特許第6428840号(P6428840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6428840
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】床構造物及び床施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/43 20060101AFI20181119BHJP
   E04B 1/98 20060101ALI20181119BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   E04B5/43 H
   E04B1/98 N
   E04F15/18 601K
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-85547(P2017-85547)
(22)【出願日】2017年4月24日
(65)【公開番号】特開2018-184727(P2018-184727A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2017年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】永松 英夫
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 大樹
(72)【発明者】
【氏名】麻野 翔太
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−218413(JP,A)
【文献】 特開2016−194219(JP,A)
【文献】 特開2003−328539(JP,A)
【文献】 特開2001−182207(JP,A)
【文献】 特開2000−064481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/43
E04B 1/98
E04F 15/18
E04B 5/02
E04B 1/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁と、
上記梁に支持された第1床パネルと、
上記梁に支持された第2床パネルと、
上記梁と上記第1床パネルとの間に位置しており、少なくとも上下方向に対して弾性変形する第1弾性部材と、
上記梁と上記第2床パネルとの間に位置しており、少なくとも上下方向に対して弾性変形する第2弾性部材と、を具備しており、
上記第2床パネルは、その厚みが上記第1床パネルの厚みと同一であって、その上面の面積が上記第1床パネルの上面の面積より小さく、
上記第2弾性部材は、その厚みが上記第1弾性部材の厚みと同一であって、その上面の面積が上記第1弾性部材の上面の面積と同一であり、且つその硬度が上記第1弾性部材の硬度より小さな床構造物。
【請求項2】
上記第1弾性部材の形状と上記第2弾性部材の形状とが同一である請求項1に記載の床構造物。
【請求項3】
上記第1弾性部材と上記第2弾性部材とは、色が異なるものである請求項1または2に記載の床構造物。
【請求項4】
上記第1床パネルの上面及び上記第2床パネルの上面はそれぞれ長方形であり、
上記第1弾性部材は、上記第1床パネルの上面の長手方向に沿った辺の両端付近の下方に位置しており、
上記第2弾性部材は、上記第2床パネルの上面の長手方向に沿った辺の両端付近の下方に位置する請求項1から3のいずれかに記載の床構造物。
【請求項5】
上記第1床パネルの上面及び上記第2床パネルの上面はそれぞれ長方形であり、
上記梁は、上記第1床パネル及び上記第2床パネルの各上面の短手方向に沿った短辺の下方に位置しており、
上記第1弾性部材は、上記第1床パネルの上記短辺の両端付近の下方に位置しており、 上記第2弾性部材は、上記第2床パネルの上記短辺の両端付近の下方に位置する請求項1から4のいずれかに記載の床構造物。
【請求項6】
上記第1弾性部材の硬度と上記第1床パネルの上面の面積との比は、上記第2弾性部材の硬度と上記第2床パネルの上面の面積の比と同じである請求項1から5のいずれかに記載の床構造物。
【請求項7】
その厚みが上記第1床パネルの厚みと同一であって、その上面の面積が上記第2床パネルの上面の面積より小さな第3床パネルと、
上記梁と上記第3床パネルとの間に位置しており、少なくとも上下方向に対して弾性変形し、その厚みが上記第1弾性部材の厚みと同一であって、その上面の面積が上記第2弾性部材の上面の面積と同一であり、且つその硬度が上記第2弾性部材の硬度より小さな第3弾性部材と、を更に具備する請求項1から6のいずれかに記載の床構造物。
【請求項8】
上記第1弾性部材と同一の厚みであり、上面の面積が上記第1弾性部材の上面の面積の2倍であり、上記第1弾性部材と同じ硬度であって、隣接する2つの上記第1床パネルに上面の半分の面積でそれぞれ当接して支持する第1連結弾性部材と、
