【実施例】
【0024】
図1は、本願発明の実施例に係る給電システム1の構成の一例を示すブロック図である。給電システム1は、指令装置3と、総合制御所サーバ5(本願請求項の「総合制御所サーバ」の一例)と、スケジュール配信サーバ7(本願請求項の「スケジュール配信サーバ」の一例)と、調整給電部9(本願請求項の「調整給電手段」の一例)と、直接第1再エネ発電部11(本願請求項の「直接第1再エネ発電手段」の一例)と、間接第1再エネ発電部13(本願請求項の「間接第1再エネ発電手段」の一例)と、第2再エネ発電部15(本願請求項の「第2再エネ発電部」の一例)を備える。
【0025】
以下では、「第1再エネ発電部」は、直接第1再エネ発電部11及び間接第1再エネ発電部13をいう。「再エネ発電部」は、第1再エネ発電部及び第2再エネ発電部15をいう。「発電部」は、調整給電部9、第1再エネ発電部及び第2再エネ発電部15をいう。
【0026】
中央給電指令所は、指令装置3を備える。指令装置3は、発電部を制御する。国が定める優先給電ルールでは、まず、火力等の出力を抑制し、揚水動力を活用するなどの対応を行ったうえで、なお供給力が余剰となる場合に、再生可能エネルギーを利用した発電の出力制御を行うこととされている。
【0027】
調整給電部9は、優先給電ルールにおいて、指令装置3が再生可能エネルギーを利用した発電よりも先に調整することとされているものである。例えば、指令装置3が調整力として予め確保した発電機や揚水式発電機などである。
【0028】
再エネ発電部は、電力需要に対して、再生可能エネルギー(例えば太陽光や風力など)を利用して発電した電力を供給する。指令装置3は、再エネ発電部に対しては、これまでと同様に、前日までに再エネ発電計画を提示する。再エネ発電部は、原則として再エネ発電計画に従って発電を行う。本実施例では、太陽光発電を例に説明する。
【0029】
再生可能エネルギーを利用した発電の事業者は、様々である。以前は、例えば、前日までに提示された再エネ発電計画に沿って当日の朝に手動で出力調整をするのみで、当日の状況に合わせて中央給電指令所が出力調整を行うことができなかった(第2再エネ発電部15参照)。他方、装置としては、再エネ発電計画を提示した後に、中央給電指令所が、出力調整を指令できるものも導入されてはいる(第1再エネ発電部参照)。しかしながら、現時点では、再生可能エネルギーを利用した発電の影響が大きくなりつつある状況に留まっており、現時点では影響が小さく、新たに導入されたものに対しても、従来のものと同様に、再エネ発電計画のみによって出力調整を行っていて、当日の出力調整の可能性が認識されつつある状況に留まっている。
【0030】
第1再エネ発電部は、指令装置3が、再エネ発電計画を提示した後に(例えば当日に)、再エネ発電計画を修正する指示を行い、指示に従って動作することができるものである。
【0031】
直接第1再エネ発電部11は、指令装置3が、総合制御所サーバ5を経由して指示に従ったスケジュール(発電スケジュール)を与えることができる。他方、間接第1再エネ発電部13は、指令装置3が総合制御所サーバ5を経由してスケジュール配信サーバにスケジュールを配信し、間接第1再エネ発電部13がスケジュール配信サーバにアクセスすることにより指示に従ったスケジュールを伝えることができる。そのため、指令装置3が指令を通知したときに、直接発電時刻が経過した後に直接第1再エネ発電手段が指令に従った発電を開始して、間接第1再エネ発電部13が(例えば定期的に)アクセスする間接発電時刻が経過した後に間接第1再エネ発電手段が発電を開始する。間接発電時刻は、直接発電時刻よりも遅い。
【0032】
第2再エネ発電部15は、再エネ発電計画に従った発電を開始した後に、指令装置3が指令を通知して、発電状況を修正することができない。
【0033】
指令装置3は、演算部21(本願請求項の「演算手段」の一例)と、予測部23(本願請求項の「予測手段」の一例)と、表示部25(本願請求項の「表示手段」の一例)と、監視部26(本願請求項の「監視手段」の一例)と、制御部27(本願請求項の「制御手段」の一例)を備える。
【0034】
