特許第6427297号(P6427297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オプティムの特許一覧

特許6427297化粧シミュレーションシステム、化粧シミュレーション方法、および化粧シミュレーションプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427297
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】化粧シミュレーションシステム、化粧シミュレーション方法、および化粧シミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
   G06T1/00 340A
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-511805(P2018-511805)
(86)(22)【出願日】2016年4月12日
(86)【国際出願番号】JP2016061846
(87)【国際公開番号】WO2017179134
(87)【国際公開日】20171019
【審査請求日】2018年5月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】 新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−053981(JP,A)
【文献】 特開2014−115821(JP,A)
【文献】 特開2012−119798(JP,A)
【文献】 特開2014−056546(JP,A)
【文献】 特開2003−016471(JP,A)
【文献】 特開2008−059108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステムであって、
顔の構成パーツの輪郭に影響を及ぼすと考えられる前記顔画像の人物の情報である属性情報の入力を受ける属性情報入力受付手段と、
前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付手段と、
前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定受付手段と、
前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記入力された属性情報を加味して、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画手段と、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーションシステム。
【請求項2】
前記属性情報に、性別、年齢、人種、のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧シミュレーションシステム。
【請求項3】
前記プロットにより指定させる特徴点として、前記構成パーツの最も上、最も下、最も左、最も右の4点を含むことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の化粧シミュレーションシステム。
【請求項4】
前記指定された構成パーツが目である場合、前記輪郭描画手段により描画した目の輪郭から、さらに、瞼の輪郭を予測して描画する瞼描画手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の化粧シミュレーションシステム。
【請求項5】
前記描画した輪郭と前記顔画像の構成パーツの輪郭との間にズレがある場合に、描画した輪郭の微調整を行わせる描画輪郭微調整手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の化粧シミュレーションシステム。
【請求項6】
ネットワークを介して接続された端末と画面を共有する画面共有手段と、
前記ネットワークを介して接続された端末から前記共有した画面に対して操作を行える遠隔操作手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の化粧シミュレーションシステム。
【請求項7】
顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステムが実行する化粧シミュレーション方法であって、
顔の構成パーツの輪郭に影響を及ぼすと考えられる前記顔画像の人物の情報である属性情報の入力を受ける属性情報入力受付ステップと、
前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付ステップと、
前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定受付ステップと、
前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記入力された属性情報を加味して、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画ステップと、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーション方法。
【請求項8】
顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステムに、
顔の構成パーツの輪郭に影響を及ぼすと考えられる前記顔画像の人物の情報である属性情報の入力を受ける属性情報入力受付ステップ、
前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付ステップ、
前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定ステップ、
前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記入力された属性情報を加味して、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画ステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能な化粧シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステム、化粧シミュレーション方法、および化粧シミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの化粧を支援する様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザの撮像画像の表示内容を確認しながら、化粧を施したり、身だしなみを整えたりする場合の表示方法に関する技術が記載されている。また、特許文献2には、三次元計測手段を使用して取得した三次元情報を用いて、ユーザの化粧を支援する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−223001号公報
