(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427545
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】線路
(51)【国際特許分類】
E01C 9/04 20060101AFI20181112BHJP
E01B 15/00 20060101ALI20181112BHJP
【FI】
E01C9/04
E01B15/00
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-221647(P2016-221647)
(22)【出願日】2016年11月14日
(62)【分割の表示】特願2013-548702(P2013-548702)の分割
【原出願日】2012年1月3日
(65)【公開番号】特開2017-53210(P2017-53210A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2016年11月14日
(31)【優先権主張番号】GM26/2011
(32)【優先日】2011年1月17日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】501111599
【氏名又は名称】グミュンドネル ファーチクタイル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング ウント ツェーオー. カーゲー.
【氏名又は名称原語表記】GMUNDNER FERTIGTEILE GESELLSCHAFT M.B.H. & CO. KG.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン、 ベルンハルト
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−282083(JP,A)
【文献】
実開昭54−033504(JP,U)
【文献】
特表2011−500996(JP,A)
【文献】
特開2005−232903(JP,A)
【文献】
実開昭48−035724(JP,U)
【文献】
特公昭51−034166(JP,B1)
【文献】
特表平06−501753(JP,A)
【文献】
実開平07−025004(JP,U)
【文献】
特開2000−064211(JP,A)
【文献】
米国特許第04880158(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0098359(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0168519(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 9/04
E01C 9/08
E01B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール頭部とウェブを介して前記レール頭部に結合されたレール脚部(17)とを有し、前記レール頭部と前記レール脚部との間に側面凹部(8)が規定されたレール(4)と、厚板状のカバー部材(2)から構成されたカバーとを有する線路であって、前記カバーの上面が、前記線路のレール(4)の高さと同じ高さで延びる通行面を構成し、前記カバー部材(2)が、前記線路の前記レール(4)に面する周縁部(6)において、エラストマー製プロファイル材(7a,7b)を介して、前記レールの前記側面凹部(8)に係合した状態で前記レール(4)にだけ支持され、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)が、下側支持脚部と、長手方向に安定した補強部材(14,15,16)とを有し、該補強部材(14,15,16)が、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)の長手方向延長部(13)にわたって延びるとともに、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)のエラストマー材料に密接に結合し、前記補強部材(14,15,16)の剛性が、前記エラストマー材料の剛性よりも高い、線路において、
前記補強部材(14,15,16)が、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)の前記下側支持脚部の上側領域に位置し、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)が、上向きの表面領域(23)上に、補強部材として帯状プレート(16)を有し、前記カバー部材(2)が、前記周縁部(6)によって前記上向きの表面領域(23)上に載置されていることを特徴とする線路。
【請求項2】
