(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記逆変換部は、前記仮想的道路情報に含まれる道路を代表する直線が分割された分割線のうち前記地図情報を基準として設定される基準点に最も近い分割線と、前記基準点との距離が、前記逆変換の前後において維持されるように前記逆変換を行う、
請求項1に記載の経路生成装置。
前記認識部により前記障害物が認識された場合、前記走行軌道生成部によって前記直線形状の道路上に生成された前記複数の障害物回避走行軌道の中から、前記変換部により変換される前の前記道路の形状の曲率と、前記複数の障害物回避走行軌道の曲率とに基づいて、前記自車両と前記障害物とが干渉しない1つの障害物回避走行軌道を選択する軌道評価部をさらに備え、
前記逆変換部は、前記軌道評価部により選択された前記1つの障害物回避走行軌道に対し、前記変換部が行った変換の逆変換を行うことで、前記変換部により直線形状に変換される前の前記道路の形状における前記自車両の障害物回避走行軌道を生成する、
請求項5に記載の経路生成装置。
前記軌道評価部は、前記認識部により前記障害物が認識された場合、前記基準点との距離を維持する対象となる前記分割線から、前記認識部により認識された前記障害物までの距離に基づいて、前記障害物の形状に基づく領域を設定し、前記走行軌道生成部によって前記直線形状の道路上に生成された前記複数の障害物回避走行軌道の中から、前記自車両と前記設定した領域とが干渉しない1つの障害物回避走行軌道を選択する、
請求項6に記載の経路生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照し、本発明の経路生成装置、経路生成方法、および経路生成プログラムの実施形態について説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る車両制御装置100を中心とした自車両Mの機能構成図である。自車両Mとは、車両制御装置100が搭載された車両である。自車両Mには、ナビゲーション装置10と、車両センサ20と、操作デバイス30と、操作検出センサ32と、切替スイッチ40と、走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、およびブレーキ装置54と、車両制御装置100とが搭載される。
【0025】
ナビゲーション装置10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置10は、GNSS受信機によって自車両Mの位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置10により導出された経路は、地図情報132に含まれるリンク、およびノードの組み合わせにより定義される。ノードとは、交差点等の道路網を表現する上の結節点を表す情報である。リンクとは、ノード間の道路区間を表す情報である。
【0026】
ナビゲーション装置10により導出された経路は、経路情報134として記憶部130に格納される。自車両の位置は、車両センサ20の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置10は、車両制御装置100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、自車両Mの位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置10とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置10は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の一機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と車両制御装置100との間で無線または通信によって情報の送受信が行われる。
【0027】
車両センサ20は、自車両Mの速度(車速)を検出する車速センサ22と、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ24とを備える。車両センサ20は、加速度を検出する加速度センサ、および自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含んでいてもよい。
【0028】
