(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1から
図27を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、
図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、
図3はパチンコ機10の背面図である。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0015】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(
図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(
図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0016】
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0017】
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0018】
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(
図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(
図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
【0019】
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(
図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0020】
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(
図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0021】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0022】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51及び操作デバイス300が配設される。なお、操作デバイス300については後述する。
【0023】
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
【0024】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
【0025】
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(
図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
【0026】
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(
図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に
図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
【0027】
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0028】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(
図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(
図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(
図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
【0029】
遊技領域の正面視左側下部(
図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(
図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
【0030】
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0031】
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
【0032】
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
【0033】
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
【0034】
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
【0035】
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
【0036】
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
【0037】
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(
図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(
図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0038】
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
【0039】
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
【0040】
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
【0041】
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
【0042】
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
【0043】
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
【0044】
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
【0045】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(
図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
【0046】
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(
図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
【0047】
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
【0048】
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
【0049】
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
【0050】
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
【0051】
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0052】
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0053】
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
【0054】
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(
図11参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0055】
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0056】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
【0057】
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(
図1参照)を通じて視認することができる。
【0058】
遊技盤13には、アウト口(図示せず)が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
【0059】
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
【0060】
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0061】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0062】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0063】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0064】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0065】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(
図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0066】
次に、
図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0067】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
【0068】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0069】
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0070】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0071】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0072】
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0073】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0074】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0075】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0076】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0077】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0078】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ335a,337a及び振動装置366が含まれる。
【0079】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
【0080】
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
【0081】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
【0082】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(
図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
【0083】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
【0084】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(
図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0085】
図5は、第1実施形態における操作デバイス300の正面斜視図である。
図5に示すように、操作デバイス300は、正面視における内枠12の左右方向中央部(即ち、パチンコ機10の左右方向中央部)に配置される。
【0086】
操作デバイス300は、遊技者が把持操作可能な首振り操作部材310を備え、その首振り操作部材310は、上皿17の外枠に沿って前後方向に凹設される収容凹部17a及び下皿ユニット15の左右方向中央部で上下方向に凹設される収容凹部15aによって構成される領域を移動可能とされる。
【0087】
首振り操作部材310と収容凹部15a,17aとの間には、少なくとも手の指が無理なく入る程度の隙間が空けられる。これにより、遊技者は、首振り操作部材310を上から握りこむ態様で把持することができる。首振り操作部材310を上から握りこむ態様で把持した場合、首振り操作部材310と収容凹部17aとの間に入れた指が首振り操作部材310の背面側の側面に引っ掛かり、その状態で手の力を抜いて重力に任せても、手が首振り操作部材310から滑り落ちることが防止される。従って、遊技者が首振り操作デバイス310の上に手を維持する負担を軽減することができる。
【0088】
なお、遊技者は右手で操作ハンドル51を握るため、首振り操作部材310の操作は左手で行われることが多くなる。そのため、以下の説明では、遊技者が首振り操作部材310を左手で操作するという前提で、説明を行う。
【0089】
図6(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、
図6(b)は、
図6(a)のVIb−VIb線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、
図7(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、
図7(b)は、
図7(a)のVIIb−VIIb線におけるパチンコ機10の部分断面図である。
【0090】
図6及び
図7では、パチンコ機10の、操作デバイス300付近が部分的に図示される。なお、
図6では、首振り操作部材310が上向き位置(本実施形態における初期位置)に配置された状態が図示され、
図7では、首振り操作部材310が下向き位置(本実施形態における押し下げ位置)に配置された状態が図示され、首振り操作部材310を把持する手が想像線で図示される。
【0091】
下皿ユニット15の収容凹部15a及び上皿17の収容凹部17aは、首振り操作部材310の外形から十分に離間して配置される。そのため、遊技者が首振り操作部材310を把持し、押し下げ操作する際に、首振り操作部材310と収容凹部15a及び収容凹部17aとの間に指を挟むことを抑制することができる。
【0092】
図6及び
図7に示すように、遊技者は中間枠部材312に指をかけて首振り操作部材310を把持する。この状態で、押しボタン部分を兼ねるレンズ部材317が掌と対面配置されるので、遊技者が首振り操作部材310を把持したまま握り込むことで、振動部材310を押し込む操作を行うことができる。そのため、首振り操作部材310を把持した状態で指で押しボタンを押したり、首振り操作部材310を持ち替えたりせず、首振り操作部材310を把持した状態でレンズ部材317を押し込み操作することができる。従って、操作を簡単化することができる。
【0093】
首振り操作部材310に配置されるレンズ部材317が、遊技者が首振り操作部材310を把持した際に掌に当たる位置に配設される。そのため、遊技者が首振り操作部材310を把持していることを検出した上でレンズ部材317を振動させることで、遊技者(の掌や指など)に振動を伝えることができ、振動が遊技者に気づかれないという事態を防ぐことができる。従って、操作デバイス300の演出効果を向上させることができる。
【0094】
また、その振動に合わせてレンズ部材317を押し込み操作することで、入力操作をするタイミングを図ることができるように演出を行うことができ、入力操作のタイミングを図ることに集中しすぎて遊技に集中できないという問題点を解消することができる。
【0095】
遊技者が首振り操作部材310を把持した状態で、レンズ部材317は遊技者の手の内側に隠されるので、レンズ部材317が振動しているかどうか(レンズ部材317が中間枠部材312に対して移動しているかどうか)を、首振り操作部材310を把持している遊技者以外の他の遊技者は把握しづらくなる。そのため、首振り操作部材310を握っている遊技者だけに対して大当たりの告知をすることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0096】
図6及び
図7に示すように、首振り操作部材310が上向き位置に配置される状態と、下向き位置に配置される状態とでは、首振り操作部材310の前後位置および上下位置が異なる。これにより、首振り操作部材310を操作する際に、遊技者は手の位置を上下方向や前後方向に移動させることになるので、遊技者が操作している実感を得ることができる。
【0097】
遊技者が首振り操作部材310を把持する際に、遊技者の指は中間枠部材312に振れ、遊技者の指先が背面側枠部材311に引っかかる。背面側枠部材311が背面側に曲率半径の中心を有する円弧を描く態様で反り返ることで、容易に指先を背面側枠部材311に引っ掛けることができるので、
図7(b)に示すように、首振り操作部材310が下向き位置に配置される場合のように手首が固まる姿勢でも、指先が背面側枠部材311から外れることを抑制することができる。
【0098】
また、指先が背面側枠部材311に引っかかることで、掌の内側に振動装置366(
図11参照)の振動を閉じ込めることができ、遊技者が感じる振動を大きく確保することができる。
【0099】
図7に示すように、
図6に示す状態から首振り操作部材310を押し下げると、首振り操作部材310が遊技者の手前下方に移動することにより自然と手首が返る。そのため、首振り操作部材310を奥に押し込む操作(
図22(b)参照)を、手首の返しを解除する態様で手首を伸ばすことで行うことができる。これにより、首振り操作部材310を操作する遊技者の負担を軽減することができる。
【0100】
図6に示すように、首振り操作部材310の下端部から首振り操作部材310の回転軸である軸支棒363までの腕長さR1に比較して、首振り操作部材310の上端部から首振り操作部材310の回転軸である軸支棒363までの腕長さR2が長尺とされる。これにより、首振り操作部材310の上部を把持して首振り操作部材310を軸支棒363中心で回転させる場合に容易に(軽い力で)回転させることができる。一方で、首振り操作部材310の下端部に手をかけて、首振り操作部材310を軸支棒363中心で回転させる(誤操作する)場合には大きな力を必要とすることができる。従って、首振り操作部材310の上部を把持して首振り操作部材310を回転させる際の遊技者の負担を軽減できると共に、遊技者が首振り操作部材310の下端部に手をかけて、首振り操作部材310を回転させる誤操作を抑止することができる。
【0101】
図8は、操作デバイス300の正面斜視図である。なお、
図8では、操作デバイス300の首振り操作部材310が、下向き位置(
図7参照)に配置された状態が図示される。
図8に示すように、操作デバイス300は、矩形状の外側ケース部材320から、首振り操作部材310が正面側に張り出して配置される。
【0102】
図9は、操作デバイス300の正面分解斜視図である。なお、
図9では、外側ケース部材320が、その外側ケース部材320よりも内側に配設される内側ケース部材330から取り外された状態が図示される。
【0103】
図9に示すように、外側ケース部材320は、カバー部材344,345(
図11参照)の曲面に沿った形状で背面側が形成され内側ケース部材330に正面側からカバー部材344,345の左右の縁を隠す態様で取り付けられる前カバー321と、その前カバー321の上端から後方に凸設される凸設部321aに上側から嵌め込まれる長尺板形状の上カバー322と、前カバー321及び上カバー322の左右方向にフランジ状に延設されるフランジ部321b,322aを内嵌する態様で内ケース部材330に左右方向から締結固定される左カバー部材323,右カバー部材324と、内ケース部材330の内部に張り出して配設される複数のセンサ部材325aを有するセンサ基盤325と、を主に備える。
【0104】
左カバー部材323及び右カバー部材324を締結固定する一方で、前カバー321及び上カバー322を嵌め込みで固定することで、正面視において締結ビスが視認されることを防止することができる。従って、操作デバイス300を分解するいたずらを防止することができる。
【0105】
センサ部材325aは、第1センサ挿通孔332e2に挿通されるフォトカプラ形式の第1センサ部材325a1と、第2センサ挿通孔332e3に挿通されるフォトカプラ形式の第2センサ部材325a2と、その第2センサ部材325a2の下方に配置されセンサ挿通孔332fに挿通されるフォトカプラ形式の第3センサ部材325a3と、を主に備える。
【0106】
なお、第1センサ部材325a1及び第2センサ部材325a2は、レバー部材340の姿勢を検出するセンサであり、第3センサ部材325a3は、偏心カム部材333の位相を検出するセンサである。
【0107】
また、フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分を挿入可能な隙間(スリット)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
【0108】
図10は、操作デバイス300の正面分解斜視図である。なお、
図10では、外側ケース部材320の図示が省略され、内側ケース部材330が分解された状態が図示される。
【0109】
図10に示すように、内側ケース部材330は、レバー部材340が内側に配設される箱状に組立てられる左カバー部材331及び右カバー部材332と、左カバー部材331から凸設される偏心カム軸331d2に軸支される偏心カム部材333と、その偏心カム部材333との相対的な位相が不変とされ偏心カム部材333と同様に偏心カム軸331d2に軸支される位相検出部材334と、左カバー部材331に外側から締結固定され偏心カム部材333を回転させる駆動力を発生させる第1駆動装置335と、左カバー部材331から凸設されるロック軸331d3に軸支されるロック部材336と、右カバー部材332に外側から締結固定されロック部材336を回転させる駆動力を発生させる第2駆動装置337と、レバー部材340を軸支するレバー支持軸331d1の後方に配設されるギアダンパ338と、を主に備える。
【0110】
左カバー部材331は、右方に開口が形成される有底筒状の部材であって、その底部(
図10左側部分)において矩形板状に形成される下側側壁部331aと、その下側側壁部331aの上側に正面視左方(
図10奥側)にオフセットされる矩形板状の上側側壁部331bと、下側側壁部331a及び上側側壁部331bの縁から右方に延設され手前側上部を除いて右カバー部材332と当接される板状の連結側壁部331cと、下側側壁部331a又は上側側壁部331bから右方に凸設され円柱形状に形成される複数の棒状部材331dと、上側側壁部331bに穿設される複数の挿通孔331eと、ロック部材336の姿勢を検出するフォトカプラ形式のセンサ部材331fと、上側側壁部331bの左方に張り出され棒状部材331dの内の最上部に配置されるレバー支持軸331d1を内嵌支持する有底筒状の軸支部331gと、を主に備える。
【0111】
右カバー部材332は、左方に開口が形成される有底筒状の部材であって、その底部(
図10右側部分)において矩形板状に形成される下側側壁部332aと、その下側側壁部332aの上側に正面視右方(
図10手前側)にオフセットされる板状の上側側壁部332bと、下側側壁部332a及び上側側壁部332bの縁から左方に延設され手前側上部を除いて左カバー部材331と当接される板状の連結側壁部332cと、下側側壁部332aに一対の円形状が組み合わされた態様で穿設され第2駆動装置337のギア部分が挿通される駆動部材挿通孔332dと、上側側壁部332bに穿設される複数の挿通孔332eと、第3センサ部材325a3が挿通されるセンサ挿通孔332fと、上側側壁部332bの右方に張り出され棒状部材331dの内の最上部に配置されるレバー支持軸331d1を内嵌支持する有底筒状の軸支部332gと、上側側壁部332bの内面側に環状に凸設される環状凸部332iと、を主に備える。
【0112】
上側側壁部331b,332bは、手前側上部が左右方向視で軸支部331g,332gを中心とした1/4円形状に形成され(
図17(b)参照)、連結側壁部331c,332cは、手前側上部に左右方向に切りかかれる切り欠き331c1,332c1を備える。
【0113】
切り欠き331c1,332c1は、レバー部材340が通される部分であって、レバー部材340の横ずれ(揺動軸であるレバー支持軸331d1の延設方向の位置ずれ)を防止する役割を有する。また、上側側壁部331b,332bの1/4円形状を利用して、前カバー321(
図9参照)が内側ケース部材330に正面側から取り付けられる。
【0114】
棒状部材331dは、本実施形態では4本の円柱部材から形成される。即ち、棒状部材331dは、左カバー部材331の最上部に配置されるレバー支持軸331d1と、そのレバー支持軸331d1の下方に配設される偏心カム軸331d2と、下側側壁部331aの右方から凸設されるロック軸331d3と、そのロック軸331d3の下方に併設される補助軸331d4と、を主に備える。
【0115】
レバー支持軸331d1は、レバー部材340が揺動可能に軸支される部材であって、軸支部331g,332gに挿通されることで両端支持される。
【0116】
偏心カム軸331d2は、偏心カム部材333及び位相検出部材334が位相合わせされた状態で挿通される部材である。
【0117】
ロック軸331d3及び補助軸331d4は、共にロック部材336が挿通される軸であって、ロック軸331d3はロック部材336の軸支孔336bが軸支される部材であって、補助軸331d4は、ロック部材336の案内孔336cを案内する部材である。
【0118】
挿通孔331eは、本実施形態では、3箇所の貫通孔から構成される。即ち、レバー支持軸331d1の手前側に配置されると共にレバー支持軸331d1を中心とした円弧に沿った長孔状の案内支持孔331e1と、レバー支持軸331d1の背面側に配置される円形状の貫通孔であってギアダンパ338が挿通されるギアダンパ挿通孔331e2と、ギアダンパ挿通孔331e2の背面側下方に配置され一対の円形状が組み合わされた態様で穿設される駆動部材挿通孔331e3と、を主に備える。
【0119】
案内支持孔331e1は、角度規制棒部材346が挿通されレバー部材340の揺動を案内すると共に、レバー部材340の揺動の終端を端部で規定する。
【0120】
センサ部材331fは、ロック部材336の検出片336eがセンサ部材331fの隙間を通過することを検出して、ロック部材336の姿勢を検出する。
【0121】
駆動部材挿通孔332dは、大型の円と小型の円とが連結される形状とされるので、それぞれの円の形状を調整しておくことで、第2駆動装置337の駆動ギア337bを、大型の円を通して右カバー部材332の左方に張り出させ、その状態で駆動ギア337bを軸支する部分の台座部分を小型の円に嵌め込むことができる。
【0122】
これにより、第2駆動装置337に駆動ギア337bを軸支したまま内カバー部材332に挿通すること(駆動ギア337bの外径以上の径の孔が必要)と、挿通した第2駆動装置337の軸位置を固定すること(駆動ギア337bの駆動軸の台座と同程度の径の孔で固定)とを両立させることができる。
【0123】
挿通孔332eは、本実施形態では、3箇所の貫通孔から構成される。即ち、案内支持孔331e1と左右方向で合致する位置および形状で形成されレバー部材340の角度規制棒部材346が案内される案内支持孔332e1と、軸支部332gの背面側に配設される長方形状の貫通孔であって第1センサ部材325a1が挿通される第1センサ挿通孔332e2と、その第1センサ挿通孔332e2が軸支部332gを中心として回転した位置に配置される長方形状の貫通孔であって第2センサ部材325a2が挿通される第2センサ挿通孔332e3と、を主に備える。
【0124】
センサ挿通孔332e2,332e3は、レバー部材340のセンサ検出片343bが隙間を通過することを検出してレバー部材340の姿勢を検出するセンサ部材325a1,325a2を挿通する貫通孔である。
【0125】
軸支部331g,332gにねじりバネSP1が巻き付けられる。また、軸支部331g,332gの前下方に板状のねじりバネ係止部331h,332hが配置され、左カバー部材331及び右カバー部材332の左右方向外側に延設される。
【0126】
本実施形態では、ねじりバネSP1の一端がねじりバネ係止部331h,332hに上側から当接され、他端が角度規制棒部材346に下側から当接される。これにより、レバー部材340は首振り操作部材310が起き上がる方向に付勢される。
【0127】
環状凸部332iは、位相検出部材334が外嵌される部分である。環状凸部332iに位相検出部材334が外嵌されることにより、偏心カム軸331d2の軸合わせを強固に行うことができる。
【0128】
第1駆動装置335は、駆動力を発生させる駆動モータ335aと、その駆動モータ335aに軸支され回転駆動される駆動ギア335bと、を主に備える。駆動ギア335bは偏心カム部材333の本体部333aと歯合され、駆動力が伝達される。
【0129】
ロック部材336は、レバー部材340の揺動を防止する部材であって、先端側が略L字の鉤状に形成される本体部336aと、その本体部336aの基端側に穿設される軸支孔336bと、その軸支孔336bを中心とした円弧に沿って形成される案内孔336cと、本体部336aの基端側から軸支孔336bの軸径方向外側へ向かってギア状に凸設されるギア部336dと、軸支孔336bの軸径方向外側に延設されると共にセンサ部材331fの隙間を通過可能とされる板状の検出片336eと、を主に備える。
【0130】
案内孔336cは、補助軸331d4が挿通される長孔であり、この案内孔336cの長さにより、ロック部材336の揺動終端を規定することができる。
【0131】
第2駆動装置337は、駆動力を発生させる駆動モータ337aと、その駆動モータ337aに軸支され回転駆動される駆動ギア337bと、を主に備える。駆動ギア337bはロック部材336のギア部336dと歯合され、駆動力が伝達される。
【0132】
ギアダンパ338は、歯合回転する部材に粘性抵抗を与える部材であって、ギアダンパ挿通孔331e2を通して左カバー部材331の右方(内側ケース部材330内方)にギア部材が張り出されると共に、そのギア部材はギア部342b(
図11参照)に歯合される。そのため、レバー部材340は、揺動する間、ギアダンパ338から粘性抵抗を受ける。
【0133】
図11は、首振り操作部材310及びレバー部材340の分解正面斜視図である。
図11では、首振り操作部材310から背面側枠部材311が分解された状態が図示されると共に、レバー部材340の左右に締結固定されるギアダンパ受け部材342、姿勢検出部材343及び破壊防止を目的として配設される剥離部材350が分解された状態が図示される。
【0134】
背面側枠部材311は、外殻が背面側に突出する半球形状に形成され、その突出された先から上部が正面側に張り出す(戻る)態様で略半円状に凹む(
図17(b)参照)。その凹む部分に略矩形状の開口である挿通孔311aを備える。挿通孔311aは、首振り部材360が部分的に挿通される貫通孔である。
【0135】
図11に示すように、レバー部材340は、鉄などの金属材料から形成され断面コ字状の長尺棒状に形成される本体部材341と、その本体部材341の左側側面に締結固定され軸方向視の外形が略円形状に形成されるギアダンパ受け部材342と、そのギアダンパ受け部材342と同軸で軸支され軸方向視の外形が略円形状に形成されると共に本体部材341の右側側面に締結固定される姿勢検出部材343と、それらギアダンパ受け部材342及び姿勢検出部材343の円形部分に上側から外嵌する形状に形成される上部カバー部材344と、本体部材341を挟んで上部カバー部材344と対向配置される下部カバー部材345と、ギアダンパ受け部材342の筒状部342a及び姿勢検出部材343の筒状部343aに挿通される角度規制棒部材346と、本体部材341の軸孔341bと同軸で軸支される剥離部材350と、本体部材341の正面側端部に配設される首振り部材360と、を主に備える。
【0136】
ギアダンパ受け部材342は、本体部材341の軸孔341bに挿通される筒状の筒状部342aと、外周面に沿ってギア歯状に形成されるギア部342bと、を主に備える。また、姿勢検出部材343は、本体部材341の軸孔341bに挿通される筒状の筒状部343aと、その筒状部343aから最も離間した位置(
図11の奥側)に軸心方向に沿って延設される板状のセンサ検出片343bと、を主に備える。
【0137】
筒状部342a,343aは、本体部材341の軸孔341bに挿通される部分であって、内周側にレバー支持軸331d1(
図10参照)が挿通される。これにより、レバー部材340がレバー支持軸331d1を軸に揺動可能とされる。
【0138】
ギア部342bは、ギアダンパ338(
図10参照)と歯合される部分であって、ギアダンパ338が発生する粘性抵抗をレバー部材340に伝達する部分である。
【0139】
センサ検出片343bは、第1センサ部材325a1又は第2センサ部材325a2(
図18(c)参照)の隙間を通過することでレバー部材340の姿勢を検出可能とする部分である。
【0140】
剥離部材350は、レバー部材340の軸孔341bと同軸で配置されレバー支持軸331d1(
図10参照)に挿通される挿通孔352を備える板状の本体部材351と、その本体部材351の上側に固定される矩形状の嵩上げ部材353と、その嵩上げ部材353の上側に配置され本体部材351に締結固定されると共に磁性体材料から形成される磁石部材354と、を主に備える。
【0141】
磁石部材354は、本体部材341と対向配置され、本体部材351に締結固定されるので、本体部材341と本体部材351とを合体したり、分離させたりする働きを持つ。
