【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の手段では、車両から取得する燃料消費に関する情報に基づき燃料の消費速度に対応した速度で表示手段に対して現在の燃料の消費状況を変動表示させる制御手段を備えたことをその要旨とする。
このような構成であれば、制御手段は車両から取得した燃費に関する情報に基づいて燃料の消費速度を算出し、その燃料の消費速度に対応させて表示手段に現在の燃料の消費状況を変動表示させることができ、ユーザーは表示手段に表示される変動表示を目視することでリアルタイムで実際に消費している燃料がどれくらいなのかを実感することができる。その結果、ユーザーは例えば急加速や高回転でのエンジン負荷の大きな運転では燃料の消費が多くなることを実感できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。
【0006】
ここに「表示手段」とは動画、静止画が表示されるディスプレイ部を備えた例えば有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイが想定される。
また、「車両から取得する燃料消費に関する情報」とは、例えば、車両の速度、インジェクション噴射時間、点火タイミング、吸入空気量、吸入空気温度、水温、空燃費補正係数、バッテリー電圧、残燃料量、流量計からの流量パルス、給油量、エンジン回転数、スロットル開度(アクセル開度)、スロットルセンサ電圧、エアフロ電圧、ブースト圧等が挙げられる。「燃料」とはガソリン、軽油、天然ガスのような化石燃料由来の燃料の他にアルコールのようなバイオ燃料も含む概念である。
これら情報は車両に設置が義務付けられているODB−II(On-Board Diagnostic System Stage2)用の車両診断用コネクタに端子が設けられているKラインやCAN(Controller Area Network)から一般に取得できる。但し、車両において車両診断用コネクタ以外からのデータ入手手段があればそれを利用することも自由である。
ここに、「電子システム」としては例えば燃費表示装置、レーダー探知装置やナビゲーション装置等の筐体を備えた電子機器が挙げられる。また、表示手段は電子システム側の制御手段と一体化していてもよく、別体化してデータを無線あるいは有線で制御手段から出力されるような単独の表示手段として存在しても構わない。また、電子システムは必ずしも車両内に設置される必要はない。例えば制御手段を含む筐体が車両外に設置され、車両情報を無線で受信して車両内に配置された表示手段に現在の燃料の消費状況を変動表示させるように制御することも可能である。また、制御手段のすべてが車両中になければならないわけではなく、その一部が車両外(例えばサーバー等)に存在してもよい。
【0007】
第2の手段では第1の手段に加えて、前記表示手段を備えるとともに、前記制御手段は車両に備え、前記表示手段は、前記車両内の運転者から視認可能な位置に配置されることをその要旨とする。
表示手段は別体で構成することも可能であったが、少なくとも電子システムの本体に制御手段とともに車両に搭載されることが取り扱い上有利である。ここに車両に搭載する場合には制御手段が配設されている電子システム本体の筐体内に表示手段が配設される場合と、表示手段を電子システム本体とは別体で車両内に配置し制御手段とは無線あるいはケーブル等の有線化によって接続する場合の両方を含むものである。
【0008】
第3の手段では第1又は第2の手段に加えて、前記変動表示は前記燃料消費に応じてオブジェクトが移動、出現又は消失する表示であることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。燃料消費に応じて所定の単数あるいは複数のオブジェクトが上下方向や左右方向に移動していき、表示画面から退場するような表示や、画面上に出現したり逆に画面に存在しているオブジェクトが消失するような表示等が想定できる。これらをユーザーに目視させることで「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与え燃料を消費していることをより実感させることができる。オブジェクトは例えば図柄によって構成することが好ましい。以下の各手段においても同様である。
第4の手段では第3の手段に加えて、前記オブジェクトは液体のイメージのオブジェクト(以下、液体オブジェクト)であって、前記変動表示は前記燃料消費に応じて前記液体オブジェクトが流下する表示であることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として液体が流下するかのような変動画像を表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーに「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与えることとなり燃料を消費していることをより実感できるからである。
ここに「変動表示」とはアニメーションのように滑らかで秒単位で動作するような表示のみならず、光点の点灯のみで表現されるような単純でなおかつ秒単位のみならず分単位や時間単位でゆっくりと動作するような動作するような表示をも含む意である。
