【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、請求項1の特徴により達成される。
すなわち、汎用型のアクチュエータ/センサ装置は、コイルとロータとの間の力伝達磁束に、Z方向(アクチュエータとロータの間隔)等の少なくとも1つの方向でロータの移動を検知するセンサが配置されていることを特徴とする。
【0005】
本発明によると、ロータの変位を検知するセンサを、コイルとロータとの間の間隙の力伝達磁束に、力伝達磁束を妨害せず、または、出力信号で妨害されずに、直接配置することが可能である。
このセンサは、ロータの移動を少なくとも1つの方向、たとえば、上述したアクチュエータとロータの間隔を定義するZ方向で、検知する。
よって、センサは、そのセンサコイルまたは電極と共に、アクチュエータの動作方向のフロー、すなわち、動作フローに直接配置される。
【0006】
この時点で、アクチュエータが真空中または少なくとも減圧中に配置され、ロータまたは磁石が大気中に配置される(またはその逆で配置される)状況が数多く存在することに留意する必要がある。
そのような構成では、センサが、その物理構成により、真空/減圧と大気との間の分離位置を定義し、それらの領域の間のシールを形成することが考えられる。
【0007】
センサは、多様に構成される。
詳細には、センサは、アクチュエータの移動を横変位であるX/Y方向、および/またはアクチュエータとロータの間隔であるZ方向で検知する2つ以上のセンサ素子を備えている。
【0008】
センサは、平坦構造型の静電容量センサである。
特に、センサは、平坦構造型の渦電流センサとして構成される。
わかりやすくするため、以下では、1つまたは複数のコイルを備えた渦電流センサを取り上げる。
コイルの代わりに、静電容量センサの形式では、対応する電極が提供される可能性がある。
コイルが設けられた渦電流センサは、本発明の説明としての役割のみを果たす。
【0009】
センサ素子は、電子システムに接続され、この電子システムは、既知の態様で、コイルまたは電極の(複素)インピーダンスを検知し、それを磁石の相対位置および/または移動に依存する信号に変換する。
【0010】
既に説明したように、磁石は、ロータとして動作し、電磁気的に作動するアクチュエータにより影響を受けるか、または、変位させられる。
導電性材料のターゲット、たとえば、強磁性または好ましくは非強磁性の金属が、磁石と関連付けられる。
ターゲットの材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。
特に、磁石は、ターゲットにより運搬または保持される。
ただし、ターゲットも、磁石により運搬または保持される。
【0011】
ターゲットは、センサの機能を最適化する役割を果たす。
ターゲットは、アクチュエータコイルの磁場とセンサの出力信号の間の相互作用を防ぐ導電性材料を備える。
これは、磁石に対する直接測定または強磁性材料に対する直接測定の場合、センサにより生成される渦電流の形式が、磁石の磁束に依存するからである。
乱電流の形式が(導入深さ、振幅、直径について)変化すると、センサにより生成される場へのフィードバックが変化し、結果として、センサの出力信号に影響が及ぶ。
非強磁性材料の使用は、特に有利である。
【0012】
ターゲットは、ポットのような態様で構成され、そのポットのようなターゲットに磁石が係止または配置されると良い。
【0013】
特に、ターゲットは、アクチュエータに対向する面を有する湾曲状または球状に構成され、ターゲットの横変位が発生した場合に、その面とセンサまたはアクチュエータとの間に一定の間隔が生成される。
この場合、面の半径は、変位させられるターゲットの回転/旋回位置に対する半径に適応している。
よって、センサに対向するターゲットの面について最適な状況、すなわち、変位領域にわたって間隔が一定である状況が実現される。
【0014】
既に説明したように、センサは、アクチュエータとロータとの間の領域を分離することができる。
この場合、センサをアクチュエータと関連付け、センサでアクチュエータをカバーすると良く、それによって、アクチュエータをロータまたは磁石に対して密閉すると好ましい。
よって、センサをアクチュエータの端部側キャップとして構成し、センサの表面とターゲットとの間に残る、ロータ(ターゲットおよび磁石を含む)の移動を許容する空間を可能な限り少なくすることができる。
