特許第6427273号(P6427273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427273
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】密閉型の高圧直流リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/02 20060101AFI20181112BHJP
   H01H 50/04 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   H01H50/02 E
   H01H50/04 F
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-527814(P2017-527814)
(86)(22)【出願日】2016年7月7日
(65)【公表番号】特表2018-500729(P2018-500729A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】CN2016089178
(87)【国際公開番号】WO2017088492
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2017年5月18日
(31)【優先権主張番号】201610359379.4
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517174887
【氏名又は名称】浙江英洛華新能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】于 栄愛
(72)【発明者】
【氏名】宋 文栄
(72)【発明者】
【氏名】郭 暁浜
(72)【発明者】
【氏名】黄 海燕
(72)【発明者】
【氏名】蘇 朋
(72)【発明者】
【氏名】杜 徳進
【審査官】 杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−015773(JP,A)
【文献】 特開2013−008531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/00−50/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁カバーとヨーク板を有し、前記ヨーク板は上に向けて延びて円筒状固定部を形成し、前記絶縁カバーは伏せたコップ状の構造であり、前記ヨーク板と絶縁カバーは共に可動接点を収容するキャビティを形成し、絶縁カバーの下端とヨーク板固定部は互いにネジ山マッチングされ、絶縁カバーの下端と固定部のネジ山マッチング部位はシーラントを注入して密封される
ことを特徴とする密閉型の高圧直流リレー。
【請求項2】
前記絶縁カバーの下端に雄ネジ山部を形成し、固定部には雌ネジ山部を形成し、前記雌ネジ山部のネジ山の高さは雄ネジ山部のネジ山の高さよりも低く、絶縁カバーとヨーク板固定部はネジ山マッチングして絶縁カバーが固定部上側の部位よりも相対的に雄ネジ山が露出されるようにする
請求項1に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項3】
前記絶縁カバーの下端には雄ネジ山部が形成され、固定部には雌ネジ山部が形成され、前記ヨーク板の下方には磁気回路システムが設けられ、磁気回路システムは円筒状のヨークコップ内に設けられ、前記ヨークコップのコップ壁は上に向けて前記ヨーク板固定部の上端面の上方まで延び、絶縁カバーの下端面はヨーク板と噛合され、前記ヨークコップのコップ壁と絶縁カバーとの間には第1のシーラント注入キャビティが形成され、前記第1のシーラント注入キャビティ内には密閉シーラントが詰められる
請求項1または2に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項4】
