特許第6427369号(P6427369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6427369動力伝達手段の異常検出装置、成形装置及び動力伝達手段の異常検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427369
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】動力伝達手段の異常検出装置、成形装置及び動力伝達手段の異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20181112BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20181112BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   H02P29/00
   F16H25/20 Z
   B29C45/76
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-188176(P2014-188176)
(22)【出願日】2014年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-63580(P2016-63580A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】東芝機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】松林 治幸
【審査官】 田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−055617(JP,A)
【文献】 特開昭63−191553(JP,A)
【文献】 特開平07−001526(JP,A)
【文献】 米国特許第05929583(US,A)
【文献】 特開2009−157439(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶する記憶手段と、
前記第2検出器で前記駆動対象の移動が検出されたときに前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量、及び、前記記憶手段に記憶された前記基準値の差を閾値と比較する比較手段と、
を備えることを特徴とする動力伝達手段の異常検出装置。
【請求項2】
電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶する記憶手段と、
前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶手段に記憶された前記基準値との差が閾値を超えていないときに、前記第2検出器の検出を確認する確認手段と、 を備えることを特徴とする動力伝達手段の異常検出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の異常検出装置を備えた成形装置。
【請求項4】
電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
記憶部と、
を具備する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出方法であって、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶部に記憶し、
その後、前記第2検出器で前記駆動対象の移動を検出し、
前記第2検出器で前記駆動対象の移動を検出したときに前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量、及び、前記記憶部に記憶された前記基準値の差を閾値とを比較する、
ことを特徴とする動力伝達手段の異常検出方法。
【請求項5】
電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
記憶部と、
を具備する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出方法であって、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶部に記憶し、
その後、前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶部に記憶された前記基準値との差が閾値を超えているか否かを判断し、
前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶部に記憶された前記基準値との差が閾値を超えていないときに、前記第2検出器により前記駆動対象の検出及び非検出を確認する、
ことを特徴とする動力伝達手段の異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動対象を直進駆動する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出装置、成形装置及び動力伝達手段の異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂成形品を射出成形する射出成形機として、金型内に樹脂材料を射出する射出装置及び金型を型締めする型締装置を備えるものが知られている。このような射出成形機は、射出や型締めを行うために、射出装置や型締装置に設けられた駆動対象を前後進させる直進動作を行う。射出成形機は、サーボモータ等の動力源からの回転運動を動力伝達手段により直進運動に変換し、駆動対象を直進動作させる。また、駆動対象の直進動作は、駆動対象の位置を検出し、所定の位置に移動させるため、射出成形機は、駆動源の回転数等を検出可能な検出器、及び、検出器で検出された情報に基づいて駆動対象の位置を制御する制御手段を備えている。