【0142】
図12は、レバー部材340の本体部材341、上部カバー部材344、下部カバー部材345及び首振り部材360の正面分解斜視図である。
【0143】
レバー部材340の本体部材341は、断面コ字状の長尺棒状に形成される本体部341aと、その本体部341aの略中央部において左右方向に穿設される一対の軸孔341bと、その軸孔341bの正面側において左右方向に穿設される規制孔341cと、本体部341aの正面側端部において本体部341aの延設方向に対して下方(
図12下方)に傾斜して延設される左右一対の首振り部材支持部341dと、その首振り部材支持部341dの根本側で左右方向に穿設される軸孔341eと、その軸孔341eの正面側において左右方向に穿設される規制孔341fと、を主に備える。
【0144】
軸孔341bは、筒状部342a,343a(
図11参照)が挿通されると共にレバー支持軸331d1が挿通される貫通孔である。即ち、この軸孔341bの軸と同軸にレバー部材340の本体部材341と、剥離部材350とが軸支される。
【0145】
規制孔341cは、角度規制棒部材346が支持される貫通孔である。
【0146】
軸孔341eは、首振り部材360を軸支する軸支棒363が挿通される貫通孔であり、規制孔341fは首振り部材360の揺動角度を規制する規制棒365が挿通される貫通孔である。なお、規制孔341fに比較して軸孔341eの方が軸支棒363の周りに緩衝部材364が配設される分、内径が大きくされる。
【0147】
上部カバー部材344は、樹脂材料から形成され、レバー部材340の本体部材341に上側から締結固定される部材であって、背面側に軸孔341bを中心とする円に沿った曲面を形成する態様とされるガイド部344aと、そのガイド部344aに連設されレバー部材340の本体部341に上側から外嵌可能な断面コ字形状に形成される外嵌部344bと、それらガイド部344a及び外嵌部344bを連結する連結部344cと、を主に備える。連結部344cは、厚さが薄くされる(
図22参照)。
【0148】
下部カバー部材345は、樹脂材料から形成され、レバー部材340の本体部材341に下側から締結固定される部材であって、軸孔341bを中心とする円に沿った形状で左右方向に延設される背面ガイド部345aと、レバー部材340の本体部341に下側から外嵌可能な断面コ字形状に形成される外嵌部345bと、外嵌部345bを挟んで背面ガイド部345aの反対側に配設され正面側へ向けて湾曲形成される正面曲面部345cと、その正面曲面部345cの左右の端部から正面側に延設される正面ガイド部345dと、を主に備える。
【0149】
背面ガイド部345aは、上部カバー部材344のガイド部344aと共に、内側ケース部材330の切り欠き331c1(
図10参照)に沿って配設される部分である。組立状態において、背面ガイド部345a及びガイド部344aの縁部を覆い隠す態様で外側ケース部材320の前カバー321(
図8参照)や上カバー322(
図8参照)が配設される。これにより、背面ガイド部345a及びガイド部344aは、内側ケース部材330に埃や球(遊技球、遊技媒体)が侵入することを防止することができる。
【0150】
正面曲面部345c及び正面ガイド部345dは、共に首振り部材360の本体部材361の揺動を案内(
図11参照)する部分である。正面曲面部345cによって、首振り部材360の回転方向の位置ずれや、レンズ部材317(
図10参照)を押し込まれた際の衝撃が受け止められ、正面ガイド部345dによって、首振り部材360が軸方向に位置ずれすることが抑制される。
【0151】
なお、下部カバー部材345は、内側ケース部材330の切り欠き331c1(
図10参照)の下端部と対向配置されるので、レバー部材340が押し下げ動作される際に外側ケース部材320(
図8参照)にレバー部材340の本体部材341(金属材料から形成される)が直接当接することを防止することができる。即ち、間に樹脂材料から形成される下部カバー部材345が配設されることで、レバー部材340と外側ケース部材320とが当接した場合の衝撃を緩和することができる。
【0152】
首振り部材360は、レバー部材340の本体部材341の正面側端部に配設され軸孔341eを軸に揺動可能とされる部材であって、首振り部材支持部341dの左右方向外側に配設される側壁部361aを有すると共に断面コ字状に形成される板状の本体部材361と、その本体部材361の正面側の壁部に係止されると共に本体部材361と同軸で軸支される板状のモータ固定板362と、本体部材361の軸孔361c及び軸孔341eに挿通される円柱形状の軸支棒363と、その軸支棒363を内嵌すると共に軸孔341eに外嵌される緩衝部材364と、その緩衝部材364に巻き付け支持されるねじりバネSP2と、規制孔341fに挿通固定される円柱形状の規制棒365と、モータ固定板362に締結固定されモータ固定板362の面に垂直な方向に直線的な振動を発生させるボイスコイルモータから構成される振動装置366と、を主に備える。
【0153】
本体部材361は、互いに対向配置される一対の板状の側壁部361aと、その側壁部361aを正面側の端部で連結する正面壁部361bと、一対の側壁部361aに同軸で円形に穿設され緩衝部材364が内嵌される軸孔361cと、その軸孔361cを中心とした円に沿って形成され規制棒365が挿通される長孔状の角度規制孔361dと、側壁部361a及び正面壁部361bの上側で互いに離反する方向に折曲形成され首振り操作部材310が締結固定される固定板部361eと、を主に備える。
【0154】
側壁部361aの背面側端部の外形が軸孔361cを中心とした円形に形成されているので、側壁部361aの背面側端部を正面曲面部345cに摺動させた状態で本体部材361を揺動させることができる。
【0155】
軸孔361cは、軸孔341eと同様に、緩衝部材364に外嵌支持される。これにより、首振り部材360側で生じる振動がレバー部材340の本体部材341側へ伝達することを抑制することができる。
【0156】
角度規制孔361dは、樹脂材料から形成される緩衝部材361d1を備える。緩衝部材361d1は角度規制孔361dの内周面を覆う態様で取り付けられる。これにより、規制棒365が角度規制孔361dに当接する際の衝撃を抑制することができる。
【0157】
モータ固定板362は、本体部材361の正面壁部361bに対して垂直に係止される板状の本体部362aと、その本体部362aの左右端部で折曲される一対の側壁部362bと、を主に備える。
【0158】
本体部362aは、正面側に突起362a1が凸設され、その突起362a1が正面壁部361bに穿設される孔に差し込まれることで係止される。
【0159】
側壁部362bは、軸孔341eと同径の軸孔362b1が穿設され、緩衝部材364に外嵌支持される部分であって、首振り部材支持部341dの左右方向内側に配設される。即ち、首振り部材支持部341dは、側壁部361aと側壁部362bとに挟まれる形で組立られる。
【0160】
緩衝部材364は、本体部材341に外側から挿通される筒状部材であって、差し込み先端側である差し込み部364aが小径に形成され、その差し込み部364aよりも根本側に形成される根本部364bが差し込み部364aに比較して大径に形成される。
【0161】
緩衝部材364に外嵌支持されるものの内、本体部材361は根本部364bに外嵌され、本体部材341及びモータ固定板362は差し込み部364aに外嵌される。
【0162】
振動装置366は、電磁力により一対の部材を直線方向に近接離反させる態様で互いに動作させる装置であって、モータ固定板362に締結固定されると共に周囲に銅線が巻き付けられた筒状部材であるボビン部材366aと、そのボビン部材366aの内周面よりも外径が小径とされる円筒およびボビン部材366aの外周面よりも内径が大径とされる円筒が同軸で配置され円板形状の板で連結される押し付け部材366b(
図19参照)と、を主に備える。
【0163】
押し付け部材366bは、内側の円筒が軸心方向で極性が変化する磁性体材料から形成される。
【0164】
ねじりバネSP2は、一方の端部が本体部材341に係止され、他方の端部がモータ固定板362に係止される。本実施形態では、ねじりバネSP2により、首振り部材360が、本体部材341に対して倒れる方向に付勢される。
【0165】
図13は、首振り操作部材310の正面分解斜視図である。なお、
図13では、背面側枠部材311の図示が省略される。
図13に示すように、首振り操作部材310は、背面側枠部材311(
図11参照)と、その背面側枠部材311が締結固定されると共に首振り部材360の固定板部361eに締結固定される円環板状の中間枠部材312と、その中間枠部材312との位相が一致された状態で中間枠部材312の正面側に締結固定される振動案内部材313と、その振動案内部材313から凸設される導光部材313aが挿通されると共に中心部に孔を有さない円盤形状に形成される振動部材314と、その振動部材314の中央部に固定される振動コイルスプリングCS1を挟んで振動部材314と対向配置されるスイッチ部材315と、そのスイッチ部材315の正面側から外嵌される中間部材316と、その中間部材316を背面側に収容すると共に振動部材314に外嵌支持されるレンズ部材317と、を主に備える。
【0166】
上述した構成により、首振り操作部材310は、中間枠部材312及び振動案内部材313が互いに固定され、振動部材314及びレンズ部材317が互いに固定され、スイッチ部材315及び中間部材316が互いに固定される。
【0167】
中間枠部材312は、円環板形状の底部312aと、その底部312aの外周から全周に亘って前方に延設される側壁部312bと、底部312aの形成する面に垂直な方向で正面側に立設される複数の円柱形状のスイッチ支持棒312cと、底部312aの背面側上部に前後方向に移動可能に配設される裏ボタン部材312dと、を主に備える。
【0168】
底部312aは、
図13における上下左右の端部に径方向から中心側へ向けて凹設される矩形状の凹設部312a1を備える。
【0169】
凹設部312a1は、スイッチ部材315の腕部315fが挿通される部分であって、スイッチ部材315の腕部315fの先端部が側壁部312bに係止される(
図21(a)参照)ことで、スイッチ部材315が中間枠部材312に対して引き抜き不能に配設される。
【0170】
スイッチ支持棒312cは、振動案内部材313、振動部材314及びスイッチ部材315に共通で挿通される部材である。これにより、振動部材314及びスイッチ部材315の前後方向(各部材の積層方向)の動作時に、振動部材314及びスイッチ部材315が動作方向に傾くことを防止することができる。そのため、例えば、レンズ部材317に前後方向と傾斜した方向から力がかけられた場合にも、レンズ部材317の押し込み操作に抵抗が生じることを抑制でき、押し込み操作の操作性を向上させることができる。また、振動部材314が振動装置366により振動する場合に、振動部材314が傾くことを抑制することができる。
【0171】
なお、ここで振動装置366の振動とは、部材が細かに振るえる振動や、部材が直線方向に移動し移動終端で他の部材に衝突して戻ってくることを繰り返す往復動作などを意味する。
【0172】
裏ボタン部材312dは、底部312aとの間に介設されるコイルスプリングにより普段は背面側に張り出された位置に配置され、正面側の中央部に板状の検出片312d1を備える。
【0173】
振動案内部材313は、正面側に複数(本実施形態では8本)立設される導光部材313aと、スイッチ支持棒312cが挿通される複数の挿通孔313bと、下端部において正面側に配設されるフォトカプラ形式の第1センサ部材313cと、上端部において背面側に配設されるフォトカプラ形式の第2センサ部材313dと、を主に備える。
【0174】
導光部材313aは、背面側にLED等の発光部材が配設される透明部材である。導光部材313aは、振動部材314、スイッチ部材315及び中間部材316に挿通されることで、先端部がレンズ部材317に対して対向配置(近接配置)される。そのため、発光部材から照射される光をレンズ部材317付近まで導くことができ、レンズ部材317を発光させる効果を向上させることができる。
【0175】
また、上述したように、振動部材314及びスイッチ部材315の前後方向(各部材の積層方向)の動作時に、振動部材314及びスイッチ部材315が動作方向に傾くことが防止されるので、振動部材314及びスイッチ部材315が傾くことで導光部材313aと当接し、導光部材313aが破損することを抑制することができる。
【0176】
第1センサ部材313cは、スイッチ部材315に配設される検出片315g(
図21(a)参照)が隙間を通過したことを検出し、スイッチ部材315の配置を検出する検出部材である。
【0177】
第2センサ部材313dは、検出片312d1が隙間を通過したことを検出し、後述する首振り操作部材310の首振りの姿勢を検出する検出部材である。
【0178】
振動部材314は、断面の外径形状が底部312aと略同一形状で形成されると共に中央部に孔が開口形成されない略円板形状の本体部314aと、スイッチ支持棒312cが挿通される複数(本実施形態では4箇所)のスイッチ支持孔314bと、本体部314aの中央部から正面側に円筒形状に凸設され振動コイルスプリングCS1が巻き付け支持される中央筒状部314cと、スイッチ支持棒312cの先端部から押し込みコイルスプリングCS2に続いて挿通されるスイッチ受け部材314dと、本体部314aの下部において前後方向に第1センサ部材313cを収容可能な形状で穿設されるセンサ収容孔314eと、導光部材313aを挿通可能とされる導光孔314fと、を主に備える。
【0179】
なお、振動コイルスプリングCS1に比較して、押し込みコイルスプリングCS2は、弾性係数が小さくされる。
【0180】
本体部314aは、外形形状が底部312aと略同一形状で形成されるので、スイッチ部材315の腕部315fを外周部分に4箇所形成される凹設部を通して挿通させることができる。
【0181】
スイッチ受け部材314dは、正面側にスイッチ支持孔314bよりも大径とされる大径部314d1が形成される円筒部材であって、正面側からスイッチ支持孔314bに挿通されることで、大径部314d1がスイッチ支持孔314bに係止される。なお押し込みコイルスプリングCS2は、外径がスイッチ支持孔314bよりも小径で形成される。
【0182】
スイッチ部材315は、円板形状に形成される本体部315aと、その本体部315aの中央部から正面側(
図13左側)へ向けてカップ上に張出形成されるバネ受け部315bと、スイッチ支持棒312cが挿通可能とされるスイッチ支持孔315cと、導光部材313aを挿通可能に形成される導光孔315dと、上下中央(
図13の上下中央)に配置される一対のスイッチ受け部材314dに挿通される案内軸315eと、凹設部312a1に挿入され係止される腕部315fと、第1センサ部材313cの隙間を通過可能とされると共に本体部315aの下部(
図13下側)において背面側に凸設される板状の検出片315gと、を主に備える。
【0183】
スイッチ支持孔315cは、スイッチ支持棒312cの外径よりも大きな径で形成され、スイッチ受け部材314dの大径部314d1の外径よりも小さな径で形成される。これにより、スイッチ部材315が振動部材314に近接する方向に移動する場合に、大径部314d1でスイッチ部材315を支えることができる。
【0184】
案内軸315eは、スイッチ受け部材314dに挿通されるので、振動部材314に対するスイッチ部材315の傾きを抑制することができる。
【0185】
中間部材316は、導光部材313aを挿通可能とされる導光孔316aを備え、スイッチ部材315に相対回転不能に外嵌固定される。
【0186】
図14(a)は、偏心カム部材333の正面図であり、
図14(b)は、偏心カム部材333の底面図であり、
図14(c)は、
図14(a)のXIVc−XIVc線における偏心カム部材333の断面図である。
【0187】
図14に示すように、偏心カム部材333は、回転ギアとして形成される本体部333aと、その本体部333aの回転軸と同軸に配設される筒状の筒状部333bと、その筒状部333bに内接する円に沿って軸方向に延設され筒状部333bより若干短く形成されると共に内部が中空とされるカム部333cと、筒状部333bの先端部に軸方向に沿って切り欠かれる一対の切り欠き333dと、筒状部333bとカム部333cとを双方の軸を通る方向で連結する板状のリブ部333eと、本体部333aのギア部分を覆う円板形状の傘部333fと、を主に備える。
【0188】
本体部333a及びカム部333cは、軸方向にずれて(2層構造で)配置される。カム部333cは、中空とされるので、レバー部材340に当接した場合に、カム部333cが内側に若干撓む(弾性変形する)ことによって衝撃を吸収することができる。
【0189】
カム部333cは、外形が円形で形成される中空の環状部分であって、本体部333aに偏心して固定される。
【0190】
切り欠き333dは、位相検出部材334(
図15参照)との相対的な位相を不変とするためのものであり、対向配置される一対の切り欠きが周方向の長さを違えて形成されることで、位相検出部材334を180度反転して組み付けることを防止することができる。
【0191】
リブ部333eが、カム部333cの筒状部333bから最も離間する位置と筒状部333bとを連結する態様で配設されることで、中空形成されるカム部333cの内で最も強度的に弱くなる部分の強度を向上させることができる。これにより、カム部333cが破損することを抑制することができる。
【0192】
なお、リブ部333eは、長手方向の途中で部分的に分断されても良い。これにより、カム部333cの撓み(弾性変形)の度合いが小さい場合にはリブ部333eに荷重をかけず、カム部333cの撓み(弾性変形)の度合いが大きい場合にのみリブ部333eの分断された部分が互いに当接するようにすることができる。これにより、リブ部333eが非当接の間(カム部333cの撓み(弾性変形)の度合いが小さい場合)にはリブ部333eが疲労することを抑制できるので、リブ部333eの耐久性を向上させることができる。
【0193】
図15(a)は、位相検出部材334の正面図であり、
図15(b)は、位相検出部材334の底面図であり、
図15(c)は、
図15(a)のXVc−XVc線における位相検出部材334の断面図である。なお、
図15(c)では、組立状態(
図17(a)参照)における環状凸部332i及び偏心カム軸331d2が想像線で図示される。
【0194】
図15に示すように、位相検出部材334は途中で径が拡径される筒状に形成され、偏心カム軸331d2(
図10参照)に外嵌軸支される軸支部334aと、その軸支部334aに連設され正面側(
図15(c)上方)へ向かうほど拡径される(2段階で拡径される)拡径部334bと、その拡径部334bの正面側端部から軸方向に延設される板状の検出片334cと、切り欠き333dに合致する形状の回り止め突起334dと、を主に備える。
【0195】
拡径部334bは、右カバー部材332の内面側に環状に凸設される環状凸部332i(
図10参照)に外嵌される部分である。偏心カム軸331d2を環状凸部332iの内側面で支持し、環状凸部332iの外側面で位相検出部材334の拡径部334bを内周側から支持することで、偏心カム軸331d2を強固に支持し、偏心カム軸331d2が径方向から荷重を受けた場合に軸ずれすることを抑制することができる。
【0196】
検出片334cは、第3センサ部材325a3(
図9参照)の隙間を通過可能とされる。検出片334cが第3センサ部材325a3の隙間を通過すると、回り止め突起334dと切り欠き333dとが噛み合うことで位相検出部材334と相対的な位相が不変とされる偏心カム部材333の姿勢を検出することができる。
【0197】
図16(a)は、レバー部材340の正面図であり、
図16(b)は、
図16(a)の矢印XVIb方向視におけるレバー部材340の側面図であり、
図16(c)は、
図16(a)の矢印XVIb方向視におけるレバー部材340の上面図である。
【0198】
図16(a)に示すように、軸孔341bに比較して、軸孔341eが、本体部材341の長手方向に向いた直線であって軸孔341bを通る直線よりも下方(
図16(a)下方)に配置される。これによって、首振り部材360側で生じる荷重がレバー部材340の長手方向に沿って与えられることを抑制することができ、荷重をレバー部材340の回転方向に向けることができる。
【0199】
図16(b)に示すように、本体部材341は断面コ字状に形成され、そのコ字状の開放側に剥離部材350が配設される。嵩上げ部材353や磁石部材354と本体部材341との間には若干の隙間が空けられる。
【0200】
これにより、剥離部材350が本体部材341に固定されている場合は、本体部材341のコ字状の開放側(
図16(b)下方)を剥離部材350で埋めることで本体部材341の強度を確保することができる。
【0201】
また、剥離部材350が本体部材341に固定された状態から引きはがされ始める場合や、その引きはがされた状態(
図23(a)参照)から剥離部材350が本体部材341に近接する方向へ移動する場合の移動抵抗を上昇させることができる。
【0202】
これにより、本体部材341に対して剥離部材350が相対移動する際の移動抵抗を上昇させることができ、例えば、レバー部材340が揺動を規制される状態(
図22(a)参照)でレバー部材340が過荷重を受け剥離部材350が本体部材341から引きはがされた場合に、かけられていた荷重の勢いで本体部材341が高速で揺動することを防止することができる。
【0203】
図17(a)は、操作デバイス300の正面図であり、
図17(b)は、
図17(a)の矢印XVIIb方向視における操作デバイス300の側面図である。なお、
図17では、首振り操作部材310が下向き位置に配置された状態(遊技者に押し下げ操作された状態)が図示される。
【0204】
図18(a)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図であり、
図18(b)は、
図17(a)のXVIIIb−XVIIIb線における操作デバイス300の部分断面図であり、
図18(c)は、
図17(a)のXVIIIc−XVIIIc線における操作デバイス300の部分断面図である。また、
図19は、
図18(a)の首振り操作部材310の部分拡大図である。なお、
図18(b)及び
図18(c)は
図18(a)よりも若干拡大してあり、
図19では、首振り操作部材310の振動装置366の中心軸が上下方向に向けられた状態が図示される。
【0205】
図18(a)に示すように、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態でロック部材336が固定側に配置されると、剥離部材350の下側側面に偏心カム部材333が当接され、上側側面にロック部材336が当接されることで、剥離部材350が両方向に揺動することを防止されるので、首振り操作部材310が上向き位置に固定される。
【0206】
本実施形態のように、ロック部材336がロック軸331d3を中心に揺動され、そのロック部材336が剥離部材350の揺動をせき止める部分の、剥離部材350を挟んで反対側に偏心カム部材333が配置される場合、剥離部材350がロック部材336に揺動をせき止められる状態におけるロック部材336の姿勢を設計的に調整することができる。
【0207】
本実施形態では、ロック部材336の回転軸と剥離部材350の上側側面との距離が最も近づくとき、即ち、偏心カム部材333のカム部333cが剥離部材350の反対側に配置され筒状部333bが剥離部材350と当接される状態においてのみロック部材336を剥離部材350の上面に当接させることができる。
【0208】
言い換えれば、ロック部材336の本体部336aの長さが、筒状部333bに剥離部材350が当接した状態で剥離部材350の上側側面にL字の鉤部が当接する長さに形成される。
【0209】
そのため、ロック部材336が剥離部材350の上側側面に当接され、首振り操作部材310が上向き位置で固定された状態においては、必ず偏心カム部材333の筒状部333bが剥離部材350の下側の側面に当接される。従って、首振り操作部材310が上向き位置で固定された状態から、首振り操作部材310が上向きに移動する方向に過荷重がかけられた場合に、偏心カム部材333のカム部333cに過荷重がかけられることを防止することができ、偏心カム部材333が破損することを抑制することができる。
【0210】
図18(b)に示すように、ギアダンパ受け部材342のギア部342bと、ギアダンパ受け部材342の背面側に配置されるギアダンパ338とが歯合される。ギアダンパ338は、後述するように、レバー部材340の揺動に対する粘性抵抗を生じる役割と、レバー部材340が後方へ向けて押し込む荷重を受けた場合に、その荷重に抵抗する抵抗力を発生させる役割を合わせ持つ。
【0211】
ギアダンパ338を配設することにより、例えば、レバー部材340の本体部材341が剥離部材350から引きはがされた状態において、遊技者が首振り操作部材310を高速で操作する場合の抵抗は、大きくすることができ、一方で、レバー部材340がねじりバネSP1の付勢力により起き上がる場合のように速度が小さい場合の抵抗は、小さくすることができる。
【0212】
これにより、揺動速度によらず、遊技者の高速の操作に対応した大きな抵抗を生じる場合に比較して、ねじりバネSP1の付勢力を小さく設定でき、ねじりバネSP1の設計自由度を向上させることができる。
【0213】
図18(c)に示すように、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態において、センサ検出片343bが第2センサ部材325a2の隙間に配置されると共に、位相検出部材334の検出片334cが第3センサ部材325a3の隙間に配置される。即ち、センサ検出片343bが第2センサ部材325a2の隙間に配置されると共に、位相検出部材334の検出片334cが第3センサ部材325a3の隙間に配置される状態においてのみ、ロック部材336を揺動させることで剥離部材350の上側側面にロック部材336を当接させることが可能となる。
【0214】
また、後述するように、剥離部材350が本体部材341から引きはがされる場合には、第2センサ部材325a2の隙間からセンサ検出片343bが移動されることになる。そのため、ロック部材336が
図18(a)の状態から揺動していないこと(センサ部材331fで検出)と、第2センサ部材325a2の隙間からセンサ検出片343bが移動されることとを検出することにより、剥離部材350が本体部材341から引きはがされたことを検出することができる。
【0215】
図20は、
図17(b)のXX−XX線における首振り操作部材310の断面図である。なお、背面側枠部材311の図示が省略される。
図20に示すように、裏ボタン部材312dは中間枠部材312の背面側に配設され、コイルスプリングで中間枠部材312から離反する方向へ付勢されるので、押し込み荷重(
図20上方へ向けた荷重)がかけられない状態においては検出片312d1が第2センサ部材313dから離間される。一方で、裏ボタン部材312dに押し込み荷重(
図20上方へ向けた荷重)が与えられ、検出片312d1が第2センサ部材313dの隙間に挿通されるまで裏ボタン部材312dが移動されることで、裏ボタン部材312dが押し込まれたことを検出することができる。
【0216】
図21(a)及び
図21(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における首振り操作部材310及びレバー部材340の部分断面図である。なお、
図21(a)では、
図18(a)及び
図19の状態から振動装置366が動作して上方へ向けて負荷が生じた状態が図示され
図21(b)では、
図18(a)及び
図19の状態からレンズ部材317が押し込み操作された状態が図示される。
【0217】
上述したように、スイッチ部材315は中間枠部材312から引き抜き不能に係止され、スイッチ部材315と中間枠部材312との間に振動部材314が介設され、その振動部材314は振動コイルスプリングCS1により中間枠部材312側(
図21(a)下方)へ押し付けられる。
【0218】
この状態から、振動装置366のボビン部材366aに巻かれる銅線(図示せず)に電流が流され生じる電磁力によって押し付け部材366bが振動部材314に押し付けられると、振動部材314がスイッチ部材315に押し付けられる方向に移動する。これにより、振動部材314に外嵌固定されるレンズ部材317が(
図21(a)上方へ)移動する。この状態において、レンズ部材317は段部317aがスイッチ部材315に当接されるので、レンズ部材317を押し込み操作することが困難となる(固くなる、押し込み不能状態)。
【0219】
一方、振動部材314がレンズ部材317から離反されると、遊技者はレンズ部材317を押し込み可能となる(押し込み可能状態)。そのため、遊技者がレンズ部材317を通して入力操作するタイミングを振動部材314の駆動により指定することができる。
【0220】
また、レンズ部材317を押し込み可能な押し込み可能状態と、レンズ部材317が変位不能に固定され押し込み不能である押し込み不能状態とが構成されるので、遊技者の行う操作によってレバー部材340が受ける影響をパチンコ機10(
図1参照)側で切替ることができる。
【0221】
例えば、遊技者がレンズ部材317を断続的に繰り返し押し込む(連打する)場合、レンズ部材317が押し込まれた状態から戻る際に、その反作用で、レバー部材340が偏心カム部材333(
図18(a)参照)へ近接する方向に首振り操作部材310が負荷を受ける。そのため、偏心カム部材333が破損する恐れがある。
【0222】
一方、押し込み不能状態とされる場合、遊技者の押し込み操作に対して首振り操作部材310全体が押し下げられるので、それによりレバー部材340も偏心カム部材333(
図18(a)参照)から離反する方向に移動する。従って、遊技者がレンズ部材317を連打しても、首振り操作部材310が上方へ付勢力により戻ることにより偏心カム部材333とレバー部材340とが衝突するという事態を抑制することができる。
【0223】
なお、押し込み不能状態を構成する方法としては、鉤状の爪でレンズ部材317を係止する方法や、直線的な往復運動をするボイスコイルモータなどの振動装置366によりレンズ部材317を終端位置まで張り出させる(一方向に負荷をかけ続ける)方法等が例示される。ボイスコイルモータなどの振動装置366によりレンズ部材317を終端位置まで張り出させる方法によれば、その振動装置366によってレンズ部材317を振動させることと、レンズ部材317を押し込み不能状態とすることとの両方の作用を生じさせることができる。
【0224】
振動装置366のボビン部材366aに巻かれる銅線(図示せず)に流す電流の向きを反転させることで押し付け部材366bの移動方向を反転させることができる。ここで、振動部材314は電磁力の力で引かれるわけでは無いので、移動速度が遅くなる恐れがあるが、本実施形態では、振動コイルスプリングCS1の弾性回復力により振動部材314が押し付け部材366bに追従して、
図21(b)下方へ移動する。
【0225】
これにより、押し付け部材366bと振動部材314とを締結固定することなく、レンズ部材317の振動を高速化することができる。
【0226】
本実施形態では、レンズ部材317の押し込み操作時に振動コイルスプリングCS1の弾性回復力が抵抗となってかかることを防止することができる。詳述すると、
図21(b)に示すように、レンズ部材317の押し込み操作時には、レンズ部材317の背面側に形成される段部317aがスイッチ部材315の腕部315fに当接することでレンズ部材317及び振動部材314がスイッチ部材315と一体で移動する。そのため、振動コイルスプリングCS1の縮み具合が変化しないため、レンズ部材317の押し込み操作時に振動コイルスプリングCS1の弾性回復力が抵抗となってかかることを防止することができる。
【0227】
なお、レンズ部材317を押し込み操作したあとは、スイッチ部材315の下側側面に当接されるスイッチ受け部材314d(
図13参照)が押し込みコイルスプリングCS2の弾性回復力によりスイッチ部材315を押し上げるので、レンズ部材317は押し込み前の位置(
図18(a)参照)に復帰する。
【0228】
即ち、レンズ部材317を押し込み操作する際にレンズ部材317の位置を復帰させる押し込みコイルスプリングCS2と、振動部材314の位置を復帰させる振動コイルスプリングCS1と、を別の部材で構成することができる。
【0229】
本実施形態では、振動コイルスプリングCS1に比較して押し込みコイルスプリングCS2の弾性係数が小さくされるので、振動部材314を復帰させる速度は大きく確保しながら、レンズ部材317の押し込み操作は小さな力で行うことができる。従って、遊技者が受動的に感じる振動の大きさを確保しつつ、レンズ部材317の押し込み操作の容易性を向上させることができる。
【0230】
図22(a)及び
図22(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図である。なお、
図22(a)及び
図22(b)では、ロック部材336が固定側に揺動された状態が図示され、
図22(a)では、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態が図示されると共に
図22(b)では、
図22(a)の状態から首振り操作部材310が背面側(
図22(b)右側)に押し込み操作された状態が図示される。
【0231】
首振り操作部材310を支持するレバー部材340は、ねじりバネSP1によって、レバー支持軸331d1を中心に首振り操作部材310を持ち上げる方向(
図22(a)時計回り)へ向けて付勢される。そのため、
図22(a)の状態から、ロック部材336を解除方向(
図22(a)時計回り)に揺動させても、首振り操作部材310を上向き位置に保持することができる。
【0232】
ねじりバネSP1の付勢力によるレバー部材340の揺動は、案内支持孔331e1,332e1、上カバー322及び偏心カム部材333にレバー部材340が当接することにより停止される。このように、レバー部材340を停止させる際に当接される箇所を複数用意することにより、レバー部材340にかけられる荷重を分散させることができ、レバー部材340が破損することを抑制することができる。以下、各当接箇所について詳述する。
【0233】
案内支持孔331e1,332e1には、角度規制棒部材346が挿通されるので、案内支持孔331e1,332e1の端部に角度規制棒部材346が当接することでレバー部材340の揺動を停止させることができる。なお、
図10で上述したように、案内支持孔331e1,332e1はレバー部材340を揺動軸方向で挟んで配置されるので、レバー部材340を停止させる際にレバー部材340が長手方向を中心とした旋回方向に傾くことを抑制することができる。
