特許第6427883号(P6427883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427883
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】セメント組成体の仕上げ方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20181119BHJP
   E04F 13/14 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   E04F13/08 A
   E04F13/14 102A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-12423(P2014-12423)
(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-140522(P2015-140522A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2016年12月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:平成25年7月30日 公開場所:岩手県盛岡市飯岡新田4地割82−1
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小川 晴果
(72)【発明者】
【氏名】三谷 一房
(72)【発明者】
【氏名】水上 卓也
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 富雄
(72)【発明者】
【氏名】坂田 尚子
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−120130(JP,U)
【文献】 特開平11−235805(JP,A)
【文献】 特開2000−334341(JP,A)
【文献】 特開2011−168976(JP,A)
【文献】 特開平07−024403(JP,A)
【文献】 実開平04−135932(JP,U)
【文献】 特開2007−301512(JP,A)
【文献】 実開昭54−163017(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01308523(EP,A1)
【文献】 特開2000−071382(JP,A)
【文献】 特開2013−072227(JP,A)
【文献】 特開平10−099776(JP,A)
【文献】 特開平07−127229(JP,A)
【文献】 特開平05−025881(JP,A)
【文献】 特開平10−324095(JP,A)
【文献】 特開昭58−160106(JP,A)
【文献】 特開2002−355809(JP,A)
【文献】 特開2003−261394(JP,A)
【文献】 特開2005−154176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04F 13/14
B05D 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目地切りカッターを用いて凹部を形成すること、又は、凹部に対応する位置に目地棒を予め配置して型枠内にセメント組成体を打設し、該セメント組成体の硬化後に型枠を脱型すること、により設けられた溝状の目地が表面に備えられたセメント組成体の仕上げ方法であって、
前記目地を含む所定幅の領域を塗装する目地塗装工程と、
前記目地塗装工程の後、前記目地の底部上のみをマスキング材で養生するマスキング工程と、
前記マスキング工程の後、前記セメント組成体の前記表面を塗装する表面塗装工程と、
前記表面塗装工程の後、前記マスキング材を除去するマスキング材除去工程と、
を有することを特徴とするセメント組成体の仕上げ方法。
【請求項2】
請求項1に記載のセメント組成体の仕上げ方法であって、
前記表面塗装工程において、前記表面を吹き付け塗装する、又は、前記表面をローラー或いは刷毛を用いて塗装することを特徴とするセメント組成体の仕上げ方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のセメント組成体の仕上げ方法であって、
前記目地塗装工程よりも前に、前記セメント組成体の前記表面を下塗り材で塗装する下塗り塗装工程を有することを特徴とするセメント組成体の仕上げ方法。
【請求項4】
請求項3に記載のセメント組成体の仕上げ方法であって、
前記下塗り塗装工程と前記目地塗装工程の間に、前記下塗り材の上を中塗り材で塗装する中塗り塗装工程をさらに有することを特徴とするセメント組成体の仕上げ方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のセメント組成物の仕上げ方法であって、
前記目地を構成する角部の角度は略直角である
