特許第6428080号(P6428080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6428080-画像処理装置、及びロボットシステム 図000002
  • 特許6428080-画像処理装置、及びロボットシステム 図000003
  • 特許6428080-画像処理装置、及びロボットシステム 図000004
  • 特許6428080-画像処理装置、及びロボットシステム 図000005
  • 特許6428080-画像処理装置、及びロボットシステム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6428080
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】画像処理装置、及びロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/04 20060101AFI20181119BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20181119BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   B25J19/04
   G03B15/00 U
   H04N5/232 060
   H04N5/232 300
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-187732(P2014-187732)
(22)【出願日】2014年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-59976(P2016-59976A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】西谷 正信
(72)【発明者】
【氏名】説田 信之
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−091987(JP,A)
【文献】 特開2005−335034(JP,A)
【文献】 特開2006−311583(JP,A)
【文献】 特開2007−274480(JP,A)
【文献】 特開2013−098821(JP,A)
【文献】 特開2009−118384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 − 21/02
G03B 15/00
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置が撮像した撮像画像を処理する処理部と、
自装置に関するデータを記憶する記憶部と、を含み、
前記処理部は、
リセット信号が入力されると、前記記憶部に記憶する前記データのうち、画像処理装置に係る履歴を示す情報以外の少なくとも一部を削除する、
画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記記憶部に記憶する前記データは、自装置のハードウェアモニタリングの履歴情報と、前記処理部が行う処理に係る情報と、システムログを含む、
画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理装置であって、
前記処理部は、データ保存信号が入力されると、前記記憶部に記憶する前記データの少なくとも一部を外部の記憶装置に記憶する、
画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置であって、
1以上のボタンを備える入力受付部を備え、
前記入力受付部が備える前記1以上の前記ボタンのうち、所定の前記ボタンが押下されてから所定時間経過前に離された場合、前記データ保存信号を前記処理部に入力し、前記所定の前記ボタンが押下されてから前記所定時間以上経過してから離された場合、前記リセット信号を前記処理部に入力する入力判定部を備える、
画像処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記所定の前記ボタンが前記所定時間以上押下され続けた場合、予め決められた時間、出力部の出力状態を変更する出力制御部を備える、
画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置であって、
前記出力制御部は、前記処理部による前記データの少なくとも一部の削除又は前記処理部による前記データの少なくとも一部の前記外部の前記記憶装置への記憶の成否に応じて前記出力部の出力状態を変更する、
画像処理装置。
【請求項7】
請求項3から6のうちいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記処理部は、前記外部の前記記憶装置が自装置に接続されていない場合、前記データ保存信号が入力された場合であっても前記データの少なくとも一部の前記外部の前記記憶装置への記憶を行わない、
画像処理装置。
【請求項8】
所定作業を行うロボットと、
前記所定作業に係る範囲を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した撮像画像を処理する画像処理装置と、
前記画像処理装置が処理した結果に基づいて前記ロボットを制御する制御装置と、を含み、
前記画像処理装置は、
前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を処理する処理部と、
前記画像処理装置に関するデータを記憶する記憶部と、を含み、
前記処理部は、
リセット信号が入力されると、前記記憶部に記憶する前記データのうち、画像処理装置に係る履歴を示す情報以外の少なくとも一部を削除する、
ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置、及びロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像部により撮像された撮像画像に基づいて作業対象の位置及び姿勢を算出し、算出された位置及び姿勢に基づいてロボットに所定の作業を行わせる方法が研究・開発が行われている。
