(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受付部は、第1の運転モード、前記第1の運転モードに比してエネルギー効率が高い第2の運転モード、または前記第1の運転モードに比して前記加減速または旋回に関する制限が緩やかな第3の運転モードの中から運転モードの選択操作を受け付ける、
請求項3記載の車両制御システム。
前記自動運転制御部は、前記自動運転において、前記自車両の前方を走行する他車両を追い抜く際の、前記自車両と前記他車両との相対速度、車間距離、および前記自車両の加速度のうち一部または全部を前記運転モードに基づいて変更する、
請求項1から6のうちいずれか1項記載の車両制御システム。
前記受付部は、前記手動運転から前記自動運転への移行の選択操作を受け付ける押下式入力部と、前記複数の運転モードの選択操作を受け付けるダイヤル式入力部と、を含む、
請求項8記載の車両制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラムの実施形態について説明する。
【0027】
図1は、各実施形態の車両制御システム100が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)の構成要素を示す図である。車両制御システム100が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の自動車であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とした自動車や、電動機を動力源とした電気自動車、内燃機関および電動機を兼ね備えたハイブリッド自動車等を含む。電気自動車は、例えば、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池により放電される電力を使用して駆動される。
【0028】
図1に示すように、自車両Mには、ファインダ20−1から20−7、レーダ30−1から30−6、およびカメラ40等のセンサと、ナビゲーション装置50と、車両制御システム100とが搭載される。
【0029】
ファインダ20−1から20−7は、例えば、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。例えば、ファインダ20−1は、フロントグリル等に取り付けられ、ファインダ20−2および20−3は、車体の側面やドアミラー、前照灯内部、側方灯付近等に取り付けられる。ファインダ20−4は、トランクリッド等に取り付けられ、ファインダ20−5および20−6は、車体の側面や尾灯内部等に取り付けられる。上述したファインダ20−1から20−6は、例えば、水平方向に関して150度程度の検出領域を有している。また、ファインダ20−7は、ルーフ等に取り付けられる。ファインダ20−7は、例えば、水平方向に関して360度の検出領域を有している。
【0030】
レーダ30−1および30−4は、例えば、奥行き方向の検出領域が他のレーダよりも広い長距離ミリ波レーダである。また、レーダ30−2、30−3、30−5、30−6は、レーダ30−1および30−4よりも奥行き方向の検出領域が狭い中距離ミリ波レーダである。
【0031】
以下、ファインダ20−1から20−7を特段区別しない場合は、単に「ファインダ20」と記載し、レーダ30−1から30−6を特段区別しない場合は、単に「レーダ30」と記載する。レーダ30は、例えば、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体を検出する。
【0032】
カメラ40は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ40は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ40は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの前方を撮像する。カメラ40は、複数のカメラを含むステレオカメラであってもよい。
【0033】
なお、
図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0034】
図2は、実施形態に係る車両制御システム100を中心とした機能構成図である。自車両Mには、ファインダ20、レーダ30、およびカメラ40などを含む検知デバイスDDと、ナビゲーション装置50と、通信装置55と、車両センサ60と、HMI(Human Machine Interface)70と、車両制御システム100と、走行駆動力出力装置200と、ステアリング装置210と、ブレーキ装置220とが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、特許請求の範囲における車両制御システムは、「車両制御システム100」のみを指しているのではなく、車両制御システム100以外の構成(検知デバイスDDやHMI70など)を含んでもよい。
【0035】
ナビゲーション装置50は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置50は、GNSS受信機によって自車両Mの位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置50により導出された経路は、車両制御システム100の目標車線決定部110に提供される。自車両Mの位置は、車両センサ60の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、車両制御システム100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、自車両Mの位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置50とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と車両制御システム100との間で、無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。
【0036】
通信装置55は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用した無線通信を行う。
【0037】
車両センサ60は、車速を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0038】
図3は、HMI70の構成図である。HMI70は、例えば、運転操作系の構成と、非運転操作系の構成とを備える。これらの境界は明確なものでは無く、運転操作系の構成が非運転操作系の機能を備えること(或いはその逆)があってもよい。
【0039】
HMI70は、運転操作系の構成として、例えば、アクセルペダル71、アクセル開度センサ72およびアクセルペダル反力出力装置73と、ブレーキペダル74およびブレーキ踏量センサ(或いはマスター圧センサなど)75と、シフトレバー76およびシフト位置センサ77と、ステアリングホイール78、ステアリング操舵角センサ79およびステアリングトルクセンサ80と、その他運転操作デバイス81とを含む。
【0040】
アクセルペダル71は、車両乗員による加速指示(或いは戻し操作による減速指示)を受け付けるための操作子である。アクセル開度センサ72は、アクセルペダル71の踏み込み量を検出し、踏み込み量を示すアクセル開度信号を車両制御システム100に出力する。なお、車両制御システム100に出力するのに代えて、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、またはブレーキ装置220に直接出力することがあってもよい。以下に説明する他の運転操作系の構成についても同様である。アクセルペダル反力出力装置73は、例えば車両制御システム100からの指示に応じて、アクセルペダル71に対して操作方向と反対向きの力(操作反力)を出力する。
