【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような
第1の解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
運転者の運転に対する内的集中度合いが高い状態であることを検出する内的集中検出
手段と、
運転者の疲労を検出する疲労検出手段と、
前記内的集中検出手段によって内的集中度合いが高い状態であることが検出されている状態で、前記疲労検出手段によって運転者の疲労が検出されたときに、運転者の内的集中が高まる方向への運転支援を行う運転支援手段と、
運転者による運転操作の操作タイミングを検出する操作タイミング検出手段と、
お手本となる運転操作を記憶した記憶手段と、
を備え、
前記操作タイミング検出手段は、運転者による実際の運転操作を前記記憶手段に記憶されているお手本の運転操作と比較することにより、運転操作のタイミングを検出するようにされ、
前記運転支援手段による運転支援が、運転操作に対して生じる車両の挙動変化の応答性となる車両感度を変更することにより行われ、
前記運転支援手段は、前記操作タイミング検出手段によって運転操作の遅れが検出されたときに、車両の感度を向上させる運転支援を行なう、
ようにしてある。
【0007】
上記
第1の解決手法によれば、内的集中が高い状態で運転者が疲労したときには、内的集中が高まる方向へ運転支援を行うことにより、内的集中が高い状態を維持することができる。
【0008】
また、運転操作に応じた車両感度を変更するという手法によって、運転に対する内的集中を高めることができる。
【0009】
さらに、疲労時には、運転操作に遅れを生じることが多くなるが、このようなときに車両感度を高めて運転操作の遅れを補うことにより、運転に対する内的集中を高めることができる。
以上に加えて、お手本となる運転操作との比較によって、運転操作のタイミングを適切に検出することができる。
【0010】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、請求項2に記載のように、
運転者の運転に対する内的集中度合いが高い状態であることを検出する内的集中検出手段と、
運転者の疲労を検出する疲労検出手段と、
前記内的集中検出手段によって内的集中度合いが高い状態であることが検出されている状態で、前記疲労検出手段によって運転者の疲労が検出されたときに、運転者の内的集中が高まる方向への運転支援を行う運転支援手段と、
運転者による運転操作の操作タイミングを検出する操作タイミング検出手段と、
お手本となる運転操作を記憶した記憶手段と、
を備え、
前記操作タイミング検出手段は、運転者による実際の運転操作を前記記憶手段に記憶されているお手本の運転操作と比較することにより、運転操作のタイミングを検出するようにされ、
前記運転支援手段による運転支援が、運転操作に対して生じる車両の挙動変化の応答性となる車両感度を変更することにより行われ、
前記運転支援手段は、前記操作タイミング検出手段によって運転操作の早すぎが検出されたときに、車両の感度を低下させる運転支援を行う、
ようにしてある。上記第2の解決手法によれば、内的集中が高い状態で運転者が疲労したときには、内的集中が高まる方向へ運転支援を行うことにより、内的集中が高い状態を維持することができる。また、運転操作に応じた車両感度を変更するという手法によって、運転に対する内的集中を高めることができる。さらに、疲労時には、運転操作が早すぎることになる場合も生じるが、このようなときに車両感度を低下させて運転操作の早すぎを補うことにより、運転に対する内的集中を高めることができる。
以上に加えて、お手本となる運転操作との比較によって、運転操作のタイミングを適切に検出することができる。
【0011】
上記第1の解決手法あるいは第2の解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項3〜請求項5に記載のとおりである。すなわち、
車両感度を変更するための制御対象が、ステアリング系統とされ、
前記運転支援手段は、ハンドルの操作反力、操舵比の少なくとも一方を変更するように制御する、
ようにしてある(
請求項3対応)。この場合、ステアリング操作に対する車両感度の変更によって、運転に対する内的集中を高めることができる。
【0012】
車両感度を変更するための制御対象が、アクセル系統とされ、
前記運転支援手段は、アクセル操作に対する車両駆動力の関係を変更するように制御する、
ようにしてある(
請求項4対応)。この場合、アクセル操作に対する車両感度の変更によって、運転に対する内的集中を高めることができる。