操作デバイス30は、例えば、アクセルペダルやステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー等を含む。操作デバイス30には、運転者による操作の有無や量を検出する操作検出センサ32が取り付けられている。操作検出センサ32は、例えば、アクセル開度センサ、ステアリングトルクセンサ、ブレーキセンサ、シフト位置センサ等を含む。操作検出センサ32は、検出結果としてのアクセル開度、ステアリングトルク、ブレーキ踏量、シフト位置等を走行制御部120に出力する。なお、これに代えて、操作検出センサ32の検出結果が、直接的に走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、またはブレーキ装置54に出力されてもよい。
【0029】
切替スイッチ40は、運転者等によって操作されるスイッチである。切替スイッチ40は、機械式のスイッチであってもよいし、ナビゲーション装置10のタッチパネル式表示装置に設けられるGUI(Graphical User Interface)スイッチであってもよい。切替スイッチ40は、運転者が手動で運転する手動運転モードと、運転者が操作を行わない(或いは手動運転モードに比して操作量が小さい、または操作頻度が低い)状態で走行する自動運転モードとの切替指示を受け付け、走行制御部120による制御モードを自動運転モードまたは手動運転モードのいずれか一方に指定する制御モード指定信号を生成する。
【0030】
走行駆動力出力装置50は、例えば、エンジンと走行用モータのうち一方または双方を含む。走行駆動力出力装置50がエンジンのみを有する場合、走行駆動力出力装置50は更にエンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)を含む。エンジンECUは、例えば、走行制御部120から入力される情報に従い、スロットル開度やシフト段等を調整することで、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を制御する。走行駆動力出力装置50が走行用モータのみを有する場合、走行駆動力出力装置50は、走行用モータを駆動するモータECUを含む。モータECUは、例えば、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整することで、車両が走行するための走行駆動力を制御する。走行駆動力出力装置50がエンジンと走行用モータの双方を含む場合は、エンジンECUとモータECUの双方が協調して走行駆動力を制御する。
【0031】
ステアリング装置52は、例えば、ラックアンドピニオン機能等に力を作用させて転舵輪の向きを変更可能な電動モータ等を備える。ステアリング装置52は、ステアリング操舵角(または実舵角)を検出する操舵角センサ52aを備える。ステアリング装置52は、走行制御部120から入力される情報に従い、電動モータを駆動する。
【0032】
ブレーキ装置54は、ブレーキペダルになされたブレーキ操作が油圧として伝達されるマスターシリンダー、ブレーキ液を蓄えるリザーバータンク、各車輪に出力される制動力を調節するブレーキアクチュエータ等を備える。ブレーキ装置54は、走行制御部120から入力される情報に従い、所望の大きさのブレーキトルクが各車輪に出力されるように、ブレーキアクチュエータ等を制御する。なお、ブレーキ装置54は、上記説明した油圧により作動する電子制御式ブレーキ装置に限らず、電動アクチュエーターにより作動する電子制御式ブレーキ装置であってもよい。
【0033】
[車両制御装置]
以下、車両制御装置100について説明する。車両制御装置100は、例えば、自車位置認識部102と、行動計画生成部104と、経路生成部110と、走行制御部120と、制御切替部122と、記憶部130とを備える。自車位置認識部102、行動計画生成部104、経路生成部110、走行制御部120、および制御切替部122のうち一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これら機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。また、記憶部130は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するためのプログラムは、予め記憶部130に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、上記プログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部130にインストールされてもよい。
【0034】
