(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427587
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】シールされたパックから包装材料のチューブ内へ注ぎ込み可能な食品のパッケージを製造するための折り曲げユニット
(51)【国際特許分類】
B65B 61/24 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
B65B61/24
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-550272(P2016-550272)
(86)(22)【出願日】2015年2月19日
(65)【公表番号】特表2017-508678(P2017-508678A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】EP2015053470
(87)【国際公開番号】WO2015144363
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】14161399.2
(32)【優先日】2014年3月25日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・カッテラーニ
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−070905(JP,A)
【文献】
米国特許第03146566(US,A)
【文献】
米国特許第05001891(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02631188(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01785355(EP,A1)
【文献】
国際公開第2011/065884(WO,A1)
【文献】
特開昭50−042983(JP,A)
【文献】
特開2006−008227(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/083042(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B61/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げられるべき少なくとも一つのフラップ(19)を有したシールされたパック(3)からパッケージ(2)を製造するための折り曲げユニットであって、前記少なくとも一つのフラップ(19)と相互作用するよう構成された少なくとも一つの押圧部材(37)を支持する搬送装置(31)と、前記少なくとも一つの押圧部材(37)が前記少なくとも一つのフラップ(19)と相互作用する際に前記搬送装置(31)が当接する支持構造(48)と、を備えた折り曲げユニットにおいて、前記搬送装置(31)が前記支持構造(48)上を転がる少なくとも一つの転動部材(47)を備えることを特徴とする折り曲げユニット。
【請求項2】
請求項1記載の折り曲げユニットにおいて、前記少なくとも一つの押圧部材(37)が前記搬送装置(31)に対して可動とされている、折り曲げユニット。
【請求項3】
請求項2記載の折り曲げユニットにおいて、前記搬送装置(31)が、前記少なくとも一つの押圧部材(37)と前記搬送装置(31)との間に少なくとも一つの弾性部材(40)を備えている、折り曲げユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項記載の折り曲げユニットにおいて、前記搬送装置(31)が、複数の押圧部材(37)と、複数のリンク部材(33)を備えたチェーンコンベア(32)とを備え、前記リンク部材(33)の少なくともいくつかが、前記複数の押圧装置(37)の各押圧部材(37)を支持してなる、折り曲げユニット。
【請求項5】
請求項4記載の折り曲げユニットにおいて、いくつかの前記押圧部材(37)はいくつかの前記リンク部材(33)の半分部分であり、前記押圧部材(37)は、前記チェーンコンベア(32)に沿って配設されて複数の前記リンク部材(33)の個々の第2リンク部材(33)に関連付けられる、折り曲げユニット。
【請求項6】
