特許第6427400号(P6427400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427400
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】グレビティヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/12 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
   E05F1/12
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-245720(P2014-245720)
(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-108788(P2016-108788A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年12月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131511
【氏名又は名称】株式会社シブタニ
(73)【特許権者】
【識別番号】000184621
【氏名又は名称】小松ウオール工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】矢野 辰生
(72)【発明者】
【氏名】福井 昭浩
【審査官】 秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−232162(JP,A)
【文献】 実開昭60−31477(JP,U)
【文献】 米国特許第3292204(US,A)
【文献】 米国特許第3639944(US,A)
【文献】 独国特許発明第2708391(DE,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ア枠(10)に取り付けられブラケット(20)と、ドア(12)の吊元側端部に形成された角孔(13)内に組み込まれるヒンジ本体(30)とからなり、
前記ブラケット(20)がドア枠(10)にねじ止めされる取付板(21)の下端に支持板(22)が連設されたL形をなし、その支持板(22)上にガイド軸(24)が突設され、
前記ヒンジ本体(30)が、前記角孔(13)に嵌合されてドア(12)にねじ止めされ角形のケース(31)と、前記ガイド軸(24)を中心に回転可能に支持され、前記ケース(31)のドア吊元側の端部に設けられた開口部から内部に抜き差し可能なガイドブロック(37)と、そのガイドブロック(37)内において前記ガイド軸(24)に嵌合されて回り止めされた固定カム筒(53)と、その固定カム筒(53)の上側に配置されて前記ガイド軸(24)に沿ってスライド自在とされ、かつ、ガイドブロック(37)に対して回り止めされたスライドカム筒(57)と、そのスライドカム筒(57)を固定カム筒(53)に向けて付勢する弾性部材(60)とを有してなり、
前記固定カム筒(53)とスライドカム筒(57)の対向端に傾斜カム面(56、59)が形成され、前記ブラケット(20)の支持板(22)がドア(12)の開閉時にドア(12)の吊元側端部に設けられたスロット(14)に対して抜き差しされるグレビティヒンジ
【請求項2】
前記ガイド軸(24)の下端部に前記ガイドブロック(37)を回動自在に支持する軸受(49)を設け、その軸受(49)には開放状態とされたドア(12)の吊元側端部と対向する位置に径方向に向くピン孔(61)を設け、前記ガイドブロック(37)にはドア(12)の開放状態で前記ピン孔(61)に連通するツール挿入孔(62)を設けた請求項1に記載のグレビティヒンジ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トイレブース等の開口部のドアを開放位置または閉鎖位置に自動復帰させるグレビティヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
ドアを開閉自在に支持するヒンジとして、特許文献1や特許文献2に記載されたグレビティヒンジが知られている。このグレビティヒンジにおいては、ドアの自重が傾斜カム面に作用した際、その傾斜カム面のカム作用によってドアを開放位置または閉鎖位置に向けて自動復帰させるため、ドアを開放する操作および閉鎖する操作の一方の操作を不要とすることができ、トイレブースにおけるドアの開閉支持に採用することで操作性を高めることができるという特徴を有する。
【0003】