ことを特徴とするセメント組成体の仕上げ方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のセメント組成物の仕上げ方法であって、
前記セメント組成体はプレキャスト部材である
ことを特徴とするセメント組成体の仕上げ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント組成体の仕上げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の外壁材等には、プレキャストコンクリート(PCa)板などのプレキャストパネル(セメント組成体)が使用されている。また、例えば表面が平滑なパネルを用いて、タイルや石材調のように、目地に相当する目地部部分と、表面に相当する表面部分(表面全体のうち目地部分を除く部位)を互いに色違いで塗装して意匠性を高めるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−146365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように表面が平滑なパネルの場合、表面部分と目地部分を色違いで塗装しても表面部分と目地部分の間に段差がないため陰影がつかず立体感が出にくい。また、最近では、プレキャストパネルの表面に溝状目地を設け、その目地内部と表面(上面)を色違いに着色してタイル等に似せて仕上げることも行われている。しかしながら、この場合においても、陰影をつけて立体感を醸し出すのは困難であり、本物のタイルや石材のように見えないという問題がある。
【0005】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたもので、その主な目的は本物に近い立体感を醸し出すことのできるセメント組成体の仕上げ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明のセメント組成体の仕上げ方法は、
目地切りカッターを用いて凹部を形成すること、又は、凹部に対応する位置に目地棒を予め配置して型枠内にセメント組成体を打設し、該セメント組成体の硬化後に型枠を脱型すること、により設けられた溝状の目地が表面に備えられたセメント組成体の仕上げ方法であって、
前記目地を含む所定幅の領域を塗装する目地塗装工程と、
前記目地塗装工程の後、前記目地の底部上のみをマスキング材で養生するマスキング工程と、
前記マスキング工程の後、前記セメント組成体の前記表面を塗装する表面塗装工程と、
前記表面塗装工程の後、前記マスキング材を除去するマスキング材除去工程と、
を有することを特徴とする。
このようなセメント組成体の仕上げ方法によれば、溝状の目地の底部は目地色に塗装され、目地の側部は表面と同じ色に塗装される。これにより、本物のタイルや石材のような立体感を醸し出すことが可能である。また、目地における塗装の層数(塗装数)を表面部分と同等以上にすることができる。これにより耐久性の向上を図ることができる。
また、表面塗装工程において、表面を吹き付け塗装する、又は、表面をローラー或いは刷毛を用いて塗装することが好ましい。
【0007】
かかるセメント組成体の仕上げ方法であって、前記目地塗装工程よりも前に、前記セメント組成体の前記表面を下塗り材で塗装する下塗り塗装工程を有することが望ましい。
このようなセメント組成体の仕上げ方法によれば、セメント組成体が水分などを吸収するのを防止することができる。
【0008】
かかるセメント組成体の仕上げ方法であって、前記下塗り塗装工程と前記目地塗装工程の間に、前記下塗り材の上を中塗り材で塗装する中塗り塗装工程をさらに有することが望ましい。
このようなセメント組成体の仕上げ方法によれば、下塗り材と、目地及び表面の塗装との接着性を向上することができる。
【0010】
かかるセメント組成体の仕上げ方法であって、前記目地を構成する角部の角度は略直角であることが望ましい。
このようなセメント組成体の仕上げ方法によれば、本物に近い立体感を醸し出すことができる。
【0011】
かかるセメント組成体の仕上げ方法であって、前記セメント組成体はプレキャスト部材であることが望ましい。
このようなセメント組成体の仕上げ方法によれば、本物のタイル張りのような立体感を有したプレキャスト部材を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、本物に近い立体感を醸し出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1Aは、本実施形態で用いるプレキャストパネル1の平面図である。また、図1Bは、図1A中のB−B矢視図である。
図2図2A図2Eは比較例の表面仕上げの手順についての説明図である。
図3図3A図3Eは本実施形態の表面仕上げの手順についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
===本実施形態===
<<<プレキャストパネルについて>>>