【0009】
第5の手段では第4の手段に加えて、前記制御手段は容器のイメージのオブジェクト(以下、容器オブジェクト)を前記表示手段に表示させるとともに、前記変動表示は前記燃料消費に応じて液体オブジェクトが前記容器オブジェクト内に流下して液面が上昇していく表示又は液体オブジェクトが前記容器オブジェクトから流出して前記容器オブジェクト内の液面が下降していく表示であることをその要旨とする。
これも、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として容器内に液体が流下して液面が上昇していく変動画像、逆に容器内から液体が流出して液面が下降していく変動画像のいずれかを表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーにあたかも「燃料が現在消費されている」というイメージを強く与えることとなり燃料を消費していることをより実感させることができ、無駄に燃料を消費するような運転を控えるような傾向となる。
【0010】
第6の手段では第5の手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで消費される量に対応させた速度であることをその要旨とする。
つまり、アイドリング状態という駆動しているエンジンの最も燃料消費の少ない状態でもあっても分レベルで容器がカラの状態からいっぱいになる、あるいはいっぱいの状態からカラになるように液面が移動するような変動表示をさせるようにしたため、実際に車両が動いていない場合であっても燃料が消費されていることを実感させることができ、無駄に燃料を消費するような運転を控えるような傾向となる。
ここに「分レベル」とは1分〜60分であり、その分レベルで容器内の液面がカラ状態といっぱいの状態を繰り返す動作を行わせることが燃料を消費している強いイメージを与えることとなる。一方、繰り返しのタイミングを数秒レベルのようにあまり短時間に設定することはめまぐるしく液面が上下動している状態を表示することとなり、特に高負荷状態で燃料消費の多い状態ではユーザーは液面の上下動とは認識しにくくなるケースもある。一方、分レベルとはいえエンジン始動から停止まで比較的短時間のケースもあるため数十分レベルであると一回も液面の上下を繰り返さないという場合もありうる。そのため、ここでの分レベルとしては1〜10分(数分)程度が好ましい。
【0011】
第7の手段では第5又は第6の手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の最高燃料流量で秒レベルで消費される量に対応させた速度であることをその要旨とする。
つまり、最高燃料流量では最も燃料が消費されており燃料の消費速度が最も大きい状態である。この最も燃料が消費されている状態で液面の上下動を認識できるのであれば、通常の運転状態では液面の上下動は同じ秒単位でもより緩やかな挙動で変動させられることとなるため、結果としてユーザーはどのような運転状況でも確実に液面の上下動を視認することが可能となる。
ここに「秒レベル」とは1秒〜60秒であり、その秒レベルで容器内の液面がカラ状態といっぱいの状態を繰り返す動作を一回の運転中で行わせることが燃料を消費している強いイメージを与えることとなる。あまり、短い秒数ではユーザーは液面の上下動とは認識しにくくなるケースもある。そのため、ここでの秒レベルとして好ましいのは3〜10秒(数秒)程度が好ましい。
【0012】
第8の手段では第4〜第7のいずれかの手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度は、前記容器オブジェクト内がカラの状態からいっぱいになるまでの液面の変動量又は前記容器オブジェクト内がいっぱいの状態からカラになるまでの液面の変動量を当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定した速度であることをその要旨とする。
このように平均燃費又は平均燃料流量に基づけば大体どのくらいの速度で燃料が消費されるかが把握できるため、その情報に基づいて妥当な一回の液面の妥当な上下動の速度を設定することが容易となる。例えば、平均燃料流量が分速120ml(ミリリットル)であるとすると、容器の上下動間隔を240mlとすればちょうど平均2分で一回の上下動が完了することとなる。容器の上下長さにもよるが2分ならばユーザーは液面の上下動を認識するのにもちょうどよい程度の時間となる。制御手段はあらかじめ妥当な所定の時間で一回の上下動が完了するように液面の変動量を設定する。つまり一回の上下動時間を一定と考え、平均燃費又は平均燃料流量から容器の容量を計算することができる。
ここに「当該車両の平均燃費又は平均燃料流量に基づいて決定する」とは直接または間接に、車両またはユーザーから取得した情報に基づいて決定するとよく、例えばその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜平均燃費又は平均燃料流量を入力するようにしてもよい。
【0013】
第9の手段で第4〜第8のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つに変化がある場合にその変化に応じて前記液体オブジェクトの表示態様を他の種類の表示態様に変更させることをその要旨とする。