【特許文献2】特開2015−197710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の手法では、特定部位を認識する認識手段の性能により、撮影画像と比較対象画像をうまく重ね合わせが行えない恐れがある。特に、アイメイクのように目の形状に沿った化粧を施す必要がある場合には、個人個人の顔の構成パーツの輪郭にあわせ、化粧画像を重ねあわせることが重要である。
【0005】
また、特許文献2の手法では、三次元情報の使用により、特許文献1に比較して、顔の状態の認識がしやすくなると考えられるが、投光部により計測用パターンを投射する必要があるため、装置が高価になるという問題がある。
【0006】
化粧シミュレーションを行う場合、顔の構成パーツの輪郭が自動でうまく認識できない場合には、ユーザが手動で輪郭のラインを入力して、化粧を施す領域と、化粧を施さないマスク領域を指定することが必要となる。そのユーザによる手動入力の際に、ユーザの熟練度や器用さによって、ラインの精度がばらついてしまうという課題がある。
【0007】
さらに、特許文献1、特許文献2とも、ユーザが施した化粧は自分自身で画像を確認するという構成のみであるが、複数人で画面を共有し、画像の確認や、画像に対する操作を行えるようにすることが求められている。画面共有により、アドバイザやオペレータといった、専門家からの適切なフィードバックを得ることで、ユーザの満足度の高い化粧シミュレーションを行うことができると考えられる。
【0008】
そこで、本発明では、上記の課題に鑑みて、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付けることで、顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステム、化粧シミュレーション方法、化粧シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、
顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステムであって、
前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付手段と、
前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定受付手段と、
前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画手段と、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーションシステムを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステムにおいて、前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付手段と、前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定受付手段と、前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画手段と、を備える。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、化粧シミュレーションシステムのカテゴリであるが、化粧シミュレーション方法、および化粧シミュレーションプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムであって、
前記プロットにより指定させる特徴点として、前記構成パーツの最も上、最も下、最も左、最も右の4点を含むことを特徴とする化粧シミュレーションシステムを提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムは、前記プロットにより指定させる特徴点として、前記構成パーツの最も上、最も下、最も左、最も右の4点を含む。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、第1または第2の特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムであって、
前記顔画像の属性情報の入力を受ける属性情報入力受付手段を備え、
前記輪郭描画手段は、前記入力された属性情報を加味して、前記構成パーツの輪郭を描画することを特徴とする化粧シミュレーションシステムを提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第1または第2の特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムは、前記顔画像の属性情報の入力を受ける属性情報入力受付手段を備え、前記輪郭描画手段は、前記入力された属性情報を加味して、前記構成パーツの輪郭を描画する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムであって、
前記指定された構成パーツが目である場合、前記輪郭描画手段により描画した目の輪郭から、さらに、瞼の輪郭を予測して描画する瞼描画手段と、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーションシステムを提供する。
【0018】
第4の特徴に係る発明によれば、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムは、前記指定された構成パーツが目である場合、前記輪郭描画手段により描画した目の輪郭から、さらに、瞼の輪郭を予測して描画する瞼描画手段と、を備える。
【0019】
第5の特徴に係る発明は、第1から第4のいずれかの特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムであって、
前記描画した輪郭と前記顔画像の構成パーツの輪郭との間にズレがある場合に、描画した輪郭の微調整を行わせる描画輪郭微調整手段と、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーションシステムを提供する。
