(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0025】
図1は、本実施形態の通信システムのシステム構成を示すシステム図である。
図1に示される通り、この通信システムは、複数の携帯端末100と、この携帯端末100に結び付けられている子機端末150と、携帯端末100と通信接続可能なサーバ200とから構成されている。ここで各携帯端末100は、親機A〜親機Kと表記されている。また、各子機端末150は、親機A〜親機Kのそれぞれに対応付けて、子機a〜子機kと表記されている。なお、親機として機能する携帯端末100は、親が保持し、子機端末150は、その子供が保持することを想定したものであるが、子機端末150は、子供が保持することに限定するものではなく、例えば老人や、障害者、犬などのペットなどが保持してもよい。
【0026】
図1においては、さらに親機A〜親機Fおよび子機a〜子機fがグループG1として関連付けられている。また、同様に親機G〜親機Kおよび子機g〜子機iがグループG2として関連付けられている。このグループは、例えば同じ町内にいるユーザ同士などで関連付けることで構成されており、サーバ200において携帯端末100のグループ分けを管理している。
【0027】
ここで携帯端末100(親機A〜K)は、例えば、携帯電話や、スマートフォンであり、相互に3GネットワークやLTE網などの移動体通信網を利用した通信を可能にするものである。また、子機端末150は(子機a〜k)は、近距離無線通信を行うことができる通信端末である。携帯端末100は、子機端末150と近距離無線通信により無線接続することができる。例えば、携帯端末100は、子機端末150に対して、Bluetoothによる通信を可能にしている。
【0028】
なお、携帯端末100は、近距離無線通信の方式としては、数mから数十m程度の範囲で有効かつ、固有のIDをキーとして通信することができるものでよく、bluetooth以外には、Wi-Fi通信が考えられる。Wi-Fi通信の場合には、SSIDや機器MACアドレスなどをキーとして利用することができ、Bluetooth通信の場合には、機器MACアドレスなどをキーとして利用することができる。
【0029】
また、携帯端末100は、電話型の形態に限定されるものではなく、親機として機能するためには、移動体通信網などの公衆通信網および近距離無線通信の両方の通信方式による通信を行なうことができるものであればよい。また、Wi-Fi通信の場合、公衆Wi-Fi通信網に接続することができる場合には、PC(パソコン:Wi-Fi通信モジュールやBluetooth通信モジュールを搭載したもの)、家庭用Wi-Fiルータ、iBeacon親機などがありえる。また、子機としては、いわゆるBluetooth子機端末として機能するものであればよく、その形態として、イヤホン型、防犯ブザー型、iBeacon型、カード型、キーホルダー型、センサー型、音楽プレイヤー型、およびいわゆるウエアラブル端末型(時計、メガネ、シューズなど)が考えられる。
【0030】
そして、携帯端末100のいずれかが、その関連付けられている子機端末150の探索要求を行った場合、他の携帯端末100に対して探索要求をサーバ200を介して行い、他の携帯端末100は、その探索要求に応じて、子機端末150の探索処理を行なうことができる。例えば、その探索要求を行う依頼元端末として親機Aが探索要求を行う場合、まずサーバ200に対して探索要求を送信し、サーバ200は、この探索要求を受信すると、親機Aに関連付けられている子機aを探索するよう、同一グループにおける他の親機B〜Fに対して探索要求を送信する。この場合、親機Aが依頼元端末として機能し、他の親機B〜Fが依頼先端末として機能する。
【0031】
なお、ここでは同一グループにおける他の携帯端末100に対して探索要求を行っているが、グループを跨いで他のグループに属する携帯端末100に対して探索要求を行うようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、サーバ200が探索要求を受け付け、そして、他の携帯端末100に探索要求を送信しているが、必ずしもサーバ200は必要ではなく、携帯端末100(例えば、親機A)がサーバ等を介することなく、他の携帯端末100(親機B〜F)に探索要求を送信するようにしてもよい。その場合、同じグループの携帯端末同士で、相互に自端末情報をやり取りし、グループ情報を構築しておく必要がある。
【0033】
つぎに、携帯端末100の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態の携帯端末100の機能構成を示すブロック図である。
図2に示される通り、携帯端末100は、依頼元端末として機能および依頼先端末として機能する部分からなり、依頼元端末の機能として、探索指示部101(探索要求手段)、表示部102(通知手段)および通信部103を含み、また依頼先端末の機能として、通信部103(受信手段、送信手段)、制御部104(子機判断手段)、処理実行部105(実行制御手段)、近距離無線通信部106(子機情報取得手段)、GPS測位部107(位置情報取得手段)、および管理テーブル108(記憶手段)を含んで構成されている。
【0034】
図3は、携帯端末100のハードウェア構成図である。
図2に示される携帯端末100は、物理的には、
図3に示すように、一または複数のCPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
図2における各機能は、
図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、
図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0035】
探索指示部101は、携帯端末100のユーザの操作に従って、通信部103がサーバ200に対して探索要求を送信するよう指示する部分である。なお、探索指示部101は、探索要求の際に、探索対象である子機端末150を指定するための探索対象情報を送信する。この探索対象情報には、子機端末150を特定するための情報であるMACアドレスが含まれている。なお、子機端末150を特定するための情報としてMACアドレスに限らず、子機端末150に付与されている端末IDのようなものでもよい。
【0036】
また、探索指示部101は、その緊急の度合いによっては、さらに緊急探索であることおよびその探索対象およびパスキーを含んだ緊急探索対象情報を送信するように構成されている。緊急探索対象情報を受けた、依頼先として機能する携帯端末100は、探索対象となる子機端末150を発見した場合には、そのとき自機の位置情報を通知するほか、子機端末150に対して近距離無線通信によりパスキーを用いて直接アクセスすることにより子機端末150を操作することができる。
【0037】
また、探索指示部101は、管理テーブル108(自端末情報テーブル108a)に記憶されているモード情報に基づいて、探索要求を行うか否かを判断するようにしてもよい。例えば、ペアリング中であることを示すモードIが記憶されている場合には、ユーザから探索要求を受けても、その受付をすることなく、ペアリング中であることを示すように、表示部102に表示するようにしてもよい。
【0038】
表示部102は、依頼先端末として機能する他の携帯端末100から送信された位置情報および時刻情報を、探索対象である子機端末150の位置およびその時刻として表示する部分である。また、表示部102は、依頼先端末として機能する他の携帯端末100から送信された情報、例えば子機端末150に対する操作結果などを表示する。
【0039】
通信部103は、移動体通信網を介してサーバ200や他の携帯端末100と通信する部分であり、携帯端末100が依頼元端末として機能する場合には、探索要求や、その探索対象情報をサーバ200に対して送信する。また、依頼元端末として機能する場合には、他の携帯端末100から送信された子機端末150の位置を示した位置情報やその測位した時刻情報を受信する。
【0040】
また、携帯端末100が、依頼先端末として機能する場合には、通信部103は、サーバ200から探索要求やグループ情報・緊急探索対象情報等を受信し、そして、近距離無線通信部106により子機端末150を発見したときの位置情報やその測位した時刻情報を送信する。
【0041】
