(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427603
(24)【登録日】2018年11月2日
(45)【発行日】2018年11月21日
(54)【発明の名称】回転防止リンクを有する集積回路チップテスタ
(51)【国際特許分類】
H01R 33/76 20060101AFI20181112BHJP
【FI】
H01R33/76 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-572744(P2016-572744)
(86)(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公表番号】特表2017-519341(P2017-519341A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】US2015027136
(87)【国際公開番号】WO2015195201
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年4月16日
(31)【優先権主張番号】14/310,824
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515255250
【氏名又は名称】エクセラ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】XCERRA CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ランダ,ビクター
【審査官】
板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第07918669(US,B1)
【文献】
米国特許第07955092(US,B1)
【文献】
特開平10−116670(JP,A)
【文献】
特開平10−050440(JP,A)
【文献】
特開平11−031540(JP,A)
【文献】
特開2002−246128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を伝送することができるように集積回路(IC)をボードに電気的に結合するためのソケットであって、
前記集積回路を受けるためのプラットフォームと、
マウント及び前記マウントを中心としてピボット運動可能な関連するリンクを各々備える、複数の二部品コネクタ組立体と、
前記各マウントは、前記プラットフォームに保持され、関連する前記リンクに対向する横側に湾曲したキャビティを備え、
前記リンクは、上側に弓形接触面を含み、前記プラットフォームのスロットから隆起し、前記リンクは、前記集積回路と転がり接触するように適合され、前記リンクは、前記マウントの湾曲したキャビティ内に着座される丸みのある端部を有するロッカーアームを含み、
第1段階の圧縮応答及び第2段階の圧縮応答を有する、複数の前記リンクの下部で接触して、かつ前記リンクを付勢するように配置される、細長いエラストマーと、
を備え、
前記集積回路と前記プラットフォームとの接触が、前記第1段階の圧縮応答から前記第2段階の圧縮応答を通じて、前記リンクを前記細長いエラストマーの付勢に抗してピボット運動させ、
前記第1段階の圧縮応答及び前記第2段階の圧縮応答が前記細長いエラストマーの穴によってもたらされる、
ソケット。
【請求項2】
前記細長いエラストマーが、四角形であり、ウェッジ形支持体内に着座される、請求項1に記載のソケット。
【請求項3】
前記細長いエラストマーが、上方に丸みのある角部を有しており、ウェッジ形支持体から延在する、請求項2に記載のソケット。
【請求項4】
前記プラットフォームが、前記プラットフォームに前記マウントを取り込むために前記マウントの角度のついた対向する面と係合する角度のついた側壁を含む、請求項1に記載のソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路をIC基板と電気的に接続するソケットに関する。より具体的には、本発明は、IC被テストデバイス(DUT)と1台のテスト機器又は他のフィクスチャのロードボードなどのボードとの確実な接続を達成する二部品コネクタのアレイを組み込む、集積回路をテスト又は接続するのに用いられるようなソケットに向けられる。