【0041】
ブレーキペダル74は、車両乗員による減速指示を受け付けるための操作子である。ブレーキ踏量センサ75は、ブレーキペダル74の踏み込み量(或いは踏み込み力)を検出し、検出結果を示すブレーキ信号を車両制御システム100に出力する。
【0042】
シフトレバー76は、車両乗員によるシフト段の変更指示を受け付けるための操作子である。シフト位置センサ77は、車両乗員により指示されたシフト段を検出し、検出結果を示すシフト位置信号を車両制御システム100に出力する。
【0043】
ステアリングホイール78は、車両乗員による旋回指示を受け付けるための操作子である。ステアリング操舵角センサ79は、ステアリングホイール78の操作角を検出し、検出結果を示すステアリング操舵角信号を車両制御システム100に出力する。ステアリングトルクセンサ80は、ステアリングホイール78に加えられたトルクを検出し、検出結果を示すステアリングトルク信号を車両制御システム100に出力する。
【0044】
その他運転操作デバイス81は、例えば、イグニッションをオン状態またはオフ状態に制御するイグニッションスイッチ、ジョイスティック、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチなどである。その他運転操作デバイス81は、加速指示、減速指示、旋回指示などを受け付け、車両制御システム100に出力する。
【0045】
HMI70は、非運転操作系の構成として、例えば、表示装置82、スピーカ83、接触操作検出装置84およびコンテンツ再生装置85と、各種操作スイッチ86と、シート88およびシート駆動装置89と、ウインドウガラス90およびウインドウ駆動装置91と、車室内カメラ95とを含む。
【0046】
表示装置82は、例えば、インストルメントパネルの各部、助手席や後部座席に対向する任意の箇所などに取り付けられる、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。また、表示装置82は、フロントウインドシールドやその他のウインドウに画像を投影するHUD(Head Up Display)であってもよい。スピーカ83は、音声を出力する。接触操作検出装置84は、表示装置82がタッチパネルである場合に、表示装置82の表示画面における接触位置(タッチ位置)を検出して、車両制御システム100に出力する。なお、表示装置82がタッチパネルでない場合、接触操作検出装置84は省略されてよい。
【0047】
コンテンツ再生装置85は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)再生装置、CD(Compact Disc)再生装置、テレビジョン受信機、各種案内画像の生成装置などを含む。表示装置82、スピーカ83、接触操作検出装置84およびコンテンツ再生装置85は、一部または全部がナビゲーション装置50と共通する構成であってもよい。
【0048】
各種操作スイッチ86は、車室内の任意の箇所に配置される。各種操作スイッチ86には、自動運転の開始(或いは将来の開始)および停止を指示する切替スイッチ87を含む。切替スイッチ87は、GUI(Graphical User Interface)スイッチ、機械式スイッチのいずれであってもよい。切替スイッチ87の詳細については後述する。また、各種操作スイッチ86は、シート駆動装置89やウインドウ駆動装置91を駆動するためのスイッチ、後述する車両乗員を登録するための登録スイッチなどを含んでもよい。
【0049】
シート88は、車両乗員が着座するシートである。シート駆動装置89は、シート88のリクライニング角、前後方向位置、ヨー角などを自在に駆動する。ウインドウガラス90は、例えば各ドアに設けられる。ウインドウ駆動装置91は、ウインドウガラス90を開閉駆動する。
【0050】
車室内カメラ95は、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。車室内カメラ95は、バックミラーやステアリングボス部、インストルメントパネルなど、運転操作を行う車両乗員の少なくとも頭部を撮像可能な位置に取り付けられる。カメラ40は、例えば、周期的に繰り返し車両乗員を撮像する。
【0051】
車両制御システム100の説明に先立って、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220について説明する。
【0052】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、自車両Mが内燃機関を動力源とした自動車である場合、エンジン、変速機、およびエンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)を備え、自車両Mが電動機を動力源とした電気自動車である場合、走行用モータおよび走行用モータを制御するモータECUを備え、自車両Mがハイブリッド自動車である場合、エンジン、変速機、およびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUとを備える。走行駆動力出力装置200がエンジンのみを含む場合、エンジンECUは、後述する走行制御部160から入力される情報に従って、エンジンのスロットル開度やシフト段等を調整する。走行駆動力出力装置200が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部160から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整する。走行駆動力出力装置200がエンジンおよび走行用モータを含む場合、エンジンECUおよびモータECUは、走行制御部160から入力される情報に従って、互いに協調して走行駆動力を制御する。
【0053】
ステアリング装置210は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、車両制御システム100から入力される情報、或いは入力されるステアリング操舵角またはステアリングトルクの情報に従って電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0054】
ブレーキ装置220は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備える電動サーボブレーキ装置である。電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部160から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置220は、上記説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する。また、ブレーキ装置220は、走行駆動力出力装置200に含まれ得る走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。
【0055】
[車両制御システム]
以下、車両制御システム100について説明する。車両制御システム100は、例えば、一以上のプロセッサまたは同等の機能を有するハードウェアにより実現される。車両制御システム100は、CPUなどのプロセッサ、記憶装置、および通信インターフェースが内部バスによって接続されたECU(Electronic Control Unit)、或いはMPU(Micro-Processing Unit)などが組み合わされた構成であってよい。
