特許第6427384号(P6427384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427384
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】瓦用片流れ換気棟
(51)【国際特許分類】
   E04D 1/30 20060101AFI20181112BHJP
   E04D 3/40 20060101ALI20181112BHJP
   E04D 13/16 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
   E04D1/30 601P
   E04D3/40 C
   E04D13/16 E
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-216795(P2014-216795)
(22)【出願日】2014年10月24日
(65)【公開番号】特開2016-84590(P2016-84590A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2017年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】595133736
【氏名又は名称】株式会社トーコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(72)【発明者】
【氏名】西田 敏典
【審査官】 立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−007429(JP,A)
【文献】 特開2010−007430(JP,A)
【文献】 特開平10−140746(JP,A)
【文献】 実開昭61−206028(JP,U)
【文献】 特開2016−079755(JP,A)
【文献】 特開2006−342599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/00− 1/36
E04D 3/00− 3/40
E04D 13/00−13/18
E04B 1/70
E04B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
片流れ屋根の野地板に屋根裏と連通する換気口を設け、前記片流れ屋根の棟頂部に棟桟を取り付け、前記棟桟に冠瓦を配置する瓦用片流れ換気棟であって、
前記片流れ屋根に施工される屋根瓦と前記冠瓦との間に設置される換気部材と、
前記片流れ屋根の壁面に施工される破風板と前記冠瓦との隙間を封止する壁側用板金と
を備え、
前記壁側用板金が、
前記野地板に載置される野地面載置板材と、
前記野地面載置板材の端部と連接されて前記冠瓦に近接する方向に延出する垂直板材と、
前記垂直板材の端部と連接されて前記壁面の外方向に延出する傾斜板材と、
前記傾斜板材の端部と連接されて前記壁面に配置される垂下板材と、
前記垂下板材と平行に配置されて破風下地に固定される破風下地固定板材と、
前記垂下板材と前記破風下地固定板材とを連接する連接板材と
を有し、
前記野地面載置板材に換気開口を形成することを特徴とする瓦用片流れ換気棟。
【請求項2】
前記垂直板材と前記破風下地固定板材との間に空間を形成し、
前記空間には、破風下地の上端部又は前記野地板の上端部を配置できることを特徴とする請求項1に記載の瓦用片流れ換気棟。
【請求項3】
板材を断面L字状に折り曲げることで形成される一片を設置用板材、他片を捨水切用板材とし、
前記設置用板材の両端を端部から所定寸法の位置で切断し、前記捨水切用板材の両端を端部から前記所定寸法の位置で折り曲げることで、前記捨水切用板材を前記設置用板材から立ち上げ、
前記捨水切用板材を前記換気開口の外周に配置し、
前記設置用板材を前記野地面載置板材に載置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の瓦用片流れ換気棟。
【請求項4】
前記冠瓦として三角冠瓦又は7寸丸冠瓦を用い、
前記傾斜板材を前記三角冠瓦又は7寸丸冠瓦の内周面に当接させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の瓦用片流れ換気棟。
【請求項5】
前記棟桟の上面の一部から前記傾斜板材の上面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材で覆うことを特徴とする請求項4に記載の瓦用片流れ換気棟。
【請求項6】
前記冠瓦として片流れ冠瓦を用い、
前記垂下板材を前記片流れ冠瓦の内周面に当接させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の瓦用片流れ換気棟。
【請求項7】
前記棟桟の上面の一部から前記垂下板材の外面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材で覆うことを特徴とする請求項6に記載の瓦用片流れ換気棟。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物の屋根頂部に設置する瓦用片流れ換気棟に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、一般的な両流れの屋根に使用される換気部材をそのまま用いることができる片流れ屋根の棟構造が提案されている。