図1Aは、本実施形態で用いるプレキャストパネル1の平面図である。また、図1Bは、図1A中のB−B矢視図である。プレキャストパネル1(セメント組成体に相当)はコンクリート製の板状部材である。そして、このプレキャストパネル1の表面1aには、予め溝状の凹部3(目地に相当)が形成されている。図示例では、凹部3が表面1aの全面に亘って格子状に形成されている。但し、凹部3の形成の範囲は全面でなくても良く、表面1aの一部であっても良い。以下では、表面1aにおける凹部3以外の残部(島状に残った部分)のことを、上面5とも言う。
【0015】
また、図に示すように凹部3は、深さDの溝側部3a(側部に相当)と幅Wの溝底部3b(底部に相当)を有している。また、凹部3を構成する角部(上面5と溝側部3aとの角部分、及び、溝側部3aと溝底部3bとの角部分)の角度はほぼ直角(90度)である。
【0016】
このようなプレキャストパネル1の製造方法の一例としては、例えは、成形すべきプレキャストパネル1の外形形状に対応させて型枠(不図示)を組み、形成すべき目地(凹部3)に対応する位置に、予め目地棒などを配置し、型枠内にコンクリートを打設する。そして打設したコンクリートの硬化後に型枠を脱型すれば図1A図1Bのように表面1aに凹部3を有するプレキャストパネル1が成形される。
【0017】
<<<表面仕上げについて>>>
本実施形態について説明する前に、比較例について説明する。
【0018】
<比較例の表面仕上げ>
図2A図2Eは比較例の表面仕上げの手順についての説明図である。
【0019】
まず、図2Aに示すように、プレキャストパネル1の表面1aの全面(上面5及び凹部3を含む)に下塗り材7を塗布(塗装)する。ここでは、スプレーを用いた吹き付けによって下塗り材7を塗布(吹付け塗装)している。この下塗り材7は、プレキャストパネル1が水分や塗料を吸い込まないようにするためのもの(シーラー)であり、ここでは下塗り材7としてエポキシ樹脂系塗料を用いている。
【0020】
次に、図2Bに示すように、下塗り材7の上に目地色の目地色塗料9を吹付け塗装する。この目地色塗料9は、後述する上塗り材と同じ素材(フッ素樹脂系塗料)で色違いのものを用いる。なお、下塗り材7と目地色塗料9の間に、後述する中塗り材8を塗布(塗装)してもよい。
【0021】
その後、図2Cに示すように、凹部3の内部(溝側部3a及び溝底部3b)をマスキングテープ11で覆う(養生する)。
【0022】
そして、図2Dに示すように凹部3を含む表面1aの全面に上塗り材13を吹付け塗装する。この上塗り材13は、仕上げの種類に応じたものが使用される。ここでは、上塗り材13として、レンガタイルを模すように、レンガ色のフッ素樹脂系塗料を使用している。
【0023】
最後に、図2Eに示すようにマスキングテープ11を除去する。このとき、凹部3に塗装された上塗り材13はマスキングテープ11とともに除去されるので凹部3の内部(溝側部3a及び溝底部3b)は目地色塗料9の色(目地色)となる。
【0024】
なお、比較例では、下塗り材7、目地色塗料9、上塗り材13をそれぞれ吹付け塗装しているが、塗装方法は吹付けには限られない。例えば、ローラーや刷毛を用いて塗装してもよい。
【0025】
この比較例の場合、凹部3の内部(溝側部3a及び溝底部3b)が目地色で、上面5上のみ表面色(上塗り材13の色)になっているため、表面色の陰影が付与されにくい。このため、本物のタイルや石材のような立体感が得られない。
【0026】
また、この比較例では、目地(凹部3)では目地以外(上面5)よりも塗装の層数(以下塗装層数ともいう)が少ない。具体的には、上面5では下塗り材7、目地色塗料9、上塗り材13の3層に塗装されているのに対し、凹部3では、下塗り材7と目地色塗料9の2層である。このように、凹部3では上面5よりも塗装層数が少ないため、耐久性が劣化するおそれがある。
【0027】
そこで、以下に示す本実施形態では、立体感を醸し出すとともに、耐久性の向上を図っている。
【0028】
<本実施形態の表面仕上げ>
図3A図3Eは本実施形態の表面仕上げの手順についての説明図である。
【0029】
なお、本実施形態では、比較例と同様に、下塗り材7(シーラー)としてエポキシ樹脂を用い、目地色塗料9及び上塗り材13としてフッ素系樹脂塗料を用いる。また、下塗り材7と上塗り材13(及び後述する中塗り材8)の塗装方法については比較例と同様(吹付け塗装)である。ただし、目地色塗料9については塗装方法が異なる。
【0030】
まず、比較例と同様にプレキャストパネル1の表面1aの全面(上面5及び凹部3を含む)に下塗り材7を塗装した後、図3Aに示すように下塗り材7上に中塗り材8を塗装する。中塗り材8は、下塗り材7と上塗り材13との接着性を高めるためのものであり、本実施形態ではポリウレタン樹脂系塗料を用いている。
【0031】
次に、刷毛を用いて、図3Bに示すように、凹部3を含む幅W´(>W)の領域を目地色塗料9で目地色に塗装する(目地塗装工程に相当)。本実施形態では、凹部3から外側にはみ出して(すなわち上面5の上に)塗装される部分の長さは凹部3の両側にそれぞれ20〜30mm程度である。
【0032】
その後、図3Cに示すように、溝底部3b上のみをマスキングテープ11で養生する(マスキング工程に相当)。