総合制御所は、総合制御所サーバ5を備える。なお、総合制御所サーバ5やスケジュール配信サーバ7は、例えば、都道府県や市町村などのように、地域ごとに設けてもよい。また、第2再エネ発電部15は、指令装置3が総合制御所サーバ5を経由して指示する例について説明するが、指令装置3から直接指示するものであってもよく、総合制御所サーバ5及びスケジュール配信サーバ7を経由して指示するものであってもよい。
【0035】
図2は、
図1の給電システム1の動作の一例を示すフロー図である。
図3は、(a)供給力過多の一例と、(b)
図1の予測部23による予測処理の一例を示す。
図4は、
図1の表示部25の表示例を説明するための図である。
【0036】
前日までに、予測部23は、翌日の天気予報等を用いて、再エネ発電部が太陽光発電をする発電量を予測し、演算部21は、発電量の予測値を利用して、時系列に沿って、翌日の各時刻における調整給電部9による調整の余地(下げ調整力)を演算し(ステップST1)、再エネ発電部に対する再エネ発電計画を作成する(ステップST2)。制御部27は、再エネ発電部に対して再エネ発電計画を提示する(ステップST3)。
【0037】
下げ調整力について、一例を説明する。簡単のために、原子力等の発電手段は省略し、蓄電等は省略し、調整給電部9及び第1再エネ発電部による発電を想定する。時刻tにおいて、下げ調整力をLa(t)とし、電力需要をPd(t)とする。調整給電部9が供給する電力量をPa
1(t)とし、その最小電力をPa
2(t)とする。第1再エネ発電部による発電量をPr(t)とする。供給できる電力量は、Pa
1(t)+Pr(t)である。これが、電力需要と一致する。すなわち、
Pd(t)=Pa
1(t)+Pr(t)
である。他方、調整給電部9による電力量は、最小電力Pa
2(t)までしか調整できない。そのため、時刻tにおける下げ調整力La(t)は、
La(t)=Pa
1(t)−Pa
2(t)
=Pd(t)−Pr(t)−Pa
2(t)
として演算することができる。
【0038】
この式より、再エネ発電計画よりも電力需要Pd(t)が減少したり、第1再エネ発電部の発電量Pr(t)が増加したりすると、再エネ発電計画よりも下げ調整力は小さくなり、調整給電部9を利用した調整の余地が小さくなる。当日に第1再エネ発電部の出力を制限することにより、下げ調整力を増加させることができる。
【0039】
他方、再エネ発電計画よりも電力需要Pd(t)が増加したり、第1再エネ発電部の発電量Pr(t)が減少したりすると、再エネ発電計画よりも下げ調整力は大きくなり、調整給電部9を利用した調整の余地が大きくなる。そのため、当日に第1再エネ発電部の出力を再開して、下げ調整力を減少させてもよい。
【0040】
実際には、調整給電部9は、例えば複数の火力発電所などを含み、火力発電所ごとに最小発電量が異なる。そのため、調整給電部9に含まれる各発電所に応じてPa
2(t)を求めるなどの処理を行う。また、下げ調整力は、
図3(a)にあるように、第2再エネ発電部15による発電や、原子力等のその他の発電や、揚水発電等を参照して算出することができる。
【0041】
本願発明は、前日までの再エネ発電計画を、下げ調整力を利用して当日に修正することができる。そのため、再エネ発電計画を保守的に(すなわち、必要以上の制限を加えた状態として)作成する必要がない。予測に従った計画として、再エネ発電を必要以上に制限する必要はなくなる。
【0042】
これまで、電力需要に対し、再生可能エネルギーが占める割合は小さかった。そのため、翌日の天気予報で再生可能エネルギーによる発電量を予測し、多少の変動があっても、指令装置3で調整すれば、系統全体による電力供給を継続することができた。
【0043】
図3(a)は、近時の発電の状況を示す一例である。原子力等の発電A
1、火力等の発電A
2に加え、再生可能エネルギーを利用した発電A
3、A
4及びA
5がある。電力需要A
6に対して、揚水発電A
7及びA
8なども利用して、需要と供給のバランスを保っている。しかしながら、再生可能エネルギーを利用した発電が増加したために、揚水電力や蓄電池充電A
4を利用しても需要と供給のバランスがとれず、A
5が供給過剰となっている。
【0044】
このように、近年、再生可能エネルギーを利用した発電が電力需要に占める割合が急増している。そのため、再生可能エネルギーを利用した発電に対して、出力制御が求められることが予測される。