請求項4又は5記載の折り曲げユニットにおいて、前記複数の押圧部材(37)の各押圧部材(37)は、前記複数のリンク部材(33)のうち対応するリンク部材(33)にヒンジ結合されている、折り曲げユニット。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6の何れか一項記載の折り曲げユニットにおいて、前記搬送装置(31)が複数の弾性部材(40)を備え、前記複数の弾性部材の各弾性部材(40)は、前記複数の押圧部材(37)の対応の押圧部材(37)と、複数の前記リンク部材(33)の対応のリンク部材(33)との間に介装されてなる、折り曲げユニット。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項記載の折り曲げユニットにおいて、前記パック(3)を経路(B)に沿って進めるためのコンベア(23)を備え、前記コンベアは前記パック(3)を搬送するための搬送部(26)を備えるとともに、前記搬送装置(31)はアクティブブランチ(49)を有し、前記アクティブブランチ(49)に沿って前記少なくとも一つの押圧部材(37)が前記パック(3)と相互作用し、前記アクティブブランチ(49)は、前記パック(3)が前記コンベア(23)によって搬送されている間に前記少なくとも一つの押圧部材(37)が前記少なくとも一つのフラップ(19)を押すように、前記搬送部(26)の方に向いている、折り曲げユニット。
【請求項9】
請求項8記載の折り曲げユニットにおいて、前記支持構造(48)が前記コンベア(23)の方を向いた固定支持プレート(53)を備え、前記少なくとも一つ押圧部材(37)が前記少なくとも一つのフラップ(19)と相互作用している間、前記少なくとも一つの転動部材(47)が前記固定支持プレート(53)上を転がり、前記固定支持プレート(53)が、前記少なくとも一つの押圧部材(37)が前記少なくとも一つのフラップ(19)と相互作用している間、前記搬送装置(31)が前記コンベア(23)から離脱することを防止する、折り曲げユニット。
【請求項10】
請求項4ないし7の何れか一項を引用する請求項8又は請求項9記載の折り曲げユニットにおいて、前記コンベア(23)が複数のリンク(25)を備え、前記コンベア(23)におけるこれらリンク(25)のピッチは、前記チェーンコンベア(32)におけるリンク部材(33)のピッチと同じである、折り曲げユニット。
【請求項11】
請求項4ないし7の何れか一項を引用する請求項8、又は請求項9、又は請求項10に記載の折り曲げユニットにおいて、使用中に前記コンベア(23)が前記搬送装置(31)を駆動するように、前記搬送装置(31)が前記コンベア(23)の第2駆動手段(63)と相互作用するよう構成された第1駆動手段(62)を備える、折り曲げユニット。
【請求項12】
請求項11記載の折り曲げユニットにおいて、前記第1駆動手段が複数の突起(62)を備え、リンク部材(33)の少なくともいくつかがそれら突起(62)の各突起(62)を支持してなる、折り曲げユニット。
【請求項13】
請求項12記載の折り曲げユニットにおいて、いくつかの前記突起(62)はいくつかの前記リンク部材(33)の半分部分であり、前記突起(62)は、これら突起(62)及び前記押圧部材(37)が前記チェーンコンベア(32)に交互に配置されるように、複数の前記リンク部材(33)の個々の第2リンク部材(33)に関連付けられている、折り曲げユニット。
【請求項14】
請求項12又は13記載の折り曲げユニットにおいて、前記第2駆動手段は前記コンベア(23)の複数の窪み(63)を有しており、これら窪み(63)が前記突起(62)を受けるように構成されてなる、折り曲げユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールされたパックから包装材料のチューブ内へ注ぎ込み可能な食品のパッケージを製造するための折り曲げユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、多種の食品、例えば果汁、低温殺菌又は超高熱処理された牛乳、ワイン、トマトソース、その他の食品が、殺菌包装材料から製造されたパーケージに詰められて販売されている。
【0003】
このタイプのパッケージの典型例は、テトラ・ブリック(登録商標)・アセプティック (Tetra Brik(登録商標)Aseptic) として知られる、液体食品あるいは注ぐことのできる食品のための平行六面体状のパッケージであり、これは、積層シート包装材料を折り曲げかつシールすることによりできている。