制御部104は、近距離無線通信部106により取得された子機端末150のMACアドレスが、探索要求で指定された探索対象となる子機端末150のMACアドレスと一致するか否かを判断する部分である。ここでは、制御部104は、通信部103により受信された、探索対象に探索フラグが付与されたグループ情報をグループ情報テーブル108bに記憶し、このグループ情報テーブル108bに基づいた判断を行う。
【0042】
そして、制御部104は、MACアドレスが一致すると判断すると、GPS測位部107により取得された位置情報およびその時刻情報を取得して、通信部103を介して、依頼元端末として機能する他の携帯端末100に送信する。なお、GPS測位部107による位置情報の取得タイミングは後述する通り、種々あるものであるものとする。
【0043】
また、制御部104は、近距離無線通信部106により取得された子機端末150のMACアドレスが、緊急探索要求で指定された探索対象の子機端末150のMACアドレスと一致するか否かを判断する。ここでは、制御部104は、通信部103により受信された、緊急探索対象が示された緊急探索対象情報を緊急情報テーブル108cに記憶し、この緊急情報テーブル108cに基づいた判断を行う。
【0044】
そして、制御部104は、MACアドレスが一致すると判断すると、GPS測位部107により取得された位置情報およびその時刻情報を取得して、通信部103を介して、依頼元端末として機能する他の携帯端末100に送信する。
【0045】
なお、制御部104は、探索要求または緊急探索要求を受信して、一致したとの判断を行うと、その直近に(所定時間内、例えば5分以内など)履歴テーブル108dに記憶した位置情報およびその測位時刻を示す時刻情報を、通信部103を介して、依頼元端末として機能する他の携帯端末100に送信するようにしてもよい。
【0046】
処理実行部105は、制御部104により、緊急探索対象である子機端末150のMACアドレスと一致すると判断されると、その子機端末150に対して直接操作処理を行なう部分である。処理実行部105は、その操作処理に先立って、子機端末150を操作するためのパスキーをサーバ200から取得する。そして、このパスキーを用いて、近距離無線通信部106を介して、子機端末150を操作する。例えば、子機端末150からのメッセージの取得や、親機である携帯端末100の電話番号の取得を行う。
【0047】
履歴管理部105aは、近距離無線通信部106により子機端末のMACアドレスを取得するタイミングや、そのほか所定タイミングごとに、GPS測位部107に対して、位置測位を行うよう指示を行う。そして、この履歴管理部105aは、管理テーブル108の履歴テーブル108dに、近距離無線通信部106により取得された端末ID、MACアドレスや、その時の位置情報やその取得した時刻情報を対応付けて記憶させる。
【0048】
近距離無線通信部106は、近距離無線通信により子機端末150と無線通信する部分であり、例えば、Bluetoothにより通信することができる。この近距離無線通信部106は、子機端末150がその圏内に入ると、その子機端末の端末IDおよびMACアドレスを取得する。そして、この端末ID、MACアドレスおよびあらかじめ定められたパスキーを用いてペアリング処理を実行することで、子機端末150と通信することができる。
【0049】
GPS測位部107は、あらかじめ定められたタイミングで、GPSを用いて位置測位を行う部分である。また、あらかじめ定められたタイミングのほか、あらかじめ定められた位置測位指示(探索要求や緊急探索要求など)があったときに、GPS測位部107は、測位処理を行なって、位置情報の取得を行うようにしてもよい。測位された位置情報は、そのときに近距離無線通信部106により取得された子機端末のMACアドレス、その測位した時刻を示す時刻情報とともに履歴テーブル108dに記憶される。なお、GPS測位に限定するものではなく、移動体通信網やwifiネットワークの基地局を用いた概略位置情報を取得するようにしてもよい。
【0050】
管理テーブル108は、自端末情報テーブル108a、グループ情報テーブル108b、緊急情報テーブル108c、および履歴テーブル108dを記憶する部分である。これら各種情報の具体例について
図4を用いてさらに詳細に説明する。
【0051】
図4(a)は、自端末情報テーブル108aであり、ここでは依頼元端末として機能とする携帯端末100の情報を示す。この自端末情報テーブル108aは、親機としてのモード状態(親機状態:ここではペアリング中であることを示す)、子機端末150のMACアドレス(子機MAC)、パスキー(Bluetooth通信のためのキー)、および子機端末150との間で可能な操作を対応付けて記述している。そのほか、モード状態としては、子機端末150との間でペアリング状態である場合には、モードIが記憶され、非ペアリング状態である場合には、モードIIが記憶され、探索中である場合にはモードIIIが、探索中のうち緊急性の高い場合には(捜索中)、モードIVがそれぞれ記憶される。
【0052】
なお、親機と子機とは、1対1の関係に限定するものではなく、1つの親機に対して複数の子機を対応付けて管理することもできる。
図4(e)は、その管理するための自端末情報テーブル108aの具体例である。
図4(e)に示されるように、子機IDという欄が追加されており、この欄には、子機端末150を特定するためのIDに枝番号をつけて記述される。一般的には、ペアリングは親機に対して1つの子機しかできないものである。よって、親機状態として、ペアリングしていない他の子機端末150は、非ペアリングであることが記述される。非ペアリング状態である場合には、例えばモードIIとして記述されることになり、その状態に応じて探索対象とすることもできる。
【0053】
図4(b)は、グループ情報テーブル108bを示す。このグループ情報テーブル108bは、同じグループに属している携帯端末100と子機端末150との組み合わせ、並びに当該子機端末150のMACアドレスを対応付けて記述している。さらに、グループ情報テーブル108bには、探索フラグ欄があり、探索フラグを用いて探索対象となる子機端末150を特定可能にしている。
【0054】
図4(c)は、緊急情報テーブル108cを示す。この緊急情報テーブル108cは、依頼先端末として機能する携帯端末100において、緊急探索要求を行った場合、その探索対象となる子機端末150のMACアドレスを記述している。なお、図示していないが、パスキーを合わせて記憶してもよい。
【0055】
図4(d)は、履歴テーブル108dを示す。近距離無線通信部106により取得された各子機端末150のMACアドレスを、その取得した時における携帯端末100の位置情報およびその時刻情報を対応付けて記憶する部分である。この履歴テーブル108dには、取得した時刻に応じて時系列的に、MACアドレスおよびその位置情報等が記憶されており、例えば、過去24時間以内に取得されたMACアドレス等が記憶されている。
【0056】
このような構成により、依頼元端末として機能する場合には、携帯端末100は、サーバ200に対して探索要求を行い、その探索要求に応じて子機端末150の位置およびその時刻を表示することができる。また、依頼先端末として機能する場合には、携帯端末100は、他の携帯端末100からの探索要求に基づいて、探索対象となる子機端末150の探索処理を行なう。
【0057】
つぎに、サーバ200について説明する。
図5は、サーバ200の機能構成を示すブロック図である。
図5に示される通り、サーバ200は、通信部201、制御部202、管理テーブル203(グループ情報記憶手段)、探索指示処理部204(探索処理手段)を含んで構成されている。このサーバ200も、
図3に示されるように携帯端末100と同様に、CPU、RAM、ROMなどのハードウェアを有するコンピュータシステムにより実現されている。
【0058】
通信部201は、グループ情報生成のために、各携帯端末100から自端末情報を受信したり、また依頼元端末として機能する携帯端末100から探索要求(携帯端末100の端末IDおよびその探索対象である子機端末150を示す端末IDを含む)を受信する部分である。また、その依頼先端末として機能する携帯端末100に対して、その探索処理を依頼するためのグループ情報をブロードキャストにより送信する部分である。
【0059】
制御部202は、通信部201により受信された各携帯端末100からの自端末情報を管理テーブル203に記憶させて、グループ情報を生成する部分である。
【0060】
管理テーブル203は、制御部202により生成されたグループ情報を記憶する部分である。このグループ情報は、各グループにおける携帯端末100とその子機端末150との関連付けを記憶するものである。