これによって、燃料消費の増減に影響のある運転状況の変化があった場合に速やかに液体オブジェクトの表示態様が変更されるため、ユーザーは無駄な燃料消費につながるような運転を自重したり、より燃費のよい運転に心掛けるようになる。ここに「他の種類の表示態様への変更」とは、例えば、燃料消費の少ないアイドリング状態では液体オブジェクトである雫オブジェクトがまばらに落ち、燃料消費の多い状態では雫オブジェクトが大量に落ちるように数の違いで表示させるとか、小粒と大粒というような大きさの違いで表示させるような場合が考えられる。また、色の違いや、形状の違いと言った変化でも構わない。
【0014】
第10の手段では第4〜第9のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、アイドリング時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とすることをその要旨とする。
このような構成であると、アイドリング時における液体オブジェクトの表示態様が平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動する場合に、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更することで車種に応じた最適な変動パターンを設定することができる。ここに「単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量」とはあるオブジェクトの一定の変化量に対応する一定時間内の燃料流量である。
これによって次のような対応が可能である。例えばある車種Aで非常に燃費が良い場合があるとする。デフォルトで設定された単位変化量ではアイドリング時に燃料流量aml(ミリリットル)で3秒に1つの雫が流下する変動表示をさせるものとすると、この車種Aでは非常にゆっくりとしたタイミングで(例えば30秒とか)1つの雫が流下する変動表示になってしまう可能性がある。それでは変動表示としてあまりに遅すぎるため、その場合には1つの雫が流下することに対応する燃料流量をもっと少なく設定することで燃費が良い車種に対応させるようにするものである。「単位変化量」は下記実施の形態では
取得燃料流量Bpが相当する。
ここに「単位変化量」の変更方法としては制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
【0015】
第11の手段では第4〜第10のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、最大燃料流量時における前記液体オブジェクトの表示態様を平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動可能とするとともに、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更可能としたことを特徴とすることをその要旨とする。
このような構成であると、最大燃料流量時における液体オブジェクトの表示態様が平均燃費又は平均燃料流量の少なくとも1つの情報の変化に応じて変動する際に、単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量を変更することで車種に応じた最適な変動パターンを設定することができる。「単位時間当たりの燃料流量に対応する単位変化量」の定義は上記の通りである。
これによって次のような対応が可能である。例えばある車種Bで非常に燃費が悪い場合があるとする。デフォルトで設定された単位変化量では最大燃料流量時に燃料流量bml(ミリリットル)で1秒に1つの雫が流下する変動表示をさせたとすると、この車種Bでは非常に早いタイミングで(例えば0.1秒とか)1つの雫が流下する変動表示になってしまう場合がある。それでは変動表示としてあまりに早すぎるため、その場合には1つの雫が流下することに対応する燃料流量をもっと多く設定することで燃費が良い車種に対応させるようにするものである。
ここに「単位変化量」の変更方法としては制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から最適な変動タイミングを選択してもよく、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
また、ここで設定は最大燃料流量側だけではなく、最小燃料流量(つまりアイドリング時)も同時に設定することが好ましい。最大燃料流量と最小燃料流量の間の変動パターンの変動表示特性はリニア的(一次関数)でもよく、曲線的(高次関数)でもよい。
【0016】
第12の手段では第4〜第11のいずれかの手段に加えて、前記燃料の消費速度に対応した速度はエンジンが停止中には前記オブジェクトを変動表示させず、エンジンが駆動中において変動表示させることをその要旨とする。
これによって燃料消費を伴わない場合には液体オブジェクトを変動させず、燃料を消費しているエンジンの駆動中にのみ液体オブジェクトを変動させるようにしているため、液体オブジェクトの変動からエンジンの駆動=燃料の消費であるとしてユーザーに燃料を消費していることを視覚を通じてよく自覚させることになる。ここに、エンジンが駆動中でもっとも燃料消費の少ない状態がアイドリング状態であるため、ここではアイドリング状態以上で液体オブジェクトを変動させるようにしていると解釈することも可能である。
