(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427336
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】デジタル通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 74/06 20090101AFI20181112BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20181112BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20181112BHJP
【FI】
H04W74/06
H04W4/38
H04W88/18
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-99259(P2014-99259)
(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公開番号】特開2015-216562(P2015-216562A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2017年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】中野 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克彦
(72)【発明者】
【氏名】寺田 賢司
【審査官】
大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−268085(JP,A)
【文献】
特表2013−516920(JP,A)
【文献】
特開2013−081030(JP,A)
【文献】
特開2008−131101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LTE(Long Term Evolution)端末が無線接続するeNodeB(evolved Node B)と、
前記eNodeBがEPC(Evolved Packet Core)を介して接続される通信装置と、
を備え、
狭帯域端末が基地局を介して前記通信装置に接続するデジタル通信システムであって、
前記LTE端末から前記通信装置に送信されるパケットには、前記狭帯域端末のIDが含まれ、
前記通信装置は、
前記狭帯域端末の識別符号が記憶されたテーブルを有する記憶部を有し、
受信した前記パケットから前記IDを取得して、前記テーブルと前記IDとを照合し、前記狭帯域端末の端末名を取得して、前記端末名を前記パケットに追記し、前記狭帯域端末に送信する
ことを特徴とするデジタル通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル通信システムにおいて、
前記LTE端末から送信されるパケットには、ポーリングフラグが含まれ、
前記通信装置は、前記ポーリングフラグに基づいて前記パケットを前記狭帯域端末に送信する
ことを特徴とするデジタル通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭帯域端末を備えるデジタル通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地域防災無線システムは、統制局と子局を備え、統制局が子局に対して、一斉指令を送信し、一斉指令を受信した子局は一斉指令の内容に基づいて、同報発信を行うシステムである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−101727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の地域防災無線システムの子局は、狭帯域デジタル通信方式であって、統制局以外の外部の端末と通信することが考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、LTE(Long Term Evolution)端末と通信できるデジタル通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るデジタル通信システムは、LTE(Long Term Evolution)端
末が無線接続するeNodeB(evolved Node B)と、前記eNodeBがEPC(Evolved Packet Core)を介して接続される通信装置と、
を備え、
狭帯域端末が基地局を介して前記通信装置に接続するデジタル通信システムであって、前記LTE端末から前記通信装置に送信されるパケットには、前記狭帯域端末のIDが含まれ、前記通信装置は、前記狭帯域端末の識別符号が記憶されたテーブルを有する記憶部を有し、
受信した前記パケットから前記IDを取得して、前記テーブルと前記IDとを照合し、前記狭帯域端末の端末名を取得して、前記端末名を前記パケットに追記し、前記狭帯域端末に送信することを特徴とする。
【0007】
前記デジタル通信システ
ムにおいて、前記LTE端末から送信されるパケットには、ポーリングフラグが含まれ、前記通信装置は、前記ポーリングフラグに基づいて前記パケッ
トを前記狭帯域端末に送
信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のデジタル通信システムによれば、記憶部にテーブルを設けることにより、LTE端末と狭帯域端末との間で任意のパケットの送受信による通信が可能となる。また、LTE端末が狭帯域端末にポーリングフラグを含むパケットを送信することにより、狭帯域端末の動作状況やセンサにより取得した情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るデジタル通信システムの説明図である。
【
図3】デジタル通信システムの通常通信の処理手順についての説明図である。
【
図4】デジタル通信システムのポーリングの処理手順についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタル通信システム10の説明図である。
図2は、記憶部106が備えるテーブル108の説明図である。
【0011】
<デジタル通信システム10の構成の説明>
デジタル通信システム10は、狭帯域端末20a〜20c、LTE端末30、通信装置100、EPC(Evolved Packet Core)200、eNodeB(evolved Node B)202及び基地局300を備える。
【0012】
狭帯域端末20a〜20c(以下、適宜「狭帯域端末20」という)は、狭帯域デジタル通信方式で通信する無線通信機である。この無線通信機としては、使用周波数帯が60MHz帯であるデジタル同報無線機、使用周波数帯が260MHz帯であるデジタル移動無線機が該当する。