特許文献1は、片流れ屋根の屋根下地に屋根裏と連通する換気口を設け、片流れ屋根の棟頂部において屋根下地の上に棟桟を取り付け、棟桟に水切り材を取り付けると共に棟桟の棟側の側面から片流れ屋根の棟側の端面にかけての間を水切り材で覆うものである。そして内外に通じる通気経路を有し、断面形状が対称に形成される換気部材を棟桟に跨らせて取り付けると共に、換気部材で換気口と水切り材を覆っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−7429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1で提案する片流れ屋根の棟構造は、粘土瓦屋根に用いられている冠瓦を用いるものではない。
【0005】
本発明は、粘土瓦屋根に用いられている既存の冠瓦を用い、仕様の異なる冠瓦にも対応させることができる瓦用片流れ換気棟を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の瓦用片流れ換気棟は、片流れ屋根の野地板に屋根裏と連通する換気口を設け、前記片流れ屋根の棟頂部に棟桟を取り付け、前記棟桟に冠瓦を配置する瓦用片流れ換気棟であって、前記片流れ屋根に施工される屋根瓦と前記冠瓦との間に設置される換気部材と、前記片流れ屋根の壁面に施工される破風板と前記冠瓦との隙間を封止する壁側用板金とを備え、前記壁側用板金が、前記野地板に載置される野地面載置板材と、前記野地面載置板材の端部と連接されて前記冠瓦に近接する方向に延出する垂直板材と、前記垂直板材の端部と連接されて前記壁面の外方向に延出する傾斜板材と、前記傾斜板材の端部と連接されて前記壁面に配置される垂下板材と、前記垂下板材と平行に配置されて破風下地に固定される破風下地固定板材と、前記垂下板材と前記破風下地固定板材とを連接する連接板材とを有し、前記野地面載置板材に換気開口を形成することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の瓦用片流れ換気棟において、前記垂直板材と前記破風下地固定板材との間に空間を形成し、前記空間には、破風下地の上端部又は前記野地板の上端部を配置できることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の瓦用片流れ換気棟において、板材を断面L字状に折り曲げることで形成される一片を設置用板材、他片を捨水切用板材とし、前記設置用板材の両端を端部から所定寸法の位置で切断し、前記捨水切用板材の両端を端部から前記所定寸法の位置で折り曲げることで、前記捨水切用板材を前記設置用板材から立ち上げ、前記捨水切用板材を前記換気開口の外周に配置し、前記設置用板材を前記野地面載置板材に載置することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3に記載の瓦用片流れ換気棟において、前記冠瓦として三角冠瓦又は7寸丸冠瓦を用い、前記傾斜板材を前記三角冠瓦又は7寸丸冠瓦の内周面に当接させことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の瓦用片流れ換気棟において、前記棟桟の上面の一部から前記傾斜板材の上面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材で覆うことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の瓦用片流れ換気棟において、前記冠瓦として片流れ冠瓦を用い、前記垂下板材を前記片流れ冠瓦の内周面に当接させることを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の瓦用片流れ換気棟において、前記棟桟の上面の一部から前記垂下板材の外面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材で覆うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の瓦用片流れ換気棟によれば、仕様の異なる冠瓦に対応させることができ、野地面載置板材に換気開口を形成しているため、換気口に対する換気開口の位置決めが容易にでき、施工性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による瓦用片流れ換気棟に用いる壁側用板金を示す説明図
図2】本実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図
図3】本実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図
図4】本発明の他の実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図
図5】本発明の更に他の実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図