図6は、管理テーブル203に記憶されているグループ情報の説明図である。
図6に示される通り、グループごとに、親機ID、子機ID、MACアドレス、探索フラグおよびパスキーが対応付けられている。ここで親機IDは携帯端末100の端末IDであり、子機IDは子機端末150の端末IDである。また、MACアドレスは、各端末にユニークに割り振られているアドレスであり、探索フラグは、探索要求を受けている携帯端末100およびその子機端末150を示している。パスキーは、Bluetooth通信を行うためのキー情報である。
【0061】
探索指示処理部204は、通信部201により受信された探索要求に基づいて、管理テーブル203に記憶されているグループ情報に対して探索フラグを付与する部分である。そして、探索指示処理部204は、探索フラグが対応付けられたMACアドレスを含むグループの携帯端末100に対して、グループ情報を探索要求とともに、通信部201を介して送信する。
【0062】
そして、探索指示処理部204は、通信部201を介して、依頼先端末として機能する携帯端末100から、探索要求に対する応答(子機端末150の位置を示す位置情報および時刻情報)を受信すると、依頼元端末として機能する携帯端末100に対して、その位置情報および時刻情報を送信する。その後、探索指示処理部204は、管理テーブル203に記憶されているグループ情報における探索フラグを削除する。
【0063】
また、探索指示処理部204は、依頼元端末として機能する携帯端末100から、探索終了の指示を受けると、グループ情報における探索フラグを削除する。
【0064】
また、探索指示処理部204は、依頼先端末として機能する携帯端末100から所定時間内に、子機端末150の位置情報等を受信しない場合には、発見できなかった旨を、通信部201を介して、依頼元端末として機能する携帯端末100に通知する。
【0065】
このようにサーバ200は、依頼元端末として機能する携帯端末100からの情報に基づいてグループ情報を生成し、また、子機端末の探索要求を受けると、そのグループ情報に探索フラグを付与し、そして、そのグループ情報を依頼先端末として機能する携帯端末100に送信する。また、依頼先端末として機能する携帯端末100からは、子機端末を発見すると、その位置情報や時刻情報を受信し、それを依頼元端末として機能する携帯端末100に対して送信する。
【0066】
つぎに、このように構成されたサーバ200に対して、探索要求を行う携帯端末100を用いた位置管理方法について説明する。
図7は、携帯端末100における電源投入時から端末IDのスキャン処理までの一連の動作を示すフローチャートである。
【0067】
まず、携帯端末100の電源が投入されると、移動体通信網に対してアクセス処理が行われ、通信部103により、緊急探索要求および緊急探索対象情報がサーバ200から受信され、管理テーブル108の緊急情報テーブル108cに記憶される(S101)。この処理に応じて、通信部103により、自端末情報テーブル108aに記述される自端末情報がサーバ200に送信される(S102)。サーバ200においては、制御部202により、自端末情報テーブル108aに基づいてグループ情報が作成される。そして、グループ情報がサーバ200から送信され、管理テーブル108におけるグループ情報テーブル108bに記述される(S103)。
【0068】
ここで、グループ情報テーブル108bの生成方法は種々あり、例えば、自端末情報にグループIDをあらかじめ設定しておき、サーバ200において、グループIDをキーにして、グループ情報を生成することが考えられる。また、あらかじめ携帯端末100の親機IDのグループをサーバ200において保持しておき、各携帯端末100から自端末情報を取得することにより、子機ID、MACアドレスをその親機IDに紐づけることでグループ情報を生成することもできる。
【0069】
つぎに、制御部104により、グループ情報テーブル108bにおいて探索フラグが有りとなっている子機端末150があるか否かが判断される(S104)。ここで探索フラグ有りのレコードがあると判断されると、あらかじめ設定されているスキャン頻度を変更する処理が行われる(S105)。例えば子機端末150を探索することを有利にするためのそのスキャン頻度を多くすること(スキャン間隔を短くする)が考えられる。
【0070】
このような初期状態からの各種設定処理の後、近距離無線通信部106(ブルートゥース)による最初のスキャン処理(MACアドレスの取得処理)が行われる(S107)。ここで、履歴管理部105aにより、このスキャンにより発見した子機端末150のMACアドレスが履歴テーブル108dに追加される(S108)。なお、スキャン処理によって子機端末150のMACアドレスが取得される際に、履歴管理部105aによる指示に従って、GPS測位部107によりその携帯端末100の位置情報および時刻情報が取得される。この取得された位置情報および時刻情報が、MACアドレスとともに履歴テーブル108dに記述される。
【0071】
履歴テーブル108dの記述後、発見したMACアドレスが緊急情報テーブル108cに存在するか否かが、制御部104により判断される(S109)。ここで、存在すると判断されると、処理実行部105により、あらかじめ定められた処理Aが実行される(S110)。例えば、履歴テーブル108dに記憶されている直近の位置情報および測位時刻である時刻情報が、サーバ200に送信される。それに加えて、処理実行部105により、発見した子機端末150に対する所定の操作処理が実行される(S110)。
【0072】
また、発見したMACアドレスがグループ情報テーブル108bの探索フラグに紐づけられたMACアドレスと一致するか否かが、制御部104により判断される(S111)。ここで、一致すると判断されると、あらかじめ定められた処理Bが実行される(S112)。これら処理Aおよび処理Bについては、
図8において説明する。
【0073】
つぎに、発見したMACアドレスが自端末情報テーブル108aに存在するか否かが、制御部104により判断される(S113)。ここで、存在すると判断されると、近距離無線通信部106により、その子機端末150に対するペアリング処理が行われ、それとともに制御部104により、自端末情報テーブル108aの親機状態はモードIに設定される(S114)。
【0074】
そして、その後、あらかじめ定めたスキャン頻度ごとに、S107〜S112で示されるBluetooth(BT)スキャン処理が行われる(S115)。その後、子機端末150が近距離無線通信部106によるペアリング中であるか否かが制御部104により判断される(S116)。ここで、ペアリング中であれば、S115に戻り、所定時間待ってから、BTスキャン処理が行われ、それが繰り返し実行される。また、一方で、子機端末150が近距離無線通信部106によるペアリング中ではないと判断されると、処理実行部105による処理Cが実行される(S120)。この処理Cは、表示部102に対して、子機端末150との間でのペアリングが外れた旨のアラートを表示することを示す。
【0075】
一方、S113において、制御部104により、近距離無線通信部106により発見されたMACアドレスが自端末情報テーブル108aに存在しないと判断されると(S113:No)、制御部104により自端末情報テーブル108aの親機状態がモードIIIに設定される(S117)。そして、あらかじめ定めたスキャン頻度ごとに、BTスキャン処理(S107〜S112)が行われる(S118)。ここで、発見したMACアドレスが、自端末情報テーブル108aに存在すると、制御部104により判断されるまで(S119)、所定時間待ってからBTスキャンが実行され、それが繰り返し行われる(S119:No)。一方、発見したMACアドレスが、自端末情報テーブル108aに存在すると(SS19:Yes)、S114に進み、自端末情報テーブル108aの親機状態がモードIに設定される(S114)。
【0076】
このようにして、携帯端末100は、その電源投入時における初期設定に基づいて、依頼先端末として機能することができ、サーバ200から送信されたグループ情報に従って、子機端末150の探索処理を行なうことができる。
【0077】
つぎに、上述
図7に記載のS110、S112、およびS120における処理Aから処理Cについて説明する。
図8(a)は、処理Aを示すフローチャートである。