自車位置認識部102は、記憶部130に格納された地図情報132と、ナビゲーション装置10、または車両センサ20から入力される情報とに基づいて、自車両Mが走行している車線(自車線)、および、走行車線に対する自車両Mの相対位置を認識する。地図情報132は、例えば、ナビゲーション装置10が有するナビ地図よりも高精度な地図情報であり、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。より具体的には、地図情報132には、道路情報と、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞等によって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。
【0035】
自車位置認識部102は、例えば、自車両の基準点(例えば車両の先端部)の走行車線中央からの乖離、および自車両の進行方向の走行車線中央を連ねた線に対してなす角度θを、走行車線に対する自車両の相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部102は、自車線のいずれかの側端部に対する自車両の基準点の位置などを、走行車線に対する自車両の相対位置として認識してもよい。
なお、自車位置認識部102は、ファインダ、レーダ、またはカメラにより車線を認識してもよい。
【0036】
行動計画生成部104は、所定の区間における行動計画を生成する。所定の区間とは、例えば、ナビゲーション装置10により導出された経路のうち、高速道路等の有料道路を通る区間である。なお、これに限らず、行動計画生成部104は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
【0037】
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両Mを減速させる減速イベントや、自車両Mを加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント等が含まれる。例えば、有料道路(例えば高速道路等)においてジャンクション(分岐点)が存在する場合、車両制御装置100は、自動運転モードにおいて、自車両Mを目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする必要がある。従って、行動計画生成部104は、車線を変更するイベントや、車線を維持するイベントを設定する。
【0038】
[経路生成]
経路生成部110は、行動計画生成部104により生成された行動計画に含まれる各種のイベントに従って、自車両Mが走行する際の走行経路を生成する。経路生成部110は、ナビゲーション装置10により導出されたノードおよびリンクで特定される経路よりも、より詳細な経路を生成する。経路生成部110は、例えば、行動計画がレーンキープイベントであり、道路形状がカーブ等のように曲がっている場合に走行経路を生成する。なお、経路生成部110は、「経路生成装置」に相当する。
【0039】
図2は、第1の実施形態に係る経路生成部110の機能的な構成を示すブロック図である。経路生成部110は、地図情報取得部111と、変換部112と、目標点設定部113と、車両状態取得部114と、走行軌道生成部115と、逆変換部116とを備える。
【0040】
地図情報取得部111は、ナビゲーション装置10により演算された自車両の位置に基づいて、記憶部130に記憶された地図情報132を取得する。地図情報取得部111は自車両の位置に周辺の道路を含む地図情報132を変換部112に出力する。
【0041】
変換部112は、地図情報取得部111により出力された地図情報132に基づいて、自車両が走行する道路の形状を仮想的に直線形状に変換した情報を生成する。ここで直線とは、曲率が閾値以下の曲線を含むものとする。例えば、変換部112は、地図情報取得部111により出力された地図情報132から、経路情報134によって示される経路に存在する道路の形状を示す情報を抽出し、上記道路の形状を示す情報上において道路の形状を仮想的に直線形状に変換した情報を生成する。以下、変換部112によって道路の形状が直線形状に変換された情報を、「仮想的道路情報138」と称する。
【0042】
目標点設定部113は、変換部112により直線形状に変換された道路において、自車両が走行する走行軌道の終端を示す目標点を設定する。例えば、目標点設定部113は、自車位置認識部102により認識された自車位置を基準に、現実の道路において、道路の長さ方向に対するカーブ路の曲率変化の微分が最少となる座標点に対応する、変換後の道路上の位置に目標点を設定する。具体的には、目標点設定部113は、現実の道路においてカーブから直線に変化する位置(座標)に対応する、変換後の道路上の位置に目標点を設定する。
【0043】
なお、目標点設定部113は、変換部112により直線形状に変換される前の道路において、自車両が走行する走行軌道の終端を示す目標点を設定してもよい。例えば、対象となる道路がカーブ路である場合、目標点設定部113は、このカーブ路に目標点を設定する。これによって、上述した変換部112は、目標点設定部113によって目標点が設定された道路(カーブ路)の形状を、直線形状に変換した仮想的道路情報138を生成する。