【背景技術】
【0002】
集積回路テスタデバイスは、チップの品質を製造ラインから離れてテスト及び評価するのに半導体産業で長らく用いられてきた。信号完全性がチップ設計及びテストの重要な態様である。この目的のために、集積回路の導線をその対応するロードボードパッドに相互接続するコンタクトの導電部を通じて、インピーダンスを特定の所望のレベルに維持することが望ましい。設計の有効インピーダンスはいくつかの因子の関数である。これらは、導電パスの幅及び長さ、導電構造体が作製される材料、材料の厚さなどを含む。
【0003】
集積回路(IC)などのパッケージされた又は成形された半導体デバイスの電気的特性をテストするときに、ICをその性能を評価する機器、すなわちロードボードに固定及び接続する、特化されたテストソケットを使用するのが一般的である。テストされるチップの集積回路の導線をテスタのロードボードに迅速に一時的に接続するための多くの異なるテストソケットが考案されている。自動テスト装置は、特に、いくつかのこうしたソケットを用いる。通常のソケット構成は、ICの導線とロードボードとの間に位置するコンタクトにのしかかる力を用いて、コンタクトのプローブチップを変形させ、ロードボードにパッドを係合させる。こうした構成は、DUTのピン又はコンタクトパッドとテスト装置の対応する導線との間に確実な接続を提供する。このタイプの接続の例は、例えば、Rathburnの米国特許第6,409,521号及びSherryの米国特許第7,737,708号で見出すことができ、この両方の教示及び内容は引用により本明細書に十分に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集積回路のテストのためにも又は基板上にこうした回路をマウントするためにも、適切なソケットのようなコネクタが必要とされる。コスト、低い高さを有すること、及び電気信号パスを短縮することなどの因子が、産業を従来技術のソケットの改善を絶えず追及することに向かわせる。上記への解決策が、本発明の譲受人に譲渡された、Tiengtumの米国特許第7,918,669号によって提供されており、その内容は引用により本明細書に十分に組み込まれる。該デバイスの特徴は、コネクタの弾性付勢を提供する円筒形エラストマーであり、これは、テストデバイスが被テストデバイス(DUT)との有効な接触を確実に生じることを可能にした。しかしながら、この円筒形エラストマーは、すぐに摩耗し、複数回の使用後に変形し始め、その有効性が低下する。これは摩耗し始めるとねじれることがあり、さらなる摩耗につながり、弾力性を失うことになる。これは、特定の条件下で信頼できる接触を生じるコネクタでの問題につながる。本発明は、こうした問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、好ましくは少なくとも1つの辺縁に沿って直線的に配列される一連のコンタクトパッド又は他の電気接続部を有する、集積回路のためのソケットであり、該ソケットは、ICを支持し、かつ、集積回路のコンタクトパッドと係合したときにコンタクトパッドとプラットフォームよりも下の関連するフィクスチャのコンタクトとの電気接続を完成させる複数のコネクタを収容する、プラットフォームを含む。ソケットのプラットフォームは、対応する複数の電気コンタクトを位置合わせし、各スロットにつき1つを受け入れるための、複数の概して平行なスロットを有してもよい。各電気接触パスは、コンタクトパッドとフィクスチャのコンタクトとの間で電気接続をなすように協働する、二部品リンク機構で形成される。コンタクトの二部品は、ICとボードとの間で信頼性のある電気接続をなすように一緒に協働する。
【0006】
二部品コネクタ組立体は、要素の変形なしに係合位置にピボット運動するように構成される。変形する構成要素は、繰り返されるライフサイクルと共にそれらの弾力性を失い、ソケットの接触の減少又は故障につながることがあるので、変形は有利に回避される。本発明では、コンタクトの第1の部品は、「マウント」と呼ばれ、概して平坦かつ平行な上面及び下面と、僅かに上方に傾斜した配向を有する丸みのある球根状のキャビティが形成される側面とを有する。丸みのあるキャビティは、後述のロッカーアームの好ましいパーチェスに適応する僅かに広がる口を有する実質的に半円形である。丸みのあるキャビティは、湾曲したフィンガ状の突出部を通って上側区域に沿って平坦な上面に遷移し、さらに、その下側区域では下面から離れて上方に傾くリップ部材を画定するように遷移する。リップ部材は、キャビティを画定するその湾曲した上縁を概ねたどるように湾曲した下縁を有し、上縁と下縁との両方は前方に面する前縁で終端する。