上記第2弾性部材と同一の厚みであり、上面の面積が上記第2弾性部材の上面の面積の2倍であり、上記第2弾性部材と同じ硬度であって、隣接する2つの上記第2床パネルに上面の半分の面積でそれぞれ当接して支持する第2連結弾性部材と、の少なくとも一方をさらに備えた請求項1に記載の床構造物。
【請求項9】
第1場所において、少なくとも上下方向に弾性変形する第1弾性部材と、当該第1弾性部材の硬度よりも小さい硬度であって少なくとも上下方向に弾性変形する第2弾性部材との少なくとも一方が梁に貼り付けられる第1工程と、
上記第1場所とは異なる建築現場である第2場所において、複数の上記梁が組み合わされ、上記第1弾性部材の上方に第1床パネルが配置され、上記第2弾性部材の上方に上記第1床パネルの上面の面積より小さな面積の上面を有する第2床パネルが配置される第2工程と、を含む床施工方法。
【請求項10】
上記第1弾性部材と上記第2弾性部材とは、色が異なるものである請求項に記載の床施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性部材を用いた床構造物及び床施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
床梁の上に弾性部材を配置し、この弾性部材の上に床パネルを配置した床構造物がある(例えば、特許文献1参照)。弾性部材は、床パネルの振動を減衰させ、或いは振動周波数を低くし、振動が床梁及び階下の天井にそのまま伝わることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−17491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
床の振動を効率良く減衰或いは低周波数化(以下、減衰等と記載)するには、弾性部材を柔らかくする方がよい。しかしながら、弾性部材を柔らかくすると、床パネルの自重及び床パネルが受ける荷重により弾性部材が許容値を超えて圧縮され、床パネルの振動を減衰等できなくなるそれが生じる。すなわち、弾性部材が硬すぎても柔らかすぎても床の振動を効率良く減衰等できない。それを防ぐには弾性部材の厚みを大きくする方法があるが、床レベルが変わることから、出来るだけ薄い弾性部材で対応できることが望ましい。
【0005】
一方、弾性部材が支持する床パネルには複数種類のサイズが存在する。サイズが相違するとパネル1枚にかかる重量が相違するから、床パネルのサイズに応じて弾性部材が受ける荷重が相違する。したがって、サイズの相違する各床パネルを同じ態様で弾性部材に支持させる現行の仕様では、一の床パネルでは弾性部材が許容値を超えて圧縮されて振動減衰等性能を発揮できず、他の一の床パネルでは弾性部材が硬すぎて振動減衰等性能を十分に発揮できないという問題が生じている。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、床構造物における振動減衰等性能を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る床構造物は、梁と、上記梁に支持された第1床パネルと、上記梁に支持された第2床パネルと、上記梁と上記第1床パネルとの間に位置しており、少なくとも上下方向に対して弾性変形する第1弾性部材と、上記梁と上記第2床パネルとの間に位置しており、少なくとも上下方向に対して弾性変形する第2弾性部材と、を具備する。上記第2床パネルは、その厚みが上記第1床パネルの厚みと同一であって、その上面の面積が上記第1床パネルの上面の面積より小さい。上記第2弾性部材は、その厚みが上記第1弾性部材の厚みと同一であって、その上面の面積が上記第1弾性部材の上面の面積と同一であり、且つその硬度が上記第1弾性部材の硬度より小さい。
【0008】
梁は、第1弾性部材及び第2弾性部材を支持する。第1弾性部材は第1床パネルを支持する。第2弾性部材は第2床パネルを支持する。
【0009】
第1床パネルと第2床パネルとは同一の厚みであるから、第1床パネルよりも上面の面積が小さな第2床パネルは、第1床パネルよりも重量が軽い。すなわち、第1弾性部材よりも硬度の小さな第2弾性部材は、第1床パネルよりも軽い第2床パネルを支持する。したがって、第2弾性部材は、許容値を超えて圧縮されるおそれが無く、かつ、第2床パネルの振動を効率良く減衰等することができる。その結果、振動減衰等性能が高められる。
【0010】
(2) 好ましくは、上記第1弾性部材の形状と上記第2弾性部材の形状とが同一であってもよい。
【0011】
形状を同一にすることにより、部品管理が容易になり、かつ、施工が容易になる。すなわち、形状が同一であることにより、取り付け向きなどにおいて、第1弾性部材も第2弾性部材も同じように梁に取り付けることができ、その結果、施工が容易になる。
【0012】