【0003】
動力伝達手段は、例えば、一対のプーリ、タイミングベルト、及び、回転運動を直進運動に変換させる変換機構により構成される。動力伝達手段は、一方のプーリの回転を他方のプーリに伝達するためにタイミングベルトを用いていることから、タイミングベルトの歯飛びや破断等の異常が発生する虞があった。タイミングベルトの異常が発生すると、検出装置で検出された情報とプーリの回転が異なり、制御された駆動対象の位置にずれ等が生じる虞がある。
【0004】
そこで、動力伝達手段の異常検出手段として、駆動源及び駆動対象の位置情報を検出可能な検出器を備え、駆動源及び駆動対象のそれぞれで検出した情報を比較し、当該比較した値が所定の範囲を超えた場合に、異常と判断する技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
しかし、駆動源だけでなく、駆動対象の位置情報を検出する検出器を用いる構成では、製造コストの増大となる。そこで、異常検出手段として、駆動対象の位置により近接スイッチのオン及びオフの切換え、及び、駆動対象の移動の時間に基づいて、異常を検出する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−16901号公報
【特許文献2】特開2009−241425号公報
【特許文献3】特開2007−144777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の駆動対象の移動の時間に基づいて異常を検出する異常検出手段では、製造コストを低減することは可能である。しかし、当該異常検出手段は、時間に基づいて異常を判断することから、動力伝達手段の微小なずれが検出できない等、高い精度で異常検出を行うことが難しい、という問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、安価であって、且つ、高い検出精度で異常を検出可能な動力伝達手段の異常検出装置、成形装置及び異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の動力伝達手段の異常検出装置、成形装置及び動力伝達手段の異常検出方法は、次のように構成されている。
【0010】
本発明の一態様として、動力伝達手段の異常検出装置は、電動機と、前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対称を直線的に移動させる変換機能と、前記電動機の回転を検出する第1検出器と、前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶する記憶手段と、前記第2検出器で前記駆動対象の移動が検出されたときに前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量、及び、前記記憶手段に記憶された前記基準値の差を閾値と比較する比較手段と、を備える。
【0011】
本発明の一態様として、動力伝達手段の異常検出装置は、電動機と、前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対称を直線的に移動させる変換機能と、前記電動機の回転を検出する第1検出器と、前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶する記憶手段と、前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶手段に記憶された前記基準値との差が閾値を超えていないときに、前記第2検出器の検出を確認する確認手段と、を備える。
【0012】
本発明の一態様として、成形装置は、上記に記載の異常検出装置を備える。
【0013】
本発明の一態様として、動力伝達手段の異常検出方法は、電動機と、前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、前記電動機の回転を検出する第1検出器と、前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、記憶部と、を具備する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出方法であって、正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶部に記憶し、その後、前記第2検出器で前記駆動対象の移動を検出し、前記第2検出器で前記駆動対象の移動を検出したときに前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量、及び、前記記憶部に記憶された前記基準値の差を閾値と比較する。
【0014】