前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)が、補強部材として、該エラストマー製プロファイル材(7a,7b)の前記下側支持脚部の前記長手方向延長部(13)にわたって延びる複数の棒(14)を有し、該複数の棒(14)が、前記下側支持脚部の内部(11)であって、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)上に載置された前記カバー部材(2)の前記周縁部(6)と前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)を載置する前記レール脚部(17)の上面(18)との間に位置する領域(19)に、前記レール脚部(17)の横方向延長部の方向(20)に互いに間隔(21)をおいて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の線路。
【請求項3】
前記補強部材が、少なくとも1つの帯状プレート(15)であって、該帯状プレート(15)の幅方向延長部が、前記レール脚部(17)の横方向延長部の方向(20)に延びる、少なくとも1つの帯状プレート(15)を有することを特徴とする、請求項1に記載の線路。
【請求項4】
前記帯状プレート(16)が、角張って構成され、該角張った構成の幾何学的な線(25)が、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)の長手方向(26)に延びていることを特徴とする、請求項1に記載の線路。
【請求項5】
前記線路の長手方向において、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)が、前記線路の長手方向に連続して配置された前記線路の前記レール(4)を枕木(3a)に固定するレール固定部材(4a)であって、前記レール固定部材(4a)の上方に跨がるように前記線路の2本の前記レール(4)の間に位置する前記線路の中央領域(30)に配置されたレール固定部材(4a)同士の間の領域に配置され、被覆部材(28)が前記レール固定部材(4a)を覆い、前記エラストマー製プロファイル材(7a,7b)の、前記中央領域(30)に設けられたエラストマー製プロファイル材(7b)が、その端面(29)で前記被覆部材(28)に当接していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の線路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚板状のカバー部材から構成されたカバーを有する線路であって、カバー部材の上面が、線路のレールの高さと同じ高さを延びる通行面を構成し、カバー部材が、線路のレールに面する周縁部において、エラストマー製プロファイル材を介して、レールの側面凹部に係合した状態で線路のレールにだけ支持されている、線路に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した種類の線路において、通行面を構成するカバー部材を取り付けることは、カバーの領域において線路の動的性質を保持することにとって利点になり、さらには線路の保守に必要な作業を行うことにとっても利点になる。また、このようなカバー部材の取り付けには、線路の吸音挙動を実現することに関しても有利な特性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、カバー部材をレールに支持するエラストマー製プロファイル材の耐用年数を延ばすとともに、できるだけ長期間にわたってエラストマー製プロファイル材の弾性的性質が変化しないようにすることによって、冒頭で述べた種類の線路におけるカバー部材の取り付けに関する性質をさらに改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による、冒頭で述べた種類の線路は、レールの側面凹部に配置され、カバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材(Elastomerprofile)が、エラストマー製プロファイル材の内部および外面の少なくとも一方に設けられ、長手方向に安定した(laengsstabile)補強部材を有し、補強部材が、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びるとともに、プロファイル材のエラストマー材料に密接に(innig)結合し、補強部材の剛性が、エラストマー材料の剛性よりも高いことを特徴とする。このような構成により、上述した目的が十分に達成される。カバー部材から加えられる負荷に起因するエラストマー製プロファイル材の変形を、その断面にわたって均質化することができ、それと同時に、その変形の量を減少させることもできる。変形の均質化により、カバー部材のエラストマー製プロファイル材への着座(Sitz)も改善され、その位置で構造疲労を引き起こす可能性がある局部的な応力のピーク(Spannungsspitzen)の発生が妨げられることになる。エラストマー製プロファイル材の弾性挙動が長期間にわたってほぼ一定に保たれることと、弾性的性質の劣化と他の摩耗現象とにより決定される、プロファイル材の運用年数が延びることとが実現可能になる。
【0005】