前記絶縁カバー、ヨーク板及びヨークコップはいずれも外部ハウジング内に設けられ、前記外部ハウジングは円筒状構造であり、前記外部ハウジングの頂部には上部蓋が固定され、前記上部蓋は絶縁カバーの上方に位置し、引出端は上部区間、中間区間及び下部区間を有し、静的接点は引出端の下部区間と固定され、引出端の中間区間は絶縁カバーと互いに固定され、引出端の上部区間は絶縁カバーと上部蓋を貫通して上部蓋外側まで延び、前記上部蓋には引出端の上端が通過する第1の通孔が形成され、前記上部蓋にはシーラント注入口が形成され、前記上部蓋と絶縁カバーとの間には第2のシーラント注入キャビティが形成され、前記第2のシーラント注入キャビティ内には密閉シーラントが詰められる
請求項3に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項5】
前記第1のシーラント注入キャビティと前記第2のシーラント注入キャビティが連通する
請求項4に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項6】
前記第1の通孔の直径が前記引出端の外径よりも大きく、前記引出端の上部区間と上部蓋との隙間がまさに前記シーラント注入口となる
請求項4に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項7】
前記ヨークコップのコップ壁はコップ壁の上部とコップ壁の下部を有し、前記コップ壁の上部の外径は前記コップ壁の下部の外径よりも大きく、前記外部ハウジングの筐壁には唇状構造が形成され、前記コップ壁の上部の下部縁は前記唇状構造と噛合される
請求項4に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項8】
前記ヨークコップのコップ壁の上部の内径がコップ壁の下部の内径よりも大きく、前記ヨーク板の下端面は前記コップ壁の下部の上部縁と噛合される
請求項7に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項9】
前記上部蓋の下端面の外部縁には下に向けて延びる多数個の位置固定突起が形成され、前記多数個の位置固定突起は環状に均一に間隔を置いて設けられ、前記位置固定突起と前記外部ハウジングの筐壁内側が噛合される
請求項4に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【請求項10】
前記絶縁カバーはセラミック素材で作製され前記絶縁カバーの頂部には前記引出端の中間区間のネジ山構造ととマッチングされる第1のネジ山通孔が形成され、前記絶縁カバーの前記第1のネジ山通孔のネジ山構造と前記絶縁カバーの下端の前記雄ネジ山部はいずれも絶縁カバー焼結時に一体型に成形される
請求項4に記載の密閉型の高圧直流リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧直流リレーに関し、より詳細には密閉処理を行なう密閉型の高圧直流リレーに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧直流リレーは、フレームとヨーク板を有し、フレームとヨーク板には静的接点アセンブリと可動接点アセンブリを収容するキャビティが形成され、静的接点アセンブリは引出端と静的接点を有し、引出端はフレームと互いに固定されてフレーム外側まで延び、ここでキャビティ内には真空ポンピングと不活性ガスを充填しなければならない。従来技術において、フレームはその殆どがプラスチックまたはセラミック素材であり、プラスチック素材のフレームはシーラントを利用してキャビティへの密閉処理を行うことによってキャビティの密閉性を保障し、プラスチックフレームとヨーク板の接触地点はシーラントで密封し、引出端とフレーム外側の接触点はシーラントで密閉する。セラミック素材のフレームは、セラミック素材そのものの剛性を介して製品構造の剛性を維持することによってキャビティの密閉性を保障する。
【0003】
プラスチックフレームをシーラントで密閉する方式は、生産サイクルが割りと短く、工程レベルと生産コストが割りと低いという利点がある。しかし、プラスチックフレームは長時間使用すると、温度の影響で軟化されることがあり、温度の影響でシーラントも焼かれてこげ茶色になることがあり、キャビティ内の不活性ガスが漏れるおそれがある。また、シーラントは温度の影響で膨張または収縮することがあるので、シーラントと引出端との間に亀裂が発生して爆発事故が起こる危険性がある。