【0003】
これに関し、ロボットを制御する制御装置に接続され、撮像画像に基づく作業対象の位置及び姿勢の算出等の画像処理を行う制御装置とは別体の画像処理装置が知られている。(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】http://robots.epson.com/admin/uploads/product_catalog/files/EPSON_CV1_Vision%20(RevB).pdf 「Vision Guidance for Epson Robots」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の装置は、実行させた処理によって何らかのトラブルが発生し、その後、起動させることができなくなる等、特別な知識を持たない者(例えば、ユーザー等)による操作では解消することができない重大なエラーが生じた場合、装置を分解することで装置が備える記憶部を取り出し、特別な知識を持つ者(例えば、メーカーの技術者等)によって送付して修理してもらわなければならず、時間と労力を要してしまうという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、容易に所定の状態に戻すことができる画像処理装置、及びロボットシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、撮像装置が撮像した撮像画像を処理する処理部と、自装置に関するデータを記憶する記憶部と、を含み、前記処理部は、リセット信号が入力されると、前記記憶部に記憶する前記データのうち、画像処理装置に係る履歴を示す情報以外の少なくとも一部を削除する、画像処理装置である。
この構成により、画像処理装置は、リセット信号が入力されると、記憶部に記憶する自装置に関するデータのうち、画像処理装置に係る履歴を示す情報以外の少なくとも一部を削除する。これにより、画像処理装置は、容易に所定の状態に戻すことができる。
【0008】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置において、前記記憶部に記憶する前記データは、自装置のハードウェアモニタリングの履歴情報と、前記処理部が行う処理に係る情報と、システムログを含む、構成が用いられてもよい。
この構成により、画像処理装置は、リセット信号が入力されると、記憶部に記憶する自装置のハードウェアモニタリングの履歴情報と、処理部が行う処理に係る情報と、システムログとのうち少なくとも一部を削除する。これにより、画像処理装置は、自装置のハードウェアモニタリングの履歴情報と、処理部が行う処理に係る情報と、システムログとの一部又は全部に基づく所定の状態に戻すことができる。
【0009】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置において、前記処理部は、データ保存信号が入力されると、前記記憶部に記憶する前記データの少なくとも一部を外部の記憶装置に記憶する、構成が用いられてもよい。
この構成により、画像処理装置は、データ保存信号が入力されると、記憶部に記憶する自装置に関するデータの少なくとも一部を外部の記憶装置に記憶する。これにより、画像処理装置は、外部の記憶装置に記憶させた自装置に関するデータに基づいて、ユーザーに自装置の状態を調べさせることができる。
【0010】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置において、1以上のボタンを備える入力受付部を備え、前記入力受付部が備える前記1以上の前記ボタンのうち、所定の前記ボタンが押下されてから所定時間経過前に離された場合、前記データ保存信号を前記処理部に入力し、前記所定の前記ボタンが押下されてから前記所定時間以上経過してから離された場合、前記リセット信号を前記処理部に入力する入力判定部を備える、構成が用いられてもよい。
この構成により、画像処理装置は、入力受付部が備える1以上のボタンのうち、所定のボタンが押下されてから所定時間経過前に離された場合、データ保存信号を処理部に入力し、所定のボタンが押下されてから所定時間以上経過してから離された場合、リセット信号を前記処理部に入力する。これにより、画像処理装置は、所定のボタンを押下してから離すまでの時間に応じて、処理部が行う処理を選択することができる。
【0011】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置において、前記所定の前記ボタンが前記所定時間以上押下され続けた場合、予め決められた時間、出力部の出力状態を変更する出力制御部を備える、構成が用いられてもよい。
この構成により、画像処理装置は、所定のボタンが所定時間以上押下され続けた場合、予め決められた時間、出力部の出力状態を変更する。これにより、画像処理装置は、所定のボタンが所定時間以上押下され続けたか否かをユーザーに通知することができる。
【0012】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置において、前記出力制御部は、前記処理部による前記データの少なくとも一部の削除又は前記処理部による前記データの少なくとも一部の前記外部の前記記憶装置への記憶の成否に応じて前記出力部の出力状態を変更する、構成が用いられてもよい。
この構成により、画像処理装置は、処理部による自装置に関するデータの少なくとも一部の削除又は処理部による自装置に関するデータの少なくとも一部の外部の記憶装置への記憶の成否に応じて出力部の出力状態を変更する。これにより、画像処理装置は、処理部による自装置に関するデータの少なくとも一部の削除又は処理部による自装置に関するデータの少なくとも一部の外部の記憶装置への記憶の成否をユーザーに通知することができる。
【0013】
また、本発明の他の態様は、画像処理装置において、前記処理部は、前記外部の前記記憶装置が自装置に接続されていない場合、前記データ保存信号が入力された場合であっても前記データの少なくとも一部の前記外部の前記記憶装置への記憶を行わない、構成が用いられてもよい。