(3) 好ましくは、上記第1弾性部材と上記第2弾性部材とは、色が異なるものであってもよい。
【0013】
第1弾性部材と第2弾性部材とは、その硬度の違いを色によって作業者に容易に認識させることができる。すなわち、形状を同一にして作業性を良くし、硬度の識別は、色によって行われる。
【0014】
(4) 好ましくは、上記第1床パネルの上面及び上記第2床パネルの上面はそれぞれ長方形であり、上記第1弾性部材は、上記第1床パネルの上面の長手方向に沿った辺の両端付近の下方に位置しており、上記第2弾性部材は、上記第2床パネルの上面の長手方向に沿った辺の両端付近の下方に位置していてもよい。
【0015】
第1床パネルは、長手方向の両端部において第1弾性部材に支持され、第2床パネルは、長手方向の両端部において第2弾性部材に支持される。したがって、第1弾性部材及び第2弾性部材は、第1パネル及び第2床パネルを確実に支持することができる。
【0016】
(5) 好ましくは、上記第1床パネルの上面及び上記第2床パネルの上面はそれぞれ長方形であり、上記梁は、上記第1床パネル及び上記第2床パネルの各上面の短手方向に沿った短辺の下方に位置しており、上記第1弾性部材は、上記第1床パネルの上記短辺の両端付近の下方に位置しており、上記第2弾性部材は、上記第2床パネルの上記短辺の両端付近の下方に位置していてもよい。
【0017】
第1床パネルは、四隅において第1弾性部材に支持される。第2床パネルは、四隅において第2弾性部材に支持される。したがって、第1弾性部材及び第2弾性部材は、第1床パネル及び第2床パネルを確実に支持することができる。
【0018】
(6) 好ましくは、上記第1弾性部材の硬度と上記第1床パネルの上面の面積との比は、上記第2弾性部材の硬度と上記第2床パネルの上面の面積の比と同じであってもよい。
【0019】
第1弾性部材及び第2弾性部材の硬度の設定が適切になる。その結果、減衰等性能がさらに高められる。
【0020】
(7) 好ましくは、本発明に係る床構造物は、その厚みが上記第1床パネルの厚みと同一であって、その上面の面積が上記第2床パネルの上面の面積より小さな第3床パネルと、上記梁と上記第3床パネルとの間に位置しており、少なくとも上下方向に対して弾性変形し、その厚みが上記第1弾性部材の厚みと同一であって、その上面の面積が上記第2弾性部材の上面の面積と同一であり、且つその硬度が上記第2弾性部材の硬度より小さな第3弾性部材と、を更に具備していてもよい。
【0021】
弾性部材が第1弾性部材と第2弾性部材と第3弾性部材との3種類に限定されることにより、減衰等性能の向上と、床構造物の施工性とがバランス良く達成される。
【0022】
(8) 本発明の床施工方法は、第1場所において、少なくとも上下方向に弾性変形する第1弾性部材と、当該第1弾性部材の硬度よりも小さい硬度であって少なくとも上下方向に弾性変形する第2弾性部材との少なくとも一方が梁に貼り付けられる第1工程と、上記第1場所とは異なる建築現場である第2場所において、複数の上記梁が組み合わされ、上記第1弾性部材の上方に第1床パネルが配置され、上記第2弾性部材の上方に上記第1床パネルの上面の面積より小さな面積の上面を有する第2床パネルが配置される第2工程と、を含む。
【0023】
本発明は、床施工方法として捉えることもできる。弾性部材は、建築現場以外の第1場所で梁に貼着されるから、建築現場における作業が容易になる。また、建築現場において、硬度の違う弾性部材を誤って使用することが防止される。
【0024】
(9) 好ましくは、上記第1弾性部材と上記第2弾性部材とは、色が異なるものであってもよい。
【0025】
第1弾性部材と第2弾性部材とは、その硬度の違いを色によって作業者に容易に認識させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る床構造物によれば、振動減衰等性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施形態に係る床構造物10の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る床構造物10の分解斜視図である。
図3図3は、図2の一部の拡大図である。
図4図4は、床梁14の平面図である。
図5図5は、図4におけるVA、VB、VC、及びVD断面図である。
図6図6は、弾性部材31〜34の硬度と床パネル40の重量との関係を示す表である。
図7図7は、床施工方法60の説明図である。
図8図8は、変形例2に係る床構造物10の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0029】
本実施形態の床構造物10が図1に示される。床構造物10は、例えば鉄筋コンクリート製の建築物の一部であって、一の階層(例えば3階)の床を構成する。
【0030】
床構造物10は、床梁14と、床梁14に載置された弾性部材31〜34と、弾性部材31〜34に載置された複数枚の床パネル40とを備える。
