特許第6427368号(P6427368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427368
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】携帯型の電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-183190(P2014-183190)
(22)【出願日】2014年9月9日
(65)【公開番号】特開2016-58864(P2016-58864A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】507207498
【氏名又は名称】株式会社五洋電子
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】舘洞 竜矢
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−118827(JP,A)
【文献】 特開2004−193291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02− 1/23
H04R 1/00− 1/08、
1/12− 1/14、
1/42− 1/46
H05K 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体部を有し、当該筐体部を回転させた状態で使用する形態が想定される携帯型の電子機器であって、
前記筐体部に配設され、前記筐体部の厚み方向において前記筐体部の表面と前記筐体部の裏面との間において前記筐体部を貫通している複数の通音孔部と、
前記筐体部の裏面において、前記複数の通音孔部の各々と当該各通音孔部に対し異なる方向に隣り合う複数の通音孔部との間をそれぞれ連通するように配設された、配設方向の異なる複数の連通溝部と、
を具備することを特徴とする携帯型の電子機器。
【請求項2】
前記複数の連通溝部は、
前記筐体部の高さ方向に隣り合う複数の通音孔部間をそれぞれ連通するように配設された複数の縦連通溝と、
前記筐体部の幅方向に隣り合う複数の通音孔部間をそれぞれ連通するように配設された複数の横連通溝と、前記筐体部の斜め方向に隣り合う複数の通音孔部間をそれぞれ連通するように配設された複数の斜め連通溝との少なくとも一方と
を有することを特徴とする、請求項1に記載の携帯型の電子機器。
【請求項3】
電子機器の高さ方向において最も下部に配設されている前記通音孔部の周囲に配設され、さらに前記裏面に配設され、前記縦連通溝部と連続している周縁溝部と、
前記筐体部に配設され、電子機器の高さ方向において最も上部に配設されている前記通音孔部よりも高い位置に配設され、前記筐体部の厚み方向において前記筐体部を前記表面と前記裏面との間において貫通している複数の通気孔部と、
の少なくとも一方をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯型の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯型の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、携帯用電子機器を開示している。携帯用電子機器は、前面を貫通している通音孔部を有している。
【0003】
一般的な通音孔部は、横方向に長い長穴形状となっており、十分大きくなっている。このため、液体は、通音孔部に溜まっても、排水されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−271465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、通音孔部を含む携帯型の電子機器の外観には意匠が求められており、通音孔部は様々な形状を有している。意匠が考慮されて、通音孔部が長穴形状に比べて小さい場合、通音孔部に液体が溜まってしまう虞が生じる。そして液体が表面張力によって通音孔部を塞ぎ、通音性が低下してしまう。このため、意匠が考慮されても、また風雨に曝されるといったようなどのような状況下で携帯型の電子機器が使用されても、通音孔部に液体が溜まることが防止され、通音性の低下が防止されることが求められている。よって通音孔部において排水性の向上が特に求められている。
【0006】
このため本発明は、上記事情に鑑み、排水性が向上している通音孔部を有する携帯型の電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯型の電子機器の一態様は、筐体部を有し、当該筐体部を回転させた状態で使用する形態が想定される携帯型の電子機器であって、前記筐体部に配設され、前記筐体部の厚み方向において前記筐体部の表面と前記筐体部の裏面との間において前記筐体部を貫通している複数の通音孔部と、前記筐体部の裏面において、前記複数の通音孔部の各々と当該各通音孔部に対し異なる方向に隣り合う複数の通音孔部との間をそれぞれ連通するように配設された、配設方向の異なる複数の連通溝部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、排水性が向上している通音孔部を有する携帯型の電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、携帯型の電子機器の外観図である。
図2A図2Aは、通音孔部周辺を筐体の表面側からみた図である。