【0056】
図2に戻り、車両制御システム100は、例えば、目標車線決定部110と、自動運転制御部120と、走行制御部160と、HMI制御部170と、解析判定部172と、学習部(処理部)174と、記憶部180とを備える。自動運転制御部120は、例えば、運転モード制御部130と、自車位置認識部140と、外界認識部142と、行動計画生成部144と、軌道生成部146と、切替制御部150とを備える。目標車線決定部110、自動運転制御部120の各部、走行制御部160、HMI制御部170、解析判定部172、および学習部174のうち一部または全部は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0057】
図4は、記憶部180に記憶される情報の一例を示す図である。記憶部180には、例えば、高精度地図情報182、目標車線情報184、行動計画情報186、モード別操作可否情報188、走行制御モード特性情報190、人物情報192、乗員ごと車両挙動情報194、乗員ごと走行制御モード特性情報196、走行制御モード選択履歴情報198、道路ごと走行制御モード特性情報199などの情報が格納される。記憶部180は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部180に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、そのプログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部180にインストールされてもよい。また、車両制御システム100は、複数のコンピュータ装置によって分散化されたものであってもよい。
【0058】
目標車線決定部110は、例えば、MPUにより実現される。目標車線決定部110は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、高精度地図情報182を参照してブロックごとに目標車線を決定する。目標車線決定部110は、例えば、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。目標車線決定部110は、例えば、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、目標車線を決定する。目標車線決定部110により決定された目標車線は、目標車線情報184として記憶部180に記憶される。
【0059】
高精度地図情報182は、ナビゲーション装置50が有するナビ地図よりも高精度な地図情報である。高精度地図情報182は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、高精度地図情報182には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞等によって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
【0060】
なお、走行制御モード特性情報190、人物情報192、乗員ごと車両挙動情報194、乗員ごと走行制御モード特性情報196、走行制御モード選択履歴情報198、および道路ごと走行制御モード特性情報199の詳細については後述する。
【0061】
運転モード制御部130は、自動運転制御部120が実施する運転モードを決定する。本実施形態における運転モードには、以下に示す自動運転の度合が異なる自動運転モードと、後述する加減速または旋回に関する制御特性を表す走行制御モードとが含まれる。なお、以下に示す自動運転モードはあくまで一例であり、自動運転モードの数や種類は任意に決定されてよい。
[モードA]
モードAは、最も自動運転の度合が高いモードである。モードAが実施されている場合、複雑な合流制御など、全ての車両制御が自動的に行われるため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視する必要が無い。
[モードB]
モードBは、モードAの次に自動運転の度合が高いモードである。モードBが実施されている場合、原則として全ての車両制御が自動的に行われるが、場面に応じて自車両Mの運転操作が車両乗員に委ねられる。このため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視している必要がある。
[モードC]
モードCは、モードBの次に自動運転の度合が高いモードである。モードCが実施されている場合、車両乗員は、場面に応じた確認操作をHMI70に対して行う必要がある。モードCでは、例えば、車線変更のタイミングが車両乗員に通知され、車両乗員がHMI70に対して車線変更を指示する操作を行った場合に、自動的な車線変更が行われる。このため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視している必要がある。
【0062】
自動運転と手動運転との間の遷移、および走行制御モード間の遷移は、例えば、車両乗員の切替スイッチ87に対する選択操作によって実行される。
【0063】
運転モード制御部130は、HMI70に対する車両乗員の操作、行動計画生成部144により決定されたイベント、軌道生成部146により決定された走行態様などに基づいて、自動運転モードを決定する。自動運転モードは、HMI制御部170に通知される。また、自動運転モードには、自車両Mの検知デバイスDDの性能等に応じた限界が設定されてもよい。例えば、検知デバイスDDの性能が低い場合には、モードAは実施されないものとしてよい。いずれのモードにおいても、HMI70における運転操作系の構成に対する操作によって、手動運転モードに切り替えること(オーバーライド)は可能である。
【0064】
一方、走行制御モードには、エコモード(第2の運転モード)、ノーマルモード(第1の運転モード)、スポーツモード(第3の運転モード)が含まれる。手動運転時において、エコモード、ノーマルモード、スポーツモードの順にエネルギー効率が高くなるように制御され、スポーツモード、ノーマルモード、エコモードの順に自車両Mの挙動に対する許容幅が広く設定される。なお、ノーマルモードとエコモードにおける挙動に対する許容幅は、上記の逆であってもよい。走行制御モードの設定の詳細については後述する。自動運転モードと、走行制御モードとは、それぞれ別個に設定される。この結果、モードA、且つスポーツモードといった設定がなされる。
【0065】
自動運転制御部120の自車位置認識部140は、記憶部180に格納された高精度地図情報182と、ファインダ20、レーダ30、カメラ40、ナビゲーション装置50、または車両センサ60から入力される情報とに基づいて、自車両Mが走行している車線(走行車線)、および、走行車線に対する自車両Mの相対位置を認識する。
【0066】
自車位置認識部140は、例えば、高精度地図情報182から認識される道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ40によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。
【0067】
図5は、自車位置認識部140により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。自車位置認識部140は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する自車両Mの相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部140は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部140により認識される自車両Mの相対位置は、目標車線決定部110に提供される。