上述した種類の線路の、本発明による構成に設けられた補強部材は、さまざまな材料から構成されていてよく、特に、金属やさまざまな合成材料でさえも考慮に入れることができる。補強部材は、好ましくは、製造済みの形で設けられていてよく、予め形成されたエラストマー製プロファイル材に結合されているか、または埋め込まれていてよい。このような予め形成された補強部材を、エラストマー製プロファイル材の成形時に、エラストマー製プロファイル材に埋め込んだり取り付け(angebettet)たりすることができる。例えば成形用に提供された塑性材料など、成形可能な塊からの補強部材の事前製造は、補強部材を予め製造するためだけの特別な金型において実行可能であるか、または複合金型において実行可能である。複合金型では、第一段階で補強部材が予め製造され、その後、補強部材とエラストマー材料とが密接に結合され、エラストマー製プロファイル材が製造される。エラストマー製プロファイル材の外面に設けられる補強部材の形成に特に実用的な他の手法では、第一段階で、補強部材を受け入れるために設けられた空き領域が空のままのエラストマー製プロファイル材が成形され、第二段階で、成形可能な塊が上記空き領域に導入され、補強材料に形成されて固化されるが、必要であれば、このプロセスは、エラストマー製プロファイル材が以前に成形された金型において実行されてもよい。
【0006】
本発明による構成の線路の有利な実施形態は、カバーのカバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が、補強部材として、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びる複数の棒を有し、複数の棒が、エラストマー製プロファイル材の内部であって、エラストマー製プロファイル材上に載置されたカバー部材の周縁部とエラストマー製プロファイル材を載置するレール脚部の上面との間に位置するエラストマー製プロファイル材の領域に、レール脚部の横方向延長部の方向に互いに間隔をおいて配置されていることを特徴とする。単純なこの実施態様により、良好な寸法安定性だけでなく、カバー部材から加えられる負荷に起因する変形の減少および均質化も得られることになり、このことは、上述したように、カバー部材の着座とエラストマー製プロファイル材の耐用年数とに良い影響を与えることになる。棒の位置を、カバー部材から加えられる負荷の大部分が吸収される、エラストマー製プロファイル材の断面領域に選択することで、エラストマー材料に作用する応力が均質化することになり、棒の間隔の選択が、棒の形態で構成された補強部材の位置決めにとって重要になる。
【0007】
上述した実施態様の簡略化した変形例は、カバーのカバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が、補強部材として、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びる少なくとも1つの帯状プレートであって、帯状プレートの幅方向延長部が、レール脚部の横方向延長部の方向に延びる、少なくとも1つの帯状プレートを有し、少なくとも1つの帯状プレートが、エラストマー製プロファイル材の内部であって、エラストマー製プロファイル材上に載置されたカバー部材の周縁部とエラストマー製プロファイル材を載置するレール脚部の上面との間に位置するエラストマー製プロファイル材の領域に配置されていることを特徴とする。
【0008】
カバー部材とエラストマー製プロファイル材との接点で発生する摩耗を大きく減少させながら、エラストマー製プロファイル材の表面で発生する摩耗現象を抑制することに関して、特に利点をもたらす実施態様は、カバーのカバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が、上向きの表面領域上に、補強部材として帯状プレートを有し、カバー部材が、周縁部によって上向きの表面領域上に載置され、帯状プレートが、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びるとともに、エラストマー製プロファイル材のエラストマー材料に密接に結合していることを特徴とする。
【0009】
エラストマー製プロファイル材とレールとの接点での摩耗現象を減少させることを目的として、カバーのカバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が、下向きの表面領域において、レール脚部上に載置されているとともに、下向きの表面領域上に、補強部材として帯状プレートを有し、帯状プレートが、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びるとともに、プロファイル材のエラストマー材料に密接に結合していれば有利であろう。
【0010】
このようにエラストマー製プロファイル材の表面領域に補強部材を設けることは、上述した、エラストマー製プロファイル材の内部に補強部材を設けることと組み合わせても有利である。
【0011】
