特許第6427760号(P6427760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427760
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   F24F7/013 101J
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-195447(P2014-195447)
(22)【出願日】2014年9月25日
(65)【公開番号】特開2016-65690(P2016-65690A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】香川 聡
(72)【発明者】
【氏名】横山 龍真
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆一
(72)【発明者】
【氏名】松岡 佳世
(72)【発明者】
【氏名】吉田 洋平
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−261586(JP,A)
【文献】 特開2002−305044(JP,A)
【文献】 特開2014−016064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/013,7/10
H01R 12/00−12/91,24/00−24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内と室外を連通するように、壁に埋設された風洞パイプに装着される筒状部と、前記筒状部に設けたモータを軸方向に保持するためのモータ脚と、前記筒状部の室内側開口の外周に半径方向に張り出した略方形状に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の周辺の壁側に形成された立ち上がり部とを設けた本体フレームと、
複数の電源線を差し込む電源差込孔と、隣り合う前記電源差込孔同士の間の仕切壁と、前記電源線を引き抜く際に上方より押圧する解除ボタンと、前記電源差込孔の後方に配置された電源線固定用のバネと、前記バネにより前記電源線を挟み込み固定することで通電する通電用の金具とを設けた電源接続端子と、を有し、
前記電源接続端子は前記フランジ部の裏面に配置し、前記解除ボタンに設けたガイドリブが、前記仕切壁の間に設けた溝の間に配置され
前記溝の底面に開口を設けたことを特徴とする換気装置。
【請求項2】
前記電源接続端子に、前記解除ボタンと同じ面の前記電源差込孔側の端部に前記フランジ部の背面側の端面と同じ高さの突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は羽根を回転駆動するためのモータと、モータに電源供給を行うための電源接続端子を備えた換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の換気装置は、モータと電気的に接続された電源接続端子を備えた換気装置においては、電源線の被覆を除去して電源接続端子に差し込むだけで結線ができ、モータが駆動できるものである。
【0003】
従来この種の換気装置の例として、本体枠内に電源接続端子を設置したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
以下その換気装置について図7を参照しながら説明する。
【0005】
図7に示すように、ファンモータ101を設けた換気扇本体102の室内側に、裏面側に凹部103を形成したフランジ部104を設け、フランジ部104の凹部103に収納される形状で、ファンモータ101と電気的に接続される電源接続端子105を設け、電源接続端子105の一端を回動自在に支持するように、フランジ部104に支持ピン106を有した一対の支持台107を設け、電源接続端子105の一端には支持ピン106の係合部を設けたという構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3430032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の換気装置においては、換気装置に装着される電源取付け用の電源接続端子において、異極間の沿面距離を大きくすれば品質が良くなるが、それにより装置自体が大きくなる、という課題を有していた。