この構成により、画像処理装置は、外部の記憶装置が自装置に接続されていない場合、データ保存信号が入力された場合であっても自装置に関するデータの少なくとも一部の外部の記憶装置への記憶を行わない。これにより、画像処理装置は、外部の記憶装置に自装置に関するデータの少なくとも一部を記憶させる準備が整っていない状態での誤操作による処理部の処理の続行を抑制することができる。
【0014】
また、本発明の他の態様は、所定作業を行うロボットと、前記所定作業に係る範囲を撮
像する撮像装置と、前記撮像装置が撮像した撮像画像を処理する画像処理装置と、前記画
像処理装置が処理した結果に基づいて前記ロボットを制御する制御装置と、を含み、前記
画像処理装置は、前記撮像装置が撮像した前記撮像画像を処理する処理部と、当該画像処
理装置に関するデータを記憶する記憶部と、を含み、前記処理部は、リセット信号が入力
されると、前記記憶部に記憶する前記データのうち、画像処理装置に係る履歴を示す情報以外の少なくとも一部を削除する、ロボットシステムである。
この構成により、ロボットシステムは、リセット信号が入力されると、記憶部に記憶す
るデータのうち、画像処理装置に係る履歴を示す情報以外の少なくとも一部を削除する。これにより、ロボットシステムは、容易に所定の状態に戻すことができる。
【0015】
以上により、画像処理装置、及びロボットシステムは、リセット信号が入力されると、記憶部に記憶するデータの少なくとも一部を削除する。これにより、画像処理装置、及びロボットシステムは、容易に所定の状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るロボットシステム1の一例を示す構成図である。
図2】画像処理装置40のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】画像処理装置40の機能構成の一例を示す図である。
図4】制御部47が行う画像処理装置40の初期化処理及びデータ保存処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】出力制御部474による出力部45の点灯状態を変更する規則の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るロボットシステム1の一例を示す構成図である。ロボットシステム1は、情報処理装置5と、撮像装置10と、ロボット20と、制御装置30と、画像処理装置40を具備する。
【0018】
ロボットシステム1は、情報処理装置5によりユーザーからの操作を受け付け、受け付けられた操作に基づいてロボット20に所定の作業を行わせる。所定の作業とは、例えば、図1に示したように、作業台TBの上面に配置された作業対象Mを所定位置に再配置させる作業を示すが、他の作業であってもよい。作業台TBは、例えば、テーブル等の台であるが、これに代えて、作業対象Mを配置することが可能であれば、床面や壁面等であってもよい。作業対象Mは、ロボット20により把持可能な物体であり、例えば、ネジやボルト等の工業製品の部品であるが、他の物体であってもよい。図1において、作業対象Mは、直方体形状の物体として示す。
【0019】
情報処理装置5は、例えば、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC、タブレットPC、多機能携帯電話端末(スマートフォン)等、ロボット20を制御するためのアプリケーションプログラムをインストールすることが可能な装置であり、更にディスプレイを備えた装置である。このアプリケーションプログラムは、ロボット20を制御する制御プログラムを作成するためのGUI(Graphical User Interface)や、制御装置30や画像処理装置40それぞれの状態(例えば、各種のステータスや故障の有無等)を表示するためのGUI等、各種の機能を有するGUIを情報処理装置5のディスプレイに表示させる。
【0020】
情報処理装置5は、ディスプレイに表示されたGUIを介してユーザーからの操作を受け付け、受け付けられた操作に基づいて前述の制御プログラムを作成し、それをコンパイルする。このコンパイルにより、制御プログラムは、制御装置30により実行可能な形式のオブジェクトコードに変換される。情報処理装置5は、ディスプレイに表示されたGUIを介してユーザーからの操作を受け付け、受け付けられた操作に基づいて、このオブジェクトコードを制御装置30に出力する。
【0021】
情報処理装置5は、ケーブルによって制御装置30と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格によって行われる。なお、情報処理装置5と制御装置30とは、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続される構成であってもよい。
【0022】
撮像装置10は、例えば、集光された光を電気信号に変換する撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を備えたカメラである。撮像装置10は、ケーブルによって画像処理装置40と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。なお、撮像装置10と画像処理装置40とは、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続される構成であってもよい。
【0023】
撮像装置10は、作業対象Mを含む範囲を撮像画像として撮像可能な位置に設置される。撮像装置10は、静止画像を撮像画像として撮像する構成であるとするが、これに代えて、動画像を撮像画像として撮像する構成であってもよい。
【0024】
ロボット20は、作業対象Mの位置及び姿勢に基づいた制御信号を制御装置30から取得し、取得した制御信号に基づいて所定の作業を行う。ロボット20は、例えば、物体(この一例では、作業対象M)を把持可能な爪部を備えるエンドエフェクターENDと、マニピュレーターMNPと、図示しない複数のアクチュエーターを備えた単腕のロボットである。単腕のロボットとは、エンドエフェクターENDとマニピュレーターMNP(又は、マニピュレーターMNPのみ)により構成される1本の腕を有するロボットを示す。