図8(a)に示される通り、まず、携帯端末100において、近距離無線通信部106によりスキャンされたMACアドレスが緊急情報テーブル108cに存在すると判断されると、処理実行部105により、緊急情報テーブル108cに記述されているMACアドレスで表される子機端末150のパスキーの問い合わせがサーバ200に対して行われる(S110a)。
【0078】
サーバ200においては、携帯端末100からの要求に応じて、制御部202により、問い合わせ対象となるMACアドレスに対応するパスキーの払い出しが、管理テーブル203のグループ情報に基づいて行われる(S110e)。
【0079】
携帯端末100において、処理実行部105によりパスキーが取得されると、近距離無線通信部106により、そのパスキーを用いた子機端末150とのアクセスが行われる(S110b)。そして、あらかじめ定められた動作が実行される(S110c)。例えば、親機である携帯端末100の電話番号の取得や、メッセージの取得や送信、そのほか、通話を行うなどの処理を行なう。そして、その操作を行うとともに、制御部104により、履歴テーブル108dに記述されている位置情報および時刻情報が読み出され、通信部103によりサーバ200に送信される(S110d)。
【0080】
サーバ200において、携帯端末100から送信された位置情報および時刻情報が受信され、それら位置情報および時刻情報は、緊急探索要求を行った他の携帯端末100に送信される(S110f)。ここでは、グループ情報に基づいて、緊急探索要求を行った携帯端末100を特定することになる。
【0081】
そして、緊急探索要求を行った他の携帯端末100において、受信された位置情報および時刻情報が表示される(S110g)。なお、S110cにおいて実施した既定動作を実施した旨(または実施できなかった場合にはその旨)も合わせて受信され表示されるようにしてもよい。
【0082】
図8(a)は、依頼先端末として機能する携帯端末100が、自動的にパスキーの払い出し要求をしている処理を示しているが、これに限るものではない。例えば、依頼先端末として機能する携帯端末100は、既定動作を行うか否かを、サーバ200を介して、依頼元端末として機能する携帯端末100に対して問い合わせをしてもよい。その場合、依頼元端末として機能する携帯端末100は、ユーザに既定動作を行わせるか否かを選択させる表示を行い、ユーザ選択によって、既定動作を行わせる場合には、パスキーの依頼先端末に対する払い出しをサーバ200に対して指示を行う。
【0083】
つぎに、処理Bについて説明する。
図8(b)は、処理Bを示すフローチャートである。
図8(b)に示される通り、携帯端末100において、近距離無線通信部106によりスキャンされたMACアドレスがグループ情報テーブル108bにおいて探索フラグが付与されたものであると判断されると、制御部104により、履歴テーブル108dに記述されている位置情報および時刻情報が読み出され、通信部103を介して、サーバ200に送信される(S112)。
【0084】
サーバ200において、携帯端末100から送信された位置情報および時刻情報が受信され、それら位置情報および時刻情報は、緊急探索要求を行った他の携帯端末100に送信される(S112x)。ここでは、グループ情報に基づいて、緊急探索要求を行った携帯端末100を特定することになる。
【0085】
また、依頼先端末として機能する携帯端末100において、位置情報および時刻情報が受信され、ユーザに通知される(S112y)。
【0086】
つぎに、処理Cについて説明する。
図8(c)は、処理Cを示すフローチャートである。
図8(c)に示される通り、携帯端末100においては、子機端末150との間のペアリング状態が外れた旨が表示される(S120)。一方、子機端末150においても、親機である携帯端末100との間のペアリング状態が外れた旨が表示される(S120x。)
【0087】
つぎに、依頼元として機能する他の携帯端末の依頼により、サーバ200からブロードキャストにより探索要求が受信された、依頼先として機能する携帯端末100の処理について説明する。
図1における探索要求に対するスキャン処理は、携帯端末100の電源投入時における初期のスキャン処理であるのに対して、
図9および
図10におけるスキャン処理は、ユーザからの明示の探索要求に基づいた処理である。
【0088】
図9は、他の携帯端末から探索要求を受け付けた依頼先として機能する携帯端末100の処理を示すフローチャートである。まず、通信部201により、サーバ200から探索要求および探索対象情報であるグループ情報が受信されると、制御部104により、グループ情報テーブル108bが更新される(S201)。ここでは、探索フラグが新たに付与されたグループ情報が受信され、探索フラグがグループ情報テーブル108bに付与されることになる。なお、グループ情報が改めて受信され、更新されることになるため、探索フラグのみならず、新たに他の携帯端末がグループ情報に加えられた場合には、当該他の携帯端末のレコードがグループ情報に付与される場合もある。
【0089】
そして、制御部104の制御に従って、近距離無線通信部106によるスキャン処理が行われ(S202)、スキャンして発見された子機端末150のMACアドレスがリスト化された履歴テーブル108dが生成され、または新たな履歴情報が履歴テーブル108dに追記される(S203)。このスキャン処理の間隔はあらかじめ定められた周期で行なってもよいし、携帯端末100の移動速度に応じた周期としてもよい。例えば、移動速度が速い場合には、その周期を短くするなどが、子機端末150を探索する上では効果的である。
【0090】
履歴テーブル108dの生成後、グループ情報テーブル108bの探索フラグのMACアドレスが、現にスキャンして得られたMACアドレスと一致するか否かが、制御部104により判断される(S204)。なお、現にスキャンして得られたMACアドレスは、そのスキャン後に履歴テーブル108dに追記されることになるため、結果的には履歴テーブル108dを参照することにより、その判断処理がなされる。ただし、履歴テーブル108dにスキャンしたMACアドレスをすぐに登録することなく、一時保持したMACアドレスに基づいた処理を行なってもよい。
【0091】
ここで、一致しないと判断されると、さらに、グループ情報テーブル108bの探索フラグが付与されたMACアドレスは、履歴テーブル108dに記述されているか否かが、制御部104により判断される(S205)。ここで、履歴テーブル108dにないと判断されると、探索対象となる子機端末150はないと判断され、終了する。
【0092】
また、S204またはS205において、それぞれグループ情報の探索フラグが付与されているMACアドレスは、スキャンして得られたMACアドレスと一致、または履歴テーブル108dに記述有りと、制御部104により判断されると、処理Bが実行される(S206)。処理Bは、上述
図8(b)にて示した通り、位置情報およびその時刻情報が、サーバ200に送信される処理である。
【0093】
図7の処理は、電源投入後の初めての処理であるため、履歴テーブル108dを参照する動作はなく、この点が大きく異なっている。
【0094】
つぎに、
図10について説明する。
図10は、他の携帯端末から緊急探索要求を受け付けた依頼先として機能する携帯端末100の処理を示すフローチャートであり、
図9における処理が通常の探索要求であるのに対して、
図10における処理は、緊急時における探索要求である点で相違する。
【0095】
まず、通信部201により、サーバ200から緊急探索要求および緊急探索対象情報が受信されると、制御部104により、緊急情報テーブル108cが更新される(S211)。ここでは、緊急探索対象情報が受信され、その緊急探索対象が緊急情報テーブル108c記憶される。
【0096】
そして、制御部104の制御に従って、近距離無線通信部106によるスキャン処理が行われ(S212)、スキャンして発見された子機端末150のMACアドレスがリスト化された履歴テーブル108dが生成され、または新たな履歴情報が履歴テーブル108dに追記される(S213)。
【0097】
履歴テーブル108dの生成後、緊急情報テーブル108cのMACアドレスが、現にスキャンして得られたMACアドレスと一致するか否かが、制御部104により判断される(S214)。なお、上述と同様に、現にスキャンして得られたMACアドレスは、そのスキャン後に履歴テーブル108dに追記されることになるため、結果的には履歴テーブル108dを参照することにより、その判断処理がなされる。ただし、履歴テーブル108dにスキャンしたMACアドレスをすぐに登録することなく、一時保持したMACアドレスに基づいた処理を行なってもよい。
【0098】