【0033】
そして、図3Dに示すように表面1aの全面に上塗り材13を塗装する(表面塗装工程に相当)。本実施形態では、比較例と同様にレンガ色の上塗り材13を使用している。
【0034】
最後に、図3Eに示すように、マスキングテープ11を除去する(マスキング材除去工程に相当)。これにより、プレキャストパネル1の表面1aは、溝底部3bのみが目地色に着色され、上面5b及び溝側部3aが表面色(レンガ色)に着色される。これにより、比較例の場合と比べて、表面色の陰影を付与することができ、立体感を醸し出すことができる。また、比較例では、凹部3の塗装層数が上面5の塗装層数よりも少なくなっていたが、本実施形態では、凹部3の塗装層数を上面5の塗装層数と同等以上にすることができる。よって、耐久性の向上を図ることができる。
【0035】
以上、説明したように、本実施形態では、凹部3(目地)を含む幅W´の領域を目地色塗料9で塗装し(目地塗装工程)、その後、溝底部3bのみをマスキングテープ11で養生し(マスキング工程)、その後、表面1a全体を上塗り材13で塗装している(表面塗装工程)。そして、上塗り材13塗装後に、マスキングテープ11を除去している(マスキング材除去工程)。これにより、溝底部3bのみが目地色塗料9の色(目地色)に塗装され、溝側部3a及び上面5が上塗り材13の色に塗装される。これにより、比較例よりも上塗り材13の色の陰影を付与することができ、本物のタイルや石材のような立体感を醸し出すことができる。また、凹部3の塗装層数を上面5の塗装層数と同等以上にすることができる。これにより耐久性の向上を図ることができる。
【0036】
===その他の実施の形態===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0037】
<プレキャストパネル1について>
前述の実施形態では、基材(セメント組成体)としてコンクリート製のプレキャストパネル1を例示したが、これには限られない。例えば、モルタル製や、セメント製であってもよい。また、アスロック(押出成形セメント板)、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete:軽量気泡コンクリート)板、スパンクリートなどを基材として用いてもよい。
【0038】
また、前述したプレキャストパネル1は建物の外壁に用いられるものであったが、これには限られない。例えば、建物の床の表面に本実施形態を適用してもよい。この場合、例えば現場で平滑な表面の床を形成後、目地切りカッターなどを用いて凹部3を形成するようにしてもよい。
【0039】
<凹部3について>
前述の実施形態では、上面5の形状(表面形状)が矩形であった。つまり、凹部3が格子状に設けられていたが、これには限られない。例えば、上面5の形状が、三角形や五角形などの多角形、あるいは、楕円や正円等の円形となるように凹部3を設けていてもよい。
【0040】
また、前述の実施形態では、目地(凹部3)を構成する角部(上面5と溝側部3aの角部分、及び、溝側部3aと溝底部3bの角部分)の角度はほぼ直角(90度)であったがこれには限られない。例えば、溝側部3aの形状が、溝底部3b側から上面5側になるにつれて幅Wが広がるような傾斜面になっていてもよい。ただし、本実施形態のように角部が直角である方がより陰影を付与することができ、本物に近い立体感を醸し出すことができる。
【0041】
<上塗り材13について>
前述の実施形態では、上塗り材13は、レンガタイルを模すように、レンガ色の上塗り材13(フッ素樹脂系塗料)を使用していたが、これには限られず、模擬しようとする表面の種類に応じて適宜使用すればよい。例えば、石板状タイルを模す場合には、上塗り材13として石粉を混ぜたものを使用すればよい。また、金属タイルを模す場合には、上塗り材13として金属色のものを使用すればよい。
【0042】
また、上塗り材13の上にさらに塗装(例えばクリヤ塗装)を行ってもよい。
【0043】
<中塗り材8、下塗り材7について>
前述の実施形態では、中塗り材8としてポリウレタン樹脂系の塗料を用い、下塗り材7としてエポキシ樹脂系塗料を用いていたがこれには限られず、他の成分の塗料を用いてもよい。また、基材(プレキャストパネル1)や上塗り材13の種類によっては、下塗り材7、中塗り材8の何れかを使用しなくてもよいし、あるいは、中塗り材8、下塗り材7を共に使用しなくてもよい。このような場合においても、前述の実施形態では凹部3の塗装層数を上面5の塗装層数と同等以上にすることが可能であるので、耐久性の向上を図ることができる。
【0044】
<マスキングテープ11について>
前述の実施形態では、マスキングテープ11を用いて養生を行っていたが、これには限られず、テープ以外の部材を用いてもよい。例えばシートを用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 プレキャストパネル、1a 表面、
3 凹部、3a 溝側部、3b 溝底部、5 上面、
7 下塗り材、8 中塗り材、9 目地色塗料、
11 マスキングテープ、13 上塗り材
図1
図2
図3