【0234】
上カバー322には、上部カバー部材344の連結部344cが当接可能とされる。連結部344cには、上カバー322と垂直に当接する部分である段部344c1が形成され、連結部344cとレバー部材340との間には空間が形成される(
図22(a)参照)。そのため、段部344c1に上カバー322が当接した場合にも、連結部344cが空間に向けて変形可能とされるので、連結部344cと上カバー322との間で生じる衝撃を緩和する事ができる。
【0235】
これにより、本体部材341に衝撃が伝達されることを抑制することができるので、本体部材341の構成を簡素化することができ、レバー部材340全体の軽量化を図ることができる。この場合、ねじりバネSP1に必要な弾性係数を抑制することができ、それに伴って偏心カム部材333を駆動させる第1駆動装置335(
図10参照)に必要な駆動力を抑制することができる。
【0236】
また、上部カバー部材344には衝撃を緩和する役割の他に、内側ケース部材330の内側に埃や球(遊技球、遊技媒体)が入り込むことを防止する役割がある。即ち、レバー部材340が揺動しても(
図23(b)参照)、上部カバー部材344と上カバー322との間が常に閉鎖された状態とされるので、内側ケース部材330の内側に埃や球(遊技球、遊技媒体)が入り込むことを防止することができる。
【0237】
更に、上部カバー部材344は揺動軸方向(
図22(a)紙面垂直方向)で内側ケース部材330の切り欠き331c1と当接可能とされる。これにより、上部カバー部材344を用いて本体部材341が揺動軸方向にぐらつくことを抑制することができる。
【0238】
偏心カム部材333には、レバー部材340の剥離部材350が当接する。偏心カム部材333の筒状部333bを剥離部材350側に向けた状態で偏心カム部材333にレバー部材340を当接させることで、偏心カム部材333が破損することを防止することができる。
【0239】
図22(a)に示すように、操作デバイス300は、振動装置366の振動方向の中心軸を示す直線L1が軸支棒363を通る。そのため、振動装置366の振動の衝撃が軸支棒363へ与えられるが、軸支棒363とモータ固定板362(
図12参照)との間には緩衝部材364(
図12参照)が配設されるので、緩衝部材364により振動の衝撃を緩和することができる。これにより、レバー部材340へ伝わる振動を抑制することができる。
【0240】
直線L1と、レバー部材340の長手方向に沿った直線L2との間の角度が角度θ1とされる。これにより、振動装置366が発生させる振動を、直線L2に沿った方向成分と、直線L2の垂直方向に沿った方向成分とに分解することができ、パチンコ機10に伝達されパチンコ機10を振動させる負荷(直線L2に沿った方向の負荷)を抑制することができる。
【0241】
また、同様に、レンズ部材317の押し込み方向(直線L1と平行)にかけられる力を、直線L2に沿った方向成分と、直線L2の垂直方向に沿った方向成分とに分解することができるので、レンズ部材317を押し込むことで、レバー支持軸331d1に与えられる負荷を抑制することができる。
【0242】
振動装置366がレバー支持軸331d1の正面側(
図22(a)左側)に配置され、振動装置366が動作する際に生じる反作用が本体部材341の首振り部材支持部341dを下方に押し下げる方向に向けられる。そのため、振動装置366の振動により、本体部材341を偏心カム部材333から離反する方向に揺動させることができる。これにより、振動装置366の振動により偏心カム部材333が負荷を受けることを抑制することができる。
【0243】
図22(b)に示すように、首振り操作部材310を押し込み操作する状態において、裏ボタン部材312dが連結部344cに押し当てられる。この場合にレバー部材340側へ向けて生じる負荷の方向F1が、レバー支持軸331d1を中心にレバー部材340の首振り部材支持部341dを押し下げる方向へ向けられる。そのため、首振り操作部材310を押し込み操作することで偏心カム部材333へ向けた負荷が生じることを抑制することができる。
【0244】
首振り操作部材310を押し込み操作した状態では、直線L1と直線L2とが、角度θ2をなす。この角度θ2は、角度θ1よりも大きいので、振動装置366の振動の直線L2に沿った方向成分を
図22(a)の状態に比較して小さくすることができる。そのため、首振り操作部材310を押し込み操作することにより、パチンコ機10に伝達させる振動を抑制することができる。
【0245】
また、直線L2の垂直方向に沿った方向成分を大きくすることができる。そのため、振動の反作用を利用してレバー部材340を
図22(b)反時計回りに揺動させ易くすることができ、首振り操作部材310を押し込み操作している遊技者が感じる振動のモードを直線L1に沿った直線方向の振動と、首振り操作部材310が軸支棒363を軸に回転する振動との複数種類の振動を現出させることができる。
【0246】
図23(a)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図であり、
図23(b)は、
図17(a)のXVIIIc−XVIIIc線における操作デバイス300の断面図である。なお、
図23では、剥離部材350がロック部材336に揺動を規制された状態で本体部材341が剥離部材350から引きはがされ、首振り操作部材310が押し下げられた状態が図示されると共に首振り操作部材310の断面視が省略される。
【0247】
図22に示す状態において、レンズ部材317を押し込む方向に所定量以上の荷重(磁力による吸着力以上の荷重)がかけられたり、首振り操作部材310を押し下げる方向に所定量以上の荷重(磁力による吸着力以上の荷重)がかけられたりすることで、本体部材341が磁石部材354から引きはがされ、
図23に示す状態に首振り操作部材310が移動する。これにより、ロック部材336と剥離部材350との間で大きな荷重がかかり、ロック部材336や剥離部材350が破損することを抑制することができる。
【0248】
なお、首振り操作部材310を押し下げた場合にレバー部材340が移動する方向の反対側に偏心カム部材333が配設され、首振り操作部材310をいくら押し下げても、偏心カム部材333側には荷重が伝達されないので、偏心カム部材333の耐久性を向上させることができる。
【0249】
図23(b)に示すように、センサ検出片343bが第2センサ部材325a2の隙間から移動することで、本体部材341から剥離部材350が引きはがされたことを検出することができる。
【0250】
この場合、磁石部材354と本体部材341との間に生じていた磁力による吸着力が突然無くなり、首振り操作部材310が勢いよく下方へ移動する。そのため、レバー部材340が揺動しすぎてしまい、案内支持孔331e1,332e1に負担が生じる恐れがある。一方、本実施形態では、首振り操作部材310が押し下げられた際に、首振り操作部材310の背面側枠部材311と前カバー321とが対向配置され面当たりされることで、レバー部材340が回りすぎる場合にも、その負荷を背面側枠部材311又は前カバーが変形することで緩和することができる。これにより、レバー部材340が破損することを抑制することができる。
【0251】
なお、
図23(a)に示す状態から、遊技者が下方にかけていた荷重を解くことで、本体部材341がねじりバネSP1の付勢力により
図23(a)時計回りに揺動され、本体部材341が剥離部材350に再度吸着される。これにより、レバー部材340(及び本体部材341)の姿勢(配置)を安定化することができ、遊技者が次の操作を行いやすくすることができる。
【0252】
剥離部材350は本体部材341の揺動軸であるレバー支持軸331d1に軸支されるので、剥離部材350が本体部材341から剥離された状態においては、剥離部材350の重量が本体部材341の揺動方向にかからない。
【0253】
即ち、本体部材341に剥離部材350が吸着される状態と、本体部材341から剥離部材350が剥離される状態とでレバー支持軸331d1の前後の本体部材341の重量バランスが変化する。即ち、剥離部材350が引きはがされた状態の方が、本体部材341にかけられる首振り操作部材310を押し下げる方向のモーメントが大きくなる。これにより、剥離部材350が剥離した後では、本体部材341が起き上がる速度を小さくすることができるので、剥離部材350に本体部材341が吸着する際に偏心カム部材333に与えられる負荷を抑制することができる。
【0254】
また、本体部材341が断面コ字状に形成され、本体部材341のコ字状の開放側からコ字状の閉鎖側へ入り込む態様で剥離部材350が移動するので、本体部材341と剥離部材350との間で摩擦抵抗が生じる場合には、本体部材341が剥離部材350に吸着する速度を小さくすることができる。
【0255】
なお、ねじりバネSP1の付勢力は本体部材341に伝達され、剥離部材350には被伝達とされるため、剥離部材350と本体部材341とが引きはがされた状態でロック部材336または偏心カム部材333にねじりバネSP1の付勢力が働くことを防止できる。そのため、剥離部材350と本体部材341とが引きはがされた状態でロック部材336または偏心カム部材333が破損することを防止できる。
【0256】
なお、
図23(a)の状態で、剥離部材350は偏心カム部材333とロック部材336とに固定されるので、再度、センサ検出片343bが第2センサ部材325a2の隙間に入ることで、本体部材341と剥離部材350とが吸着したことを検出することができる。
【0257】
図24(a)及び
図24(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図である。なお、
図24(a)では、
図22(a)の状態からロック部材336が解除側(
図24(a)時計回り)に揺動された状態が図示され、
図24(b)では、
図24(a)の状態から偏心カム部材333が約180度回転されレバー部材340が揺動された状態が図示される。また、首振り操作部材310が押し下げられた状態におけるレバー部材340及び首振り操作部材310の外形が想像線で図示される。
【0258】
ロック部材336の検出片336eがセンサ部材331fの隙間に入ることでロック部材336が解除側に揺動したことを検出することができる。ロック部材336が解除側に揺動したことを検出した後で、第1駆動装置335の駆動ギア335b(
図10参照)を回転させることで偏心カム部材333を回転させ、レバー部材340を揺動させることができる。なお、偏心カム部材333を1方向に連続して回転させても良いし、回転方向を途中で切り替えても良い。
【0259】
偏心カム部材333が回転している間、レバー部材340は、ねじりバネSP1により偏心カム部材333に押し付けられる方向(
図24(a)時計回り方向)に付勢される。そのため、偏心カム部材333の回転と連動して、レバー部材340は揺動する。これにより、遊技者の注目を首振り操作部材310に集めやすくできる。
【0260】
図24(a)又は
図24(b)に示す状態で振動装置366が作動すると、その振動の反作用が直線L1に沿って本体部材341を押し下げる方向に働く。そのため、振動の反作用によって、偏心カム部材333から離反する方向にレバー部材340が揺動するので、振動装置366が動作することで偏心カム部材333に負荷がかけられることを抑制することができる。
【0261】
レンズ部材317を押し込み操作する場合を考える。レンズ部材317を押し込み操作する際に、レンズ部材317に与えられる荷重の方向が直線L1に沿うと仮定すると、レンズ部材317を押し込み操作することに伴って、レバー部材340が下方へ(
図24(a)反時計回りに)揺動したり、首振り操作部材310が(
図24(a)時計回りに)押し込み操作されたりする可能性がある。
【0262】
本実施形態では、いずれの場合でも、レバー部材340を偏心カム部材333から離反する方向に揺動させる荷重が働くので、レンズ部材317を押し込み操作することで偏心カム部材333に荷重が与えられることを抑制することができる。これにより、偏心カム部材333の耐久性を向上させることができる。
【0263】
図25(a)及び
図25(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図である。なお、
図25(a)では、
図24(b)の状態から偏心カム部材333が反時計回りに所定角度θ3だけ回転された状態が図示され、
図25(b)では、
図24(b)の状態から偏心カム部材333が時計回りに所定角度θ3だけ回転された状態が図示されると共に首振り操作部材310の断面視が省略される。また、
図25(a)及び
図25(b)では、首振り操作部材310が押し下げられた状態におけるレバー部材340及び首振り操作部材310の外形が想像線で図示される。
【0264】
本実施形態では、首振り部材360が前側(
図25反時計回り方向)に付勢されるので、遊技者が首振り操作部材310を把持して押し下げ動作することを容易とすることができる。即ち、首振り操作部材310を押し下げるために
図24(b)の状態から方向M1(
図25(a)参照)に力を加えた場合に、首振り操作部材310を首振り操作(軸支棒363を中心に揺動させる操作)させることなく、即座に首振り操作部材310を押し下げ操作することができる。
【0265】
ここで、レバー部材340を偏心カム部材333から離すことを可能とすると、レバー部材340を偏心カム部材333から離間した位置から勢い付けて偏心カム部材333に衝突させることが可能となるので(
図25(a)及び
図25(b)において、首振り操作部材310を想像線の位置から実線の位置まで押し上げることが可能となるので)、偏心カム部材333が破損する恐れがある。
【0266】
これに対し、本実施形態では、偏心カム部材333を中空とすることで、偏心カム部材333の破損を防止することができる。即ち、偏心カム部材333の弾性変形によりレバー部材340からの荷重をうけとめ、偏心カム部材333が破損することを抑制できる。
【0267】
上述したように、偏心カム部材333は、回転方向によらず、連続して回転し続けることで、レバー部材340を揺動動作させることができる。ここで、回転方向の特徴について説明する。
【0268】
図25(a)に、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態(
図24(a)の状態)における偏心カム部材333の位相(以下、この位相を「退避位相」と称す)からの回転角度を示す。即ち、退避位相から
図25(a)の偏心カム部材333の位相まで回転するには、時計回りの回転で角度φ1だけ偏心カム部材333を回す必要がある。
【0269】
図25(b)に、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態(
図24(a)の状態)における偏心カム部材333の位相(退避位相)からの回転角度を示す。即ち、退避位相から
図25(b)の偏心カム部材333の位相まで回転するには、反時計回りの回転で角度φ2だけ偏心カム部材333を回す必要がある。ここで、角度φ1は角度φ2に比較して小さい(φ1<φ2)。
【0270】
偏心カム部材333が等速回転すると仮定すると、退避位相から偏心カム部材333を時計回りに回転させた方が、レバー部材340がねじりバネSP1で付勢される方向と偏心カム部材333の回転方向とが対向する期間(角度にして角度φ1の期間)を偏心カム部材333を反時計回りに回転させる場合(角度にして角度φ2の期間)に比較して短くすることができる。
【0271】
また、退避位置から偏心カム部材333を時計回りに回転させた方が、偏心カム部材333の回転方向とレバー部材340がねじりバネSP1で付勢される方向とが対向する状態において、レバー部材340と偏心カム部材333とが当接する位置をレバー支持軸331d1に近づけることができる(
図25(a)において偏心カム部材333とレバー部材340とが当接する位置を、
図25(b)において偏心カム部材333とレバー部材340とが当接する位置よりもレバー支持軸331d1に近づけることができる)。この場合、レバー部材340に同一トルクがかけられていれば、レバー部材340と偏心カム部材333とが当接する位置で生じる荷重が、小さくなる。そのため偏心カム部材333にかけられる負荷を小さくすることができるので、偏心カム部材333の耐久性を向上させることができる。
【0272】
加えて、本実施形態では、遊技者が首振り操作部材310を持ち上げ操作することで、偏心カム部材333に大きな荷重がかけられる恐れがあるので、偏心カム部材333を同一方向に連続で回転させる場合には、偏心カム部材333を
図25(b)反時計回りに回転させることが好ましい。この場合、偏心カム部材333のリブ部333eが
図25(b)の角度φ2の角度範囲を回転する場合には、レバー部材340から偏心カム部材333に与えられる荷重が抑制される(レバー支持軸331d1からレバー部材340と偏心カム部材との当接位置までの距離が長くなる)ので、偏心カム部材333がレバー部材340に近接する方向に移動するとしても偏心カム部材333が破損する可能性を低くすることができる。
【0273】
一方、偏心カム部材333のリブ部333eが
図25(a)の角度φ1の角度範囲を回転する場合には、レバー部材340から偏心カム部材333に与えられる負荷は大きくなる(レバー支持軸331d1からレバー部材340と偏心カム部材333との当接位置までの距離が短くなる)が、偏心カム部材333がレバー部材340から離反する方向に回転しているため、レバー部材340と偏心カム部材333との当接位置において偏心カム部材333に生じる負荷を抑制することができ、偏心カム部材333の耐久性を向上させることができる。なお、偏心カム部材333は同一方向に回転させる必要はなく、角度φ1側、もしくは角度φ2側を往復回転動作(反転動作)するようにしても良い。
【0274】
図26(a)及び
図26(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図である。なお、
図26(a)では、
図24(b)の状態から首振り操作部材310が後転方向(
図26(a)時計回り)に揺動された状態が図示され、
図26(b)では、
図26(a)の状態から偏心カム部材333が退避位相まで回転され、レバー部材340が偏心カム部材333に当接するまで揺動された状態が図示されると共に首振り操作部材310の断面視が省略される。
【0275】
ここで、偏心カム部材333を回転させることでレバー部材340を揺動させる間に、専らレバー部材340を押し下げる操作を求める場合、
図26(a)に示すように、レバー部材340の姿勢が変化せずに首振り操作部材310が後転方向(
図26(a)時計回り)に揺動することは通常生じない。そのため、裏ボタン部材312dが押し込まれたことを検出することで、遊技者が誤操作(首振り操作部材310を持ち上げる操作)を行っていることを検出することができる。
【0276】
この場合、偏心カム部材333にレバー部材340を通して荷重がかかり。偏心カム部材333が破損する恐れがあるので、
図26(b)に示すように偏心カム部材333を退避位相まで駆動ギア335bの駆動力で駆動させることで、偏心カム部材333が破損することを防止することができる。
【0277】
このとき、偏心カム部材333を
図26(b)時計回りに回転させることで、より安全に偏心カム部材333を回転させることができる。即ち、偏心カム部材333とレバー部材340との当接位置をレバー支持軸331d1から離反させながら偏心カム部材333を回転させることができ、偏心カム部材333を反時計回りに回転させる場合に比較して、レバー部材340から偏心カム部材333に与えられる荷重を抑制することができる。
【0278】
図27(a)及び
図27(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス300の断面図である。なお、
図27(a)では、
図24(a)の状態から首振り操作部材310が押し下げ操作された状態が図示され、
図27(b)では、
図27(a)の状態から首振り操作部材310が軸支棒363を軸に
図27(a)時計回りに揺動された状態が図示されると共に首振り操作部材310の断面視が省略される。
【0279】
図24(a)の状態から、
図27(a)に示す方向D1に沿って力を加えると首振り操作部材310をレバー部材340ごと押し下げることができる。次いで、
図27(a)の状態から、方向D1の反対方向である方向D2に沿って力を加えると、レバー部材340の姿勢はそのままで、首振り操作部材310を軸支棒363を軸に揺動させることができる。このように、2種類の動作(押し込みと回転など異なった態様の動作)を必要とせず、力の方向を反対にすることにより、一連の操作を行うことができるので、操作デバイス300の操作を容易とすることができる。
【0280】
この操作中において、レバー部材340及び剥離部材350は剛体として機能する(磁石部材354の吸着力により固定された状態が維持される)ので、遊技者が感じる操作感が変化することを抑制でき、首振り操作部材310の操作性を向上させることができる。
【0281】
図27(b)に示すように、首振り操作部材310を首振り操作すると、裏ボタン部材312dが上部カバー部材344の連結部344cに押し付けられることで、レバー部材340を
図27(b)反時計回りに回転させる方向に負荷がかけられる。これにより、首振り操作部材310を首振り操作する際にレバー部材340を
図27(a)の位置に容易に固定する事ができ、
図27(b)の状態で首振り操作部材310を保持することを容易にすることができる。
【0282】
次いで、
図28から
図38を参照して、第2実施形態における操作デバイス2300について説明する。第1実施形態では、偏心カム部材333の本体部333aとカム部333cとが一体で形成される場合を説明したが、第2実施形態における操作デバイス2300は、偏心カム部材2333が、中心部が軸支される本体部材2333aと偏心して軸支されるカム部材2333bとの別部材で形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0283】
なお、第2実施形態では、ねじりバネSP21からレバー部材2340を起き上げる方向に付勢力が働くとともに、ねじりバネSP22から首振り操作部材310を後転させる方向(
図28(a)時計回り)に付勢力が働く。
【0284】
ねじりバネSP21は、軸支部331g,332g(
図10参照)に巻き付けられ、一端がねじりバネ係止部331h,332h(
図9参照)に上側から当接され、他端が角度規制棒部材346に下側から当接される。これにより、レバー部材2340は首振り操作部材310を起き上げる方向に付勢される。
【0285】
ねじりバネSP22は、緩衝部材364(
図12参照)に巻き付け支持され、一方の端部が正面曲面部345cに係止され、他方の端部がモータ固定板2362に係止される。本実施形態では、ねじりバネSP22により、首振り部材2360が、本体部材341に対して後転する方向(
図28(a)時計回り)に付勢される。
【0286】
図28(a)及び
図28(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第2実施形態における操作デバイス2300の断面図である。なお、
図28(a)及び
図28(b)では、レバー部材2340がロック部材2336に揺動を規制された状態が図示され、
図28(b)では
図28(a)に示す状態から首振り操作部材310が軸支棒363を軸に後方に首振り操作された状態が図示される。本実施形態では、
図28(a)の状態が初期位置とされ、
図28(a)では、首振り操作部材310が振動装置2366の振動の反動により揺動され至る姿勢P21が想像線で図示される。また、
図17(a)では第1実施形態における操作デバイス300が図示されるが、外観は操作デバイス2300と同じなので、操作デバイス2300とみなして説明する。以下、本実施形態において同様である。
【0287】
図28(a)に示すように、振動装置2366は、電磁力により一対の部材を直線方向に近接離反させる態様で互いに動作させる装置であって、モータ固定板2362に締結固定されると共に周囲に銅線が巻き付けられた筒状部材であるボビン部材2366aと、そのボビン部材2366aの内周面よりも外径が小径とされる円筒およびボビン部材2366aの外周面よりも内径が大径とされる円筒が同軸で配置され円板形状の板で連結される押し付け部材2366bと、を主に備える。なお、押し付け部材2366bは、内側の円筒が磁性体で形成される。
【0288】
ボビン部材2366a及び押し付け部材2366bは、第1実施形態におけるボビン部材366a及び押し付け部材366bよりも径方向の長さが小さくされ、振動装置2366の中心軸C21は、軸支棒363から前側(
図28(a)左側)に離間して配置される。
【0289】
ここで、本実施形態のようにレバー部材2340の先端に操作部として首振り操作部材310が配設される場合に、演出上遊技者に把持することを要求することがある。しかし、遊技者が首振り操作部材310を把持したかどうかを検出することは困難であった。例えば、押し込みボタンを長押しすることを要求することもできるが、押し込みボタンの操作を要求することを多用すると、押し込みボタンの反力以上の力で毎回押し込みボタンを押し込む必要があるので、遊技者のストレスとなる恐れがある。
【0290】
これに対し、本実施形態では、振動装置2366の中心軸が軸支棒363の前側に離間して配置されるので、振動装置2366の振動の反作用により首振り部材2360が往復揺動し、首振り操作部材310の姿勢が
図28(a)に示す姿勢と、姿勢P21との間を往復揺動する態様で変化する。これに伴い、遊技者が首振り操作部材310を把持する前は、裏ボタン部材312dが押し込み方向(中心軸C21に平行な方向)に往復動作するので、それを第2センサ部材313d(
図20参照)で検出することで、遊技者が首振り操作部材310を把持する前であることを検出することができる。
【0291】
一方、遊技者が首振り操作部材310を把持すると、その把持の力により中間枠部材312の姿勢が固定され、裏ボタン部材312dが往復動作しなくなるので、第2センサ部材313dに検出される信号のパターンが変化する。この変化を検出することで、遊技者が首振り操作部材310を把持した後であることを検出することができる。
【0292】
首振り操作部材310の把持する際には、発生する反力は存在しないので、遊技者に必要な力は小さい。また、首振り操作部材310に遊技者の手が被さってさえいれば良く(遊技者は即座に首振り操作部材310を操作できる)、例えば、遊技者は手の自重を中間枠部材312にかけておくだけで良いので、遊技者のストレスを低減することができる。
【0293】
これにより、遊技者が首振り操作部材310を把持しているかどうか(操作の準備段階にあるかどうか)を、遊技者に押し込みボタンの操作を要求することなく行うことができるので、演出を進めるタイミングを遊技者が首振り操作部材310を把持したタイミングに設定することができると共に、押し込みボタンの操作を要求することによる遊技者のストレスを解消することができる。
【0294】
レバー部材2340と首振り部材2360との連結を軸支としたときに、振動装置2366の振動の中心軸と首振り部材2360の回転軸とを一致させることで遊技者側に伝える振動を大きくすることができる。一方で、この場合、パチンコ機10(
図1参照)にも大きな振動が伝わってしまう。そのため、締結ネジの緩みや部材の劣化が早い段階で生じて、メンテナンス周期が早まるという問題点があった。
【0295】
これに対し、本実施形態では、首振り部材2360の回転軸と、振動装置2366の振動の中心軸とをずらすことで、首振り操作部材310を回転させることに振動装置2366の振動を利用することができ、パチンコ機10(
図1参照)に伝わる振動を少なくすることができる(振動のエネルギーが首振り操作部材310の回転に使用される)。加えて、振動装置2366の振動により、首振り操作部材310を回転させつつレンズ部材317を振動させることができるので、演出効果を向上させることができる。
【0296】
棒状部材2331dは、偏心カム軸331d2と平行に延設されるロック解除軸2331d5(
図28(a)参照)を備える。
【0297】
図29(a)及び
図29(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス2300の断面図である。なお、
図29(a)では、ロック部材2336が解除側に配置された状態で首振り操作部材310が押し下げられ下向き位置に配置された状態が図示される。また、
図29(b)では、
図29(a)に示す状態から首振り操作部材310が前転方向(
図29(a)反時計回り方向)の回転終端まで回転した状態が図示される。
【0298】
首振り操作部材310はねじりバネSP22により後転方向(
図29(a)時計回り方向)に付勢されるので、レバー部材2340が揺動範囲の下端に配置されるまでは首振り操作部材310が上部カバー部材344に押し当てられた状態が維持される。
【0299】
レバー部材2340を揺動範囲の下端まで押し下げた状態(
図29(a)参照)から、更に首振り操作部材310を押し下げる方向に首振り操作部材310に荷重をかけると、首振り操作部材310が前転方向(
図29(a)反時計回り方向)に回転する。これにより、遊技者に首振り操作部材310の押し下げ操作の下端を認識させることができ、首振り操作部材310の操作範囲の終端が分からず、遊技者が意図せず首振り操作部材310に過荷重をかけることを防止することができる。
【0300】
本実施形態では、レバー部材2340に駆動力を伝達する偏心カム部材2333と、ロック部材2336を解除側(
図29(a)参照)へ向けて揺動させるロック解除カム部材2339とを、共に駆動ギア335bで回転させる。これにより、第2駆動装置337(
図10参照)を配設不要とでき、製品コストを削減することができる。以下、偏心カム部材2333、ロック解除カム部材2339及びロック部材2336について説明する。
【0301】
図30(a)は、偏心カム部材2333のカム部材2333bの正面図であり、
図30(b)は、
図30(a)の矢印XXXb方向視におけるカム部材2333bの側面図であり、
図30(c)は、偏心カム部材2333の本体部材2333aの正面図であり、
図30(d)は、
図30(c)の矢印XXXd方向視における本体部材2333aの側面図である。なお、
図30(c)及び
図30(d)では、本体部材2333aが部分的に断面視される。
【0302】
図30(a)及び
図30(b)に示すように、カム部材2333bは、偏心カム軸331d2(
図10参照)に軸支される筒状部2333b1と、その筒状部2333b1に内接する円に沿って軸方向に延設され筒状部2333b1より若干短く形成されると共に内部が中空とされるカム部2333b2と、筒状部2333b1の先端部に軸方向に沿って切り欠かれる一対の切り欠き2333b3と、筒状部2333b1とカム部2333b2とを双方の軸を通る方向で連結する板状のリブ部2333b4と、そのリブ部2333b4から筒状部2333b1の軸心と平行に凸設される凸設部2333b5と、を主に備える。
【0303】
凸設部2333b5は、筒状部2333b1から径方向に半径R21の長さだけ離間した位置に配設され本体部材2333aの円環凹部2333a3に挿通される突起であり、磁性体材料から形成され、リブ部2333b4に接着材等で接着される。なお、凸設部2333b5は、筒状部2333b1の径方向と交差する態様で配設される側面(
図30(a)上下の側面)が筒状部2333b1を中心とする円形状に沿う曲面形状で形成される。
【0304】
なお、筒状部2333b1は筒状部333bと、カム部2333b2はカム部333cと、切り欠き2333b3は切り欠き333dと、リブ部2333b4はリブ部333eと、それぞれ対応し、それら対応する部分同士で技術的思想は共通なため、ここでは説明を省略する。
【0305】
図30(c)及び
図30(d)に示すように、本体部材2333aは、中心に偏心カム軸331d2(
図10参照)に軸支される断面円形状の軸孔2333a2が穿設されると共に外周面に駆動ギア335b(
図10参照)と歯合されるギア歯が形成される円板形状の円板部2333a1と、その円板部2333a1の正面側から軸孔2333a2の軸心方向に沿って円環状に凹設される円環凹部2333a3と、その円環凹部2333a3の外周面に沿って磁性体材料が円環状に配設される固定磁石部2333a4と、を主に備える。
【0306】
円環凹部2333a3は、軸孔2333a2の中心から円環凹部2333a3の内周面までの距離が半径R22の長さとされ、径方向の幅が凸設部2333b5の厚みより若干大きくされる。本実施形態では、半径R22は変形R21と等しい長さとされる(半径R21=半径R22)。また、円環凹部2333a3の凹設深さは、凸設部2333b5の凸設長さよりも長くされる。
【0307】
ここで、円環凹部2333a3の外周側に固定磁石部2333a4が配設されるので、凸設部2333b5が筒状部2333b1よりも上方に配設される場合に、レバー部材2340からカム部材2333bが過荷重を受けると、凸設部2333b5を固定磁石部2333a4から逃がす方向にカム部材2333bが荷重を受ける。これにより、凸設部2333b5が固定磁石部2333a4に押し付けられることを防止することができ、磁石同士が擦れることにより劣化することを抑制することができる。
【0308】
図31は、偏心カム部材2333の本体部材2333aとカム部材2333bとを組み立てた図であり、
図31(a)は、偏心カム部材2333の正面図であり、
図31(b)は
図31(a)のXXXIb方向視における偏心カム部材2333の側面図であり、
図31(c)は、偏心カム部材2333の正面図である。なお、
図31(c)では、
図31(a)に示す状態から、本体部材2333aとカム部材2333bとが相対回転された状態が図示される。なお、D12(b)では、本体部材2333aとカム部材2333bとが部分的に断面視される。
【0309】
図31(a)及び
図31(b)に示すように、偏心カム部材2333の本体部材2333aとカム部材2333bとが偏心カム軸331d2に軸支され組み立てられた状態において、凸設部2333b5が円環凹部2333a3に挿通され、凸設部2333b5と固定磁石部2333a4との間で互いに吸着し合う方向の磁力が働く。そのため、本体部材2333aとカム部材2333bとは、駆動ギア335b(
図10参照)から伝達される駆動力により一体で回転することができる。
【0310】
この際、凸設部2333b5の形状が筒状部2333b1を中心とした円に沿った曲面で形成され、円環凹部2333a3の側面と接触する面積を大きくすることができるので、本体部材2333aとカム部材2333bとを強固に固定することができる。
【0311】
一方、本体部材2333aとカム部材2333bとは磁力で吸着固定されているに過ぎないので、その吸着力以上の力でカム部材2333bが荷重を受けると、本体部材2333aに対してカム部材2333bを滑らせることができる。即ち、