【0045】
本願発明は、下げ調整力を考慮することにより、優先給電ルールに従って、再生可能エネルギーを利用した発電の特性を活かす制御を実現するものである。
【0046】
続いて、
図2のステップST4以下を参照して、当日の制御について説明する。再エネ発電部は、再エネ発電計画に従って再生可能エネルギーを利用した発電を行う(ステップST4)。
【0047】
予測部23は、定期的に、例えば天気予報と再エネ発電部の発電実績を利用して、再エネ発電部が発電する発電量の予測値を得る。また、例えば天気予報や過去の電力需要を利用して、電力需要の予測値を得る(ステップST5)。
図3(b)は、表示部25が表示する、前日に予測した発電量の予測値(破線)と、現在までの実績(現在時刻の左側)と、予測部23が定期的に予測した発電量の予測値(現在時刻の右側)を示す図である。
【0048】
演算部21は、各時刻において、第1基準値及び第2基準値並びに下げ調整力を演算する(ステップST6)。
【0049】
第1基準値は、再エネ発電部に対して出力を減少させる判断の基準となる。第2基準値は、再エネ発電部に対して出力を増加させる判断の基準となる。第1基準値は、第2基準値よりも低い。演算部21は、例えば、各時刻における電力需要の予測値の1%などのように、電力需要の予測値に応じて、第1基準値及び第2基準値を演算する。
【0050】
なお、第1基準値及び第2基準値は、現時点の電力需要の実績値の1%などを利用してもよい。また一定値でもよく、この場合はステップST6では下げ調整力を演算する。
【0051】
制御部27は、各時刻において、下げ調整力と第1基準値を比較する(ステップST7)。各時刻において下げ調整力が第1基準値よりも低くないならば、ステップST9に進む。下げ調整力が第1基準値よりも低い時刻があるならば、その時刻において第1再エネ発電部が発電を制限させるために指令を指示すべき時刻を決定する。そして、指示をしてから、直接発電時刻に直接第1再エネ発電部が発電を制限したときの発電量、及び、間接発電時刻に間接第1再エネ発電部が発電を制限したときの発電量を計算する。そして、各時刻において、これらの発電量を参照した制限下げ調整力を計算する(ステップST8)そして、ステップST11に進む。
【0052】
ステップST9において、制御部27は、再エネ発電部の発電量が増加する時間帯において、各時刻において、下げ調整力と第2基準値を比較する。下げ調整力が第2基準値よりも高くないならば、ステップST11に進む。下げ調整力が第2基準値よりも高い時刻があるならば、その時刻において第1再エネ発電部が発電を再開させるために指令を指示すべき時刻を決定する。そして、指示をしてから、直接発電時刻に直接第1再エネ発電部が発電を再開したときの発電量、及び、間接発電時刻に間接第1再エネ発電部が発電を再開したときの発電量を計算する。そして、各時刻において、これらの発電量を参照した再開下げ調整力を計算する(ステップST10)。そして、ステップST11に進む。
【0053】
ステップST11において、表示部25は、下げ調整力を表示する。表示部25は、再エネ発電計画における発電量の計画値と予測部23が予測した発電量の予測値との違い、及び、再エネ発電計画における電力需要の計画値と予測部23が予測した電力需要の予測値との違いを表示する。
【0054】
図4は、表示部25による表示の一例を示す。(a)は、計画値と予測値が一致している例を示す。
【0055】
表示領域C
1は、再エネ発電計画における発電量の計画値と予測部23が予測した発電量の予測値との違いを示す。△印が上にあると予測値が計画値よりも大きく、△印が下にあると予測値が計画値よりも小さい。
【0056】
表示領域C
2は、再エネ発電計画における電力需要の計画値と予測部23が予測した電力需要の予測値との違いを示す。△印が上にあると予測値が計画値よりも大きく、△印が下にあると予測値が計画値よりも小さい。
【0057】
なお、表示領域C
1及びC
2は、それぞれ、発電量及び電力需要の実績値と計画値とを比較してもよい。
【0058】
C
3は、時間の経過に伴う下げ調整力と、第1基準値C
42及び第2基準値C
