(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6427982
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/24 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
G01B11/24 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-127016(P2014-127016)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2016-6388(P2016-6388A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2016年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107272
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 敬二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109140
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 研一
(72)【発明者】
【氏名】井手 義憲
(72)【発明者】
【氏名】瀧谷 俊哉
【審査官】
佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−256715(JP,A)
【文献】
特開平04−369409(JP,A)
【文献】
特開2009−265050(JP,A)
【文献】
特開平01−152306(JP,A)
【文献】
特開2011−196954(JP,A)
【文献】
特開2008−116279(JP,A)
【文献】
米国特許第04630374(US,A)
【文献】
特開平7−280522(JP,A)
【文献】
特開平10−170243(JP,A)
【文献】
特開2001−227908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − 11/30
9/00 − 9/10
21/00 − 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子の対向する第1面及び第2面の形状を測定する測定装置において、
前記第1面の形状を測定する第1の光学測定手段と、
前記第2面の形状を測定する第2の光学測定手段と、
前記第1の光学測定手段を剛的に固定する第1支持部材と、前記第2の光学測定手段を剛的に固定する第2支持部材と、前記第1支持部材と第2支持部材を連結する一対の連結部材を備えたホルダとを有し、
前記連結部材は、前記第1の光学測定手段の光軸及び前記第2の光学測定手段の光軸に略一致する上下方向である基準軸を挟んで、前記第1支持部材と前記第2支持部材とを複数個所で連結し、前記ホルダは前記基準軸に対して直交する方向から見たときに閉じた形状を有し、
前記ホルダは、矩形枠状であり、
前記ホルダを支持するために2カ所で連結されたフレームを有し、前記ホルダと前記フレームとの連結部を結んだ線上に、前記第1の光学測定手段及び前記第2の光学測定手段を保持したホルダの重心が位置し、
前記ホルダの連結部材の中央で、前記フレームがそれぞれ連結されていることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記ホルダは、前記基準軸に対して直交する方向から見たときに線対称の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記ホルダは、前記基準軸の方向から見たときに,少なくとも2本の対称軸に対して線対称となる形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記ホルダと前記フレームとの連結部を結んだ線は、前記基準軸に直交することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の測定装置。
【請求項5】
前記フレームは可動ステージ上に載置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の測定装置。
【請求項6】
