(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記実パターンデータが、いずれの前記モデルパターンにも合致しなかった場合には、対策シミュレーションを実行することにより、採るべきアクションを策定する策定部と、
合致しなかった前記実パターンデータと、策定した前記アクションとを対応づけて前記第2記憶部に記憶する更新部とをさらに備え、
前記出力部は、前記策定部によって策定された前記アクションを出力する、請求項1にまたは2に記載の物流管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0015】
A.本実施形態
[物流管理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る物流管理システム1000のコンセプトを表した概念図である。
本実施形態に係る物流管理システム1000は、管理対象となる現実倉庫RWをデジタル上で仮想倉庫PWとして再現することより、管理者や作業員の経験や勘といった属人性を排除し、ロボットや各設備および作業などから得られる多様な情報に基づいて意思決定を行い、倉庫の運営の適正化を可能とするものである。
【0016】
図2は、本実施形態に係る物流管理システム1000の運用イメージを表す模式図である。
管理者は、仮想倉庫PWを活用し、現実倉庫RWから取得される実績データや指示データなどに基づき、作業現場の動きを可視化し、作業現場の状況を監視する(
図2に示す(1)参照)。さらに、管理者は、現実倉庫RWから取得される実績データや指示データなどをもとに、パターンマッチングやシミュレーション(いずれも後述)を実施し、作業の将来予測及びこれから採るべきアクションを決定することで、現実倉庫RWの運営の適正化を図る(
図2に示す(2)参照)。
【0017】
図3は、仮想倉庫PWを実現する物流管理装置100の概略構成を示す図である。
物流管理装置100は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。物流管理装置100は、CPU11によって実行される様々な制御プログラムを記憶するROMやRAMなどのメモリ12、キーボードやマウス、操作ボタンなどを備えた入力装置13、液晶パネルなどを備えた出力装置14、ハードディスク等の記憶装置15、各通信インタフェースを備えた通信装置16などを備えている。
【0018】
図4は、物流管理装置100の機能構成を示すブロック図である。
物流管理装置100は、CPU11がメモリ12などに記憶されたソフトウェアを読み込み、解釈/実行することにより、
図4に示す各部の機能を提供する。
【0019】
[データ収集部101]
図5は、データ収集部(収集部)101によって収集される各種データを例示した図である。
データ収集部101によって収集されるデータは、基本実績データDbと、特定実績データDsとに大別できる。
【0020】
<基本実績データDb>
基本実績データDbは、稼働マスタデータD1、能力マスタデータD2、計画データD3、稼働実績データD4を含んで構成される。
稼働マスタデータD1は、日付、工程名、開始時刻、終了予定時刻、休息開始時刻など、倉庫稼働に関する基本データを含む。
能力マスタデータD2は、工程名、基準生産性、仕掛容量など、倉庫能力に関する基本データを含む。
計画データD3は、日付、工程、処理数など、稼働計画に関するデータを含む。
稼働実績データD4は、工程、タイムスタンプ、処理数、仕掛数など、実際の稼働実績に関するデータを含む。
【0021】
<特定実績データDs>
特定実績データDsは、基本実績データDbを適宜抽出・加工して得られるデータであり、進捗率、稼働率、滞留状況を含んで構成される。これら進捗率、稼働率、滞留状況は、工程、計画処理数、実績処理数、稼働可能時間(min)、稼働時間(min)といった基本実績データDbに含まれる情報を抽出・加工することによって導出される。
【0022】
ここで、計画処理数は、その時点までの計画処理数の累計を示し、実績処理数は、その時点までの実績処理数の累計を示し、稼働可能時間は、対象となる(作業)工程の稼働開始時間からその時点までの累積時間を示し、稼働時間は、対象となる工程の稼働開始時間からその時点までの稼働実績時間を示し、仕掛数は、その時点における処理待ち滞留数を示す。参考として、
図5の左下に基本実績データDbから特定実績データDsを得るイメージ図を示す。なお、以下の説明において、基本実績データDbと特定実績データDsを特に区別する必要がない場合には、「実績データDi」と総称する。