【0031】
床梁14は、図2、3に示されるように、複数本の梁20を有している。梁20は、例えばH形鋼である。図示例では、H形鋼である8本の梁21〜28が示されている。
【0032】
梁21〜28は、基礎に立てられた複数の柱(不図示)の上端に溶接などによって固着される。或いは、梁21〜28は、階下の床梁に立てられた柱(不図示)の上端に固着される。
【0033】
8本のうちの4本の梁21〜24により、長方形状の外枠が組まれている。具体的には、長尺の梁21と梁22とが水平面上において平行に配置され、短尺の梁23と梁24とが水平面上において平行に配置され、それぞれの端部同士が溶接されて、長方形状の外枠が組まれている。また、4本の梁21〜24の上面21A〜24Aは面一となっている。以下では、長尺の梁21、22の長手方向が第1方向11とされ、短尺の梁23、24の長手方向が第2方向12とされて説明がされる。第1方向11と第2方向12とは水平方向にそれぞれ沿い、かつ直交している。
【0034】
外枠の内側に4本の梁25〜28が配置されている。梁25は、短尺の梁23、24と同一の長さであり、梁23、24と平行に、かつ梁23と梁24との間における梁23寄りに配置されている。梁25の一端部は梁21に溶接され、他端部は梁22に溶接されている。梁25の上面25Aと、梁21〜24の上面21A〜24Aとは、面一である。梁25は、外枠の内側の領域を大小の2つの領域51、52に分割している。小さい方の領域51は、3本の梁26〜28により、更に4つの小領域53〜56に分割されている。具体的に説明する。3本の梁26〜28は、同一の長さであり、また、第1方向11における梁23と梁25との間の離間距離と同一の長さである。3本の梁26〜28は、長手方向を第1方向11に一致させて、かつ第2方向12において、ほぼ等間隔で配置されている。したがって、各小領域53〜56は、ほぼ同じ長方形状の領域である。第1方向11における梁26〜28の一端は、梁23に溶接され、他端は梁25に溶接されている。梁26〜28の上面26A〜28Aと、梁23、25の上面23A〜25Aとは、面一である。
【0035】
各領域52〜56は、面積及び重量の相違する床パネル41〜44をそれぞれ配置されている。図4を参照して詳しく説明する。なお、図4において、床パネル41〜44は、仮想線(二点鎖線)により示されている。
【0036】
第1床パネル41は大領域52に配置されている。図示例では、4枚の第1床パネル41が大領域52に配置されている。第1床パネル41は、第2方向12を長手方向とし、第1方向11を幅方向とし、上下方向13(図2)を厚み方向とする長方形の板状である。第2方向12における第1床パネル41の長さは、第2方向12における梁24の長さよりも若干長い。したがって、第1床パネル41は、梁21と梁22とに架け渡されることができる。第1床パネル41は、例えば、床スラブやALC(autoclaved lightweight aerated concrete)や、中空部に砂状の無機材が充填された中空押出セメント板である。以下で説明される床パネル42〜44も同様である。
【0037】
第1床パネル41は、定尺の床スラブ等をそのまま、或いは定尺の床スラブ等を切断加工して使用される。切断加工は、幅を若干狭くする加工、長さを若干短くする加工、及び隅部の加工などを含む。後述の床パネル42〜44においても同様である。図示例では、4枚の第1床パネル41は、同形状であるが、幅や長さや四隅の形状などにおいて若干の相違を有していてもよい。すなわち、ほぼ同じ面積である限りにおいて、第1床パネル41として扱われる。なお、「面積」とは、第1床パネル41の上面の面積を意味する。後述の床パネル42〜44についても同様である。
【0038】
第2床パネル42は小領域55に配置される。図示例では、1枚の第2床パネル42が小領域55に配置されている。第2床パネル42は、第1方向11を長手方向とし、第2方向12を幅方向とし、上下方向13を厚み方向とする長方形の板状である。第2方向12における第2床パネル42の長さは、梁23と梁25との間の離間距離よりも若干長い。したがって、第2床パネル42は、梁23と梁25とに架け渡されることができる。
【0039】
また、長手方向における第2床パネル42の長さは、長手方向における第1床パネル41の長さの約半分である。第2床パネル42の幅は、第1床パネル41の幅とほぼ同じである。したがって、第2床パネル42の面積は、第1床パネル41の面積の約半分である。また、第2床パネル42の厚みは、第1床パネル41の厚みとほぼ同じである。したがって、第2床パネル42の重量は、第1床パネル41の重量の約半分である。第2床パネル42の重量は、第2床パネル42が載置される第2弾性部材32の硬度を決める。詳しくは後述される。
【0040】