【0020】
第5の特徴に係る発明によれば、第1から第4のいずれかの特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムは、前記描画した輪郭と前記顔画像の構成パーツの輪郭との間にズレがある場合に、描画した輪郭の微調整を行わせる描画輪郭微調整手段と、を備える。
【0021】
第6の特徴に係る発明は、第1から第5のいずれかの特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムであって、
ネットワークを介して接続された端末と画面を共有する画面共有手段と、
前記ネットワークを介して接続された端末から前記共有した画面に対して操作を行える遠隔操作手段と、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーションシステムを提供する。
【0022】
第6の特徴に係る発明によれば、第1から第5のいずれかの特徴に係る発明である化粧シミュレーションシステムは、ネットワークを介して接続された端末と画面を共有する画面共有手段と、前記ネットワークを介して接続された端末から前記共有した画面に対して操作を行える遠隔操作手段と、を備える。
【0023】
第7の特徴に係る発明は、顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーション方法であって、
前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付ステップと、
前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定受付ステップと、
前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画ステップと、
を備えることを特徴とする化粧シミュレーション方法を提供する。
【0024】
第8の特徴に係る発明は、顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステムに、
前記顔画像の構成パーツの種類の指定を受ける構成パーツ種類指定受付ステップ、
前記指定を受けた構成パーツの輪郭上に、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付ける特徴点指定ステップ、
前記プロットにより指定された複数の特徴点に基づいて、前記構成パーツの輪郭を描画する輪郭描画ステップ、
を実行させるための化粧シミュレーションプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数の特徴点の指定をプロットにより受け付けることで、顔画像に化粧シミュレーションを行う化粧シミュレーションシステム、化粧シミュレーション方法、化粧シミュレーションプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の好適な実施形態の概要図である。
図2図2は、端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図3図3は、端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。
図4図4は、属性情報入力受付機能を備えた端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図5図5は、属性情報入力受付機能を備えた端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。
図6図6は、瞼描画機能を備えた端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図7図7は、瞼描画機能を備えた端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。
図8図8は、輪郭微調整機能を備えた端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図9図9は、輪郭微調整機能を備えた端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。
図10図10は、画面共有機能と遠隔操作機能を備えた接続元端末100aと接続先端末100bの機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図11図11は、画面共有機能と遠隔操作機能を備えた接続元端末100aと接続先端末100bのフローチャート図である。
図12図12は、サーバに輪郭データベースを備えた場合の端末100とサーバ300の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
図13図13は、サーバに輪郭データベースを備えた場合の端末100とサーバ300のフローチャート図である。
図14図14は、端末100での顔画像取得画面の表示の一例である。
図15図15は、端末100での構成パーツ種類指定受付画面の表示の一例である。
図16図16は、端末100での特徴点指定受付画面の表示の一例である。
図17図17は、端末100での輪郭描画画面の表示の一例である。
図18図18は、端末100での化粧描画画面の表示の一例である。
図19図19は、端末100での属性情報入力受付画面の表示の一例である。
図20図20は、端末100での瞼の輪郭描画画面の表示の一例である。
図21図21は、端末100での輪郭微調整画面の表示の一例である。
図22図22は、接続元端末100aと接続先端末100bとの間で画面共有と遠隔操作を行う場合の表示の一例である。
図23図23は、輪郭データベースのデータ構造の一例である。
図24図24は、属性情報毎に分類した場合の輪郭データベースのデータ構造の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0028】
[化粧シミュレーションシステムのシステム概要]
本発明の概要について図1に基づいて、説明する。端末100は、図2に示すように、カメラ部110、入力部120、出力部130、記憶部140、制御部150から構成される。入力部120は制御部150と協働して構成パーツ種類指定受付モジュール121、特徴点指定受付モジュール122を実現する。また、出力部130は制御部150と協働して輪郭描画モジュール131を実現する。
【0029】