【0023】
データ収集部101は、上記のようにして収集した実績データDiをデータベース部102に格納する。
【0024】
[データベース部102]
データベース部102は、実績データデータベース(DB)、アラートデータベース(DB)、パターンテーブルデータベース(DB)を備えている。
実績DBには、データ収集部101によって収集された実績データDi等が格納される。
アラートDB(第1記憶部)には、アラート条件設定部103によって設定されるアラート条件等が格納される(詳細は後述)。
パターンテーブルDB(第2記憶部)には、モデルパターン設定部106によって設定されるパターンマッチング用のモデルパターンと、採るべきアクションとが対応づけられているパターンテーブル等が格納されている(詳細は後述)。
【0025】
[アラート条件設定部103]
アラート条件設定部103は、収集される実績データDiを監視するためのアラート条件Caを設定する。アラート条件Caは、後述するように計画と実績の剥離が発生したタイミングで稼働分析を行い、分析結果に基づきアラート条件を設定・更新してもよいが、事前に管理者等がアラート条件(例えば、進捗率が50%未満など)Caを適宜設定・更新してもよい。いかなる方法を採用するかは、システム設計等に応じて適宜変更可能である。
【0026】
[アラート対象判定部104]
アラート対象判定部104は、収集される実績データDiとアラート条件Caを突合(比較)し、実績データDiをアラート対象とすべきか否かを判定する。
【0027】
[実パターン生成部105]
実パターン生成部(生成部)105は、アラート対象判定部104によってアラート対象とすべき旨の判断がなされた場合に、作業現場の状況把握に必要なすべての実績データ(すなわち、アラート対象となった実績データを含む様々な実績データ)を用いて、倉庫の現場状況をあらわす実パターンを生成する。
【0028】
図6は、実パターンPrの生成過程を説明するための図である。
図6に示す例では、ある倉庫において工程A、工程B、・・・工程Nが実施されており、工程ごとに進捗率、稼働率、滞留状況を含む特定実績データDsが与えられている。ここで、進捗率、稼働率、滞留状況には、それぞれ基準値Vsとして進捗率80%未満、稼働率80%以上、滞留状況50%以上が設定されている。
実パターン生成部105は、工程ごとに、現況の進捗率、稼働率、滞留状況をプロットし、これらを基準値Vsと比較することで、能力ステータスSaを決定する。
【0029】
一例をあげて説明すると、工程Aについては、進捗率は80%未満、稼働率は80%以上、滞留状況は50%以上であることから、実パターン生成部105は、能力ステータスSaを「不足状態」と判断する。一方、工程Bについては、進捗率は80%未満ではなく、稼働率は80%以上であり、滞留状況も50%以上でないことから、実パターン生成部105は、能力ステータスSaを「適正状態」であると判断する。さらに、工程Nについては、進捗率は80%未満ではなく、稼働率は80%以上でなく、滞留状況も50%以上でないことから、実パターン生成部105は、能力ステータスSaを「過多状態」であると判断する。
【0030】
実パターン生成部105は、すべての工程について能力ステータスSaを決定し、決定した能力ステータスSaを統合することで、倉庫の現場状況をあらわす実パターンPr(すなわち、稼働状況をパターン化した実パターンデータ)を生成する。なお、上述した基準値Vsや能力ステータスSaの決定基準については、予め設定された固定値としてもよいが、管理者が適宜設定・変更可能としてもよい。
【0031】
[モデルパターン設定部106]
モデルパターン設定部106は、パターンマッチング用のモデルパターンPm、及びアクションAcを設定する。
図7は、モデルパターンPm及びアクションAcが登録されたパターンテーブルTpを例示した図である。
【0032】
パターンテーブルTpには、パターンマッチング用のモデルパターンPmと、アクションAcとが対応づけて登録されている。
図7では、パターンマッチング用のモデルパターンPmとして、複数のモデルパターン(パターン1、パターン2、・・・)が例示されている。各モデルパターンPmに対応づけられているアクションAcとしては、例えば「工程Nから工程Aへ○×人配置換え」等のアクションAcが挙げられるが、いかなるアクションAcを設定するかは任意である。モデルパターン設定部106は、管理者等からの入力操作に基づき、パターンマッチング用のモデルパターンPm、及びアクションAcを設定し、パターンテーブルTpに登録する。