41を示す。時間の経過に伴う下げ調整力は、11時、11時30分、12時、12時30分、13時、13時30分及び14時におけるものを示している。
図4(a)では、下げ調整力は第1基準値よりも上にあり、十分に調整の余地がある。また、再生可能エネルギーを利用した発電を行う時間帯において、第2基準値よりも下にあり、必要以上に出力制限していない状態である。
【0059】
前述のように、少なくとも、再エネ発電部の発電量と電力需要が、下げ調整力を変動させる。表示領域C
3により下げ調整力の変動を把握でき、さらに表示領域C
1及びC
2により、下げ調整力の変動の要因である発電量及び電力需要を把握することができる。
【0060】
図4(b)は、下げ調整力が第1基準値C
42を下回る予測となった場合の表示例である。この例では、13時30分以降に、下げ調整力が第1基準値C
42を下回る予測である。
図4(b)では、最も早い時刻である13時30分の下げ調整力の下に△印を表示することにより、この時刻以降に、下げ調整力が第1基準値C
42を下回る予測であることを示している。ここで、表示領域C
1及びC
2を参照すると、電力需要は計画値と予測値が一致しているのに対し、発電量は計画値よりも予測値が高い。そのため、再エネ発電部の発電量が下げ調整力を減少させている要因であると推察できる。そして、12時の下げ調整力の表示の上に矢印を表示することにより、13時30分に下げ調整力を増加させるために、遅くとも12時には指令を通知すべきことを表示している。そして、調整がなされない場合の下げ調整力の棒グラフの上に、調整がなされた場合の差分を表示することにより、制限下げ調整力(第1再エネ発電部の発電を制限することにより増加する下げ調整力)を表示している。すなわち、12時30分及び13時には、直接第1再エネ発電部が発電を制限して下げ調整力が増加する。さらに、13時30分及び14時には間接第1再エネ発電部が発電を制限して、さらに下げ調整力が増加している。
【0061】
図4(c)は、下げ調整力が第2基準値C
41を上回る予測となった場合の表示例である。この例では、13時30分以降に、下げ調整力が第2基準値C
41を上回る予測である。
図4(c)では、最も早い時刻である13時30分の下げ調整力の下に△印を表示することにより、この時刻以降に、下げ調整力が第2基準値C
41を上回る予測であることを示している。ここで、表示領域C
1及びC
2を参照すると、発電量は計画値と予測値が一致しているのに対し、電力需要は計画値よりも予測値が高い。そのため、電力需要が下げ調整力を増加させている要因であると推察できる。そして、12時の下げ調整力の表示の上に矢印を表示することにより、13時30分に下げ調整力を減少させるために、遅くとも12時には指令を通知すべきことを表示している。そして、調整がなされない場合の下げ調整力の棒グラフの上部に、調整がなされた場合の差分を表示することにより、再開下げ調整力(第1再エネ発電部の発電を再開することにより減少する下げ調整力)を表示している。すなわち、12時30分及び13時には、直接第1再エネ発電部が発電を再開して下げ調整力が減少する。さらに、13時30分及び14時には間接第1再エネ発電部が発電を再開して、さらに下げ調整力が減少している。
【0062】
なお、下げ調整力は、一般に、例えば太陽光発電の影響が小さい夜間、早朝、夕方などの時間帯では、大きくなる。そのため、下げ調整力と第2基準値との比較は、例えば、9時から15時など、太陽光発電の影響が大きくなる時間帯に行うようにしてもよい。
【0063】
図4(d)は、第1基準値を使用した実際の表示例を示す。
【0064】
図2を参照して、制御部27は、例えば、オペレータによる指令のボタンの押下等の操作に応じて指令を行う(ステップST12)。指令を行う場合、ステップST13に進む。指令を行わない場合、ステップST14に進む。
【0065】
なお、ステップST12において、制御部27は、例えば、各時刻において下げ調整力と第1基準値及び/又は第2基準値とを比較して指令を行うか否かを判断してもよい。
【0066】