ここで、一致しないと判断されると、さらに、緊急情報テーブル108cのMACアドレスは、履歴テーブル108dに記述されているか否かが、制御部104により判断される(S215)。ここで、履歴テーブル108dにないと判断されると、緊急探索対象となる子機端末150はないと判断され、終了する。
【0099】
また、S214またはS215において、それぞれ緊急探索対象情報は、スキャンして得られたMACアドレスと一致または履歴テーブル108dに記述有りと、制御部104により判断されると、処理Aが実行される(S216)。処理Aは、上述
図8(a)にて示した通り、パスキーを取り寄せ、このパスキーを用いて、依頼先として機能する携帯端末100が子機端末150を操作し、さらに、位置情報およびその時刻情報が、サーバ200に送信される処理である。
【0100】
なお、履歴テーブル108dにおいて、直近に記述されたMACアドレスではない場合、それは現にスキャンしたMACアドレスではないため、近距離無線通信部106による通信を行うことはできない。よって、その場合においては、近距離無線通信部106による操作を実行することなく、履歴テーブル108dに記述されている位置情報及びその時刻情報を送信する。
【0101】
つぎに、依頼元端末として機能する携帯端末100の動作について説明する。
図11は、サーバ200を介して他の携帯端末に対して、探索要求を行う携帯端末100の処理を示すフローチャートである。
図11に示される通り、探索指示部101により、ユーザによる探索要求が入力されると(S301)、管理テーブル108の自端末情報テーブル108aにおける親機状態がモードIIIに変更される(S302)。そして、通信部103により、探索対象情報が送信される。この探索対象情報には、子機端末150を特定するための情報が含まれる(S303)。
【0102】
なお、子機端末150を特定するための情報として、その探索対象である子機端末150のMACアドレスが送信されるようにしてもよいし、その代わりに、親機である携帯端末100の端末IDや、そのほか子機端末150を特定可能にする情報にかえてもよい。
【0103】
そして、通信部103により、探索対象情報の送信とともに、探索要求がサーバ200に対して送信され、問い合わせ処理が行われる(S304)。
【0104】
この問い合わせ処理に対して、サーバ200から、探索対象となる子機端末150の位置情報および時刻情報が受信されると、その位置情報および時刻情報は、現在の情報であるか否かが、制御部104により判断される(S305)。現在の情報であるか否かは、時刻情報により判断することができる。ここで、現在の情報ではないと判断されると、履歴テーブル108dにおける情報であるか否かが、制御部104により判断される(S306)。
【0105】
S305またはS306において、探索対象となる子機端末150の位置情報およびその時刻情報が、通信部103を介して受信されると、探索指示部101により表示部102に、位置情報および時刻情報の表示処理が行われる(S307)。ここでは、現在の位置情報を受信できなかった場合に、過去の位置情報を受信するような構成となっているが、それに限定することなく、現在および過去のそれぞれの位置情報をあらかじめ定められた期間分、受信するようにしてもよい。
【0106】
また、S305またはS306において、位置情報およびその時刻情報が受信されない場合には、探索指示部101により、探索終了が判断され(S308)、探索終了ではないと判断されると、S304に戻り、再度サーバ200に対する問い合わせ処理が行われる。また、探索指示部101により、探索終了と判断されると、終了指示がサーバ200に送信される(S309)。
【0107】
終了指示が受信されたサーバ200においては、制御部202により、管理テーブル203のグループ情報における探索フラグが消去される。なお、探索の終了か否かは、依頼元端末として機能する携帯端末100のユーザにより終了操作が行われるか否かにより判断されるが、これに限るものではなく、S309による位置情報などが表示されると終了するようにしてもよい。また、現在における位置情報が受信された場合のみ(過去の情報を受信した場合は除外)に終了するようにしてもよい。
【0108】
つぎに、
図12は、サーバ200を介して他の携帯端末に対して、緊急探索要求を行う携帯端末100の処理を示すフローチャートである。
図11は、通常の探索要求時の処理を示したものであるが、
図12は、緊急時における探索要求時の処理を示したものである点で相違する。
【0109】
図11に示される通り、探索指示部101により、ユーザによる探索要求が入力され(S311)、制御部104により、管理テーブル108における自端末情報テーブル108aにおける親機状態がモードIVに変更される(S312)。そして、通信部103により、緊急探索対象情報が送信される(S313)。この緊急探索対象情報には、子機端末150を特定するための情報、およびその子機端末150を操作するためのパスキーが含まれる。
【0110】
そして、通信部103により、緊急探索対象情報の送信後、緊急探索要求がサーバ200に対して送信され、問い合わせ処理が行われる(S314)。
【0111】
この問い合わせ処理に対して、サーバ200から、探索対象となる子機端末150の位置情報および時刻情報が受信されると、その位置情報および時刻情報は、現在の情報であるか否かが、制御部104により判断される(S315)。現在の情報であるか否かは、時刻情報により判断することができる。ここで、現在の情報ではないと判断されると、履歴テーブル108dにおける情報であるか否かが、制御部104により判断される(S316)。
【0112】
S315またはS316において、緊急探索対象となる子機端末150の位置情報およびその時刻情報が、通信部103を介して受信されると、探索指示部101により表示部102に、位置情報および時刻情報の表示処理が行われる(S317)。ここでは、現在の位置情報を受信できなかった場合に、過去の位置情報を受信するような構成となっているが、それに限定することなく、現在および過去のそれぞれの位置情報をあらかじめ定められた期間分、受信するようにしてもよい。なお、位置情報および時刻情報のほか、依頼先端末として機能する携帯端末100から操作した結果が送信された場合には、表示部102は、その操作結果を表示することもできる。
【0113】
また、S315またはS316において、位置情報およびその時刻情報が受信されない場合には、探索指示部101により、探索終了が判断され(S318)、探索終了ではないと判断されると、S314に戻り、再度サーバ200に対する問い合わせ処理が行われる。また、探索指示部101により、探索終了と判断されると、終了指示がサーバ200に送信される(S319)。終了指示が受信されたサーバ200においては、緊急情報テーブル108cが消去される。
【0114】
なお、探索の終了か否かは、依頼元端末として機能する携帯端末100のユーザにより終了操作が行われるか否かにより判断されるが、これに限るものではなく、S319による位置情報などが表示されると終了するようにしてもよい。また、現在における位置情報が受信された場合のみ(過去の情報を受信した場合は除外)に終了するようにしてもよい。さらに、既定の動作が実行されたことを示す情報が受信された場合のみ、探索処理を終了するようにしてもよい。
【0115】
ここで、上述処理S317における位置情報・時刻情報の表示処理について詳細に説明する。
図25は、処理S317の具体的処理を示すフローチャートである。本例においては、経路推定部(図示せず)が
図25に示されている処理を実行するものとする。また、処理S315および処理S316において、現在の位置情報を含む複数の位置情報およびそれに対応する時刻情報を受信したものとする。
【0116】
通信部103により、探索対象である子機端末150の位置情報および時刻情報が受信されると、経路推定部により、履歴テーブル108dに記憶されている検索履歴と、受信した位置情報および時刻情報との対比が行われる(S317a)。そして、経路推定部により、履歴テーブル108dに記憶されてない位置情報および時刻情報が抽出される(S317b)。
【0117】
この
図4(d)に示される履歴テーブル108dは、主に依頼先端末として機能した場合に、スキャンした子機端末の検索履歴を記憶するものであるが、自分の子機端末の情報も記憶している。そして、