【0044】
車両状態取得部114は、車速センサ22により検出された車速信号、ヨーレートセンサ24により検出されたヨーレート角信号、および操舵角センサ52aにより検出されたステアリング角信号を取得する。本実施形態において車両状態取得部114は、車速、ヨーレート角、およびステアリング角を検出するものとするが、車両状態取得部114は、少なくとも車速を取得すればよい。また、車両状態取得部114は、自車両の挙動のうちの回転成分の信号としてヨーレート角およびステアリング角を取得したが、ヨーレート角とステアリング角の一方を取得すればよく、自車両の回転成分を表す信号であれば他の信号を取得してもよい。
【0045】
走行軌道生成部115は、自車両Mの位置(始点)、目標点設定部113により出力された目標点(終点)、および車両状態取得部114により出力された車速、ヨーレート角ならびにステアリング角に基づいて、変換部112により直線形状に変換された道路上に沿った走行軌道を生成する。走行軌道生成部115は、上記の条件下で、所定の曲線関数に基づく演算を行う。所定の曲線関数とは、少なくとも始点、終点、および速度をパラメータとして設定された場合に、当該パラメータが代入された関数を演算して、始点から終点までを補間する曲線を生成する関数である。本実施形態において、所定の曲線関数は、例えばスプライン曲線を生成するスプライン関数である。走行軌道生成部115は、生成した走行軌道を示す曲線(直線も含む)を、逆変換部116に出力する。
【0046】
逆変換部116は、走行軌道生成部115によって直線形状の道路上に生成された走行軌道に対し、変換部112が行った変換の逆変換を行うことで、変換部112により直線形状に変換される前の道路の形状における自車両Mの走行軌道を生成する。逆変換部116は、生成した走行軌道を示す情報を、走行制御部120に出力する。走行制御部120は、逆変換部116により生成された走行軌道に沿って車両を走行させるように制御する。
【0047】
以下、フローチャートに即して経路生成部110の処理について説明する。
図3は、第1の実施形態における経路生成部110の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、自動運転が開始される以前、すなわち行動計画に基づく制御が実施される以前に実施される。
【0048】
まず、経路生成部110は、所定の演算周期Tの開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS100)。所定の演算周期Tは、車両制御装置100が自車両の走行を制御する演算周期と同期する。経路生成部110は、所定の演算周期Tの開始タイミングが到来していないと判定した場合には待機し、所定の演算周期Tの開始タイミングが到来したと判定した場合にはステップS102に処理を進める。
【0049】
次に、変換部112は、地図情報取得部111により出力された地図情報132に基づいて、自車両Mが走行する道路の形状を仮想的に直線形状に変換した仮想的道路情報138を生成する(ステップS102)。
【0050】
図4は、地図情報132が示す道路の形状を模式的に示す図である。
図4の例では、道路がカーブ路で表されている。
図4に示すように、変換部112は、道路の形状を直線形状に変換する前に、変換の対象とする道路上、或いは当該道路付近に位置(座標)が既知の基準点Pをマーキングする。基準点Pは、例えば、自車両Mが接触してはいけない物標である。
【0051】
図4の例では、基準点Pは、道路外側線SL付近に設けられている。なお、基準点Pは、道路上であってもよいし、道路外であってもよいし。また、基準点Pは、道路中央線CLや道路外側線SL等の区画線上に設定されてもよい。また、基準点Pは、道路の外側(道路外側線SLの外側)に一定の間隔で複数設定されてもよい。本実施形態において、道路中央線CLは、例えば、片側2車線の道路において車線を区画する区画線とする。
【0052】
以下、変換部112による道路形状の変換方法について説明を行う。
図5は、変換部112によって道路の形状が直線形状に変換される前の道路における基準点Pおよび道路中央線CLの位置を二次元座標で表している図である。道路中央線CLは、リンクL[n]、およびノードN[n]の組み合わせにより定義されている。道路中央線CLは、予め地図情報132内において定義されていてもよいし、変換部112によって定義されてもよい。
【0053】