【0025】
なお、ロボット20は、単腕のロボットである構成に代えて、スカラロボット(水平多関節ロボット)や双腕のロボット等であってもよい。スカラロボットとは、マニピュレーターが水平方向にのみ動き、マニピュレーターの先端のスライド軸のみが上下に動くロボットである。また、双腕のロボットとは、エンドエフェクターENDとマニピュレーターMNP(又は、マニピュレーターMNPのみ)によりそれぞれ構成される2本の腕を有するロボットを示す。
【0026】
ロボット20の腕は、6軸垂直多関節型となっており、支持台とマニピュレーターMNPとエンドエフェクターENDとがアクチュエーターによる連携した動作よって6軸の自由度の動作を行うことができる。なお、ロボット20の腕は、5自由度(5軸)以下で動作するものであってもよく、7自由度(7軸)以上で動作するものであってもよい。
【0027】
ロボット20は、例えばケーブルによって制御装置30と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB等の規格によって行われる。なお、ロボット20と制御装置30とは、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって接続されてもよい。なお、ロボット20は、図1に示したようにロボット20の外部に設置された制御装置30と接続される構成とするが、この構成に代えて、制御装置30がロボット20に内蔵される構成であってもよい。
【0028】
制御装置30は、情報処理装置5からオブジェクトコードを取得し、取得されたオブジェクトコードに基づいて、所定の作業を行うようにロボット20を制御する。より具体的には、この一例において、制御装置30は、オブジェクトコードに基づいて画像処理装置40に対し、撮像装置10により作業対象Mを含む範囲が撮像された撮像画像を取得し、取得された撮像画像に基づいて作業対象Mの位置及び姿勢を算出する画像処理を行うように要求する。
【0029】
そして、制御装置30は、画像処理装置40による前述の画像処理が終了した後、作業対象Mの位置及び姿勢を示す情報を画像処理装置40から取得する。制御装置30は、取得された作業対象Mの位置及び姿勢に基づく制御信号を生成し、生成された制御信号をロボット20に出力することでロボット20が所定の作業を行うように制御する。
【0030】
画像処理装置40は、オブジェクトコードに基づく制御装置30からの要求に応じて、撮像装置10から作業対象Mを含む範囲が撮像された撮像画像を取得する。そして、画像処理装置40は、撮像装置10から撮像画像を取得した後、取得された撮像画像に基づいて作業対象Mの位置及び姿勢を算出する画像処理を行う。画像処理装置40は、画像処理の結果として得られた作業対象Mの位置及び姿勢を示す情報を制御装置30に出力する。
【0031】
なお、画像処理装置40は、オブジェクトコードに基づく制御装置30からの要求に応じてこれらの処理を行う構成に代えて、撮像装置10から周期的に撮像画像を取得し、撮像画像が取得される度に、取得された撮像画像に対して前述の画像処理を行うことで作業対象Mの位置及び姿勢を算出する構成であってもよい。この場合、画像処理装置40は、制御装置30から作業対象Mの位置及び姿勢を示す情報の取得の要求を取得するたびに、その時点で算出されている作業対象Mの位置及び姿勢を示す情報を制御装置30に出力する。
【0032】
以下では、このように構成されるロボットシステム1における画像処理装置40が有するリセット機能及びデータ保存機能について説明する。画像処理装置40が有するリセット機能とは、例えば、画像処理装置40を所定の状態に戻す機能を示し、例えば、画像処理装置40を工場出荷時の状態等に戻す機能を示す。また、画像処理装置40が有するデータ保存機能とは、画像処理装置40に関するデータを記憶する記憶部に記憶された画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を、画像処理装置40とは別体の記憶部(画像処理装置40と脱着可能)に記憶(保存)させる機能を示す。
【0033】
次に、図2を参照して、画像処理装置40のハードウェア構成について説明する。図2は、画像処理装置40のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)41と、記憶部42と、入力受付部43と、通信部44と、出力部45と、検出部46を備え、通信部44を介して制御装置30や他の画像処理装置40、他の装置等と通信を行う。これらの構成要素は、バスBusを介して相互に通信可能に接続されている。CPU41は、記憶部42に格納された各種プログラムを実行する。
【0034】
記憶部42は、メモリー421と、ストレージ422を備える。
メモリー421は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等を含み、画像処理装置40が備える機能部のうち主としてCPU41等のプロセッサーが直接アクセス可能な記憶装置である。
【0035】
ストレージ422は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、画像処理装置40が処理する各種情報や画像、プログラム等を格納する。
【0036】
外部ストレージ423は、例えば、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置である。
なお、メモリー421やストレージ422はそれぞれ、画像処理装置40に内蔵されるものに代えて、外部ストレージ423と同様に、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0037】
入力受付部43は、例えば、押下や長押し等によって複数の要求を画像処理装置40に入力することが可能な1以上のボタンであるが、これに代えて、3以上の状態を選択可能なスイッチであってもよく、キーボードやマウス、タッチパッドや、その他の入力装置であってもよい。その場合、入力受付部43は、タッチパネルとして表示部と一体に構成されてもよい。この一例において、入力受付部43は、1つのボタンであるとして説明する。
