【実施例1】
【0015】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施例は、下向き爪切刃1Aを設けた上側爪切部1と、上向き爪切刃2Aを設けた下側爪切部2とを離間状態に対向配設し、前記上側爪切部1と前記下側爪切部2とを相対接近移動させて、前記下向き爪切刃1Aと前記上向き爪切刃2Aとの間に挿入配設した爪を、前記下向き爪切刃1Aと前記上向き爪切刃2Aとで上下方向から挟み切る爪切り具である。
【0017】
また、本実施例は、
図1に示すように、ニッパータイプの爪切り具に構成した場合である。
【0018】
具体的には、本実施例は、先端側に上側爪切部1を設け、基端側に握持操作部4を設け、この上側爪切部1と握持操作部4との間に枢着部5を設けた金属製の第一爪切り半体6と、先端側に下側爪切部2を設け、基端側に握持操作部4を設け、この上側爪切部1と握持操作部4との間に枢着部5を設けた金属製の第二爪切り半体7とから成り、この第一爪切り半体6と第二爪切り半体7とを互いの枢着部5を合わせてX状に交差枢着して、握持操作部4を開閉操作することにより、対向する上側爪切部1と下側爪切部2とが接離動作する構成としている。
【0019】
また、本実施例は、第一爪切り半体6と第二爪切り半体7との夫々の握持操作部4間にバネ部材8を架設状態に設けて、このバネ部材8が常に握持操作部4を開き方向に付勢することで、上側爪切部1と下側爪切部2との離間状態を保持する構成とし、バネ部材8の付勢力に抗して握持操作部4を握持操作により閉動させることにより、上側爪切部1と下側爪切部2とが相対接近移動する構成としている。
【0020】
更に詳細に説明すると、本実施例の第一爪切り半体6の上側爪切部1は、下側爪切部2との対向位置(対向面)となる下端部に下向き爪切刃1Aを設けた構成とし、具体的には、この下向き爪切刃1Aは、
図2に示すように、刃面を直線形状に形成した構成としている。
【0021】
また更に、本実施例の上側爪切部1は、爪を切る際に指先側となる外面に、指先の爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する先端湾曲部20の指先湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した指先収納当接部3を設けた構成とし、この指先収納当接部3は、具体的には、
図3(a),(b)に示すように、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の上部側の先端下がり湾曲部20Aの先端下がり湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した構成としている。尚、前記合致は、先端湾曲部20に対して一部だけ合致する場合も含むことを意味する。
【0022】
また、第二爪切り半体7の下側爪切部2は、対向する上側爪切部1と同様の構成としており、具体的には、上側爪切部1との対向位置(対向面)となる上端部に上向き爪切刃2Aを設けた構成とし、この上向き爪切刃2Aの刃面は、下向き爪切刃1Aと突き合わせ係合するよう、下向き爪切刃1Aと同形状の直線形状に形成した構成としている。
【0023】
また更に、本実施例の下側爪切部2は、上側爪切部1と同様、爪を切る際に指先側となる外面に、指先の爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する先端湾曲部20の指先湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した指先収納当接部3を設けた構成としている。
【0024】
具体的には、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の上部側の先端下がり湾曲部20Aの先端下がり湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した指先収納当接部3を設けた構成としている。
【0025】
即ち、本実施例は、第一爪切り半体6と第二爪切り半体7とを対称構造に形成し、左右の手のいずれで操作しても、指先の先端湾曲部20(先端下がり湾曲部20A)が指先収納当接部3に収納当接する構成としている。
【0026】
即ち、本実施例は、爪を切る際、指先収納当接部3に、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の先端湾曲部20、具体的には、
図3(b)に示すように、指先の上部側の先端下がり湾曲部20Aを収納するように当接させた状態で、上側爪切部1の下向き爪切刃1Aと下側爪切部2の上向き爪切刃2Aとの角度と位置を調整して、上向き爪切刃2Aを寝かせた状態(水平に近い状態)にして無理に爪の隙間に入れ込んだり、下側爪切部2の外面を指先に強く押し付けたりしなくても容易に上向き爪切刃2Aを爪床先端近傍まで配設することができる構成としている。
【0027】
尚、本実施例では、下向き爪切刃1A、上向き爪切刃2Aの夫々の刃面の形状を直線形状に形成した構成としたが、
図4,5に示すように、爪先形状に合わせた湾曲形状に形成した構成としても良い。
【0028】
上述のように構成した本実施例の作用・効果について以下に説明する。
【0029】
本実施例の爪切り具を用いて爪を深めに、例えば深爪ぎりぎりの爪床先端近傍まで切る際は、下側爪切部2の指先側の外面に設けた指先収納当接部3に、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の先端湾曲部20の上部側の先端下がり湾曲部20Aを収容するように当接させた状態で、上方向、即ち指先の指腹から爪床先端に向かう後方に爪切り具を回動操作して、上向き爪切刃2Aを爪の奥側に向かって移動させることで、