図5の例では、道路中央線CLは、ノードN[n]とリンクL[n]によって表されている。例えば、ノードN[3]およびN[4]を繋ぐリンクL[3]に対して、基準点Pから垂直に降ろした垂線との交点をQとする。点Qは、基準点Pからの垂線と直行するリンクL[n](本実施形態ではリンクL[3])上に当該垂線と直行する点として設定される。変換部112は、基準点Pの座標(Px、Py)と、基準点PからQまでの距離とを記憶部130に記憶させておく。
【0054】
また、変換部112は、各ノードN[n]間の距離、すなわち各リンクL[n]の長さと、他のリンクに対してなす角度とを、記憶部130に記憶させておく。
図6は、道路中央線CLにおける各リンクL[n]に対応付けられた情報の一例を示す図である。
図6の例では、各リンクL[k]に対して、前のリンクL[k−1]あるいは後のリンクL[k+1]に対してなす角度と、長さ(ノードN[k]とN[k+1]間の距離)とが対応付けられている。なお、リンクL[0]についての角度は、例えば道路中央線CLに対する角度としてよい。変換部112は、変換処理の過程において、
図6に示すようなパラメータを導出しておき、テーブルデータとして記憶部130に記憶させておく。なお、変換部112は、テーブルデータの代わりに、テーブルデータに対応した関数やグラフ(マップ)を記憶部130に保持させてもよい。
【0055】
変換部112は、道路中央線CLを構成する各ノードN[n]の順序と、各リンクL[n]の長さと、基準点Pおよび点Q間の距離とを維持しつつ、ノードN[0]を原点Oとして座標X軸上に仮想的に移動させる。
【0056】
図7は、道路中央線CLを構成するノードN[n]およびリンクL[n]を座標X軸上に移動させた様子を表す図である。
図7に示すように、変換後において、道路中央線CLはCL#、基準点PはP#、点QはQ#、ノードN[n]はN#[n]、リンクL[n]はL#[n]として表されている。リンクL#[n]は、「分割線」の一例である。原点Oから点Q#までの距離(=Px#)は、
図5におけるリンクL[0]の長さと、リンクL[1]の長さと、リンクL[2]の長さと、ノードN[3]と点Qとの間のリンクの長さとを合計した長さに相当する。また、基準点P#と点Q#との間の距離(=Py#)は、変換される前の基準点Pおよび点Qとの距離に相当する。変換部112は、原点Oから点Q#までの距離(=Px#)と、基準点P#と点Q#との間の距離(=Py#)とを、変換後の基準点P#の座標として記憶部130に記憶させる。
【0057】
変換部112は、例えば、車線外側線等の他の区画線に対しても、直線形状に変換する処理を行って直線形状に変換する。この際、変換部112は、直線形状に変換する前後において、道路中央線CLと他の区画線との幅方向の距離を同じものとする。これによって、変換部112は、自車両Mが走行する車線を含む道路全体を直線形状に変換する。
【0058】
ここで、
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、走行軌道生成部115は、変換部112により変換された道路上に走行軌道の始点および終点を設定して、道路形状に沿った走行軌道を生成する。走行軌道生成部115は、自車両の現在位置を始点Psとし、目標点設定部113により出力された目標点を終点Peに設定して、スプライン関数に基づく演算を行う(ステップS104)。
【0059】
図8は、第1の実施形態の走行軌道生成部115により走行軌道を演算することを説明する図である。
図8において、自車両Mが存在する空間をXY座標で表している。走行軌道生成部115は、始点Psから終点Peまでを補間する曲線を演算する。
【0060】
図8に示すように、始点Psの座標(x
0,y
0)において自車両Mの速度がv
0であり、加速度がa
0であるものとする。自車両Mの速度v0は、速度のx方向成分v
x0とy方向成分v
y0とが合成された速度ベクトルである。自車両Mの加速度a
0は、加速度のx方向成分a
x0とy方向成分a
y0とが合成された加速度ベクトルである。終点Peの座標(x
1,y
1)において自車両Mの速度がv
1であり、加速度がa
1であるものとする。自車両Mの速度v
1は、速度のx方向成分v
x1とy方向成分v
y1とが合成された速度ベクトルである。自車両Mの加速度a
1は、加速度のx方向成分a
x1とy方向成分a
y1とが合成された加速度ベクトルである。
【0061】
走行軌道生成部115は、自車両Mが始点Psから終点Peまでに至る単位時間Tが経過する周期中の時間tごとに、目標点(x,y)を設定する。目標点(x,y)の演算式は、式(1)および式(2)のスプライン関数により表される。
【0064】
式(1)および式(2)において、m
5、m
4、およびm
3は、式(3)、式(4)および式(5)のように表される。また、式(1)および式(2)における係数k
1およびk
2は、同じであってもよいし相違していてもよい。
【0068】