通信部44は、外部通信部441と、第1撮像通信部442と、第2撮像通信部443を備える。
【0038】
外部通信部441は、例えば、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB等のデジタル入出力ポート等を含んで構成される。この一例において、外部通信部441は、2個のイーサネット(登録商標)ポートを含む構成であるとして説明する。
第1撮像通信部442は、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB等のデジタル入出力ポート等を含んで構成され、それらのポートは、撮像装置10と通信を行うための専用ポートである。なお、第1撮像通信部442は、音声を取得するための音声取得装置等の他の装置と通信を行うための専用ポートであってもよい。
【0039】
第2撮像通信部443は、複数のイーサネット(登録商標)ポートや複数のUSB等のデジタル入出力ポート等を含んで構成され、それらのポートは、撮像装置10と通信を行うための専用ポートである。なお、第2撮像通信部443は、音声を取得するための音声取得装置等の他の装置と通信を行うための専用ポートであってもよい。
第1撮像通信部442と第2撮像通信部443は、それぞれが備えるポートの通信規格が異なる。この一例において、第1撮像通信部442は、4つのイーサネット(登録商標)ポートを含んで構成され、第2撮像通信部443は、4つのUSBポートを含んで構成されるとする。
【0040】
出力部45は、複数のLEDを備え、それらのLEDの点灯状態(例えば、消灯、点灯、点滅等)によって各種の情報を通知する。この一例において、出力部45は、緑色のLEDと、赤色のLEDを1つずつ備えるとして説明するが、これらのLEDの色は、それぞれ他の色であってもよく、同じ色であってもよい。なお、出力部45は、これらのLEDを備える構成に代えて、例えば、液晶ディスプレイパネル、あるいは、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルを備える構成であってもよく、音声を出力するスピーカーを備える構成等であってもよい。以下では、説明の便宜上、出力部45が備える緑色のLEDを状態LEDと称し、出力部45が備える赤色のLEDを警告LEDと称して説明する。
【0041】
検出部46は、画像処理装置40が備える複数のハードウェアそれぞれの状態を示す指標となる物理量を検出するための複数のセンサーである。この一例において、画像処理装置40が備える複数のハードウェアとは、図示しないCPU41の冷却ファンと、図示しない画像処理装置40の筐体内部を冷却するシステムファンと、CPU41と、図示しない画像処理装置40に内蔵されるBIOS(Basic Input Output System)バックアップ用の電池を示すが、これらのハードウェアの一部の組み合わせであってもよく、これらのハードウェアに他のハードウェアを含めた組み合わせであってもよく、1以上の他のハードウェアであってもよい。
【0042】
また、この一例において、ハードウェアの状態を示す指標となる物理量とは、CPU41の冷却ファンの回転数と、画像処理装置40の筐体内部を冷却するシステムファンの回転数と、CPU41の温度と、画像処理装置40に内蔵されるBIOSバックアップ用の電池の電圧値であるが、これらに代えて、これらの物理量の組み合わせであってもよく、これらの物理量に他の物理量を含めた組み合わせであってもよく、1以上の他の物理量であってもよい。
【0043】
本実施形態において、検出部46は、例えば、第1検出部461と、第2検出部462と、第3検出部463と、第4検出部464の4つのセンサーを備える。
第1検出部461は、例えば、CPU41の冷却ファンの回転数を検出する回転数センサーである。
第2検出部462は、例えば、画像処理装置40の筐体内部を冷却するシステムファンの回転数を検出する回転数センサーである。
第3検出部463は、例えば、CPU41の温度を検出する温度センサーである。
第4検出部464は、例えば、画像処理装置40に内蔵されるBIOSバックアップ用の電池の電圧値を検出する電圧センサーである。
【0044】
次に、図3を参照して、画像処理装置40の機能構成について説明する。図3は、画像処理装置40の機能構成の一例を示す図である。画像処理装置40は、記憶部42と、通信部44と、出力部45と、検出部46と、制御部47を備える。なお、この一例において、撮像装置10は、第1撮像通信部442に接続されているとし、第2撮像通信部443には、撮像装置が接続されていないとして説明する。
制御部47は、画像処理装置40の全体を制御する。制御部47は、入力判定部470と、検出情報取得部471と、状態情報保存部472と、初期化部473と、出力制御部474と、通信制御部475と、撮像制御部476と、画像取得部477と、画像処理部478を備える。
【0045】
制御部47が備える機能部のうち一部又は全部は、例えば、CPU41が、記憶部42のストレージ422に記憶されたプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。なお、制御部47は、処理部の一例である。また、この一例において、撮像装置10は、第1撮像通信部442に接続されているとし、第2撮像通信部443には、撮像装置が接続されていないとして説明する。
【0046】
入力判定部470は、入力受付部43により受け付けられたユーザーからの操作が、如何なる操作であったかを判定する。この一例において、入力判定部470は、入力判定部470により受け付けられたユーザーからの操作が、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1未満と、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上とのうちいずれであるかを判定する。
【0047】