前記第1の光学測定手段と前記第2の光学測定手段は白色干渉計であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の測定装置。
【請求項7】
前記第1の光学測定手段の光軸と前記第2の光学測定手段の光軸とを位置決めする位置決め手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光学素子の形状等を測定できる測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像レンズ等の光学素子では、製造誤差などによって表裏の光学面中心に相対的なずれ(偏心)が生じることがあり、それにより光学性能が劣化する恐れがある。そこで、実際に形成された光学素子において偏心度を把握することが重要となっている。偏心度を測定する装置としては、2つの測定機器を光学素子の表裏面に対向して配置し、各々の測定機器の測定結果から偏心度を求めるものが知られている(特許文献1,2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5399304号明細書
【特許文献2】特許第3604996号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年においては、精度の高い光学素子が要求される傾向があり、例えば偏心度の許容範囲はとしてサブミクロンレベルのものが要求されている。これに対し、サブミクロンレベルで偏心度を測定するためには、測定機器の分解能を高めることは勿論のこと、測定機器の固定を剛的に行う必要がある。加えて、2つの測定機器の取り付け位置のずれは、理想状態に対して数十nmレベル以内に抑えることが要求される。
【0005】
特許文献1には、それぞれステージに載置した2つの干渉計を、レンズの両面に対向して配置して、各々レンズの光学面を測定する装置が開示されている。しかるに、特許文献1の構成では、2つの干渉計の相対位置を決定する部品の点数が多く、また構造長が長いので、温度変化が生じると2つの干渉計の検出軸にずれが生じる恐れがあり、それにより測定結果の誤差が生じる恐れがある。又、2つの干渉計は、それぞれ片持ち状のZステージに保持されているから剛的な保持が難しく、また構造上固有振動数が比較的低くなることから振動の発生を招きやすく、理想状態に対して数十nmレベル以内に抑えることは困難である。
【0006】
特許文献2には、被測定物の上面側及び下面側に、被測定物の形状に沿って走査する上面光プローブ及び下面光プローブを配置した装置が開示されている。上面光プローブ及び下面光プローブは、それぞれステージ構造に搭載されているが、特許文献1と同様に2つのプローブの相対位置を決定する部品の点数が多く、また構造長が長いので、温度変化が生じると2つの光プローブにずれが生じる恐れがあり、それにより測定結果の誤差が生じる恐れがある。又、特許文献2の構成は、光プローブの検出光線を基準ミラーを介して反射するようにしているが、この基準ミラーの位置決めが難しく、構成をより複雑化させている。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構造を持ちながら、光学素子の高精度な測定を行える測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の測定装置は、
光学素子の対向する第1面及び第2面の形状を測定する測定装置において、
前記第1面の形状を測定する第1の光学測定手段と、
前記第2面の形状を測定する第2の光学測定手段と、
前記第1の光学測定手段を剛的に固定する第1支持部材と、前記第2の光学測定手段を剛的に固定する第2支持部材と、前記第1支持部材と第2支持部材を連結する
一対の連結部材を備えたホルダとを有し、
前記連結部材は、前記第1の光学測定手段の光軸及び前記第2の光学測定手段の光軸に略一致する
上下方向である基準軸を挟んで、前記第1支持部材と前記第2支持部材とを複数個所で連結し、前記ホルダは前記基準軸に対して直交する方向から見たときに閉じた形状を有し、
前記ホルダは、矩形枠状であり、
前記ホルダを支持するために2カ所で連結されたフレームを有し、前記ホルダと前記フレームとの連結部を結んだ線上に、前記第1の光学測定手段及び前記第2の光学測定手段を保持したホルダの重心が位置し、