【0007】
マウントは、不動のままであるようにプラットフォーム内に固定され、好ましくは、マウントを下のロードボードに僅かに埋め込むために上面よりも上のプラットフォームからの圧縮予荷重を含む。好ましい実施形態では、マウントには、プラットフォームに押し込まれて、テスト動作中のマウントの移動を防ぐ、角度のついた背面が形成される。固定されたマウントは、第2の部材、すなわちリンクを受け入れるように機能し、そのピボット運動の支点のように作用する。
【0008】
リンクには、ICの関連するコンタクトパッド(又はピン)との接続を生じる接点として作用する、弓形上面が形成される。弓形上面は、湾曲した上面がその最初のスタンバイ位置からその係合位置を通して回転する際にICのコンタクトパッドとのスムーズな転がり接触を維持する湾曲を有する。横方向外方にリンクの弓形上面から離れる方に突き出るのは、丸みのある先端部につながるネック部を有するロッカーアームである。ロッカーアームの丸みのある先端部は、マウントのキャビティと嵌合するように寸法設定され、リンクのボール・ソケット式のピボット運動を提供する。すなわち、マウントのキャビティ内に着座されるときのリンクの丸みのある先端部は、ロッカーアームのネックが、キャビティの口を画定する表面間を、すなわち、リンクがICと下のテストデバイスとの両方と接触していないスタンバイ位置又は係合解除位置と、リンクがマウントとしっかり接触しており、回路が完成される係合位置との間をスイングする際に、丸みのある先端部の端を中心として回転することができる。
【0009】
ICが存在しないときにリンク部材をスタンバイ位置又は係合解除位置に付勢するために、リンク部材の後ろ及び下に細長い弾性エラストマーが配置される。細長い弾性エラストマーは、エラストマーを保持するように形状設定されたプラットフォームのキャビティに存在する。ICがテストソケットに乗せられるときに、ICのコンタクトパッドが、エラストマーの付勢に抗してリンクの弓形上面を下方に押す。エラストマーは、リンクのロッカーアームを、マウントのキャビティの表面と接触している状態に維持する。ICチップの下方移動の力がエラストマーの付勢を克服する際に、リンクがマウントを中心として回転することになり、管状弾性部材の横方向の力によって、キャビティ内のロッカーアームの係合が強制的に確立されることになる。マウントは、ロードボード又は他のフィクスチャの電気コンタクトと嵌合する下面を有し、リンクは、ICコンタクトパッドとしっかり接触する。したがって、ロッカーアームとマウントのソケットとの相互接続が、IC DUTと関連するフィクスチャとの間の回路を完成させる。
【0010】
エラストマーは、好ましい実施形態では丸みのある第1の角部を有する四角形の外形に形状設定することができる。エラストマーは、丸みのある角部が上方に面し、リンクと接触するように、ウェッジ形支持体内に着座される。エラストマーの四角形の形状は、四角形の全面に対し接線方向のみの接触を生じる円筒形のエラストマーに比べて、確実にリンクとより大きく接触するようにする。エラストマーは、エラストマーの中央を通る長手方向の穴を組み込むことによって2段階の力でのみ動作することができる。穴は、エラストマーの寿命を犠牲にせずに適合性の範囲を増加させつつ、接続を確実なものにし、かつ、接触を改善するのに用いることができる、さらなるレベルの力を提供する。リンクがエラストマーと最初に接触するときに、エラストマーは中央に穴があるためにより容易に圧縮される。したがって、より小さい力がリンクに及ぼされる。しかしながら、エラストマーの圧縮が穴を閉鎖すると、エラストマーのすべての残りの断面がさらなる圧縮に抗い、これにより、リンクに対する力を増加させる。この増加した力は、最初の接触段階の間にエラストマーが時期尚早に摩耗しない状態で、被テストデバイスと確実により良好に接続するようにする。
【0011】