ステップST13において、まず、制御部27が総合制御所サーバ5に対して、制限する電力量を指定して出力制限指令を通知した場合について説明する。出力制限指令を受領した総合制御所サーバ5は、制限する発電量を用いて、再エネ発電計画において許可されている発電の一部又は全部を制限して、第1再エネ発電部のスケジュールを作成する。直接第1再エネ発電部11に対しては、作成したスケジュールを送信する。他方、間接第1再エネ発電部13に対しては、直接スケジュールを送信することができない。そのため、スケジュール配信サーバ7に対して間接第1再エネ発電部13のスケジュールを送信し、間接第1再エネ発電部13が定期的にスケジュール配信サーバ7をチェックしてスケジュールを受け取る。第1再エネ発電部は、スケジュールに従って発電を行う。
【0067】
また、制御部27が総合制御所サーバ5に対して、増加する電力量を指定して出力再開指令を通知した場合について説明する。出力再開指令を受領した総合制御所サーバ5は、増加する発電量を用いて、再エネ発電計画において制限されている発電の一部又は全部を再開して、第1再エネ発電部のスケジュールを作成する。直接第1再エネ発電部11に対しては、作成したスケジュールを送信する。他方、スケジュール配信サーバ7に対して間接第1再エネ発電部13のスケジュールを送信し、間接第1再エネ発電部13が定期的にスケジュール配信サーバ7をチェックしてスケジュールを受け取る。第1再エネ発電部は、スケジュールに従って発電を行う。
【0068】
ステップST14において、当日が経過したか否かを判断する。経過していないならば、ステップST5に戻る。当日が経過したならば、処理を終了する。
【0069】
監視部26は、第1再エネ発電部が、スケジュールに従った発電を行っているか否かを監視する。スケジュールに従った発電を行わない第1再エネ発電部が存在する場合、例えばペナルティを与えることに加え、予測部23による予測や演算部21による下げ調整力の演算等において反映するようにすることができる。
【0070】
ステップST13において、総合制御所サーバ5による処理について、説明を補足する。例えば、必要制御量を区分ごとの設備量に応じて按分し、さらに、配電センターから配電事業所ごとの設備量に応じて再配分する。そして、配電事業所エリア内の事業者(再エネ発電所)を選定する。第1再エネ発電部には、複数の再エネ発電所が含まれる。総合制御所サーバ5が出力を制限したり再開したりする再エネ発電所を、それらの一部とする場合、その選択の公平性を担保すること、さらには、その状態を外部に説明する責任を果たすことが重要である。
【0071】
例えば、各再エネ発電所に対して出力が制限された回数をカウントしておく。これにより、例えば最小回数と最大回数を比較して、例えば2倍を超えない状態とすることにより、公平性を説明することができる。さらに、出力を制限する場合、出力を制限する再エネ発電所をカウントが小さいものから優先して選択する。これにより、出力が制限された回数が偏ることを防止することができる。また、監視部26が、出力を制限するスケジュールに従った発電を行わない再エネ発電所を検出した場合には、その再エネ発電所のカウントはアップせずに維持する。そうすると、その再エネ発電所は、通常、次回も連続して出力制限する対象として選択される。そのため、出力制限を守らない再エネ発電所に対するペナルティとなるとともに、公平性を担保することができる。
【0072】
出力を再開する場合は、例えば、公平性を考慮して、第1再エネ発電部の全事業者を対象とし、一律(例えば20%など)に再開する。すなわち、電力需要と太陽光発電のバランスで決まるために、一部のみを選択して再開すると、例えば、太陽光発電が多いときに再開を許可された事業者と、太陽光発電が少ないときに再開を許可された事業者では、公平性を担保できないためである。
【0073】
また、総合制御所サーバ5は、各再エネ発電所に対して、例えば送電線が停止しているなどの情報を把握しておき、このような再エネ発電所には出力調整を行わないようにすることにより、実効性のある出力調整を実現することができる。ここで、回線不良などによりスケジュールが受信できない太陽光発電装置や事業者は、発電自体は、行うことができる。そのため、例えば、出力制御なしのスケジュールを自身でセットして制御することにより、通信障害時でも発電が停止しないようにすることができる。