【0004】
上記の包装材料は、剛性並びに強度保持のため実質的に基層を備えた多層構造を有しており、該基層は、例えば紙等の繊維材料の層、あるいはミネラル充填されたポリプロピレン材料の層、及び、ヒートシールプラスチック材料、例えばポリエチレンフィルムからなり前記基層の両側を覆う幾層かを備えていてもよい。
【0005】
超高温処理された牛乳といった長期保存食品のための殺菌処理パッケージでは、包装材料はまた、気体・遮光性材料、例えばアルミニウムフォイル又はエチルビニルアルコール(EVOH)の層を備えており、該層はヒートシールプラスチック材料の層に重ねられており、さらにヒートシールプラスチック材料の別の層によって覆われて、最終的に商品と接触する該パッケージの内面を形成している。
【0006】
既知のように、この種のパッケージは全自動包装装置によって製作され、該装置において、ウェブ巻取包装材料から連続チューブが形成される。包装材料のウェブは、該包装装置において、例えば過酸化水素水等の化学的滅菌剤を噴霧することにより滅菌される。滅菌完了後、滅菌剤は、例えば加熱による蒸発によって前記包装材料の表面から取り除かれ、このように滅菌された包装材用のウェブは、閉鎖された無菌環境内で維持され、そして、垂直なチューブ体となるよう長手方向に折り曲げられ、かつシールされる。
【0007】
包装装置は形成ユニットを備えている。該形成ユニットでは、下流に連続移動しながら、滅菌された又は無菌処理された食品が前記チューブ体に充填され、そしてシールされ、その後、等間隔に離間した断面に沿って切断されてピローパック (pillow pack) を形成する。これらピローパックは折り曲げユニットに送られ、最終的なパッケージ、例えば実質的に平行六面体をしたパッケージとされる。
【0008】
より詳細には、前記ピローパックは実質的に、平行六面体の主部と、互いに対向しかつ前記主部の対向した側から側方に突出して前記主部上に折り畳まれる各々三角形の端部フラップを形成する頂端部及び底端部と、を有する。
【0009】
垂直チューブ体を形成すべく前記包装材料をシールする際に形成される長手シールストリップが前記ピローパックに沿って延び、かつ、各ピローパックの前記頂端部及び底端部は、前記長手シールストリップと垂直となりかつ該パックの前記頂部及び底部から突出する端部フラップをそれぞれ形成する交差シールストリップをそれぞれ有する。
【0010】
各ピローパックの前記頂端部及び底端部は、前記各端部フラップから前記主部に向かってテーパを形成し、かつ該パックの平らな対向端部壁を形成するように前記包装装置の折り曲げユニットによって互いの方向に向けて押圧され、それと同時に前記端部フラップを前記主部の各壁部上に折り曲げる。
【0011】
複数のパックを、ほぼ直線水平な形成経路に沿って供給部から取出部に連続的に運ぶためのチェーンコンベアと、前記パックの前記各頂端部及び底端部を平らにして前記各端部フラップを前記端部上に折り曲げるため前記形成経路に沿って各パックと周期的に協働する複数の折り曲げ装置と、を実質的に備えてなる折り曲げユニットは、例えば特許文献1から既知である。
【0012】
前記折り曲げユニットは、前記パックを加熱し、該パックの前記頂端部及び底端部における外側プラスチック層を形成するプラスチック材料を溶融させるよう構成された加熱手段を備える。
【0013】
前記折り曲げ装置の一つは、前記パッケージと接触できるように前記チェーンコンベアの上方に構成されたプレスユニットを備える。該プレスユニットは 前記端部フラップを本体の各壁部上に押圧し、かつ、プラスチック材料がセットされた後、これら端部フラップが前記本体の前記壁部にシールされる。
【0014】
前記プレスユニットはループの形状をしたベルトを備え、かつ、前記パックと接触して前記端部フラップを押すように構成された下部ブランチを備えている。前記プレスユニットは駆動部材を備え、該駆動部材は前記ベルトを、その回転が前記チェーンコンベアの動きと同期するように駆動する。
【0015】
前記プレスユニットはさらに前記チェーンコンベアの方を向くプレートを備え、前記ベルトが回転したときに、このプレート上を、前記ベルトの前記下部ブランチがスライドする。実際は、該プレートは、前記ベルトとパッケージとが互いに接触しているときにベルトがパッケージから動いて離れることを防止し、前記ベルトが前記端部フラップに必要な押下力を付与することができるようにしている。
【0016】