本発明のこれらの及び多くの他の特徴は、以下の説明及び図面を参照することで最もよく理解されるであろう。しかしながら、発明者のベストモードが説明及び図示されているが、本発明はどの特定の図面又は説明にも限定されないことが理解される。むしろ、当業者にはすぐに分かるであろう本発明の多くのバリエーションが存在し得ること、及び本発明はすべてのこうしたバリエーション及び修正を包含することが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のテストソケットの実施形態の立面斜視図である。
【
図2】コネクタ構造体を例示するテストソケットの一部の拡大立面切取図である。
【
図3】係合位置にあるリンク及びマウントの拡大断面図である。
【
図4】エラストマー及びウェッジ形支持体の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、その内容が本明細書に組み込まれる米国特許第7,918,669号で概して説明されるタイプの集積回路テストソケット40を例示する。テストソケット40は、テストソケットをテスト機器上にマウントするために4つまでの位置合わせ穴42を備える概して四角形の外形を有する。テストソケット40のプラットフォーム44上に、テストを受ける集積回路チップ14を受け入れるために四角形の凹部46が形成される。上記で引用した‘669特許でより十分に説明されるように凹部46内に複数の電気コネクタが形成される。凹部46にチップ14が配置されると、テストソケット40が、例えばハンドラワークプレス内に配置され、一体化されたチップのテストに備えてハンドラにクランプされてもよい。自動と手動との両方の他の構成も本発明で可能である。
【0014】
図2は、DUTをテストするのに必要とされる接触を生じるようにテストソケットと協働する電気コネクタを例示する。テストソケット40は、ICから電気信号を受信し、信号の品質、強度、及び他の特性を評価することができる、テスト機器の一部として、パッド18上に着座される。テストソケット40の目的は、チップのコンタクトパッドからの信号を、プラットフォーム12内の複数のコネクタ組立体52を介して、下のテスト機器に電気的に受け渡すことである。各コネクタ組立体52は、ICが存在しないスタンバイ位置又は係合解除位置(
図3に示す)と係合位置との間でピボット運動し、係合位置は、コネクタ組立体52を通じたIC14とテスト機器パッド18との間の完成した電気回路に対応する。ソケット40のプラットフォーム54は、
図2に示すようにコネクタ52の一部がその上面から現れることを可能にする複数のスロット56を有する。米国特許第7,918,669号でより詳細に説明されるように、ICチップ14がプラットフォーム54上に配置されるときに、ICチップ14の
コンタクトパッド79は、スロット56から隆起するコネクタ組立体52の一部と接触し、コネクタ組立体52を係合位置にピボット運動させる(
図3)。このようにして、IC
チップ14がテストソケットプラットフォーム54上に配置されるときに電気接触が確実に自動的に確立される。
【0015】
電気接続を確立するコネクタ組立体52は、リンク
62とマウント
60とを有する二部品組立体である。細長い弾性エラストマー58が、プラットフォーム54に収容され、コネクタ組立体52を係合解除位置に付勢するのに役立つ。マウント
60は、プラットフォーム54内に保持され、概して平坦な上面及び概して平坦な下面を含む。好ましい実施形態では、プラットフォーム54は、マウント
60が下のテスト機器接触面に延びて僅かに食い込むように、マウント
60を僅かに圧縮するように寸法設定される。下面と上面の間に、僅かに上方に傾斜した配向を有する横方向に開口したキャビティがある。キャビティは、口まで実質的に円形であり、次いで、リンク
62の方に徐々に広がり、キャビティは、リンク
62の一部を内部に保持するように概して寸法設定される。口の上縁は、湾曲したフィンガ状の突出部を通って上面に遷移する。同様に、口の下縁は、突き出るリップ部材を通って下面に遷移する。リップ部材は、前縁に向けて上方に湾曲する下縁を有する。
【0016】
ICがプラットフォーム54に乗せられるときに、ICの下面が、リンク
62の隆起する弓形面と接触し、細長い弾性エラストマー58の付勢に抗してリンク
62を下に押す。IC
チップ14が乗せられることで生じたこの下向きの力は、リンク
62がロッカーアームを介してマウント
60を中心としてピボット運動する際に、弾性エラストマー58の付勢(リンクを押し上げる)に抗してリンク
62を反時計回りに回転させる。これは係合位置(