検出情報取得部471は、検出部46が備える第1検出部461〜第4検出部464のそれぞれによって検出された物理量を周期的(例えば、1分経過毎)に取得する。なお、検出情報取得部471は、これに加えて、記憶部42が備えるメモリー421及びストレージ422のそれぞれから、記憶領域の空き容量を示す情報を周期的(例えば、1分経過毎)に取得する構成であってもよい。
【0048】
以下、説明の便宜上、検出部46から取得した複数の物理量をまとめて、検出情報と称して説明する。なお、検出情報取得部471は、検出情報を周期的に取得する構成に代えて、常に取得し続ける構成であってもよく、予め決められた時刻に取得する構成であってもよい。検出情報取得部471は、検出部46から取得された検出情報を、ハードウェアモニタリングの履歴情報として記憶部42のストレージ422に記憶させる。
【0049】
状態情報保存部472は、入力受付部43のボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1未満であると入力判定部470により判定された場合、画像処理装置40に外部ストレージ423が接続されているか否かを判定する。そして、状態情報保存部472は、画像処理装置40に外部ストレージ423が接続されていると判定した場合、画像処理装置40に関するデータの一部又は全部を外部ストレージ423に記憶(保存)させる。一方、状態情報保存部472は、画像処理装置40に外部ストレージ423が接続されていないと判定した場合、何もせずに待機する。
【0050】
初期化部473は、入力受付部43のボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上であると入力判定部470により判定された場合、ストレージ422に記憶された画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を削除する。
出力制御部474は、状態情報保存部472によって画像処理装置40に関するデータの外部ストレージ423への保存が実行された場合、その保存の成否に応じて出力部45の出力状態(この一例において、点灯状態)を変更する。
【0051】
通信制御部475は、画像処理部478により算出される作業対象Mの位置及び姿勢を示す情報を制御装置30に出力する。
撮像制御部476は、第1撮像通信部442を介して、作業対象Mを含む範囲を撮像するように撮像装置10を制御する。また、撮像制御部476は、第2撮像通信部443に何らかの撮像装置Zが接続されている場合、第2撮像通信部443を介して、撮像装置Zが撮像可能な範囲を撮像するように撮像装置Zを制御する。
【0052】
画像取得部477は、第1撮像通信部442を介して、撮像装置10から撮像画像を取得する。また、画像取得部477は、第2撮像通信部443に撮像装置Zが接続されている場合、第2撮像通信部443を介して、撮像装置Zから撮像画像を取得する。
画像処理部478は、画像取得部477により取得された撮像画像に基づいて、作業対象Mの位置及び姿勢を算出する画像処理を行う。
【0053】
以下、図4を参照して、制御部47が行う画像処理装置40の初期化処理及びデータ保存処理について説明する。図4は、制御部47が行う画像処理装置40の初期化処理及びデータ保存処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、制御部47は、入力受付部43によりユーザーからの操作を受け付ける(ステップS110)。
【0054】
ここで、制御部47が入力受付部43から受け付けるユーザーからの操作は、入力受付部43が備えるボタンを押下してから離すことを示す。なお、本実施形態において、入力受付部43は、入力受付部43が備えるボタンをユーザーが離した時点でユーザーからの操作の受け付けを行う構成とするが、これに代えて、入力受付部43が備えるボタンをユーザーが押下し続ける経過時間が所定時間T2以上である場合にユーザーからの操作の受け付けを行う構成であってもよい。
【0055】
次に、入力判定部470は、ステップS110で入力受付部43により受け付けられたユーザーからの操作(すなわち、ボタンの押下)において、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上であったか否かを判定する(ステップS120)。所定時間T1は、例えば、10秒であるが、他の時間であってもよい。ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上であった(すなわち、ボタンが長押しされた)と判定された場合(ステップS120−Yes)、初期化部473は、ストレージ422に記憶された画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を削除(すなわち、初期化)し(ステップS130)、画像処理装置40が初期化されたことを後述する画像処理装置40に係る履歴を示す情報に追加し、処理を終了する。なお、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上であった(すなわち、ボタンが長押しされた)と判定された場合は、リセット信号が入力された場合の一例である。
【0056】
ここで、初期化部473によるストレージ422に記憶された画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を削除する処理について説明する。この一例において、画像処理装置40に関するデータには、前述のハードウェアモニタリングの履歴情報と、情報処理装置5に表示されるGUIの表示内容に応じた画像処理装置40側の設定情報(例えば、GUIに表示させる情報の種類等)、画像処理装置40が行う画像処理に係る情報と、システム(OS(Operating System))ログ等が含まれる。
【0057】
ハードウェアモニタリングの履歴情報には、例えば、CPU41の温度、CPU41の冷却ファンの回転数、画像処理装置40の筐体内部を冷却するシステムファンの回転数、画像処理装置40に内蔵されるBIOSバックアップ用の電池の電圧値等の履歴を示す情報が含まれる。画像処理装置40が行う画像処理に係る情報には、撮像装置10の設定情報、画像処理プロジェクト、実行された画像処理に用いられた画像データ(例えば、撮像装置10により撮像された撮像画像や、情報処理装置5から取得した画像等)、画像処理装置40に係る履歴を示す情報等が含まれる。