式(3)、式(4)および式(5)においてp
0は始点Psにおける自車両Mの位置(x
0,y
0)であり、p
1は終点Peにおける自車両Mの位置(x
1,y
1)である。
【0069】
走行軌道生成部115は、式(1)および式(2)におけるv
x0およびv
y0に車両状態取得部114により取得された車速にゲインを掛け合わせた値を代入して、単位時間Tを時刻tごとに式(1)および式(2)の演算結果により特定された目標点(x(t),y(t))を取得する。これにより、走行軌道生成部115は、始点Psと終点Peとを複数の目標点(x(t),y(t))により補間したスプライン曲線を得る。
【0070】
図9は、直線形状の道路上に生成された走行軌道(スプライン曲線)の一例を示す図である。走行軌道生成部115は、
図9に示すようなスプライン曲線を、走行軌道Tgとして逆変換部116に出力する。なお、走行軌道生成部115は、直線形状の道路からはみ出すような走行軌道が存在した場合、はみ出た走行軌道を予め除外した走行軌道Tgを逆変換部116に出力してもよい。なお、走行軌道生成部115は、自車両Mが道路中央線CLよりも左側を走行するように走行軌道Tgを生成してもよいし、自車両Mが基準点Pよりも道路を逸脱する側には移動しないように走行軌道Tgを生成してもよい。また、走行軌道生成部115は、基準点Pが自車両Mが接触してはいけない物標である場合、基準点Pに接触しないように走行軌道Tgを生成する。
【0071】
逆変換部116は、走行軌道生成部115によって直線形状の道路上に生成された走行軌道Tgに対し、変換部112が行った変換の逆変換を行うことで、変換部112により直線形状に変換される前の道路の形状における自車両Mの走行軌道Tg#を生成する(ステップS106)。
【0072】
逆変換部116は、基準点Pの座標と、基準点P#の座標と、各区画線のリンクL[n]に対応付けられた情報(例えば
図6に示すテーブルデータ)とに基づいて、直線形状の道路を元の道路形状に逆変換する。例えば、逆変換部116は、走行軌道Tgとして走行軌道生成部115によって生成されたスプライン曲線を、所定幅を有する点列で表現し、それぞれの点を逆変換することで得られる点列を、走行軌道Tg#とする。これによって、逆変換部116は、直線形状の道路形状を元の道路形状に逆変換するとともに、直線形状の道路上において生成された走行軌道Tgを変換して、元の道路上に新たな走行軌道Tg#を生成する。
【0073】
図10は、直線形状の道路が走行軌道Tgとともに元の道路の形状に仮想的に逆変換された様子を表す図である。逆変換部116は、生成した走行軌道Tg#を走行制御部120に出力する(ステップS108)。
【0074】
走行制御部120は、制御切替部122による制御によって、制御モードを自動運転モードあるいは手動運転モードに設定し、設定した制御モードに従って制御対象を制御する。走行制御部120は、自動運転モード時において、行動計画生成部104によって生成された行動計画情報136を読み込み、行動計画情報136におよび走行軌道Tg#に基づいて制御対象を制御する。走行制御部120は、行動計画に基づき、走行軌道Tg#に沿って自車両Mが走行するように従ってステアリング装置52における電動モータの制御量(例えば回転数)と、走行駆動力出力装置50におけるECUの制御量(例えばエンジンのスロットル開度やシフト段等)とを決定する。
【0075】
図11は、走行軌道Tg#に基づいた制御量の決定方法の一例を示す図である。走行軌道Tg#は、例えば、ノードSN[n]とリンクSL[n]とによって表される。走行制御部120は、例えば、リンクSL[k]と、リンクSL[k+1]あるいはリンクSL[k−1]とのなす角θ、および各リンクの長さによって、ステアリング装置52における電動モータの制御量と走行駆動力出力装置50におけるECUの制御量とを決定する。
【0076】
図11に示すように、走行制御部120は、ノードSN[k−1]およびSN[k]間では、ステア角が角度θ1に応じた角度になるようにステアリング装置52における電動モータの制御量を決定し、ノードSN[k]およびSN[k+1]間では、ステア角が角θ2に応じた角度になるようにステアリング装置52における電動モータの制御量を決定する。
【0077】
走行制御部120は、上述したように決定した制御量を示す情報を、対応する制御対象に出力する。これによって、制御対象の各装置(50、52、54)は、走行制御部120から入力された制御量を示す情報に従って、自装置を制御することができる。また、走行制御部120は、車両センサ20の検出結果に基づいて、決定した制御量を適宜調整する。
【0078】
また、走行制御部120は、手動運転モード時において、操作検出センサ32により出力される操作検出信号に基づいて制御対象を制御する。例えば、走行制御部120は、操作検出センサ32により出力された操作検出信号を、制御対象の各装置にそのまま出力する。