本発明の一態様として、動力伝達手段の異常検出方法は、電動機と、前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、前記電動機の回転を検出する第1検出器と、前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、記憶部と、を具備する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出方法であって、正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶部に記憶し、その後、前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶部に記憶された前記基準値との差が閾値を超えているか否かを判断し、前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶部に記憶された前記基準値との差が閾値を超えていないときに、前記第2検出器により前記駆動対象の検出及び非検出を確認する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製造コストを増大することなく、高精度に駆動対象の移動に関する異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る射出成形装置の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る射出成形装置1を、図1を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る射出成形装置1の構成を示す説明図である。
【0018】
図1に示すように、射出成形装置1は、基部3と、金型4と、射出装置5と、型締装置6と、制御装置7と、を備えている。射出成形装置1は、射出装置5から射出した材料を、金型4により成形可能に形成されている。材料は、例えば、樹脂、ガラス、金属、炭素繊維、アラミド繊維、これらの化合物、又は、これらの混合物である。
【0019】
基部3は、射出装置5及び型締装置6を支持可能に形成されている。金型4は、固定型4a及び移動型4bを有する。
【0020】
射出装置5は、シリンダ部11と、駆動手段12と、を備えている。シリンダ部11は、シリンダ15と、ノズル16と、ホッパ17と、スクリュ18と、を備えている。
【0021】
シリンダ15は、材料をその内部に収容する。シリンダ15は、内部に収容した材料を加熱するヒータを備えている。ノズル16は、金型4内に材料を射出可能に形成された、噴射口である。
【0022】
ホッパ17は、材料を投入する供給口である。スクリュ18は、シリンダ15内に配置される。スクリュ18は、その軸心がシリンダ15の軸心と同軸上に配置される。スクリュ18は、その軸心方向に沿ってシリンダ15内を移動可能、且つ、その軸心を中心にシリンダ15内で回転可能に形成される。
【0023】
駆動手段12は、スクリュ(駆動対象)18をその軸心方向に沿って直線的に移動(リニア移動)させる第1動力伝達手段(動力伝達手段、動力伝達機構)21と、スクリュ18を回転運動させる第2動力伝達手段22と、を備えている。また、駆動手段12は、シリンダ部11、第1動力伝達手段21及び第2動力伝達手段22を直線的に移動させる第3動力伝達手段23を備えている。
【0024】
第1動力伝達手段21は、第1電動機31と、第1変換機構25と、第1検出器36と、第2検出器37と、を備えている。第1動力伝達手段21は、スクリュ18を設定された速度で移動することができるように形成されている。
【0025】
第1電動機31は、例えば、サーボモータである。第1電動機31は、制御装置7に信号線Sを介して接続される。第1電動機31は、第1回転軸31aを備えている。
【0026】
第1変換機構25は、第1電動機31の回転運動を直線運動に変換可能に形成されている。第1変換機構(変換機構)25は、例えば、第1駆動プーリ(駆動プーリ)32と、第1ベルト33と、第1従動プーリ34と、第1ボールねじ38と、第1ボールナット39と、を備えている。
【0027】
第1駆動プーリ32は、第1回転軸31aの回転に伴って回転可能に、第1回転軸31aに固定される。第1ベルト33は、第1駆動プーリ32及び第1従動プーリ34を接続する。第1ベルト33は、第1駆動プーリ32の回転運動を第1従動プーリ34に伝達し、第1従動プーリ34を回転可能に形成された、所謂タイミングベルトである。
【0028】
第1従動プーリ34は、第1ボールねじ38に接続され、第1ベルト33を介して伝達された第1駆動プーリ32の回転運動を第1ボールねじ38に伝達可能に形成されている。
【0029】
第1ボールねじ38は、第1従動プーリ34に固定されている。第1ボールねじ38は、その軸心が第1従動プーリ34の軸心上に配置される。
【0030】
第1ボールナット39は、スクリュ18の一端側に設けられる。第1ボールナット39は、回転方向の移動が規制されており、第1ボールねじ38の回転運動を、第1ボールねじ38の軸心方向の直線運動に変換可能に形成されている。第1ボールナット39は、第1ボールねじ38の回転により、第1ボールねじ38の軸心方向に直線的に移動し、スクリュ18を同方向に移動させる。
【0031】
第1検出器36は、第1電動機31に設けられ、第1電動機31の駆動情報、具体的には回転数(回転量)を検出可能に形成されている。第1検出器36は、例えば、エンコーダである。
【0032】
第2検出器37は、スクリュ18の前進位置及び後退位置を検出可能に形成されている。具体的には、第2検出器37は、スクリュ18の後退位置として、第1ボールナット39の後退位置を検出可能な第1位置検出センサ37aと、スクリュ18の前進位置として、第1ボールナット39の前進位置を検出可能な第2位置検出センサ37bと、を備えている。
【0033】
第1位置検出センサ37aは、信号線Sを介して制御装置7に接続されている。第1位置検出センサ37aは、スクリュ18の後退位置として、例えば、スクリュ18が最後退位置に位置するときの第1ボールナット39の位置を検出可能に形成されている。
【0034】
例えば、第1位置検出センサ37aは、近接センサ等であって、第1ボールナット39が所定の位置に移動したときにオンとなる、所謂オンオフスイッチである。第1位置検出センサ37aは、第1ボールナット39の位置を検出したときにオフからオンに切り替わり、当該検出した情報を、制御装置7に送信可能に形成されている。