図31(a)に示すように、本体部材2333aの基準とする位相を表す基準線Oとカム部材2333bのリブ部2333b4の位相を表す直線Q21とが一致した状態から、本体部材2333aが固定されカム部材2333bに回転方向の荷重が加えられることで、
図31(c)に示すように、基準線Oと直線Q21とがずれた状態へと変化させることができる。
【0312】
図32(a)は、ロック解除カム部材2339の正面図であり、
図32(b)は、
図32(a)のXXXIIb方向視におけるロック解除カム部材2339の底面図であり、
図32(c)は、
図32(a)のXXXIIc方向視におけるロック解除カム部材2339の側面図である。
【0313】
図32に示すように、ロック解除カム部材2339は、偏心カム部材2333の本体部材2333aと同一の大きさに形成されると共に外周面に駆動ギア335bと歯合されるギア歯が形成される本体部2339aと、その本体部2339aの中心に穿設されると共にロック解除軸2331d5が挿通される軸孔2339bと、本体部2339aの正面側の側面に沿って径方向外側へ向けて延設されると共にロック部材2336の係止部2666dに当接可能な長さで形成される解除部2339cと、その解除部2339cに対して周方向に90度の位置で径方向外側に延設される検出片2339dと、を主に備える。
【0314】
検出片2339dは、図示しない検出センサの隙間を通過する。これにより、ロック解除カム部材2339の位相を検出することができる。
【0315】
図33(a)は、ロック部材2336の正面図であり、
図33(b)は、
図33(a)のXXXIIIb方向視におけるロック部材2336の側面図である。
【0316】
図33(a)及び
図33(b)に示すように、ロック部材2336は、ギア部336d(
図10参照)が省略された形状とされる。ロック部材2336は、レバー部材2340の揺動を防止する部材であって、先端側が略L字の鉤状に形成される板形状の本体部2336aと、その本体部2336aの基端側に穿設されると共にロック軸331d3(
図10参照)が挿通される軸支孔2336bと、その軸支孔2336bを中心とした円弧に沿って形成される案内孔2336cと、本体部2336aのロック解除カム部材2339と対向する側(
図33(b)左側)の側面から軸支孔2336bの上方(L字の鉤状の部分の先端)において凸出される係止部2336dと、を主に備える。
【0317】
本体部2336aは、L字の鉤状に形成される先端部の側面(レバー部材2340の下側から当接する側面)が、レバー部材2340と当接する際にロック部材2336を回転させる力が大きくなる態様とされる。
【0318】
案内孔2336cは、補助軸331d4(
図10参照)が挿通される長孔であり、この案内孔2336cの長さにより、ロック部材2336の揺動終端を規定することができる。
【0319】
係止部2336cは、ロック解除カム部材2339(
図32参照)の解除部2339cから押される部分である。また、係止部2336cにねじりバネ(図示せず)が係止され、ロック部材2336は終始、固定側(
図28(a)参照)へ向けて付勢力を受ける。
【0320】
図34及び
図35は、駆動ギア335bが回転することによりレバー部材2340が揺動することを時系列で図示するレバー部材2340、偏心カム部材2333、ロック部材2336及びロック解除カム部材2339の正面図である。
【0321】
なお、
図34(a)では、レバー部材2340がロック部材2336に揺動を規制された状態が図示され、
図34(b)では、
図34(a)に示す状態からロック解除カム部材2339がロック部材2336に当接するまで回転された状態が図示され、
図34(c)では、
図34(b)に示す状態からロック解除カム部材2339がロック部材2336を解除側に揺動させた状態が図示され、
図34(d)では、
図34(c)に示す状態からロック解除カム部材2339が回転されロック部材2336が固定側の位置に復帰した状態が図示される。
【0322】
また、
図35(a)では、偏心カム部材2333のカム部材2333bが、筒状部2333b1の反対側(180度の角度で配置される側)の側面でレバー部材2340と当接する状態が図示され、
図35(b)では、
図35(a)の状態から偏心カム部材2333が回転されレバー部材2340がロック部材2336に上側から当接した状態が図示され、
図35(c)では、
図35(b)の状態から偏心カム部材2333が回転されレバー部材2340がロック部材2336に揺動を規制される状態が図示される。
【0323】
図34(a)に示すように、ロック解除カム部材2339の解除部2339cがロック部材2336の係止部に当接するまでに角度θ21だけ回転する必要がある場合、ロック解除カム部材2339が角度θ21だけ回転して
図34(b)に示す状態に至るまでの間は、レバー部材2340が揺動を規制されるので、偏心カム部材2333のカム部材2333bが回転することができない。そのため、ロック解除カム部材2339と同期して回転する本体部材2333aとカム部材2333bとが、
図34(a)に示す状態から角度θ21だけ相対回転する(
図34(b)参照)。
【0324】
このように、カム部材2333bを本体部材2333aと相対回転可能としているので、偏心カム部材2333とロック解除カム部材2339との位相がずれて組み立てられた場合でも、偏心カム部材2333の回転がレバー部材2340にせき止められて、駆動モータ335a(
図10参照)が損傷することを防止することができる。
【0325】
ロック解除カム部材2339が角度θ21だけ回転した後は、ロック解除カム部材2339がロック部材2336を解除側に移動させ始めることで、レバー部材2340の揺動の規制が解けるので、偏心カム部材2333の回転により、レバー部材2340が揺動する。この場合、偏心カム部材2333の本体部材2333aとカム部材2333bとが磁力で吸着され、一体で回転する。
【0326】
ロック解除カム部材2339の解除部2339cがロック部材2336の上方へ抜けて、ロック部材2336が固定側に復帰すると(
図34(d)参照)、その後タイミングに関わらず、レバー部材2340の後端部(
図34(a)右端部)がロック部材2336の本体部2336aの鉤状部分の曲面部を押すことでロック部材2336が解除側へ押しやられ、さらにレバー部材2340の後端部が下がることで、自然に揺動が規制される。
【0327】
そのため、例えば、遊技者が首振り操作部材310を持ち上げる方向に操作し、レバー部材2340の後端部が下降する場合、レバー部材2340の姿勢に関わらず(レバー部材2340が
図34(d)、
図35(a)又は
図35(b)のどの姿勢をとっている場合でも)レバー部材2340がロック部材2336の鉤状部分の下側まで揺動されることで揺動が規制される。
【0328】
ここで、遊技者が首振り操作部材310(
図28参照)を持ち上げ操作する際に偏心カム部材2333にかかる荷重に対する対策として、偏心カム部材2333をゴムなどの弾性材料から形成し、部材が弾性変形することで荷重を逃がすという方法が考えられる。しかし、この場合、部材にへたりが生じたり、形状が変化したりするという問題点があった。
【0329】
これに対し、本実施形態では、カム部材2333bは本体部材2333aに対して滑ることができるので、遊技者が首振り操作部材310(
図28参照)を持ち上げることで偏心カム部材2333に与えられる荷重によってカム部材2333bが破損することを防止することができる。
【0330】
即ち、レバー部材2340の姿勢に関わらず(レバー部材2340が
図34(d)、
図35(a)又は
図35(b)のどの姿勢をとっている場合でも)、首振り操作部材310(
図28参照)に上向きの荷重がかけられることで、レバー部材2340がカム部材2333bを押しやり(本体部材2333aに対して滑らせ)、レバー部材2340がロック部材2336の鉤状部分の下側まで揺動されることで揺動が規制される。
【0331】
一方で、この場合、カム部材2333bの姿勢は同じ(
図35(c)参照)であるのに、ロック解除カム部材2339の位相は異なる事態が生じる(
図34(d)、
図35(a)又は
図35(b)参照)。そのため、再度、ロック解除カム部材2339でロック部材2336を解除側へ移動させるまでに必要な駆動ギア335bの回転角度が異なり、レバー部材2340の駆動開始のタイミングを定めることが困難になるという問題点があった。
【0332】
これに対し、本実施形態では、ロック解除カム部材2339の位相を検出センサ(図示せず)で検出することで、偏心カム部材2333とロック解除カム部材2339との位相を合わせることができる。即ち、ロック部材2336にレバー部材2340が揺動を規制されている場合のカム部材2333bの配置は
図35(c)に示す配置に固定されるので、この状態で駆動ギア335bを回転させてロック解除カム部材2339を所定の位相(
図34(b)参照)まで回転させることで、偏心カム部材2333の位相とロック解除カム部材2339の位相とを合わせることができる。
【0333】
これにより、遊技者が首振り操作部材310(
図28参照)を持ち上げ操作するタイミングに関わらず、偏心カム部材2333の位相とロック解除カム部材2339の位相とを合わせることができ、レバー部材2340の駆動開始のタイミングを容易に一致させることができる。
【0334】
次いで、
図36を参照して、首振り部材2360の本体部材2361について説明する。
図36(a)から
図36(c)は、軸支棒363の軸方向視で図示した首振り部材2360の本体部材2361の正面図である。なお、
図36(a)では、後転側の終端に本体部材2361が揺動配置された状態(
図28(a)参照)が図示され、
図36(b)では、前転側の終端に本体部材2361が揺動配置された状態(
図28(b)参照)が図示され、
図36(c)では、
図36(b)に示す状態から本体部材2361が長孔2361fの長手方向に沿ってスライド移動された状態が図示される。
【0335】
図36に示すように、本体部材2361は、軸孔341e(
図12参照)と同軸で軸支棒363に軸支される部材であって、側壁部361a(
図12参照)の形状が若干変形されて形成される変形側壁部2361aと、軸孔361cから固定板部361eの延設方向に沿って形成される長孔2361fと、角度規制孔361dの上側端部から固定板部361eの延設方向に沿って形成される長孔2361gと、を主に備える。
【0336】
これにより、少なくとも本体部材2361が前転側の終端に揺動配置されない限り、軸支棒363および規制棒365が長孔2361f,2361gに侵入しないように配設される。そのため、本体部材2361は軸支棒363を中心とした揺動動作のみを行う。
【0337】
次いで、
図37を参照して、モータ固定板2362について説明する。
図37(a)は、モータ固定板2362の上面図であり、
図37(b)は、
図37(a)のXXXVIIb方向視におけるモータ固定板2362の側面図であり、
図37(c)は、
図37(b)に示す状態からU字状部材2362dがスライド移動された状態を示すモータ固定板2362の側面図である。なお、理解を容易にするために、
図37(b)及び
図37(c)において、本体部材2361の外形が想像線で図示される。
【0338】
図37に示すように、モータ固定板2362は、本体部362a及び側壁部362bが後方(
図37上方)に延長された形状で形成される本体部2362a及び側壁部2362bと、本体部2362aの底側から下方へ延設される一対の棒状部2362cと、それら棒状部2362cにスライド移動可能に配設され長孔2361f,2361gの幅よりも大きな股幅で形成されるU字状部材2362dと、を主に備える。
【0339】
側壁部2362bは、本体部2362aの延設方向に沿って穿設される長孔2362b1を備える。
【0340】
U字状部材2362dは、U字の股幅の方向が長孔2361f,2361gの幅方向に沿う態様で配設され、弾性バネ等(図示せず)により本体部2362aから離反する方向に付勢される。即ち、U字状部材2362dに荷重がかけられていない場合は、U字状部材2362dは
図37(b)に示す位置に配置され、U字の脚の部分が長孔2361f,2361gと重なるので、軸支棒363及び規制棒365が長孔2361f,2361gに沿って移動することを防止できる。
【0341】
一方で、U字状部材2362dに本体部2362aへ近接する方向へ向けた荷重がかけられると、U字状部材2362dは
図37(c)に示す位置に配置され、U字の股の部分が長孔2361f,2361gと重なるので、軸支棒363及び規制棒365を長孔2361f,2361gに沿って移動させることができる。
【0342】
即ち、U字状部材2362dに荷重をかけるか否かを切り替えることで、本体部材2361を長孔2361f,2361gに沿って移動可能とするか否かを切り替えることができる。
【0343】
ここで、U字状部材2362dをスライド移動させる部材について説明する。本実施形態では、レバー部材2340の本体部材341の内側に長手方向に沿ってスライド移動可能に配設される板状の第1解除部材2370と、首振り操作部材310の背面側枠部材311に配設される貫通孔を貫通して本体部2362aの延設方向と垂直な方向にスライド移動可能に配設される板状の第2解除部材2380と、を主に備える。
【0344】
なお、第1解除部材2370は後側(
図28(a)右側)のU字状部材2362dをスライド移動可能に配設され、第2解除部材2380は前側(
図28(a)左側)のU字状部材2362dをスライド移動可能に配設される。
【0345】
また、第1解除部材2370は、剥離部材350がレバー部材2340から引きはがされることで、本体部材351が第1解除部材2370の端部に当接し、U字状部材2362dを押進する形状とされる。第2解除部材2380は、首振り操作部材310が下向き位置に配置され、首振り部材2360が回転し前転方向の揺動終端に配置されることで、前カバー321が第2解除部材2380の端部に当接し、U字状部材2362dを押進する形状とされる。
【0346】
例えば、
図29(b)に示す状態では、は前側(
図29(a)左側)のU字状部材2362dはスライド移動されるが、後側(
図29(a)右側)のU字状部材2362dはスライド移動していないので、首振り操作部材310を下方にスライド移動させることはできない。
【0347】
図38(a)及び
図38(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス2300の断面図である。なお、
図38(a)では、
図28(a)に示す状態から首振り操作部材310が押し下げられ下向き位置に配置された状態が図示される。また、
図38(b)では、
図38(a)に示す状態から、首振り操作部材310が長孔2361f,2361gに沿ってスライド移動された状態が図示される。
【0348】
図38(a)に示すように、剥離部材350が本体部材341から引きはがされ、首振り操作部材310が下向き位置に配置されると共に回転され前転方向の揺動終端に配置されることで、一対のU字状部材2362dがスライド移動され、首振り操作部材310が長孔2361f,2361gに沿ってスライド移動することが可能となる。
【0349】
このとき、レバー部材2340の本体部材341が剥離部材350が引きはがされることで首振り操作部材310に既に過荷重がかかっており、首振り操作部材310が揺動範囲の下端まで揺動したうえ、更に首振り操作部材310に下向きの力が掛かっている。そのため、遊技者が、首振り操作部材310を操作する際に誤って過荷重をかけてしまったわけではなく、操作と関係無く、首振り操作部材310を破壊しにかかっていると判断することができる。
【0350】
そのため、例えば、
図38(b)に示す状態となったことを検出センサ(図示せず)で検出し、警報を出すことで、遊技者が首振り操作部材310に過荷重をかけることを抑制し、操作デバイス2300が破壊されることを防止することができる。
【0351】
なお、首振り操作部材310に過荷重をかけない場合には、首振り操作部材310がスライド移動することを防止することができるので、長孔2361f,2361gによって首振り操作部材310の操作感が変化することを防止することができる。
【0352】
次いで、
図39から
図42を参照して、第3実施形態における操作デバイス3300について説明する。第1実施形態では、レバー部材340を駆動させる駆動力がレバー部材340にレバー支持軸331d1の後方で伝達される場合を説明したが、第3実施形態における操作デバイス3300は、レバー部材3340を駆動させる駆動力がレバー支持軸331d1の前方で伝達される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0353】
なお、第3実施形態では、ねじりバネSP31からレバー部材3340を前倒れさせる方向に付勢力が働くとともに、ねじりバネSP32から首振り操作部材310を後倒れさせる方向に付勢力が働く。
【0354】
ねじりバネSP31は、軸支部331g,332g(
図10参照)に巻き付けられ、一端がねじりバネ係止部331h,332h(
図10参照)に上側から当接され、他端が角度規制棒部材346に上側から当接される。これにより、レバー部材340は首振り操作部材310が前倒れする方向に付勢される。
【0355】
ねじりバネSP32は、緩衝部材364に巻き付け支持され、一方の端部が正面曲面部345cに係止され、他方の端部がモータ固定板362に係止される。本実施形態では、ねじりバネSP32により、首振り部材360が、本体部材341に対して起き上がる方向に付勢される。
【0356】
図39(a)及び
図39(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第3実施形態における操作デバイス3300の断面図である。なお、
図39(a)及び
図39(b)では、レバー部材3340がロック部材336に揺動を規制された状態が図示され、
図39(b)では
図39(a)に示す状態から首振り操作部材310が軸支棒363を軸に前方に首振り操作された状態が図示される。本実施形態では、
図39(a)の状態が初期位置とされる。また、
図17(a)では操作デバイス300が図示されるが、外観は同じなので、操作デバイス3300とみなして説明を行う。以下、本実施形態において同様である。
【0357】
図39に示すように、本実施形態における操作デバイス3300は、偏心カム部材333を備えておらず、レバー部材3340の駆動は後述するソレノイド機構により行われる。以下、そのソレノイド機構について説明する。
【0358】
ソレノイド機構は、内側カバー部材3330の内側に配設される磁性体材料から形成される磁性体部材3339と、レバー部材3340に固定されると共に円柱形状で金属製の棒状部材3345fとで構成される。
【0359】
レバー部材3340の下部カバー部材3345は、背面ガイド部345aの左右端部から後下方に延設されると共に下部カバー部材3345と一体で成型される一対の伝達部3345eを備え、その伝達部3345eの先端にレバー支持軸331d1と平行な姿勢で金属製の棒状部材3345fが固定され、その棒状部材3345fには電流が導通される。
【0360】
磁性体材料3339は、内側カバー部材3330の正面側壁から背面側(
図39(a)右側)に上下一対で延設されるU字形状の磁石である。本実施形態では、上側に配置される上側腕部3339nがN極とされ、下側に配置される下側腕部3339sがS極とされる。上側腕部3339nの下側面および下側腕部3339sの上側面は、レバー部材3340の揺動に伴って棒状部材3345fが移動する軌跡から上下方向に若干隙間をあけて配置される。そのため、レバー部材3340が揺動する際に、棒状部材3345fが磁性体部材3339と衝突することを抑制することができる。
【0361】
ここで、例えば、棒状部材3345fに、
図39(a)紙面手前側へ向けて電流を流すと、棒状部材3345fを後方(
図39(a)右方)へ向けて移動させる電磁力が生じる。また逆方向に電流を流すと、棒状部材3345fを前方(
図39(a)左方)へ向けて移動させる電磁力が生じる。これら電磁力により、レバー部材3340を揺動させることができる。
【0362】
図40(a)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス3300の断面図である。なお、
図40(a)では、ロック部材336が解除側に配置され、レバー部材3340が付勢力により揺動され首振り操作部材310が下向き位置に配置された状態が図示される。
【0363】
本実施形態では、レバー部材3340がねじりバネSP1により前倒れする方向に付勢されるので、ロック部材336を解除側に配置することでレバー部材3340を揺動開始させることができる。
【0364】
本実施形態のように、レバー部材3340が前倒れする方向に付勢されると、遊技者が首振り操作部材310を押し下げた場合にレバー部材3340が近接する側にレバー部材3340を駆動させる偏心カム部材を配置する必要があり、遊技者の操作により偏心カム部材が破損しやすいという問題点があった。
【0365】
一方、本実施形態では偏心カム部材を削除し、ソレノイド機構によりレバー部材3340に駆動力を伝達する。ソレノイド機構を構成する棒状部材3345fの移動軌跡と若干隙間を空ける態様で、ソレノイド機構を構成する磁性体部材3339が配設されるので、棒状部材3345fと磁性体部材3339とが衝突することが抑制され、遊技者が首振り操作部材310を押し下げ操作した場合に、ソレノイド機構が破損することを抑制することができる。
【0366】
図40(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス3300の断面図である。なお、
図40(b)では、
図39(b)に示す状態から、首振り操作部材310が下方に押し下げられ、本体部材341と剥離部材350とが引きはがされた状態が図示される。
【0367】
ねじりバネSP1の付勢力は、レバー部材3340を前倒れさせる方向(
図40(b)反時計回り方向)に向けられるので、
図40(b)の状態から遊技者が手を離しても、首振り操作部材310はすぐに上昇移動することは無く、その場に維持される。
【0368】
ここで、レバー部材340の付勢の方向を起き上がる方向とすると、遊技者が首振り操作部材310に過荷重をかけた場合に、レバー部材340が剥離部材350と剥離してロック部材336の破損を防止できたとしても、遊技者が手を離すとすぐに首振り操作部材310が上昇するので、遊技者が過荷重をかけていることに気付かず、首振り操作部材310に繰り返し過荷重をかける恐れがあるという問題点があった。
【0369】
これに対し、本実施形態では、レバー部材3340の付勢の方向がレバー部材3340を前倒れされる方向(
図40(b)反時計回り方向)に向けられるので、首振り操作部材310を下向き位置に配置させ続けることができる。これにより、遊技者が首振り操作部材310に過荷重を繰り返しかける事態を回避することができる。
【0370】
本実施形態では、レバー部材3340を駆動させる電磁力を受ける棒状部材3345fが本体部材341と一体で動作する。即ち、本体部材341が剥離部材350と分離した状態において、棒状部材3345fが電磁力を受けることで本体部材341を揺動させることができる。
【0371】
ここで、レバー部材340(
図10参照)に偏心カム部材333(
図10参照)で駆動力を伝達する場合、偏心カム部材333を剥離部材350の下方に配設すると、ロック部材336によりレバー部材340の揺動が規制される場合に、偏心カム部材333の回転も同時に規制される(
図18(a)参照)。そのため、ロック部材336によりレバー部材340の揺動が規制される場合に、偏心カム部材333が動作すると、ロック部材336に荷重がかかりロック部材336が損傷する恐れがあるという問題点があった。
【0372】
これに対し、本実施形態では、ロック部材336によりレバー部材3340の揺動が規制される場合に、棒状部材3345fが電磁力を受けて移動することで、本体部材341が揺動可能とされる一方、剥離部材350には駆動力が伝達されない。
【0373】
そのため、ロック部材336によりレバー部材3340の揺動が規制される場合に棒状部材3345fに電流が流れたとしても、その際生じる電磁力は本体部材341の揺動に使用され、剥離部材350の揺動には使用されないので、ロック部材336が損傷することを防止することができる。
【0374】
図41(a)及び
図41(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス3300の断面図である。なお、
図41(a)では、
図40(b)に示す状態から、レバー部材3340が起き上がる方向に揺動された状態が図示され、
図41(b)では、
図41(a)に示す状態から、レバー部材3340が起き上がる方向に揺動された状態が図示される。
【0375】
図41(a)及び
図41(b)に示すように、棒状部材3345fが電磁力を受けて移動することにより、レバー部材3340の本体部材341を揺動させることができる。ここで、剥離部材350の下方に偏心カム部材333(
図10参照)を配置し、その偏心カム部材333を回転させることでレバー部材3340を駆動させる場合には、剥離部材350からレバー部材340の本体部材341が引きはがされた状態(
図23(b)参照)で本体部材341を駆動させることはできない。
【0376】
これに対し、本実施形態では、剥離部材350を介して本体部材341に駆動力が伝達されるのではなく、棒状部材3345fが受ける電磁力が伝達部3345eを介して本体部材341に伝達され、本体部材341が駆動される。従って、剥離部材350の位置が固定されている場合でも、本体部材341を揺動させることができる。
【0377】
図40(b)に示す状態から伝達部3345eが角度α31だけ姿勢変化するまで棒状部材3345fに
図40(b)紙面奥側へ向けて電流を流すことで、本体部材341を
図41(a)に示す状態とすることができ、
図41(a)に示す状態から伝達部3345eが角度α32だけ姿勢変化するまで棒状部材3345fに
図41(a)紙面奥側へ向けて電流を流すことで、本体部材341を
図41(b)に示す状態とすることができる。
【0378】
棒状部材3345fに流す電流の向きを反転させることで、本体部材341の姿勢を、
図41(a)の状態と
図41(b)の状態とに繰り返し変化させることができる。これにより、遊技者に操作デバイス3300を注目させる煽り動作を行うことができる。
【0379】
また、本体部材341に剥離部材350が吸着固定された状態(
図40(a)参照)においても、棒状部材3345fに流す電流の向きを反転させることで、遊技者に操作デバイス3300を注目させる煽り動作を行うことができる。この際に、棒状部材3345fが移動する経路は本体部材341から剥離部材350が引きはがされた状態の経路と同様なので、単一の磁性体部材3339で、本体部材341から剥離部材350が引きはがされた場合と本体部材341に剥離部材350が吸着している場合とに対応することができる。
【0380】
なお、本体部材341に剥離部材350が吸着している状態と、本体部材341から剥離部材350が引きはがされた状態とでは、本隊部材341の長手方向における重量バランスが変化するため、同じ強さの電流を流したとしても、煽り動作の速度を異ならせることができる。これにより、演出効果を向上させることができる。
【0381】
図42(a)及び
図42(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス3300の断面図である。なお、
図42(a)及び
図42(b)では、理解を容易とするために首振り操作部材310が断面視されずに側面視で図示され、遊技者の手が想像線で図示される。
【0382】
図42(a)では、首振り操作部材310が下向き位置に配置され、遊技者の手が首振り操作部材310の背面側(
図42(a)右側)から被せられた状態が図示される。この状態から、棒状部材3345fに
図42(a)紙面奥へ向けて電流が流れることで棒状部材3345fが電磁力を受け、レバー部材3340が起き上がる方向に揺動される。このレバー部材3340の揺動により、首振り操作部材310が遊技者の手に引っ掛かり、首振り操作部材310が前転方向(
図42(a)反時計回り)に揺動する。これにより、裏ボタン部材312dの状態が変化し、それを第2センサ部材313d(
図20参照)で検出することで、遊技者からの入力動作の有無を判断することができる。
【0383】
この場合、遊技者は首振り操作部材310に手を被せているだけで、入力操作を行うことができ、入力操作を容易とすることができる。また、棒状部材3345fに電流を流す態様(タイミングや強さ)によって裏ボタン部材312dの状態が変化する(遊技者が手を被せている首振り操作部材310が前転方向に揺動する)タイミングを制御できる。そのため、遊技者に入力操作を求めることなく、手を首振り操作部材310に被せさせておき、棒状部材3345fに流れる電流の向きや強さを制御することで、制御側で裏ボタン312dの入力操作のタイミングを決定することができる。これにより、例えば、タイミング良く入力をすることを求める演出を行う場合に、遊技者の負担を減少させることができる。
【0384】
また、遊技者が首振り操作部材310の背面側に手を被せることなく、例えば、レンズ部材317に手を置いているだけでは、
図42(a)に示す状態からレバー部材3340を起き上がる方向に揺動させても、首振り操作部材310が前転方向(
図42(a)反時計回り)に揺動することは無い。そのため、操作デバイス3300の操作の態様が複数存在する場合に、タイミング良く入力をするための操作の方法を指定することができ、遊技者に適切な方法で操作デバイス3300を操作させることができる。
【0385】
これは、レバー部材3340のレバー支持軸331d1の後下方に偏心カム部材333を配設する形態では不可能であり、例えば、本実施形態のように、レバー支持軸331d1の前側において棒状部材3345hが受ける電磁力が伝達され、本体部材341を起き上がる方向に揺動させる形態を採用することで、初めて達成される効果である。
【0386】
次いで、
図43から
図52を参照して、第4実施形態における操作デバイス4300について説明する。第1実施形態では、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態でロック部材336がレバー部材340の揺動を規制する場合を説明したが、第4実施形態における操作デバイス4300は、首振り操作部材310が下向き位置に配置された状態でロック部材4336がレバー部材4340の揺動を規制する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0387】
図43は、第4実施形態における操作デバイス4300の正面分解斜視図である。なお、
図43では、外側ケース部材320の図示が省略され、内側ケース部材4330が分解された状態が図示される。
【0388】
図43に示すように、内側ケース部材4330は、レバー部材4340が内側に配設される箱状に組立てられる左カバー部材4331及び右カバー部材4332と、左カバー部材4331から凸設される偏心カム軸331d2に軸支される偏心カム部材4333と、左カバー部材331から凸設されるロック軸4331d3に軸支されるロック部材4336と、を主に備える。なお、本実施形態における駆動部材挿通孔332d及び第2駆動装置337は、その配置および姿勢が第1実施形態とは若干異なるが、ロック部材4336を駆動させるという技術的思想は第1実施形態と同様であるので、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0389】
左カバー部材4331は、第1実施形態における左カバー部材331と異なり、上側側壁部331bから右方に凸設され円柱形状に形成される複数の棒状部材4331dを備える。
【0390】
棒状部材4331dは、左カバー部材4331の最上部に配置されるレバー支持軸331d1と、そのレバー支持軸331d1の下方に配設される偏心カム軸331d2と、その偏心カム軸331d2の後方に配設されるロック軸4331d3と、を主に備える。
【0391】
ロック軸4331d3は、ロック部材4336が挿通される軸であって、左カバー部材4331及び右カバー部材4332に両持ちで支持される。
【0392】
偏心カム部材4333は、第1実施形態における左カバー部材331と異なり、カム部4333cを備える。カム部4333cは、カム部333cと同様の構成とされるが、カム部333cに比較して、偏心カムの直径が大きく形成される。詳細には、カム部4333cの端部が本体部333aの軸心と合わせられ、カム部4333cの最大径部分がレバー部材4340に最接近した状態で、首振り操作部材310が下向き位置に配置される大きさに、偏心カムの直径が形成される。
【0393】
ロック部材4336は、首振り操作部材310が下向き位置付近に配置され、レバー部材4340のロック受け部材4350が配設される側が上方に配置された状態で、ロック受け部材4350に対して下側から当接し、レバー部材4340の揺動を規制する部材である。
【0394】
図44(a)は、ロック部材4336の正面図であり、
図44(b)は、
図44(a)のXXXXIVb方向視におけるロック部材4336の側面図である。
【0395】
ロック部材4336は、長尺板状に形成される本体部材4336aと、断面扇型の板形状に形成されると共に第2駆動装置337の駆動力がギアの歯合により伝達される伝達部材4336bと、を主に備える。
【0396】
本体部材4336aは、長尺板状に形成される本体部4336a1と、その本体部4336a1の左右方向(
図44(a)左右方向)に穿設されると共にロック軸4331d3(
図43参照)が挿通される軸支孔4336a2と、本体部4336a1の伝達部材4336bと反対側の側面から軸支孔4336a2の上方において凸出される係止部4336a3と、本体部4336a1の伝達部材4336bと対向する側の側面で軸支孔4336a2の下方において背面側(
図44(b)右側)から正面側に凹設される凹設部4336a4と、を主に備える。
【0397】
係止部4336a3は、ロック軸4331d3に固定され一方の腕部が連結側壁部331cに係止されるねじりバネSP41の他方の腕部が係止される部分である(
図45参照)。これにより、本体部材4336aは常時、
図44(b)反時計回りに付勢される。
【0398】
凹設部4336a4は、伝達部材4336bの凸設部4336b4と当接される部分である。凹設部4336aの背面側からの深さが伝達部材4336bの凸設部4336b4の厚み以上とされることにより、本体部材4336aをロック待機状態(
図45(a)参照)にする際の本体部材4336aの姿勢を本体部材4336aと連結側壁部331cとの関係(本体部材4336aが連結側壁部331cに当接された状態で姿勢保持すること)から規定することができる。
【0399】