前記ベルトはさらに、該ベルトから突出して前記チェーンコンベアに向く複数の膨出部を備える。また膨出部は、自身が押圧すべき前記パックの端部領域に実質的に適合する形状を有している。膨出部は、各膨出部が前記チェーンコンベアによって運ばれる対応のパックに接触するように、ベルトに沿って離間している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】欧州特許公開第1726526号公報 (EP 1726526 A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
前記折り曲げユニットは信頼性がありかつ効率的なものではあるが、さらなる改善の余地を残している。
【0019】
前記折り曲げユニットの欠点は、前記ベルトが前記プレート上を高速でスライドするため、前記プレスユニットが、摩擦によって生ずる熱を消散させるための冷却システムを備える必要があることである。そのため、前記プレートを構成する金属体は、冷却用流体のためのチャネル、すなわちパイプ、を備えている必要がある。
【0020】
前記折り曲げユニットの別の欠点は、前記ベルトが 前記プレートと接触するために一定の作業時間が経過すると摩耗し、そのため交換しなければならないということである。
【0021】
上述の欠点は、包装装置の生産速度が大きい場合、すなわち前記チェーンコンベア及び前記プレスユニットの前記ベルトの速度が大きい場合には助長されることになる。
【0022】
本発明の目的は、パック折り曲げ用の前記折り曲げユニットを改良することである。
【0023】
本発明の他の目的は、高速充填装置と共に使用可能な折り曲げユニットを提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、パックの端部フラップを押す装置の摩耗が少ない折り曲げユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によれば、請求項1に規定されるように、シールされたパックから包装材料のチューブ内に注ぐことの可能な食品のパッケージを製造するための折り曲げユニットが提供される。
【0026】
以下、本発明の非限定的ないくつかの好ましい実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係る折り曲げユニットを簡単のため一部を省いて示した部分断面概略図である。
【
図2】簡単のため一部を省略して示す
図1の拡大図である。
【
図3】
図1に示した折り曲げユニットのプレス装置の斜視図である。
【
図4】
図3に示したプレス装置の押圧部材の長手方向に沿った断面図である。
【
図5】
図1に示した折り曲げユニットによって折り曲げられるパックの斜視図である。
【
図6】
図5に示したパックを、
図1に示した折り曲げユニットを使用して折り曲げてできたパッケージの斜視図である。
【
図7】本発明に係る折り曲げユニットのプレス装置の他の実施形態を示す長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1ないし
図7は、包装装置(図示せず)のための折り曲げユニットを開示している。包装装置は、包装材料(図示せず)の既知のチューブ体から、例えば低温殺菌又は超高熱処理された牛乳、果汁、ワインなどといった注ぐことのできる食品のためのシールされたパッケージ2を連続的に製造するためのものである。
【0029】
前記チューブ体は、ヒートシールシート材料からなる既知のウェブ(図示せず)を長手方向に折り曲げかつシールすることにより、前記折り曲げユニットの上流から既知の方法で形成される。ヒートシールシートは、剛性及び強度のための基層を持っていてもよく、例えば紙などの繊維材料からなる層あるいはミネラル充填されたポリプロピレン材料からなる層、及び、前記基層の両面を覆うヒートシールプラスチック材料例えばポリエチレンフィルムからなるいくつかの層から形成されていてもよい。長期保存食品のための殺菌処理パッケージ2では、包装材料はまた、気体・光遮断性材料、例えばアルミニウムフォイル又はエチルビニルアルコール(EVOH)フォイルを備えていてもよい。該気体・光遮断性材料はヒートシールプラスチック材料の層に重ねられており、さらにヒートシールプラスチック材料の別の層によって覆われて、最終的に商品と接触する該パッケージ2の内面を形成している。
【0030】