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、装置自体を大きくせずに電源接続端子の品質を向上させることができる換気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、この目的を達成するために、本発明は、室内と室外を連通するように、壁に埋設された風洞パイプに装着される筒状部と、前記筒状部に設けたモータを軸方向に保持するためのモータ脚と、前記筒状部の室内側開口の外周に半径方向に張り出した略方形状に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の周辺の壁側に形成された立ち上がり部とを設けた本体フレームと、複数の電源線を差し込む電源差込孔と、隣り合う前記電源差込孔同士の間の仕切壁と、前記電源線を引き抜く際に上方より押圧する解除ボタンと、前記電源差込孔の後方に配置された電源線固定用のバネと、前記バネにより前記電源線を挟み込み固定することで通電する通電用の金具とを設けた電源接続端子と、を有し、前記電源接続端子は前記フランジ部の裏面に配置し、前記解除ボタンに設けたガイドリブが、前記仕切壁の間に設けた溝の間に配置され、前記溝の底面に開口を設けた換気装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、室内と室外を連通するように、壁部に埋設された風洞パイプに装着される筒状部と、前記筒状部に設けたモータを軸方向に保持するためのモータ脚と、前記筒状部の室内側開口の外周に半径方向に張り出した略方形状に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の周辺の前記壁部側に形成された立ち上がり部とを設けた本体フレームと、複数の電源線を差し込む電源差込孔と、隣り合う前記電源差込孔同士の間の仕切壁と、電源線を引き抜く際に上方より押圧する解除ボタンと、前記電源差込孔の後方に配置された電源線固定用のバネと、バネにより電源線を挟み込み固定することで、通電する通電用の金具とを設けた電源接続端子を有し、前期電源接続端子は前記フランジ部の裏面に配置し、前記解除ボタンに設けたガイドリブが、前記仕切壁の間に設けた溝の間に配置される構成を有する。これにより、異極端子間に電気が流れないこととなるので、装置自体を大きくせず電源接続端子の品質を向上させることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1の換気装置の構成を示す側断面図
図2】同換気装置の速結端子の構成を示す斜視図
図3】同換気装置の速結端子の構成を示す正面断面図
図4】同換気装置の速結端子の構成を示す側断面図
図5】同換気装置の速結端子と本体フレームとの配置を示す側断面図
図6】同換気装置の別形態の速結端子の構成を示す斜視図
図7】従来の換気装置の構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の請求項1記載の換気装置は、室内と室外を連通するように、壁に埋設された風洞パイプに装着される筒状部と、前記筒状部に設けたモータを軸方向に保持するためのモータ脚と、前記筒状部の室内側開口の外周に半径方向に張り出した略方形状に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の周辺の壁側に形成された立ち上がり部とを設けた本体フレームと、複数の電源線を差し込む電源差込孔と、隣り合う前記電源差込孔同士の間の仕切壁と、前記電源線を引き抜く際に上方より押圧する解除ボタンと、前記電源差込孔の後方に配置された電源線固定用のバネと、前記バネにより前記電源線を挟み込み固定することで通電する通電用の金具とを設けた電源接続端子と、を有し、前記電源接続端子は前記フランジ部の裏面に配置し、前記解除ボタンに設けたガイドリブが、前記仕切壁の間に設けた溝の間に配置され、前記溝の底面に開口を設けた構成を有する。これにより、異極端子間に電気が流れないこととなるので、装置自体を大きくせず電源接続端子の品質を向上させることができる、という効果を奏する。
【0013】
また、前記溝の底面に開口を設けているため、開口から水を排出することとなるので、更に装置自体を大きくせず電源接続端子の品質を向上することができる、という効果を奏する。
【0014】
また、前記電源接続端子に、前記解除ボタンと同じ面の前記電源差込孔側の端部に前記フランジ部の背面側の端面と同じ高さの突起を設けた、という構成にしてもよい。これにより、前記突起が壁面や天井面に当たって電源接続端子が戻ることとなるので、電源接続端子の戻し忘れを防止することができる、という効果を奏する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1図4に示すように、室内26と室外27を連通するように、壁部1に埋設された風洞パイプ2に装着される筒状部3と、筒状部3に設けた例えばコストが安いACモータ4を筒状部3の中心軸である軸方向に保持するための例えば3本のモータ脚5と、この筒状部3の室内側開口28の外周に半径方向に張り出した略方形状に形成されたフランジ部6と、フランジ部6の周辺の壁部1側に形成された例えば長さが25mm程度の立ち上がり部7とを設けた本体フレーム8と、複数の電源線29を差し込む円形状の電源差込孔9と、隣り合う電源差込孔9同士の間に難燃を確保するために厚みが0.8mm以上ある仕切壁10と、電源線29を引き抜く際に上方より押圧する解除ボタン11と、電源差込孔9の後方すなわち差し込む方向に配置された電源線固定用のバネ12と、バネ12により電源線29を挟み込み固定することで通電する通電用の金具13とを設けた電源接続端子14を有し、電源接続端子14はフランジ部6の壁部1側である裏面に配置し、解除ボタン11に設けた一部分であるガイドリブ15が、複数の仕切壁10の間に設けた溝16の間に差し込まれるように配置される構成とする。