【0068】
外界認識部142は、ファインダ20、レーダ30、カメラ40等から入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両とは、例えば、自車両Mの周辺を走行する車両であって、自車両Mと同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、他車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、他車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて把握される、周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部142は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
【0069】
行動計画生成部144は、自動運転のスタート地点、および/または自動運転の目的地を設定する。自動運転のスタート地点は、自車両Mの現在位置であってもよいし、自動運転を指示する操作がなされた地点でもよい。行動計画生成部144は、そのスタート地点と自動運転の目的地との間の区間において、行動計画を生成する。なお、これに限らず、行動計画生成部144は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
【0070】
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両Mを減速させる減速イベントや、自車両Mを加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、自車両Mに前走車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において自車両Mを加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント、自動運転の開始地点で手動運転モードから自動運転モードに移行させたり、自動運転の終了予定地点で自動運転モードから手動運転モードに移行させたりするハンドオーバイベント等が含まれる。行動計画生成部144は、目標車線決定部110により決定された目標車線が切り替わる箇所において、車線変更イベント、分岐イベント、または合流イベントを設定する。行動計画生成部144によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報186として記憶部180に格納される。
【0071】
図6は、ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。図示するように、行動計画生成部144は、目標車線情報184が示す目標車線上を自車両Mが走行するために必要な行動計画を生成する。なお、行動計画生成部144は、自車両Mの状況変化に応じて、目標車線情報184に拘わらず、動的に行動計画を変更してもよい。例えば、行動計画生成部144は、車両走行中に外界認識部142によって認識された周辺車両の速度が閾値を超えたり、自車線に隣接する車線を走行する周辺車両の移動方向が自車線方向に向いたりした場合に、自車両Mが走行予定の運転区間に設定されたイベントを変更する。例えば、レーンキープイベントの後に車線変更イベントが実行されるようにイベントが設定されている場合において、外界認識部142の認識結果によって当該レーンキープイベント中に車線変更先の車線後方から車両が閾値以上の速度で進行してきたことが判明した場合、行動計画生成部144は、レーンキープイベントの次のイベントを、車線変更イベントから減速イベントやレーンキープイベント等に変更してよい。この結果、車両制御システム100は、外界の状態に変化が生じた場合においても、安全に自車両Mを自動走行させることができる。
【0072】
図7は、軌道生成部146の構成の一例を示す図である。軌道生成部146は、例えば、走行態様決定部146Aと、軌道候補生成部146Bと、評価・選択部146Cとを備える。
【0073】
走行態様決定部146Aは、例えば、レーンキープイベントを実施する際に、定速走行、追従走行、低速追従走行、減速走行、カーブ走行、障害物回避走行などのうちいずれかの走行態様を決定する。この場合、走行態様決定部146Aは、自車両Mの前方に他車両が存在しない場合に、走行態様を定速走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、前走車両に対して追従走行するような場合に、走行態様を追従走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、渋滞場面などにおいて、走行態様を低速追従走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により前走車両の減速が認識された場合や、停車や駐車などのイベントを実施する場合に、走行態様を減速走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により自車両Mがカーブ路に差し掛かったことが認識された場合に、走行態様をカーブ走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により自車両Mの前方に障害物が認識された場合に、走行態様を障害物回避走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、車線変更イベント、追い越しイベント、分岐イベント、合流イベント、ハンドオーバイベントなどを実施する場合に、それぞれのイベントに応じた走行態様を決定する。
【0074】
軌道候補生成部146Bは、走行態様決定部146Aにより決定された走行態様に基づいて、軌道の候補を生成する。
図8は、軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補の一例を示す図である。
図7は、自車両Mが車線L1から車線L2に車線変更する場合に生成される軌道の候補を示している。
【0075】
軌道候補生成部146Bは、
図8に示すような軌道を、例えば、将来の所定時間ごとに、自車両Mの基準位置(例えば重心や後輪軸中心)が到達すべき目標位置(軌道点K)の集まりとして決定する。
図9は、軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補を軌道点Kで表現した図である。軌道点Kの間隔が広いほど、自車両Mの速度は速くなり、軌道点Kの間隔が狭いほど、自車両Mの速度は遅くなる。従って、軌道候補生成部146Bは、加速したい場合には軌道点Kの間隔を徐々に広くし、減速したい場合は軌道点の間隔を徐々に狭くする。
【0076】
このように、軌道点Kは速度成分を含むものであるため、軌道候補生成部146Bは、軌道点Kのそれぞれに対して目標速度を与える必要がある。目標速度は、走行態様決定部146Aにより決定された走行態様に応じて決定される。
【0077】
ここで、車線変更(分岐を含む)を行う場合の目標速度の決定手法について説明する。軌道候補生成部146Bは、まず、車線変更ターゲット位置(或いは合流ターゲット位置)を設定する。車線変更ターゲット位置は、周辺車両との相対位置として設定されるものであり、「どの周辺車両の間に車線変更するか」を決定するものである。軌道候補生成部146Bは、車線変更ターゲット位置を基準として3台の周辺車両に着目し、車線変更を行う場合の目標速度を決定する。