ところで、上記特許文献1および特許文献2に記載されたグレビティヒンジにおいては、ドアの開閉に伴ってドアが昇降動するため、ドアと床面間およびドアと天井面間に比較的大きな間隙(チリ)を確保する必要がある。このとき、間隙から覗き見されるという不安感や不快感を使用者に与えることになる。
【0004】
ここで、特許文献3においては、ドアに取り付ける枢着金具内に可動カム筒と摺動カム筒とを組み込み、その可動カム筒および摺動カム筒を摺動可能に嵌挿する多角形軸の端部をドア枠に取り付けられる支持金具で支持し、上記可動カム筒を多角形軸に対して回り止めし、上記摺動カム筒を多角形軸に対して摺動自在とし、かつ、コイルスプリングにより可動カム筒に向けて付勢した自動復帰ヒンジを提案している。
【0005】
上記自動復帰ヒンジによりドアを開閉自在に支持することにより、ドアの開閉時、摺動カム筒が回転しつつ上下動するのみでドアは同じ高さを保ちながら開閉することになり、トイレブースのドアの開閉支持に採用することで、特許文献1および2で示されるグレビティヒンジを用いてドアを開閉自在に支持する場合に比較してドアの上下における間隙を小さくすることできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭60−40780号公報
【特許文献2】実開昭61−137766号公報
【特許文献3】実開平7−43479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献3に記載された自動復帰ヒンジにおいては、上記のように、ドアの上下の間隙の縮小化を図ることができるものの、そのドアの取り付けが、下部吊具に設けられたヒンジピンとしての軸杆上からドアを落とし込んで軸杆にドアの下面に設けられた軸孔を嵌合させる、通称、ケンドン方式と称される吊り込み方式の取り付けであるため、ドアの上側に比較的大きな間隙を確保する必要があり、今日に至って上記間隙の縮小化が望まれている。
【0008】
この発明の課題は、ドアの上下の間隙を大幅に縮小することができるようにしたグレビティヒンジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明に係るグレビティヒンジにおいては、ドア枠に取り付けられブラケットと、ドアの吊元側端部に形成された角孔内に組み込まれるヒンジ本体とからなり、前記ブラケットがドア枠にねじ止めされる取付板の下端に支持板が連設されたL形をなし、その支持板上にガイド軸が突設され、前記ヒンジ本体が、前記角孔に嵌合されてドアにねじ止めされ角形のケースと、前記ガイド軸を中心に回転可能に支持され、前記ケースのドア吊元側の端部に設けられた開口部から内部に抜き差し可能なガイドブロックと、そのガイドブロック内において前記ガイド軸に嵌合されて回り止めされた固定カム筒と、その固定カム筒の上側に配置されて前記ガイド軸に沿ってスライド自在とされ、かつ、ガイドブロックに対して回り止めされたスライドカム筒と、そのスライドカム筒を固定カム筒に向けて付勢する弾性部材とを有してなり、前記固定カム筒とスライドカム筒の対向端に傾斜カム面が形成され、前記ブラケットの支持板がドアの開閉時にドアの吊元側端部に設けられたスロットに対して抜き差しされる構成を採用したのである。
【0010】
上記の構成からなるグレビティヒンジにおいて、ドアの自動復帰が閉鎖位置とされた場合、そのドアを開放位置に向けて回動すると、ガイドブロックに対して回り止めされたスライドカム筒が固定カム筒の傾斜カム面に沿って上り勾配方向に向けて回動する。このため、スライドカム筒は回動しつつ弾性部材の弾性に抗して上昇動し、ドアは開放状態とされる。
【0011】
上記のようなドアの開放操作時、スライドカム筒は弾性部材の弾性に抗して上昇動するため、弾性部材の弾性変形量は大きく、弾性力の強い状態とされる。このため、開放状態としたドアから手を放すと、弾性部材の復元弾性力によりスライドカム筒に下向きの押圧力が負荷され、スライドカム筒は固定カム筒の傾斜カム面に沿って下り勾配方向に向けて回動しつつ下降し、ドアは閉鎖位置に自動復帰する。
【0012】
このように、ドアの開閉時、スライドカム筒が回転しつつ上下動するのみであって、ドアは同じ高さを保つ状態で開閉するため、ドアの上下に大きな間隙を確保する必要がない。また、ドアの開閉時、ブラケットの支持板がドアに形成されたスロットから抜き差しされ、上記支持板によってドアの開閉が阻害されることはない。
【0013】
ドアの取り付けに際しては、ケースから分解されたガイドブロックをブラケットの支持板上に突設されたガイド軸の上方からの落とし込みにより、そのガイド軸を中心にして回動可能な状態にセットし、上記ガイド軸を中心とするガイドブロックの回動によって、そのガイドブロックをドアが開放された際の開放位置の向きとする。