前記ホルダの連結部材の中央で、前記フレームがそれぞれ連結されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、前記連結部材が、前記第1の光学測定手段の光軸及び前記第2の光学測定手段の光軸に略一致する基準軸を挟んで、前記第1支持部材と前記第2支持部材とを複数個所で連結し、前記ホルダが、前記基準軸に対して直交する方向から見たときに閉じた形状を有するので、片持ち形状に比べ剛性が高く固有振動数が比較的高いため振動等が生じにくいものとなっている。これにより、簡素な構造を有しながらも、2つの光学測定手段を精度良く保持できるので、光学素子の高精度な形状測定を行うことが出来、これにより偏心度を精度良く把握できる。尚、前記第1支持部材と前記第2支持部材と前記連結部材とを一体物として前記ホルダを形成しても良く、これにより更に剛性が高まるが、個々の部材を接合して形成することで、閉じた形状であっても低コストで容易に形成できる。
【0010】
請求項2に記載の測定装置は、請求項1に記載の発明において、前記ホルダは、前記基準軸に対して直交する方向から見たときに線対称の形状を有することを特徴とする。
【0011】
更に、前記ホルダは前記基準軸に対して直交する方向から見たときに線対称となる構造を有するから、前記基準軸に対して、前記第1の光学測定手段の光軸及び前記第2の光学測定手段の光軸とを略一致するように取り付けたとき、基準軸の両側で温度変動により生ずる膨張又は収縮が均一となり、これにより環境温度変化時においても、前記第1の光学測定手段の光軸と、前記第2の光学測定手段の光軸とのずれを抑制できる。
【0012】
請求項3に記載の測定装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ホルダは、前記基準軸の方向から見たときに,少なくとも2本の対称軸に対して線対称となる形状を有することを特徴とする。
【0013】
これにより、環境温度変化時においても、前記第1の光学測定手段の光軸と、前記第2の光学測定手段の光軸とのずれを更に抑制できる。
【0015】
前記ホルダと前記フレームとの連結部(面であればその中心)を結んだ線上に前記重心が位置するようにすることで、前記重心位置を振動の節とすることができ、外部振動源の影響が前記光学測定手段に及ぶことを抑制できる。
【0016】
請求項
4に記載の測定装置は、請求項
1〜3のいずれかに記載の発明において、前記ホルダと前記フレームとの連結部を結んだ線は、前記基準軸に直交することを特徴とする。
【0017】
これにより、ホルダの対称性が一層向上するので、高精度な測定が可能になる。
【0018】
請求項
5に記載の測定装置は、請求項
1〜4のいずれかに記載の発明において、前記フレームは可動ステージ上に載置されていることを特徴とする。
【0019】
例えば干渉計などの光学測定手段を用いた場合、移動させることなく一度に測定できる範囲はせいぜい1〜2mm程度である。よって、より広範囲の測定が必要となる光学素子を測定する場合、光学素子に対して相対移動させる可動ステージに、前記フレームを介して前記ホルダを搭載するのが好ましい。
【0021】
前記ホルダを矩形状とすることで、前記第1支持部材である第1辺に前記第1の光学測定手段を取り付け、それと対向する前記第2支持部材である第3辺に前記第2の光学測定手段を取り付けた上で、前記連結部材である第2辺と第4辺の寸法を等しくすることで、温度変化時の熱膨張が釣り合ったホルダを提供できる。
【0022】
請求項
6に記載の測定装置は、請求項1〜
5のいずれかに記載の発明において、前記第1の光学測定手段と前記第2の光学測定手段は白色干渉計であることを特徴とする。
【0023】
白色干渉計を用いることで、測定対象となる光学素子の一部の領域のみの測定でも面中心検出を行うことができ、また測定範囲に対して光学素子が大きい場合でも、2つの白色干渉計を移動させることなく固定したままで、光学素子の形状、ひいては偏心度測定が可能となる。但し、白色干渉計に限らず、測定対象となる光学素子の一部の領域のみの測定でも面中心検出を行うことができるものであれば用いることは可能である。
【0024】
請求項
7に記載の測定装置は、請求項1〜
6のいずれかに記載の発明において、前記第1の光学測定手段の光軸と前記第2の光学測定手段の光軸とを位置決めする位置決め手段を有することを特徴とする。
【0025】
前記位置決め手段を用いることで、前記第1の光学測定手段の光軸と前記第2の光学測定手段の光軸とを精度良く位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、簡素な構造を持ちながら、光学素子の高精度な測定を行える測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】