セラミック素材のフレームを採用したリレーは、セラミックフレームそのものの剛性のため、長時間使用してもセラミックフレームにのみ亀裂が発生し、爆発火災が発生する危険性はない。しかし、セラミックフレームを使用したリレーは、セラミックフレームとヨーク板のはんだ付け、引出端とセラミックフレームのはんだ付けを行わなければならないので、生産サイクルが割りと長く、生産コストも割りと高いという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、密閉性に優れており、生産コストが割りと低く、使用性能も優れた密閉型の高圧直流リレーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術方案を採用している。つまり、本発明は密閉型の高圧直流リレーに関するものであって、絶縁カバーとヨーク板を有し、前記ヨーク板は上に向けて延びて円筒状固定部を形成し、前記絶縁カバーは伏せたコップ状の構造であり、前記ヨーク板と絶縁カバーは共に可動接点を収容するキャビティを形成し、絶縁カバーの下端とヨーク板固定部は互いにネジ山マッチングされ、絶縁カバーの下端と固定部のネジ山マッチング部位はシーラントを注入して密封する。
【0006】
ここで、絶縁カバーはセラミックのような非可塑性の絶縁材料で作製して、本発明のリレーが温度の影響を受けて絶縁カバーが軟化されないようにすることで、キャビティ内に不活性ガスが漏れるおそれを防止する。本発明は、ネジ山連結方法によって絶縁カバーとヨーク板(ヨークプレート)を固定するのではんだ付け作業は要らず、要求される工程がさらに簡単になりコストも低くなる。シーラントで絶縁カバーとヨーク板マッチング部位を密封することにより、絶縁カバーとヨーク板が互いに固定されて形成されるキャビティ内の不活性ガスが漏れることを防止する。絶縁カバーの下端は雄ネジ山または雌ネジ山を形成し、ヨーク板は絶縁カバーに対応するネジ山構造を形成する。様々な方法によってシーラント注入密閉を行うことができるが、例えば絶縁カバーの外側にシーラント沈殿溝を形成してシーラント沈殿溝内にシーラントを注入することにより密閉を行う。密閉シーラントは一定の粘性があるので、ネジ山マッチング部位に直ちに塗布して密閉を行うこともできる。
【0007】
望ましくは、前記絶縁カバーの下端に雄ネジ山部を形成し、固定部には雌ネジ山部を形成し、前記雌ネジ山部のネジ山の高さは雄ネジ山部のネジ山の高さよりも低く、絶縁カバーとヨーク板固定部はネジ山マッチングして絶縁カバーが固定部上側の部位よりも相対的に雄ネジ山が露出されるようになる。
【0008】
雌ネジ山部のネジ山の高さがまさにネジ山マッチングの作業高さであり、雄ネジ山部と雌ネジ山部をマッチングさせた後、絶縁カバーにおいてヨーク板固定部に相対的な位置に雌ネジ山とマッチングされない雄ネジ山が露出され、密閉シーラントは露出された雄ネジ山の地点で絶縁カバーとヨーク板との隙間に進入してシーラント注入密閉を行う。ここで、絶縁カバーとヨーク板のネジ山のマッチング地点はキャビティの外側に位置するので、シーラント注入密閉を行うのが便利になる。
【0009】
望ましくは、前記絶縁カバーの下端には雄ネジ山部が形成され、固定部には雌ネジ山部が形成され、前記ヨーク板の下方には磁気回路システムが設けられ、磁気回路システムは円筒状のヨークコップ内に設けられ、前記ヨークコップのコップ壁は上に向けて前記ヨーク板固定部上端面の上方まで延び、絶縁カバーの下端面はヨーク板と噛合され、前記ヨークコップのコップ壁と絶縁カバーとの間には第1のシーラント注入キャビティが形成され、前記第1のシーラント注入キャビティ内には密閉シーラントが詰められる。
【0010】
本発明は、ヨークコップと絶縁カバーがシーラント沈殿溝を形成するので、本発明のリレーのシーラント注入密閉を行うのが便利になる。また、リレーの外部ハウジングと絶縁カバーとの間にシーラント沈殿溝を形成することもできる。第1のシーラント注入キャビティ内にシーラントを注入すると、密閉シーラントがシーラント沈殿溝内にのみ進入するので、散り乱れて零れることなく、密閉シーラントは重力を受けて絶縁カバーとヨーク板との間に進入するので、さらに便利にシーラント注入密閉を行うことができる。