図26に示されるような位置情報および時刻情報が、依頼先端末として機能する各携帯端末100から、サーバ200を介して送信され、これら位置情報・時刻情報と履歴テーブル108dに記憶されている検索履歴と対比することにより、この履歴テーブル108dに記憶されている検索履歴以外、すなわち、ある時刻以降の位置情報のみを選別することで、不要な情報を排除することができる。
図26の例においては、緊急探索対象が01:02:03:04:01:AAである場合、15:00時点においてすでに履歴テーブル108dに、その位置情報が記憶されているため、AM9:20の位置情報は経路推定を行なう上では用いられることなく、排除される。そして、15:00以降の位置情報のみが用いられることになる。
【0118】
つぎに、経路推定部により、地図情報がデータベースから読み出される。このデータベースは、端末内に記憶されてもよいし、ネットワーク上のサイトに記憶されたものとしてもよい。そして、経路推定部により、この読み出された地図情報上に、取得した位置情報に基づいた位置に、マークがプロットされる(S317c)。プロット後、経路推定部により、位置情報に対応付けられている時刻情報に従って、移動経路が推定される(S317d)。ここでの推定の仕方は、例えば、プロットした位置を結ぶ最短経路を構成する道を探索する方法が考えられる。そして、推定された移動経路が表示部102に表示される(S317e)。なお、最短経路は複数存在する場合があるため、その場合は、複数の移動経路を表示するようにしてもよい。また、位置情報との間の時間が分かるため、概ねの移動速度が分かる。よって、その移動速度に基づいた移動手段を参考情報として表示するようにしてもよい。
【0119】
ここで、
図27に、表示部102に表示される地図の表示例を示す。
図27(a)は、位置情報に基づいたプロットした位置を示す。ここでは、地点P11、P12、P13およびP14が、その探索した時刻とともに示されている。
図27(b)は、位置情報・時刻情報に基づいて推定した移動経路を示す。それぞれ地点P11とP12、P12とP13などを結びつけることにより、概ねの移動経路を推定することができる。
図27(b)の例では、点線が徒歩、実線が車での移動を示している。
【0120】
つぎに、サーバ200の動作について説明する。
図13は、探索要求を受けたサーバ200の処理を示すフローチャートである。サーバ200において、通信部201により、依頼元端末として機能する携帯端末100から探索対象情報および探索要求が受信されると(S401)、探索対象情報において指定された子機端末150を特定するための情報に従って、探索指示処理部204により、管理テーブル203のグループ情報において対応する子機端末150のMACアドレスに探索フラグが付与される。そして、通信部201により、探索フラグが付与されたグループ情報が、そのグループ情報で対応付けられる複数の携帯端末100に対してブロードキャスト送信される(S402)。
【0121】
その探索フラグが付与されたグループ情報の送信に対する応答が、所定時間内にグループ内の携帯端末100から送信されると(S403)、探索指示処理部204により、処理Bが実行される(S406)。なお、処理Bは、
図8(b)において示した処理である。そして、処理Bが終了して、探索終了であると判断されると、通信部201により、探索フラグが削除されたグループ情報が、同じグループ内における携帯端末100に対して、再度ブロードキャスト送信される(S407)。このグループ情報が受信された携帯端末100においては、探索フラグが削除されたグループ情報で上書き処理がなされ、探索処理が終了される。
【0122】
一方、S403において、そのグループ情報の送信に対する応答が、所定時間内にグループ内の携帯端末100から送信されないと(S403)、探索指示処理部204の制御の元、通信部201により、探索要求を行った依頼元端末として機能する携帯端末100に対して、発見失敗の旨の応答情報が送信される(S404)。そして、この携帯端末100から再度探索継続依頼が来ない場合には、通信部201により、管理テーブル203におけるグループ情報において、探索フラグが削除される。そして、探索フラグが削除されたグループ情報が、同じグループ内における携帯端末100に対して、再度ブロードキャスト送信される(S407)。探索継続依頼が受信された場合には、探索終了のための指示は行われず、待ち状態となる。
【0123】
ここで、
図9において、子機端末150の通知処理であるS204およびS205に示されているように、過去の履歴情報(
図4(d)参照)も通知対象であるため、各依頼先として機能する複数の携帯端末100は、現在または過去において発見した子機端末150の位置情報およびその時刻情報をサーバ200に送信する。その場合、サーバ200においては、複数の依頼先端末として機能する携帯端末100から探索対象である子機端末150の位置情報およびその時刻情報を受信することになる(S403)。そして、それら位置情報および時刻情報を依頼元端末として機能する携帯端末100に対して送信することになる(S406)。
【0124】
なお、上述では、依頼元端末として機能する携帯端末100において、サーバ200から送信される子機端末150の位置情報および時刻情報に基づいて、地図情報にプロットすることにより移動経路を生成して、表示することの説明をしたが、サーバ200において、その位置情報と時刻情報とに基づいて生成された移動経路がプロットされた地図情報を生成し、その地図情報を依頼元端末として機能する携帯端末100に通知するようにしてもよい。
【0125】
同様に、サーバ200における緊急探索処理について説明する。
図14は、緊急探索要求を受けたサーバ200の処理を示すフローチャートである。サーバ200において、通信部201により、依頼元端末として機能する携帯端末100から緊急探索要求および緊急探索対象情報が受信されると(S411)、探索対象情報において指定された子機端末150を特定するための情報に従って、探索指示処理部204により、管理テーブル203のグループ情報において、探索対象である子機端末150のMACアドレスに探索フラグが付与されるとともに、その子機端末150に対して既定の動作を実行させるためのパスキーが記憶される。
【0126】
そして、通信部201により、グループ情報のうち、探索フラグが付与された子機端末150のMACアドレスを含んだ緊急探索対象情報および緊急探索要求が、そのグループ内の携帯端末100に対してブロードキャスト送信される(S412)。
【0127】
その緊急探索要求の送信に対する応答が、所定時間内にグループ内の携帯端末100から送信されると(S413)、探索指示処理部204により、処理Aが実行される(S416)。なお、処理Aは、
図8(a)において示した処理である。そして、処理Aが終了して、探索終了であると判断されると、通信部201により、パスキーが削除された緊急探索対象情報が、同じグループ内における携帯端末100に対して、再度ブロードキャスト送信される(S417)。この緊急探索対象情報が受信された携帯端末100においては、緊急探索対象情報で上書き処理がなされ、探索処理が終了される。
【0128】
一方、S413において、そのグループ情報の送信に対する応答が、所定時間内にグループ内の携帯端末100から送信されないと(S413)、探索指示処理部204の制御の元、通信部201により、緊急探索要求を行った依頼元端末として機能する携帯端末100に対して、発見失敗の旨の応答情報が送信される(S414)。そして、この携帯端末100から再度、緊急探索継続依頼が来ない場合には、通信部201により、管理テーブル203におけるグループ情報において、探索フラグおよびパスキーが削除される。そして、探索フラグおよびパスキーが削除されたグループ情報が、同じグループ内における携帯端末100に対して、再度ブロードキャスト送信される(S417)。緊急探索継続依頼が受信された場合には、終了のための指示は行われず、待ち状態となる。なお、緊急探索要求の送信先として、上述では同じグループ内を想定した処理をしたが、グループ外の携帯端末100を含めて、その緊急探索要求を行うようにしてもよい。また、上述通常の探索要求時と同様に、サーバ200において移動経路等の推定処理を行なうようにしてもよい。
【0129】
つぎに、子機端末150の処理について説明する。
図15は、子機端末150の処理を示すフローチャートである。子機端末150は、Bluetoothによる通信を実行することができる端末である。まず、Bluetooth通信による被検索モードにおいて待機している(S501)。そして、この子機端末150は、親機として組み合わせが設定されている携帯端末100からペアリング要求を受けると、当該携帯端末100との間でペアリング処理が行われる(S505)。そして、ペアリングが解除されると、再度Bluetooth通信による被検索モードに移行する。