また、液体オブジェクトを変動させる際に所定範囲の瞬間消費燃料と雫オブジェクトの数を割り付け、ある範囲の瞬間消費燃料に応じた数の液体オブジェクトを表示させるようにしてもよい。そして、その割りつける雫オブジェクトの数は車両の平均燃費又は平均燃料流量に応じて変更可能とすることが好ましい。割りつける場合には制御手段がその車種の平均燃費又は平均燃料流量から適宜雫オブジェクトの数を割りつけてもよく、ユーザーが自ら入力するようにしてもよい。
【0017】
第13の手段では第1〜第12のいずれかの手段に加えて、前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する複数の異なるスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることをその要旨とする。
これによって、画面に複数の異なるスケール単位のスケールオブジェクトが表示されるため、ユーザーは運転中に例えば比較的短時間で変動するスケールオブジェクトから、よりゆったりとした変動のスケールオブジェクトまでを同時に目視することができ、状況に応じた燃料消費の情報を得ることができる。
【0018】
第14の手段では第13の手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトとして、当該スケールが車両のエンジンのアイドリング状態において分レベルで当該スケールオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになるスケールオブジェクト、当該スケールが1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の燃料タンクの容量に相当するスケールのスケールオブジェクト、当該スケールが車両の生涯燃量消費量に相当するスケールのオブジェクトの少なくともいずれか2つを有することをその要旨とする。
これにユーザーは異なるスケール単位の4種類の重要な燃料消費情報のうちの少なくとも2種類以上を同時に得ることができ、どのような消費状況や消費傾向にあるかを把握しやすくなる。
ここに「1回のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量に相当するスケールのスケールオブジェクト」とはエンジン始動から停止までの1回のサイクルが比較的短い場合の走行距離に相当する燃料消費量などが挙げられ、例えば会社への通勤、郊外のショッピングモールへの買い物、子供の送り迎え等の5〜20km程度の距離の燃料消費量が相当する。
【0019】
第15の手段では第13又は第14の手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトのうち、スケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになった際に、スケール単位のより大きなオブジェクトにそのいっぱいになったまたはカラになった容量分の変動表示をもたらすことをその要旨とする。
つまり、あるスケール単位の小さなオブジェクトがいっぱいになるまたはカラになることを受けてその容量に応じてスケール単位のより大きなオブジェクトが所定の変動表示を行うことである。
これによって、スケール単位の小さなオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位のより大きなオブジェクトに変動分が表示されるため、スケール単位の小さなオブジェクトでリアルタイムの消費状況を把握できるとともに、スケール単位のより大きなオブジェクトである期間における通算燃料消費も把握できることとなる。
【0020】
第16の手段では第13又は第14のいずれかの手段に加えて、前記複数の異なるスケールオブジェクトを燃料の消費に連動して同時に増加又は減少のいずれかの方向に変動表示させることをその要旨とする。
つまり、燃料の消費に伴って複数の異なるスケールオブジェクトがスケール単位は違っていても同時に変動することである。そのため、各スケールオブジェクトの変動速度は自然と異なるものとなる。
【0021】
第17の手段では第1〜第12のいずれか手段に加えて、前記変動表示として、燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動する 第1のスケールのイメージのオブジェクト(以下、スケールオブジェクト)を表示させることをその要旨とする。
これは、表示手段での変動表示をより具体化した構成である。このように表示態様として燃料の消費に連動して増加又は減少のいずれかの方向に変動するようなスケールの変動画像を表示手段のディスプレイ部に表示させることでユーザーにあたかも「燃料が現在このようなレベルで消費されている」という量的な消費イメージを量的に与えることとなり燃料を消費していることをより実感できるからである。