【0011】
望ましくは、前記絶縁カバー、ヨーク板とヨークコップはいずれも外部ハウジング内に設けられ、前記外部ハウジングは円筒状構造であり、前記外部ハウジングの頂部には上部蓋が固定され、前記上部蓋は絶縁カバーの上方に位置し、引出端は上部区間、中間区間及び下部区間を有し、静的接点は引出端の下部区間と固定され、引出端の中間区間は絶縁カバーと互いに固定され、引出端の上部区間は絶縁カバーと上部蓋を貫通して上部蓋の外側まで延び、前記上部蓋には引出端の上端が通過する第1の通孔が形成され、前記上部蓋にはシーラント注入口が形成され、前記上部蓋と絶縁カバーとの間には第2のシーラント注入キャビティが形成され、前記第2のシーラント注入キャビティ内には密閉シーラントが詰められる。
【0012】
上部蓋が形成するシーラント注入口を介して第2のシーラント注入キャビティにシーラントを注入することにより、引出端と絶縁カバーの外側が互いに逢う地点の密閉処理を行う。ここで、シーラントの注入口は上部蓋に設けられ、本発明のリレー組立を完了した後、引出端地点のシーラント注入密閉を行うことができ、この時、密閉シーラントが流出されることを心配する必要はない。
【0013】
望ましくは、前記第1のシーラント注入キャビティと前記第2のシーラント注入キャビティは連通している。本発明のリレー組立を完了した後、シーラント注入密閉処理を行なうことができ、第2のシーラント注入キャビティにシーラントを注入する時に密閉シーラントが絶縁カバーの外壁に沿って下に流れて第1のシーラント注入キャビティにシーラントが注入され、第1のシーラント注入キャビティ地点にシーラントの注入を完了すると、密閉シーラントが徐々に外部ハウジングと絶縁カバー外壁との隙間を詰めて、最終的に第2のシーラント注入キャビティへのシーラント注入が完了される。
【0014】
望ましくは、前記第1の通孔の直径が前記引出端の外径よりも大きく、前記引出端の上部区間と上部蓋との隙間がまさに前記シーラント注入口となる。シーラント注入口の位置は、引出端の位置と最も近く、シーラント注入口の位置は第1のシーラント注入キャビティの位置とも最も近いので、密閉シーラントを第1のシーラント注入キャビティに注入するのが便利になるので、シーラント注入作業の便宜性を高める。シーラント注入を行う時に、第1の通孔と引出端との間にシーラントを詰め、密閉シーラントが第1の通孔から溢れ出したり密閉シーラントが第1の通孔内に位置する時にまさに本発明のリレーのシーラント注入密閉処理が完了される。
【0015】
望ましくは、前記ヨークコップのコップ壁はコップ壁の上部とコップ壁の下部を有し、前記コップ壁の上部の外径は前記コップ壁の下部の外径よりも大きく、前記外部ハウジングの筐壁には唇状構造が形成され、前記コップ壁の上部の下部縁は前記唇状構造と噛合される。上記のような設置は、密閉シーラントの容量を減らすだけでなくシーラント注入時間も節減させる。
【0016】
望ましくは、前記ヨークコップのコップ壁の上部の内径がコップ壁の下部の内径よりも大きく、前記ヨーク板の下端面は前記コップ壁の下部の上部縁と噛合される。上記のような設置は、密閉シーラントの容量を減らすだけでなくシーラント注入時間も節減させる。
【0017】
望ましくは、前記上部蓋の下端面の外部縁には下に向けて延びる多数個の位置固定突起が形成され、前記多数個の位置固定突起は環状に均一に間隔を置いて設けられ、前記位置固定突起と前記外部ハウジングの筐壁内側は噛合される。ここで、上記のような設置は上部蓋と外部ハウジングの位置を固定するのが便利になる。
【0018】