図10は、車線変更ターゲット位置TAを示す図である。図中、L1は自車線を表し、L2は隣接車線を表している。ここで、自車両Mと同じ車線で、自車両Mの直前を走行する周辺車両を前走車両mA、車線変更ターゲット位置TAの直前を走行する周辺車両を前方基準車両mB、車線変更ターゲット位置TAの直後を走行する周辺車両を後方基準車両mCと定義する。自車両Mは、車線変更ターゲット位置TAの側方まで移動するために加減速を行う必要があるが、この際に前走車両mAに追いついてしまうことを回避しなければならない。このため、軌道候補生成部146Bは、3台の周辺車両の将来の状態を予測し、各周辺車両と干渉しないように目標速度を決定する。
【0078】
図11は、3台の周辺車両の速度を一定と仮定した場合の速度生成モデルを示す図である。図中、mA、mBおよびmCから延出する直線は、それぞれの周辺車両が定速走行したと仮定した場合の進行方向における変位を示している。自車両Mは、車線変更が完了するポイントCPにおいて、前方基準車両mBと後方基準車両mCとの間にあり、且つ、それ以前において前走車両mAよりも後ろにいなければならない。このような制約の下、軌道候補生成部146Bは、車線変更が完了するまでの目標速度の時系列パターンを、複数導出する。そして、目標速度の時系列パターンをスプライン曲線等のモデルに適用することで、
図9に示すような軌道の候補を複数導出する。なお、3台の周辺車両の運動パターンは、
図11に示すような定速度に限らず、定加速度、定ジャーク(躍度)を前提として予測されてもよい。
【0079】
評価・選択部146Cは、軌道候補生成部146Bにより生成された軌道の候補に対して、例えば、計画性と安全性の二つの観点で評価を行い、走行制御部160に出力する軌道を選択する。計画性の観点からは、例えば、既に生成されたプラン(例えば行動計画)に対する追従性が高く、軌道の全長が短い場合に軌道が高く評価される。例えば、右方向に車線変更することが望まれる場合に、一旦左方向に車線変更して戻るといった軌道は、低い評価となる。安全性の観点からは、例えば、それぞれの軌道点において、自車両Mと物体(周辺車両等)との距離が遠く、加減速度や操舵角の変化量などが小さいほど高く評価される。
【0080】
切替制御部150は、切替スイッチ87から入力される信号に基づいて自動運転モードと手動運転モードとを相互に切り替える。また、切替制御部150は、HMI70における運転操作系の構成に対する加速、減速または操舵を指示する操作に基づいて、自動運転モードから手動運転モードに切り替える。例えば、切替制御部150は、HMI70における運転操作系の構成から入力された信号の示す操作量が閾値を超えた状態が、基準時間以上継続した場合に、自動運転モードから手動運転モードに切り替える(オーバーライド)。また、切替制御部150は、オーバーライドによる手動運転モードへの切り替えの後、所定時間の間、HMI70における運転操作系の構成に対する操作が検出されなかった場合に、自動運転モードに復帰させてもよい。
【0081】
走行制御部160は、自動運転が実施される場合、軌道生成部146によって生成された軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220を制御する。
【0082】
走行制御部160は、手動運転モードが設定されている(手動運転が実施される)場合、切替スイッチ87から入力される信号、記憶部180に記憶された走行制御モード特性情報190等に基づいて、走行制御モードを設定する。走行制御部160は、設定した走行制御モードに基づいて走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220を制御する。
【0083】
HMI制御部170は、自動運転制御部120により自動運転モードの情報が通知されると、モード別操作可否情報188を参照して、自動運転モードの種別に応じてHMI70を制御する。
【0084】
解析判定部172は、車室内カメラ95により撮像された画像を解析する。また、解析判定部172は、解析結果に基づいて、車室内カメラ95により撮像された人物と、記憶部180に記憶された人物情報192に対応する人物とが同一人物であるか否かを判定する。
【0085】
学習部174は、自動運転制御部120や、走行制御部160等から取得された情報に対して所定の処理を行う。学習部174は、処理結果を記憶部180に記憶させる。学習部174の処理の詳細については後述する。
【0086】
図12は、モード別操作可否情報188の一例を示す図である。
図12に示すモード別操作可否情報188は、運転モードの項目として「手動運転モード」、「自動運転モード」とを有する。また、「自動運転モード」として、上述した「モードA」、「モードB」、および「モードC」等を有する。また、モード別操作可否情報188は、非運転操作系の項目として、ナビゲーション装置50に対する操作である「ナビゲーション操作」、コンテンツ再生装置85に対する操作である「コンテンツ再生操作」、表示装置82に対する操作である「インストルメントパネル操作」等を有する。
図12に示すモード別操作可否情報188の例では、上述した運転モードごとに非運転操作系に対する車両乗員の操作の可否が設定されているが、対象のインターフェース装置は、これに限定されるものではない。
【0087】
HMI制御部170は、自動運転制御部120から取得したモードの情報に基づいてモード別操作可否情報188を参照することで、使用が許可される装置(ナビゲーション装置50およびHMI70の一部または全部)と、使用が許可されない装置とを判定する。また、HMI制御部170は、判定結果に基づいて、非運転操作系のHMI70、またはナビゲーション装置50に対する車両乗員からの操作の受け付けの可否を制御する。
【0088】
例えば、車両制御システム100が実行する運転モードが手動運転モードの場合、車両乗員は、HMI70の運転操作系(例えば、アクセルペダル71、ブレーキペダル74、シフトレバー76、およびステアリングホイール78等)を操作する。また、車両制御システム100が実行する運転モードが自動運転モードのモードB、モードC等である場合、車両乗員には、自車両Mの周辺監視義務が生じる。このような場合、車両乗員の運転以外の行動(例えばHMI70の操作等)により注意が散漫になること(ドライバーディストラクション)を防止するため、HMI制御部170は、HMI70の非運転操作系の一部または全部に対する操作を受け付けないように制御を行う。この際、HMI制御部170は、自車両Mの周辺監視を行わせるために、外界認識部142により認識された自車両Mの周辺車両の存在やその周辺車両の状態を、表示装置82に画像などで表示させると共に、自車両Mの走行時の場面に応じた確認操作をHMI70に受け付けさせてよい。
【0089】
また、HMI制御部170は、運転モードが自動運転モードのモードAである場合、ドライバーディストラクションの規制を緩和し、操作を受け付けていなかった非運転操作系に対する車両乗員の操作を受け付ける制御を行う。例えば、HMI制御部170は、表示装置82に映像を表示させたり、スピーカ83に音声を出力させたり、コンテンツ再生装置85にDVDなどからコンテンツを再生させたりする。なお、コンテンツ再生装置85が再生するコンテンツには、DVDなどに格納されたコンテンツの他、例えば、テレビ番組等の娯楽、エンターテイメントに関する各種コンテンツが含まれてよい。また、
図12に示す「コンテンツ再生操作」は、このような娯楽、エンターテイメントに関するコンテンツ操作を意味するものであってよい。