第3床パネル43は、小領域53、54、56に配置される。図示例では、2枚の第3床パネル43が小領域53に配置され、1枚の第3床パネル43が小領域54に配置され、2枚の第3床パネル43が小領域56に配置されている。
【0041】
第3床パネル43は、第1方向11における長さと第2方向12における長さが等しく上下方向13を厚み方向とする正方形の板状である。第3床パネル43の一辺の長さは、梁22と梁26との間の離間距離、梁26と梁27との間の離間距離、及び梁21と梁28との間の離間距離よりも若干長い。上述のように、梁22と梁26との間の離間距離、梁26と梁27との間の離間距離、及び梁21と梁28との間の離間距離は、同一である。したがって、第3床パネル43は、梁22と梁26とに、また梁26と梁27とに、また梁21と梁28とに架け渡されることができる。
【0042】
また、第3床パネル43の一辺の長さは、長手方向における第1床パネル41の長さの約1/4であり、かつ第3床パネル43の幅は、第1床パネル41の幅とほぼ同じである。したがって、第3床パネル43の面積は、第1床パネル41の面積の約1/4である。また、第3床パネル43の厚みは、第1床パネル41の厚みとほぼ同じである。したがって、第3床パネル43の重量は、第1床パネル41の重量の約1/4である。第3床パネル43の重量は、第3床パネル43が載置される第3弾性部材33の硬度を決める。詳しくは後述される。
【0043】
第4床パネル44は、小領域54に配置される。図示例では、2枚の第4床パネル44が小領域54に配置されている。第4床パネル44は、第2方向12を長手方向とし、第1方向11を幅方向とし、上下方向13を厚み方向とする長方形の板状である。第2方向12における第4床パネル44の長さは、梁26と梁27との間の離間距離より若干長い。したがって、第4床パネル44は、梁26と梁27とに架け渡されることができる。
【0044】
また、長手方向における第4床パネル44の長さは、第1床パネル41の長手方向における長さの約1/4である。第4床パネル44の幅は、第1床パネル41の幅の約半分である。したがって、第4床パネル44の面積は、第1床パネル41の面積の約1/8である。また、第4床パネル44の厚みは、第1床パネル41の厚みとほぼ同じである。したがって、第4床パネル44の重量は、第1床パネル41の重量の約1/8である。第4床パネル44の重量は、第4床パネル44が載置される第4弾性部材34の硬度を決める。詳しくは後述される。
【0045】
床パネル41〜44は、図5に示されるように、梁21〜28の上に配置された弾性部材31〜34に載置されている。以下、詳しく説明がされる。
【0046】
弾性部材31〜34は、全て同形状である。具体的には、弾性部材31〜34は、上面が長方形の板状である。すなわち、弾性部材31〜34は、床パネル40を支持する上面の面積がほぼ全て同じであり、かつ厚みも全て同じである。弾性部材31〜34は、例えば、ポリウレタンなどの合成樹脂製やゴム製である。
【0047】
第1弾性部材31は、第1床パネル41を載置される。第2弾性部材32は、第2床パネル42を載置される。第3弾性部材33は、第3床パネル43を載置される。第4弾性部材34は、第4床パネル44を載置される。
【0048】
第1弾性部材31は、図3、4に示されるように、梁21及び梁22における第1床パネル41が配置される部分(図の第1方向11における中央部及び右部)に配置され、両面テープや接着剤等によって、梁21、22の上面21A、22Aに貼着されている。詳しくは、第1弾性部材31は、長手方向に沿う下側の縁を上面21A、22Aにおける領域52側の縁に一致させて配置され、上面21A、22Aに貼着されている。
【0049】
また、第1弾性部材31は、長手方向(図における第2方向12)における第1床パネル41の各端部に対してそれぞれ2個ずつ(一対)貼着される。4枚の第1床パネル41が配置されるから、8個(4枚分×2個)の第1弾性部材31が梁21及び梁22にそれぞれ貼着されている。第1床パネル41は、第1方向11及び第2方向12に互いに離間する4個の第1弾性部材31に載置される。すなわち、第1床パネル41は、四隅(4点支持)において第1弾性部材31に支持される。
【0050】
なお、図示例では、2個の第1弾性部材31が第1方向11において隣接して配置されている場所があるが、隣接する2個の第1弾性部材31は、1個の連続した第1弾性部材とされてもよい。後述される弾性部材32〜34についても同様である。
【0051】
第2弾性部材32は、梁23及び梁25における第2床パネル42が配置される部分に配置され、両面テープや接着剤等によって梁23、25の上面23A、25Aに貼着されている。詳しくは、第2弾性部材32は、長手方向に沿う下側の縁を上面23A、25Aにおける小領域55側の縁に一致させて配置され、上面23A、25Aに貼着されている。
【0052】