【0013】
車両感度を変更するための制御対象が、ブレーキ系統とされ、
前記運転支援手段は、ブレーキ操作に対するブレーキ反力、ブレーキ圧、ブレーキディスクに対するブレーキパッドの間隔の少なくとも一つを変更するように制御する、
ようにしてある(
請求項5対応)。この場合、ブレーキ操作に対する車両感度の変更によって、運転に対する内的集中を高めることができる。
【0014】
【0015】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第3の解決手法を採択してある。すなわち、請求項6に記載のように、
運転者の運転に対する内的集中度合いが高い状態であることを検出する
内的集中検出手段と、
運転者の疲労を検出する疲労検出手段と、
前記内的集中検出手段によって内的集中度合いが高い状態であることが検出されている状態で、前記疲労検出手段によって運転者の疲労が検出されたときに、運転者の内的集中が高まる方向への運転支援を行う運転支援手段と、
運転者の状態を検出する運転者状態検出手段と、
運転者による運転操作状態を検出する運転状態検出手段と、
運転者による運転操作とは無関係な車載機器の操作状態を検出する機器操作状態検出手段と、
前記運転者状態検出手段、前記運転状態検出手段および前記機器操作状態検出手段での検出結果に基づいて、運転者の運転に対する集中度合いと運転に対する余裕度合いとをパラメータとする複数の類型に分類する分類手段と、
を備え、
前記分類手段は、運転に対する集中度合いが低くかつ運転に対する余裕度合いが低くなって運転以外への集中度合いが高くなる第1類型と、運転に対する集中度合いが低くかつ運転に対する余裕度合いが高くて運転に対する余裕が十分にある第2類型と、運転に対する集中度合いが高くかつ運転に対する余裕度合いが低くて外的要因によって運転への外的集中が高くなっている第3類型と、運転に対する集中度合いが高くかつ運転に対する余裕度合いが高くて運転への内的な集中が高くなっている第4類型と、に分類し、
前記分類手段によって前記第4類型であると分類されたときに、前記内的集中検出手段による内的集中度合いの高い状態の検出時であるとされる、
ようにしてある。上記第3の解決手法によれば、内的集中が高い状態で運転者が疲労したときには、内的集中が高まる方向へ運転支援を行うことにより、内的集中が高い状態を維持することができる。また、運転者状態について、運転への集中度合いと運転への余裕度合いとをパラメータとして4種類の類型に分類して、運転への内的集中が高まっている理想状態であることを精度よく判定することができる。
【0016】
上記第3の解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項7以下に記載のとおりである。すなわち、
運転者が能動的に運転を行っていることによる内的な集中度合いを判定する内的集中度合い判定手段と、
運転者が受動的に運転を行っていることによる外的な集中度合いを判定する外的集中度合い判定手段と、
運転者が、運転操作以外のことに集中している運転外集中度合いを判定する運転外集中度合い判定手段と、
運転者がなにも集中していないスペア余裕の度合いを判定するスペア余裕度合い判定手段と、
をさらに備え、
前記
分類手段は、前記内的集中度合い判定手段と前記外的集中度合い判定手段と前記運転外集中度合い判定手段と前記スペア余裕度合い判定手段との各判定結果に基づいて、前記類型に関する分類を行い、
前記
分類手段は、前記内的集中度合いと前記スペア余裕度合いとがそれぞれ運転者の余裕度合いに関する値とし、前記内的集中度合いと前記外的集中度合いとがそれぞれ運転者の集中度合いに関する値として、前記類型についての分類を行う、
ようにしてある(
請求項7対応)。この場合、各集中度合いおよびスペア余裕度合いを個別に判定することにより4種類の類型を精度よく分類することができ、この結果内的集中が高まっている理想状態の判定を精度よく行う上で好ましいものとなる。また、運転に対する集中度合いと余裕度合いとを適切に設定して、4種類の類型への分類を精度よく行って、内的集中が高まっている理想状態であることの判定を精度よく行う上で好ましいものとなる。
【0017】
前記疲労検出手段による運転者の疲労検出が、前記内的集中度合い判定手段で判定された内的集中度合いと、前記外的集中度合い判定手段により判定された外的集中度合いと、前記運転外集中度合い判定手段により判定された運転外集中度合いと、に基づいて行われる、ようにしてある(
請求項8対応)。この場合、各判定手段の判定結果を有効に利用して、運転者の疲労を検出することができる。