【0035】
第2位置検出センサ37bは、信号線Sを介して制御装置7に接続されている。第2位置検出センサ37bは、スクリュ18の前進位置として、例えば、スクリュ18が最前進位置に位置するときの第1ボールナット39の位置を検出可能に形成されている。
【0036】
例えば、第2位置検出センサ37bは、近接センサ等であって、第1ボールナット39が所定の位置に移動したときにオンとなる、所謂オンオフスイッチである。第2位置検出センサ37bは、第1ボールナット39の位置を検出したときにオフからオンに切り替わり、当該検出した情報を、制御装置7に送信可能に形成されている。
【0037】
第2動力伝達手段22は、第2電動機41と、第2駆動プーリ42と、第2ベルト43と、第2従動プーリ44と、第3検出器45と、を備えている。
【0038】
第2電動機41は、例えば、サーボモータである。第2電動機41は、制御装置7に信号線Sを介して接続される。第2電動機41は、第2回転軸41aを備えている。
【0039】
第2駆動プーリ42は、第2回転軸41aの回転に伴って回転可能に、第2回転軸41aに固定される。第2ベルト43は、第2駆動プーリ42及び第2従動プーリ44を接続する。第2ベルト43は、第2駆動プーリ42の回転運動を第2従動プーリ44に伝達し、第2従動プーリ44を回転可能に形成された、所謂タイミングベルトである。
【0040】
第2従動プーリ44は、スクリュ18に接続され、第2ベルト43を介して伝達された第2駆動プーリ42の回転運動をスクリュ18に伝達可能に形成されている。
【0041】
第3検出器45は、第2電動機41に設けられ、第2電動機41の駆動情報、具体的には回転数を検出可能に形成されている。第3検出器45は、例えば、エンコーダである。
【0042】
第3動力伝達手段23は、第3電動機51と、第2変換機構52と、可動台53と、第4検出器54と、を備えている。
【0043】
第3電動機51は、例えば、サーボモータであって、制御装置7に信号線Sを介して接続される。第3電動機51は、第3回転軸51aを備えている。第2変換機構52は、第3回転軸51aの回転運動を直線運動に変換可能に形成されている。第2変換機構52は、例えば、第2ボールねじ55と、第2ボールナットと、を備えている。第2ボールねじ55は、第3回転軸51aに固定されている。第2ボールねじ55は、その軸心が第3回転軸51a及び第2ボールねじ55の軸心と同一の軸心上に配置される。
【0044】
第2ボールナットは、可動台53内に設けられ、第2ボールねじ55の回転運動を、ボールねじ55の軸心方向の直線運動に変換可能に形成されている。第2ボールナットは、第2ボールねじ55の回転により、第2ボールねじ55の軸心方向に直線的に移動し、可動台53を同方向に移動させる。
【0045】
可動台53は、基部3に移動可能に支持される。可動台53は、その上部に、シリンダ部11、第1動力伝達手段21及び第2動力伝達手段22を支持する。第4検出器54は、第3電動機51に設けられ、第3電動機51の駆動情報、具体的には回転数を検出可能に形成されている。第4検出器54は、例えば、エンコーダである。
【0046】
型締装置6は、固定型4a及び移動型4bを保持可能、且つ、金型4を開閉可能に形成されている。型締装置6は、例えば、固定盤(固定物)61と、可動盤(可動物)62と、開閉機構63と、タイバー64と、押出機構65と、を備えている。
【0047】
固定盤61は、所謂固定ダイプレートであって、基部3に固定されている。固定盤61は、固定型4aを固定可能に形成されている。
【0048】
可動盤62は、所謂移動ダイプレートであって、固定盤61に対向するように配置される。可動盤62は、固定盤61に対して接近及び離反する方向に移動可能に形成されている。具体的には、可動盤62は、開閉機構63又は図示しない型厚調整機構により、タイバー64を介して、固定盤61に対して前進及び後進方向に直線的な移動(リニア移動)が可能に形成されている。可動盤62は、金型4の移動型4bを固定可能に形成されている。
【0049】
開閉機構63は、トグル機構により可動盤62を移動させることで、金型4を開閉可能、換言すると、可動盤62に固定された移動型4bを固定型4aに対して離接可能に形成されている。開閉機構63は、リンクハウジング(圧受盤)70と、第4電動機71と、第3駆動プーリ72と、第3ベルト73と、第3従動プーリ74と、第4ボールねじ75と、クロスヘッド76と、トグルリンク77と、第5検出器78と、を備えている。
【0050】
リンクハウジング70は、クロスヘッド76及びトグルリンク77の支点となる。リンクハウジング70は、基部3に支持されている。
【0051】
第4電動機71は、例えば、サーボモータであって、制御装置7に信号線Sを介して接続される。第4電動機71は、第4回転軸71aを備えている。
【0052】
第3駆動プーリ72は、第4回転軸71aの回転に伴って回転可能に、第4回転軸71aに固定される。第3ベルト73は、第3駆動プーリ72及び第3従動プーリ74を接続する。第3ベルト73は、第3駆動プーリ72の回転運動を第3従動プーリ74に伝達し、第3従動プーリ74を回転可能に形成された、所謂タイミングベルトである。
【0053】
第3従動プーリ74は、第4ボールねじ75に接続され、第3ベルト73を介して伝達された第3駆動プーリ72の回転運動を第4ボールねじ75に伝達可能に形成されている。
【0054】
クロスヘッド76は、第3ボールねじ75と接続され、第3ボールねじ75の回転により、第3ボールねじ75の軸心方向に沿って移動可能に形成されている。具体的には、クロスヘッド76は、第3ボールナット76aを備えている。また、クロスヘッド76は、第3ボールねじ75の軸心方向に移動することで、トグルリンク77を操作可能に形成されている。