化粧シミュレーションのための輪郭描画処理を行う場合、はじめに、端末100は、顔画像の取得を行う(ステップS01)。ここでは、カメラ部110による撮像を行うか、または端末100内に保存してある画像を選択することにより、化粧シミュレーションを行うための顔画像を決定する。
【0030】
次に、端末100の構成パーツ種類指定受付モジュール121は、ユーザから構成パーツの指定を受け付ける(ステップS02)。ここで、化粧シミュレーションを行う顔の構成パーツの種類を、右目、左目、鼻、口、顔全体等の選択肢からユーザに選択させる。この、構成パーツの指定により、以降各パーツに合わせた適切な処理を行える。
【0031】
次に、特徴点指定受付モジュール122は、ユーザから特徴点の指定を受け付ける(ステップS03)。特徴点とは、例えば、構成パーツの最も左、最も右、最も上、最も下、の4点等で、顔画像から輪郭を類推するための、手助けとなる複数の点のこととする。ここで、特徴点の指定は、顔画像上にユーザが点をプロットして行うものとする。
【0032】
最後に、輪郭描画モジュール131は、指定された複数の特徴点に基づき輪郭の類推を行い、顔画像に輪郭の描画を行う(ステップS04)。ここでの構成パーツの輪郭の類推処理は、構成パーツの輪郭データを蓄えたデータベースを用意しておき、指定された輪郭の特徴点をデータベースに照合することで、特徴点にあった輪郭データを取得する。これにより、特別な装置を必要とせず、ユーザは特徴点のプロットを行うだけで、適切な輪郭が描画され、輪郭にあわせた適切な位置に化粧シミュレーションを行うことが可能となる。
【0033】
[各機能の説明]
図2は、端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。カメラ部110、入力部120、出力部130、記憶部140、制御部150から構成される。入力部120は制御部150と協働して構成パーツ種類指定受付モジュール121、特徴点指定受付モジュール122を実現する。また、出力部130は制御部150と協働して輪郭描画モジュール131を実現する。
【0034】
端末100は、ユーザがカメラによる撮像を行える一般的な情報端末であって良く、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。携帯電話やスマートフォン、カメラ機能を備えた、または、ウェブカメラ等の外付けカメラを接続可能な、タブレットPC、ノートPC、ウェアラブルデバイス、またはディスプレイを備えたPC等の一般的な情報家電やその他の電化製品であって良い。端末100として図示しているスマートフォンはその一例にすぎない。
【0035】
端末100は、カメラ部110にカメラを備える。カメラ部110は、撮影した画像をデジタルデータに変換して、記憶部140に保存する。また、撮影画像は静止画像であっても動画像であってもよく、動画像の場合には、制御部150の働きにより、動画像の一部を切り出して、静止画像として記憶部140に保存することも可能であるとする。また、撮影して得られる画像は、ユーザが必要なだけの情報量を持った精密な画像であるものとし、画素数や画質を指定可能であるものとする。
【0036】
入力部120は、制御部150と協働して構成パーツ種類指定受付モジュール121、特徴点指定受付モジュール122を実現する。また、カメラ部110による撮像の指定を行うために必要な機能を備えるものとする。例として、タッチパネル機能を実現する液晶ディスプレイ、キーボード、マウス、ペンタブレット、装置上のハードウェアボタン、音声認識を行うためのマイク等を備えることが可能である。入力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0037】
出力部130は、制御部150と協働して輪郭描画モジュール131を実現する。また、撮像画像やシミュレーション画像の表示を行うために必要な機能を備えるものとする。例として、液晶ディスプレイ、PCのディスプレイ、プロジェクターへの投影等の形態が考えられる。出力方法により、本発明は特に機能を限定されるものではない。
【0038】
記憶部140として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備え、撮像した動画や静止画、輪郭類推処理に必要なデータ、化粧方法のデータ等を記憶する。また、必要に応じて輪郭データを蓄えた輪郭データベースを備える。
【0039】
また、制御部150として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0040】
[化粧シミュレーション処理]
図3は、端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0041】
はじめに、端末100は、化粧シミュレーションを施したい顔画像の取得を行う(ステップS101)。ここでは、カメラ部110による撮像を行うか、または端末100内に保存してある画像を選択することにより、化粧シミュレーションを行うための顔画像を決定する。
【0042】
図14は、端末100での顔画像取得画面の表示の一例である。図14では、例えばカメラアイコン1401を選択することでカメラ部110による撮像を開始するものとする。撮影は、スマートフォンやタブレットのインカメラを使用して自分で行ってもよいし、背面側のカメラ(アウトカメラ)を使用して他の人に撮影してもらったり、鏡に映った自分を撮影したりしてもよい。または、写真アイコン1402を選択することで、端末100のライブラリに保存してある画像を選択することも可能であるとする。決定ボタン1403を選択すると、化粧シミュレーションを行う画像を決定する。キャンセルボタン1404を選択すると、表示している画像を破棄して、再度画像の撮影、またはライブラリからの選択を行うものとする。
【0043】
次に、端末100の構成パーツ種類指定受付モジュール121は、ユーザから構成パーツの指定を受け付ける(ステップS102)。ここで、化粧シミュレーションを行う顔の構成パーツの種類を、右目、左目、鼻、口、顔全体等の選択肢からユーザに選択させる。この、構成パーツの指定により、以降各パーツに合わせた適切な処理を行える。
【0044】
図15は、端末100での構成パーツ種類指定受付画面の表示の一例である。図15では、ラジオボタン1501として、構成パーツを、目(両目)、右目、左目、鼻、口、頬、顔全体、からユーザに選択させる。ここで挙げた選択肢はあくまで一例であり、システムに応じて設定してよい。図15では、右目がラジオボタンで選択された状態である。決定ボタン1502を選択すると、化粧シミュレーションを行う構成パーツを決定する。ラジオボタンでの選択が行われるまでは、決定ボタン1502をグレーアウトしてもよい。キャンセルボタン1503を選択すると、構成パーツの指定を破棄して、構成パーツの選択画面を終了する。この場合、再度ステップS101に戻って、顔画像の取得を行ってもよい。