伝達部材4336bは、断面扇型に形成され曲面部に駆動ギア337bに歯合されるギア部が形成される本体部4336b1と、その本体部4336b1の左右方向(
図44(a)左右方向)に穿設されると共にロック軸4331d3(
図43参照)が挿通される軸支孔4336b2と、図示しないセンサ部材の隙間を通り伝達部材4336bの姿勢を検出可能とする板状の検出片4336b3と、本体部4336b1の本体部材4336aと対向する側の側面から凸設されると共に本体部4336b1の揺動方向で凹設部4336a4と当接される凸設部4336b4と、を主に備える。
【0400】
凸設部4336b4は、本体部4336b1の背面側端部に形成される。これにより、伝達部材4336bを連結側壁部331cに近接させる方向に揺動させることで、ねじりバネSP41の付勢力により揺動する本体部材4336aの背面側側面を連結側壁部331cと当接させることができる。
【0401】
図45(a)及び
図45(b)は、ロック部材4336の側面図である。なお、
図45(a)及び
図45(b)では、駆動ギア337b及び連結側壁部331cが組立状態の配置で図示される。
【0402】
ロック部材4336は、
図45(a)に示すロック待機状態と、
図45(b)に示すロック強制解除状態とを構成可能とされる。なお、ロック待機状態とは、伝達部材4336bが連結側壁部331cに近接配置され本体部材4336aが連結側壁部331cに当接された状態を意味する。
【0403】
また、ロック強制解除状態とは、ロック待機状態から駆動ギア337bが回転し伝達部材4336bが連結側壁部331cから離反する方向に揺動されることで本体部材4336aのレバー部材4340と対向する側の端部がレバー部材4340と当接しない位置に配置された状態を意味する。ロック強制解除状態では、伝達部材4336bの凸設部4336b4が凹設部4336a4に当接し本体部材4336aの姿勢を保持する。
【0404】
ロック待機状態において、レバー部材4340が本体部材4336aの上方から当接すれば、ロック部材4336によりレバー部材4340の揺動を規制することができる(
図47(a)参照)。レバー部材4340の揺動が規制された状態からロック強制解除状態にすれば、レバー部材4340の揺動の規制が解けて、レバー部材4340が揺動可能とされる(
図48参照)。
【0405】
ここで、再度ロック待機状態とすることで(駆動ギア337bを回転させて、伝達部材4336bを
図6−1時計回りに回すことで)、後述するように、レバー部材4340のロック部材4336と当接する側の端部がロック部材4336を上方に乗り越えることに伴って自動的にレバー部材4340の揺動を規制することができる。一方、ロック強制解除状態を維持しておくことで、レバー部材4340の揺動が規制されることを防止することができる。
【0406】
図46は、レバー部材4340及び首振り操作部材310の正面分解斜視図である。レバー部材4340は、鉄などの金属材料から形成され断面コ字状の長尺棒状に形成される本体部材4341と、本体部材4341の軸孔341bと同軸で軸支されるロック受け部材4350と、を主に備えて構成される。
【0407】
本体部材4341は、断面コ字状の長尺棒状に形成され後端部左側(
図46左側)に切り欠きを有する前方本体部4341aと、その前方本体部4341a1の切り欠きを補填する態様で配設される断面L字状の後方本体部4341a2と、その後方本体部4341a2の上面側に締結固定され電流が導通している時のみ後方本体部4341a2と前方本体部4341a1とを吸着する電磁石部材M41と、前方本体部4341a1の略中央部において左右方向に穿設される一対の軸孔341bと、を主に備える。
【0408】
ロック受け部材4350は、前後に長尺の略直方体状に形成されると共にレバー部材4340の後方本体部4341a2の下面に締結固定される本体部4351と、その本体部4351の前側端部において左右方向に穿設され軸孔341bと同軸でレバー支持軸331d1(
図43参照)に軸支される軸孔4352と、を主に備える。そのため、後方本体部4341a2が前方本体部4341a1とは独立してレバー支持軸331d1を中心に揺動可能とされるが、それについては後述する。
【0409】
図47(a)及び
図47(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス4300の断面図である。なお、
図47(a)及び
図47(b)では、レバー部材4340がロック部材4336に揺動を規制された状態が図示され、
図47(b)では
図47(a)に示す状態から首振り操作部材310が軸支棒363(
図46参照)を軸に後方に首振り操作された状態が図示されると共に、首振り操作部材310の断面視が省略される。本実施形態では、
図47(a)の状態を初期位置とする。また、
図17(a)では操作デバイス300が図示されるが、外観は同じなので、操作デバイス4300とみなして説明を行う。以下、本実施形態において同様である。
【0410】
図47(b)に示すように、第1実施形態と同様に、レバー部材4340の揺動が規制された状態で首振り操作部材310を首振り操作し、裏ボタン部材312dを押し込み操作することができる。
【0411】
本実施形態では、ロック部材4336がレバー支持軸331d1の後方においてレバー部材4340に下側から当接されるので、首振り操作部材310を持ち上げる誤操作に対して、ロック部材4336の強度で抵抗することができる。
【0412】
レバー部材4340の後端部がロック部材4336とロック軸4331d3よりも後方で当接されることで、ロック部材4336がロック強制解除状態(
図45(b)参照)側へ揺動することを抑制することができる。これにより、ロック部材4336が前倒れする方向(
図47(a)左方向)にレバー部材4340からロック部材4336に荷重を与えることができ、ロック部材4336の姿勢を保持することができる。
【0413】
また、本実施形態ではレバー部材4340の揺動をロック部材4336で規制する状態において、偏心カム部材4333をレバー部材4340から離間させておける。そのため、レバー部材4340の揺動をロック部材4336で規制している間に偏心カム部材4333が誤作動等により回転した場合に、偏心カム部材4333やレバー部材4340が破損することを防止することができる。
【0414】
図48は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス4300の断面図である。なお、
図48では、ロック部材4336がロック強制解除状態とされ、レバー部材4340が揺動し始めた状態が図示される。
【0415】
図48に示すように、ロック部材4336にレバー部材4340が揺動を規制された状態(
図47(a)参照)からロック部材4336がロック強制解除状態とされると、ねじりバネSP1の付勢力によりレバー部材4340が起き上がる方向(
図48時計回り)に揺動する。
【0416】
これにより、遊技者に対して操作デバイス4300を操作することを促すことができるが、レバー部材4340の揺動速度がねじりバネSP1の付勢力により定まり、毎回変わらないので、演出自由度が低減されるという問題点があった。
【0417】
なお、レバー部材4340と当接する際の偏心カム部材4333の姿勢を様々に変化させ、偏心カム部材4333の回転とレバー部材4340の揺動とを連動させることで動作速度を多様にすることもできるが、レバー部材4340が偏心カム部材4333に誤って高速で衝突した場合に偏心カム部材4333が破損する恐れがあるという問題点があった。そのため、ロック部材4336をロック強制解除状態へ向けて揺動させるタイミングは、偏心カム部材4333が退避位相(
図49(a)参照)とされていることを第3センサ部材325a3(
図9参照)で検出してからとすることが好ましい。
【0418】
ここで、首振り操作部材310に内包される振動装置366の振動の反作用は、直線L1に沿ってレバー部材4340を前倒れさせる方向に作用する。これにより、例えば、レバー部材4340が起き上がる方向(
図48時計回り)に揺動している最中に振動装置366を振動させることで、レバー部材4340を前倒れする方向に押し戻すことができ、レバー部材4340の揺動速度や揺動の態様を変化させることができる(遅くすることができる)。従って、レバー部材4340が偏心カム部材4333に誤って高速で衝突することを防ぐことができる。
【0419】
図49(a)及び
図49(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス4300の断面図である。なお、
図49(a)では、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態が図示され、
図49(b)では、
図49(a)の状態から首振り操作部材310が後方(
図49(a)右方向)へ向けて押し込み操作された状態が図示されると共に首振り操作部材310の断面視が省略される。
【0420】
図49(a)及び
図49(b)では、ロック部材4336がロック強制解除状態で維持される。そのため、例えば、
図49(a)の状態から遊技者が首振り操作部材310を把持し上下に移動させる操作をおこなったとしても、ロック部材4336によってレバー部材4340の揺動が規制されないので、遊技者が手を離せばねじりバネSP1の付勢力により首振り操作部材310が上向き位置に復帰する。
【0421】
図50(a)、
図50(b)、
図51(a)及び
図51(b)は
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス4300の断面図である。なお、
図50(a)、
図50(b)、
図51(a)及び
図51(b)では、偏心カム部材4333の回転によりレバー部材4340が揺動する様子が時系列に沿って図示される。
【0422】
図50(a)では、偏心カム部材4333が退避位相とされ、レバー部材4340が偏心カム部材4333に当接されると共にロック部材4336がロック待機状態とされた状態が図示され、
図50(b)では、
図50(a)の状態から偏心カム部材4333が約90度だけ
図50(a)反時計回りに回転した状態が図示される。
【0423】
また、
図51(a)では、
図50(b)の状態から偏心カム部材4333が更に同一方向に回転し、レバー部材4340がロック部材4336の上端に当接され揺動を規制された状態が図示され、
図51(b)では、
図51(a)の状態から偏心カム部材4333が更に同一方向に回転し、退避位相(
図50(a)参照)とされた状態が図示される。
【0424】
図50(a)、
図50(b)、
図51(a)及び
図51(b)に示すように、操作デバイス4300は、首振り操作部材310が上向き位置に配置されてから遊技者が押し下げ動作を行わない場合でも、偏心カム部材4333によりレバー部材4340を揺動させることで、首振り操作部材を下向き位置(初期位置)まで移動させることができる。
【0425】
ロック部材4336は、ロック待機状態とされる。この場合、ロック部材4336の左側側面をレバー部材4340が押すことでロック部材4336が後倒れする方向に回転する(
図50(b)参照)。一方で、ロック部材4336は、ねじりバネSP41(
図45参照)により常に前倒れする方向に付勢されるので、レバー部材4340がロック部材4336の上方まで移動すると、付勢力によりレバー部材4340の下側に入り込む(
図51(a)参照)。このように、レバー部材4340を揺動させる過程において、ロック部材4336が自動でレバー部材4340の揺動を規制する。
【0426】
そのため、遊技者が首振り操作部材310を押し下げるタイミングが不明であっても、首振り操作部材310が下向き位置に配置されることにより、ロック部材4336でレバー部材4340の揺動を規制することを確実に行うことができる。
【0427】
レバー部材4340の揺動が規制される配置(
図51(a)参照)では、偏心カム部材4333の最大径部分がレバー部材4340と当接される。そのため、レバー部材4340の揺動をロック部材4333により規制した状態(
図51(a)参照)で、偏心カム部材4333を逆回転させて戻すのではなく、同一方向に回転させ続けることで偏心カム部材4333を退避位相に復帰させることができる。従って、偏心カム部材4333を逆回転させるタイミングを検出する検出装置を不要とできると共に、偏心カム部材4333を駆動させる第1駆動装置335の制御を容易に行うことができる。
【0428】
図52は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス4300の断面図である。なお、
図50(a)の状態におけるレバー部材4340、首振り操作部材310及び偏心カム部材4333の外形が想像線で図示される。
【0429】
図52に示すように、偏心カム部材4333を偏心カム軸331d2中心に角度θ41で往復回転することで、レバー部材4340をレバー支持軸331d1中心に角度θ42で往復揺動させることができる。これにより、遊技者に操作デバイス4300を注目させる煽り動作を行うことができる。
【0430】
この際、偏心カム部材4333のカム部4333cをレバー支持軸331d1の反対側に配置した状態で往復回転させることで、偏心カム部材4333とレバー部材4340との当接位置からレバー支持軸331d1までの距離を長く保つことができる。これにより、レバー部材4340を揺動させるために必要な駆動力を抑制できる(駆動力が小さくても良い)と共に、レバー部材4340から偏心カム部材4333にかけられる荷重を抑制することができる(過荷重にも耐えられる)。
【0431】
また、ロック部材4336がロック強制解除状態とされることで、レバー部材4340を往復揺動させる際に、ロック部材4336からレバー部材4340が負荷を与えられることを防止でき、偏心カム部材4333を回転させるために第1駆動装置335(
図43参照)が発生させる駆動力を抑制することができる。
【0432】
図53(a)は、レバー部材4340の本体部材4341及びロック受け部材4350の上面図であり、
図53(b)及び
図53(c)は、
図53(a)のLIIIb方向視におけるレバー部材4340の本体部材4341及びロック受け部材4350の側面図である。なお、
図53(c)は、
図53(a)の状態から、前方本体部4341a1が電磁石部材M41から離反する方向に揺動した状態が図示される。
【0433】
図53(a)に示すように、前方本体部4341a1及び後方本体部4341a2が電磁石部材M41により吸着される。そのため、電磁石部材M41の吸着力以上の荷重が本体部材4341に与えられない限り、前方本体部4341a1及び後方本体部4341a2が一体で揺動される。
【0434】
一方、電磁石部材M41は、電流の導通が停止すれば吸着力を失う。そのため、例えば、電源が切られた状態では、前方本体部4341a1と後方本体部4341a2との相対的な位置(角度)が変化する(
図53(c)参照)。
【0435】
図54(a)及び
図54(b)は、
図6のVIb―VIb線で断面視したパチンコ機4010及び操作デバイス4300の部分断面図である。なお、
図6では、第1実施形態におけるパチンコ機10及び操作デバイス300が図示されているが、第4実施形態のパチンコ機4010及び操作デバイス4300と外観は同じなので、第4実施形態のパチンコ機4010及び操作デバイス4300が図示されていると見なして説明を行う。
【0436】
ここで、操作デバイス4300は、首振り操作部材310が上向き位置に配置されるか、下向き位置に配置されるかで、首振り操作部材310の正面側への張出長さが変化する。即ち、
図54(b)に図示される状態に比較して、
図54(a)に図示される状態の方が、首振り操作部材310が距離X41だけ正面側に張り出される。
【0437】
この場合、パチンコ機4010の前後方向の幅寸法が
図54(b)に示す状態の方が小さくなるので、例えば、パチンコ機4010を梱包する箱を選定する際に、
図54(b)に示す状態を基準として選定した方が、箱を小さくすることができる。一方で、レバー部材4340が直線棒状で固定される場合にロック部材4336に揺動を規制された状態で電源が切られると、首振り操作部材310に外部から力を加えても首振り操作部材310を上向き位置に配置することができず、パチンコ機4010を梱包用の箱に入れることができないという問題点があった。
【0438】
また、工場の検査ライン等で、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態のパチンコ機4010の幅でラインの幅を決めておくと、首振り操作部材310が誤って下向き位置に配置された状態でラインを流れることにより、検査機等に首振り操作部材310が衝突する恐れがあるという問題点があった。
【0439】
一方、本実施形態では、レバー部材4340の本体部材4341を一体化させている電磁石部材M41の吸着力が、電源を切ることにより失われる。そのため、電源を切ることによって、ロック受け部材4350がロック部材4336に当接しているか否かに関わらず、ねじりバネSP1の付勢力によりレバー部材4340の前方本体部4341a1を起き上がる方向に揺動させ、首振り操作部材310を上向き位置に配置することができる。
【0440】
これにより、梱包時に首振り操作部材310を上向き位置に確実に配置させることができる。また、パチンコ機4010を検査ラインに流す際に電源を切ることで、検査機等に首振り操作部材310が衝突することを防止することができる。
【0441】
次いで、
図55から
図61を参照して、第5実施形態における操作デバイス5300について説明する。第4実施形態では偏心カム部材4333及びロック部材4336が独立で駆動される場合を説明したが、第5実施形態における操作デバイス5300は、偏心カム部材5333及びロック部材5336が単一の駆動モータ335aで同期駆動される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0442】
図55は、第5実施形態における内側ケース部材5330の正面分解斜視図である。なお、
図55では、右カバー部材の図示が省略される。
【0443】
図55に示すように、内側ケース部材5330は、偏心カム軸331d2に軸支される偏心カム部材5333と、偏心カム軸331d2の後方に駆動ギア335bを挟んで配置される円柱形状のロック解除軸5331d5と、そのロック解除軸5331d5に軸支されるロック解除カム部材5339と、ロック軸4331d3に軸支されるロック部材5336と、を主に備える。
【0444】
図56(a)は、偏心カム部材5333の正面図であり、
図56(b)は、
図56(a)のLVIb方向視における偏心カム部材5333の底面図であり、
図56(c)は、
図56(a)のLVIc方向視における偏心カム部材5333の側面図である。
【0445】
図56に示すように、偏心カム部材5333は、正面視略D字状のカム部5333cと、部分的に切り欠き5333f1が配設される傘部5333fと、を主に備える。
【0446】
カム部5333cは、正面視略D字状に形成され、直線形状で偏心カム部材5333の最大径端部まで延設されると共に剛性の高い剛体部5333c1と、その剛体部5333c1に比較して剛性が低くレバー部材4340からの衝撃を緩和する緩衝部5333c2と、を主に備える。なお、本実施形態では、剛体部5333c1の正面視における厚さが緩衝部5333c2の正面視における厚さの略3倍に設定される。
【0447】
傘部5333fの切り欠き5333f1は、駆動ギア355bに対向配置された場合に駆動ギア355bを軸方向に抜き取り可能な大きさに形成される切り欠きであって、駆動ギア355b(
図55参照)に対する偏心カム部材5333の初期位相を合わせるための目印である。ここで、偏心カム部材5333とロック部材5336とを単一の駆動モータ335a(
図55参照)で同期動作させる場合、レバー部材4340の姿勢を検出してロック部材5336又は偏心カム部材5333の片方のみを揺動させることができないので、予め偏心カム部材5333とロック部材5336との位相を合わせておく必要があるという問題点があった。
【0448】
本実施形態では、切り欠き5333f1を傘部5333fに配設しているので、切り欠き5333f1を目印に、偏心カム部材5333の初期位相を容易に定めることができる。
【0449】
なお、傘部5333fを本体部333aの反対側(
図56(b)下方)に配設すると、左カバー部材4331(
図55参照)に第1駆動装置335(
図55参照)が締結固定された状態では、偏心カム部材5333を偏心カム軸331d2に挿通する際に傘部5333fが駆動ギア335bに当たる場合には偏心カム部材5333を挿通できない。
【0450】
即ち、切り欠き5333f1を駆動ギア335bに対向させた姿勢でのみ偏心カム部材5333を偏心カム軸331d2に挿通することが可能となるので、偏心カム部材5333を正しい姿勢で組み立てることができる。
【0451】
図57(a)は、ロック解除カム部材5339の正面図であり、
図57(b)は、
図57(a)のLVIIb方向視におけるロック解除カム部材5339の底面図であり、
図57(c)は、
図57(a)のLVIIc方向視におけるロック解除カム部材5339の側面図である。
【0452】
図57に示すように、ロック解除カム部材5339は、偏心カム部材5333の本体部333aと同一の大きさに形成されると共に外周面に駆動ギア335b(
図59参照)と歯合されるギア歯が形成される本体部5339aと、本体部5339aの中心に穿設されると共にロック解除軸5331d5が挿通される軸孔5339bと、本体部5339aの正面側の側面に沿って径方向外側へ向けて延設されると共にロック部材5336の係止部4336a3に当接可能な長さで形成される解除部5339cと、本体部5339aの正面側においてギア部分を覆う円板形状の傘部5339dと、を主に備える。
【0453】
傘部5339dは、部分的に外周面から軸側へ向けて切りかかれる切り欠き5339d1を備える。傘部5339dの切り欠き5339d1は、駆動ギア355bに対向配置された場合に駆動ギア355bを軸方向に抜き取り可能な大きさに形成される切り欠きであって、駆動ギア355b(
図55参照)に対するロック解除カム部材5339の初期位相を合わせるための目印である。
【0454】
なお、傘部5339dを本体部5339aの反対側(
図57(b)下方)に配設すると、左カバー部材4331(
図55参照)に第1駆動装置335(
図55参照)が締結固定された状態では、ロック解除カム部材5339をロック解除軸5331d5に挿通する際に傘部5339dが駆動ギア335bに当たる場合にはロック解除カム部材5339を挿通できない。
【0455】
即ち、切り欠き5339d1を駆動ギア335bに対向させた姿勢でのみロック解除カム部材5339をロック解除軸5331d5に挿通することが可能となるので、ロック解除カム部材5339を正しい姿勢で組み立てることができる。
【0456】
図58(a)は、ロック部材5336の正面図であり、
図58(b)は、
図58(a)のLVIII方向視におけるロック部材5336の側面図である。
図58(a)及び
図58(b)に示すように、ロック部材5336は、長尺板状に形成される部材で構成され、断面扇型の板形状に形成される伝達部材4336b(
図44参照)は不要とされる。
【0457】
ロック部材5336は、長尺板状に形成される本体部材5336aと、その本体部材5336aの左右方向(
図58(a)左右方向)に穿設されると共にロック軸4331d3(
図43参照)が挿通される軸支孔5336bと、本体部材5336aのロック解除カム部材5339と対向する側(
図58(a)左側)の側面から軸支孔5336bの上方において凸出される係止部5336cと、を主に備える。
【0458】
係止部5336cは、ロック軸4331d3に固定され一方の腕部が連結側壁部331cに係止されるねじりバネSP41の他方の腕部が係止されると共にロック解除カム部材5339(
図57参照)の解除部5339cから押される部分である。
【0459】
本体部材5336aは、ロック部材5336がロック待機状態とされた場合にレバー部材4340と当接する側の側面に、レバー部材4340の後端部の軌跡に沿って湾曲される湾曲壁部5336a1と、その湾曲壁部5336a1の上端部からレバー部材4340に近接する側に軸支孔5336bを中心とした円に沿って凸設される凸設部5336a2と、を主に備える。
【0460】
凸設部5336a2は、下端面が先端に向かうほど上方に傾斜している。これにより、レバー部材4340が凸設部5336a2に引っかかる(係止される)ことを抑制することができる。そのため、偏心カム部材5333を介してレバー部材4340を駆動させる駆動力を発生させる第1駆動装置335の駆動力を抑制することができる。
【0461】
図59(a)及び
図59(b)は、レバー部材4340、偏心カム部材5333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の動作を時系列で表すレバー部材4340、偏心カム部材5333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。
図59(a)では、レバー部材4340がロック部材5336に揺動を規制される状態が図示され、
図59(b)では、
図59(a)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転されロック解除カム部材5339がロック部材5336を押すことでロック部材5336によるレバー部材4340の揺動の規制が解除され、レバー部材4340が起き上がる方向(時計回り)に揺動された状態が図示される。
【0462】
図59(a)及び
図59(b)に示すように、レバー部材4340に偏心カム部材5333を介して駆動力を与える前に、初期位置からレバー部材4340を揺動させることができる。そのため、首振り操作部材310が動いたら即座に首振り操作部材310を遊技者が操作することに伴って、偏心カム部材5333が破損することを抑制することができる。例えば、首振り操作部材310が初期位置から動き出した場合に、遊技者が首振り操作部材310を上下に振る操作を行ったとしても、偏心カム部材5333からレバー部材4340が離れているので、偏心カム部材5333とレバー部材4340とが衝突することを抑制することができる。
【0463】
これは、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態でレバー部材4340の揺動を規制する場合(例えば、第1実施形態の場合)には避けられなかった課題であって、本実施形態のように、首振り操作部材310が下向き位置に配置された状態でレバー部材4340の揺動を規制することで解決されたものである。
【0464】
なお、遊技者が首振り操作部材310を把持操作しない場合であっても、ロック部材5336が揺動の規制を解除する場合(
図59(b)参照)の偏心カム部材5333の姿勢が機械的に決まるため、レバー部材4340が偏心カム部材5333の特定の位置(短径側の位置、カム部5333cの逆側の位置)に確実にレバー部材4340を当接させることができる。
【0465】
図59(b)に示すように、ロック部材5336によるレバー部材4340の揺動の規制が解除されレバー部材4340が偏心カム部材5333に当接する際に、偏心カム部材5333は筒状部333bがレバー部材4340に最も近接する姿勢をとる。そのため、レバー部材4340がカム部5333cに衝突することにより、カム部5333cが破損することを抑制することができる。
【0466】
また、カム部5333cが偏心カム軸331d2を挟んでレバー部材4340の反対側に配置されることにより、ロック部材5336によるレバー部材4340の揺動の規制が解除された直後のレバー部材4340の揺動角度(移動量)を最大に確保することができる。即ち、本実施形態は、ロック部材5336と偏心カム部材5333とが同期動作する態様の内、ロック部材5336によるレバー部材4340の揺動の規制が解除された直後においてレバー部材4340の揺動角度(移動量)が最大に確保される同期の態様である。これにより、ロック部材5336によるレバー部材4340の揺動の規制解除時に首振り操作部材310(
図17(b)参照)が上方に移動する移動量を大きく確保でき、首振り操作部材310の演出効果を向上させることができる。
【0467】
図60(a)及び
図60(b)は、レバー部材4340、偏心カム部材5333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の動作を時系列で表すレバー部材4340、偏心カム部材5333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。
図60(a)では、
図59(b)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転されロック解除カム部材5339の解除部5339cがロック部材5336の係止部5336cの上方に配置されロック部材5336がロック待機状態に復帰した状態が図示され、
図60(b)では、
図60(a)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転されレバー部材4340の後端部がロック部材5336の湾曲壁部5336a1と摺動する状態が図示される。
【0468】
図60(a)に示すように、剛体部5333c1の側面でレバー部材4340を揺動させることで、レバー部材4340の揺動速度を向上させることができる。
【0469】
ここで、円形の偏心カムの長径部分にレバー部材4340の偏心カムの回転方向から当たると、偏心カムにかかるモーメントが大となり、駆動装置にかかる回転方向の荷重が大きくなる。そのため、いつレバー部材4340に偏心カムが衝突するか分からないときには、大径部分は伝達部材の回転方向で操作部材と当たらないようにすることが良い(円形の偏心カム)。一方で、いつレバー部材4340と偏心カム部材5333とが当たるのか把握できるのであれば、大外径部分(径方向外方)で操作部材を揺動させた方が、操作部材の揺動速度を大とできるので、演出効果を上げることができる。
【0470】
同期駆動であれば、レバー部材4340が偏心カム部材5333に衝突するタイミングを機械的に合わせられる。従って、レバー部材4340が偏心カム部材5333に当接する際には剛体部5333c1を若干退避させ、衝突後のタイミングで剛体部5333c1をレバー部材4340に当接させることができ、レバー部材4340の揺動動作の速度を向上させることができる。
【0471】
本実施形態では、
図60(a)に示す状態と
図60(b)に示す状態とを交互に繰り返す(駆動ギア335bの回転方向を交互に切り替えて回転させる)ことで、レバー部材4340を上下に往復揺動させることができ、そのレバー部材4340の先端部に配設される首振り操作部材310(
図54参照)を上下に往復揺動させることができる。
【0472】
ここで、ロック部材5336を単独で駆動させる場合、レバー部材4340を上下に往復揺動させる状態ではロック部材4336をロック強制解除状態(
図48参照)とし、遊技者に操作されたり、偏心カム部材4333に押し上げられたりして、レバー部材4340が前倒れする方向に揺動し首振り操作部材310が下向き位置に配置された場合にロック部材4336をロック待機状態とすることで、レバー部材4340の揺動を規制することができる。
【0473】
これにより、レバー部材4340を上下に往復揺動させる状態(
図52参照)にロック部材4336からレバー部材4340に抵抗がかけられることを抑制し、第1駆動装置335(
図55参照)に必要な駆動力を低減することができる。
【0474】
一方、ロック部材5336と偏心カム部材5333とが同期制御される場合、ロック部材5336を駆動させる部材(本実施形態におけるロック解除カム部材5339)の姿勢が偏心カム部材5333の姿勢に依存する。そのため、特に遊技者に操作されることで首振り操作部材310が下向き位置に配置された場合に、ロック部材5336をロック待機状態に即座に配置させることが困難な場合が生じる。
【0475】
例えば、ロック解除カム部材5339の解除部5339cがロック部材5336の反対側に配置される場合、解除部5339cでロック部材5336を押し始めるまでにロック部材5336を半周回転させる必要がある。そのため、遊技者の操作に応じてロック部材5336を揺動させることが困難となる。
【0476】
これに対し、本実施形態では、
図60(a)及び
図60(b)に示す状態においてロック部材5336が常にロック待機状態とされる。これにより、遊技者に操作され、レバー部材4340が前倒れする方向に揺動され、首振り操作部材310が下向き位置に配置されたら常に、ロック部材5336がレバー部材4340の下側面に当接され、レバー部材4340の揺動を規制する(
図62参照)。
【0477】
しかし、レバー部材4340が偏心カム部材5333の回転により往復揺動される際にロック部材5336と当接すると、レバー部材4340がロック部材5336から抵抗を受け、偏心カム部材5333を駆動させる駆動力が過大となる恐れがある。
【0478】
これに対し、本実施形態では、ロック部材5336に形成される湾曲壁部5336a1により、レバー部材4340が偏心カム部材5333の回転により往復揺動される際にロック部材5336をレバー部材4340から逃がすことができるので、レバー部材4340がロック部材5336から与えられる抵抗を抑制することができる。
【0479】
また、
図60(b)に示す状態からレバー部材4340が前倒れする方向に揺動すると、レバー部材4340の後端部が凸設部5336a2に当接し、ロック部材5336をロック解除状態側へ向けて(
図60(a)時計回り方向に)揺動させ、レバー部材4340がロック部材5336の上方へ移動し、ロック部材5336が付勢方向に復帰しロック待機状態となることでレバー部材4340の揺動が規制される。
【0480】
従って、レバー部材4340が往復揺動される際の抵抗は抑制しながら、レバー部材4340の揺動方向の規制を任意のタイミングで行うことができる。
【0481】
なお、ロック解除カム部材5339は、ロック部材5336をロック解除状態とするときにのみロック部材5336に駆動力を伝達し(
図59(b)参照)、それ以外ではロック部材5336とは駆動力の伝達を解除される。そのため、
図60に示すように偏心カム部材5333を往復揺動させる場合にロック部材5336が連動して動作し、レバー部材4340に衝突するなどの不具合が生じることを防止することができる。
【0482】
図60(a)に示すように、ロック部材5336がロック待機位置に配置されるまでは、レバー部材4340は首振り操作部材310が上向き位置に配置される姿勢(
図59(b)の姿勢)を維持する。
【0483】
ここで、偏心カム部材5333とロック部材5336とが同期制御される場合、ロック部材5336をロック解除状態(
図59(b)参照)からロック待機状態(
図60(a)参照)に移動させることで偏心カム部材5333がレバー部材4340を揺動させる恐れがある。この場合、ロック待機状態で首振り操作部材310を上向き位置に維持することができないという問題点があった。