包装材料の前記チューブ体には次いで前記食品が充填され、そしてシールされ、さらに、等間隔に離間した断面に沿って切断され、ピロー形状をしたいくつかのパック3に形成される。これらパックは折り曲げユニット1に送られ、そこで機械的に折られ、実質的に平行六面体となる個々のパッケージ2に形成される。
【0031】
あるいは、前記包装材料を複数のブランクに切断し、それらをフォーミングスピンドルによってパッケージ2に形成し、該パッケージ2に食品を詰めてシールする。このタイプのパッケージの一例としては、「テトラ・レックス 」(登録商標) (Tetra Rex (登録商標))の商品名で知られているいわゆる「屋根型」(“gable-top”) パッケージがある。
【0032】
図5はパック3の一実施形態を示しており、該パック3は、筒状に折られた前記ウェブから包装材料の前記チューブ体を製造するため形成された長手シールバンド4を有している。長手シールバンド4は、該パック3の一側部に沿って延び、対向した両端部において、該長手シールバンド4に対して直角となりかつ同シールバンド4に接続された第1横断シールバンド5及び第2横断シールバンド6によって閉じられている。
【0033】
各パック3は軸線Aを有し、かつ本体7と、該本体7から各第1交差シールバンド5及び第2シールバンド6に向けてテーパをなす第1端部8及び第2端部9と、を有する。
【0034】
前記パック3の前記本体7は、互いに交互に重なる二つの第1側壁10a及び第2側劇10bによって画定されている。
【0035】
前記第1端部8及び第2端部9は2つの壁部12で形成されている。各々の壁部は、実質的に二等辺台形をなし、互いの方に向かうように、軸線Aと直角となる面に対してなだらかに傾斜している。また、各壁部はそれぞれ、各側壁10aの対向端縁によって規定された短辺と、前記第1交差シールバンド5及び第2交差シールバンド6によって互いに接合された長辺と、を有する。
【0036】
前記長手シールバンド4は、前記第1交差シールバンド5と前記第2交差シールバンド6との間で、側壁10aの全長、さらに該側壁10aと同じ側で対応する2つの壁部12に沿って延在している。
【0037】
前記第1端部8は、前記第1シールバンド5から形成されて実質的に長方形をなし、かつ、該パック3から軸線Aの方向に突出した第1端部フィン17と、前記本体7の対向した側部から側方に突出しかつ前記壁部12の端部及び前記側壁10bの対応する三角形端部によって規定された実質三角形の2つの第1三角フラップ19と、を有する。
【0038】
同様に、前記第2端部9は前記第2シールバンド6から形成されて実質的に長方形をなし、かつ、該パック3から軸線Aの方向に突出した第2端部フィン18と、前記本体7の対向した側部から側方に突出しかつ前記壁部12の端部及び前記側壁10bの対応する三角形端部によって規定された実質三角形の2つの第2三角フラップ20と、を有する。
【0039】
より詳細には、前記第1端部フィン17及び前記第2端部フィン18の各々は軸線Aと直交する方向に沿って延在している。
【0040】
パッケージ2を形成するには、前記折り曲げユニット1が前記第1端部8及び前記第2端部9を互いの方向に下方に平らにプレスし、それと同時に、前記第1端部フィン17を、平らにされた前記第1端部上に折り曲げ、かつ、前記第2端部フィン18を、平らにされた前記第2端部9上に折り曲げる。
【0041】
前記折り曲げユニット1が、前記第2三角フラップ20を前記第1端部8に向けて各側壁10bの頂端上に折り曲げ、かつ
図6に示すように、前記第2端部9の反対側で、前記第1三角フラップ19を先に折られた第1端部フィン17の上に折る。
【0042】
図1ないし
図4に関し、前記折り曲げユニット1は、パック3を形成経路Bに沿って供給部(図示せず)から取出部(図示せず)に連続的に送り出すエンドレスコンベア23を備える。
【0043】
さらに前記折り曲げユニット1は、各パック3と周期的に協働する第1折り曲げ手段(図示せず)を備え、前記第1端部8を平坦にし、前記第1端部フィン17を第1端部8上に折り曲げ、そして前記第1三角フラップ10を、前記第2端部9の反対側で、既に平坦にされた第1端部8上に折り曲げる。
【0044】
折り曲げユニット1はさらに前記第2端部フィン18を、平坦にされた第2端部9上に折り曲げるために、第2折り曲げ手段(図示せず)を備える。
【0045】
折り曲げユニット1はさらに、前記第2三角フラップ20を軸線A及び第1端部8に向けて曲げるための第3折り曲げ手段21を備えている。