【0033】
[パターンマッチング処理部107]
パターンマッチング処理部(抽出部)107は、実パターン生成部105によって生成された実パターンPrと、パターンテーブルDBに登録されているパターンテーブルTpとを突合(比較)することで、パターンマッチングを行う。
【0034】
図8は、パターンマッチングの一例を示す図である。
図8に示す例では、倉庫の現場状況(現況)を示す実パターンPrが、パターンテーブルTpに登録されているモデルパターンPm−2と一致(マッチング)している状態を示している。パターンマッチング処理部107は、
図8に示すように、実パターンPrが、モデルパターンPm−2に一致していると判断すると、モデルパターンPm−2に対応づけられているアクションAc−2(ここでは、「工程Nから工程Aへ○×人配置換え」)をパターンテーブルTpから読み出し、出力部109に出力する。
【0035】
一方、パターンマッチング処理部107は、実パターンPrが、いずれのモデルパターンPmとも一致しないと判断すると、シミュレーション実行部108に対し、対策シミュレーションを実行すべき指示を送る。
【0036】
[シミュレーション実行部108]
シミュレーション実行部(策定部)108は、パターンマッチング処理部107からの指示に従い、対策シミュレーションを実行することで、倉庫の現場を最適にコントロールするためのアクションAcを策定する。
【0037】
図9は、シミュレーション実行部108によってアクションAcが策定されるまでの流れを示す図であり、詳細には人員配置計画案の見直しを行う場合のアクションAの策定を想定している。
シミュレーション実行部108は、まず、人員配置計画案を設定する(
図9に示すA参照)。シミュレーション実行部108は、設定した人員配置で作業シミュレーション(対策シミュレーション)を実行する(
図9に示すB参照)。シミュレーション実行部108は、人員配置計画案毎のシミュレーションを比較し、シミュレーション結果を評価する(
図9に示すC参照)。シミュレーション実行部108は、最良の人員配置計画案が確定するまで、
図9のAからCに示す処理(以下、「検証サイクル処理」ともいう。)を実行する。シミュレーション実行部108は、検証サイクル処理を実行することで、最良の人員配置計画案を決定すると、これをアクションAcとして策定し、出力部109に出力するとともに、策定したアクションAcをパターンマッチング処理部107に出力する。
【0038】
パターンマッチング処理部(更新部)107は、シミュレーション実行部108から策定したアクションAcを受け取ると、受け取ったアクションAcとともに、いずれのモデルパターンにも合致しないと判断した実パターンPrを新たなモデルパターンPmとして、パターンテーブルTpに登録する。
【0039】
[出力部109]
出力部109は、パターンマッチング処理部107またはシミュレーション実行部108から供給されるアクションAcを出力装置(液晶パネルなど)14に表示し、現場へのアクションAcの適用を管理者に促す。管理者は、液晶パネルに表示されるアクションAcを参照し、現実倉庫RWの作業員に最適な指示を送る。
【0040】
以下、物流管理装置100による実績データの収集からアクション決定までの流れについて、
図10等を参照しながら説明する。
【0041】
図10は、物流管理装置100によって実行される運営処理フローを示すフローチャートである。
【0042】
データ収集部101は、入力装置13等を介して入力される指示に従い、現実倉庫RWに関わる実績データDiをリアルタイムに収集する(ステップS100)。データ収集部101は、収集した実績データDiを実績DBに格納していく(ステップS110)。
【0043】
一方、アラート対象判定部104は、データ収集部101によって収集された実績データDiをアラート条件Caと突合(比較)し(ステップS120)、アラート対象とすべき実績データDiがあるか否かを判定する(ステップS130)。
【0044】
アラート対象判定部104は、アラート条件Caに合致する実績データDiがないと判断すると(ステップS130;NO)、ステップS100に戻り、実績データDiの収集を継続する。
【0045】