【0484】
本実施形態では、剛体部5333c1が筒状部333bの外周に接する直線状に形成されるので(
図60(a)参照)、偏心カム部材5333が所定角度(
図59(b)の姿勢から
図60(a)の姿勢まで)回転しても、剛体部5333c1とレバー部材4340との間の隙間が埋まるに留まり、レバー部材4340が揺動することを抑制することができる。これにより、ロック部材5336をロック解除状態からロック待機状態にする間、首振り操作部材310を上向き位置に維持することができる。
【0485】
図61(a)及び
図61(b)は、レバー部材4340、偏心カム部材5333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。
図61(a)では、
図60(b)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転され、レバー部材4340の後端部がロック部材5336の凸設部5336a2に当接された状態が図示され、
図61(b)では、
図61(a)に示す状態から偏心カム部材5333が回転し、ロック部材5336の上側面がレバー部材4340の下側面に当接する配置まで回転された状態が図示される。
【0486】
図61(a)に示すように、レバー部材4340の後端部がロック部材5336の凸設部5336a2を押し上げることにより、ロック部材5336がレバー部材4340から離反する方向に回転する。更に偏心カム部材5333を回転させると、レバー部材4340の後端部がロック部材5336の上端部よりも上方へ移動することで、ロック部材5336がねじりバネSP41(
図45参照)の付勢力により復帰され、レバー部材4340の移動をロック部材5336の上側面で規制可能となる。
【0487】
レバー部材4340の後端部がロック部材5336の凸設部5336a2に当接するまでは、湾曲壁部5336a1によりレバー部材4340からロック部材5336が逃げる態様とされることで、レバー部材4340にロック部材5336からかけられる抵抗を抑制可能な構造とされる。
【0488】
また、レバー部材4340からロック部材5336へ荷重がかけられるのは、凸設部5336a2にレバー部材4340の後端部が当接する短い期間とされるので、ねじりバネSP41(
図45参照)の反力を大きく確保でき、ロック部材5336がレバー部材4340の下方へ入り込む(
図61(b)参照)速度を大きく確保することができる。従って、ロック部材5336によるレバー部材4340の移動の規制を確実に行うことができる。
【0489】
図62は、レバー部材4340、偏心カム部材5333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。なお、
図62では、
図60(b)に示す状態からレバー部材4340が前倒れする方向に遊技者により押し下げられた状態が図示される。
【0490】
図61(b)に示すように、偏心カム部材5333の筒状部333bを中心としたカム部5333cの外接円C41が、レバー部材4340の下側面と接する。そのため、首振り操作部材310が遊技者に操作され、下向き位置に配置された状態で、偏心カム部材5333を反対方向(
図62時計回り)に戻す必要がなく、偏心カム部材5333を同一方向(
図62反時計回り)に回転させることで偏心カム部材5333を初期位置(
図59(a)参照)に復帰させることができる。
【0491】
なお、
図60(b)に示す状態から、遊技者がレバー部材4340を前倒れする方向に押し下げ操作しない場合でも、
図60(b)に示す状態から偏心カム部材5333を同一方向(
図62反時計回り)に回転させることでレバー部材4340を揺動させ、ロック部材5336をレバー部材4340の下側に当接させる(
図61(b)参照)ことでレバー部材4340の揺動を規制することができる。
【0492】
これにより、ロック部材5336をロック解除状態とした後で、遊技者が首振り操作部材310を押し下げる操作をするか否かに関わらず、首振り操作部材310を下向き位置に復帰させることができる。
【0493】
次いで、
図63から
図65を参照して、第6実施形態について説明する。上記第5実施形態では、ロック部材5336がロック解除状態とされた場合に、カム部5333cの剛体部5333c1が偏心カム軸331d2の下方に配置されることでレバー部材4340の揺動幅が確保される場合を説明したが、第6実施形態における操作デバイス6300は、ロック部材5336がロック解除状態とされた場合に、カム部5333cの剛体部5333c1が偏心カム軸331d2の上方に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0494】
図63(a)及び
図63(b)は、第6実施形態におけるレバー部材4340、偏心カム部材6333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の動作を時系列で表すレバー部材4340、偏心カム部材6333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。
図63(a)では、レバー部材4340がロック部材5336に揺動を規制される状態が図示され、
図63(b)では、
図63(a)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転されロック解除カム部材5339がロック部材5336を押すことでロック部材5336によるレバー部材4340の揺動の規制が解除され、レバー部材4340が起き上がる方向(時計回り)に揺動された状態が図示される。
【0495】
図63(a)に示すように、偏心カム部材6333は、ロック解除カム部材5339がロック部材5336に当接する直前の状態において、カム部5333cがレバー部材4340側に向く姿勢でロック解除カム部材5339と同期されると共に、それに伴って、傘部6333fの切り欠き6333f1が、第5実施形態とは異なる配置で凹設される。
【0496】
図63(a)及び
図63(b)に示すように、ロック部材5336がロック解除状態とされると、即座に偏心カム部材6333とレバー部材4340とが当接するので、レバー部材4340が偏心カム部材6333の回転に追従して揺動する。そのため、本実施形態における偏心カム部材6333とロック解除カム部材5339との動作を同期させる方法によれば、ロック部材5336の規制の解除のタイミングを遊技者に認識させ難くできる。
【0497】
また、レバー部材4340の揺動速度は偏心カム部材6333の回転速度によるので、ロック部材5336の解除した直後から、レバー部材4340の揺動速度を任意に設定することができる。これにより、レバー部材4340の揺動速度の設計自由度を向上し、首振り操作部材310が上下に移動することの演出効果を向上させることができる。
【0498】
図64(a)及び
図64(b)は、レバー部材4340、偏心カム部材6333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の動作を時系列で表すレバー部材4340、偏心カム部材6333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。
【0499】
図64(a)では、
図63(b)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転されロック解除カム部材5339の解除部5339cがロック部材5336の係止部5336cの上方に配置されロック部材5336がロック待機状態に復帰した状態が図示され、
図64(b)では、
図64(a)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転され偏心カム部材6333の剛体部5333c1がレバー部材4340の下側面に当接する状態が図示される。
【0500】
図64(a)及び
図64(b)に示すように、偏心カム部材6333のカム部5333cが、偏心カム軸331d2を挟んでレバー部材4340の反対側に配置される場合には、レバー部材4340が揺動しても、その揺動が偏心カム軸331d2にせき止められる。そのため、カム部5333cとレバー部材4340とが衝突する恐れが無いので、偏心カム部材6333の回転速度を高速にしても、レバー部材4340とカム部5333cとが衝突する際に過荷重が生じることで偏心カム部材6333が破損することが無い。
【0501】
従って、
図64(a)及び
図64(b)の間のみ偏心カム部材6333の回転速度を増加させることで、レバー部材4340が
図64(a)の状態(レバー部材4340の後端部が最下端に配置される状態)とされる期間を短くすることができる。これにより、レバー部材4340が
図64(a)の状態とされる期間を任意に設定することができるので、レバー部材4340の揺動動作の設計自由度を向上させることができる。
【0502】
図65(a)及び
図65(b)は、レバー部材4340、偏心カム部材6333、ロック解除カム部材5339及びロック部材5336の模式図である。なお、
図65(a)では、
図64(b)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転されレバー部材4340の後端部がロック部材5336の湾曲壁部5336a1と摺動する状態が図示され、
図65(b)では、
図65(a)の状態から駆動ギア335bが時計回りに回転され、レバー部材4340の後端部がロック部材5336の凸設部5336a2に当接された状態が図示される。
【0503】
また、
図65(b)に示す状態から、更に偏心カム部材5333が回転することで、レバー部材4340の後端部が押し上げられ、ロック部材5336の上側面がレバー部材4340の下側面に当接することでレバー部材4340の揺動が規制される。
【0504】
本実施形態では、
図64(b)に示す状態と
図65(a)に示す状態とを交互に繰り返す(駆動ギア335bの回転方向を交互に切り替えて回転させる)ことで、レバー部材4340を上下に往復揺動させることができ、そのレバー部材4340の先端部に配設される首振り操作部材310(
図54参照)を上下に往復揺動(煽り動作)させることができる。
【0505】
この場合、
図64(b)及び
図65(a)に示すように、ロック解除カム部材5339がロック部材5336に当接することは無いので(ロック解除カム部材の解除部5339cがロック部材5336から離間されるので)、ロック解除カム部材5339に対してロック部材5336から抵抗がかけられることを抑制でき、偏心カム部材5333の回転の状態を安定させることができる。
【0506】
図65(b)に示すように、レバー部材4340の後端部がロック部材5336の凸設部5336a2を押し上げることにより、ロック部材5336がレバー部材4340から離反する方向に回転する。更に偏心カム部材6333を回転させると、レバー部材4340の後端部がロック部材5336の上端部よりも上方へ移動することで、ロック部材5336がねじりバネSP41(
図45参照)の付勢力により復帰され、レバー部材4340の移動をロック部材5336の上側面で規制可能となる(
図63(a)参照)。
【0507】
また、レバー部材4340からロック部材5336へ荷重がかけられるのは、凸設部5336a2にレバー部材4340の後端部が当接する短い期間とされるので、ねじりバネSP41(
図45参照)の反力を大きく確保でき、ロック部材5336がレバー部材4340の下方へ入り込む(
図61(b)参照)速度を大きく確保することができる。従って、ロック部材5336によるレバー部材4340の移動の規制を確実に行うことができる。
【0508】
図65(a)に示す状態において、遊技者からレバー部材4340を上向きに持ち上げる方向の荷重がかけられる場合を考える。この場合、偏心カム部材6333のカム部5333cにレバー部材4340から下向きの荷重がかけられ、偏心カム部材6333が時計回りに回転される。本実施形態では、偏心カム部材6333とロック解除カム部材5339とが同期動作されるので、ロック解除カム部材5339の回転が規制される場合、偏心カム部材6333の回転も規制され、レバー部材4340から負荷される荷重により偏心カム部材6333が破損する恐れがある。
【0509】
これに対し、本実施形態では、
図65(a)の状態から、レバー部材4340が持ち上げ動作され、後端部が下げられる場合に、偏心カム部材6333の時計回りの回転に伴ってロック解除カム部材5339は時計回りに回転するので、ロック解除カム部材5339の解除部5339cがロック部材5336から離反する方向に移動する。従って、ロック解除カム部材5339がロック部材5336に当接して回転を規制される恐れはないので、偏心カム部材6333がレバー部材4340から負荷される荷重による破損することを抑制することができる。
【0510】
なお、本実施形態では、偏心カム部材6333のカム部5333cと、ロック解除カム部材5339の解除部5339cとが、厚み方向(
図65(a)紙面垂直方向)で異なる位置(
図65(a)紙面平行方向で干渉しない位置)に配置される。そのため、
図65(a)の状態から偏心カム部材6333のカム部5333cと、ロック解除カム部材5339の解除部5339cとが、
図65(a)において近接する方向に回転しても、干渉することなくすれ違うので、偏心カム部材6333やロック解除カム部材5339の破損を防止することができる。
【0511】
次いで、
図66を参照して、第7実施形態における操作デバイス7300について説明する。第1実施形態では、ギアダンパ338が常時レバー部材340に抵抗を与える場合を説明したが、第7実施形態における操作デバイス7300は、剥離部材7350がレバー部材7340から引きはがされた時に限定してギアダンパ7347からレバー部材7340に抵抗が与えられる場合を説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0512】
図66(a)及び
図66(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第7実施形態における操作デバイス7300の部分断面図である。なお、
図66(a)では、レバー部材7340に剥離部材7350が吸着した状態が図示され、
図66(b)では、剥離部材7350の揺動がロック部材336に規制され、レバー部材7340から剥離部材7350が引きはがされた状態が図示される。
【0513】
図66(a)に示すように、レバー部材7340は、本体部材341の内側に配設されるギアダンパ7347を備える。そのギアダンパ7347は、剥離部材7350の本体部材7351に形成される挿通孔352を中心とした円に沿ってギア歯状に形成されるギア部7351aに歯合される。
【0514】
この場合、
図66(a)に示すように、レバー部材7340と剥離部材7350とが吸着固定され一体として揺動すると、ギアダンパ7347とギア部7351aとの相対的な位置関係が変化しないので、レバー部材7340がギアダンパ7347の粘性抵抗を受けることはない。
【0515】
一方、
図66(b)に示すように、剥離部材7350がロック部材336に揺動を規制され、レバー部材7340から引きはがされた状態では、レバー部材7340が揺動する(遊技者が首振り操作部材310(
図54参照)を操作する)場合に、ギアダンパ7347とギア部7351aとの相対的な位置関係が変化するので、ギアダンパ7347の粘性抵抗がレバー部材7340に与えられる。
【0516】
従って、遊技者が首振り操作部材310(
図54参照)に、剥離部材7350からレバー部材7340を引きはがすほどの過荷重を与えた場合にのみギアダンパ7347の粘性抵抗がレバー部材7340に働くようにすることができる。これにより、遊技者が首振り操作部材310を操作する際の操作感を変化させ、首振り操作部材310を適切に使用するように促すことができる。
【0517】
例えば、
図66(b)の状態において首振り操作部材310を操作する際の操作抵抗が過度に大きくなることで、遊技者にとっては操作がしづらくなり、ストレスとなる。レバー部材7340及び剥離部材7350が吸着固定された状態に戻れば、操作抵抗が小さくなり、遊技者にとって操作し易くなる。そのため、ストレスを回避しようとする遊技者ほど、首振り操作部材310に過荷重をかけることを避けるようになる。これにより、操作デバイス7300が破壊されることを抑制することができる。
【0518】
次いで、
図67から
図69を参照して、第8実施形態について説明する。上記各実施形態では、ロック部材336,2336,4336,5336が内側ケース部材330,3330,4330,5330に軸支される場合を説明したが、第8実施形態における操作デバイス8300は、ロック部材8336が、レバー部材340の揺動に伴って内側ケース部材8330をスライド移動可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0519】
図67(a)及び
図67(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第8実施形態における操作デバイス8300の断面図である。なお、
図17(a)は第1実施形態における操作デバイス300を図示したものであるが、外観形状は本実施形態における操作デバイス8300と同等なので、代用する。
図68及び
図69においても同様である。また、
図67(a)では、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態が図示され、
図67(b)では、首振り操作部材310が下向き位置に配置された状態が図示される。
【0520】
図67(a)に示すように、内側ケース部材8330は、左カバー部材8331に、レバー支持軸331d1を中心とした円弧に沿って穿設される長孔形状のスライド孔8331iを複数備える。なお、スライド孔8331iは、左カバー部材8331と一対で配設される右カバー部材(図示せず)の対応した位置に左カバー部材8331と同様に穿設される。
【0521】
スライド孔8331iは、一対の長孔から構成され、内側面が平滑な表面から構成されると共にレバー支持軸331d1から離れた側に配設される第1スライド孔8331i1と、内側面が平滑な表面から構成されると共に第1スライド孔8331i1よりもレバー支持軸331d1側に配設される第2スライド孔8331i2と、を主に備える。
【0522】
第2スライド孔8331i2は、ロック部材8336の軸部8336fの楔状部8336f1が挿通される長孔である。ロック部材8336の姿勢により、楔状部8336f1と第2スライド孔8331i2との間の摩擦抵抗が変化する。
【0523】
ロック部材8336は、左カバー部材8331の内側面に沿ってスライド移動する態様で配設される板状のスライド板8370に軸支される。ロック部材8336は、軸支孔336bに挿通される円柱形状の部位であると共にスライド板8370を貫通する軸部8336fを備え、その軸部8336fを介してスライド板8370に軸支される。
【0524】
軸部8336fは、軸方向の一部であって第2スライド孔8331i2に挿通される楔状部8336f1を備える。楔状部8336f1は、対向配置された状態において第2スライド孔8331i2の長手方向に延設される側面と所定距離だけ離れる態様(
図67(a)参照)で形成される一対の第1側面8336f1aと、対向配置された状態において第2スライド孔8331i2の長手方向に延設される側面と面当たりする(
図68(a)参照)一対の第2側面8336f1bと、を主に備え、各側面が若干湾曲した略ひし形状に構成される。
【0525】
第1側面8336f1aは、
図67(a)に示すように、ロック部材8336が解除側に位置する状態において第2スライド孔8331i2の曲線形状に沿った(曲率半径の同一な)曲面形状から形成される。また、第2側面8336f1bは、
図68(a)に示すように、ロック部材8336が固定側に位置する状態において第2スライド孔8331i2の曲線形状に沿った(曲率半径の同一な)曲面形状から形成される。
【0526】
ロック部材8336が解除位置側に配置される状態においては、第1側面8336f1aが第2スライド孔8331i2と当接せず、所定距離隙間が空けられるため、レバー部材340の揺動に追従して移動するスライド板8370の移動抵抗を抑制することができる。
【0527】
なお、
図67(b)では、ロック部材8336が解除側の位置から所定量固定側の位置へ向けて回転された状態が図示される。この状態においても、楔状部8336f1と第2スライド孔8331i2との間には若干の隙間が空けられる。即ち、ロック部材8336が解除側の位置から多少回転しても、スライド板8370の移動抵抗が増加することが無いので、レバー部材340の揺動抵抗を抑制でき、遊技者が操作デバイス8300を揺動操作する際の操作感を損なうことを抑制することができる。
【0528】
一方で、ロック部材8336を解除側の位置から所定量固定側の位置へ向けて回転された状態で維持しておけば、所定のタイミングでロック部材8336を固定側に配置するまでの期間を短くすることができる。これにより、ロック部材8336を所望の位置で固定側に配置させやすくできる。
【0529】
スライド板8370は、スライド孔8331iに挿通され断面円弧形状に凸設される凸設部8371と、剥離部材350と対向配置されると共に磁性体材料から形成される磁石部8372と、ロック部材8336の回転軸と駆動軸が平行になる態様でスライド板8370に配設される駆動モータ8373と、その駆動モータ8373が回転させると共にロック部材8336のギア部336dに歯合される駆動ギア8374と、を主に備える。
【0530】
凸設部8371は、レバー支持軸331d1を中心とした円弧形状に形成される。これにより、凸設部8371が係止凹部8331i2に引っかかることを抑制することができる。
【0531】
磁石部8372は、磁性体材料から形成され、剥離部材350に接着される。磁石部材8372が剥離部材350に接着された状態でレバー部材340が揺動されることに伴いスライド板8370がスライド孔8331iに沿ってスライド移動する。
【0532】
駆動モータ8373は、駆動ギア8374を駆動させることによって、ロック部材8336を解除側の位置(
図67(a)参照)と、固定側の位置(
図68(a)参照)とに配置可能とする駆動手段である。駆動モータ8373はスライド板8370に配設されるので、スライド板8370と共にスライド移動する。
【0533】
剥離部材350は、下側の側面に沿って磁気を検出する磁気センサMC1を備え、その磁気センサMC1によって、磁石部8372が剥離部材350に吸着しているか、磁石部8372から剥離部材350が離反しているかを検出可能とされる。以下、ロック部材8336の制御の一例について説明する。
【0534】
ここで、
図67(a)の状態では、第2センサ部材325a2(
図23(b)参照)の隙間に検出片343b(
図23(b)、
図16参照)が配置されることで、レバー部材340が揺動範囲の終端に配置されていることが検出される。また、
図67(b)の状態では、第1センサ部材325a1(
図23(b)参照)の隙間に検出片343bが配置されることで、レバー部材340が揺動範囲の終端に配置されていることが検出される。
【0535】
そのため、偏心カム部材333が停止した状態において、レバー部材340が
図67(a)の状態と
図67(b)の状態とで繰り返し切り替わるような場合には、遊技者が首振り操作部材310を上下に最大可動範囲で繰り返し操作していることを検出することができる(主制御装置に各センサ部材325a1,325a2から信号が出力される)。この場合、レバー部材340(剥離部材350)が偏心カム部材333に繰り返し衝突することで、偏心カム部材333が破損する恐れがある。
【0536】
第1実施形態のように、ロック部材336が内側ケース部材330に軸支される態様では、停止した状態のレバー部材340をロック部材336で固定することはできても、揺動途中のレバー部材340をロック部材336で固定することは困難であった。
【0537】
これに対し、本実施形態では、ロック部材8336がレバー部材340に追従して移動可能とされるので、レバー部材340の揺動動作中においても、レバー部材340の揺動をロック部材8336で停止させることが可能となる。そのため、遊技者が首振り操作部材310を上下に最大可動範囲で繰り返し操作していることを検出した場合に、ロック部材8336を作動させることで、偏心カム部材333が破損することを防止することができる。以下、これについて説明する。
【0538】
図68(a)及び
図68(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス8300の断面図である。なお、
図68(a)では、首振り操作部材310が上向き位置と下向き位置との中間に配置された状態が図示され、
図68(b)では、
図68(a)の状態から所定量以上の荷重が首振り操作部材310に下向きにかけられ、レバー部材340が剥離部材350から引きはがされた状態が図示される。
【0539】
図68(a)に示すように、駆動ギア8374を回転させ、ロック部材8336を固定側に配置することで、楔状部8336f1の第2側面8336f1bが第2スライド孔7332i2の両側面に当接されることで、摩擦力によりスライド板8370のスライド移動が停止される。この状態で、首振り操作部材310を押し下げる操作に対しては、ロック部材8336が下向きに剥離部材350を係止し、首振り操作部材310を押し上げる操作に対しては、磁石部8372を介してスライド板8370が上向きに剥離部材350を係止する。そのため、レバー部材340は、上下方向の負荷が多少かかったとしても、
図68(a)の状態で姿勢を維持する。
【0540】
図68(a)の状態から、遊技者が首振り操作部材310に対して、下方へ所定量以上(剥離部材350の磁石部材354とレバー部材340との吸着力以上)の荷重を与えると、剥離部材350からレバー部材340から引きはがされる(
図68(b)参照)。これにより、遊技者が首振り操作部材310に与えた所定量以上の荷重がロック部材8336に伝達されることで、ロック部材8336が破損することを防止することができる。
【0541】
図68(b)に示すように、スライド板8370がその移動範囲の途中(レバー部材340の移動範囲の途中)で固定されることで、遊技者が首振り操作部材310を持ち上げる操作を行ったとしても、偏心カム部材333にレバー部材340が当接する前に磁石部8372に当接することで、レバー部材340が偏心カム部材333に当接することを防止することができる。これにより、偏心カム部材333が破損することを防止することができる。
【0542】
また、
図68(b)に示すように、レバー部材340を揺動させることができる角度範囲(剥離部材350の上側の範囲)が狭められるため、遊技者が首振り操作部材310を上方に移動させることでレバー部材340に付加される勢いを抑制することができ、レバー部材340が上から剥離部材350に当接する際に生じる荷重を抑制することができる。
【0543】
これにより、レバー部材340が剥離部材350に当接される際の反作用でロック部材8336に生じる荷重を抑制することができるので、ロック部材8336を駆動させる駆動モータ8373の駆動力を抑制することができる。
【0544】
図69(a)及び
図69(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス8300の断面図である。なお、
図69(a)では、偏心カム部材333の回転により揺動されるレバー部材340及び剥離部材350が想像線で図示されると共に、ロック部材8336が解除側に配置された状態で剥離部材350が磁石部8372から引きはがされた状態におけるレバー部材340及び剥離部材350が実線で図示され、
図69(b)では、
図69(a)に実線で図示される状態からロック部材8336が固定側に配置された状態が図示される。
【0545】
図69(a)に示すように、偏心カム部材333の回転によりレバー部材340及び剥離部材350が揺動する場合、スライド板8370も剥離部材350と共にスライド移動する。このとき、首振り操作部材310に下向きに高速で荷重が付与されると、スライド板8370が剥離部材350の移動速度に追従できず(スライド孔8331iとの間の摩擦抵抗により減速され)、剥離部材350とスライド板8370とが離間し得る(
図69(a)実線部分参照)。
【0546】
この場合、ロック部材8336が解除側に配置され、スライド板8370が固定されておらず、遊技者が首振り操作部材310を上向きに持ち上げる操作を行うと、偏心カム部材333に剥離部材350が当接することで、偏心カム部材333が破損する恐れがある。
【0547】
これに対し、本実施形態では、剥離部材350が、剥離部材350から磁石部8372が引きはがされたことを検出する磁気センサMC1を備える。磁気センサMC1が、剥離部材350と磁石部8372とが分離したことを検出したら、即座に、ロック部材8336が固定側に配置される(
図69(b)参照)ように制御することで、剥離部材350の下側面にロック部材8336の上側面を当接可能にすることができる。
【0548】
これにより、遊技者が首振り操作部材310に上向きの荷重を与えたとしても、剥離部材350が偏心カム部材333に当接する前に、剥離部材350がロック部材8336に当接することで下方への移動が止められるので、偏心カム部材333が破損することを防止することができる。なお、本効果は、本実施形態のように、ロック部材8336が剥離部材350と共にスライド移動する構成があって初めて発揮される効果である。
【0549】
即ち、第1実施形態のように、ロック部材336が内側ケース部材330に軸支される場合、偏心カム部材333の位相によっては(例えば、
図24(b)参照)、ロック部材336を固定側に配置しても、ロック部材336の上側面よりも偏心カム部材333の上側面が剥離部材350側に張り出している恐れがあり、この状態で首振り操作部材310に上向きの荷重を与えられると、剥離部材350は偏心カム部材333に当接する。そのため、偏心カム部材333の破損を防ぐ効果が十分でない。
【0550】
これに対し、本実施形態によれば、偏心カム部材333の回転により剥離部材350も、ロック部材8336も同様に移動する(剥離部材350が偏心カム部材333及び磁石部8372の両方と当接する状態が維持される)ので、剥離部材350が磁石部8372から引き剥がされた直後にロック部材8336を固定側に配置することで、ロック部材8336の上側面を偏心カム部材333よりも剥離部材350に近づけることができる。これにより、偏心カム部材333よりも先にロック部材8336を剥離部材350に当接させ、剥離部材350が偏心カム部材333に衝突することを防止することができる。
【0551】
なお、磁気センサMC1が、磁石部8372と剥離部材350が分離したことを検出した際には、偏心カム部材333の回転を停止させることが好ましい。そのまま偏心カム部材333が回転を継続し、最大径部分が剥離部材350に近づく態様で移動すると、偏心カム部材333の最大径部分がロック部材8336を越えて剥離部材350に近づいてしまう恐れがあるためである。
【0552】
次いで、
図70を参照して、第9実施形態について説明する。上記各実施形態では、レバー部材340,2340,3340,4340の全体が剛体である場合を説明したが、第9実施形態における操作デバイス9300は、レバー部材9340の首振り操作部材310にコイルスプリングから形成される弾性連結部材CS91,CS92を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0553】
図70(a)及び
図70(b)は、第9実施形態における操作デバイス9300の側面図である。なお、
図70(a)では、首振り操作部材310が下向き位置に配置された状態が図示され、
図70(b)では、
図70(a)に示す状態において首振り操作部材310に下向きに所定量以上の荷重がかけられ、弾性連結部材CS91,CS92が撓んだ状態が図示される。
【0554】
図70(a)及び
図70(b)に示すように、レバー部材9340は、首振り操作部材310付近に上下一対で配設されるコイルスプリング状の弾性連結部材CS91,CS92を備える。
【0555】
首振り操作部材310に遊技者が負荷をかけていない状態においては、弾性連結部材CS91,CS92が略同等の長さに縮められた状態が維持される。なお、首振り操作部材310の重量を支えながら
図70(a)の状態(双方が略同等の長さに縮められた状態)を維持するために、上側の弾性連結部材CS91の弾性係数が下側の弾性連結部材CS91の弾性係数に比較して高く設定されると共に、双方の長さは略同一とされる。
【0556】
首振り操作部材310へ遊技者から加えられる荷重が所定量よりも小さい場合においては、レバー部材9340と首振り操作部材310との相対的な位置関係が弾性連結部材CS91,CS92により維持される。
【0557】
一方、
図70(b)に示すように、首振り操作部材310に、所定量以上の荷重が下向きにかけられると、弾性連結部材CS91,CS92の伸縮状態が変化することにより(上側の弾性連結部材CS91の長さが下側の弾性連結部材CS92に比較して長くなることにより)、首振り操作部材310とレバー部材9340との相対的な位置関係が崩れ、首振り操作部材310に負荷された荷重が直接的にレバー部材340の後部(剥離部材350等、
図16参照)に伝達されることを抑制することができる。換言すれば、首振り操作部材310にかけられた荷重を弾性連結部材CS91,CS92の変形に消費することができる。従って、首振り操作部材310にかけられる荷重によって、外側ケース部材320の内部の部材(例えば、偏心カム部材333、
図10参照)が破損することを抑制することができる。
【0558】
次いで、
図71から
図74を参照して、第10実施形態について説明する。上記各実施形態では、偏心カム部材333,2333,4333,5333がレバー支持軸331d1の後方であってレバー部材340,2340,4340の下方に配設される場合を説明したが、第10実施形態における操作デバイス10300は、偏心カム部材2333が、レバー支持軸331d1の後方であってレバー部材340の上方に配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0559】
図71(a)、
図71(b)、
図72(a)及び
図72(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第10実施形態における操作デバイス10300の断面図である。なお、
図17(a)は第1実施形態における操作デバイス300を図示したものであるが、外観形状は本実施形態における操作デバイス10300と同等なので、代用する。
図73及び
図74においても同様に代用する。
【0560】
また、
図71(a)では、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態が図示され、