【0045】
次に、端末100の特徴点指定受付モジュール122は、ユーザから特徴点の指定を受け付ける(ステップS103)。特徴点とは、例えば、構成パーツの最も左、最も右、最も上、最も下、の4点等で、顔画像から輪郭を類推するための、手助けとなる複数の点のこととする。ここで、特徴点の指定は、顔画像上にユーザが点をプロットして行うものとする。
【0046】
図16は、端末100での特徴点指定受付画面の表示の一例である。図16では、端末100がスマートフォンであるとして、タッチパネルを使用して、特徴点をプロットさせる例を図示している。ステップS102で選択された構成パーツである右目を表示して、最も左、最も右、最も上、最も下、の4点の特徴点をユーザに入力させる。最も左の特徴点1601、最も右の特徴点1602、最も上の特徴点1603、最も下の特徴点1604をユーザがプロットする。特徴点は、1点ずつ順にユーザにプロットさせてもよいし、画像上に仮の特徴点を表示して、ユーザに調整を行わせてもよいものとする。決定ボタン1605を選択すると、特徴点を決定する。キャンセルボタン1606を選択すると、特徴点の入力を破棄して、特徴点の入力画面を終了する。この場合、再度ステップS102に戻って、構成パーツの選択を行ってもよい。
【0047】
次に、輪郭描画モジュール131は、指定された複数の特徴点に基づき輪郭の類推を行い、顔画像に輪郭の描画を行う(ステップS104)。ここでの構成パーツの輪郭の類推処理は、構成パーツの輪郭データを蓄えたデータベースを用意しておき、指定された輪郭の特徴点をデータベースに照合することで、特徴点にあった輪郭データを取得する。
【0048】
図23は、輪郭データベースのデータ構造の一例である。右目、左目、鼻、口、顔全体、等の構成パーツ毎に、輪郭データを保存しておく。輪郭データには、顔画像とあわせて、構成パーツの輪郭を描画するために必要なデータを含むものとする。輪郭を描画するために必要なデータは、輪郭の画素位置のデータであってもよいし、ベクターデータであってもよい。輪郭描画モジュール131は、指定された特徴点を、各輪郭データと照合することで、ふさわしい輪郭データを取得し、それを基に端末100の出力部130への描画を行う。輪郭データベースのデータ構造として、輪郭データとあわせて、性別、年齢、人種、等の属性情報を保存してもよい。属性情報の詳細については、後述する。
【0049】
図17は、端末100での輪郭描画画面の表示の一例である。入力された特徴点にあわせて、類推した輪郭データをもとに、表示欄1705の画像上に輪郭を描画する。決定ボタン1701を選択すると、輪郭データを決定する。キャンセルボタン1702を選択すると、輪郭データを破棄して、輪郭描画の確認画面を終了する。この場合、再度ステップS103に戻って、特徴点の入力を行ってもよい。変更ボタン1703を選択すると、再度輪郭データベースへの照合を行い、別の輪郭データを取得して表示を行う。または、ステップS104の段階で、輪郭データを、第一候補、第二候補、第三候補、と複数取得しておき、変更ボタン1703の選択により、次の候補の輪郭データの表示に切り替えてもよい。微調整ボタン1704を選択すると、ユーザに輪郭の微調整を行わせる。輪郭の微調整の詳細については、後述する。
【0050】
最後に、端末100は出力部130に輪郭に沿った化粧画像の描画を行う(ステップS105)。ユーザに所望の化粧方法を選択させて、ステップS104で決定した輪郭にあわせた描画を行う。
【0051】
図18は、端末100での化粧描画画面の表示の一例である。輪郭にあわせて、ユーザが選択した化粧方法を描画する。図18では、構成パーツとして右目が選択されているので、ユーザにアイメイクを選択させる。化粧方法表示欄1801からユーザが所望の化粧法を選択し、決定ボタン1802を選択すると、表示欄1804の画像に化粧方法を反映させる。キャンセルボタン1803を選択すると、選択した化粧方法を破棄して、化粧描画画面を終了する。この場合、再度ステップS104に戻って、輪郭の確認を行ってもよい。また、図18では、表示欄1804に表示している画像は右目のみであるが、顔全体の画像に対して、化粧方法を描画してもよい。また、ステップS102からステップS105を繰り返すことで、構成パーツ毎に順番に化粧シミュレーションを行い、最終的に顔全体の化粧シミュレーションが完成するようにしてもよい。
【0052】
[属性情報入力受付処理]
図4は、属性情報入力受付機能を備えた端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。図2で説明した機能に加えて、入力部120と制御部150とが協働して属性情報入力受付モジュール123を実現する。
【0053】
図5は、属性情報入力受付機能を備えた端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。図5の顔画像取得(ステップS201)、構成パーツ種類指定受付(ステップS203)、特徴点指定受付(ステップS204)、輪郭描画(ステップS205)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS206)は、それぞれ図3の顔画像取得(ステップS101)、構成パーツ種類指定受付(ステップS102)、特徴点指定受付(ステップS103)、輪郭描画(ステップS104)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS105)に相当する。そこで、ここでは主に、ステップS202の属性情報入力受付について説明する。
【0054】
属性情報入力受付処理を行う場合には、ステップS201の顔画像取得後に、属性情報入力受付モジュール123は、ユーザからの属性情報の入力を受け付ける(ステップS202)。
【0055】