【0055】
なお、第4電動機71の回転運動を直線運動に変換可能にする第3駆動プーリ(駆動プーリ)72と、第3ベルト73と、第3従動プーリ74と、第4ボールねじ75と、クロスヘッド76とを備えた機構を、第3変換機構(変換機構)66と呼ぶこともある。
【0056】
トグルリンク77は、可動盤62、リンクハウジング70及びクロスヘッド76に接続されている。トグルリンク77は、トグル機構を構成する複数のリンク、ブシュ及びピンにより構成される。トグルリンク77は、クロスヘッド76により操作されることで、可動盤62を固定盤61に対して移動可能に形成されている。第5検出器78は、第4電動機71に設けられ、第4電動機71の駆動情報、具体的には回転数を検出可能に形成されている。第5検出器78は、例えば、エンコーダである。
【0057】
このような開閉機構63は、第4回転軸71aの回転運動を、第3駆動プーリ72、第3ベルト73及び第3従動プーリ74を介して第4ボールねじ75に伝達し、当該第4ボールねじ75の回転運動を、クロスヘッド76の直線的な移動に変換する。
【0058】
また、開閉機構63は、クロスヘッド76の直線的な移動を、トグルリンク77を介して可動盤62に伝達させる。これにより、開閉機構63は、可動盤62に固定盤61に対して直線的な移動をさせる。
【0059】
タイバー64は、例えば、固定盤61及びリンクハウジング70に固定されて複数設けられる。タイバー64は、固定盤61及びリンクハウジング70を連結する。タイバー64は、可動盤62の移動を案内可能に形成されている。タイバー64は、例えば、4本が、固定盤61及びリンクハウジング70の四隅に配置される。
【0060】
押出機構65は、例えば、制御装置7に信号線Sを介して接続された、第5回転軸81aを有する第5電動機81と、第4駆動プーリ82と、第4ベルト83と、第4従動プーリ84と、第5ボールねじ85と、第5ボールナット86aを有する押出盤86と、押出盤86に固定された押出ピン87と、第6検出部88と、を備えている。
【0061】
押出機構65は、第5電動機81の回転軸81aの回転運動を、第4駆動プーリ82、第4ベルト83及び第4従動プーリ84を介して、第5ボールねじ85に伝達可能に形成されている。押出盤86は、第5ボールナット86aにより、第5ボールねじ85の回転に伴って直線的に移動可能に形成されている。押出盤86は、その移動により、押出ピン87を移動可能に形成されている。
【0062】
なお、第5電動機81の回転運動を直線運動に変換可能にする第4駆動プーリ(駆動プーリ)82と、第4ベルト83と、第4従動プーリ84と、第5ボールねじ85と、押出盤86とを備えた機構を、第4変換機構(変換機構)67と呼ぶこともある。
【0063】
押出機構65は、可動盤62に接続され、押出盤86を移動させることで、押出ピン87を移動型4bから突出させ、成形品を押し出す。第6検出器88は、第5電動機81に設けられ、第5電動機81の駆動情報、具体的には回転数を検出可能に形成されている。第6検出器88は、例えば、エンコーダである。
【0064】
制御装置7は、第1電動機31、第2電動機41、第3電動機51、第4電動機71、第5電動機81、第1検出器36、第1位置検出センサ37a、第2位置検出センサ37b、第3検出器45、第4検出器54、第5検出器78及び第6検出器88と、信号線Sを介して電気的に接続される。
【0065】
制御装置7は、例えば、記憶部91と、比較部(比較手段)93と、を備えている。制御装置7は、外部からの指示を入力する装置に電気的に接続される、マンマシンインターフェイス(MMI/F)92と接続される。
【0066】
記憶部91は、例えば、第1動力伝達手段21が正常に動作したときの、第2検出器37の第1位置検出センサ37aで検出した第1ボールナット39の位置を第1検出器36で検出し、直接に、又は、制御装置7内での演算を介して、基準値として記憶する。
【0067】
なお、この場合、基準値は、第1位置検出センサ37aの位置でのスクリュ18の位置を表す情報であり、具体的には、第1位置検出センサ37aを検出した時の第1電動機31の回転量である。
【0068】
また、制御装置7は、以下の機能(1)乃至機能(3)を有している。
(1)第1位置検出センサ37aにて駆動対象の位置を検出したときの、第1電動機31の回転量を検出する機能。
(2)第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された回転量(基準値)との差と、所定の閾値と、を比較する機能
(3)機能(2)の結果から、第1動力伝達手段21の状態を判断する機能。
【0069】
次に、これら制御装置7が有する機能(1)乃至機能(3)について説明する。
機能(1)は、第1位置検出センサ37aで第1ボールナット39を検出することで、駆動対象である第1ボールナット39が最後退位置に移動したことを検出し、その最後退位置での第1電動機31の回転量を検出する機能である。
【0070】
機能(2)は、機能(1)で検出した第1ボールナット39の第1位置検出センサ37aの位置での第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1ボールナット39の第1位置センサ37aでの第1電動機31の回転量との差と、予め定めた所定の閾値と、を比較する機能である。機能(2)は、現在の第1電動機31の回転量と正常時の第1ボールナット39の第1位置センサ37aでの第1電動機31の回転量との差と、予め定めた所定の閾値と、を比較する比較手段である。即ち、制御装置7は、現在の第1ボールナット39の最後退位置での第1電動機31の回転量と正常時の第1ボールナット39の第1位置センサ37aでの第1電動機31の回転量との差と、予め定めた所定の閾値と、を比較する。この機能(2)は、例えば、比較部(比較手段)93に備わっている。