【0046】
折り曲げユニット1はまた、加熱装置(図示せず)を備える。該加熱装置は、途中まで曲げられた第1三角フラップ19及び第2三角フラップ20に作用して、これらが前記第1端部8及び第2側壁10bのそれぞれに対しプレスされかつシールされる前に、これら第1三角フラップ19及び第2三角フラップ20の包装材料の外層を溶融させる。
【0047】
さらに折り曲げユニット1は、前記第1三角フラップ19が冷却する際に、各パック3と協働して前記第1三角フラップ19を、平らにされた第1端部フィン17上に保持するプレス装置22を備える。
【0048】
前記加熱装置は、前記プレス装置22の、形成経路Bに沿った上流に配置されている。
【0049】
前記エンドレスコンベア23は、一例としてチェーン24として示した、エンドレス搬送部材を備えている。該エンドレス搬送部材は、互いにヒンジ接続された複数の剛体モジュール又はリンク25を備えたループを形成している。
【0050】
前記チェーン24は、搬送部26と、該搬送部26とほぼ平行となる戻り部27と、2つのC字状部28とを備えて構成され、C字状部28は、その凹部同士が向き合った形態で前記搬送部26及び前記戻り部27に接続されている。
【0051】
本実施形態において、前記搬送部26及び前記戻り部27は直線的でありかつ水平である。この場合、搬送部26は戻り部27の上方に位置している。
【0052】
各リンク25は、各パック3を受けるように構成されたほぼ平坦なプレート29と、該プレート29から突出し、かつパック3の前記第1側壁10aの一つと協働してそれを押し、パック3を経路Bに沿って送り出すパドル30と、を備える。
【0053】
図示の実施形態において、前記第3折り曲げ手段21は、複数の対のシェル70を持つ。シェル70の各対は各前記リンク25上に構成されている。各対を構成するシェル70は、各リンク25によって経路B上を進むとともに、各リンク25上を経路Bと直交する方向にスライドすることができる。
【0054】
図示しない他の実施形態において、前記第3折り曲げ手段は固定位置に設置され、パック3がエンドレスコンベア23によって搬送された際にパック3と接触する。
【0055】
前記プレス装置22は、複数のリンク部材33を有したチェーンコンベアが設けられた搬送装置31を備える。
【0056】
前記チェーンコンベア32は、第1スプロケット34及び第2スプロケット35に架け渡されたループを形成している。
図1ないし
図4に示した実施形態では、前記第1スプロケット34は、チェーンコンベア32を進行方向Dに沿って回転させるモータ36に接続されている。該チェーンコンベア32は前記エンドレスコンベア23と同期作動する。
【0057】
前記プレス装置22は押圧部材37を備える。該押圧部材37は、前記チェーンコンベア32に支持されており、前記第1三角フラップ19を形成する包装材料のプラスチック層が冷却する際に、前記第1三角フラップ19を平らにされた前記第1端部フィン17上に押し付ける。
【0058】
各押圧部材37は各リンク部材33に支持されている。特に、
図1ないし
図4及び
図7に示す実施形態において、いくつかの押圧部材37はいくつかのリンク部材33の半分部分を構成しており、一の押圧部材37は、該チェーンコンベア32の全ての第2リンク部材33に構成されている。
【0059】
図4を参照すると、各リンク部材33は、隣接するリンク部材33にピン38によってヒンジ結合されている。
【0060】
前記押圧部材37は前記リンク部材33に結合されており、かつ同リンク部材33に対して動くことが出来る。特に、前記押圧部材37は、前記ピン38を介してリンク部材33にヒンジ結合された本体39を備える。
【0061】
リンク部材33と押圧部材37との間には、押圧部材37をリンク部材33から離れる方に付勢する弾性部材40、例えばバネが介装されている。該弾性部材40は、一部が前記リンク部材33のシート41内に受けられ、かつ一部が前記本体39の凹所42内に受けられている。前記本体39は、前記リンク部材33にヒンジ結合された支持部43と、該支持部43から突出した膨出部44とを備える。膨出部44は、締結部材45、例えば前記膨出部44の貫通孔を通して前記支持部43に螺着されたネジ、によって前記支持部43に結合されている。このネジを外すことによって前記膨出部44を支持部33から取り外すことができるので、前記弾性部材40が劣化した際には、前記シート41及び前記凹所42にアクセスして弾性部材を交換することができる。また、膨出部材44は、異なる形状及び/又は大きさを持った別の膨出部材と交換することも可能である。このように、プレス装置22は、異なる種類のパッケージを形成するよう構成された折り曲げユニット1及び包装装置とともに用いられる。