【0090】
[切替スイッチの機能]
切替スイッチ87は、例えば、ステアリングホイールSが配置された運転席と助手席の間に設けられたセンターコンソールCに設けられる。
図13は、センターコンソールCに切替スイッチ87が配置された一例を示す図である。なお、切替スイッチ87は、ステアリングホイールSのスポーク部やインストルメントパネル付近など、車両乗員が操作可能な任意の位置に取り付けられてもよい。
【0091】
図14は、切替スイッチ87の外観の一例を示す図である。本実施形態では、切替スイッチ87は、機械式スイッチであるものとして説明する。切替スイッチ87は、自動運転スイッチ部Aと、ダイヤル式スイッチ部Bと、これらのスイッチ部を摺動または回動可能に支持するハウジングHとを含む。
【0092】
自動運転スイッチ部Aは、押下式のスイッチである。自動運転スイッチ部Aのスイッチは、例えば切替スイッチ87の中心付近に設けられる。車両乗員によって、自動運転スイッチ部Aに対する押下操作が行われると、図示しない押下操作検知機構によって押下操作がされたことが検知される。このとき、自動運転スイッチ部Aは、自動運転スイッチ部Aが押下されたことを示す信号を自動運転制御部120に出力する。
【0093】
ダイヤル式スイッチBは、例えば、自動運転スイッチ部Aを取り囲む円筒状の回動ノブB1を有する。回動ノブB1は、X方向に沿った中心軸回りに回動自在である。また、回転ノブB1には、複数の走行制御モードを示す表示意匠が設けられている。図示する例では、エコモード(ECO)、ノーマルモード(NORMAL)、スポーツモード(SPORT)が、回転ノブB1の円周に沿って表示意匠として設けられている。また、ハウジングHの所定の位置には、基準位置Pが表示されている。
【0094】
ダイヤル式スイッチBは、回転ノブB1の回転角度を検知するエンコーダを有する。ダイヤル式スイッチBは、エンコーダによって検知された回転角度を示す信号、或いは回転角度を、走行制御モードを示すモードに変換した信号を、車両制御システム100に出力する。これにより、車両乗員によって回転ノブB1が操作され、所望の表示意匠が基準位置Pの位置に合わせられると、その表示意匠に対応する走行制御モードが車両制御システム100によって実行される。
【0095】
図15は、切替スイッチ87が操作されることによって実現される制御状態を示す図である。上述したように車両制御システム100では、手動運転または自動運転のそれぞれに対し、エコモード、ノーマルモード、またはスポーツモードのいずれかを組み合わせた制御モードの組み合わせが実現される。
【0096】
手動運転モードにおいて回転ノブB1が回転されることによって「エコ/手動運転」と「ノーマル/手動運転」との間での遷移、「ノーマル/手動運転」と「スポーツ/手動運転」との間での遷移が実現される。
【0097】
自動運転モードにおいて回転ノブB1が回転されることによって「エコ/自動運転」と「ノーマル/自動運転」との間での遷移、「ノーマル/自動運転」と「スポーツ/自動運転」との間での遷移が実現される。また、自動運転スイッチ部Aに対する押下操作がされることによって、手動運転と自動運転との間での遷移が実現される。この場合、手動運転時に設定されている走行制御モード(エコ、ノーマル、またはスポーツ)が、自動運転に切り替えられた後にも引き継がれてよい。また、自動運転時に設定されている走行制御モード(エコ、ノーマル、またはスポーツ)が、手動運転に切り替えられた後にも引き継がれてよい。あるいは、自動運転と手動運転との間での切り替えが行われると、自動的にノーマルモードに遷移するようにしてもよい(その場合、アクチュエータによって回転ノブB1を回転させ、ノーマルモードの位置に戻してよい)。
【0098】
エコモード、ノーマルモード、スポーツモード、自動運転、または手動運転の切り替えは、GUI画面に対する車両乗員によるタッチ操作や、フリック操作が行われることで実行されてもよい。この場合、表示装置82がタッチパネルである場合に、走行制御モードや自動運転、手動運転に切り替えるGUIスイッチが表示装置82に表示される。GUIスイッチは、
図14と同様の外観の画像であってもよいし、異なる外観の画像であってもよい。
【0099】
[走行制御モード]
以下、各走行制御モードの特性について説明する。
各走行制御モードは、走行制御モード特性情報190として記憶部180に記憶されている。各走行制御モードは、加減速または旋回に関する制御特性の異なるモードである。
図16は、走行制御モード特性情報190の一例を示す図である。なお、以下はあくまで一例であり、走行制御モードの数や種類は任意に決定されてよい。
【0100】
「エコ/自動運転」は、例えば自車両Mの走行において、エネルギー効率を「ノーマル/自動運転」に比して高くするモードである。「エコ/自動運転」は、例えば自車両Mの挙動に対する許容幅が最も制限されるモードである。エネルギー効率が高いとは、自車両Mを所定距離走行させる場合に消費されるガソリンや電力等のエネルギー量が小さいことである。「エコ/自動運転」では、例えばエネルギー効率を高めるため、急加速が抑制されたり、なるべく高いシフト位置に設定されたりする。これにより結果的に、自車両Mの挙動に対する許容幅は小さくなる。
【0101】
自動運転が実施されている場合において、自動的に自車両Mは他車両を追い抜く場合がある。例えば「エコ/自動運転」では、自車両Mと他車両(自車両Mの前方を走行する車両)との相対速度が第1の相対速度(例えば40km/h)以上である場合、自車両Mは、他車両を追い抜くように制御される。また、「エコ/自動運転」では、自車両Mの加速度が閾値Th1(a)以下、且つ自車両Mと他車両との車間距離が閾値Th1(b)以上に制御される。また、「エコ/自動運転」の旋回の度合の許容幅は、他の走行制御モードの旋回の度合の許容幅に比して制限されてもよい。
【0102】
「ノーマル/自動運転」は、例えば自車両Mの走行において、エネルギー効率を「エコ/自動運転」に比して低くするモードである。「ノーマル/自動運転」は、例えば自車両Mの挙動に対する許容幅が「スポーツ/自動運転」に比して制限されるモードである。
【0103】
例えば「ノーマル/自動運転」では、自車両Mと他車両との相対速度が第2の相対速度(例えば20km/h)以上である場合、自車両Mは、他車両を追い抜くように制御される。また、「ノーマル/自動運転」では、自車両Mの加速度が閾値Th2(a)以下、且つ自車両Mと他車両との車間距離が閾値Th2(b)以上に制御される。閾値Th2(a)は、閾値Th1(a)に比して大きい値である。閾値Th2(b)は、閾値Th1(b)に比して小さい値である。また、「ノーマル/自動運転」の旋回の度合の許容幅は、「スポーツ/自動運転」の旋回の度合の許容幅に比して制限されてもよい。
【0104】
「スポーツ/自動運転」は、例えば自車両Mの走行において、エネルギー効率を「ノーマル/自動運転」に比して低くするモードである。「スポーツ/自動運転」は、例えば自車両Mの挙動に対する許容幅が「ノーマル/自動運転」に比して広いモードである。
【0105】
例えば「スポーツ/自動運転」では、自車両Mと他車両との相対速度が第3の相対速度(例えば10km/h)以上である場合、自車両Mは、他車両を追い抜くように制御される。また、「スポーツ/自動運転」では、自車両Mの加速度が、閾値Th3(a)以下、且つ自車両Mと他車両との車間距離が、閾値Th3(b)以上に制御される。閾値Th3(a)は、閾値Th2(a)に比して大きい値である。閾値Th3(b)は、閾値Th2(b)に比して小さい値である。
【0106】
また、相対速度、加速度、または車間距離のうち、1つまたは複数の閾値は、走行制御モードが異なっていても同様であってよい。例えば車間距離に対する閾値は、各走行制御モードにおいて同一であってもよい。