【0071】
機能(3)は、機能(2)の結果から、第1動力伝達手段21が正常に動作したか否か、を判断する機能である。機能(3)は、第1動力伝達手段21の状態、即ち、駆動対象である第1ボールナット39の移動の正常及び異常を判断する判断手段である。
【0072】
機能(3)は、現在の第1ボールナット39の最後退位置での第1電動機31の回転量と正常時の第1ボールナット39の第1位置センサ37aでの第1電動機31の回転量との差が、予め定めた所定の閾値以下であれば、第1動力伝達手段21が正常であると、現在の第1ボールナット39の最後退位置での第1電動機31の回転量と正常時の第1ボールナット39の第1位置センサ37aでの第1電動機31の回転量との差が、予め定めた所定の閾値より大きい場合には、第1動力伝達手段21が異常と判断する機能である。
【0073】
また、機能(3)として、制御装置7は、第1動力伝達手段21を異常と判断した場合には、第1電動機31を停止する。
【0074】
このような制御装置7は、駆動対象である第1ボールナット39の移動の異常、或いは、第1動力伝達手段21の異常を検出する異常検出装置を構成する。
【0075】
このように構成された射出成形装置1では、制御装置7は、成形動作中の射出装置5のスクリュ18の移動指令、或いは、作業者の操作スイッチによる射出装置5のスクリュ18の移動指令(より具体的には、後退指令)により、第1電動機31を駆動して第1ボールナット39を移動させ、スクリュ18を移動させる。
【0076】
次に、第1ボールナット39が最後退位置まで移動すると、第1位置センサ37aが反応し、制御装置7は、第1位置センサ37aが反応した時の第1ボールナット39の第1電動機31の回転量を検出する。
【0077】
次に、制御装置7は、検出した第1ボールナット39の最後退位置での第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1ボールナット39の最後退位置での第1電動機31の回転量との差を検出する。
【0078】
次に、その算出値と予め定めた所定の閾値とを比較し、その算出値が所定の閾値以下であれば、第1ボールナット39が正常に移動していると判断し、成形動作中であれば成形動作を続け、その算出値が所定の閾値を超えていれば、第1ボールナット39の移動が異常である、即ち、第1動力伝達手段21に異常が発生していると判断し、第1動力伝達手段21が異常である旨を報知するとともに、射出装置5の駆動を停止する。なお、当該異常を報知する手段として、制御装置7、又は、射出成形装置1は、例えば、赤色の光を発生させるランプやブザー等の報知手段や、ディスプレイ等の表示手段を有している。
【0079】
このように構成された射出成形装置1によれば、現在の第1電動機31の回転量と、記憶部91に記憶された正常時の第1電動機31の回転量(基準値)とを比較することで、第1動力伝達手段21の異常、ひいては、スクリュ18の移動の異常を検出することが可能となる。
【0080】
具体的に説明すると、第1動力伝達手段21は、第1駆動プーリ32及び第1従動プーリ34を、第1ベルト33で接続する。このため、第1駆動プーリ32又は第1従動プーリ34と第1ベルト33とがすべり等により、動力の伝達ロスが発生する虞や、第1ベルト33が駆動途中で破損する虞がある。このような場合には、第1電動機31の回転量が正常時よりも多くなされる。このため、判断手段として、制御装置7は、現在の第1電動機31の回転量と正常時での電動機31の回転量との比較結果から、第1動力伝達手段21の正常及び異常、ひいては、スクリュ18の移動の正常及び異常を高精度に判断することが可能となる。
【0081】
射出成形装置1は、射出成形装置1のメンテナンス後等に、駆動対象である第1ボールナット39の位置ずれ等が発生しても、記憶部91に記憶されている正常時の第1ボールナット39の位置情報(基準値)と比較することで、当該位置ずれを発見することも可能となる。
【0082】
射出成形装置1は、制御装置7により第1動力伝達手段21の異常を検出後、第1電動機31を停止することで、射出成形装置1の損傷を防止することができる。
【0083】
また、第2検出器37は、駆動対象の位置を検出可能であればよく、比較的安価な近接センサ等のオン及びオフのみを出力する検出器を第1位置検出センサ37aに用いることが可能となる。これにより、射出成形装置1の製造コストを増大することなく、異常を高精度で検出することが可能となる。
【0084】
上述したように、本発明の第1の実施形態に係る射出成形装置1によれば、第1動力伝達手段21及び制御装置7により、安価であって、且つ、高い検出精度で、駆動対象の移動の異常を検出することが可能となる。
【0085】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る射出成形装置1について、以下説明する。
なお、第2の実施形態に係る射出成形装置1は、その構成が上述した第1の実施形態に係る射出成形装置1と同等であり、制御装置7の機能が異なる。このため、第2の実施形態に係る射出成形装置1は、第1の実施形態に係る射出成形装置1と同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0086】
第2の実施形態に係る射出成形装置1に用いられる制御装置7は、上述した第1の実施形態に係る制御装置7と同様に、第1電動機31、第2電動機41、第3電動機51、第4電動機71、第5電動機81、第1検出器36、第1位置検出センサ37a及び第2位置検出センサ37bと、信号線Sを介して電気的に接続される。
【0087】