望ましくは、前記絶縁カバーはセラミック素材で作製し、前記引出端の中間端部の下側には雄ネジ山があり、前記絶縁カバーの頂部には前記引出端の中間区間とマッチングされる第1のネジ山通孔が形成され、前記絶縁カバーの第1のネジ山通孔と雄ネジ山部の雄ネジ山はいずれも絶縁カバー焼結時に一体型に成形される。本発明のリレーは、セラミック素材の絶縁カバーを採用し、絶縁カバーの剛性を介して絶縁カバーとヨーク板ネジ山構造の安定性を保障し、さらに本発明のリレーの密閉性を保障する。ここでモールド成形によってセラミックボディを作製した後、焼結して絶縁カバーのカバー壁の下端に雄ネジ山を形成するが、これはセラミック素材の絶縁カバーのカバー壁にネジ山を加工するよりもコストがさらに節減される。絶縁カバーのセラミックボディを製造する前にボルトを挿入してボディを形成した後、ボルトがボディの頂部から回転していくようにし、さらに焼結して絶縁カバーがネジ山構造を持つ第2の通孔を有するようにすれば、工程が簡単になりセラミックカバーにネジ山を加工することよりもコストが安いだけでなく、引出端と絶縁カバーのはんだ付けに必要な費用もさらに節減することができる。ここで、引出端と絶縁カバーはネジ山を利用して固定連結することにより、引出端と絶縁カバーの連結強度を増加させるが、引出端と絶縁カバーの連結強度を保障する状況下でセラミック素材の絶縁カバーの頂部の厚さを減らすことができるので、本発明の生産コストを節減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、セラミック材料の絶縁カバーを使用することにより本発明のリレーの構造剛性を保障し、はんだ付け工程を経る必要がないので、本発明のリレーの生産サイクルが割りと短く、生産コストも割りと低くなる。本発明は、シーラント注入によってリレーの密閉性を保障するので、リレーの使用電圧を向上させることができ、本発明のリレーの電圧を1KVまで到達させて本発明の使用性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明においてシーラント注入後の断面図
図2】本発明の鳥瞰図
図3】本発明においてシーラント注入前の断面図
図4】本発明において絶縁カバーの構造図
図5】本発明においてヨーク板の構造図
図6】本発明においてヨークコップの構造図
図7】本発明において上部蓋の構造図
図8図3においてA地点の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1、3、4及び5に示すように、本発明は密閉型の高圧直流リレーに関するものであって、絶縁カバー1とヨーク板2を有し、絶縁カバー1は伏せたコップ状構造であり、ヨーク板2の外部縁は上に向けて延びて円筒状固定部11を形成し、絶縁カバー1の下端とヨーク板2の固定部11は互いにネジ山マッチングで固定され、絶縁カバー1とヨーク板2はネジ山固定され可動接点アセンブリと静的接点アセンブリを収容するキャビティを形成し、絶縁カバーの下端と固定部のネジ山マッチング部位は密閉シーラント8によってシーラントを注入して密封する。
【0022】
固定部11に雌ネジ山部12を形成し、絶縁カバー1の下端に雌ネジ山部12とマッチングされる雄ネジ山部13を形成する。絶縁カバー1とヨーク板2はネジ山固定されて可動接点アセンブリと静的接点アセンブリを収容するキャビティを形成し、可動接点アセンブリは活動バネ3と可動接点を有し、静的接点アセンブリは静的接点と引出端4を有し、引出端4は絶縁カバー1の頂部と固定される。引出端4は上部区間、中間区間及び下部区間を有し、静的接点は引出端の下部区間と固定され、引出端の中間区間には雄ネジ山が形成され、絶縁カバー1には引出端の中間区間とマッチングされる第2のネジ山通孔44が形成される。絶縁カバー1の第2のネジ山通孔のネジ山構造と絶縁カバー1の下端の雄ネジ山部13は、いずれも絶縁カバー焼結時に一体型に成形し、絶縁カバーはセラミック素材で作製する。絶縁カバーの第2のネジ山通孔と雄ネジ山部の形成方法は、以下の通りである。つまり、絶縁カバーのセラミックボディを製造する前にボルトを挿入して、モールド成形によってネジ山部のあるセラミックボディを形成し、ボディを形成した後にボルトが回転していくようにし、さらに焼結して第2のネジ山通孔と雄ネジ山部のある絶縁カバーを得る。これは工程が簡単で、セラミックカバーにネジ山を加工することよりもコストがさらに節減されるだけでなく、引出端と絶縁カバーのはんだ付けに必要な費用もさらに節減することができる。ここで引出端と絶縁カバーは、ネジ山を利用して固定連結することにより、引出端と絶縁カバーの連結強度を増加させるが、引出端と絶縁カバーの連結強度を保障する状況下でセラミック素材の絶縁カバーの厚さを減らすことができるので、本発明の生産コストを節減することができる。