図1の測定装置1を矢印II方向に見た図である。
【
図3】測定装置に用いる白色干渉計10の一例を示す模式図である。
【
図4】別な実施の形態にかかるホルダ4’に白色干渉計10を取り付けた状態で示している図である。
【
図5】別な実施の形態にかかるホルダ4”を軸線AX方向に見た
図2と同様な図である。
【
図6】変形例にかかる測定装置の正面図であるが、フレーム等は省略して示している。
【
図7】
図6の測定装置を矢印VII方向に見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる実施形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲は以下の実施形態及び図示例に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本実施形態の測定装置1の正面図である。
図2は、
図1の測定装置1を矢印II方向に見た図である。
図1において、測定装置1は、X方向(
図1で左右方向)及びY方向(
図1で紙面垂直方向)に移動可能な可動ステージ2に載置されたフレーム3を有する。金属製のフレーム3は、可動ステージ2に固定される台板3aと、台板3aからZ方向(
図1で上下方向)に延在する一対のアーム部3b、3bを有している。
【0030】
アーム部3b、3bの上端は、互いに向くように鈎状となっており、その端部3c、3cにホルダ4が連結されている。端部3c、3cとホルダ4との固定は、ボルトなどを用いることが好ましいが溶接でも良い。
【0031】
ホルダ4は、例えば鋳造などにより形成された金属製の矩形枠状であって、上壁(第1支持部材)4aと下壁(第2支持部材)4bの両端を、側壁(連結部材)4c、4dにより(後述する基準軸を挟んで複数箇所で)連結したごとき一体形状を有する。上壁4aの中央及び下壁4bの中央には、貫通したねじ孔4e、4fが形成されている。アーム部3b、3bの端部3c、3cは、側壁4c、4dの中央にそれぞれ連結されている。
【0032】
上壁4aのねじ孔4eに白色干渉計(第1の光学測定手段)10の端部に形成された雄ねじ10aを螺合させつつ、白色干渉計10が上壁4aに取り付けられており、その検出部はホルダ4の内側において下方を向いている。一方、下壁4bのねじ孔4fに白色干渉計(第2の光学測定手段)10の端部に形成された雄ねじ10aを螺合させつつ、白色干渉計10が下壁4bに取り付けられており、その検出部はホルダ4の内側において上方を向いている。2つの白色干渉計10の光軸は略一致している。尚、アーム部3b、3bの端部3c、3cと、側壁4c、4dの連結部を結んだ直線L(軸線AXと直交する)上に、2つの白色干渉計10とホルダ4の総合重心Gが位置している。これにより、総合重心Gの位置を振動の節とすることができ、外部振動源の影響が白色干渉計10に及ぶことを抑制できる。
【0033】
ホルダ4の内側において、2つの白色干渉計10に挟まれた位置に、測定対象となるレンズ(光学素子)LSが、支持部5により保持された状態で配置されている。
【0034】
ホルダ4は、2つの白色干渉計10の光軸と略一致する軸線(基準軸とする)AXを有し、軸線AXに対して直交する方向(
図1の方向)から見たときに線対称となる閉じた矩形形状を有している。但し、これに限らずホルダ4の形状は線対称で閉じていれば、例えば多角形状もしくは環状であっても良い。本実施の形態は、ホルダ4の軸線AXが基準軸と一致する例である。
【0035】
更にホルダ4は、
図2に示すように軸線AXの方向から見たときに矩形状であって,少なくとも2本の対称軸BX,CXに対しても線対称となる形状を有している。
【0036】
図3は、白色干渉計10の一例を示す模式図である。この白色干渉計10は、マイケルソン型干渉計であるが、このタイプに限られることはない。光源11から出射された光束は、フィルター12を通過し、ビームスプリッタ13で反射されて、被測定物(ここでは球)OBJ側に向かい、対物レンズ14を通過し,ビームスプリッタ15に入射して分岐される。ビームスプリッタ15を通過した一部の光束は、被測定物OBJに入射し、残りの光束はビームスプリッタ15で反射して,光路長が既知であるミラー16に入射する。
【0037】
被測定物OBJからの反射光束と、ミラー16からの反射光束は、再びビームスプリッタ15で結合され、対物レンズ14、ビームスプリッタ13を通過し、CCDカメラ17で干渉画像が検出される。尚、対物レンズ14,ビームスプリッタ15,ミラー16は、アクチュエータ18により一体的に移動可能となっている。対物レンズ14及びビームスプリッタ15の光軸が、白色干渉計10の光軸となる。