【0017】
また、図3に示すように、電源接続端子14において、溝16の室内26側である底面30に方形状の開口17を設ける構成とする。
【0018】
また、図5に示すように、電源接続端子14は本体フレーム8に対して回動軸18を軸として矢印方向に90度まで回動する構成とし、電源接続端子14に、解除ボタン11と同じ面の電源差込孔9側の端部に突起19を設け、突起19の高さaが立ち上がり部7の壁部1側である背面側の端面20と同一面上になるような構成とする。
【0019】
また、図6に示すように、電源接続端子14が端子ケース21と端子カバー22という別々の部品で構成し、端子ケース21に、端子カバー22の下端と接するような端子ケース21と端子カバー22との間に隙間がないように端子カバー22の下端の形状と類似形状のリブ23を設ける構成とする。
【0020】
また、図3に示すように、解除ボタン11が解除時に矢印方向に押圧され矢印方向に移動した際、解除ボタン11に設けた一部分であるストッパー部24が金具13の天面25に接する構成とする。
【0021】
このような構成にすることで、隣接し異極端子となっている金具13同士との間の異極間の沿面距離31が、仕切壁10と仕切壁10との間に設けた溝16と溝16に差し込まれて配置されたガイドリブ15によって迷路形状となっており、沿面距離31を大きくすることで異極端子間の電流が流れを防止して異極端子間の短絡を防止することとなり、換気装置および電源接続端子14自体の大きさを大きくすることなく、装置としての品質を向上することができる。
【0022】
また、電源接続端子14の溝16の底面30に開口17を設けることにより、電源接続端子14の内部に外部から水が浸入した際に、内部に浸入した水が、底面30に設けた開口17を通って電源接続端子14の外部に排出されることとなるため、万が一電源接続端子14内部へ水が浸入した場合においても、異極端子間の短絡等の事象に対して、品質を向上することができる。
【0023】
また、電源接続端子14に立ち上がり部7の端面20と同一面上の突起19を設けたことにより、電源線29を電源差込孔9に挿入して接続する時に電源接続端子14を回動軸18を基点にして回動させ、その後、電源接続端子14をフランジ部6裏面の所定の位置に戻すことをしなかったとしても、壁部1に換気装置を施工すると、突起19が壁部1に接触して押されるので特になにもしなくても電源接続端子14を所定の位置に戻ることとなり、電源接続端子14の所定の位置への戻し忘れを防止することができる。
【0024】
また、電源接続端子14を端子ケース21と端子カバー22を別々の部品で構成した際に、端子カバー22の下端と接するように端子ケース21に設けたリブ23が接していることで、容易に端子カバー22の下端に触れられないこととなり、端子カバー22が容易に例えば指などで持ち上げられて外れてしまうことを防ぐことができるので、安全性を向上することができる。
【0025】
また、電源線29を抜くために解除ボタン11を上方より押圧する際に、解除ボタン11を押圧していくと、ストッパー部24が金具13の天面25に接触して停止し、それ以上押圧することができなくなることで、過剰な押圧によるバネ12の塑性変形を防止することができ、電源接続端子14と電源線29を確実に接続することで品質を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明にかかる換気装置は、換気装置自体を大きくせず速結端子の品質を向上させることができることを可能とするものであるので、壁面または天井に設置され、屋外と連通するダクトに接続され、室内の換気を行う空気調和機等として有用である。
【符号の説明】
【0027】
1 壁部
2 風洞パイプ
3 筒状部
4 モータ
5 モータ脚
6 フランジ部
7 立ち上がり部
8 本体フレーム
9 電源差込孔
10 仕切壁
11 解除ボタン
12 バネ
13 金具
14 電源接続端子
15 ガイドリブ
16 溝
26 室内
27 室外
28 室内側開口
29 電源線
30 底面
31 沿面距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7