【0013】
LTE端末30は、標準規格団体である3GPP(Third Generation Partnership Project)によって定められた通信規格に基づく無線通信機である。
【0014】
通信装置100は、制御部102、通信部104及び記憶部106を備える。通信装置100は、一般には、統制局に設けられる。制御部102は、主として、狭帯域端末20とLTE端末30とが通信するための制御を行う制御部である。通信部104は、狭帯域端末20とLTE端末30との通信処理を行う。記憶部106は、テーブル108を備える。
【0015】
テーブル108には、狭帯域端末20a〜20cを識別するための識別符号(ID)が、狭帯域端末の端末名毎に記憶される。テーブル108では、狭帯域端末20aに対して、端末名としてA、IDとしてIaが記憶される。同様に、狭帯域端末20b、20cに対して、端末名としてB、C、IDとしてIb、Icが記憶される。
【0016】
EPC200は、コアネットワークである。eNodeB202は、LTE端末30が無線接続する基地局である。基地局300は、狭帯域端末20a〜20cが無線接続する基地局である。
【0017】
<デジタル通信システム10の動作の説明>
次に、デジタル通信システム10の動作について、
図3、4を用いて説明する。
図3は、デジタル通信システム10の通常通信の処理手順についての説明図である。
図4は、デジタル通信システム10のポーリングの処理手順についての説明図である。
【0018】
[LTE端末30と狭帯域端末20との通常の通信]
LTE端末30が狭帯域端末20aと通常の通信をする場合について説明する。なお、LTE端末30が狭帯域端末20b、20cと通信する場合も、LTE端末30が狭帯域端末20aと通信する場合と同様の処理手順であるので、その説明を省略する。
【0019】
まず、LTE端末30は、eNodeB202、EPC200を介して、パケットPを通信装置100に送信する(ステップS1)。LTE端末30から通信装置100に送信されるパケットPには、狭帯域端末20aのIDとしてIaが含まれている。
【0020】
通信装置100の制御部102は、通信部104を介して、パケットPを受信し、パケットPから狭帯域端末20aのIDとしてIaを取得する(ステップS2)。
【0021】
制御部102は、取得したIDであるIaとテーブル108とを照合し、Iaに対応する端末名としてAを取得する(ステップS3)。
【0022】
制御部102は、パケットPに端末名Aを追記し、追記したパケットPを狭帯域端末20a〜20cで受信できるデータ形式に変換し、通信部104、基地局300を介して、変換したデータを狭帯域端末20a〜20cに送信する(ステップS4)。
【0023】
狭帯域端末20a〜20cは各々、データを受信し、データから端末名を取得し、自己の端末名と照合する(ステップS5)。
【0024】
狭帯域端末20aでは、データから取得した端末名がAであり、自己の端末名と一致するので、当該データに基づいて、処理がされる(ステップS6)。処理として、例えば、音声通報をする。
【0025】
なお、狭帯域端末20aからLTE端末30への通信は、LTE端末30の識別符号が書き込まれたデータが狭帯域端末20aから基地局300、通信装置100、EPC200、eNodeB202を介してLTE端末30に送信されることにより行われる。
【0026】
[LTE端末30と狭帯域端末20とのポーリング通信]
LTE端末30が狭帯域端末20とポーリング通信をする場合について説明する。
【0027】
まず、LTE端末30は、eNodeB202、EPC200介して、パケットQを通信装置100に送信する(ステップS11)。LTE端末30から通信装置100に送信されるパケットQには、ポーリングフラグが含まれている。
【0028】
通信装置100の制御部102は、通信部104を介して、パケットQを受信し、パケットQからポーリングフラグを取得する(ステップS12)。
【0029】
制御部102は、パケットQを狭帯域端末20a〜20cで受信できるデータ形式に変換し、通信部104、基地局300を介して、変換したデータを狭帯域端末20a〜20cに送信する(ステップS13)。
【0030】
狭帯域端末20a〜20cは各々、データを受信し、データからポーリングフラグを取得する(ステップS14)。
【0031】
狭帯域端末20a〜20cは各々、ポーリングフラグに応じて、所定のデータを基地局300、通信装置100、EPC200、eNodeB202を介してLTE端末30に送信する(ステップS15)。ここで、所定のデータとしては、狭帯域端末20の動作状況、狭帯域端末20に設けられているセンサによって取得されたデータである。センサによって取得されたデータとしては、例えば、気温、湿度、雨量、水量である。
【0032】
LTE端末30は、受信したデータに基づいて、狭帯域端末20の動作状況やセンサにより取得した情報を得ることができる。
【0033】
デジタル通信システム10は、LTE端末30と、前記LTE端末30が無線接続するeNodeB202と、前記eNodeB202がEPC200を介して接続される通信装置100と、前記通信装置100に基地局300を介して接続する狭帯域端末20と、を備え、前記通信装置100は、前記狭帯域端末20の識別符号が記憶されたテーブル108を有する記憶部106を有し、前記LTE端末20から送信されるパケットPは、前記テーブル108に基づいて前記狭帯域端末20に送信される。
【0034】
デジタル通信システム10では、記憶部106にテーブル108を設けることにより、LTE端末30と狭帯域端末20との間で任意のパケットの送受信による通信が可能となる。
【0035】
デジタル通信システム10は、LTE端末30と、前記LTE端末30が無線接続するeNodeB202と、前記eNodeB202がEPC200を介して接続される通信装置100と、前記通信装置100に基地局300を介して接続する狭帯域端末20と、を備え、前記LTE端末30から送信されるパケットQには、ポーリングフラグが含まれ、前記通信装置100は、前記ポーリングフラグに基づいて前記パケットQが前記狭帯域端末20に送信される。
【0036】
デジタル通信システム10では、LTE端末30が狭帯域端末20にポーリングフラグを含むパケットQを送信することにより、狭帯域端末20の動作状況やセンサにより取得した情報を得ることができる。
【0037】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0038】
10…デジタル通信システム
20a〜20c…狭帯域端末
30…LTE端末
100…通信装置
102…制御部
104…通信部
106…記憶部
108…テーブル
200…EPC
202…eNodeB
300…基地局