(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427392
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】歌唱とギター演奏に対応したカラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10G 1/02 20060101AFI20181112BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20181112BHJP
G10H 1/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
G10G1/02
G10K15/04 302D
G10H1/00 102Z
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-230173(P2014-230173)
(22)【出願日】2014年11月12日
(65)【公開番号】特開2016-95351(P2016-95351A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(72)【発明者】
【氏名】腰▲高▼ 博
【審査官】
山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−66937(JP,A)
【文献】
特開2014−130302(JP,A)
【文献】
特開2004−205817(JP,A)
【文献】
特開2005−275309(JP,A)
【文献】
特開平10−254435(JP,A)
【文献】
特開平10−26992(JP,A)
【文献】
特開2011−69900(JP,A)
【文献】
特開2014−48469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00−3/04
G10H 1/00
G10K 15/04
G09B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボーカル用として歌詞表示と歌詞に対応した単音のピアノロールを表示するボーカルモードと、
ギター演奏用として歌詞表示とギターパートに対応した複数音のピアノロールを表示するギターモードをもつカラオケ装置であって、
カラオケ歌唱中に「ボーカルモード」、「ギターモード」、「ボーカルモード+ギターモード」、「ピアノロール表示なし」の切り替えができるカラオケシステムにおいて、
ボーカルモードにはボーカル用、ギターモードにはギター用の異なる方法の採点機能を持ち、「ボーカルモード」「ギターモード」「ボーカルモード+ギターモード」「ピアノロール表示なし」を切り替えることにより採点機能も切り替え、あるいは各モードとは独立に「ボーカル」「ギター」「ボーカル+ギター」「採点なし」の採点機能を設定でき、
ギターモードの採点機能は、
和音入力のうち、最も音量の大きい音のピッチを検出するピッチ検出手段であって、検出された音高が、検出時点にノートオン中と認識される1つまたは複数のリファレンスノートのいずれかの音高と一致するか否かを評価基準とし、
ノートオン中のリファレンスノートが6音を越えた場合、音程の低い方から6音までを
採点の対象とする採点機能を備えたことを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記請求項1のギター採点機能において、
前記ギターパートには、「リードギターパート」及び「サイドギターパート」があり、
リードギターパートの採点を、単音の音程の採点により行い、
サイドギターパートの採点を、請求項1記載のギター採点機能により行うことを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記請求項2のギター採点機能は、
リードギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を大きく設定し、
サイドギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を小さく設定して採点する採点機能を備えたことを特徴とする請求項2記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記請求項2または3のギター採点機能は、
検出したピッチが、リードギターパート及びサイドギターパートのいずれかのリファレンスノートにそれぞれのパートが許容する「ずれ」を適用した範囲内か否かで採点する請求項2又は3記載の採点機能を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱しながらギター演奏に対応したカラオケ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人口の高齢化や余暇の拡大にともない、音楽に親しむ人が増えてきている。とくにカラオケの普及により、鑑賞する音楽から参加する音楽への流れはとどまるところを知らない。
【0003】
また、参加する音楽は歌にとどまらず、楽器の演奏においても演奏人口は増えており、よりうまく演奏したいということで意欲的に練習に取り組む人たちも多くなってきている。
【0004】
一方、カラオケの分野では楽器演奏を前提としたカラオケも見受けられ、いわゆる歌唱の代わりにギター演奏の部分をマイナスワンしたカラオケ装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-156542号公報