図6】本発明の更に他の実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による瓦用片流れ換気棟は、片流れ屋根に施工される屋根瓦と冠瓦との間に設置される換気部材と、片流れ屋根の壁面に施工される破風板と冠瓦との隙間を封止する壁側用板金とを備え、壁側用板金が、野地板に載置される野地面載置板材と、野地面載置板材の端部と連接されて冠瓦に近接する方向に延出する垂直板材と、垂直板材の端部と連接されて壁面の外方向に延出する傾斜板材と、傾斜板材の端部と連接されて壁面に配置される垂下板材と、垂下板材と平行に配置されて破風下地に固定される破風下地固定板材と、垂下板材と破風下地固定板材とを連接する連接板材とを有し、野地面載置板材に換気開口を形成するものである。本実施の形態によれば、換気部材と壁側用板金とをそれぞれ分離した独立部材で構成し、換気部材は、屋根瓦と冠瓦との間に設置し、野地板に載置される野地面載置板材によって破風板と冠瓦との隙間を封止することで、異なる仕様の冠瓦に用いることができる。また、野地面載置板材に換気開口を形成しているため換気口に対する換気開口の位置決めが容易にでき、施工性が向上する。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による瓦用片流れ換気棟において、垂直板材と破風下地固定板材との間に空間を形成し、空間には、破風下地の上端部又は野地板の上端部を配置できるものである。本実施の形態によれば、破風下地が野地板よりも上方に突出している場合でも、野地板が破風下地の上方に延出している場合でも施工できる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による瓦用片流れ換気棟において、板材を断面L字状に折り曲げることで形成される一片を設置用板材、他片を捨水切用板材とし、設置用板材の両端を端部から所定寸法の位置で切断し、捨水切用板材の両端を端部から所定寸法の位置で折り曲げることで、捨水切用板材を設置用板材から立ち上げ、捨水切用板材を換気開口の外周に配置し、設置用板材を野地面載置板材に載置するものである。本実施の形態によれば、捨水切用板材と、この捨水切用板材を設置するための設置用板材とを1枚の板材で形成することができ、製作が容易であるとともに施工性が向上する。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による瓦用片流れ換気棟において、冠瓦として三角冠瓦又は7寸丸冠瓦を用い、傾斜板材を三角冠瓦又は7寸丸冠瓦の内周面に当接させるものである。本実施の形態によれば、片流れ屋根に対して、両棟で多く用いられている三角冠瓦又は7寸丸冠瓦を用いることができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による瓦用片流れ換気棟において、棟桟の上面の一部から傾斜板材の上面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材で覆うものである。本実施の形態によれば、柔軟性のあるテープ状防水部材を用いることで、異なる仕様の冠瓦に用いても防水性能を確保できる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による瓦用片流れ換気棟であって、冠瓦として片流れ冠瓦を用い、垂下板材を片流れ冠瓦の内周面に当接させるものである。本実施の形態によれば、片流れ冠瓦にも用いることができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による瓦用片流れ換気棟であって、棟桟の上面の一部から垂下板材の外面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材で覆うものである。本実施の形態によれば、柔軟性のあるテープ状防水部材を用いることで、異なる仕様の冠瓦に用いても防水性能を確保できる。
【実施例】
【0016】
以下本発明の一実施例による瓦用片流れ換気棟について説明する。
図1は本実施例による瓦用片流れ換気棟に用いる壁側用板金を示す説明図である。
図1(a)、(b)は捨水切用板材の製作過程を示し、図1(c)は壁側用板金本体を示し、図1(d)は捨水切用板材と壁側用板金本体とを組み合わせて完成させた壁側用板金を示している。
【0017】
図1(a)に示すように、板材10を断面L字状に折り曲げることで形成される一片を設置用板材11、他片を捨水切用板材12としている。設置用板材11の両端を端部から所定寸法の位置で切断し、捨水切用板材12の両端を端部から所定寸法の位置で折り曲げることで、図1(b)に示すように、捨水切用板材12を設置用板材11から立ち上げている。
本実施例によれば、捨水切用板材12と、この捨水切用板材12を設置するための設置用板材11とを1枚の板材で形成することができ、製作が容易であるとともに施工性が向上する。
【0018】
図1(c)に示すように、壁側用板金本体20は、野地板に載置される野地面載置板材21と、野地面載置板材21の端部と連接されて冠瓦に近接する方向に延出する垂直板材22と、垂直板材22の端部と連接されて壁面の外方向に延出する傾斜板材23と、傾斜板材23の端部と連接されて壁面に配置される垂下板材24と、垂下板材24と平行に配置されて破風下地に固定される破風下地固定板材25と、垂下板材24と破風下地固定板材25とを連接する連接板材26とを有している。
野地面載置板材21には換気開口27を形成している。換気開口27は、野地面載置板材21の端部、すなわち垂直板材22に接する位置に形成している。
連接板材26の下方で、垂下板材24と破風下地固定板材25との間には、破風板のみこみ部Aを形成している。
また、垂直板材22と破風下地固定板材25との間には、空間Bを形成している。
【0019】
図1(d)に示すように、捨水切用板材12を換気開口27の外周に配置し、設置用板材11を野地面載置板材21に載置して固定する。
少なくとも、野地面載置板材21、垂直板材22、傾斜板材23、及び垂下板材24は一枚の板材を折り曲げて形成されている。
【0020】