制御装置7は、例えば、第1動力伝達手段21が正常に動作したときの第1電動機31の回転量を基準値として記憶する記憶部(記憶手段)91と、比較部(比較手段)93と、確認部(確認手段)94と、を有している。
【0088】
制御装置7は、以下の機能(4)乃至(6)を有している。
【0089】
(4)第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された基準値との差、及び、閾値を比較する機能。
(5)第1位置検出センサ37aの状態を検出する機能。
(6)第1位置検出センサ37aの状態から、第1動力伝達手段21の状態を判断する機能。
【0090】
次に、これら制御装置7が有する機能(4)乃至機能(6)について説明する。
機能(4)は、第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1電動機31の回転量(基準値)との差、及び、予め定めた所定の許容値(閾値)とを比較する機能である。機能(4)は、第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1電動機31の回転量(基準値)との差が、予め定めた所定の許容値(閾値)を超えているか否かを判断する。この機能(4)は、例えば、比較部93に備わっている。
【0091】
機能(5)は、確認手段として、機能(4)での結果、第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1電動機31の回転量(基準値)との差が、予め定めた所定の許容値(閾値)を超えていない場合に、第1位置検出センサ37aの状態を検出することで、第1ボールナット39自体が最後退、あるいは最後退位置付近に位置しているか否かを確認する機能である。即ち、機能(5)は、第1位置検出センサ37aがオンであるときには第1ボールナット39自体が最後退位置又はその付近に位置していると、第1位置検出センサ37aがオフであるときには、第1ボールナット39自体が最後退位置付近に到達していない、と検出する機能である。この機能(5)は、例えば、確認部94に備わっている。
【0092】
機能(6)は、機能(5)で確認した第1位置検出センサ37aの状態から、第1動力伝達手段21の状態を判断する機能である。具体的には、機能(6)は、現在の第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1電動機31の回転量(基準値)との差が、予め定めた所定の許容値(閾値)を超えておらず、第1ボールナット39自体が最後退位置又はその付近に位置している場合には、第1動力伝達手段21が正常であると判断する。
【0093】
また、機能(6)は、現在の第1電動機31の回転量と記憶部91に記憶された正常時の第1電動機31の回転量(基準値)との差が、予め定めた所定の許容値(閾値)を満たし、第1ボールナット39自体が最後退位置付近に位置していない場合には、第1動力伝達手段21が異常であると判断する。さらに、機能(6)は、第1動力伝達手段21が異常であると判断した場合には、第1電動機31を停止する機能を有する。この機能(6)は、例えば、確認部94に備わっていてもよい。
【0094】
このように構成された射出成形装置1は、制御装置7により、第1電動機31の回転を第1検出器36で検出し、第1検出器36で検出された電動機31の回転量が記憶部91に記憶された正常時での第1電動機31の回転量における許容の範囲(閾値の範囲)内に到達したか否かを判断する。
【0095】
第1検出器36で検出された第1電動機31の回転量が記憶部91に記憶された正常時での第1電動機31の回転量における許容の範囲(閾値の範囲)内に到達したときに、制御装置7は、第2検出器37の第1位置検出センサ37aによる第1ボールナット39の検出及び非検出を確認する。そして、制御装置7は、第1位置検出センサ37aにより、第1ボールナット39の検出がされた、即ち、第1位置検出センサ37aがオンであった場合には、第1動力伝達手段21が正常と判断する。
【0096】
また、制御装置7は、第1位置検出センサ37aにより、第1ボールナット39が非検出の場合、即ち、第1位置検出センサ37aがオフであった場合には、第1動力伝達手段21が異常と判断し、第1電動機31を停止させる。
【0097】
このように構成された射出成形装置1によれば、第1の実施形態と同様に、第1動力伝達手段21の正常及び異常、ひいては、スクリュ18の移動の正常及び異常を高精度に検出することが可能となる。
【0098】
また、射出成形装置1は、制御装置7により第1動力伝達手段21の異常を検出後、第1電動機31を停止することで、射出成形装置1の損傷を防止することができる。
【0099】
また、第2検出器37は、駆動対象の位置を検出可能であればよく、比較的安価な近接センサ等のオン及びオフのみを出力する検出器を第1位置検出センサ37aに用いることが可能となる。これにより、射出成形装置1の製造コストを増大することなく、異常を高精度で検出することが可能となる。
【0100】
上述したように、本発明の第2の実施形態に係る射出成形装置1によれば、上述した第1の実施形態に係る射出成形装置1と同様に、第1動力伝達手段21及び制御装置7により、安価であって、且つ、高い検出精度で、駆動対象の移動の異常を検出することが可能となる。
【0101】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、駆動対象は、スクリュ18であって、スクリュ18の移動を検出するために、第2検出器37により、第1ボールナット39の位置を検出する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、動力伝達手段の異常検出装置は、開閉機構63を動力伝達手段(動力伝達機構)とするとともに、駆動対象を可動盤62とし、可動盤62の位置を検出するために、制御装置7及び第2検出器37により、クロスヘッド76の位置を検出する構成であってもよい。