図2B図2Bは、通音孔部周辺を筐体の裏面側からみた図である。
図2C図2Cは、図2Aに示す2C−2C線における断面図である。
図2D図2Dは、図2Aに示す2D−2D線における断面図である。
図2E図2Eは、図2Dに示す2Eにおける部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について詳細に説明する。
[一実施形態]
[構成]
図1図2A図2B図2C図2D図2Eとを参照して、一実施形態について説明する。
【0011】
[電子機器10]
図1に示すような電子機器10は、携帯型であり、無線を用い、例えば業務用に用いられ、屋外、または屋外に準ずる環境にて使用される。このような電子機器10は、例えば、無線機を含む。
【0012】
図1に示すように、電子機器10は、箱型のケースとして機能する筐体部11と、無線によって音声を含むデータを送受信するアンテナを有する送受信部13と、無線によって受信した音声を出力する図示しないスピーカを有する音声出力部15とを有している。また電子機器10は、無線によって送受信されたデータや、圏内や圏外といった無線を使用する状態を表示するモニタである表示部17と、電子機器10を操作するスイッチ及びつまみなどの操作部19と、無線によって音声を送信するために音声を入力するマイクを有する音声入力部21とを有している。
【0013】
[通音孔部31]
図1図2A図2B図2Cとに示すように、筐体部11は、例えば、筐体部11の例えば前面11aに配設されている通音孔部31を有している。通音孔部31は、筐体部11の厚み方向において、筐体部11の表面11bと筐体部11の裏面11cとの間において筐体部11を貫通している貫通孔部として機能する。筐体部11の表面11bは外壁として機能し、筐体部11の裏面11cは内壁として機能する。通音孔部31は、筐体部11の内部に配設されている図示しないスピーカから出力された音声を外部に放出させるために配設されている。このため通音孔部31は、音声出力部15の周辺に配設されている。
【0014】
図2Aに示すように、通音孔部31は、複数配設されている。通音孔部31の形状は、例えば正方形形状となっているが、特に限定されない。
【0015】
図2Aに示すように、通音孔部31は、電子機器10の高さ方向において同一直線上に複数配設されている。この場合、通音孔部31は、例えば、互いに等間隔離れて配設されている。また通音孔部31は、電子機器10の幅方向において同一直線上に複数配設されている。この場合、通音孔部31は、例えば、互いに等間隔離れて配設されている。このように通音孔部31は、例えば格子状に配設されている。なお通音孔部31の配設位置は特に限定されない。
【0016】
[縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37]
図2B図2C図2Dとに示すように、筐体部11は、電子機器10の高さ方向において隣り合う通音孔部31同士に連通している縦連通溝部33と、電子機器10の幅方向において隣り合う通音孔部31同士に連通している横連通溝部35とをさらに有している。また筐体部11は、電子機器10の高さ方向に対する斜め方向において隣り合う通音孔部31同士に連通している斜連通溝部37をさらに有している。言い換えると、縦連通溝部33は、通音孔部31と電子機器10の高さ方向においてこの通音孔部31に隣り合う通音孔部31とを連通させている。また横連通溝部35は、通音孔部31と電子機器10の幅方向においてこの通音孔部31に隣り合う通音孔部31とを連通させている。斜連通溝部37は、通音孔部31と斜め方向においてこの通音孔部31に隣り合う通音孔部31とを連通させている。縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、電子機器10の高さ方向において上部に配設されている通音孔部31から下部に配設されている通音孔部31に向かって液体が流れる流路部として機能する。
【0017】
図2B図2C図2Dとに示すように、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、筐体部11の前面11aの裏面11cに配設されている。つまり縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、外部に露出せず、筐体部11の内部に配設されており、外部に対して隠れている。縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、筐体部11の厚み方向において、筐体部11の裏面11cから筐体部11の表面11bに向かって窪んでいる。縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、通音孔部31よりも細い。
【0018】
縦連通溝部33は、電子機器10の高さ方向に沿って、例えば直線状に配設されている。横連通溝部35は、電子機器10の幅方向に沿って、例えば直線状に配設されている。斜連通溝部37は、電子機器10の斜め方向に沿って、例えば直線状に配設されている。縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、例えば、通音孔部31の中央部分を通るように配設されている。
【0019】