また、第2弾性部材32は、第1方向11における第2床パネル42の各端部に対してそれぞれ2個ずつ(一対)貼着される。1枚の第2床パネル42が配置されるから、2個(1枚分×2個)の第3弾性部材33が梁23及び梁25にそれぞれ貼着されている。第2床パネル42は、第1方向11及び第2方向12に互いに離間する4個の第2弾性部材32に載置されている。すなわち、第2床パネル42は、四隅(4点支持)において第2弾性部材32に支持される。
【0053】
第3弾性部材33は、梁21、22、26、27、28における第3床パネル43が配置される場所に配置され、両面テープや接着剤等によって梁21、22、26、28の上面21A、22A、26A、28Aに貼着されている。詳しくは、第3弾性部材33は、長手方向に沿う下側の縁を上面21A、22A、26A、28Aにおける小領域53、54、56側の縁に一致させて配置され、上面21A、22A、26A、28Aに貼着されている。
【0054】
また、第3弾性部材33は、第2方向12における第3床パネル43の各端部に対してそれぞれ2個ずつ(一対)貼着されている。さらに詳しくは、2個(1枚分×2個)の第3弾性部材33が梁21に貼着され、4個(2枚分×2個)の第3弾性部材33が梁22に貼着され、6個(3枚分×2個)の第3弾性部材33が梁26に貼着され、2個(1枚分×2個)の第3弾性部材33が梁27に貼着され、2個(1枚分×2個)の第3弾性部材33が梁28に貼着されている。
【0055】
第3床パネル43は、第1方向11及び第2方向12に互いに離間する4個の第3弾性部材33に載置される。すなわち、第3床パネル43は、四隅(4点支持)において第3弾性部材33に支持される。
【0056】
第4弾性部材34は、梁26及び梁27における第4床パネル44が配置される部分に載置され、両面テープや接着剤等によって梁26、27の上面26A、27Aに貼着されている。詳しくは、第4弾性部材34は、長手方向に沿う下側の縁を上面26A、27Aにおける小領域54側の縁に一致させて配置され、上面26A、27Aに貼着されている。
【0057】
また、第4弾性部材34は、第1方向11における第4床パネル44の各端部に対してそれぞれ2個ずつ(一対)配置される。2枚の第4床パネル44が配置されるから、4個(2枚分×2個)の第4弾性部材34が梁26及び梁27にそれぞれ載置されている。第4床パネル44は、4個の第4弾性部材34に載置される。すなわち、第4床パネル44は、四隅(4点支持)において第4弾性部材34に確実に支持される。
【0058】
弾性部材31〜34の硬度について、以下、詳しく説明がされる。弾性部材31〜34の硬度は、例えば、ヤング率(縦弾性係数)や体積弾性率(体積弾性係数)によって定義される。
【0059】
弾性部材31〜34は、載置される床パネル40の重量に応じて硬度が変えられている。具体的には、図6に示されるように、一番重い第1床パネル41が載置される第1弾性部材31の硬度を「A」として、第2弾性部材32の硬度は「1/2A」とされている。上述されたように、第2弾性部材32が支持する第2床パネル42の重量は、第1床パネル41の重量の約半分である。第2弾性部材32の硬度は、第1弾性部材31の硬度に比例させて、「1/2A」とされている。すなわち、第1弾性部材31に対して半分の重量しか支持しない第2弾性部材32の硬度は、第1弾性部材31の硬度の1/2にされている。
【0060】
同様に、第1床パネル41の1/4の重量である第3床パネル43を支持する第3弾性部材33の硬度は、第1弾性部材31の硬度の1/4である「1/4A」とされている。また、第1床パネル41の1/8の重量である第4床パネル44を支持する第4弾性部材34の硬度は、第1弾性部材31の硬度の1/8である「1/8A」とされている。
【0061】
上述のように、第1弾性部材31の硬度(A)と第1床パネル41の面積(B)との比は、第2弾性部材32の硬度(1/2A)と第2床パネル42の面積(1/2B)との比と同じであり、また、第3弾性部材33の硬度(1/4A)と第3床パネル43の面積(1/4B)との比と同じであり、さらにまた、第4弾性部材34の硬度(1/8A)と第4床パネル44の面積(1/8B)との比と同じである。すなわち、弾性部材31〜34の硬度は、上述の比が同じになるように、支持する床パネル40の面積(重量)に応じて設定されている。
【0062】
弾性部材31〜34は、例えば、発砲率(密度)を変えることにより、或いは材質やグレード(材料の配分)を変えることにより、硬度を調整される。
【0063】
また、弾性部材31〜34は、硬度によって色分けされている。例えば、硬度が「A」である第1弾性部材31が赤色にされ、硬度が「1/2A」である第2弾性部材32が茶色にされ、硬度が「1/4A」である第3弾性部材33が緑色にされ、硬度が「1/8A」である第4弾性部材34が黒色にされる。
【0064】
[床施工方法]
