前記バックエンドサーバからの応答がなければ、連続送信回数が所定の回数、例えば3回を上回る場合、前記実時間走行データをローカルに保存する。
【0037】
本発明の実施例三が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である図3を参照されたい。説明し易くするため、本発明の実施例に関する部分のみが示されている。図3で図示されている車両の実時間走行データの処理装置は、深▲せん▼市元征科技股▲ふん▼有限公司が開発したgolo3アダプタであって、主に、DPUチップからなる第一プロセッサ301と、データ読取モジュール303、第一判断モジュール304及び第一送信モジュール305を包含し、MTKチップからなる第二プロセッサ302と、を包括している。詳細な説明は、以下のとおりである。
【0038】
第一プロセッサ301は、母線を介して車両の電子制御ユニットECUから実時間走行データを取得するために用いている。
【0039】
データ読取モジュール303は、シリアルポートから、第一プロセッサ301が取得した前記実時間走行データを読取るために用いている。
【0040】
第一判断モジュール304は、前記実時間走行データにおいて応答が必要なデータがあるか否かを判断した後、前記実時間走行データを応答が必要なデータキューと応答が不要なデータキューとに分類して保存するために用いている。
【0041】
第一送信モジュール305は、前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信することで、バックエンドサーバが現在の車両に診断又はサービス情報を提供するために用いている。
【0042】
上述した図3に図示されている車両の実時間走行データの処理装置からわかるとおり、第一プロセッサが母線を介して車両の電子制御ユニットECUから取得した実時間走行データは、シリアルポートからデータ読取モジュールに読取られた後、バックエンドサーバに送信されることで、バックエンドサーバが現在の車両に対して診断又はサービス情報を提供している。このため、周知技術に比べ、本発明の実施例が提供する車両の実時間走行データの処理装置は、車両使用者に遠隔診断又は遠隔サービスを極めて利便的に提供することができ、自動車を使用するにあたり、発生する様々なコストを低減している。
【0043】
図3に図示されている第二プロセッサ302は、本発明の実施例四が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である図4のように、データ読取モジュール303がシリアルポートから前記実時間走行データを読取った後、前記実時間走行データから車両が停止しているか否かを判断するために用いる第二判断モジュール401と、第二判断モジュール401が、前記車両が停止していると判断した場合、車両の実時間走行データの処理装置を制御して待機状態にするために用いる待機制御モジュール402と、を更に包括することができる。
【0044】
図3に図示されている第二プロセッサ302は、本発明の実施例五が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である図5のように、第一送信モジュール305が前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信する前に、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したか否かを判断するために用いる第三判断モジュール501と、第三判断モジュール501が、前記バックエンドサーバにログインすることに成功したと判断した場合、前記実時間走行データをバックエンドサーバに送信するために用いる第三送信モジュール502と、を更に包括することができる。
【0045】
図5に図示されている第一送信モジュール305は、本発明の実施例六が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である図6のように、応答が不要なデータキューにある前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに直接送信するために用いる第四送信ユニット601と、応答が必要なデータキューにある実時間走行データをバックエンドサーバに送信するとともに、前記バックエンドサーバの応答を待つために用いる第五送信ユニット602と、前記バックエンドサーバからの応答があれば、データファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに継続的に送信するために用いる第六送信ユニット603と、を更に包括することができる。
【0046】
図5又は図6に図示されている第二プロセッサ302は、本発明の実施例七或いは実施例八が提供する車両の実時間走行データの処理装置の構造を示す模式図である図7−a或いは図7−bのように、第三判断モジュール501が前記バックエンドサーバにログインすることに失敗、或いは前記バックエンドサーバからの応答がなければ、前記実時間走行データをローカルに保存するために用いるデータ保存モジュール701と、第三送信モジュール502がデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを前記バックエンドサーバに送信した後に前記バックエンドサーバからの応答があった場合、ローカルから前記バックエンドサーバに送信したデータファイルとして保存されている前記実時間走行データを削除するために用いるデータ削除モジュール702と、を更に包括することができる。
【0047】
更に説明すると、上述した装置にある各モジュール/ユニットの間の情報交換、実行過程等の内容は、本発明に係る方法の実施例と同じ精神に基づくものであって、これによってもたらされる技術的効果は、本発明に係る方法の実施例と同一であり、具体的内容は、本発明に係る方法の実施例における説明を参照できるから、ここでは言及しない。
【0048】
当該分野における通常の知識を有する者であれば、上述した実施例の各方法における全て或いは部分的工程は、プログラムを介して関連するハードウェアに指令することで完成することができると理解することができ、前記プログラムは、コンピュータの読取り可能な記録媒体に保存することができ、読取り可能な記録媒体は、リードオンリーメモリ(ROM、Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク或いはフォトディスク等を包括することができる。
【0049】
以上をもって、本発明の実施例が提供する車両の実時間走行データの処理方法とその装置を詳しく説明し、本文で具体的な例を応用して本発明の原理及び実施方法について説明したが、以上の実施例の説明は、本発明の方法及その核心的な精神を理解してもらうためのものに過ぎず、また、当該分野における通常の知識を有する者が本発明の精神に基づき、具体的な実施方法及びその応用範囲上で変更することもあるが、上述したように、本願明細書の内容は、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0050】
301 第一プロセッサ
302 第二プロセッサ
303 データ読取モジュール
304 第一判断モジュール
305 第一送信モジュール
401 第二判断モジュール
402 待機制御モジュール
501 第三判断モジュール
502 第三送信モジュール
601 第四送信ユニット
602 第五送信ユニット
603 第六送信ユニット
701 データ保存モジュール
702 データ削除モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-a】
図7-b】