【0058】
撮像装置10の設定情報には、例えば、シャッタースピードや露出、単位時間当たりの撮像回数等が含まれる。画像処理プロジェクトとは、例えば、画像処理を実行するための設定情報やプログラム、ライブラリ等の一群を示す。画像処理装置40に係る履歴を示す情報には、実行された処理を示す情報、実行された処理の順を示す情報、実行された処理に使用された撮像装置を示す情報、実行された処理の成否を示す情報、画像処理装置40が初期化されたことを示す情報等が含まれる。
【0059】
初期化処理において、初期化部473は、例えば、これらの画像処理装置40に関するデータに含まれる情報のうち、画像処理装置40に係る履歴を示す情報のみを残し、他の情報をストレージ422から削除する。このように画像処理装置40に係る履歴を示す情報以外の情報をストレージ422から削除することで、画像処理装置40は、容易に工場出荷時の状態へ戻す(すなわち、初期化する)ことができ、且つトラブルの原因を探る際に必要となる画像処理装置40に係る履歴を示す情報をユーザーへ提供することができる。
【0060】
なお、初期化部473は、画像処理装置40に係る履歴を示す情報に加えて、画像処理装置40に関するデータに含まれる他の情報の一部をストレージ422に残す構成であってもよい。その場合、制御部47は、入力受付部43によりユーザーからの操作を受け付け、受け付けられた操作に基づいてストレージ422に残す情報を画像処理装置40に関するデータから選択する構成であってもよく、画像処理装置40に関するデータに含まれる情報のうち予め決められた情報の組み合わせをストレージ422に残す構成であってもよい。このようにすることで、画像処理装置40は、工場出荷時の状態へ戻すことができるのに代えて、他の所定の状態(ユーザーが画像処理を行うための設定を行った直後の状態等)へ戻すことができる。
【0061】
また、この一例において、入力受付部43が備えるボタンがユーザーにより所定時間T1(例えば、10秒)以上押下され続けると、出力制御部474は、出力部45が備える状態LEDを5回点滅(この時、エラーLEDは消灯)するように制御する。所定時間T1は、予め決められた時間の一例である。このように状態LEDが5回点滅している間にユーザーがボタンを離すと、初期化部473は、ステップS130で説明する画像処理装置40の初期化を実行する。これにより、制御部47は、ユーザーが誤って画像処理装置40を初期化してしまうことを抑制することができる。
【0062】
図4に戻る。一方、ステップS120でボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1未満であった(すなわち、ボタンが長押しされていない)と判定された場合(ステップS120−Yes)、状態情報保存部472は、画像処理装置40に外部ストレージ423が接続されているか否かを判定する(ステップS140)。なお、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1未満であった(すなわち、ボタンが長押しされていない)と判定された場合は、データ保存信号が入力された場合の一例である。画像処理装置40に外部ストレージ423が接続されていないと判定した場合(ステップS140−No)、制御部47は、ステップS110に戻って待機する。
【0063】
一方、画像処理装置40に外部ストレージ423が接続されていると判定した場合(ステップS140−Yes)、状態情報保存部472は、画像処理装置40に関するデータに基づいて状態情報を生成する(ステップS150)。状態情報とは、画像処理装置40に関するデータをまとめて圧縮した情報であり、例えば、ZIPファイルフォーマット等に基づいて圧縮されたファイルである。なお、この一例において、状態情報のファイル名には、日時が付与されるとするが、これに代えて、他のファイル名であってもよい。
【0064】
次に、状態情報保存部472は、ステップS150で生成された状態情報を、外部ストレージ423に保存する(ステップS160)。以下では、説明の便宜上、ステップS160における状態情報保存部472による外部ストレージ423への状態情報の保存が成功したとして説明する。次に、出力制御部474は、ステップS160における状態情報保存部472による外部ストレージ423への状態情報の保存の成否に応じて出力部45の点灯状態を変更するように制御する(ステップS170)。
【0065】
ここで、図5を参照して、ステップS170における出力制御部474による出力部45の点灯状態の変更処理について説明する。図5は、出力制御部474による出力部45の点灯状態を変更する規則の一例を示す表である。出力制御部474は、図5に示した対応関係に基づき、ステップS160における状態情報保存部472による外部ストレージ423への状態情報の保存の成否に応じて出力部45の点灯状態を変更する。
【0066】
より具体的には、この一例において、出力制御部474は、ステップS160における状態情報保存部472による外部ストレージ423への状態情報の保存が成功した場合、出力部45の警告LEDを消灯させ、出力部45の状態LEDを高速点滅(300ms間隔で点滅)させる。一方、出力制御部474は、ステップS160における状態情報保存部472による外部ストレージ423への状態情報の保存が失敗した場合、出力部45の警告LEDを高速点滅(300ms間隔で点滅)させ、出力部45の状態LEDを消灯させる。これらにより、画像処理装置40は、状態情報の保存の成否を簡易にユーザーに通知することができる。なお、出力制御部474による出力部45の点灯状態の変更は、図5に示した規則に基づく変更に代えて、他の点灯状態への変更であってもよい。
【0067】
図4に示したステップS120において、入力判定部470は、ユーザーがボタンを押下した場合、ボタンが押下されたタイミングと、ボタンが離されたタイミングとを判定する等、ユーザーによる操作の他の状態を判定する構成であってもよい。このような構成において、ボタンが離されたタイミングを判定する場合、入力判定部470が、ボタンが押下されてから所定時間T1以上経過しているか否かも合わせて判定する。