【0062】
前記搬送装置31は、チェーンコンベア32が進行方向Dに沿って駆動された際に支持構造48上を転がるよう構成された複数の転動部材47を備える。
【0063】
前記転動部材47は複数のロー
ラである。これらローラは、ピン38によって前記
リンク部材33に回転可能に取り付けられている。
【0064】
チェーンコンベア32は、前記エンドレスコンベア23に向いたアクティブブランチ49を有している。該アクティブブランチ49は、押圧部材37がパック3と接触を開始する入口領域51から、押圧部材37が各パッケージから離れる出口領域52まで、進行方向Dに沿って延在している。
【0065】
チェーンコンベア32はまた、前記エンドレスコンベア32から離れた方を向き、かつ前記出口領域52まで延在する戻り部50を有している。
【0066】
前記支持構造48は、前記入口領域51と出口領域52との間で、進行方向Dに沿い、かつエンドレスコンベア23の方を向いて構成された固定支持プレート53を備える。該固定支持プレート53は前記アクティブブランチ49と接触するよう構成されている。この装置の稼働中、前記押圧部材37が前記パック3を押すと、前記転動部材47が該固定支持プレート53上を転がり、該固定支持プレート53は前記リンク部材33がエンドレスコンベア23から外れること、すなわちパック3から外れることを防止する。このように、押圧部材37はパック3に適正な押圧を付与することができる。
【0067】
前記支持構造48はさらに、前記入口領域51と出口領域52との間で、進行方向Dに沿い、かつエンドレスコンベア23とは反対の方を向いて構成された固定支持体54及び可動支持体55を備える。該固定支持体54及び可動支持体55は前記戻り部50と相互作用する(関わり合う)よう構成されている。
【0068】
前記可動支持体55は、ピン部材57によって前記折り曲げユニット1の固定フレーム56にヒンジ取り付けされており、バネ58によってチェーンコンベア32に向けて押圧される。該可動支持部材55はチェーンコンベア32のためのテンション付与装置として機能する。
【0069】
作動中、パック3は前記エンドレスコンベア23によって搬送される。特に、各パック3は、連続した2つのパドル30により規定される間隙に受領される。
【0070】
前記プレス装置22の上流において、前記パック3は、前記エンドレスコンベア23によって経路Bに沿って搬送されている間、前記第1折り曲げ手段による操作を受け、前記第1端部8が平らにされ、前記第1端部フィン17が第1端部8上に折り曲げられ、かつ前記第1三角フラップ19の、対向する記第2端部9上の予め平らにされた前記第1端部8への折り曲げが開始される。
【0071】
さらにパック3は前記加熱手段と関わる。該加熱手段は、部分的に折り曲げられた第1三角フラップ19に作用し、第1三角フラッ19を前記第1端部8に押し付けかつシールする前に、同第1三角フラップ19の包装材料の外部プラスチック層を溶融させる。
【0072】
次いで、パック3は前記入口領域51に至り、そこでは前記押圧部材37がパック3に接触して、前記第1三角フラップ19を前記第1端部フィン17及び第1端部8に押し付け、該パッケージ2の端壁60を形成する。図示例においては、各パック3はエンドレスコンベヤ23によって「さかさま」の状態で搬送されるため、前記端壁60は該パッケージ2の底壁となっている。
【0073】
前記押圧部材37は、進行方向Dに、経路Bに沿ったパック3と同じ速度で進む。このように、各押圧部材37は対応するパック3に関わる。
【0074】
特に、押圧部材37を支持しているチェーンコンベア32の前記リンク部材33は、連続する2つのパドル30によって規定される対応する間隙に対向し、かつそれ故にパック3を該間隙内に収容しており、一方、押圧部材37を支持していないチェーンコンベア32の前記リンク部材33はパドル30に対面する。
【0075】
前記転動部材47は前記支持構造48上を転動する。特に、転動部材47は、該転動部材47のための当接部材として機能する固定支持プレート53上を転動する。弾性部材40によって付勢されている前記膨出部44は、パック3に接触し、前記第1三角フラップ19を第1端部フィン17及び第1端部8に貼り付ける。