図71(b)では、
図71(a)の状態から偏心カム部材2333が
図71(a)において反時計回りに所定角度θ101だけ回転した状態が図示され、
図72(a)では、
図71(a)の状態から偏心カム部材2333が
図71(a)において反時計回りに角度θ101よりも大きな角度θ102だけ回転した状態が図示され、
図72(b)では、首振り操作部材310が上向き位置に配置された状態が図示される。
【0561】
図71(a)に示すように、操作デバイス10300は、断面矩形の箱状の内側ケース部材10330を備え、その内側ケース部材10330は、レバー支持軸331d1の後方に偏心カム部材2333を軸支する偏心カム軸10331iを備えると共に、その偏心カム軸10331iから所定距離だけ離れた位置に駆動モータにより回転駆動される駆動ギア10335が配設され、その駆動ギア10335の回転により偏心カム部材2333が回転駆動される。
【0562】
本実施形態では、弾性材料から形成されるねじりバネ状のねじりバネSP101が、レバー部材340に対して首振り操作部材310を下方へ押し下げる方向に付勢する付勢力を発生させる。
【0563】
これにより、レバー部材340が偏心カム部材2333に押し当てられる態様で常時付勢されるので、レバー部材340を偏心カム部材2333の回転に追従させて動作させることができる。
【0564】
本実施形態では、レバー部材340を揺動させる手段として、第2実施形態で説明した偏心カム部材2333を利用するため、遊技者が首振り操作部材310を押し下げることで、レバー部材340の後端部が持ち上がり、レバー部材340から偏心カム部材2333に負荷が生じても、本体部材2333aとカム部材2333bとが滑ることで、カム部材2333bが破損することを抑制することができる。
【0565】
ここで、カム部材2333bが本体部材2333aに対して滑ることができるとしても、カム部材2333bのリブ部2333b4の延設方向とレバー部材340の上面とが垂直な姿勢で当接すると、レバー部材340からの荷重が偏心カム部材2333の径方向に働き(周方向に逃げない)、カム部材2333bが破損する恐れがある。
【0566】
これに対し、本実施形態では、
図71(a)に示すように、首振り操作部材310が上向き位置に配置される状態において、レバー部材340の上面と当接する部位P101が、偏心カム部材2333のリブ部2333b4から所定角度ずれた位置(
図71時計回りに所定角度ずれた位置)とされる。
【0567】
これにより、
図71(a)の状態で、レバー部材340から偏心カム部材2333に荷重が負荷されても、偏心カム部材2333の周方向に荷重が与えられ、カム部材2333bを本体部材2333aに対して滑らせることができる。従って、偏心カム部材2333が破損することを抑制することができる。
【0568】
本実施形態では、偏心カム部材2333がレバー支持軸331d1の後上方に配置されるので、遊技者が首振り操作部材310を持ち上げる誤操作を行う場合には、レバー部材340が偏心カム部材333から離反する方向に移動する。そのため、レバー部材340を持ち上げる誤操作を行うことにより偏心カム部材2333が破損することを防止することができる。
【0569】
なお、
図71(a)の状態において、剥離部材350の下側に円柱状の部材が配設され、レバー部材340がそれ以上、揺動不可能とされる(
図71(a)の姿勢が終端位置とされる)。
【0570】
図71(b)に示す状態から、
図72(a)に示す状態まで偏心カム部材2333が反時計回りに回転すると、首振り操作部材310が上方へ揺動する。また、
図72(a)の状態から、
図71(b)に示す状態まで偏心カム部材2333が逆方向(時計回り)に回転すると、首振り操作部材310が下方へ揺動する。このように、偏心カム部材2333を時計回りに回転させることと、反時計回りに回転させることとを繰り返すことによって、首振り操作部材310を上下に往復揺動(煽り動作)させることができる。これにより、遊技者にとって有利な状態や、不利な状態を報知することができる。また、操作デバイス10300を演出装置として遊技者に視認させることができる。
【0571】
なお、偏心カム部材2333の往復回転により首振り操作部材を上下に往復揺動させる場合、本実施形態のように、レバー支持軸331d1の後方に偏心カム部材2333が配置されることが好ましい。レバー支持軸331d1を遊技者側(前方)に配置し易くなり、これにより、切り欠き331c1,332c1のレバー支持軸331d1の周方向の長さが同じ場合でも、首振り操作部材310の揺動角度を大きくすることができるためである。この場合、首振り操作部材310の上下方向の移動量を大きく保つことができ、首振り操作部材310の演出効果を向上させることができる。
【0572】
図72(b)に示す状態では、ロック部材336が固定側に配置され、剥離部材350がロック部材336に移動を規制される。そのため、首振り操作部材310に遊技者が手を乗せる等の小さな荷重をかける場合に、レバー部材340及び剥離部材350が揺動することが防止される。
【0573】
図73(a)、
図73(b)及び
図74は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における操作デバイス10300の断面図である。なお、
図73(a)では、首振り操作部材310が上向き位置に配置され、ロック部材336が固定側の位置に配置されると共に偏心カム部材2333がレバー部材340の反対側に退避された状態が図示され、
図73(b)では、
図73(a)の状態からレバー部材340が剥離部材350から引き剥がされると共に、偏心カム部材2333に当接された状態が図示され、
図74では、
図73(b)の状態から、偏心カム部材2333が時計回りに所定角度回転し、レバー部材340が時計周りに揺動された状態が図示されると共に、
図73(b)の状態が想像線で図示される。
【0574】
本実施形態では、ロック部材336が固定側に配置され、レバー部材340の移動が規制されると、それに伴って、偏心カム部材2333がレバー部材340から離反する位置に移動するように制御される。これにより、首振り操作部材310に負荷がかけられ、レバー部材340が剥離部材350から引きはがされ移動する場合に、偏心カム部材2333の筒状部2333b1側に当接されるので(
図73(b)参照)、偏心カム部材2333のカム部2333b2が破損することを抑制することができる。
【0575】
また、本実施形態によれば、レバー部材340が剥離部材350から引きはがされた後にレバー部材340が偏心カム部材2333に当接されるので、遊技者が首振り操作部材310に加える荷重の一部がレバー部材340を剥離部材350から引き剥がすことに使用される。そのため、レバー部材340が偏心カム部材2333に負荷する荷重を減少させることができる。
【0576】
遊技者が首振り操作部材310に押し下げ方向の荷重を加える場合に、レバー部材340が剥離部材350から引き剥がされるまではレバー部材340が移動しないので、遊技者に対して反力が伝えられる(首振り操作部材310の揺動抵抗が高くなる)。これにより、首振り操作部材310を押し下げるためには、遊技者は所定量以上(剥離部材350の磁石部材354とレバー部材340との間の吸着力以上)の負荷を首振り操作部材310に負荷することが必要となるので(重くなるので)、遊技者に操作感を与えることができる。
【0577】
図74に示すように、本実施形態によれば、レバー部材340が剥離部材350から引き剥がされた後において、偏心カム部材2333を回転させることで、レバー部材340を揺動させ、首振り操作部材310を上下に往復動作(煽り動作)させることができる。
【0578】
これにより、レバー部材340が剥離部材350から引き剥がされたという内部状態の変化を遊技者に認識し難くすることができる。そのため、レバー部材340を剥離部材350から引き剥がすという破壊動作を行うことに伴い遊技者が感じる不安感を抑制することができる。
【0579】
また、首振り操作部材310の押し下げ操作後にレバー部材340を揺動させることで、首振り操作部材310を把持している遊技者の手に反力を返すことができ、遊技者に操作感を付与することができる。
【0580】
一方で、レバー部材340が剥離部材350から引き剥がされた後で、偏心カム部材2333が高速で回転することで、レバー部材340が高速で往復揺動する。これにより、遊技者に異状を報知することができる。例えば、パチンコ機10の液晶表示装置に、「弱く」という文字を表示して、遊技者に、首振り操作部材310へかける荷重が強すぎることを知らせることができる。
【0581】
即ち、本実施形態では、レバー部材340を剥離部材350から引き剥がした後で偏心カム部材2333の回転に伴ってレバー部材340を上下に往復揺動させることを、遊技者に操作の反力を返し操作感を付与することにも使えるし、遊技者に異状を報知することにも使用することができる。前者の場合は、遊技者が行う操作を促進する効果を奏し、後者の場合は、遊技者が行う操作を抑制させる効果を奏する。なお、この状態の切替は、偏心カム部材2333の回転速度の大小により切り替えることができる。
【0582】
従って、本実施形態によれば、レバー部材340が剥離部材350から引き剥がされた後における偏心カム部材2333の回転速度を切り替えることによって、遊技者に所定の操作を促進させたり、所定の操作を抑制させたりすることができる。
【0583】
次いで、
図75を参照して、第11実施形態について説明する。上記各実施形態では、レンズ部材317の押し込み動作と首振り操作部材310の揺動動作とは構造的に連関しない場合を説明したが、第11実施形態における操作デバイス11300は、首振り操作部材11310の揺動時の抵抗がレンズ部材317の押し込み動作により上昇する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0584】
図75(a)及び
図75(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第11実施形態における首振り操作部材11310及びレバー部材340の部分断面図である。なお、
図17(a)は第1実施形態における操作デバイス300を図示したものであるが、外観形状は本実施形態における操作デバイス11300と同等なので、代用する。また、
図75(a)では、レンズ部材317が押し込みの負荷を受けない無負荷状態が図示され、
図75(b)では、
図75(a)の状態から、レンズ部材317が押し込み操作された状態が図示される。
【0585】
図75(a)に示すように、首振り操作部材11310では、振動装置11366の押し付け部材11366bの中心軸上に貫通孔が開口形成され、ボビン部材11366aの底壁から軸支棒363の径方向両側に向けて一対の貫通孔が開口形成される。そのため、振動装置11366を通って振動部材11314から軸支棒363まで貫通する貫通孔が開口形成される。なお、ボビン部材11366aの開口の間隔は、軸支棒363に巻き付けられるねじりバネSP2の外径よりも短くされる。
【0586】
振動部材11314は、押し付け部材11366bの貫通孔に挿通される回転止め部11314gを備える。
【0587】
回転止め部11314gは、押し付け部材11366bの貫通孔に挿通される棒状の部分であって、ボビン部材11366aの一対の貫通孔に挿通されると共に一対の板バネ状に形成される挟み込み部11314g1を備える。
【0588】
挟み込み部11314g1は、無負荷状態(
図75(a)参照)では、ねじりバネSP2から離間した位置に配置され、レンズ部材317が押し込み操作された状態(
図75(b)参照)では、ねじりバネSP2を挟持する位置に配置される。ここで、挟み込み部11314g1が板バネ状に形成され、
図75(b)の状態で、挟み込み部11314g1がねじりバネSP2ごと軸支棒363をくわえ込むので、首振り操作部材310の軸支棒363を中心とした揺動動作の抵抗を上昇させることができる。即ち、レンズ部材317を押し込む動作を行うことにより、レバー部材340に対する首振り操作部材310の揺動抵抗を上昇させることができる。
【0589】
この場合、振動装置11366の動作時に、振動装置11366の振動が首振り操作部の軸支棒363を中心とした揺動の駆動力として消費され、遊技者に伝わる振動装置11366の振動方向(
図75(a)上下方向)の振動成分が減少することを抑制することができる。
【0590】
また、遊技者がレンズ部材317を押し込み操作している時にのみ首振り操作部材310の揺動を抑制しつつ、遊技者に伝わる振動装置11366の振動成分を確保し、遊技者がレンズ部材317から手を離す無負荷状態においては、振動装置11366の振動によって首振り操作部材310を揺動動作させることができる。
【0591】
これにより、レンズ部材317を押し込む遊技者に伝わる振動成分を確保する効果と、無負荷状態では首振り操作部材11310の動作を激しくし遊技者の注目を集める効果とを、同一の振動装置11366で両立させることができる。
【0592】
次いで、
図76を参照して、第12実施形態について説明する。上記第11実施形態では、レンズ部材317の押し込み動作により首振り操作部材11310の揺動動作の抵抗が上昇する場合を説明したが、第12実施形態における操作デバイス12300は、レンズ部材317の押し込み動作により規制棒365が首振り部材360の角度規制孔361dの下方の端部に押し付けられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0593】
図76(a)及び
図76(b)は、
図17(a)のXVIIIa−XVIIIa線における第12実施形態における首振り操作部材12310及びレバー部材340の部分断面図である。なお、
図17(a)は第1実施形態における操作デバイス300を図示したものであるが、外観形状は本実施形態における操作デバイス12300と同等なので、代用する。また、
図76(a)では、レンズ部材317が押し込みの負荷を受けない無負荷状態が図示され、
図76(b)では、
図76(a)の状態から、レンズ部材317が押し込み操作された状態が図示される。
【0594】
図76(a)に示すように、首振り操作部材12310は、中間枠部材12312と、振動部材12314と、を主に備える。
【0595】
中間枠部材12312は、第1実施形態の中間枠部材312(
図13参照)に対して、底部312aの中心の開口が拡大される。
【0596】
振動部材12314は、本体部314aから中間枠部材12312の中心の開口の拡大部分を振動装置366に沿って下方に延設される棒状の押し付け棒部12314gを備える。押し付け棒部12314gは、先端が規制棒365に当接可能な位置まで延設される。
【0597】
押し付け棒部12314gは、無負荷状態(
図76(a)参照)では、規制棒365と接する位置に配置され、レンズ部材317が押し込み操作された状態(
図76(b)参照)では、規制棒365に押し当てられる。そのため、レンズ部材317を押し込むことで、押し付け棒部12314gが移動する距離分(本体部314aと押し付け部材366bとの間の距離)だけ、首振り操作部材12310が時計回りに回転され、軸支棒365が角度規制孔361dの終端に押し付けられる。この状態において、角度規制孔361dに対して軸支棒365を固定することができるので、首振り操作部材12310の軸支棒363を中心とした揺動動作を抑制することができる。即ち、レンズ部材317を押し込む動作を行うことにより、レバー部材340に対する首振り操作部材12310の揺動抵抗を上昇させることができる。
【0598】
この場合、振動装置366の動作時に、振動装置366の振動が首振り操作部の軸支棒363を中心とした揺動の駆動力として消費され、遊技者に伝わる振動装置366の振動方向(
図76(a)上下方向)の振動成分が減少することを抑制することができる。
【0599】
また、遊技者がレンズ部材317を押し込み操作している時にのみ首振り操作部材12310の揺動を抑制しつつ、遊技者に伝わる振動装置366の振動成分を確保し、遊技者がレンズ部材317から手を離す無負荷状態においては、振動装置366の振動によって首振り操作部材12310を揺動動作させることができる。
【0600】
これにより、レンズ部材317を押し込む遊技者に伝わる振動成分を確保する効果と、無負荷状態では首振り操作部材12310の動作を激しくし遊技者の注目を集める効果とを、同一の振動装置366で両立させることができる。
【0601】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0602】
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
【0603】
上記各実施形態では、レバー部材340の本体部材341が形状を固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長手方向で部分的に伸縮可能とされても良い。この場合、本体部材341を縮め、首振り操作部材310を後方に収納できるように構成することで、首振り操作部材310が下向き位置に配置されパチンコ機10の前方に張り出して、梱包用の箱からはみ出す場合に、梱包用の箱に入るサイズまで首振り操作部材310の前後幅を縮めることができる。
【0604】
上記第6実施形態では、ギアダンパ6347が、レバー部材6340から剥離部材6350が引きはがされた場合に限り粘性抵抗を生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギアダンパが、レバー部材6340及び剥離部材6350が吸着固定されている場合に限って、粘性抵抗を生じるようにしても良い。この場合、遊技者が首振り操作部材310を操作する際の操作速度に応じた抵抗を遊技者に返すことができ、操作感を向上させることができる。
【0605】
上記第4実施形態では、偏心カム部材4333の最長径部分とロック受け部材4350とが当接している時(偏心カム部材4333の回転軌跡の外接円とロック受け部材4350とが接する時)に、ロック部材4336の上端とロック受け部材4350の下端部とが当接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ロック受け部材4350が偏心カム部材4333から上方に離間した位置でロック部材4336の上端に揺動を規制される態様でも良い。
【0606】
この場合、偏心カム部材4333の回転駆動によりロック受け部材4350が揺動する場合には、ロック受け部材4350がロック部材4336に規制されることは無いため、偏心カム部材4333を一方向に回転駆動させることにより、首振り操作部材310を上下に往復動作させる煽り動作を行うことができる。
【0607】
また、例えば、偏心カム部材4333の最長径部分と偏心カム軸331d2との間の中間部がロック受け部材4350と当接している時にロック受け部材4350がロック部材4336に揺動を規制される態様でも良い。
【0608】
この場合、偏心カム部材4333を一方向に回転させることで、ロック受け部材4350がロック部材4336の上端よりも上側で上下に往復動作可能とされ、煽り動作を行うことができる。なお且つ、煽り動作中に、遊技者が首振り操作部材310を上向きに持ち上げる誤操作を行ったとしても、ロック部材4336でロック受け部材4350の揺動を規制することができ、偏心カム部材4333が破損することを防止することができる。
【0609】
上記第8実施形態では、レバー部材340とスライド板8370とが離間した際に、ロック部材8336がレバー部材340の下側に入り込み、レバー部材340の揺動を規制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内側ケース部材8330の側壁から内側ケース部材8330の内方へ向けて、伸縮する棒状部材が配設され、その棒状部材は、レバー部材340とスライド板8370とが離間する場合に伸張され、レバー部材340の後端部の下側に入り込むようにしても良い。
【0610】
この場合、ロック部材8336の鉤状の先端部の形状をレバー部材340の下側に入り込む形状にする必要が無いので、ロック部材8336の設計自由度を向上させることができる。
【0611】
上記第8実施形態では、レバー部材340が揺動角度範囲の中間の姿勢とされた状態でロック部材8336が固定側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、レバー部材340の後端部が揺動角度範囲の最上位置に配置された場合にロック部材8336が固定側に配置されるようにしても良い。
【0612】
この場合、レバー部材340が剥離部材350から引き剥がされたとしても、揺動を規制された剥離部材350の上側においてレバー部材340が揺動可能な範囲が限定されているため、遊技者の操作によりレバー部材340にかけられる揺動方向の勢いが抑制される(勢いを付ける程度にレバー部材340を移動させることができない)。従って、レバー部材340が勢いよく内側ケース部材8330に衝突して内側ケース部材8330が破損することを防止することができる。
【0613】
また、例えば、レバー部材340の後端部が揺動角度範囲の最下位置に配置された場合にロック部材8336が固定側に配置されるようにしても良い。この場合、レバー部材340が揺動を規制された姿勢において、レバー部材340の後端部と内側ケース部材8330の上側面との距離を遠くできるので、レバー部材340が剥離部材350から引きはがされることにより遊技者に伝わる感覚が変化すること(剥離部材350の重さが遊技者に伝わらなくなり、首振り操作部材310を重く感じること)に遊技者が気付き、遊技者が首振り操作部材310にかける負荷を和らげる時間的余裕を持つことができる。
【0614】
一方で、レバー部材340の後端部が揺動角度範囲の最下位置に配置された場合、剥離部材350と偏心カム部材333とが当接するため、剥離部材350から偏心カム部材333に負荷が生じる恐れがある。そのため、これを防ぐために、ロック部材8336が揺動範囲の中間位置よりも情報に配置される時(偏心カム部材333が剥離部材350と当接しない時)に限って、ロック部材8336が固定側に配置されるようにしても良い。
【0615】
上記第9実施形態では、弾性連結部材CS91,CS92をそれぞれ同じ長さで形成し、上側の弾性連結部材CS91の弾性係数を下側の弾性連結部材CS92に比較して大きくする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、弾性連結部材CS91,CS92をそれぞれ同じ弾性係数とし、上側の弾性連結部材CS91を下側の弾性連結部材CS92に比較して短くしてもいい。
【0616】
この場合、弾性連結部材CS91,CS92が互いに同じ長さになる(延伸される)状態において、上側の弾性連結部材CS91の方が弾性変位が大きくなり、弾性回復力が大きくなるので、弾性回復した後の状態において首振り操作部材310のレンズ部材317を上方向きに保持しやすくできる。これにより、遊技者がレンズ部材317を上方から押し込み操作すること容易とすることができる。
【0617】
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0618】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0619】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【0620】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【0621】
<ロック時にレバー部材340が折れる構造とする技術思想の一例>
遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材と、その移動部材の移動を規制する規制部材と、を備える遊技機において、前記移動部材は、遊技者が操作する操作部材と、その操作部材に連結され前記規制部材に移動を規制可能とされる被規制部材と、を備え、前記被規制部材が、前記規制部材に移動を規制される状態において、前記操作部材に所定量以上の荷重が作用することにより、前記移動部材の形状が変形可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
【0622】
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が手動操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材が規制部材によって所定位置で移動を規制される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動を規制された状態で遊技者が移動部材に過荷重を加えると、移動部材を通して規制部材に荷重が加わり、規制部材が破損する恐れがあるという問題点があった。
【0623】
これに対し、遊技機A1によれば、移動部材は、遊技者が操作する操作部材と、その操作部材に連結され規制部材に移動を規制可能とされる被規制部材と、を備え、被規制部材が、規制部材に移動を規制される状態において、操作部材に所定量以上の荷重が作用することにより、移動部材の形状が変形可能とされるので、荷重が移動部材の形状変形に消費されることで、規制部材に伝達される荷重を減少させることができる。従って、遊技者が移動部材に過荷重をかけることにより規制部材が破損することを防止することができる。
【0624】
なお、荷重の負荷による移動部材の形状の変形を実現する移動部材の構成としては、例えば、移動部材の一部にバネ等の弾性部材を配設する構成や、移動部材が複数の部位から構成され各部位が磁力で吸着される構成等が例示される。
【0625】
移動部材の一部にバネ等の弾性部材が配設される構成では、負荷される荷重に比例して移動部材の形状の変形の度合いが変化するため、遊技者から操作部材に過荷重がかけられる程、移動部材の変形の度合いが大きくなる。そのため、遊技者から操作部材に過荷重がかけられる程、弾性部材で消費される荷重を大きくすることができ、その分規制部材に伝達される荷重を減少させることができる。
【0626】
移動部材が複数の部位から構成され各部材が磁力で吸着される構成では、吸着力以上の荷重がかけられるまでは移動部材が形状を維持し、吸着力以上の荷重がかけられて初めて移動部材の形状が変形する。これにより、吸着力以下の荷重で通常通りに操作する場合には、移動部材を剛体として扱え、移動部材の操作を容易とすることができる。
【0627】
遊技機A1において、前記移動部材は、前記操作部材が前記被規制部材に固定される固定状態と、前記被規制部材が前記規制部材に移動を規制された状態で、前記操作部材に所定量以上の荷重が負荷されることで、少なくとも前記操作部材が前記被規制部材に対して相対移動可能とされる非伝達状態と、を構成可能とされることを特徴とする遊技機A2。
【0628】
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、移動部材は、操作部材が被規制部材に固定される固定状態と、被規制部材が規制部材に移動を規制された状態で、操作部材に所定量以上の荷重が負荷されることで、少なくとも操作部材が被規制部材に対して相対移動可能とされる非伝達状態と、を構成可能とされるので、固定状態において操作部材の操作性を確保しながら、非伝達状態では規制部材への荷重の伝達を抑制することができる。
【0629】
遊技機A1及び2において、前記移動部材を支持する支持部材を備え、前記移動部材を構成する前記操作部材および前記被規制部材は前記支持部材に配設される第1軸に同軸で軸支され、前記移動部材の移動は、前記第1軸を中心とした揺動であることを特徴とする遊技機A3。
【0630】
遊技機A3によれば、遊技機A1及び2の奏する効果に加え、操作部材が操作されることで、規制部材と被規制部材との間で大きな荷重がかかることを抑制でき、規制部材または被規制部材が破損することを抑制することができる。
【0631】
遊技機A3において、前記移動部材を揺動方向に移動させる付勢力を発生させる第1付勢部材を備え、前記付勢力は前記操作部材側に加えられることを特徴とする遊技機A4。
【0632】
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、第1付勢部材の付勢力が操作部材側に加えられ、被規制部材側には加えられないので、規制部材に付勢部材の付勢力が加わることを防止できる。これにより、移動部材が非伝達状態となった際に規制部材が第1付勢部材から過度な付勢力を受けて破損することを防止することができる。
【0633】
ここで、過度な付勢力が生じる場合としては、操作部材と被規制部材との間を連結する態様でバネ部材が配設され、固定状態ではバネ部材が伸縮しないが、非伝達状態で操作部材と被規制部材との間のバネ部材が伸縮され、付勢力が生じる場合が例示される。この場合、操作部材と被規制部材との間の距離の変化量が大きくなることで、被規制部材から規制部材に過度な付勢力が生じる恐れがある。
【0634】
遊技機A4において、前記第1軸が横方向に長手方向を向けて配設され、前記第1付勢部材の付勢力が、前記操作部材を前倒れさせる方向に向けて発生し、前記固定状態の前記移動部材が、前記規制部材に揺動を規制された状態で、前記操作部材に下向きの荷重をかけることで、前記非伝達状態が構成されることを特徴とする遊技機A5。
【0635】
ここで、第1付勢部材の付勢の方向を移動部材が起き上がる方向に設定すると、遊技者が操作部材に下向きに過荷重をかけた場合に、操作部材が被規制部材から剥離して規制部材の破損を防止できたとしても、遊技者が手を離すとすぐに操作部材が上昇するので、遊技者が過荷重をかけていることに気付かず、操作部材に繰り返し過荷重をかける恐れがあるという問題点があった。
【0636】
これに対し、遊技機A5では、遊技機A4の奏する効果に加え、第1付勢部材による操作部材の付勢の方向が操作部材を前倒れされる方向に向けられるので、操作部材を下方の位置に配置させ続けることができる。これにより、遊技者が操作部材に過荷重を繰り返しかける事態を回避することができる。
【0637】
遊技機A4において、前記第1軸が横方向に長手方向を向けて配設され、前記第1付勢部材の付勢力が、前記操作部材を上昇させる方向に向けられ、前記固定状態の前記移動部材が、前記規制部材に揺動を規制された状態で、前記操作部材に下向きの荷重をかけることで、前記非伝達状態が構成されることを特徴とする遊技機A6。
【0638】
遊技機A6によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、操作部材を上昇させる方向に向けられ、操作部材に下向きの荷重をかけることで非伝達状態が構成されるので、遊技者が操作部材に下向きの荷重をかけて、移動部材が非伝達状態を構成しても、遊技者が荷重を解くと操作部材が付勢力により固定状態側へ移動する。これにより、操作部材の配置を安定化することができ、遊技者が次の操作を行いやすくすることができる。
【0639】
遊技機A6において、前記移動部材が前記非伝達状態から前記固定状態へ復帰する場合の前記操作部材の揺動速度を低減する制動手段を備える遊技機A7。
【0640】
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、非伝達状態から固定状態へ復帰する際の操作部材の揺動速度が低減されるので、操作部材が固定状態に高速で復帰することで規制部材に衝撃が伝わることを抑制することができる。
【0641】
遊技機A7において、前記制動手段は、前記支持部材に配設され粘性抵抗を発生可能なギアダンパであり、前記操作部材に配設されるギア部と前記ギアダンパとが歯合することを特徴とする遊技機A8。
【0642】
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、制動手段が粘性抵抗を発生可能なギアダンパから構成されるので、操作部材の揺動速度が大きい程、操作部材にかかる抵抗は大きくなる。そのため、揺動速度が小さい(操作部材の復帰速度が小さい)場合の抵抗を抑制し、例えば、移動部材が非伝達状態の場合に遊技者が操作部材を操作して操作部材が高速で揺動する場合の抵抗は大きくすることができる。
【0643】
これにより、揺動速度によらず、遊技者の高速の操作に対応した大きな抵抗を生じる場合に比較して、第1付勢部材の付勢力を小さく設定でき、第1付勢部材の設計自由度を向上させることができる。
【0644】
遊技機A8において、前記ギアダンパは、前記操作部材および前記被規制部材の相対移動に粘性抵抗を発生させる態様で配設されることを特徴とする遊技機A9。
【0645】
ここで、操作部材と被規制部材とが固定され一体として揺動すると、操作部材と被規制部材との相対的な位置関係が変化しないので、操作部材がギアダンパから粘性抵抗を受けることはない。
【0646】
これに対し、遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、非伝達状態では、操作部材が揺動する場合に、操作部材と被規制部材との相対的な位置関係が変化するので、ギアダンパの粘性抵抗が操作部材に与えられる。
【0647】
従って、遊技者が操作部材に、被規制部材と操作部材とが非伝達状態を構成するほどの荷重を与えた場合にのみギアダンパの粘性抵抗が操作部材に働くようにすることができる。これにより、遊技者が操作部材を操作する際の操作感を変化させ、操作部材を適切に使用するように促すことができる。
【0648】
例えば、操作部材を操作する際の操作抵抗が過度に大きくなることで、遊技者にとっては操作がしづらくなり、ストレスとなる。操作部材および被規制部材が固定された状態に戻れば、操作抵抗が小さくなり、遊技者にとって操作し易くできる。
【0649】
そのため、ストレスを回避しようとする遊技者ほど、操作部材に過荷重をかけることを避けるようになる。これにより、移動部材が破壊されることを抑制することができる。
【0650】
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記移動部材を駆動させる駆動力を発生する駆動装置と、その駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達部材と、を備え、前記移動部材が荷重を受け前記固定状態から前記非伝達状態へ変化する際に、その荷重が伝達されない位置に前記伝達部材が配設されることを特徴とする遊技機A10。
【0651】
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかの奏する効果に加え、移動部材が荷重を受け、固定状態から非伝達状態へ変化したとしても、伝達部材にはその荷重が伝達されないので、伝達部材の破損を抑制し、伝達部材の耐久性を向上させることができる。
【0652】
なお、移動部材から荷重が伝達されない位置としては、移動部材が荷重を受ける方向に移動するとした場合に移動部材が移動する方向の反対側の位置や、移動部材が荷重を受ける方向に移動するとした場合に移動部材が移動する方向の位置であって移動部材から所定距離だけ離間する位置などが例示される。