【0038】
レンズの形状測定前において、2つの白色干渉計10の光軸を一致させ、且つ光軸のチルトが生じないように校正する必要がある。本実施の形態においては、位置決め手段としてのねじ孔4e、4fが高精度に形成されているので、ねじ孔4e、4fに白色干渉計10を取り付けることで、互いの光軸を一致させ且つチルトが生じないようにできる。尚、ホルダ4に対して白色干渉計10の光軸のシフト又はチルトの有無を確認する場合、例えば特願2013−192575号に記載の方法を用いることができる。
【0039】
本実施形態の動作について説明する。
図1に示すように、ホルダ4により対向配置した状態で保持された一方の白色干渉計10により、レンズLSの上側面(第1の面)の形状測定を行い、同時に他方の白色干渉計10により、レンズLSの下側面(第2の面)の形状測定を行う。より広範囲の測定が必要な場合には、可動ステージ2を駆動して、レンズLSに対して相対移動させれば良い。以上の測定により上側面と下側面の中心位置(光軸)が分かるので、そのズレであるレンズLSの偏心度の測定を行うことができる。
【0040】
本実施の形態によれば、ホルダ4が、軸線AXに対して直交する方向から見たときに閉じた矩形状を有するので、剛性が高く固有振動数が比較的高いため振動等が生じにくくなっている。又、温度変化が生じた場合、ホルダ4は軸線AXに線対称な形状であるので、側壁4c、4dの熱膨張が等しくなり、これにより上壁4aと下壁4bとの間隔は変動するが、それぞれに取り付けられた白色干渉計10の光軸と、ホルダ4の軸線AXとにずれは殆ど生じない。又、ホルダ4は、軸線AXの方向から見たときに,2本の対称軸BX,CXに対しても線対称となる形状を有しているので、対称軸BX,CXの方向にも均等にホルダ4の熱膨張が生じるから、温度変化時における白色干渉計10の光軸と、ホルダ4の軸線AXとのずれを有効に抑制できる。
【0041】
尚、ホルダ4は、基準軸AXに直交する方向又は基準軸AXの方向から見たときに、必ずしも線対称である必要はない。例えば
図1,2に一点鎖線で示すように、ホルダ4に付属物(例えば配線を固定するためのボス等)SBを形成した場合や、穴や切欠などを設けた場合など非対称形状であっても、ホルダ4が閉じた形状であって上述の機能を阻害しない限り本発明の効果が得られる。
【0042】
図4は、別な実施の形態にかかるホルダ4’に白色干渉計10を取り付けた状態で示している。
図4において、金属製のホルダ4’は、同一形状、同一素材の上板4a’と下板4b’の両端を、同一形状、同一素材の側板4c’、4d’にボルトBTを用いて締結することにより、矩形枠状の形状を有する。それ以外は、上述した実施の形態と同様である。本実施の形態によれば、上述した実施の形態より低コストで精度良くホルダ4'を製造できる。
【0043】
図5は、別な実施の形態にかかるホルダ4”を軸線AX方向に見た
図2と同様な図である。本実施の形態のホルダ4”は、
図5において、対称軸BXに対してのみ線対称な形状となっている。又、ホルダ4”はねじ孔の代わりに溝4e”を形成しており、背面側(
図5で矢印で示す方向)から白色干渉計10を差し入れて取り付ける構成となっている。
【0044】
以上述べた実施の形態においては、ホルダ4の軸線と基準軸とが一致した例をあげて説明したが、例えば
図6,7に示すように、ホルダ4の軸線HXと、白色干渉計10の軸線と略一致する基準軸AXとがシフトしていている場合でも、基準軸AXに直交する方向に見てホルダ4が閉じた形状である限り本発明の範囲内である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、他の実施例・変形例を含むことは、本明細書に記載された実施例や思想から本分野の当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0046】
1 測定装置
2 可動ステージ
3 フレーム
3a 台板
3b アーム部
3c 端部
4、4’、4” ホルダ
4a 上壁
4b 下壁
4c、4d 側壁
4a’ 上板
4b’ 下板
4c’、4d’ 側板
4e、4f ねじ孔
4e” 溝
5 支持部
10 干渉計
11 光源
12 フィルター
13 ビームスプリッタ
14 対物レンズ
15 ビームスプリッタ
16 ミラー
17 カメラ
18 アクチュエータ
AX 軸線(基準軸)
BX,CX ホルダの対称軸
LS レンズ