以下では、床構造物10の施工方法である床施工方法60が説明される。図7に示されるように、床施工方法60は、第1工程61及び第2工程62を備える。
【0065】
第1工程61は、梁20が製造される工場や倉庫である第1場所において梁20に弾性部材31〜34を貼着する工程である。弾性部材31〜34は、建築物の設計仕様書に基づいて個々の梁20に貼着される。図4の例では、8個の第1弾性部材31、及び4個の第3弾性部材33が梁21及び梁22に貼着され、2個の第2弾性部材32が梁23及び梁25に貼着され、6個の第3弾性部材33、及び4個の第4弾性部材34が梁26に貼着され、2個の第3弾性部材33、及び4個の第4弾性部材34が梁27に貼着され、4個の第3弾性部材33が梁28に貼着されている。
【0066】
ここにおいて、弾性部材31〜34は、硬度によって色分けされている。例えば、第1弾性部材31は赤色であり、第2弾性部材32は茶色であり、第3弾性部材33は緑色であり、第4弾性部材34は黒色である。
【0067】
弾性部材31〜34が貼着された複数本の梁20及び床パネル41〜44が建築現場に運ばれる。
【0068】
第2工程62は、運ばれた梁20及び床パネル41〜44によって床構造物10(図1)が構築される工程である。
【0069】
詳しく説明すると、運ばれた複数本の梁20は、設計仕様書に従って組まれるとともに溶接され、床梁14を構築する(図2)。床梁14が構築された後、床パネル40が弾性部材31〜34に載置される(図4)。具体的には、第1床パネル41が第1弾性部材31に載置され、第2床パネル42が第2弾性部材32に載置され、第3床パネル43が第3弾性部材33に載置され、第4床パネル44が第4弾性部材34に載置される。床梁14、弾性部材31〜34、及び床パネル41〜44により、床構造物10が構築される。
【0070】
[作用効果]
本実施形態では、第1弾性部材31よりも硬度の小さな第2弾性部材32は、第1床パネル41よりも軽い第2床パネル42を支持する。したがって、第2弾性部材32は、許容値を超えて圧縮されるおそれが少なく、かつ、第2床パネル42の振動を効率良く減衰或いは低周波数化(以下、減衰等と記載)することができる。その結果、振動減衰等性能が高められる。
【0071】
また、弾性部材31〜34の形状が同一であるから、部品管理が容易である。また、弾性部材31〜34の形状が同一であるから、形状に合わせて弾性部材31〜34の取り付け向きなどを変える必要がなく、その結果、床構造物10の施工が容易になる。すなわち、本実施形態では、弾性部材31〜34の形状を同一にして硬度を変えることにより、床構造物10の施工性の維持と振動減衰等性能の向上とを実現している。
【0072】
また、弾性部材31〜34は、形状が同一であり、かつ硬度が相違するから、形状では弾性部材31〜34を識別できない。本実施形態では、弾性部材31〜34は、硬度によって色分けされている。したがって、作業者は、色によって弾性部材31〜34の硬度を識別することができる。すなわち、本実施形態では、弾性部材31〜34の形状を同一にして硬度を変えることにより、施工性と振動減衰等性能を向上させ、その結果生じた「識別が困難」という問題を、弾性部材31〜34を色分けすることにより解決している。
【0073】
また、弾性部材31〜34は、床パネル40の長手方向の両端部に配置されているから、床パネル40を確実に支持することができる。さらには、弾性部材31〜34は、床パネル40の四隅に配置されているから、床パネル40を確実に支持することができる。
【0074】
また、弾性部材31〜34の硬度は、弾性部材31〜34の硬度と床パネル40の面積との比が同じになるように、支持する床パネル40の面積(重量)に応じて設定されているから、弾性部材31〜34の硬度が適切な値になる。その結果、床構造物10の減衰等性能がより高められる。
【0075】
本実施形態の床施工方法60では、建築現場である第2場所以外の場所(第1場所)で弾性部材31〜34が梁20に貼着されるから、建築現場において、硬度の違う弾性部材31〜34が誤って使用されることがない。すなわち、本実施形態では、弾性部材31〜34の形状を同一にして硬度を変えることにより、施工性と振動減衰等性能を向上させ、その結果生じた「識別が困難」という問題を、弾性部材31〜34を工場や倉庫で梁20に貼着することにより解決している。
【0076】
また、本実施形態の床施工方法60では、弾性部材31〜34が硬度により色分けされている。したがって、例えば、工場や倉庫において作業者が弾性部材31〜34を梁20に貼着する際に、種類を誤って貼着したとしても、現場において、当該誤りを発見することができる。また、梁20の輸送途中で一部の弾性部材31〜34が誤って剥がれたとしても、建築現場において、作業者が弾性部材31〜34を貼着し直すことができる。すなわち、弾性部材31〜34が剥がれた梁20を再度工場などに輸送し直す必要がない。その結果、床構造物10の施工性が向上する。