【0653】
遊技機A10において、前記移動部材が前記非伝達状態とされ、前記駆動装置から駆動力が生じる場合に、前記駆動装置の駆動力が前記操作部材に伝達され、前記被規制部材に非伝達とされることを特徴とする遊技機A11。
【0654】
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、規制部材により移動部材の揺動が規制される場合に、駆動装置から駆動力が生じたとしても、その際生じる駆動力は操作部材の揺動に使用され、被規制部材の揺動には使用されないので、規制部材が損傷することを防止することができる。
【0655】
遊技機A2からA11において、前記移動部材が前記固定状態とされ、前記移動部材が前記第1位置に配置される場合に比較して前記第2位置に配置される場合の方が、前記操作部材を外方に張り出させる態様で構成され、前記移動部材が第2位置に配置された場合に前記移動部材が前記規制部材により移動を規制され、前記操作部材および前記被規制部材が電磁石で吸着されることにより前記固定状態が構成されることを特徴とする遊技機A12。
【0656】
ここで、第1位置で操作部材の揺動を規制した方が操作部材の外方への張り出し幅が小さいので、例えば、遊技機を梱包する箱を選定する際に、第1位置で操作部材が固定された状態を基準として選定した方が、箱を小さくすることができる。
【0657】
一方で、第2位置で操作部材の揺動を規制した状態で電源が切られると、操作部材を第2位置から移動させることができず、遊技機を梱包用の箱に入れることができないという問題点があった。
【0658】
また、工場の検査ライン等で、操作部材が第1位置に配置された状態の幅でライン幅を決めておくと、操作部材が誤って第2位置に配置され揺動を固定された状態でラインを流れることにより、検査機等に操作部材が衝突する恐れがあるという問題点があった。
【0659】
遊技機A12によれば、遊技機A2からA11のいずれかの奏する効果に加え、移動部材が操作部材を張り出させる第2位置で移動を規制されたとしても、操作部材と被規制部材とが電磁石で固定されているため、電源を落とすことで操作部材と被規制部材との固定を解くことができる。これにより、操作部材を容易に第1位置に配置することができ、梱包用の箱に遊技機を収納する事や、向上の検査ラインでの検査を容易にすることができる。
【0660】
<偏心カムがレバーと離間可能とされる技術思想の一例>
遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材と、その移動部材を移動させる駆動力を発生させる駆動装置と、その駆動装置から生じる駆動力を前記移動部材に伝達する伝達部材と、を備える遊技機であって、前記移動部材が一の方向に操作されることで、前記移動部材が、前記伝達部材から離反する方向に移動することを特徴とする遊技機B1。
【0661】
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材が、ギアの歯合により駆動される遊技機がある(例えば、特開2014−144218号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動部材の駆動中に移動部材が手動操作されると、ギアにかかる負担が大きくなり、駆動装置や伝達部材の耐久性が落ちたり、駆動により移動部材が遊技者に負荷を与えたりする恐れがあるという問題点があった。
【0662】
これに対し、遊技機B1によれば、遊技者が移動部材を一方に操作することで、移動部材が伝達部材から離反する方向に移動するので、移動部材から駆動装置や伝達部材に負荷が与えられることを抑制することができる。また、駆動により、移動部材が遊技者に負荷を与えることを抑制することができる。なお、伝達部材としては、偏心カムや、ソレノイドなどが例示される。
【0663】
遊技機B1において、前記伝達部材が、第1軸に偏心して軸支され、前記第1軸を中心に回転される部材から構成されることを特徴とする遊技機B2。
【0664】
ここで、移動部材が一の方向へ操作されることで移動部材と伝達部材とが離反されるので、逆に移動部材を他の方向へ操作すると、移動部材と伝達部材とが衝突する。移動部材の移動幅が大きくなるほど伝達部材の腕長さが長くなることが多い。この場合、衝突により伝達部材が破損する恐れがある。
これに対し、遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、伝達部材が偏心カムから構成されるので、第1軸から外形までの距離が長い部分で移動部材を駆動させる際の移動量を確保しつつ、移動部材と衝突する際には第1軸から外形までの距離が短い部分を移動部材に向けた姿勢をとることで、第1軸から移動部材と伝達部材とが衝突する部分の伝達部材の腕長さを短くすることができる。これにより、伝達部材が破損することを防止することができる。
【0665】
遊技機B2において、前記移動部材を特定の方向に移動させる付勢力を発生する第1付勢部材を備え、前記特定の方向が、前記移動部材および前記伝達部材を近接させる方向であることを特徴とする遊技機B3。
【0666】
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第1付勢部材の付勢力により、移動部材が伝達部材に押し付けられるので、伝達部材を第1軸中心に回転させることで、移動部材に往復移動を行わせることができる。これにより、遊技者の注目を移動部材に集めやすくできる。
【0667】
遊技機B3において、前記移動部材が前記第1軸とは異なる軸であって左右方向に延設される第2軸で揺動可能に軸支され、前記移動部材が、遊技者が操作する操作部材を備え、前記伝達部材が前記第2軸を挟んで前記操作部材の反対側であって、かつ前記移動部材の下側に配設されることを特徴とする遊技機B4。
【0668】
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第2軸が左右方向に延設され、レバーが前倒れする方向に揺動可能とされた状態で、伝達部材が移動部材の下側かつ第2軸を挟んで操作部材の反対側に配設されるので、遊技者が操作部材を押し下げ操作する場合に、伝達部材に荷重が与えられることを抑制することができる。これにより、伝達部材の耐久性を向上させることができる。
【0669】
遊技機B4において、前記操作部材に、遊技者に対する演出を行う演出部材が配設されることを特徴とする遊技機B5。
【0670】
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、操作部材に、遊技者に対する演出を行う演出部材が配設されるので、操作部材に遊技者の注目を集めることができる。
【0671】
なお、遊技者に対する演出を行う演出装置としては、基盤に配設されたLEDなどの発光装置や、振動を生じる振動装置等が例示される。
【0672】
遊技機B5において、前記演出部材は、少なくとも振動を生じる振動装置を備え、その振動装置が振動することにより前記操作部材に加えられる荷重が、前記移動部材を前記伝達部材から離反させる方向に向けられることを特徴とする遊技機B6。
【0673】
ここで、操作部材に演出装置が配設される場合、移動部材の操作部材側の重量が重くなるため、第1付勢部材の付勢力が大きく必要となる。そのため、伝達部材にかけられる負荷が大きくなる恐れがある。
【0674】
これに対し、遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、演出部材が少なくとも振動を生じる振動装置を備え、その振動装置が振動することにより操作部材に加えられる荷重が、移動部材を伝達部材から離反させる方向に向けられるので、振動装置の振動により、移動部材から伝達部材へかけられる負荷を減少させることができる。
【0675】
遊技機B6において、前記操作部材が内部を中空とした球状に構成され、その操作部材の略中央部に前記振動装置が配設され、その振動装置によって振動する振動部が、前記操作部材の外殻と剛体として連結されることを特徴とする遊技機B7。
【0676】
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、操作部材が内部を中空とした球状に構成され、その操作部材の略中央部に振動装置が配設されるので、操作部材の外形は小さく抑えながら、振動装置の大きさを確保することができる。その上で、振動装置によって振動する振動部が操作部材の内部に隠されるのではなく、操作部材の外殻と剛体として連結されるので、操作部材を操作する遊技者の手指に直に振動を伝えることができる。従って、振動装置の演出効果を向上させることができる。
【0677】
遊技機B3からB7のいずれかにおいて、前記操作部材は下方へ向けた押し込み動作を可能とする押し込み部材を備え、その押し込み部材を押し込む方向軸が、前記第2軸を挟んで前記第1軸の反対側に配置されることを特徴とする遊技機B8。
【0678】
遊技機B8によれば、遊技機B3からB7のいずれかの奏する効果に加え、操作部材は下方へ向けた押し込み動作を可能とする押し込み部材を備え、その押し込み部材を押し込む方向軸が、第2軸を挟んで第1軸の反対側に配置されるので、遊技者が押し込み部材を押し込むことによって、移動部材が伝達部材から離反される方向に荷重を受け、伝達部材に移動部材からかけられる荷重を減少させることができる。
【0679】
遊技機B8において、前記押し込み部材を押し込み可能な押し込み可能状態と、前記押し込み部材が変位不能に固定され押し込み不能である押し込み不能状態とが構成されることを特徴とする遊技機B9。
【0680】
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、押し込み部材を押し込み可能な押し込み可能状態と、押し込み部材が変位不能に固定され押し込み不能である押し込み不能状態とが構成されるので、遊技者の行う操作によって移動部材が受ける影響を遊技機側で切替ることができる。
【0681】
例えば、遊技者が押し込み部材を断続的に繰り返し押し込む(連打する)場合、押し込み部材が押し込まれた状態から戻る際に、その反作用で、移動部材が伝達部材へ近接する方向に負荷を受ける。そのため、伝達部材が破損する恐れがある。
【0682】
一方、押し込み不能状態とされる場合、遊技者の押し込み操作に対して操作部材全体が押し下げられるので、それにより移動部材も伝達部材から離反する方向に移動する。従って、遊技者が押し込み部材を連打しても、操作部材が上方へ付勢力により戻ることにより伝達部材と移動部材とが衝突するという事態を抑制することができる。
【0683】
なお、押し込み不能状態を構成する方法としては、鉤状の爪で押し込み部材を係止する方法や、直線的な往復運動をするボイスコイルモータなどの振動装置により押し込み部材を終端位置まで張り出させる(一方向に負荷をかけ続ける)方法等が例示される。ボイスコイルモータなどの振動装置により押し込み部材を終端位置まで張り出させる方法によれば、その振動装置によって押し込み部材を振動させることと、押し込み部材を押し込み不能状態とすることとの両方の作用を生じさせることができる。
【0684】
遊技機B4からB9のいずれかにおいて、前記第1軸と前記第2軸とが平行に配置され、前記伝達部材の回転方向が、前記第2軸を挟んで前記第1軸から離間する側が前記移動部材に対向する方向とされることを特徴とする遊技機B10。
【0685】
遊技機B10によれば、遊技機B4からB9のいずれかの奏する効果に加え、伝達部材の回転方向が、第2軸を挟んで第1軸から遠い側で移動部材に対向する方向とされるので、伝達部材が移動部材に対向して移動する場合には、移動部材から伝達部材に与えられる荷重が抑制される(第2軸から移動部材と伝達部材との当接位置までの距離が長くなる)ので、伝達部材が移動部材に近接する方向に移動するとしても伝達部材が破損する可能性を低くすることができる。
【0686】
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記伝達部材は第1軸で軸支され、前記駆動装置から駆動力を伝達される回転ギアと、前記第1軸に偏心して軸支されると共に前記移動部材に当接される偏心カムと、を備え、その偏心カムに対して前記回転ギアが固定される固定状態と、前記偏心カムに対して前記回転ギアが相対移動可能な非伝達状態とを構成可能とされることを特徴とする遊技機B11。
【0687】
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10のいずれかの奏する効果に加え、固定状態では、伝達部材の回転により移動部材を揺動させることができると共に、偏心カムが移動部材から閾値以上の荷重を受ける場合には、偏心カムおよび回転ギアを非伝達状態とすることで、移動部材から偏心カムに加えられる荷重を逃がすことができる。これにより、偏心カムが破損することを防止することができる。
【0688】
なお、偏心カムと回転ギアとが非伝達状態を構成可能とされる場合とは、例えば、磁力によって偏心カムと回転ギアとが吸着固定される場合や、偏心カムと回転ギアとが周方向の摩擦で嵌合している場合等が例示される。
【0689】
<移動部材を固定するロック部材が移動部材と同期動作される技術思想の一例>
遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材と、その移動部材を駆動させる駆動力を発生する駆動装置と、第1軸に偏心して軸支されると共に前記駆動装置の駆動力を前記移動部材に伝達する伝達部材と、前記移動部材の揺動を規制する規制部材と、を備える遊技機であって、前記規制部材は、前記移動部材の揺動を規制可能な待機状態と、前記移動部材の揺動の規制を解除する解除状態と、を構成可能とされ、前記伝達部材と前記規制部材とが前記駆動装置の駆動力により同期して動作することを特徴とする遊技機C1。
【0690】
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材が、駆動装置で駆動される偏心カム状の伝達部材により揺動され、その偏心カム状の伝達部材に近接する方向に移動部材を移動させる付勢力を受け、移動部材の揺動の途中で移動部材の揺動を規制すると共に所定のタイミングで移動部材の揺動の規制を解除する規制部材を備える遊技機がある(例えば、特開2013−244108号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動部材の揺動の規制を解除するのに合わせて、偏心カム状の伝達部材の短径側を移動部材と当接する側に向けることで、移動部材と偏心カム状の伝達部材とが衝突した場合の伝達部材の破損を防止できるが、何らかの理由で規制部材が誤作動した場合に、偏心カム状の伝達部材の姿勢を変化させることができず、偏心カム状の伝達部材が長径側で移動部材と衝突し、偏心カム状の伝達部材が破損する恐れがあるという問題点があった。
【0691】
これに対し、遊技機C1によれば、移動部材に駆動力を伝達する伝達部材と、移動部材の揺動を規制する規制部材とが駆動装置の駆動力により同期して動作するので、規制部材が解除状態とされる際の伝達部材の姿勢を機械的に定めることができる。これにより、伝達部材の強度の高い側(短径側)を移動部材へ向けた状態で移動部材と伝達部材とを当接させることができるので、伝達部材の耐久性を向上させることができる。
【0692】
遊技機C1において、前記規制部材は、前記移動部材の揺動の規制を解除する位相に限って前記伝達部材と同期動作され、前記伝達部材との同期動作が解除された場合には、前記規制部材は前記待機状態とされ、前記移動部材が所定位置まで移動することで前記移動部材の揺動が前記規制部材に規制されることを特徴とする遊技機C2。
【0693】
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、規制部材が移動部材の揺動の規制を解除した後は、駆動装置の駆動力を専ら移動部材の揺動に利用することができるので、伝達部材を回転させる際に規制部材が一緒に動くことにより移動部材と衝突する等の不具合が生じることを防止することができる。
【0694】
また、同期駆動中に遊技者が移動部材を操作した場合にも、所定位置に移動部材を配置することにより移動部材の揺動を規制部材により規制することができるので、繰り返し、移動部材と規制部材との同期駆動(移動部材の揺動規制を解除すること)を行うことができる。
【0695】
遊技機C2において、前記規制部材が前記待機状態とされる場合に、前記移動部材の一端が前記規制部材に乗り上げる態様で前記規制部材を移動させることで、前記移動部材の揺動が規制され、前記移動部材は、前記伝達部材の移動態様により、前記所定位置を経由しない第1動作と、前記所定位置へ至る第2動作と、を実行可能とされ、前記規制部材は、前記移動部材が前記第1動作を実行する場合に、前記移動部材の外形部の揺動軌跡から退避して凹設される凹設部を備えることを特徴とする遊技機C3。
【0696】
移動部材の一端が規制部材に乗り上げる態様で規制部材を移動させることで移動部材の揺動方向が規制される場合、移動部材に揺動方向の規制を与える前段階として、移動部材に対して規制部材から抵抗が加えられる。一方で、第1動作のように、揺動方向の規制を与えられることを目的としない動作の際にまで規制部材から抵抗が加わると、移動部材の駆動力が余計に必要となる。
【0697】
これに対し、遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、移動部材が第1動作を実行する場合に、凹設部が移動部材から退避して凹設されるので、規制部材から移動部材へ抵抗が加えられることを防止することができる。これによって、伝達部材にかけられる負荷を抑制することができる。
【0698】
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記移動部材を前記伝達部材へ近接する方向へ揺動させる付勢力を発生する第1付勢装置を備え、前記伝達部材は前記第1軸を中心に回転する偏心カムから構成され、前記規制部材による前記移動部材の揺動の規制が解除され、前記移動部材が前記伝達部材へ向けて付勢力で移動される場合に、前記伝達部材のカム部分の内で、前記移動部材と当接する側の側面である第1側面が、前記第1軸に軸支される前記伝達部材の一部分である円筒部に接する態様で構成され、前記移動部材が前記円筒部に当接し始めた際に前記第1側面が前記移動部材から退避して配置されることを特徴とする遊技機C4。
【0699】
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、規制部材による移動部材の揺動の規制が解除され、移動部材が伝達部材へ向けて付勢力で移動する場合に、伝達部材のカム部分の内で、伝達部材の移動部材と当接する側の側面である第1側面が、第1軸に軸支される伝達部材の一部分である円筒部に接する態様で構成され、移動部材が円筒部に当接し始めた際に第1側面が移動部材から退避して配置されるので、移動部材の揺動変位を最大に確保することができる。従って、規制部材による移動部材の揺動の規制を解除した直後において移動部材の揺動変位を最大に確保する同期状態を構成することができる。
【0700】
遊技機C4において、前記第1側面の前記円筒部の反対側の端部が、前記移動部材と前記伝達部材との当たり始めから当接することを特徴とする遊技機C5。
【0701】
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、移動部材の揺動動作の速度を向上させることができる。
【0702】
ここで、円形の偏心カムの長径部分に移動部材が偏心カムの回転方向から当たると、偏心カムにかかるモーメントが大となり、駆動装置にかかる回転方向の荷重が大きくなる。そのため、いつ移動部材に伝達部材が衝突するか分からないときには、大径部分は伝達部材の回転方向で移動部材と当たらないようにすることが良い(円形の偏心カム)。一方で、いつ移動部材と伝達部材とが当たるのか把握できるのであれば、大外径部分で移動部材を揺動させた方が、移動部材の揺動速度を大とできるので、演出効果を上げることができる。
【0703】
同期駆動であれば、移動部材が伝達部材に衝突するタイミングを機械的に合わせられる。従って、移動部材が伝達部材に当接する際には第1側面を若干退避させ、衝突後のタイミングで第1側面を移動部材に当接させることができ、移動部材の揺動動作の速度を向上させることができる。
【0704】
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記移動部材を前記伝達部材へ近接する方向へ揺動させる付勢力を発生する第1付勢装置を備え、前記伝達部材は前記第1軸を中心に回転する偏心カムから構成され、前記規制部材による前記移動部材の揺動の規制が解除される際に、前記伝達部材が前記移動部材に当接し、前記伝達部材の回転に追従して前記移動部材が揺動されることを特徴とする遊技機C6。
【0705】
遊技機C6によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、移動部材を伝達部材へ近接する方向へ揺動させる付勢力を発生する第1付勢装置を備え、伝達部材は第1軸を中心に回転する偏心カムから構成され、規制部材による移動部材の揺動の規制が解除される際に、伝達部材が移動部材に当接し、伝達部材の回転に追従して前記移動部材が揺動するので、遊技者に移動部材の揺動の規制が解除されるタイミングを気付きにくくさせることができる。これにより、遊技者が遊技に集中しやすくすることができる。
【0706】
<移動部材の先端に配置される操作部が振動する技術思想の一例>
遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材と、その移動部材に配設され振動を発生可能とされる振動装置と、を備え、前記振動装置の振動の方向と、前記移動部材の長手方向とが互いに傾斜することを特徴とする遊技機D1。
【0707】
パチンコ機等の遊技機において、遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材が、振動装置を備える遊技機がある(例えば、特開2001−120741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振動装置の振動が遊技機に伝達されることで遊技機が揺れる等の不具合が生じることを防ぐため、振動を大きくする事が困難であるという問題点があった。
【0708】
これに対し、遊技機D1によれば、移動部材の長手方向と、その移動部材に配設される振動装置の振動の方向とが傾斜するので、振動装置が発生させる振動を、移動部材の長手方向に沿った方向成分と、その方向成分の垂直方向に沿った方向成分とに分解することができ、遊技機に伝達される振動を抑制することができる。
【0709】
なお、振動装置としては、直線方向の振動を構成するボイスコイルモータや、偏心した重りを回転させることで振動を生じるバイブレータ等が例示される。ボイスコイルモータの場合、振動の方向とは、ボイスコイルモータが往復動作する方向を意味し、バイブレータの場合、振動の方向とは、重りの回転軸と垂直な方向を意味する。
【0710】
遊技機D1において、前記移動部材を揺動させる駆動力を発生させる駆動装置と、その駆動装置が発生する駆動力を前記移動部材へ伝達する伝達部材と、を備え、前記振動装置は直線方向の振動を発生する装置から構成され、前記振動装置の振動により前記移動部材が移動される方向の反対側に前記伝達部材が配設されることを特徴とする遊技機D2。
【0711】
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、振動装置が動作する際に生じる反作用が移動部材を伝達部材から離反させる方向に向けられるので、振動装置の振動により、移動部材を伝達部材から離反する方向に揺動させることができる。これにより、振動装置の振動により伝達部材が負荷を受けることを抑制することができる。
【0712】
遊技機D1又はD2において、前記振動装置は直線方向の振動を発生する装置から構成され、前記振動装置が、前記移動部材に配設される第2軸で軸支され、前記振動装置の振動の中心軸が、前記第2軸を通る態様で配置され、その第2軸に振動を吸収する緩衝部材が配設されることを特徴とする遊技機D3。
【0713】
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、振動装置が移動部材に配設される第2軸で軸支され、振動装置は直線方向の振動を発生する装置から構成され、振動装置の振動の中心軸が、第2軸を通る態様で配置され、第2軸に緩衝部材が配設されるので、緩衝部材により振動の衝撃を緩和することができる。これにより、移動部材へ伝わる振動を抑制することができ、遊技機に伝わる振動を抑制することができる。
【0714】
遊技機D3において、前記移動部材は遊技者が押し込み操作する押し込み部材を備え、その押し込み部材を押し込み操作することにより前記第2軸の回転抵抗が上昇する態様で構成されることを特徴とする遊技機D4。
【0715】
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、移動部材は遊技者が押し込み操作する押し込み部材を備え、その押し込み部材を押し込み操作することにより第2軸の回転抵抗が上昇する態様で構成されるので、遊技者が押し込み部材を押し込み操作する場合に特に、振動装置の回転動作を抑制し、振動成分を大きく確保することができる。これにより、振動装置が第2軸で回転し易くなる状態と、振動装置が振動成分を大きく確保する状態とを遊技者の操作により切り替えることができる。
【0716】
遊技機D4において、前記振動装置が、前記押し込み部材と剛体として連結されることを特徴とする遊技機D5。
【0717】
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、振動装置が押し込み部材と剛体として連結されるので、遊技者が、押し込み部材を通して振動装置の振動を体感することができる。そのため、押し込み部材を押し込んでいないときには振動装置を振動および第2軸を中心として揺動させて遊技者の注目を振動装置に集め、一方で、押し込み部材を押し込む際には、振動装置の揺動を抑えることで遊技者が感じる直線方向の振動を大きくすることができる。従って、状況(遊技者が押し込み部材を押し込んでいるか否か)に応じて、振動装置の挙動を変化させることができる。
【0718】
遊技機D1又はD2において、前記振動装置が、前記移動部材に配設される第2軸で軸支され、前記振動装置の振動の中心軸が、第2軸と離間した位置を通る態様で配置されることを特徴とする遊技機D6。
【0719】
移動部材と振動装置との連結を軸支としたときに、振動装置の振動の中心軸と軸支位置とを一致させることで遊技者側に伝える振動を大きくすることができる。一方で、この場合、遊技機にも大きな振動が伝わってしまう。そのため、締結ネジの緩みや部材の劣化が早い段階で生じて、メンテナンス周期が早まるという問題点があった。
【0720】
これに対し、遊技機D6によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、振動装置の回転軸と、振動装置の振動の中心軸とをずらすことで、振動装置を回転させることに振動装置の振動を利用することができ、遊技機に伝わる振動を少なくすることができる(振動のエネルギーが振動装置の回転に使用される)。加えて、振動装置の振動により、振動装置を揺動させることで演出効果を向上させることができる。
【0721】
遊技機D6において、前記振動装置の振動を検出する検出装置を備え、前記振動装置は、遊技者が把持する操作部材に配設されることを特徴とする遊技機D7。
【0722】
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、遊技者が把持する操作部材に振動装置が配設され、振動装置の振動を検出する検出装置を備えるため、振動装置が振動している最中に操作部材を把持することで振動を抑え、振動装置が検出する信号を変化させることができる。これにより、遊技者が操作部材を把持しているか(移動部材を操作する準備段階にあるか)を検出することができる。
【0723】
<煽りを行う移動部材の入力タイミングを補助する技術思想の一例>
遊技者が入力操作する入力装置を備え、その入力装置は遊技者に対して近接離反する方向に駆動されると共に入力操作を行う部分である入力部を備えることを特徴とする遊技機E1。
【0724】
パチンコ機等の遊技機において、入力装置を操作するタイミングが指定される遊技機がある(例えば、特開2012−210238号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入力装置を操作するタイミングに気を取られ、球を弾く強度の調整がおろそかになるなど、遊技に集中できなくなるという問題点があった。
【0725】
これに対し、遊技機E1によれば、入力装置の入力部が、遊技者に対して近接離反する方向に駆動されるので、入力部が遊技者に近接する方向に移動し、遊技者の手指に当接したら、それを押し返す態様で入力部を操作させることで、入力部の操作のタイミングを遊技機側で図ることができる。
【0726】
なお、入力操作としては、押しボタンを押し込み操作する操作や、移動部材に対して引っ張る動作などが例示される。
【0727】
遊技機E1において、前記入力装置は、直線方向に振動する振動装置を備え、その振動装置の振動方向と、前記入力部を操作する方向とが一致する態様で配置され、前記振動装置が前記入力部に押し付けられる場合には、前記入力部が操作不能とされ、前記振動装置が前記入力部から退避される場合には、前記入力部が操作可能とされることを特徴とする遊技機E2。
【0728】
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、振動装置が入力部に押し付けられる場合には、入力部が操作不能とされ、振動装置が入力部から退避される場合には、入力部が操作可能とされるので、振動装置に、入力装置を振動させる演出効果と、入力部を操作するタイミングを図る効果との両方を持たせることができる。
【0729】
遊技機E2において遊技者が前記入力部を操作する際に遊技者側に反力を作用させる第1付勢装置の弾性係数が、前記入力部に前記伝達装置が振動を伝達する際に前記振動装置側に反力を作用させる第2付勢装置の弾性係数に比較して小さくされることを特徴とする遊技機E3。
【0730】
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第2付勢装置の弾性係数に比較して、第1付勢装置の弾性係数が小さくされるので、振動装置を入力装置から離間する位置に復帰させる速度は大きく確保しながら、入力部の操作は小さな力で行うことができる。従って、遊技者が受動的に感じる振動の大きさを確保しつつ、入力部の操作の容易性を向上させることができる。
【0731】
遊技機E2又はE3において、前記入力装置は、遊技者が把持可能な大きさの部材であって、前記入力装置を遊技者が把持する際に、掌の位置に入力部を配置可能とされることを特徴とする遊技機E4。
【0732】
遊技機E4によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、入力部を備える入力装置が遊技者が把持可能な大きさの部材として形成され、入力装置を遊技者が把持する際に、掌の位置に入力部を配置可能とされるので、入力部の操作の容易性を向上させることができる。即ち、入力装置を把持した状態で、更に握り込むことにより、掌を入力部に押し当てることができ、入力装置を持ち替える等の別の動作を不要とできる。
【0733】
また、入力部を掌で隠すことができるので、入力部が振動する動作を、入力部を把持している遊技者だけに把握させることができる。これにより、他の遊技者には気づかれない態様で、大当たりなどの告知を行うことができる。
【0734】
遊技機E4において、前記入力装置の前記入力部の反対側に手指を係止する係止部を備えることを特徴とする遊技機E5。
【0735】
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、入力装置を把持した際に、入力部側の振動を掌で受け止めて、係止部に手指を引っ掛けることで、振動装置による振動を掌の内側に閉じ込めることができる。これにより、遊技者が感じる振動を大きく確保することができる。
【0736】
遊技機A1からA12,B1からB11,C1からC6,D1からD7,E1からE5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0737】
遊技機A1からA12,B1からB11,C1からC6,D1からD7,E1からE5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0738】
遊技機A1からA12,B1からB11,C1からC6,D1からD7,E1からE5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機などの遊技機において、遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材が、ギアの歯合により駆動される遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2014−144218号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、伝達部材の耐久性に改良の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、伝達部材の耐久性の良好な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、遊技者が操作することで第1位置と第2位置との間を移動する移動部材と、その移動部材を移動させる駆動力を発生させる駆動装置と、その駆動装置から生じる駆動力を前記移動部材に伝達する伝達部材と、を備える遊技機であって、前記移動部材が一の方向に操作されることで、前記移動部材が、前記伝達部材から離反する方向に移動する。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記伝達部材が、第1軸に偏心して軸支され、前記第1軸を中心に回転される部材から構成される。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記移動部材を特定の方向に移動させる付勢力を発生する第1付勢部材を備え、前記特定の方向が、前記移動部材および前記伝達部材を近接させる方向である。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、伝達部材の耐久性を良好にすることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、伝達部材が負荷を受ける際の姿勢によって伝達部材の耐久性をより良好にすることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、伝達部材の構成を演出に活かすことができる。