図19は、端末100での属性情報入力受付画面の表示の一例である。ここでの属性情報とは、性別、年齢、人種、等の、顔の構成パーツの輪郭に影響を及ぼすと考えられる顔画像の人物の情報であるとする。図19では、ラジオボタン1901により、性別が男性であるか女性であるかを選択させる。ラジオボタン1902により、年齢が10代、20代、30代、40代、50代、60代以上、のいずれであるかを選択させる。ラジオボタン1903により、人種が日本人であるかそれ以外であるかを選択させる。これらの選択肢については、必ずしも前述のものである必要はなく、システムに応じて適切に設定してよい。また、性別、年齢、人種、以外にも顔の構成パーツの輪郭に影響する要素があれば、属性情報として追加してよい。また、システムとして、必ずこの属性情報を入力する必要はなく、ユーザの任意入力としてもよい。ラジオボタン1901、ラジオボタン1902、ラジオボタン1903からユーザが属性情報を選択し、決定ボタン1904を選択すると、属性入力を受け付ける。キャンセルボタン1905を選択すると、選択した属性情報を破棄して、属性情報入力画面を終了する。この場合、再度ステップS201に戻って、顔画像を取得してもよいし、次のステップS203に進んでもよい。
【0056】
次のステップS203の構成パーツ種類指定受付とステップS204特徴点指定受付の処理については、図3のステップS102の構成パーツ種類指定受付とステップS103の特徴点指定受付の処理と同様である。
【0057】
ステップS205の輪郭描画を行う際に、輪郭描画モジュール131は、入力された属性情報に基づいた輪郭の描画を行う。図24は、属性情報毎に分類した場合の輪郭データベースのデータ構造の一例である。図23に示した輪郭データベースのデータを、属性情報毎に分類したものである。図24では、10代の日本人の右目の輪郭データを、それを男性か女性か性別不明かによって、分類したものである。ステップS202で入力された属性情報が、10代の日本人男性であり、構成パーツの指定が右目であった場合には、図24の一番上の「男性+10代+日本人」の右目の輪郭データのデータベースにまず照会を行えばよい。そこで、適切なものが見つからなかった場合には、「性別不明+10代+日本人」や、「男性+20代+日本人」等、次に相応しいデータがあると考えられる右目の輪郭データのデータベースに照会を行うものとする。どのような順番で、属性情報別のデータベースに照会を行うかは、システム毎に設定可能であるものとする。また、適切な輪郭データを見つけることが出来なかった場合には、もっとも近いと思われる輪郭データを使用してもよい。このとき、候補となる輪郭データが複数存在する場合に、属性情報が似ているものを優先して選択するようにしてもよい。
【0058】
最後のステップS206の輪郭に沿った化粧描画の処理については、図3のステップS105の処理と同様である。
【0059】
このように、顔の構成パーツの輪郭に影響を及ぼすと考えられる顔画像の属性情報の入力を受け付け、輪郭の描画に使用することで、より精度の高い構成パーツの輪郭描画が可能となる。
【0060】
[瞼描画処理]
図6は、瞼描画機能を備えた端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。図2で説明した機能に加えて、出力部130と制御部150とが協働して瞼描画モジュール132を実現する。
【0061】
図7は、瞼描画機能を備えた端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。図7の顔画像取得(ステップS301)、構成パーツ種類指定受付(ステップS302)、特徴点指定受付(ステップS303)、輪郭描画(ステップS304)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS307)は、それぞれ図3の顔画像取得(ステップS101)、構成パーツ種類指定受付(ステップS102)、特徴点指定受付(ステップS103)、輪郭描画(ステップS104)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS105)に相当する。そこで、ここでは、ステップS305とステップS306を中心に説明する。
【0062】
瞼描画処理を行う場合、ステップS304の輪郭描画後に、瞼描画モジュール132はステップS302で指定された構成パーツが目であるかどうかの確認を行う(ステップS305)。指定された構成パーツが目でない場合、ステップS307に進む。
【0063】
指定された構成パーツが目である場合、瞼描画モジュール132は瞼の輪郭描画を行う(ステップS306)。
【0064】
図20は、端末100での瞼の輪郭描画画面の表示の一例である。ここでは、構成パーツとして右目が指定された場合の例を示している。すでに描画された右目の輪郭にあわせて、瞼描画モジュール132は、右目の瞼の輪郭を類推し、表示欄2005の画像上に瞼の輪郭を描画する。図20では、瞼の輪郭を破線で描画した例を示している。決定ボタン2001を選択すると、瞼の輪郭データを決定する。キャンセルボタン2002を選択すると、瞼の輪郭データを破棄して、瞼の輪郭描画の確認画面を終了する。この場合、再度ステップS304に戻って、右目の輪郭描画を行ってもよい。変更ボタン2003を選択すると、再度輪郭データベースへの照合を行い、別の瞼の輪郭データを取得して表示を行う。または、ステップS306の段階で、瞼の輪郭データを、第一候補、第二候補、第三候補、と複数取得しておき、変更ボタン2003の選択により、次の候補の瞼の輪郭データの表示に切り替えてもよい。微調整ボタン2004を選択すると、ユーザに瞼の輪郭の微調整を行わせる。瞼の輪郭の微調整の詳細については、後述する。
【0065】
ここでの、瞼描画モジュール132による瞼の輪郭類推処理は、目の輪郭を基に、瞼の厚みを予測して行ってもよいし、輪郭データベースの目のデータに、付属情報として瞼の輪郭データを登録しておき、そのデータを取得してもよい。
【0066】
最後に、描画した右目と瞼の輪郭に沿って、化粧画像の描画を行う(ステップS307)。ユーザに所望の化粧方法を選択させて、ステップS304とステップS306で決定した輪郭にあわせた描画を行う。
【0067】
このように、アイメイクに重要なパーツである瞼の描画を行うことで、よりユーザにとって有益な化粧シミュレーションシステムを提供することが可能となる。
【0068】
[輪郭微調整処理]
図8は、輪郭微調整機能を備えた端末100の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。図2で説明した機能に加えて、入力部120と制御部150とが協働して輪郭微調整モジュール124を実現する。
【0069】