一方、アラート対象判定部104は、収集された実績データDiの中に、アラート条件Ca(例えば、「進捗率が55%未満」など)に合致する実績データDi(例えば、工程Aの進捗率は45%など)があると判断すると(ステップS130;YES)、実パターン生成部105に対し、収集された実績データDiに関して実パターンを生成すべき指示を送る。
【0046】
実パターン生成部105は、アラート対象判定部104からの指示を受け取ると、作業現場の状況把握に必要なすべての実績データDi(すなわち、アラート対象となった実績データを含む様々な実績データ)を実績DBから抽出し(ステップS140)、抽出した実績データDiを用いて、倉庫の現場状況をあらわす実パターンPrを生成する(ステップS150)。なお、実パターンPrの生成方法については、
図6等を用いて既に詳細を明らかにしたため、ここでは説明を割愛する。
【0047】
実パターン生成部105は、すべての工程について能力ステータスSaを決定し、決定した能力ステータスSaを統合することで、倉庫の現場状況をあらわす実パターンPrを生成すると、パターンマッチング処理部107に対し、パターンマッチングを行うべき指示を送る。
【0048】
パターンマッチング処理部107は、実パターン生成部105からの指示を受け取ると、実パターン生成部105によって生成された実パターンPrと、パターンテーブルDBに登録されているパターンテーブルTpとを突合(比較)し(ステップS160)、実パターンPrがいずれかのモデルパターンPmと一致するか否か(すなわち、マッチングするか否か)を判定する(ステップS170)。
【0049】
パターンマッチング処理部107は、例えば、
図8に示すように、実パターンPrが、いずれかのモデルパターンPmと一致していると判断すると(ステップS170;YES)、一致したモデルパターンPm(
図8に示す例では、モデルパターンPm−2)に対応づけられているアクションAc(ここでは、「工程Nから工程Aへ○×人配置換え」)をパターンテーブルTpから読み出し(ステップS180)、出力部109に出力する。
【0050】
出力部109は、パターンマッチング処理部107から供給されるアクションAcを出力装置(液晶パネルなど)14に表示することで、現場へのアクションAcの適用を管理者に促し(ステップS190)、処理を終了する。管理者は、液晶パネルに表示されるアクションAcを参照し、現実倉庫RWの作業員や各種設備等に最適な指示を送る。
【0051】
一方、パターンマッチング処理部107は、実パターンPrが、いずれのモデルパターンPmとも一致しないと判断すると(ステップS170;NO)、シミュレーション実行部108に対し、対策シミュレーションを実行すべき指示を送る。
【0052】
シミュレーション実行部108は、パターンマッチング処理部107からの指示を受け取ると、対策シミュレーションを実行することで、倉庫の現場を最適にコントロールするためのアクションAcを策定する(ステップS200)。なお、対策シミュレーションの実施方法やアクションAcを策定する方法については、
図9等を用いて既に詳細を明らかにしたため、ここでは説明を割愛する。
【0053】
シミュレーション実行部108は、アクションAcを策定すると、策定したアクションAcを出力部109に出力するとともに、策定したアクションAcをパターンマッチング処理部107に出力する。
【0054】
パターンマッチング処理部107は、シミュレーション実行部108から策定したアクションAcを受け取ると、受け取ったアクションAcとともに、いずれのモデルパターンとも一致しないと判断した実パターンPrを新たなモデルパターンPmとして、パターンテーブルTpに登録する(ステップS210)。
【0055】
一方、出力部109は、シミュレーション実行部108から供給されるアクションAcを出力装置(液晶パネルなど)14に表示することで、現場へのアクションAcの適用を管理者に促し(ステップS190)、処理を終了する。管理者は、液晶パネルに表示されるアクションAcを参照し、現実倉庫RWの作業員や各種設備等に最適な指示を送る。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係る物流管理システムによれば、現実倉庫に関わる実績データをリアルタイムに収集し、収集した実績データをアラート条件と突合することで、現場状況の変化を監視する。そして、収取した実績データとアラート条件の突合により、アラート対象とすべき旨の判断がなされた場合には、パターンマッチングまたはシミュレーションにより、最適なアクションを決定し、決定したアクションに基づき、現実倉庫の作業員や各種設備等に最適な指示を送る。