【0102】
また、例えば、動力伝達手段の異常検出装置は、押出機構65を動力伝達手段(動力伝達機構)とするとともに、駆動対象を押出盤86あるいは押出ピン87とし、押出盤86あるいは押出ピン87の位置を検出するために、制御装置7及び第2検出器37により、第5ボールナット86aの位置を検出する構成であってもよい。また、動力伝達手段の異常検出装置は、第3動力伝達手段23を動力伝達手段(動力伝達機構)とするとともに、駆動対象を可動第53とし、制御装置7及び第2検出器37により、可動第53の位置を検出する構成であってもよい。
【0103】
即ち、第2検出器37は、駆動対象の位置に合わせて、備えられているところが変更されてよい。また、駆動対象が複数ある場合には、第2検出器37は、それぞれの駆動対象に備えられるようにされてよい。
【0104】
また、前述の実施形態では、第2検出器37の第1位置検出センサ37aを用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、前述の実施形態において、第2検出器37の第1位置検出センサ37aを、第2検出器37の第2位置検出センサ37bに置き換えたとしても、本発明の効果は得られる。即ち、第2検出器37の位置は、駆動対象の駆動範囲のいずれかに設置されていればよい。
【0105】
また、上述した例では、当該動力伝達手段の異常検出装置は、射出成形装置1に用いられる構成を説明したがこれに限定されず、ダイカストマシン等の、回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる動力伝達手段を有する装置であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶する記憶手段と、
前記第2検出器で前記駆動対象の移動が検出されたときに前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量、及び、前記記憶手段に記憶された前記基準値を比較する比較手段と、
を備えることを特徴とする動力伝達手段の異常検出装置。
[2]電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶する記憶手段と、
前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶手段に記憶された前記基準値との差が閾値を超えていないときに、前記第2検出器の検出を確認する確認手段と、 を備えることを特徴とする動力伝達手段の異常検出装置。
[3][1]又は[2]に記載の異常検出装置を備えた成形装置。
[4]電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
記憶部と、
を具備する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出方法であって、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶部に記憶し、
その後、前記第2検出器で前記駆動対象の移動を検出し、
前記第2検出器で前記駆動対象の移動を検出したときに前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量、及び、前記記憶部に記憶された前記基準値を比較する、
ことを特徴とする動力伝達手段の異常検出方法。
[5]電動機と、
前記電動機の回転運動を直線運動に変換し、駆動対象を直線的に移動させる変換機構と、
前記電動機の回転を検出する第1検出器と、
前記駆動対象の移動を所定の位置で検出する第2検出器と、
記憶部と、
を具備する動力伝達手段の異常を検出する動力伝達手段の異常検出方法であって、
正常時に前記第1検出器で検出された、前記第2検出器で前記駆動対象を検出したときの前記電動機の回転量を基準値として記憶部に記憶し、
その後、前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶部に記憶された前記基準値との差が閾値を超えているか否かを判断し、
前記第1検出器で検出された前記電動機の回転量と前記記憶部に記憶された前記基準値との差が閾値を超えていないときに、前記第2検出器により前記駆動対象の検出及び非検出を確認する、
ことを特徴とする動力伝達手段の異常検出方法。
【符号の説明】
【0106】
1…射出成形装置、3…基部、4…金型、4a…固定型、4b…移動型、5…射出装置、6…型締装置、7…制御装置(異常検出装置)、11…シリンダ部、12…駆動手段、15…シリンダ、16…ノズル、17…ホッパ、18…スクリュ(駆動対象)、21…第1動力伝達手段(動力伝達手段、動力伝達機構)、22…第2動力伝達手段、23…第3動力伝達手段(動力伝達手段、動力伝達機構)、25…第1変換機構(変換機構)、31…第1電動機(電動機)、31a…第1回転軸、32…第1駆動プーリ(駆動プーリ)、33…第1ベルト(ベルト)、34…第1従動プーリ(従動プーリ)、36…第1検出器、37…第2検出器、37a…第1位置検出センサ、37b…第2位置検出センサ、39…第1ボールナット、41…第2電動機、41a…第2回転軸、42…第2駆動プーリ、43…第2ベルト、44…第2従動プーリ、45…第3検出器、51…第3電動機、51a…第3回転軸、52…変換機構、53…可動台(駆動対象)、55…第2ボールねじ、91…記憶部(記憶手段)、92…マンマシンインターフェイス(MMI/F)、93…比較部(比較手段)、94…確認部(確認手段)。
図1