【0107】
上述したように車両乗員は、切替スイッチ87を操作することによって、走行制御モードを容易に変更することができる。この結果、加減速または旋回に関する制御特性に対する利用者の好みを自動運転に反映させることができる。
【0108】
また、走行制御モードにおける加減速または旋回に関する制御特性は、場面ごとに設定されてもよい。場面ごととは、例えば追い抜きをする場面、自車両Mが直進する場面、車線変更する場面、カーブ走行する場面、高速道路を走行する場面、一般道路を走行する場面等である。例えば走行制御モードの制御特性である加速度に対する制限(許容幅)は、自車両Mが前方を走行する車両を追い抜く際に適用される制限であって、他の場面においては適用されない制限であってもよい。
【0109】
また、例えば走行制御モードの制御特性は、加速度や車間距離、相対速度に加えて、または代えて減速度合や動力源の制御量に対する制限、CVT(Continuously Variable Transmission)のレシオに対する制限等であってもよい。また、制御特性として、自車両Mに搭載されたエアコンディショナーの制御量が設定されてもよいし、自車両Mが停止した場合のアイドリングストップのタイミング等が設定されてもよい。例えば走行制御モードが「エコ/自動運転」である場合の制御特性は、他の走行制御モードに比してエネルギー効率を高くする傾向に制限される。例えばエアコンディショナーの制御量は他の走行制御モードに比して低くする傾向で制御され、アイドリングストップは他の走行制御モードに比して積極的に実行されように制御される。
【0110】
[表示装置に表示される画像]
図17は、表示装置82に表示されるインターフェース画像IMの一例を示す図である。インターフェース画像IMには、例えば現在の走行制御モードを示す領域A1、走行制御モードに対応する許容幅を示す領域A2、許容幅の変更を受け付ける領域A3、カメラ40によって撮像された画像であって自車両Mの前方を示す領域A4、自車両Mの前方を走行する他車両mが追い越し対象であるか否か、および他車両mと自車両Mとの相対速度を示す領域A5等が含まれる。
【0111】
例えば自車両Mの車両乗員は、切替スイッチ87を操作することで、車両制御システム100に自車両Mの運転モードを変更させる。図示する例で、例えば車両乗員が、他車両mを追い越したいと考えた場合、車両乗員は、自動運転スイッチ部Aを押下操作する。これにより、自動運転モードから手動運転モードに切り替えられる。そして、車両乗員が、自車両Mを手動運転モードで追い越すための制御を行うことによって他車両mを追い越すことができる。
【0112】
また、図示する例で、例えば車両乗員が、他車両mを追い越したいと考えた場合、車両乗員は、回転ノブB1を回転させて、車両制御システム100に走行制御モードを「スポーツ/自動運転」に設定させる。これにより、走行制御モードは、「エコ/自動運転」から「スポーツ/自動運転」に切り替えられる。これにより自車両Mは、相対速度が「15km/h」以上である他車両mを追い越すように制御される。
【0113】
上述したように表示装置82に自車両Mに設定されている走行制御モード、または走行制御モードに対応する制御特性が表示されるため、車両乗員は自車両の設定状態を容易に認識することができる。また、車両乗員は、自車両Mが行うであろう挙動を推測することができる。更に車両乗員は、推測結果に基づいて切替スイッチ87に対する選択操作を行うことができる。この結果、加減速または旋回に関する制御特性に対する利用者の好みを自動運転に反映させることができる。
【0114】
[車両乗員の特定と走行制御モードの設定]
人物情報192は、人物の顔画像における特徴量が記憶される。人物情報192は、例えば自車両Mの運転(操作)の権限を有する人物の顔画像における特徴量が記憶される。顔画像の特徴量が人物情報192として記憶部180に記憶される手法については特段の制限はない。例えば車両乗員を登録するための登録スイッチが操作された場合に、車室内カメラ95が作動して車両乗員を撮像する。後述する解析判定部172は、撮像された顔画像における特徴量を抽出し、抽出した特徴量を人物情報192として記憶部180に記憶させる。これにより運転の権限を有する車両乗員の顔画像における特徴量が記憶部180に記憶される。
【0115】
図18は、解析判定部172により車両乗員が特定される処理の一例を示す図である。まず、HMI制御部170は、イグニッションスイッチがオン状態に操作されるまで待機する(ステップS100)。イグニッションスイッチがオン状態に操作されると、車室内カメラ95は、車室内を撮像して撮像した画像データを解析判定部172に出力する(ステップS102)。
【0116】
次に、解析判定部172は、撮像データを解析して撮像データから特徴量を抽出する(ステップS104)。解析判定部172は、抽出した特徴量と合致する特徴量が人物情報192に記憶されているか否かを判定する(ステップS106)。抽出した特徴量と合致する特徴量が人物情報192に記憶されていない場合、HMI制御部170は、自車両Mに対する全てまたは一部の操作を制限する(ステップS108)。これにより本フローチャートの処理は終了する。
【0117】
抽出した特徴量と合致する特徴量が人物情報192に記憶されている場合、HMI制御部170は、自車両Mに対する操作を制限しない。これにより、動力源が駆動される(ステップS110)。次に、車両制御システム100は、予め設定された運転モードに基づいて、自車両Mを制御する(ステップS112)。これにより本フローチャートの処理は終了する。
【0118】
なお、予め設定された運転モードは、例えば初期設定された運転モードやデフォルト運転モードである。デフォルト運転モードは、記憶部180に記憶された運転について権限を有する車両乗員に対応付けられた手動運転または自動運転に対し、エコモード、ノーマルモード、またはスポーツモードのいずれかを組み合わせた制御モードの組み合わせである。デフォルト運転モードの設定の詳細については後述する。
【0119】
上述した処理によって、車両制御システム100は、撮像された画像に含まれる車両乗員の特徴量に基づいて、運転モードを設定することができる。この結果、加減速または旋回に関する制御特性に対する利用者の好みを自動運転に反映させることができる。
【0120】
なお、車両乗員が自車両Mを運転する権限の有無は、顔画像における特徴量に基づいて判定するものとしたが、これに代えて、または加えて指紋や、声、虹彩等の生体情報を用いて運転の権限の有無が判定されてもよい。
【0121】
[学習部による処理1]
例えば、
図18を用いて説明したように車両乗員が特定された状態で自車両Mが始動すると、始動後の自車両Mの挙動は学習部174によって乗員ごと車両挙動情報194として記憶部180に記憶される。
【0122】
図19は、乗員ごと車両挙動情報194の一例を示す図である。乗員ごと車両挙動情報194は、手動運転が実施されている際の自車両Mの挙動の情報である。乗員ごと車両挙動情報194は、例えば車両乗員(人物の特徴量)ごとに生成される。乗員ごと車両挙動情報194は、日時ごとに、自車両Mの加速度や、速度、前方を走行する車両との車間距離、減速度、鉛直軸回りの角速度(ヨーレート)等が記憶された情報である。
【0123】
学習部174は、乗員ごと車両挙動情報194に基づいて、走行制御モードのパラメータを生成する。例えば学習部174は、乗員ごと車両挙動情報194を統計的に処理することによって、車両乗員の手動運転における操作が反映された走行制御モードのパラメータを生成する。走行制御モードのパラメータとは、自動運転が実施される場合の走行制御モードごとの制御特性を示す閾値の一部または全部である。学習部174は、生成した走行制御モードのパラメータを、乗員ごと走行制御モード特性情報196として記憶部に記憶させる。