図9は、輪郭微調整機能を備えた端末100の化粧シミュレーション処理のフローチャート図である。図9の顔画像取得(ステップS401)、構成パーツ種類指定受付(ステップS402)、特徴点指定受付(ステップS403)、輪郭描画(ステップS404)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS407)は、それぞれ図3の顔画像取得(ステップS101)、構成パーツ種類指定受付(ステップS102)、特徴点指定受付(ステップS103)、輪郭描画(ステップS104)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS105)に相当する。そこで、ここでは、ステップS405とステップS406を中心に説明する。
【0070】
輪郭微調整処理を行う場合、ステップS404の輪郭描画後に、輪郭微調整モジュール124は輪郭の微調整を行うかどうかの確認を行う(ステップS405)。ここで、微調整を行うかどうかは、ユーザに選択させてもよいし、S404の描画した輪郭と実際の顔画像の構成パーツの輪郭との間にズレがあるかどうかを画像解析して、ズレがある場合に微調整を行うこととしてもよい。輪郭の微調整を行う場合には、ステップS406に進み、輪郭の微調整を行わない場合には、ステップS407に進む。
【0071】
輪郭微調整モジュール124は、ユーザからの入力をもとに、構成パーツの輪郭の微調整を行う(ステップS406)。図21は、端末100での輪郭微調整画面の表示の一例である。ここでは、構成パーツとして右目が指定された場合の例を示している。ユーザに、表示欄2103に描画した右目の輪郭上の点を指定して移動させることで、輪郭の微調整を行う。指定して移動させる点は、先に入力した特徴点である必要はなく、輪郭上のある点を指定して移動できるものとする。輪郭微調整モジュール124は、ユーザによりある点が移動された場合、移動後の点とその点の近傍にある元の輪郭上の点とを、滑らかに結んで輪郭を再描画するものとし、輪郭線が途切れないようにする。また、拡大ボタン2104や縮小ボタン2105を設けて、ユーザが自由に表示欄2103の画像を拡大縮小して、輪郭の微調整を行いやすくしてもよい。決定ボタン2101を選択すると、微調整を行った輪郭データを保存する。キャンセルボタン2102を選択すると、微調整した輪郭データを破棄して、輪郭の微調整画面を終了する。この場合、再度ステップS404に戻って、輪郭描画を行ってもよい。図21には通常の輪郭微調整の例を示したが、瞼の輪郭微調整の処理を行う場合も、同様である。
【0072】
最後に、輪郭に沿って、ユーザが所望の化粧方法の化粧画像の描画を行う(ステップS407)。
【0073】
このように、輪郭の微調整処理を行ってから化粧画像の描画を行うことで、より精度の高い化粧シミュレーションシステムを提供することが可能となる。
【0074】
[画面共有による遠隔操作処理]
図10は、画面共有機能と遠隔操作機能を備えた接続元端末100aと接続先端末100bのブロックと各機能の関係を示す図である。接続元端末100aと接続先端末100bは、それぞれ図2で説明した端末100の機能に加えて、通信部160を備える。通信部160は、制御部150と協働して、画面共有モジュール161と遠隔操作モジュール162を実現する。端末間は、通信網200を介して接続されているものとする。通信網200は、公衆通信網でも専用通信網でも良い。ここでは、接続元端末100aを、通信網200を介して、ネットワーク上にある接続先端末100bに対して、画面共有依頼を実行する端末であるとする。
【0075】
通信部160には、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は第3世代、第4世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。有線によるLAN接続であってもよい。
【0076】
図11は、画面共有機能と遠隔操作機能を備えた接続元端末100aと接続先端末100bのフローチャート図である。上述した各装置のモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、ここでは接続元端末100aと接続先端末100bが直接通信を行う記載としているが、システムに応じて、間にサーバを介する構成としてもよい。
【0077】
初めに、接続元端末100aの画面共有モジュール161は接続先端末100bに対して、画面共有開始の通知を行う(ステップS501)。ここでは、フローの簡略化のため、接続元端末100aから接続先端末100bに対する画面共有開始の通知のみを図示しているが、セキュリティ維持のための認証処理、接続先端末100b側の画面共有承認処理、接続先端末100bから接続元端末100aへの応答処理等、通常の画面共有システムで必要な処理もあわせて行うものとする。接続先端末100bから接続元端末100aへの応答処理は、接続先端末100bの画面共有モジュール161が行う。
【0078】
次に、接続元端末100aの画面共有モジュール161は、画面共有を行うための共有データの作成を行う(ステップS502)。画面共有処理を開始してから、接続元端末100aで化粧シミュレーションシステムを行う場合、この共有データ作成処理では、図3図5図7図9のそれぞれのフローチャートを実行しながら、適切な間隔で、接続元端末100aの画面データを共有データとして接続先端末100bで表示するのに適切な形式に変換するものとする。
【0079】
次に、接続元端末100aの画面共有モジュール161は、作成した共有データを接続先端末100bに送信する(ステップS503)。
【0080】
接続先端末100bの画面共有モジュール161は、共有データを受信し(ステップS504)、受信した共有データをもとに、共有画面を表示する(ステップS505)。
【0081】
ここで、接続先端末100bの遠隔操作モジュール162は、共有している画面に対して、操作を行うかどうかを確認する(ステップS506)。
【0082】
操作を行わない場合には、ステップS508へと進む。操作を行う場合には、接続先端末100bの遠隔操作モジュール162は、ユーザからの操作入力を受け付ける(ステップS507)。ここでの接続先端末100bに対する操作は、接続元端末100aの入力部120に対して可能な操作と同等であるとする。
【0083】
次に、接続先端末100bの遠隔操作モジュール162は、操作データを接続元端末100aに送信する(ステップS508)。ステップS507の操作を行わなかった場合には、操作データを送信するのではなく、応答のみを送信してもよい。
【0084】
接続元端末100aの画面共有モジュール161は、接続先端末100bから操作データを受信する(ステップS509)。
【0085】
そして、接続元端末100aの画面共有モジュール161は、受信した操作データをもとに、画面の表示を更新する(ステップS510)。たとえば、接続先端末100bで輪郭の微調整が行われた場合には、微調整後の画面を接続元端末100aの出力部130に表示する。