【0068】
入力判定部470がこのような構成である場合、例えば、初期化部473は、入力判定部470によりボタンが離され、且つボタンが押下されてから所定時間T1以上経過していると判定された場合、ステップS130の処理を行う。また、状態情報保存部472は、例えば、入力判定部470によりボタンが押下されたと判定した場合、ステップS140からステップS170までの処理を行う。
【0069】
以上説明したように、本実施形態におけるロボットシステム1は、リセット信号が入力されると(この一例において、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上であった場合)、記憶部42のストレージ422に記憶する画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を削除する。これにより、画像処理装置40は、容易に所定の状態に戻すことができる。
【0070】
また、画像処理装置40は、リセット信号が入力されると(この一例において、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1以上であった場合)、記憶部42のストレージ422に記憶する画像処理装置40のハードウェアモニタリングの履歴情報と、情報処理装置5に表示されるGUIの表示内容に応じた画像処理装置40側の設定情報と、画像処理装置40が行う画像処理に係る情報と、システムログとのうち少なくとも一部を削除する。これにより、画像処理装置は、自装置のハードウェアモニタリングの履歴情報と、情報処理装置5に表示されるGUIの表示内容に応じた画像処理装置40側の設定情報と、画像処理装置40が行う画像処理に係る情報と、システムログとの一部又は全部に基づく所定の状態に戻すことができる。
【0071】
また、画像処理装置40は、データ保存信号が入力されると(この一例において、ボタンが押下されてから離されるまでの時間が所定時間T1未満であった場合)、記憶部42のストレージ422に記憶する画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を外部の記憶装置(この一例において、外部ストレージ423)に記憶する。これにより、画像処理装置40は、外部の記憶装置に記憶させた画像処理装置40に関するデータに基づいて、ユーザーに画像処理装置40の状態を調べさせることができる。
【0072】
また、画像処理装置40は、入力受付部43が備える1以上のボタンのうち、所定のボタンが押下されてから所定時間T1経過前に離された場合、データ保存信号を処理部に入力し、所定のボタンが押下されてから所定時間T1以上経過してから離された場合、リセット信号を制御部47に入力する。これにより、画像処理装置40は、所定のボタンを押下してから離すまでの時間に応じて、制御部47が行う処理を選択することができる。
【0073】
また、画像処理装置40は、所定のボタンが所定時間T1以上押下され続けた場合、予め決められた時間、出力部45の出力状態(この一例において、点灯状態)を変更する。これにより、画像処理装置40は、所定のボタンが所定時間T1以上押下され続けたか否かをユーザーに通知することができる。
【0074】
また、画像処理装置40は、初期化部473による画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部の削除又は状態情報保存部472による画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部の外部の記憶装置(この一例において、外部ストレージ423)への記憶の成否に応じて出力部45の出力状態(この一例において、点灯状態)を変更する。これにより、画像処理装置40は、初期化部473による画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部の削除又は状態情報保存部472による画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部の外部の記憶装置への記憶の成否をユーザーに通知することができる。
【0075】
また、画像処理装置40は、外部の記憶装置(この一例において、外部ストレージ423)が画像処理装置40に接続されていない場合、データ保存信号が入力された場合であっても画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部の外部の記憶装置への記憶を行わない。これにより、画像処理装置40は、外部の記憶装置に画像処理装置40に関するデータの少なくとも一部を記憶させる準備が整っていない状態での誤操作による状態情報保存部472の処理の続行を抑制することができる。
【0076】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0077】
また、以上に説明した装置(例えば、ロボットシステム1の画像処理装置40)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM:Random Access Memory)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0078】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 ロボットシステム、5 情報処理装置、10 撮像装置、20 ロボット、30 制御装置、40 画像処理装置、41 CPU、42 記憶部、43 入力受付部、44 通信部、45 出力部、46 検出部、47 制御部、421 メモリー、422 ストレージ、441 外部通信部、442 第1撮像通信部、443 第2撮像通信部、461 第1検出部、462 第2検出部、463 第3検出部、464 第4検出部、470 入力判定部、471 検出情報取得部、472 状態情報保存部、473 初期化部、474 出力制御部、475 通信制御部、476 撮像制御部、477 画像取得部、478 画像処理部
図1
図2
図3
図4
図5