【0014】
このとき、弾性部材がスライドカム筒を下向きに押圧する作用によってガイドブロックは閉鎖位置に向けて回動しようとするため、ガイドブロックを開放位置に保持しておく。一方、ドアを開放状態に保持してガイドブロックにケースを対向し、ドアの水平移動によりガイドブロックにケースを嵌合する。その嵌合によってドアは取付け状態とされる。
【0015】
このように、ドアの取り付けが、ドアを水平に移動させてブラケットに支持されたガイドブロックにケースを嵌合させる差し込みによる取り付けであるため、ドアの上下に大きな間隙を確保する必要はなく、ドアを同じ高さを保って開閉させることと相俟ってドアの上下の間隙を大幅に縮小することができる。
【0016】
ここで、ガイド軸の下端部にガイドブロックを回動自在に支持する軸受を設け、その軸受には開放状態とされたドアの吊元側端部と対向する位置に径方向に向くピン孔を設け、ガイドブロックにはドアの開放状態で上記ピン孔に連通するツール挿入孔を設けることにより、ツール挿入孔に棒状のツールを差し込んで先端部をピン孔に係合させることによってガイドブロックを開放位置で保持することができ、ガイドブロックの保持を不要とし、一人の作業者によってドアの取り付けを行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明においては、上記のように、ドアの開閉時、ドアは同じ高さを保って開閉し、また、ドアの取り付けがブラケットに支持されたガイドブロックへの差し込みによる取り付けであるため、ドアの上下の間隙を大幅に縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明に係るグレビティヒンジを備えたドアの実施の形態を示す正面図
図2】ドアの上部を支持するグレビティヒンジ部の断面図
図3図2のIII−III線に沿った断面図
図4図2のIV−IV線に沿った断面図
図5図2のV−V線に沿った断面図
図6】ドアの開放状態を示す断面図
図7】ドアの取り付けの途中の状態を示す一部切欠正面図
図8】ドアに設けられたケースをガイドブロックに嵌合した状態の一部切欠正面図
図9】グレビティヒンジの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ドア枠10の内側開口部11を開閉するドア12の一側部における上部および下部がグレビティヒンジH、Hによって開閉自在に支持されている。
【0020】
ここで、上部のグレビティヒンジHと下部のグレビティヒンジHは同一の構成であるため、上部のグレビティヒンジHを以下に説明し、下部のグレビティヒンジHにおいては上部のグレビティヒンジHと同一の部品に同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】
図2に示すように、グレビティヒンジHはドア枠10の縦枠10aに取り付けられるブラケット20と、ドア12の吊元側端部に取り付けられるヒンジ本体30からなる。
【0022】
ブラケット20は、取付板21の下端に支持板22が連設されたL形をなし、上記取付板21が縦枠10aに衝合され、その縦枠10aにねじ込まれるビス23の締め付けによって固定される。
【0023】
ブラケット20における支持板22の端部上にはガイド軸24が突設されている。ガイド軸24は、下端部に角軸部25が設けられ、その角軸部25の下端に形成された小径突軸26が支持板22の端部に形成された孔27に嵌合され、その小径突軸26の下端の加締めによって支持板22にガイド軸24の下端が固定されている。
【0024】
ここで、ドア12のグレビティヒンジH、Hによって吊元側の端部には、角孔13と、その角孔13の一側壁に吊元側端部で開口するスロット14が設けられ、そのスロット14に対してブラケット20の支持板22が抜き差し自在とされている。
【0025】
図2および図9に示すように、ヒンジ本体30は、ケース31と、そのケース31内に組み込まれてガイド軸24を中心に回動可能に支持されるガイドブロック37を有する。
【0026】
ケース31は対向一対の側板32と、その側板32の上部間に設けられた天板33および側板32の一側部間に設けられた端板34を有する角形をなし、その側板32の他側部間および下端部間は開口部とされている。
【0027】
ケース31は、端板34を先にしてドア12に形成された前述の角孔13内に嵌合され、その角孔13の閉塞端壁に衝合された端板34がドア12にねじ込まれる複数のねじ35の締め付けによって固定されて、側板32の他側部に設けられた開口部がドア12の吊元側端部に配置されている。