【0086】
その後、接続元端末100aの画面共有モジュール161は、画面共有を終了するかどうかの確認を行う(ステップS511)。
【0087】
画面共有を終了しない場合には、ステップS502に戻り、処理を継続する。画面共有を終了する場合には、接続先端末100bに対して、画面共有終了の通知を行い、画面共有処理を終了する(ステップS512)。
【0088】
ここでは、画面共有の終了を行うかどうか、接続元端末100aでのみ確認する例を示したが、接続先端末100bでも、画面共通処理の終了を行うかどうかの確認を行ってもよい。また、システムやユーザの希望に応じて、接続元端末100a側の画面を共有するのではなく、接続先端末100b側の画面を共有することとしてもよい。
【0089】
図22は、接続元端末100aと接続先端末100bとの間で画面共有と遠隔操作を行う場合の表示の一例である。接続元端末100aと接続先端末100bは、通信網200を介して画面共有中である。接続元端末100aのユーザ2201は、構成パーツとして右目を選択し、化粧シミュレーションを実行しようとしているが、輪郭描画がうまくいっておらず、前述の輪郭の微調整処理も思うようにできないものとする。このような場合には、接続先端末100bのユーザ2202が、接続先端末100bの画面上で、輪郭の微調整を行うことで、所望の輪郭にあわせた化粧シミュレーションを行うことが可能となる。ここで、ユーザ2202は、ユーザ2201の友人等であってもよいし、化粧シミュレーションシステムのヘルプデスクやオペレータであってもよいし、化粧シミュレーションに対してアドバイスを行うメイクアップアーティスト等の専門家であってもよい。
【0090】
このように、画面共有による遠隔操作処理を行うことで、よりユーザにとって利便性の高い化粧シミュレーションシステムを提供することが可能となる。
【0091】
[サーバに輪郭データベースを備えた化粧シミュレーションシステム]
【0092】
図12は、サーバに輪郭データベースを備えた場合の端末100とサーバ300の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。ここでは、端末100に前述のモジュールすべてを備えた例を図示している。端末100とサーバ300との間は、通信網200を介して接続されているものとする。通信網200は、公衆通信網でも専用通信網でも良い。サーバ300は、通信部310、制御部320、記憶部330を備えるものとする。通信部310は、有線または無線により、他のデバイスと通信可能とする。制御部320には、CPU、RAM、ROM等を備える。記憶部330には、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備え、また、輪郭データベース331を備えるものとする。
【0093】
図13は、サーバに輪郭データベースを備えた場合の端末100とサーバ300のフローチャート図である。図13の顔画像取得(ステップS601)、属性情報入力受付(ステップS602)、構成パーツ種類指定受付(ステップS603)、特徴点指定受付(ステップS604)、輪郭描画(ステップS611)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS612)は、それぞれ図3の顔画像取得(ステップS101)、図5の属性情報入力受付(ステップS202)、図3の構成パーツ種類指定受付(ステップS102)、特徴点指定受付(ステップS103)、輪郭描画(ステップS104)、輪郭に沿った化粧描画(ステップS105)に相当する。そのため、ここではステップS605からステップS610を中心に説明する。
【0094】
ステップS604の特徴点指定受付後、輪郭描画モジュール131は、構成パーツの種類と、指定された複数の特徴点のデータをサーバ300に送信する(ステップS605)。属性情報が入力されている場合には、属性情報もあわせて送信する。また、構成パーツの輪郭の類推処理に、顔画像も使用する場合には、顔画像もあわせて送信してよい。
【0095】
サーバ300は、輪郭の類推処理に必要なデータを端末100から受信する(ステップS606)。
【0096】
次に、サーバ300は、受信したデータをもとに輪郭データベース331を参照し、輪郭の類推処理を行う(ステップS607)。指定された輪郭の特徴点をデータベースに照合することで、特徴点にあった輪郭データを取得する。その際、属性情報が存在する場合には、図5の処理で前述した通り、属性情報に応じたデータベースから優先して輪郭データを取得する。
【0097】
サーバ300は、類推した輪郭データをもとに、輪郭データの作成処理を行う(ステップS608)。化粧シミュレーションに使用する顔画像と、輪郭データベース331に登録されている画像は、実際の大きさが異なる場合もあるので、その場合には、顔画像の特徴点と輪郭データベース331の輪郭データとの比較は、変倍して行う必要がある。変倍して輪郭の類推処理を行った場合には、ここで、輪郭データを実際の顔画像のサイズに適した大きさにあわせて、変倍する。
【0098】
次に、サーバ300は、作成した輪郭データを端末100に送信する(ステップS609)。
【0099】
端末100の輪郭描画モジュール131は、サーバ300から輪郭データを受信する(ステップS610)。
【0100】
次に、輪郭描画モジュール131は、受信した輪郭データに基づき、顔画像に輪郭の描画を行う(ステップS611)。
【0101】
最後に、端末100は出力部130に輪郭に沿った化粧画像の描画を行う(ステップS612)。
【0102】
このように、サーバ300に輪郭データベースを備えることで、端末100にデータベースを備える必要がなくなるため、端末100の記憶部140の容量を圧迫することが無くなる。また、随時、サーバ300のデータベースの輪郭データを増やすことができるため、より、精度の高い化粧シミュレーションシステムを提供することが可能となる。
【0103】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)、コンパクトメモリ等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置又は外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0105】
100 端末、100a 接続元端末、100b 接続先端末、200 通信網、300 サーバ、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24