【0077】
[実施形態の変形例1]
上述の実施形態では、床パネル40のサイズ(4サイズ)に応じて4種類の硬度の弾性部材31〜34を用いた例が説明された。しかしながら、施工や部品管理を容易にすることを目的として、弾性部材の硬度による種類が3種類に限定されてもよい。
【0078】
第1床パネル41よりも軽く第2床パネル42よりも重い床パネルに対しては、第1弾性部材31が用いられ、第2床パネル42よりも軽く第3床パネル43よりも重い床パネルに対しては、第2弾性部材32が用いられ、第3床パネル43よりも軽い床パネルに対しては、第3弾性部材33が用いられる。すなわち、厳密に対応する弾性部材31〜33がない床パネル40に対しては、1段階重い床パネル40と仮定して、弾性部材31〜33の硬度が決定される。例えば、上述の実施形態の場合、第4床パネル44は、第4弾性部材34の代わりに使用される第3弾性部材33によって支持される。
【0079】
[作用効果]
硬度による弾性部材31〜33の種類が3種類に限定されるから、施工が容易になり、また、部品管理が容易になる。
【0080】
また、厳密に対応する弾性部材31〜33がない床パネル40に対しては、1段階重い床パネル40と仮定して、弾性部材31〜33の硬度を決定するから、弾性部材31〜33が許容値以上に圧縮されてしまうことがない。
【0081】
[実施形態の変形例2]
本変形例2では、図8に示されるように、梁21が受け金具15を有する例が説明される。なお、以下で説明される構成以外の構成は、実施形態と同構成である。
【0082】
梁21は、図8の網掛けされた領域16に不図示の柱を配置される。すなわち、領域16には、弾性部材31〜34を配置することができない。受け金具15は、領域16の近傍に設けられ、弾性部材30Aを支持する。
【0083】
具体的に説明すると、受け金具15は、床梁14の内側となる側に配置され、溶接等によって、H形鋼である梁21の上側のフランジに固着されている。受け金具15は、例えば金属板である。受け金具15の上面は、梁21の上面と面一である。すなわち、受け金具15は、梁21〜28に載置される他の弾性部材30Bと同一高さで弾性部材30Aを支持する。したがって、全ての弾性部材30A、30Bは、同一高さとなる。なお、弾性部材30Aは受け金具15に配置される弾性部材であり、弾性部材30Bは梁20に配置される弾性部材である。
【0084】
受け金具15は、第1方向11において互いに離間する一対の弾性部材30Aを載置される。弾性部材30Aは、両面テープや接着剤等により受け金具15の上面に貼着される。なお、弾性部材30A、30Bの硬度は、上述の実施形態と同様に、載置される床パネル41〜44の硬度に合わせた硬度とされている。
【0085】
第2方向12における第1床パネル41Aの長さは、第1床パネル41Bの長さよりも若干短くされる。具体的には、柱と干渉しない程度に第1床パネル41Aの長さが短くされている。第1床パネル41Aは、例えば定尺の床スラブやALCを切断加工して短くされる。
【0086】
第1床パネル41Aは、2個の弾性部材30A及び2個の弾性部材30Bに載置される。すなわち、第1床パネル41Aは、四隅(4点支持)において弾性部材30A、30Bに支持される。
【0087】
同様に、第2方向12における第3床パネル43Aの長さは、第3床パネル43Bの長さよりも若干短くされる。具体的には、柱と干渉しない程度に第3床パネル43Aの長さが短くされる。第3床パネル43Aは、2個の弾性部材30A及び2個の弾性部材30Bに載置される。すなわち、第3床パネル43Aは、四隅(4点支持)において弾性部材30A、30Bに支持される。
【0088】
[作用効果]
本変形例2では、梁21に受け金具15が設けられているから、梁21に柱が設けられていても、床パネル41A、43Aを確実に支持することができる。
【0089】
[実施形態のその他の変形例]
上述の実施形態では、弾性部材31〜34が建設現場以外の第1場所において梁20に貼着された例が説明された。しかしながら、弾性部材31〜34は、建設現場で梁20や受け金具15に貼着されてもよい。
【0090】
また、上述の実施形態では、弾性部材31〜34は同形状である例が説明されたが、弾性部材31〜34は、上面の面積が同一であれば、形状(上面の形状)が相違していてもよい。
【符号の説明】
【0091】
10・・・床構造物
11・・・第1方向
12・・・第2方向
13・・・上下方向
14・・・床梁
20・・・梁
31・・・第1弾性部材
32・・・第2弾性部材
33・・・第3弾性部材
34・・・第4弾性部材
40・・・床パネル
41・・・第1床パネル
42・・・第2床パネル
43・・・第3床パネル
44・・・第4床パネル
60・・・床施工方法
61・・・第1工程
62・・・第2工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8