【0130】
一方、親機として組み合わせが設定されていない携帯端末100からペアリング要求を受けると、すなわち、上述の依頼先端末として機能する携帯端末100からペアリング要求を受けると、当該携帯端末100からペアリングを実施し、その携帯端末100からの要求に従った既定動作を実行する(S504)。例えば、依頼先端末として機能する携帯端末100(例えば親機A)において、あらかじめ設定した動作として、子機端末150のアラームを鳴らす、また子機端末150の電話番号を取得する、ことを既定動作として実行する。また、子機端末150は、その子機端末150を保持するユーザの顔写真を記憶しており、既定動作として、依頼先端末として機能する携帯端末100に対して送るようにしてもよい。さらに、Bluetooth通信を行なう場合には、その信号強度により大まかな距離が分かる。そのため、依頼先端末として機能する携帯端末100は、既定動作として、上述の処理に加えて、子機端末150までの距離を算出し、それを表示するようしてもよい。
【0131】
なお、あらかじめ定めた動作を設定することなく、依頼先端末として機能する携帯端末100(例えば、
図23における親機G)は、子機端末150とペアリング処理をした後、子機端末150の機能を認識するようにしてもよい。例えば、子機端末150がBluetooth通信機能を有している場合には、当該携帯端末100は、ペアリング操作後、利用可能なプロファイルを子機端末150から取得することができる。そして、この携帯端末100のユーザは、取得したプロファイル(端末種別等)を参照して、適切な機能を実行するように子機端末150に対して指示を送ることができる。例えば、アラームを鳴らすとか、あらかじめ登録されている子機端末150の親機の電話番号を取得するなどのことを適宜判断して行うことができる。なお、このような具体的な処理を行なう上では、サーバ200からパスキーの取得を行う必要がある(
図8(a)処理A参照)。
【0132】
以上の通り、子機端末150は、親機として設定されている携帯端末100との間でペアリング状態を維持することができる。
【0133】
つぎに、携帯端末100とサーバ200との間の処理シーケンスについて説明する。
図16は、携帯端末100において電源を投入した時の処理を示すシーケンス図である。携帯端末100において、ユーザ操作により電源がオンされると(S601)、サーバ20に対して、制御部104による制御に基づいて、緊急探索要求および緊急探索対象情報の要求がなされ、その取得が行われる(S602)。取得された緊急探索対象情報は、管理テーブル108の緊急情報テーブル108cに記憶される(S603)。
【0134】
その後、管理テーブル108における自端末情報テーブル108aに記憶されている自端末情報が、サーバ200に送信される(S604)。サーバ200において、送信された自端末情報に基づいてグループ情報が生成され、管理テーブル203に記憶される(S605)。そして、生成されたグループ情報は、自端末情報を送信してきた携帯端末100に送信される(S606)。
【0135】
携帯端末100において、送信されたグループ情報が管理テーブル108のグループ情報テーブル108bに記憶される(S607)。そして、これら所定の初期設定が終了すると、電源投入後の最初のスキャンが近距離無線通信部106により行われる(S608)。そして、子機端末150がスキャンされた場合、その子機端末150に応じた処理が行われる(S609)。例えば、スキャンして得られたMACアドレスが、緊急情報テーブル108cに記憶されている子機端末150のものである場合には、処理Aが実行される。また、グループ情報テーブル108bに記憶されている子機端末150である場合には、処理Bが実行される。さらに、自端末情報テーブル108aに記憶されている子機端末150である場合(すなわち自分の子機)、ペアリング処理が実行される。
【0136】
つぎに、ユーザ操作により探索要求を行う時の処理シーケンスについて説明する。
図17は、その処理を示すシーケンス図である。まず、依頼元端末として機能する携帯端末100から探索要求が送信される(S701)。そして、サーバ200においては、探索要求に基づいて、グループ情報の探索フラグが付与される(S702)。サーバ200においては、グループ情報でグループ化された携帯端末100に対して、探索フラグが付与されたグループ情報および探索要求がブロードキャストにより送信される(S703)。
【0137】
依頼先端末として機能する携帯端末100において、探索要求およびその探索フラグがついたグループ情報が受信されると、近距離無線通信部106によりスキャン処理が行われ(S704)、子機端末に対する探索が行われる。ここで、探索要求を受け取った複数の携帯端末100のうち一のまたはそのいくつかの携帯端末100において、探索対象である子機端末150が発見されると、その時の位置情報や時刻情報が取得され、その位置情報が、サーバ200に対して送信され(S705)、そして依頼元端末として機能する携帯端末100に対して送信される(S706)。
【0138】
つぎに、緊急探索処理について説明する。
図18は、その緊急探索処理を示すシーケンス図である。まず、依頼元端末として機能する携帯端末100から緊急探索要求が送信される(S711)。そして、サーバ200においては、緊急探索要求に基づいて、グループ情報の探索フラグが付与され、またパスキーが記憶される(S712)。なお、このパスキーは子機端末150を操作するために必要な情報であり、緊急探索要求に含まれている。サーバ200においては、グループ情報でグループ化された携帯端末100に対して、緊急探索対象情報および緊急探索要求がブロードキャストにより送信される(S713)。
【0139】
依頼先端末として機能する携帯端末100において、近距離無線通信部106によりスキャン処理が行われ(S714)、子機端末に対する探索が行われる。ここで、緊急探索対象である子機端末150が発見されると、発見した携帯端末100において、サーバ200に対してパスキーの取得処理が行われる(S715)。そして、その携帯端末100において、パスキーを用いたペアリング処理が行われ、所定の操作が実行される(S716)。また、その時の位置情報や時刻情報が取得され、その位置情報が、サーバ200に対して送信され(S717)、そして依頼元端末として機能する携帯端末100に対して送信される(S718)。
【0140】
このように、通常の探索処理においては、位置情報とその時刻情報が送信され、緊急探索処理においては、子機端末に対するペアリング処理が行われる。
【0141】
つぎに、本実施形態における携帯端末100およびサーバ200からなる通信システムを用いた迷子管理の具体例について説明する。
図19〜
図23は、携帯端末100である親機Aがその子機端末150である子機aを探索するときの状態遷移を示す説明図である。これら各説明図においては、携帯端末100である親機A〜親機Fが同じグループで構成されていることを前提としている。また、親機Aは、子機端末150としての子機aと対応付けがなされている。
【0142】
図19は、携帯端末100である親機Aとその子機端末150である子機aとが、自宅にいるときの状態を示す説明図である。なお、前提として、親機Aは、親が保持しており、子機aは、その子供が保持している。また、
図19においては、その時刻を午後3:00とすることを前提とする。親機Aと子機aとは一定の距離にいるため、親機Aと子機aとはペアリング状態である。なお、親機Aと子機aとが所定の距離離れるとアラートがなされるよう設定されている。
【0143】
図20は、親機Aは自宅に位置し、その子機aは公園に位置することを示す説明図である。ここでは午後4:00とする。この場合、親機Aと子機aとは非ペアリング状態である。一方、
図20において、親機Bを保持するユーザは、バスに乗車しており、そのバスは、公園の前を通過していることを示している。このとき、親機Bは、近距離無線通信の範囲内にいる子機aのMACアドレスをスキャンしている。そして、親機BのGPS測位部107は、MACアドレスのスキャンがなされると、その位置情報および時刻情報を取得し、管理テーブル108に、スキャンして得られたMACアドレスと対応付けて記憶する。
【0144】