なお図2Bに示すように、縦連通溝部33aは、電子機器10の高さ方向において隣り合う横連通溝部35同士に連通してもよい。図2Bに示すように、横連通溝部35aは、電子機器10の幅方向において隣り合う縦連通溝部33同士に連通してもよい。図2Bに示すように、横連通溝部35aは、縦連通溝部33aと交差していてもよい。図2Bに示すように、斜連通溝部37aは、通音孔部31と横連通溝部35とに連通してもよい。図2Bに示すように、斜連通溝部37bは、通音孔部31と縦連通溝部33とに連通してもよい。図2Bに示すように、斜連通溝部37cは、縦連通溝部33と横連通溝部35とに連通してもよい。図2Bに示すように、斜連通溝部37同士は、互いに交差していてもよい。図示はしないが斜連通溝部37a,37b,37cは、縦連通溝部33a及び横連通溝部35aと交差していてもよい。このような縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37との配設位置は、特に限定されない。
【0020】
縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、互いに同じ幅であってもよいし、互いに異なる幅であってもよい。縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37との形状は、特に限定されない。
【0021】
縦連通溝部33の幅は、液体の進行方向において均一であってもよいし、液体の進行方向において徐々に広くなっていてもよい。縦連通溝部33の深さは、液体の進行方向において均一であってもよいし、液体の進行方向において徐々に深くなっていてもよい。前記した内容は、横連通溝部35と斜連通溝部37とについても同様である。
【0022】
[周縁溝部39]
図2B図2Cとに示すように、筐体部11は、電子機器10の高さ方向において最も下部に配設されている通音孔部31の周囲に配設されている周縁溝部39を有している。周縁溝部39は、筐体部11の前面11aの裏面11cに配設されている。つまり周縁溝部39は、外部に露出せず、筐体部11の内部に配設されており、外部に対して隠れている。周縁溝部39は、筐体部11の厚み方向において、筐体部11の裏面11cから筐体部11の表面11bに向かって窪んでいる。周縁溝部39は、通音孔部31と縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とに連続している。なお周縁溝部39は、少なくとも通音孔部31と縦連通溝部33とに連続していればよい。
【0023】
[通気孔部41]
図2B図2D図2Eとに示すように、筐体部11は、筐体部11の例えば前面11aに配設されている通気孔部41を有している。通気孔部41は、例えば電子機器10の高さ方向において最も上部に配設されている通音孔部31よりも高い位置に配設されている。通気孔部41は、筐体部11の厚み方向において、表面11bと裏面11cとの間において筐体部11を貫通している貫通孔部として機能する。通気孔部41は、全ての通音孔部31が塞がれた状態であっても、筐体部11の内部と筐体部11の外部との間で外気を連通させるために配設されている。
【0024】
図2Bに示すように、通気孔部41は、複数配設されている。通音孔部31の形状は、例えば円形形状となっているが、特に限定されない。
【0025】
図2Bに示すように、通気孔部41は、例えば電子機器10の幅方向において同一直線上に複数配設されている。この場合、通気孔部41は、例えば互いに等間隔離れて配設されている。通気孔部41は、通音孔部31よりも小さい。
【0026】
[カバー溝部45]
図1図2A図2C図2D図2Eとに示すように、筐体部11は、通気孔部41をカバーするカバー部材43が配設されるカバー溝部45をさらに有している。カバー溝部45は、筐体部11の前面11aに配設されている。カバー溝部45は、筐体部11の厚み方向において、筐体部11の表面11bから筐体部11の裏面11cに向かって窪んでいる。カバー溝部45は、通気孔部41よりも大きい。表面11b側において、カバー溝部45は、電子機器10の幅方向において通気孔部41と連続している。つまり、3つの通気孔部41に対して、1つのカバー溝部45が配設されている。カバー溝部45は、筐体部11の厚み方向において通気孔部41と連続している。カバー溝部45は、例えば直線状に配設されている。
【0027】
カバー部材43は、通気孔部41をシールするのではなく、通気孔部41を隠蔽するようにカバーする。言い換えると、カバー部材43は、通気孔部41が直接視認されることのみを防止すればよい。このため、カバー部材43とカバー溝部45と通気孔部41とには、外気が流れる流路部(図3Eに示す矢印を参照)が形成される。よってカバー部材43は、流路部が形成されるようにカバー溝部45よりも小さい。カバー部材43は、例えば、両面テープなどの接着材43aによって、カバー溝部45に取り付けられる。カバー部材43は、筐体部11とは別体である。カバー部材43の厚みと接着材43aの厚みとは、カバー部材43の表面11bが筐体部11の表面11bと同一平面上となるように、所望に調整されている。接着材43aは、通気孔部41に対してずれて配設されている。
【0028】
[作用]
例えば、電子機器10が風雨等に曝されると、液体が通音孔部31に溜まる。溜まった液体は、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とを流れて、通音孔部31に隣り合う別の通音孔部31に流れる。この動作が繰り返されて、液体は、周縁溝部39に流れ、周縁溝部39から周縁溝部39と連続する通音孔部31を介して筐体部11の裏面11cから表面11bに流れ、外部に排水される。
【0029】