【特許文献2】特開2014-149366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、カラオケ演奏に合わせてギターを演奏する際に、コードを弾く期間等をユーザに分かりやすく提示することを目的として、歌詞テロップ制御部は、カラオケ楽曲の歌詞を示す歌詞テロップをディスプレイに表示させる。コードブロック制御情報記憶部は、カラオケ楽曲に合わせて演奏されるギターのコードを示すコード譜を構成するコードブロック制御情報を記憶する。コードブロック制御部は、コードブロック制御情報に基づき、コードブロックの表示幅を、その演奏区間が長いほど長く決定する。そして、コードブロック制御情報に基づき、各コード単位のコードブロックを、決定した表示幅で、そのコードと対応する歌詞テロップの表示位置と対応付けてディスプレイに表示させるというものである。
【0007】
特許文献2は、利用者の演奏能力や習熟度に適したコード譜を表示することで、利用者が円滑に演奏を行うことを目的として、カラオケ装置は、利用者が演奏するエレキギターからの演奏信号を入力するフォンジャックと、利用者に対し所望の表示を行うためのモニタと、を有し、さらに楽曲データの再生に応じて、当該楽曲データに係わるコード譜データを表示するようモニタを制御し、楽曲データの所定の第1タイミングにおける演奏内容がモニタにより表示された上記第1タイミングでのコード譜データに整合しているか否かを判定し、さらに、整合していないと判定された場合には、上記第1タイミング以降の所定の第2タイミングにおいて当該楽曲データに係わるコード譜データとは別の種類のコード譜データを表示するようモニタを制御する。
【0008】
特許文献1、特許文献2とも、ギター演奏用の表示画面の提案がされているが、現実のカラオケ歌唱の現場では、同じ曲の中で歌唱の時もあればギター演奏の時もあるというのが実情である。
【0009】
歌唱する場合は、歌詞と単音のピアノロールが表示されればよいが、ギター演奏の場合は、タイムロールは単音だけでは足りず音域も歌唱に比べて広く、また重音のコードまで必要な時があり、一方歌詞は必ずしも必要でない場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、前記の課題を解決するため、本発明の請求項1は、
ボーカル用として歌詞表示と歌詞に対応した単音のピアノロールを表示するボーカルモードと、
ギター演奏用として歌詞表示とギターパートに対応した複数音のピアノロールを表示するギターモードをもつカラオケ装置であって、
カラオケ歌唱中に「ボーカルモード」、「ギターモード」、「ボーカルモード+ギターモード」、「ピアノロール表示なし」の切り替えができるカラオケシステムにおいて、
ボーカルモードにはボーカル用、ギターモードにはギター用の異なる方法の採点機能を持ち、「ボーカルモード」「ギターモード」「ボーカルモード+ギターモード」「ピアノロール表示なし」を切り替えることにより採点機能も切り替え、あるいは各モードとは独立に「ボーカル」「ギター」「ボーカル+ギター」「採点なし」の採点機能を設定でき、
ギターモードの採点機能は、
和音入力のうち、最も音量の大きい音のピッチを検出するピッチ検出手段であって、検出された音高が、検出時点にノートオン中と認識される1つまたは複数のリファレンスノートのいずれかの音高と一致するか否かを評価基準とし、
ノートオン中のリファレンスノートが6音を越えた場合、音程の低い方から6音までを採点の対象とする採点機能を備えたことを特徴とするカラオケシステムである。
【0011】
また本発明の請求項2は、
前記請求項1のギター採点機能において、
前記ギターパートには、「リードギターパート」及び「サイドギターパート」があり、
リードギターパートの
採点を、単音の音程の採点により行い、
サイドギターパートの
採点を、請求項
1記載の
ギター採点機能
により行うことを特徴とする請求項
1記載のカラオケシステムである。
【0012】
また本発明の請求項3は、
前記請求項
2のギター採点機能は、
リードギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を大きく設定し、
サイドギターパートの採点は、タイミングのずれ及び音高のずれの許容度を示す閾値を小さく設定して採点する採点機能を備えたことを特徴とする請求項
2記載のカラオケシステムである。
【0013】
また本発明の請求項4は、
前記請求項
2または3のギター採点機能は、
検出したピッチが、リードギターパート及びサイドギターパートのいずれかのリファレンスノートにそれぞれのパートが許容する「ずれ」を適用した範囲内か否かで採点する請求項
2又は3記載の採点機能を備えたことを特徴とする請求項
2又は3記載のカラオケシステム。
【発明の効果】
【0016】
これにより、カラオケ演奏時に、歌唱時、ギター演奏時それぞれに演奏形態に合わせた最適な表示をおこなうことで、弾き語りなど演奏と歌唱が混在する楽曲においても快適にカラオケ演奏を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の請求項1に係るボーカル用として歌詞表示と歌詞に対応した単音のピアノロールを表示するボーカルモードの表示例。
【
図2】本発明の請求項1に係るギター演奏用として歌詞表示とギターパートに対応した複数音のピアノロールを表示するギターモードの表示例。
【
図3】本発明の請求項1に係る「ボーカルモード+ギターモード」が選択された場合のピアノロールの表示例。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ボーカルモード時の表示の例である。歌唱の場合は、歌詞と歌唱に最適なサイズのピアノロールを表示する。
【0019】
一方、
図2はギターモード時の表示の例である。ギターモードにおいては、歌詞は小さめで構わないが、歌唱に比べて音域が広い為、広めのピアノロールが必要となる。
【0020】
図3は「ボーカルボード+ギターモード」が選択された場合のピアノロールの例である。
歌唱用の狭いピアノロールとギター用の広めのピアノロールの双方が表示される。
【0021】
これにより、カラオケの利用者は歌唱する場合、ギター演奏する場合もそれぞれ最適なガイド表示を利用することができる。