ここに「第1のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明らかなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第1のスケールの容量や第1のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0022】
第18の手段では第5〜第13、第17のいずれかの手段に加えて、前記第1のスケールオブジェクトは容器オブジェクトであることをその要旨とする。
上記容器オブジェクトがこのような量的なスケールを意味するものであれば、ユーザーに燃料を消費していることをより実感させることができる。
【0023】
第19の手段では第17又は第18のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを当該オブジェクトの背景色とは異なる色によって着色表示させることをその要旨とする。
これも第1のスケールオブジェクトの視認性をより向上させたものである。
【0024】
第20の手段では第17〜第19のいずれかの手段に加えて、前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記第1のスケールオブジェクトの初期状態への復帰表示に連動して当回の消費された一定の燃料を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることをその要旨とする。
これによって、ユーザーは第1のスケールオブジェクトが燃料の消費に伴って繰り返し一定の消費量に対応したスケールの増減を繰り返すのを目視することとなるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。更に、第1のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示は適宜過去の燃料消費履歴に積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに、「過去の燃料消費履歴」とは直近のエンジン始動から現在までの燃料消費履歴であってもよく、また、本発明の電子システムを車両に取り付けて以来のトータルの燃料消費履歴であってもよく、また、当該車両の走行開始以来のータルの燃料消費履歴であってもよい。過去の燃料消費履歴が当該車両の走行開始以来のトータルの燃料消費履歴である場合は本発明の電子システムを車両に取り付けた際に車両から走行距離データを入手し、それを現在の平均燃費に基づいて使用燃料を算出し、基準となる過去の燃料消費履歴を算出し、それを初期値とすることが考えられる。また、過去の燃料消費履歴の表示態様としては変動画像であってもよく、数値で表示させるようなものであってもよい。
【0025】
第21の手段では第17〜第19のいずれかの手段に加えて、記制御手段は、前記第1のスケールオブジェクトを一定の燃料消費に伴って変動開始前の初期表示状態に復帰するように表示させるとともに、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第1のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトを表示させ、前記第1のスケールオブジェクトが初期表示状態に復帰するように動作すると、その復帰動作に連動して当回の消費された一定の燃料に対応する変動量で前記第2のスケールオブジェクトを表示させることをその要旨とする。
これによって、ユーザーは第1のスケールオブジェクトが燃料の消費に伴って繰り返し一定の消費量に対応したスケールの増減を繰り返すのを目視することとなるため、運転と燃料消費とが連動していることをよく理解できることとなり、無駄に燃料を消費するような運転を控えエコロジカルな運転をするように心掛けることとなる。更に、第1のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトに積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに「第2のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明らかなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第2のスケールの容量や第2のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0026】
第22の手段では第21の手段に加えて、前記制御手段は、前記表示手段に過去の燃料消費履歴を表示させ、エンジン停止に伴って前記第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させて表示させることをその要旨とする。
これによって、エンジン始動からエンジン停止までの一回の走行の度ごとに第1及び第2のスケールオブジェクトの変動画像は変動開始前の初期表示状態に復帰させられるため、次のエンジン始動から改めてその回のエンジン停止までの燃料消費量が第1及び第2のスケールオブジェクトを介してユーザーに表示されることとなり、運転毎の燃料消費状態が非常にわかりやくなっている。更に、第1及び第2のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示は適宜過去の燃料消費履歴に積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに、「過去の燃料消費履歴」とは本発明の電子システムを車両に取り付けて以来のトータルの燃料消費履歴であってもよく、また、当該車両の走行開始以来のータルの燃料消費履歴であってもよい。また、過去の燃料消費履歴の表示態様としては変動画像であってもよく、数値で表示させるようなものであってもよい。