上述したように、エラストマー製プロファイル材の表面領域に設けられた補強部材の構成に関して、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びるように配置されたプレートが、角張って(abgewinkelt)構成され、角張った構成の幾何学的な線が、エラストマー製プロファイル材の長手方向に延びていればさらに有利であろう。こうして、エラストマー材料で発生する応力を減少させるという点で、カバー部材から加えられる重量負荷と共にエラストマー製プロファイル材に作用する側方案内力(Seitenfuehrungskraeften)の伝達が許容され(entsprochen)、レール脚部の与えられた形状に対して摩耗を減少させるように適応させることも達成されることになる。
【0012】
本発明の主題のさらに有利な実施態様は、カバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が、線路のレールを枕木に固定する、線路の長手方向に連続して配置されたレール固定部材の間の領域に配置され、線路の2本のレールの間に位置する線路の中央領域には、レール固定部材の上方に跨がるように、レール固定部材を覆う被覆部材が配置され、中央領域に設けられたカバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が、その端面で被覆部材に隣接していることを特徴とする。こうして、カバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材を取り付ける際の取り扱いが簡略化されることになる。また、この位置でエラストマー製プロファイル材を適切に構成することで、レール脚部に係合するレール固定部材を考慮する必要がなくなり、このことは、上述したエラストマー製プロファイル材が長手方向に安定した補強部材を有していることに関連して正に重要なようである。レール固定部材の上方に跨がっている被覆部材により、エラストマー製プロファイル材を取り付ける際の取り扱いが容易になり、さらには外部の悪影響からレール固定部材が良好に保護される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による構成の線路の一実施形態を示す、線路の長手方向延長部を横切る断面図である。
【
図2】
図1に示す線路に設けられたエラストマー製プロファイル材を示す図である。
【
図3】
図1に示す線路のレールに存在する領域を拡大して示す、
図1と同様の断面図である。
【
図4】
図3の変形例としての一実施形態を示す断面図である。
【
図5】表面領域に配置された補強部材を有するエラストマー製プロファイル材が設けられた実施形態を示す、
図3および
図4と同様の断面図である。
【
図6】表面領域に配置された補強部材を有するエラストマー製プロファイル材が設けられた実施形態を示す、
図3および
図4と同様の断面図である。
【
図7】カバー部材を支持するエラストマー製プロファイル材が1つのレール固定部から次のレール固定部まで延びるように配置された、線路の一実施形態の一部を部分的に破断して示す上面図である。
【
図8】
図7の実施形態の一部を示す、VIII−VIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、各図面に概略的に示された実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
【0015】
図1から
図3に示された、本発明による構成の線路1の実施形態では、厚板状のカバー部材2から構成されたカバーが設けられ、カバー部材2の上面5が、線路のレール4の高さ3と同じ高さで延びる通行面(Verkehrsflaeche)を構成している。線路のレール4は、レール固定部材4aによって枕木3aに固定されている。カバー部材2は、線路のレール4に面する周縁部6において、エラストマー製プロファイル材7a,7b,7cを介して、レール4の側面凹部8に係合した状態で線路のレール4にだけ支持されている。したがって、線路の2本のレール4の間に配置されたカバー部材は、一方のレールから他方のレールまで、自立した状態で(freitragend)、線路の2本のレールの間の空間を埋めており、線路の2本のレールの外側に連続して配置されたカバー部材は、線路のレールに面する周縁部では、線路の2個のレールに支持され、線路のレールとは反対側の側部では、詳細には示されていない基部に支持されている。
【0016】
レール4の側面凹部8に配置され、カバー部材2を支持するエラストマー製プロファイル材7a,7bは、その内部11に、長手方向に安定した補強部材14を有している。補強部材14は、プロファイル材7a,7bの長手方向延長部13にわたって延びるとともに、プロファイル材のエラストマー材料に密接に結合している。図示した例では丸棒で構成された補強部材の剛性は、エラストマー製プロファイル材7a,7bのエラストマー材料の剛性よりも高い。補強部材14を構成する棒は、他の断面形状を有していてもよい。補強部材14は、プロファイル材7a,7b上に載置されたカバー部材2の周縁部6とレール4のレール脚部17の上面18との間に位置するエラストマー製プロファイル材7a,7bの領域19に配置されている。補強部材14は、レール脚部17の横方向延長部の方向20に互いに間隔21をおいて配置されている。間隔21の大きさを適切に選択することによって、カバー部材2によるエラストマー製プロファイル材への負荷により生じる変形の量に影響を与えることができ、さらにはエラストマー製プロファイル材の弾性にも影響を与えることができる。