図3)であり、したがって、IC
チップ14のコンタクトパッド79から、リンク
62の弓形接触面を通り、ロッカーアームを通って、マウント
60への直接フローパスが存在し、これはロードボード/テスト機器18の導線71上に組み込まれ、つながる。次いで、フローパスが確立されている状態で、IC
チップ14からの信号をテスト機器18によって従来の様態で処理することができる。
【0017】
図3は、マウント
60及びリンク
62及び細長い弾性エラストマー58を例示する。各マウント
60は、概して平坦な上面78及び概して平坦な下面80を含み、好ましい実施形態では、マウント
60は、マウントを定位置に「トラップする」又は取り込むためにプラットフォーム内の同様の角度のついた面86と協働する、角度のついた側壁84を含む。この角度のついた壁と角度のついた面との協働が、マウント
60を定位置に固定し、マウント60のどのような押し合いも低減させてコネクタ組立体52におけるより信頼できる接続を確立する。
【0018】
マウント60の下面と上面の間に、僅かに上方に傾斜した配向を有する横方向に開口したキャビティ106がある。キャビティ106は、口まで実質的に円形であり、次いで、リンク62の方に通じる際に徐々に広がり、キャビティ106は、リンク62の一部を内部に保持するように概して寸法設定される。口の上縁は、湾曲したフィンガ状の突出部108を通って上面78に遷移する。同様に、口の下縁は、突き出るリップ部材110を通って下面80に遷移する。
【0019】
リンク62は2つの主要な構成要素を有する。第1の構成要素は、ICがリンク62に下向きの力をかける際に上のIC14との転がり接触を可能にして、リンク62をマウント60を中心としてピボット運動させるように形状設定される、上縁に沿った弓形接触面96である。リンク62の第2の構成要素は、球根形の遠位先端部で終端するネック部を有するロッカーアーム98である。マウント60のキャビティ106及びロッカーアーム98の球根形の遠位先端部は、過度のウォブルなしに制御された様態でマウントのキャビティ内のロッカーアームの円滑なピボット運動を可能にするように相補的に寸法設定される。
【0020】
チップが存在しないとき、弾性部材58がリンク62のロッカーアーム98をプラットフォーム12のスロット56を通して上方に付勢する。これは係合解除位置又はスタンバイ位置であり、接続組立体52がICチップの受け入れ準備のできた状態である。チップ14がプラットフォーム上に配置されるときに、リンク62が下方に回転し、チップの電気コンタクト79とリンク62との間に接触が生じ、チップからの信号をテストデバイスにリレーするべくマウント60とコンタクトパッド71とテストデバイス618との回路が完成する。
【0021】
細長い弾性エラストマー58は、一方の側部206の中間点から反対の側部208の中間点へ部材の上半分にわたって円弧を描く丸みのある上面205を有する実質的に四角形である。エラストマー58は、丸みのある上面205がマウント60に隣接するリンク62に露出された状態でウェッジ形支持体210内に着座する。好ましい実施形態では、エラストマー58は、エラストマー58内に空隙を確立する長手方向のチャネル又は穴212を含む。これは、コネクタ組立体52によって圧縮されるときにエラストマー58の2段階の収縮を生み出す。最初の段階で、エラストマーは、空隙212の存在に起因してより容易につぶれることになり、リンクは中実のエラストマーよりも小さい力で付勢されることになる。しかしながら、リンクがエラストマーを圧迫し続ける際に、空隙が、なくなるまで減少することになり、その後のさらなる圧縮は、エラストマーをつぶすのにより大きい力を必要とする。空隙が依然として定位置にあるときのエラストマーを圧縮する第1の段階と、空隙がもはや存在しない又は圧縮応答を減らすのに効果的ではない第2の段階との、この2段階の圧縮は、付勢の最初の段階の間の過度の摩耗及び歪みを防ぐことによってエラストマーの寿命を延ばす。
【0022】
本開示は単なる例証であることが理解され、本発明の範囲を超えずに、細部に、特に部品の形状、サイズ、材料、及び構成に関して変更が加えられてもよいことがさらに理解されるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項の文言で定義されるとおりであり、上述の説明及び図面によってどのようにも限定されない。