【0027】
第23の手段では第21の手段に加えて、前記制御手段は、前記制御手段は、前記表示手段に増加又は減少のいずれかの方向に変動する前記第2のスケールオブジェクトよりもスケール単位の大きな第3のスケールオブジェクトを表示させ、エンジン停止に伴って第1及び第2のスケールオブジェクトを変動開始前の初期表示状態に復帰するように動作させるとともに、直近のエンジン始動からエンジン停止までの燃料消費量を過去の燃料消費履歴に積算させ、その燃料消費量に対応する変動量で前記第3のスケールオブジェクトを変動表示させることをその要旨とする。
これによって、エンジン始動からエンジン停止までの一回の走行の度ごとに第1及び第2のスケールオブジェクトの変動画像は変動開始前の初期表示状態に復帰させられるため、次のエンジン始動から改めてその回のエンジン停止までの燃料消費量が第1及び第2のスケールオブジェクトを介してユーザーに表示されることとなり、運転毎の燃料消費状態が非常にわかりやくなっている。更に、第1及び第2のスケールオブジェクトの増減で表示された消費された燃料に対応する表示はスケール単位の大きな第2のスケールオブジェクトに積算されて表示されるため、過去にどの程度消費したかも併せてユーザーは目視することとなり、より運転と燃料消費との関係を理解することとなる。
ここに「第3のスケールオブジェクト」の形状は増加又は減少のいずれかの方向に変動が量的なものであれば特に形状は限らない。棒グラフのような明かなスケール形状、ヤカン、ビーカー、ポリタンク、樽等の容器を模した形状でもよい。また、ドットの点灯数で示すようにしてもよい。また、第3のスケールの容量や第2のスケール内の現在の容量について変動画像と併せて数値で表示するようにしてもよい。
【0028】
第24の手段では第21〜第23のいずれかの手段に加えて、前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量はエンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量に対応していることをその要旨とする。
エンジン始動からエンジン停止までの最大燃料消費量とは燃料タンク内がいわゆる満タン状態である。あまりに第2のスケールオブジェクトのスケール単位が小さいと第2のスケールオブジェクトの変動が早すぎてしまうため、第2のスケールオブジェクトは十分な消費量に応じたスケール単位であることが望ましいからである。例えば、30〜100リットル(L)程度のスケールが想定される。
第25の手段では第第21〜第24のいずれかの手段に加えて、前記第2のスケールオブジェクトの最大変動量は当該車両の燃料タンク容量に応じて変更されることをその要旨とする。
例えば、トラックのように燃費が悪く、そのかわりに燃料タンク容量が非常に大きな車種もあれば、軽自動車のように燃料タンク容量が比較的小さい車種もある。そのため、適宜車種に応じた妥当なスケール単位とすることが望ましいからである。これは燃料タンク内の満タンを電気的に感知できる車種であればその情報に基づいて制御手段が第2のスケールオブジェクトのスケールを最適に設定することで実現される。また、ユーザーが適宜入力するようにしてもよい。
【0029】
第26の手段では第17〜25のいずれかの手段に加えて、前記変動表示は、前記燃料の消費に連動して面積の増加又は面積の減少のいずれかによって前記第1〜第3の少なくともいずれか1つのスケールオブジェクトを表示させることをその要旨とする。
これは棒グラフの棒の幅を広くしたイメージであり、より第1のスケールオブジェクトの視認性を向上させたものである。
【0030】
第27の手段では第第1〜第26のいずれかの手段に加えて、前記表示手段に今回のエンジン始動時点から現在時点までの消費燃料量を数値情報として前記変動表示とともに表示させることをその要旨とする。
これによって、少なくとも今回のエンジン始動時点から現在時点までの燃料消費量が数値として表示されるため、ユーザーは変動表示というイメージ的な情報とともにより正確な燃料消費に関する情報を併せて入手することができる。
第28の手段では第1〜第27のいずれかの手段に加えて、前記表示手段に燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報を数値として前記変動表示とともに表示させることをその要旨とする。
これによって、少なくとも燃料流量、瞬間燃費、平均燃費の少なくとも1つの情報が数値として表示されるため、ユーザーは変動表示というイメージ的な情報とともにより正確なこれらの燃料消費に関する情報を併せて入手することができる。
第29の手段では第1〜第28のいずれかの手段に記載の電子システムにおける制御手段の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムがその要旨である。