【0076】
このように、パック3から、最終的なパッケージ2が得られる。
【0077】
次いで、これらパッケージ2は前記出口領域52に至り、ここで押圧部材37はパッケージ2から離れる。
【0078】
図7は本発明による折り曲げユニット1の別の実施形態を示すもので、プレス装置22に、前記搬送装置31を進行方向Dに沿って駆動させるための駆動手段61が設けられている。この実施形態では、折り曲げユニット1は前記モータ36及び前記第1スプロケット34を備えておらず、また第2スプロケット35は空回りする。
【0079】
前記駆動手段61は、第1駆動手段、特に前記リンク部材33から突出した突起62と、第2駆動手段、特に前記パドル30の窪み63(
図1及び
図2参照)とを有している。
【0080】
前記突起62は前記窪み63に係合する形状とされている。
【0081】
このように、前記突起62は窪み63と噛み合って、搬送装置31を回転させる。
【0082】
前記突起62は、前記押圧部材37を持たないリンク部材33から延出している。すなわち、突起62及び押圧部材37は、チェーンコンベア32のリンク部材33において交互配置とされている。
【0083】
チェーンコンベア32においてリンク部材33が配置されているピッチは、エンドレスコンベア23においてリンク25が配置されているピッチと同じである。このようにして各押圧部材37は、対応のパック3と関わり合う。特に各押圧部材37は一度に一つのみのパック3と関わり合う。つまり、各パック3に対しては一つの材37が割り当てられる。本発明によるこの折り曲げユニット1の優位点は上述の記載より明らかであろう。
【0084】
前記転動部材47によって、ベルトが前記プレート上をスライドする既知のプレスユニットに比して摩擦は大幅に低減される。特に、本発明によって、前記搬送装置と前記支持構造との間の滑り摩擦が転がり摩擦に替わることになる。このように、冷却システムは不要となる。さらに、前記搬送装置は、既知の折り曲げユニットのベルトと異なり、左程の摩耗を生じないため交換が不要である。
【0085】
また、本発明による折り曲げユニットは、非常に高い出力レートであっても摩耗及び過熱のリスクがないため、高速充填装置と組み合わせて使用することができる。
【0086】
加えて、本発明による折り曲げユニットによれば、プレス装置22が各パック3毎に対応する押圧部材37を有しているため、パッケージの形成はより良好なものとなる。対して、既知のプレスユニットのベルトは、一度に一組(例えば3個)のパックと関わるものである。
【0087】
このように、組とされたパックのうち一つのパックに欠陥があった場合、或いは紛失した場合には、組とされたパックの他のパックにより高い圧力が掛かり、それら他のパックに損傷を与えかねない。
【0088】
つまり、本発明によれば、全てのパッケージには実質的に同じ形成圧力が掛かることになる。
【0089】
さらに、前記押圧部材37が前記搬送装置31に対して動くことができ、そのために形成される端壁60とより良好な位置関係の下で関われるという事実によって、パッケージ2の形成はさらに優れたものとなる。これは、前記膨出部がベルトと一体とされた、特に膨出部とベルトとが一体ものとして構成された既知のプレスユニットでは不可能なことである。
【0090】
さらに、本発明による折り曲げユニットはモジュール化し、種々の形状及びサイズのパッケージを製造するよう構成された包装装置と共に用いることが可能である。その場合、前記膨出部44を除去して、所要の形態を有した膨出部と交換すれば足りる。対して、既知の折り曲げユニットでは、各パッケージのサイズ及び形状にあったベルトが必要となる。
【0091】
また、前記プレス装置22が駆動手段61を有していれば、折り曲げユニット1は、モータ36を排除して単純化できる。
【0092】
添付の特許請求の範囲に規定された技術的保護範囲から逸脱しない範囲で、ユニット1は変更が可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0093】
1 折り曲げユニット
2 パッケージ
3 パック
19 フラップ
23 コンベア
25 リンク
26 搬送部
31 搬送装置
32 チェーンコンベア
33 リンク部材
37 押圧部材
40 弾性部材
47 転動部材
48 支持構造
49 アクティブブランチ
62 第1駆動手段/突起
63 第2駆動手段/窪み