【0028】
図2および図9に示すように、ガイドブロック37は角形をなし、ケース31の吊元側端部の開口部から内部に抜き差し可能とされ、ドア12の吊元側端部に位置する端部にはフロントプレート38が設けられ、そのフロントプレート38の上部がケース31の天板33端部に形成されたねじ孔36にねじ込まれるビス39の締め付けによってケース31に着脱自在に取り付けられている。
【0029】
ガイドブロック37には、上端面から下端に向けて延びるガイド孔40と、そのガイド孔40の下端に連通し、ガイドブロック37の下端面で開口するブッシュ嵌合孔41とが形成され、そのブッシュ孔嵌合孔41からの挿入によってガイド軸24がガイド孔40と同軸上に配置されている。
【0030】
ガイド孔40は下端部が小径孔部40aとされた段付き孔からなる。このガイド孔40の上部内周には雌ねじ42が設けられている。また、ガイド孔40の内周には上下方向に延びる複数のキー溝43が周方向に間隔をおいて設けられている。
【0031】
ガイド孔40の上部に設けられた雌ねじ42にはリング状のキャップ44がねじ係合され、そのキャップ44内に下端部にフランジを有するキャップ状のブッシュ45が嵌合されている。ブッシュ45はガイド軸24の上端部に嵌合され、そのブッシュ45によってガイド軸24の上端部が抜き差し自在に支持されている
【0032】
一方、ガイド孔40の下端に連通するよう設けられた前述のブッシュ嵌合孔41内には筒状のフランジ付きブッシュ46が嵌合されて回り止めされている。その回り止めに際し、図5に示すように、ブッシュ46の外周に複数の突条47を設け、その突条47をブッシュ嵌合孔41の内周に形成された軸方向溝48に嵌合している。
【0033】
ブッシュ46の内側には軸受49が嵌合されている。軸受49は角孔50を有し、その角孔50がガイド軸24の角軸部25に嵌合され、その嵌合によって軸受49がガイド軸24に回り止めされている。
【0034】
また、軸受49の下端にはブラケット20の支持板22で支持されるフランジ49aが設けられ、そのフランジ49aの下面に設けられた突起51が支持板22に形成された小孔52に嵌合されて、軸受49が支持板22に回り止めされている。
【0035】
図2に示すように、ガイド軸24には固定カム筒53とスライドカム筒57とが、固定カム筒53が下側に位置するようにして順次嵌合されている。固定カム筒53は、ガイド孔40の底部で支持される段差部54を外周下部に有している。
【0036】
固定カム筒53には角孔55が設けられ、その角孔55にガイド軸24の角軸部25が嵌合され、その嵌合によって固定カム筒53がガイド軸24に回り止めされている。
【0037】
スライドカム筒57は、ガイド軸24にスライド自在に支持されている。また、スライドカム筒57はガイド軸24に対して相対的に回転自在とされている。このスライドカム筒57の外周には軸方向に延びる突条58が設けられ、その突条58がガイド孔40の内周に形成された前述のキー溝43に嵌合され、その嵌合によってスライドカム筒54はガイドブロック37に対して回り止めされている。
【0038】
固定カム筒53とスライドカム筒57の対向面には、周方向に180°ずれた位置に低所端と高所端が設けられた傾斜カム面56、59が設けられている。傾斜カム面56、59の形成に際し、ここでは、図9に示すように、固定カム筒53およびスライドカム筒57のそれぞれに二つの傾斜カム面56、59を内外に設け、その内外の二つの傾斜カム面56、59を高所端が対向するよう周方向に180°位置をずらして形成しているが、一つの傾斜カム面であってもよい。
【0039】
図2に示すように、スライドカム筒57は、ガイド孔40内に組み込まれたコイルスプリングからなる弾性部材60によって固定カム筒53に向けて付勢されている。
【0040】
図2および図5に示すように、ガイド軸24の角軸部25に嵌合されて回り止めされた軸受49には開放状態とされたドア12の吊元側端部と対向する位置およびその位置から周方向に180°ずれた位置のそれぞれに径方向に向く一対のピン孔61が設けられている。一方、ガイドブロック37の下部およびブッシュ46にはドア12の開放状態で上記一対のピン孔61の一方に連通するツール挿入孔62が設けられている。
【0041】
実施の形態に示すグレビティヒンジを備えたドアは上記の構造からなり、図1乃至図3はドア12の閉鎖状態を示し、スライドカム筒57は下降位置において停止している。
【0042】