このような構成を採用することで、管理者や作業員の経験や勘といった属人性を排除し、ロボットや各設備および作業などから得られる多様な情報に基づいて意思決定を行うことができ、倉庫の運営の適正化が可能となる。
【0057】
B.変形例
図11は、モデルパターンの設定・更新処理を示すフローチャートである。モデルパターンの設定・更新処理は、モデルパターン設定部106により、定期または不定期に実行される。
モデルパターン設定部(検知部)106は、まず、処理計画と処理実績とを比較することで、処理計画と処理実績に乖離のある日を検知し(
図12参照)、検知した日の実績データDiを実績DBから抽出する(ステップS100a)。
【0058】
図12は、計画・実績グラフGを例示した図である。
計画・実績グラフGは、処理計画と処理実績との対応関係を示しており、データベース部102等に格納される。
図12の例では、t1のタイミングで処理計画と処理実績との間に乖離が生じている。なお、乖離が生じているか否かは、例えば、処理計画と処理実績との差分ΔDが閾値Vthを超えているか否かに基づいて判断すればよい。
【0059】
モデルパターン設定部106は、計画・実績グラフGをもとに、処理計画と処理実績との間に乖離が生じたタイミングt1を特定すると(ステップS110a)、そのタイミングt1における作業現場の状況把握に必要なすべての実績データ(すなわち、アラート対象となった実績データを含む様々な実績データ)を実績DBから抽出する(ステップS120a)。そして、モデルパターン設定部(設定・更新部)106は、抽出した実績データを用いて、倉庫の現場状況をあらわす実パターンを生成し、これをモデルパターンPmとして設定する(ステップS130a)。さらに、モデルパターン設定部(設定・更新部)106は、このような状況下において採るべきアクションAcを策定し(ステップS140a)、今回設定したモデルパターンPmとアクションAcとを対応づけてパターンテーブルTpに登録し、処理を終了する。
【0060】
このように、計画と実績との乖離を検知し、乖離が生じるような状況下で倉庫の現場を最適にコントロールするためのアクションAcを策定しておくことで、より適正な倉庫の運営が可能となる。
【0061】
C.その他
本明細書において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その「部」が実行する処理をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が実行する処理を2つ以上の物理的構成や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置が実行する処理を1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。また、本実施形態では特に言及しなかったが、物流管理装置100に係る機能をクラウド環境下で実現するか、オンプレミス環境下で実現するかは、製造業者等の要求に応じて任意に選択可能である。
【0062】
また、本明細書において上述した各処理におけるステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0063】
本明細書において説明した各処理を実施するプログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、物流管理装置100に、上記プログラムをインストールすることができる。ここで、上記プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば、CD−ROM等の記録媒体であっても良い。
【課題】管理者や作業員の経験や勘といった属人性を排除し、ロボットや各設備および作業などから得られる多様な情報に基づいて意思決定を行うことが可能な物流管理技術を提供する。
【解決手段】物流管理装置100は、現実倉庫に関わる実績データをリアルタイムに収集し、収集した実績データをアラート条件と突合することで、現場状況の変化を監視する(ステップS100〜ステップS130参照)。物流管理装置100は、アラート対象とすべき旨の判断をすると、パターンマッチングまたはシミュレーションにより、最適なアクションを決定し、決定したアクションに基づき、現実倉庫の作業員や各種設備等に最適な指示を送る(ステップS140〜ステップS210参照)。