図3(b)に示すように、上向き爪切刃2Aを確実に爪の奥側まで入れ込むことができる。
【0030】
この上向き爪切刃2Aを爪の奥側に入れ込んだ状態で、握持操作部4を握持操作して閉動させると、
図6に示すように、爪の上下(表裏)両側に配設された下向き爪切刃1Aと上向き爪切刃2Aとが互いに接近移動し、爪を上下(表裏)方向から挟み切ることができる。
【0031】
このように、本実施例は、
図11に示す従来の爪切り具のように、上向き爪切刃30を寝かせた状態(水平に近い状態)にして無理に隙間に入れ込んだり、下側爪切部の外面を指先に強く押し付けて無理やり爪切刃を奥側に入れ込んだりすることなく、容易に上向き爪切刃2Aを爪の深い位置、爪床先端となる爪皮下近傍まで入れ込むことができ、これにより、極めて容易にきれいに深爪に近い状態まで爪を切ることができることとなる。
【0032】
しかも、本実施例は、上向き爪切刃2Aを爪の奥側まで入れ込み移動する際に、指先の先端湾曲部が指先収納当接部3に当接したままの状態で移動するので、上向き爪切刃2Aが指先の先端湾曲部の肉部を挟み込むような状態にならず、よって、爪を切る際に誤って指の肉部まで一緒に切ってしまうことが無く、安全に爪を奥側まで深く切ることができる実用性に優れた画期的な爪切り具となる。
【実施例2】
【0033】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0034】
本実施例は、実施例1の爪切り具を、
図7に示すような一般的な爪切り形状(クリッパータイプ)の爪切り具に構成した場合である。
【0035】
具体的には、本実施例は、先端側に上側爪切部1を設けた金属製の第一爪切り板体9と、先端側に下側爪切部2を設けた金属製の第二爪切り板体10との夫々の基端部同士を連結してV字状に形成した爪切り本体部11と、第一爪切り板体9を第二爪切り板体10に相対接近移動させる操作レバー部12とから成り、第一爪切り板体9と第二爪切り板体10との先端部側に上下方向に貫通配設したピン13に操作レバー部12の先端部を枢着して、この操作レバー部12を上下方向に回動自在に設けて、操作レバー部12を押圧操作することにより、てこの原理で操作レバー部12の作用部12Aが第一爪切り板体9を押圧し、V字状の本体部の離間幅が狭まって、対向する第一爪切り板体9の上側爪切部1と第二爪切り板体10の下側爪切部2とが接近動作する構成としている。
【0036】
更に詳細に説明すると、
図8(a)に示すように、第一爪切り板体9の上側爪切部1は、下側爪切部2との対向位置(対向面)となる下端部に下向き爪切刃1Aを設けた構成としている。
【0037】
具体的には、本実施例の下向き爪切刃1Aは、
図8(b)に示すように、刃面を爪先形状に合わせた湾曲形状に形成した構成としている。
【0038】
また更に、本実施例の上側爪切部1は、爪を切る際に指先側となる外面に、指先の爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する先端湾曲部20の指先湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した指先収納当接部3を設けた構成とし、この指先収納当接部3は、具体的には、実施例1と同様に、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の上部側の先端下がり湾曲部20Aの先端下がり湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した構成としている。
【0039】
また、第二爪切り板体10の下側爪切部2は、
図7,8に示すように、第一爪切り板体9の上側爪切部1と同様に、爪を切る際に指先側となる外面に、指先の爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する先端湾曲部20の指先湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した指先収納当接部3を設けた構成としている。
【0040】
具体的には、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の上部側の先端下がり湾曲部20Aの先端下がり湾曲形状に合致する凹状湾曲形状に形成した指先収納当接部3を設けた構成としている。
【0041】
即ち、本実施例は、第一爪切り板体9と第二爪切り板体10とを対称構造に形成した構成としている。
【0042】
即ち、本実施例は、爪を切る際、指先収納当接部3に、爪床先端から指腹にかけて凸状に湾曲する指先の先端湾曲部20、具体的には、指先の上部側の先端下がり湾曲部20Aを収納するように当接させた状態で、上側爪切部1の下向き爪切刃1Aと下側爪切部2の上向き爪切刃2Aとの角度と位置を調整して、上向き爪切刃2Aを寝かせた状態(水平に近い状態)にして無理に爪の隙間に入れ込んだり、下側爪切部2の外面を指先に強く押し付けたりしなくても容易に上向き爪切刃2Aを爪床先端近傍まで配設することができる構成としている。
【0043】
尚、本実施例では、下向き爪切刃1A、上向き爪切刃2Aの夫々の刃面の形状を爪先形状に合わせた湾曲形状に形成した構成としたが、
図9,10(b)に示すように、直線形状に形成した構成としても良い。
【0044】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。