上記のようなドア12の閉鎖状態において、ドア12を開放位置に向けて回動すると、ガイドブロック37に対して回り止めされたスライドカム筒57の傾斜カム面59が固定カム筒53の傾斜カム面56に沿って上り勾配方向に向けて回動する。このため、スライドカム筒57は回動しつつ弾性部材60の弾性に抗して上昇動し、ドア12は開放状態とされる。図6はドア12の開放状態を示す。
【0043】
上記のようなドア12の開放操作時、スライドカム筒57は弾性部材60の弾性に抗して上昇動するため、弾性部材60の弾性変形量は大きく、弾性力の強い状態とされる。このため、開放状態としたドア12から手を放すと、弾性部材60の復元弾性力によりスライドカム筒57には下向きの押圧力が負荷され、スライドカム筒57は固定カム筒53の傾斜カム面56に沿って下り勾配方向に向けて回動しつつ下降し、図2および図3に示すように、ドア12は閉鎖位置に自動復帰する。
【0044】
このように、ドア12の開閉時、スライドカム筒57が回転しつつ上下動するのみであってドア12は同じ高さを保つ状態で開閉するため、ドア12の上下に大きな間隙を確保する必要がない。また、ドア12の開閉時、ブラケット20の支持板22はドア12に形成されたスロット14から角孔13内に対して抜き差しされる。このため、上記支持板22によってドア12の開閉が阻害されることはない。
【0045】
ドア12の取り付けに際しては、ケース31から分解されたガイドブロック37をブラケット20の支持板22上に突設されたガイド軸24にセットする。そのセットに際しては、ガイド軸24の上方にガイドブロック37を配置し、ガイド軸24に対しブッシュ46を同軸上に対向配置する状態でガイドブロック37を落とし込む。
【0046】
ガイドブロック37の落とし込みにより、ブッシュ46が軸受49に嵌合され、ガイド軸24がガイド孔40内に挿入されて上端部がキャップ44に支持されたブッシュ45内に挿入され、ガイド軸24に対してガイドブロック37が回転自在に支持される。
【0047】
ガイド軸24に対するガイドブロック37のセット後、ガイド軸24を中心にガイドブロック37を回動し、そのガイドブロック37をドア12が開放された際の開放位置の向きとして、その開放位置を保持する。
【0048】
ここで、ガイドブロック37を開放位置の向きとすると、図7に示すように、ツール挿入孔62とピン孔61が連通する状態とされる。
【0049】
また、スライドカム筒57は図6に示されるように上昇位置に保持され、弾性部材60がスライドカム筒57を下向きに押圧し、ガイドブロック37は閉鎖位置に向けて回動付勢されるため、ガイドブロック37から手を放すと、ガイドブック37が閉鎖位置に戻されることになる。
【0050】
ガイドブロック37を開放位置で保持するため、図7に示すように、ツール挿入孔62に棒状のツールTを挿入し、そのツールTの先端部をピン孔61に係合する。
【0051】
上記のようなツールTの挿入によってガイドブロック37は開放位置に保持される。その保持状態において、図7に示すように、ドア12を開放状態に保持してガイドブロック37にケース31の一側部に形成された開口部を対向し、ドア12の水平移動によりガイドブロック37にケース31を嵌合する。
【0052】
図8は、ガイドブロック37にケース31を嵌合した状態を示し、その嵌合によってドア12は取付け状態とされる。その取り付け後、ツールTを引き抜くと、図6に示す弾性部材60がスライドカム筒57を押圧する作用によってドア12は閉鎖位置に自動復帰し、ドア12の取り付けが完了する。
【0053】
このように、ドア12の取り付けが、ドア12を水平に移動させてブラケット20に支持されたガイドブロック37にケース31を嵌合させる差し込みによるため、ドア12の上下に間隙を確保する必要はなく、ドア12は同じ高さを保って開閉することと相俟ってドア12の上下の間隙を大幅に縮小することができる。
【0054】
実施の形態においては、ドア12を閉鎖位置に自動復帰させるようにしたが、固定カム筒53を90°向きを変えてガイド軸24の角軸部25に嵌合することでドア12を開放位置に自動復帰させることができる。
【符号の説明】
【0055】
グレビティヒンジ
グレビティヒンジ
10 ドア枠
12 ドア
13 角孔
14 スロット
20 ブラケット
21 取付板
22 支持板
24 ガイド軸
30 ヒンジ本体
31 ケース
37 ガイドブロック
49 軸受
53 固定カム筒
56 傾斜カム面
57 スライドカム筒
59 傾斜カム面
60 弾性部材
61 ピン孔
62 ツール挿入孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9