【0015】
センサは、センサコイルまたは電極が統合されたセラミック素子である。
別の態様では、センサは、アクチュエータ(該当する電子システムでは、接触に加えて、アクチュエータコイルおよびコア)を包含する筐体を終端するように、アクチュエータを閉じるかまたはカバーするプレートまたはキャップに統合される。
【0016】
セラミック素子は、既知の態様で、複数の層から構成され、コイルまたは電極も、たとえば、それらの層の間に構成される。
この多層構造の結果として、高い安定性を備えた多層コイルを、最小限の空間要件で構成することができる。
【0017】
アクチュエータは、Z方向でロータに力を排他的に適用して、アクチュエータに対するロータの間隔を変化させるように構成することができる。
また、X方向およびY方向で力を追加的または代替的に適用して、ロータの横変位を引き起こすように、アクチュエータを構成することも考えられる。
このために、アクチュエータは、素子の二重構造および対応する十字配置を備え、原則として、アクチュエータが、力をX方向、Y方向、および、Z方向で作用させて、ロータの対応する変位を実現することが考えられる。
これには、センサの対応する構造が必要である。
センサは、変位を制御するために、移動を検知する必要がある。
【0018】
よって、センサは、単層または多層コイルである2つ以上のセンサ素子を含むことができる。
センサ素子は、互いに並べて、または、互いに重ねて配置される。
コイルは、異なる搬送周波数により作動する。
これにより、磁石に対する測定でも、Z間隔の正確な検知が可能となる。
異なる搬送周波数での作動は、磁束に起因する「重大な変更(material changes)」を算術的に除去することができる、過剰連立方程式(overdetermined equation system)につながる。
【0019】
少なくとも2つのコイルが提供される場合、それらを互いに前後に配置して、代替的または継続的に作動させることができる。
標準の多周波方式は、1つのコイルを使用し、周波数を変化させる。
ここで、各コイルを、その誘導性の観点で、搬送周波数に個別に適応させると良い。
それにより、2つのコイルが提供される場合、それらのコイルを共振周波数に近づけて作動させることができる。
よって、優れた信号雑音比を実現することができる。
さらに、2つの周波数の差異は、十分な大きさとなるように選択することができる。
一方、1つのコイルを用いる従来の多周波方式では、周波数間隔は得てして、第2の周波数に関する必要情報を取得するために十分ではない。
【0020】
詳細には、X/Y方向での測定、および、場合によってはZ方向での測定に関し、ターゲットまたは磁石の位置が、作動面の観点でコイルにより構造化されたセンサを利用して判断されると良い。
この場合、センサコイルにより生成される磁場は、ターゲットまたは磁石の増加または減少するカバレッジにより影響を受ける。
センサの具体的な実施形態については、図面の説明で説明する。
【0021】
もう1つの利点は、少なくとも1つのコイル対を備え、当該コイル対のコイルが、差動構成であるセンサにより達成される。
このセンサは、ターゲットまたは磁石のX方向およびY方向の変位に加えて、すべてのコイルの出力信号の合計を計算するか、または、Z間隔を検知する独立したコイルを提供することにより、Z方向のターゲットまたは磁石に対する間隔を同時または交互に判断するように構成される。
ここで、X/Y変位を判断するコイルと、Z間隔を判断するコイルとは、異なる搬送周波数で制御されるのが好ましい。
X/Y変位を測定するコイルと、X間隔を測定するコイルとは、要件に応じて、同時または互いに独立して作動する。
【0022】
センサ内部の温度経路を確認し、必要に応じて補うために、温度測定を実行すると良い。
これは、相反する方向で構成され実際のセンサ素子と共にセンサ本体内に配置される抵抗経路の形式をした、抵抗素子を利用して実行することができる。
【0023】
本発明の方法に関し、上述した目的は、独立請求項18の特徴により、達成される。
【0024】
本発明の構成および方法は、さまざまである。
この点については、請求項1に従属する請求項が参照され、図面を含む本発明の実施形態について、以下の説明が参照される。
本発明の実施形態および発展についても、説明する。