【0023】
雄ネジ山部13のネジ山の高さは雌ネジ山部12のネジ山の高さよりも高く、絶縁カバー1とヨーク板2の固定部11はネジ山マッチングされて絶縁カバー1が固定部11上側の部位よりも相対的に雄ネジ山が露出されるようにし、ヨークコップのコップ壁と絶縁カバーから露出された雄ネジ山との間には第1のシーラント注入キャビティ17が形成される。ヨーク板2の下方には磁気回路システム5が設けられ、磁気回路システム5は円筒状ヨークコップ6内に設けられ、ヨークコップ6のコップ壁は上に向けてヨーク板2固定部11の上端面の上方まで延び、絶縁カバー1とヨーク板2はネジ山固定され絶縁カバー1の下端面はヨーク板2の上端面と噛合される。
【0024】
図1、2、3及び7に示すように、絶縁カバー1、ヨーク板2及びヨークコップ6は、いずれも外部ハウジング10内に設けられ、外部ハウジング10は円筒状構造であり、外部ハウジング10の頂部には上部蓋9が固定され、上部蓋9は絶縁カバー1の上方に位置する。引出端4の上部区間は絶縁カバー1と上部蓋9を貫通して上部蓋9の外側まで延び、上部蓋9には引出端4上端が通過する第1の通孔14が形成される。上部蓋9にはシーラント注入口15が形成され、上部蓋9と絶縁カバー1との間には第2のシーラント注入キャビティ18が形成され、第1のシーラント注入キャビティ17と第2のシーラント注入キャビティ18は連通し、第1のシーラント注入キャビティ17と第2のシーラント注入キャビティ18内には密閉シーラント8が詰められる。
【0025】
図1ないし図3に示すように、上部蓋9の第1の通孔14の直径が引出端4の外径よりも大きく、引出端4の上部区間と上部蓋9との隙間がまさにシーラント注入口15となる。シーラント注入口15でシーラントを詰め、密閉シーラントは外部ハウジング10と絶縁カバー1との隙間に沿って第1のシーラント注入キャビティ17に向けて流動し、密閉シーラントは絶縁カバーから露出された雄ネジ山に沿って雄ネジ山部と雌ネジ山部との隙間(絶縁カバーとヨーク板固定部との隙間)に進入して絶縁カバーとヨーク板のネジ山マッチング部位を密閉し、密閉シーラントは順次に第1のシーラント注入キャビティ17、外部ハウジングと絶縁カバーとの隙間を詰め、次いで第2のシーラント注入キャビティ18を詰めて引出端と絶縁カバー外表面の接触地点を詰め、第2のシーラント注入キャビティ18が一杯詰められて密閉シーラントがシーラント注入口から溢れたり、密閉シーラントがシーラント口に位置すると全体シーラント注入密閉作業が完了される。
【0026】
図1、3、6及び8に示すように、ヨークコップ6のコップ壁はコップ壁の上部20とコップ壁の下部21を有し、コップ壁の上部20の外径はコップ壁の下部21の外径よりも大きく、外部ハウジング10の筐壁には唇状構造22が形成され、コップ壁の上部20の下部縁は唇状構造22と噛合される。ヨークコップ6のコップ壁の上部20の内径はコップ壁の下部21の内径よりも大きく、ヨーク板2の下端面はコップ壁の下部21の上部縁と噛合される。上記のような設置は、密閉シーラントが磁気回路システムに進入することを防止して密閉シーラントの注入される消耗量を減らすことができる。
【0027】
図1、3及び7に示すように、上部蓋9の下端面には二つの下に向けて延びる位置固定突起16が形成され、二つの位置固定突起16は上部蓋9の下端面の相対する両側に設けられ、上部蓋9と外部ハウジング10をマッチングさせて位置固定突起16と外部ハウジング10の筐壁内側が噛合されるようにする。上記のような設置は、上部蓋9と外部ハウジング10の位置を固定し易くする。
【0028】
本発明は、セラミック素材の絶縁カバーを使用することにより、本発明のリレーの構造剛性を保障し、はんだ付け工程を経る必要がないので本発明のリレーの生産サイクルが割りと短く、生産コストも割りと低くなる、本発明は、シーラント注入によってリレーの密閉性を保障するのでリレーの使用電圧を向上させることができ、本発明のリレーの電圧を1KVまで到達させて本発明の使用性能を向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8