図21は、親機Aは自宅に位置し、子機aは公園から離れていることを示す説明図である。ここでは午後5:00とする。親機Aが、探索要求を発信した場合、サーバ200は、そのグループ内の親機B〜親機Fに対して、探索要求および探索対象である子機aに探索フラグが付与されたグループ情報をグループキャストにより送信する。
【0145】
図21で示されている午後5:00の状態では、子機aは、いずれの親機にもスキャンされてはいない。一方で、親機Bは、子機aを午後4:00にスキャンされたことが、その履歴テーブル108dに記憶されている。よって、親機Bは、その探索要求に応じて、サーバ200に対して、履歴テーブル108dに記憶されている位置情報およびその時刻情報を送信する。
【0146】
図22は、親機Aは自宅に位置し、子機aは親機Fのスキャン範囲に入っていることを示す説明図である。ここでは、PM6:00としている。ここでは、引き続き、親機Aからの探索要求が継続されており、親機Aから探索要求が発信されたときに、親機Fは、スキャン処理を行なう。そのとき、親機Fは、その近距離無線通信の範囲に子機aがいることを発見すると、その時の位置情報および時刻情報をサーバ200を介して親機Aに通知する。
【0147】
図23は、子機aが、そのグループ範囲外に出てしまった時の状態を示す説明図である。ここでは、午後7:00とする。夜遅くなっても子供が帰ってこない親(親機Aを保持するユーザ)は、緊急探索要求を発信する操作を行う。緊急探索要求を受けたサーバ200は、そこに保持する全グループ(親機Aが属するグループ以外のグループも含む。)の携帯端末100に対して、緊急探索要求を、その緊急探索対象情報(子機aのMACアドレス)とともに送信することになる。
【0148】
図23で示される通り、子機aは、そのグループ外の親機Gに発見され、既定の動作を行うことにより、子機aのユーザは迷子であること、その連絡先である電話番号を子機aから入手することができる。この例において、親機として機能する端末が複数がある場合が想定できる。その場合は先に子機aにアクセスしてBluetooth通信の確立を行なった端末が優先して処理することができる。
【0149】
図24に、その移動経路と移動手段とを表示することを示した携帯端末100の表示画面例について説明する。
図24においては、子機端末150の移動経路として、地点P1、P2、P3、P4およびP5が示されている。例えば、子機端末150は、地点P1で3時に発見され、地点P2で4時に発見されている。地点P1とP2との距離(道のり部分)が2kmであるとすると、移動速度は2km/hであることが分かり、そのような速度での移動手段は徒歩であると推定することができる。一方、地点P4と地点P5との間は、30kmあるとすると、その移動速度は30km/hであり、移動手段は、自動車または電車であると推定することができる。この画面例においては、地点を結んだ最短距離の道路を経路として特定し、それを特定できるように表示するとともに、その移動手段を表示することができる。なお、移動手段の推定方法は、移動速度と移動手段との対応テーブルを用いることが考えられる。
【0150】
以上の通り、一般的に保有されている携帯端末100を利用することにより、迷子探索用のネットワークを構築することができる。そして、このネットワークを用いて、迷子の位置を知ることができたり、また迷子であることを知ることができる。
【0151】
つぎに、本実施形態の通信システムの作用効果について説明する。本実施形態の通信システムにおいて、依頼先端末として機能する携帯端末100と依頼元端末として機能する携帯端末100とからなる。
【0152】
そして、依頼先端末として機能する携帯端末100におけるGPS測位部107は、あらかじめ定められたタイミングでその位置情報を取得し、また、近距離無線通信部106は、定期的に近距離無線通信により子機端末150を特定するための情報であるMACアドレスを取得する。
【0153】
そして、制御部104は、通信部103を介して依頼元端末として機能する携帯端末100から探索要求の対象である子機端末を特定するための情報(MACアドレス)を、探索要求とともに受信し、そのMACアドレスが、近距離無線通信部106により取得された子機端末を特定するための情報(MACアドレス)と一致するか否かを判断する。
【0154】
制御部104が、MACアドレスが一致すると判断すると、このMACアドレスの取得時における位置情報を、依頼元端末として機能する携帯端末100に送信する。
【0155】
これにより、依頼先端末として機能する携帯端末100の位置をあらかじめ固定しておかなくても、子機端末150の発見時における依頼先端末として機能する携帯端末100(例えば親機F)の位置情報を依頼元端末として機能する携帯端末100(例えば親機A)に通知することができる。よって、子機端末150を探索するためのネットワークのようなものを構築する必要がなく、携帯端末のような移動可能なものにおいても容易に適用することができる。
【0156】
また、この通信システムにおける依頼元端末として機能する携帯端末100において、探索指示部101が、依頼元端末として機能する携帯端末100(例えば、親機A)と同一のグループに属している依頼先端末として機能する携帯端末100(例えば、親機B〜F)に対して、探索要求とともに、探索対象情報を送信する。そして、依頼先端末として機能する携帯端末100のそれぞれにおいて、制御部104は、通信部103を介して受信された探索対象であるMACアドレスに基づいた判断処理を行なう。これにより、同一グループの依頼先端末として機能する携帯端末100に対して、子機の探索を要求することができる。
【0157】
また、この通信システムにおける依頼先端末として機能する携帯端末100において、制御部104は、MACアドレスが一致すると判断すると、さらに、処理実行部105が、子機端末150に対して所定の動作を実行するよう制御する。これにより、位置情報を通知することのみならず、子機端末150に対して所定の動作を行わせることができ、より適切な応対を行うことができる。例えば、アラームを鳴らすなどを行なうことにより、依頼先端末として機能する携帯端末100のユーザは、探索対象をように発見することができる。
【0158】
また、依頼先端末として機能する携帯端末100において、履歴テーブル108dが、近距離無線通信部106により取得されたMACアドレスを、あらかじめ定められたタイミングでGPS測位部107により取得された位置情報およびその取得した時刻を示す時刻情報と対応付けて記憶しておく。
【0159】
なお、ここでは、近距離無線通信部106によるMACアドレスの取得周期と、GPS測位部107による位置情報の取得周期とを同じにすることにより、その対応付けをしてもよいし、GPS測位部107の取得タイミングに合わせて、MACアドレスを取得するようにしてもよい。またその逆に、MACアドレスの取得タイミングに合わせてGPS測位部107による位置情報の取得を行うようにしてもよい。
【0160】
そして、制御部104は、近距離無線通信部106により取得されたMACアドレスと、探索要求で指定されたMACアドレスとが一致しないと判断した場合、さらに、そのMACアドレスが、履歴テーブル108dに記憶されているか否かを判断する。そして、制御部104は、履歴テーブル108dに記憶されていると判断した場合には、通信部103は、履歴テーブル108dに記憶されている、探索対象である子機端末のMACアドレスに対応付けられている位置情報および時刻情報を、依頼元端末として機能する携帯端末100に送信する。
【0161】
これにより、過去において取得した子機端末150のMACアドレスを利用して、過去における位置情報とその時刻情報を依頼元端末として機能する携帯端末100に通知することができる。よって、現時点においてどの携帯端末100の近傍にいなかったとしても、過去において、どの携帯端末100の近傍にいたか、またその位置を把握することができる。
【0162】
また、この通信システムにおいては、依頼元端末として機能する携帯端末100と依頼先端末として機能する携帯端末100とを管理するサーバ200をさらに備えるようにしてもよい。このサーバ200は、依頼元端末として機能する携帯端末100から探索要求を受け付けると、依頼先端末として機能する携帯端末100に対して探索要求を行うことができる。
【0163】
さらに、このサーバ200は、各携帯端末100のグループ構成を示すグループ情報を記憶する管理テーブル203を備えている。そして、探索指示処理部204は、管理テーブル203に記憶されているグループ情報に基づいた依頼先端末として機能する携帯端末100に対して探索要求を行う。これにより、グループ単位による探索要求を簡易に行うことができる。