本実施形態では、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とが配設されているため、液体が表面張力によって通音孔部31を塞いでしまうことが防止される。言い換えると、表面張力は、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とによって解消される。よって、どのような状況下で電子機器10が使用されても、通音孔部31に液体が溜まることが防止され、通音性の低下が防止される。そして通音孔部31において排水性が向上する。
【0030】
また電子機器10が浸水や水没しても電子機器10が取り出されれば、または電子機器10が放水されても、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とが配設されているため、通音孔部31に液体が溜まることが防止され、通音性の低下が防止され、排水が実施される。特に、排水のために電子機器10を振るといった特別な操作が不要であり、排水のための手間が解消される。
【0031】
前記に伴い、音圧の低下が防止され、音圧が維持され、電子機器10は持続的に使用される。
【0032】
また縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、裏面11cにのみ配設されており、外部に対して隠れている。よって、本実施形態では、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とによって、通音孔部31を含む電子機器10の外観に対する意匠が損なわれることが防止される。
【0033】
また液体は、縦連通溝部33によって、無駄なく下方に流れる。また電子機器10が90度回転した場合、液体は、横連通溝部35によって無駄なく下方に流れる。また斜連通溝部37によって、液体の下方への流れは促進される。
【0034】
周縁溝部39は、電子機器10の高さ方向において最も下部に配設されている通音孔部31の周囲に配設されている。よって、液体は、まとめて周縁溝部39から通音孔部31を介して外部に排水される。また液体は、周縁溝部39によって排水を促進される。
【0035】
全ての通音孔部31が塞がれた状態であっても、通気孔部41が配設されているため、筐体部11の内部と筐体部11の外部との間で外気が連通することが可能である。
【0036】
[効果]
このように本実施形態では、液体が表面張力によって通音孔部31を塞いでしまうことを防止できる。よって、どのような状況下で電子機器10が使用されても、通音孔部31に液体が溜まることを防止でき、通音性の低下を防止できる。そして通音孔部31において排水性を向上できる。
【0037】
また排水のために電子機器10を振るといった特別な操作を不要にでき、排水のための手間を解消できる。
【0038】
前記に伴い、音圧の低下を防止でき、音圧を維持でき、電子機器10を持続的に使用できる。
【0039】
また縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とは、裏面11cにのみ配設されており、外部に対して隠れている。よって、本実施形態では、縦連通溝部33と横連通溝部35と斜連通溝部37とによって、通音孔部31を含む電子機器10の外観に対する意匠が損なわれることを防止できる。
【0040】
また本実施形態では、液体を、縦連通溝部33によって、無駄なく下方に流すことができる。また電子機器10が90度回転した場合、液体を、横連通溝部35によって無駄なく下方に流すことができる。また斜連通溝部37によって、下方への液体の流れを促進できる。
【0041】
また本実施形態では、液体をまとめて周縁溝部39から通音孔部31を介して外部に排水できると共に、周縁溝部39によって排水を促進できる。
【0042】
また本実施形態では、通音孔部31自体が防水型として機能できる。このため、通音孔部31を含む筐体部11の裏面11cを図示しない防水シートによって覆う必要がなく、筐体部11の内部スペースを多く確保できる、または筐体部11を小型にできる。
【0043】
また全ての通音孔部31が塞がれた状態であっても、通気孔部41によって、筐体部11の内部と筐体部11の外部との間で外気を連通できる。
【0044】
本実施形態では、通気孔部41をカバー部材43によって隠蔽するため、通音孔部31を含む電子機器10の外観に対する意匠が損なわれることを防止できる。またカバー部材43が配設されていても、カバー部材43とカバー溝部45と通気孔部41とには、外気が流れる流路部が形成される。このため、筐体部11の内部と筐体部11の外部との間で外気を連通できる。
【0045】
なお通音孔部31は、正方形形状ではなく、電子機器10の幅方向に長い矩形形状であることも考えられる。この場合、少なくとも縦連通溝部33が配設されていれば、前記した効果を奏することができる。
【0046】
また本実施形態では、周縁溝部39と通気孔部41との少なくとも一方が配設されていればよい。
【0047】
この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10…電子機器、11…筐体部、11a…前面、11b…表面、11c…裏面、31…通音孔部、33…縦連通溝部、35…横連通溝部、37…斜連通溝部、39…周縁溝部、41…通気孔部、43…カバー部材、43a…接着材、45…カバー溝部。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E