【0017】
図4に示す変形例では、エラストマー製プロファイル材7a,7bの内部11に、補強部材として、帯状プレート15が設けられている。帯状プレート15は、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延び、帯状プレート15の幅方向延長部は、レール脚部17の横方向延長部の方向20に延びている。帯状プレート15は、
図3の例と同様に、エラストマー製プロファイル材上に載置されたカバー部材2の周縁部6とプロファイル材7a,7bを載置するレール脚部17の上面18との間に位置するエラストマー製プロファイル材7a,7bの領域19に配置されている。個々のエラストマー製プロファイル材に、互いに間隔をおいて上下に配置された複数の帯状プレートを設けることもできる。
図4には、各エラストマー製プロファイル材にプレート15に加えて設けられたそのようなプレート15aの例が破線で示されている。
【0018】
図5に示す実施形態では、カバー部材2を支持するエラストマー製プロファイル材7a,7bが、上向きの表面領域23上に、補強部材として帯状プレート16を有し、カバー部材2は、周縁部6によって、上向きの表面領域23上に載置されている。帯状プレート16は、エラストマー製プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びるとともに、エラストマー製プロファイル材のエラストマー材料に密接に結合している。帯状プレート16は、エラストマー製プロファイル材の変形挙動と弾性挙動とに影響を与える補強部材を構成し、さらには、カバー部材2とエラストマー製プロファイル材7a,7bとの間の接点での摩耗現象を大きく減少させることもできる。
【0019】
図6に示す実施形態では、カバー部材2を支持するエラストマー製プロファイル材7bが、下向きの表面領域24において、レール脚部17上に載置されているとともに、下向きの表面領域24上に、補強部材として帯状プレート27を有している。帯状プレート27は、プロファイル材の長手方向延長部にわたって延びるとともに、プロファイル材のエラストマー材料と密接に結合している。そのようなプレート27は、レール脚部17上にエラストマー製プロファイル材7bの負荷依存運動を発生させる可能性がある摩耗現象を妨げて、エラストマー製プロファイル材の変形挙動と弾性挙動とが均質化するのを促進する。
図6に示す例では、帯状プレート27は、エラストマー製プロファイル材7a,7bの表面領域23に配置された帯状プレート16の動作の助けとなる。
【0020】
図5および
図6の実施形態で設けられた帯状プレート27,16は、角張って構成され、角張った構成の、図中に点で示す幾何学的な線25は、エラストマー製プロファイル材の長手方向26に延びている。このような角張った構成により、カバー部材2が重量負荷と側方案内力との両方をエラストマー製プロファイル材に加えること、およびレール脚部の上面が曲がっていることが考慮される。
【0021】
図7および
図8は、スペース上の理由により、本発明による構成の線路の一実施形態の、一方のレール4の領域に位置する部分だけを示しているにすぎない。線路の他方のレールの領域に位置する部分は、同様に構成されている。線路のレール4は、レール固定部材4aによって、枕木3aに固定されている。線路の2本のレールの間に位置し、
図7の例ではレール4から上側に延びる、線路の中央領域30では、レール固定部材4aは、レール固定部材の上方に跨がるように配置された被覆部材28によって覆われている。
図7ではレールから上向きに示されたカバー部材2は、レール4の側部に設けられた凹部に係合するエラストマー製プロファイル材7bによって、レール4に面する側部で支持されている。エラストマー製プロファイル材7bは、連続して設けられたレール固定部材4aの間の領域に配置され、その端面29で被覆部材28に隣接している。より良く概観できるように、
図7には、上述したレール4から上向きのカバー部材が破断して示されている。
【0022】
このようなカバー部材2をレール側部に取り付けるために、エラストマー製プロファイル材7bに加えて、レール4の頭部に対する支持をもたらす別のエラストマー製プロファイル材7cが設けられている。エラストマー製プロファイル材7cは、
図8にのみ示され、その一方で、
図7では省略され、エラストマー製プロファイル材7bがはっきり見える状態になっている。図示した実施形態では、エラストマー製プロファイル材7cは、線路のレール溝(Spurrille)を下向きに閉じるリップを有している。線路のレール4から外側に延びるように配置されたカバー部材2は、
図7ではレール4から下向きに示され、エラストマー製プロファイル材7aによってレールの側部に取り付けられている。このようなエラストマー製プロファイル材7aも、連続して設けられたレール固定部材4aの間に配置されている。
【0023】
明確化のために
図7には示していないが、この実施形態においても、エラストマー製プロファイル材7a,7bは、補強部材を備えている。