図2及び図3は、本実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図である。
片流れ屋根は、垂木2を斜め下方に傾斜して設け、垂木2の上部には野地板3を設け、野地板3の上方には屋根瓦4が敷設されている。
垂木2の棟側端面には破風下地5を設けている。破風下地5の屋外側面には、破風板6が配置される。
片流れ屋根の棟頂部には棟桟7を取り付け、棟桟7に冠瓦8を配置する。
野地板3には屋根裏と連通する換気口9を設けている。
【0021】
換気部材30は、片流れ屋根に施工される屋根瓦4と冠瓦8との間に設置される。換気部材30は、通気経路を形成した換気役物である。
壁側用板金1は、片流れ屋根の壁面に施工される破風板6と冠瓦8との隙間を封止するように配置される。
野地面載置板材21は、野地板3に載置され、垂下板材24は壁面に配置される。野地面載置板材21に形成している換気開口27は、換気口9の位置に配置する。破風下地固定板材25は、破風下地5にビスによって固定される。
破風下地固定板材25を破風下地5に固定した後に、破風板6が設置される。
破風板6は、破風板のみこみ部Aに上端部を挿入して設置される。破風板のみこみ部Aに破風板6の上端部を配置することで、破風板のみこみ部Aで破風板6の位置決めができるため施工性が向上する。
【0022】
本実施例では、冠瓦8として三角冠瓦を用い、傾斜板材23を三角冠瓦の内周面に当接させている。このように、本実施例によれば、片流れ屋根に対して、両棟で多く用いられている三角冠瓦を用いることができる。
また、本実施例では、棟桟7の上面の一部から傾斜板材23の上面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材40で覆っている。このように、本実施例によれば、柔軟性のあるテープ状防水部材40を用いることで、異なる仕様の冠瓦8に用いても防水性能を確保できる。
【0023】
図2は、野地板3が破風下地5の上方に延出している場合における施工状態を示している。
図2に示す場合には、野地板3の上端部は、垂直板材22と破風下地固定板材25との間に形成された空間Bに配置される。
図3は、破風下地5が野地板3よりも上方に突出している場合における施工状態を示している。
図3に示す場合には、破風下地5の上端部は、垂直板材22と破風下地固定板材25との間に形成された空間Bに配置される。
図2及び図3に示すように、本実施の形態によれば、破風下地5が野地板3よりも上方に突出している場合でも、野地板3が破風下地5の上方に延出している場合でも、垂直板材22と破風下地固定板材25との間に形成した空間Bに、破風下地5の上端部又は野地板3の上端部を配置して、瓦用片流れ換気棟を施工できる。
【0024】
図4は、本発明の他の実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図である。
本実施例は、冠瓦8として片流れ冠瓦を用いた場合を示している。なお、上記実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、垂下板材24を片流れ冠瓦の内周面に当接させている。このように、本実施例によれば、片流れ冠瓦にも用いることができる。
また、本実施例では、棟桟7の上面の一部から垂下板材24の外面の一部までを柔軟性のあるテープ状防水部材40で覆っている。このように、本実施例によれば、柔軟性のあるテープ状防水部材40を用いることで、異なる仕様の冠瓦8に用いても防水性能を確保できる。
【0025】
図5は、本発明の更に他の実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図である。
本実施例は、野地板3が破風下地5の上方に延出している場合における施工状態を示し、冠瓦8として7寸丸冠瓦を用い、傾斜板材23を7寸丸冠瓦の内周面に当接させている。なお、上記実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
図6は、本発明の更に他の実施例による瓦用片流れ換気棟を設置した状態を示す断面図である。
本実施例は、破風下地5が野地板3よりも上方に突出している場合における施工状態を示し、冠瓦8として7寸丸冠瓦を用い、傾斜板材23を7寸丸冠瓦の内周面に当接させている。なお、上記実施例と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0027】
以上のように本実施例によれば、換気部材30と壁側用板金1とをそれぞれ分離した独立部材で構成し、換気部材30は、屋根瓦4と冠瓦8との間に設置し、野地板3に載置される野地面載置板材21によって破風板6と冠瓦8との隙間を封止することで、異なる仕様の冠瓦8に用いることができる。また、野地面載置板材21に換気開口27を形成しているため換気口9に対する換気開口27の位置決めが容易にでき、施工性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、特に粘土瓦を用いた建造物に適している。
【符号の説明】
【0029】
1 壁側用板金
2 垂木
3 野地板
4 屋根瓦
5 破風下地
6 破風板
7 棟桟
8 冠瓦
9 換気口
11 設置用板材
12 捨水切用板材
21 野地面載置板材
22 垂直板材
23 傾斜板材
24 垂下板材
25 破風下地固定板材
26 連接板材
27 換気開口
30 換気部材
40 テープ状防水部材
A 破風板のみこみ部
B 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6