【0124】
図20は、学習部174により生成された乗員ごと走行制御モード特性情報196の一例を示す図である。例えば、学習部174は、ある車両乗員によって手動運転が実施されている際に走行制御モードごとに頻出する加速度などの車両挙動を、自動運転の対応する走行制御モードにおける制御特性に反映させる。この乗員ごと走行制御モード特性情報196は、乗員ごと走行制御モード特性情報196に対応付けられた車両乗員が、自車両Mを始動させる際に、自動運転における走行制御モードごとのデフォルトの制御特性として設定される。
【0125】
また、学習部174は、所定の場面ごとにパラメータを生成してもよい。所定の場面とは、例えば自車両Mが車線変更する場合や、前方車両を追い抜く場合、高速道路などの特定の道路を走行する場面等である。例えばある車両乗員は、前方の車両を追い抜く場面では、加速度が大きい傾向で自車両Mを制御するものとする。この場合、例えば自動運転が実施されているとき、自車両Mが前方の車両を追い越す際の加速度の閾値は、予め設定された走行制御モードの閾値に比して高く変更される。
【0126】
上述したように学習部174が、乗員ごと車両挙動情報194に基づいて、乗員ごと走行制御モード特性情報196を生成することにより、走行制御モードは車両乗員の運転特性に適したパラメータに設定される。この結果、加減速または旋回に関する制御特性に対する利用者の好みを自動運転に反映させることができる。
【0127】
[学習部による処理2]
例えば、
図18を用いて説明したように車両乗員が特定された状態で自車両Mが始動すると、始動後の自車両Mの走行制御モードは、学習部174によって走行制御モード選択履歴情報198として記憶部180に記憶される。
【0128】
図21は、走行制御モード選択履歴情報198の一例を示す図である。走行制御モード選択履歴情報198は、自車両Mに設定された走行制御モードの履歴に関する情報である。走行制御モード選択履歴情報198は、例えば車両乗員ごとに生成される情報である。学習部174は、運転モード制御部130によって設定された、自動運転の走行制御モードと、自動運転の走行制御モードが設定された際に自車両Mが保持していた情報とに基づいて、自動運転の走行制御モードを所定区間(例えば道路リンク)に対応付けて走行制御モード選択履歴情報198を生成する。自動運転の走行制御モードが設定された際に自車両Mが保持していた情報とは、自車両Mが自動運転を実施する際に取得される情報であり、例えば走行制御モード選択履歴情報198に含まれる情報である位置情報や、道路リンク、車線の情報、自動運転を実施しているかを示す情報、手動運転を実施しているかを示す情報、その他の情報等である。この結果、走行制御モード選択履歴情報198は、例えば日時ごとに、自車両Mの位置情報や、自車両Mが走行した道路リンク、自車両Mが走行した車線、自動運転が実施されていたか否かを示す情報、設定されていたエコ、ノーマル、またはスポーツ等の走行制御モードが記憶された情報となる。
【0129】
例えば、学習部174は、走行制御モード選択履歴情報198を統計的に処理することによって道路リンクごとに走行制御モードを設定する。学習部174は、設定した道路リンクごとの走行制御モードを、道路ごと走行制御モード特性情報199として記憶部180に記憶させる。道路ごと走行制御モード特性情報199は、例えば車両乗員ごとに生成される。この道路ごと走行制御モード特性情報199は、道路ごと走行制御モード特性情報199に対応付けられた車両乗員が、自車両Mを始動させ、且つ目的地を設定した際の「デフォルト運転モード」として設定される。
【0130】
図22は、学習部174により設定された道路ごと走行制御モード特性情報199の一例を示す図である。例えば道路リンク「0001」に対して「ノーマル/自動運転」、道路リンク「0002」に対して「スポーツ/自動運転」、道路リンク「0003」に対して「スポーツ/自動運転」が、車両乗員により設定される傾向にあった場合、学習部174は、この傾向に基づいて、道路リンクごとの走行制御モードを設定し、道路ごと走行制御モード特性情報199を生成する。
【0131】
学習部174は、更に手動運転の走行制御モードと、手動運転の走行制御モードが設定された際に自車両Mが保持していた情報とに基づいて、手動運転の走行制御モードを所定区間ごとに対応付けてもよい。また、学習部174は、更に手動運転と自動運転との間の切り替えと、切り替えられた際に自車両Mが保持していた情報とに基づいて、手動運転の設定または自動運転の設定を所定区間ごとに対応付けてもよい。
【0132】
図23は、イグニッションがオン状態にされ、且つ目的地が設定された場合に表示装置82に表示されるインターフェース画像IM2の一例を示す図である。例えば目的地が設定された場合、自車両Mの現在の位置から目的地までの経路が生成される。運転モード制御部130は、道路ごと走行制御モード特性情報199を参照し、生成された経路における道路リンクに対応付けられた走行制御モードを設定する。また、表示装置82には、経路および走行する予定の車線と共に、その経路および車線に対応する走行制御モードが表示される。
【0133】
図23に示すセクションSE1は道路リンク「0001」、セクションSE2は道路リンク「0002」、セクションSE3は道路リンク「0003」にそれぞれ対応するものとする。この場合、
図22で設定された走行制御モードに従って、
図23に示すようにセクションSE1には「ノーマル/手動運転」、セクションSE2には「スポーツ/自動運転」、セクションSE3には「ノーマル/手動運転」がそれぞれ「デフォルト運転モード」として設定され、この設定状態が表示装置82に表示される。また、
図23に示すようにセクションSE1からSE3に対して、車線に対応付けられた識別情報「車線01」を走行する予定であることを示す情報が表示装置82に表示される。
【0134】
なお、この場合、車両乗員は、「デフォルト運転モード」として設定されている走行制御モードを適用してもよいし、「デフォルト運転モード」として設定されている走行制御モードを変更してもよい。例えばインターフェース画像IM2には、「デフォルト運転モード」を変更するか否かを問い合わせ、変更を受け付けるGUI画面等が含まれてもよい。
【0135】
また、上述した例では、道路リンクごとに走行制御モードが設定されるものとして説明したが、走行制御モードは、道路の種別(高速道路、一般道路)や、自車両Mが走行する周囲の環境(例えば天候や気温、路面状態等)に応じて設定されてもよい。例えば、学習部174は、自車両Mが走行する周囲の環境と走行制御モードとを対応付けた情報を走行制御モード選択履歴情報198と記憶する。学習部174は、この走行制御モード選択履歴情報198に基づいて、環境ごとに設定された走行制御モードの情報を生成してもよい。
【0136】
以上説明した実施形態によれば、車両制御システム100は、自車両の乗員による、加減速または旋回に関する制御特性が異なる複数の運転モードから一以上の運転モードの選択操作を受け付ける受付部と、受付部によって選択操作が受け付けられた運転モードに基づいて、自車両の速度制御と操舵制御とのうち少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を行う自動運転制御部とを備えることによって、加減速または旋回に関する制御特性に対する利用者の好みを自動運転に反映させることができる。
【0137】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。