【0079】
制御切替部122は、行動計画生成部104によって生成され、記憶部130に格納された行動計画情報136に基づいて、走行制御部120による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに、または手動運転モードから自動運転モードに切り換える。また、制御切替部122は、切替スイッチ40から入力される制御モード指定信号に基づいて、走行制御部120による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに、または手動運転モードから自動運転モードに切り換える。すなわち、走行制御部120の制御モードは、運転者等の操作によって走行中や停車中に任意に変更することができる。
【0080】
また、制御切替部122は、操作検出センサ32から入力される操作検出信号に基づいて、走行制御部120による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。例えば、制御切替部122は、操作検出信号に含まれる操作量が閾値を超える場合、すなわち、操作デバイス30が閾値を超えた操作量で操作を受けた場合、走行制御部120の制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。例えば、自動運転モードに設定された走行制御部120によって自車両Mが自動走行している場合において、運転者によってステアリングホール、アクセルペダル、またはブレーキペダルが閾値を超える操作量で操作された場合、制御切替部122は、走行制御部120の制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。これによって、車両制御装置100は、人間等の物体が車道に飛び出して来たり、前走車両が急停止したりした際に運転者により咄嗟になされた操作によって、切替スイッチ40の操作を介さずに直ぐさま手動運転モードに切り替えることができる。この結果、車両制御装置100は、運転者による緊急時の操作に対応することができ、走行時の安全性を高めることができる。
【0081】
以上説明した第1の実施形態の車両制御装置100によれば、道路の形状を示す情報を含む地図情報132に基づいて、道路の形状を直線形状に変換した仮想的道路情報138を生成する変換部112と、変換部112によって生成された仮想的道路情報138により表現された直線形状の道路上において、自車両Mの走行軌道Tgを生成する走行軌道生成部115と、走行軌道生成部115によって直線形状の道路上に生成された走行軌道Tgに対し、変換部112が行った変換の逆変換を行うことで、変換部112により直線形状に変換される前の道路の形状における自車両Mの走行軌道を生成する逆変換部116と、を備えることにより、道路の形状に適合した走行軌道を低演算負荷で生成することができる。
【0082】
また、第1の実施形態の車両制御装置100によれば、幾何学的な曲線補間方法の一例としてスプライン関数に基づいて走行軌道Tgを生成するため、より現実の道路の形状に適合した走行軌道を生成することができる。
【0083】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における車両制御装置100Aは、自車両Mの走行を妨げる物体が存在する場合に、道路の曲率に応じた制約条件の中で自車両Mを走行させる点で、第1の実施形態と相違する。以下、係る相違点を中心に説明する。
【0084】
図12は、第2の実施形態における車両制御装置100Aが搭載される自車両Mの構成要素を示す図である。
図12に示すように、自車両Mには、ナビゲーション装置10と、ファインダ60−1から60−7、レーダ70−1から70−6、およびカメラ80等のセンサと、車両制御装置100Aとが搭載される。
【0085】
ファインダ60−1から60−7は、例えば、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。例えば、ファインダ60−1は、フロントグリル等に取り付けられ、ファインダ60−2および60−3は、車体の側面やドアミラー、前照灯内部、側方灯付近等に取り付けられる。ファインダ60−4は、トランクリッド等に取り付けられ、ファインダ60−5および60−6は、車体の側面や尾灯内部等に取り付けられる。上述したファインダ60−1から60−6は、例えば、水平方向に関して150度程度の検出領域を有している。また、ファインダ60−7は、ルーフ等に取り付けられる。
ファインダ60−7は、例えば、水平方向に関して360度の検出領域を有している。
【0086】
レーダ70−1および70−4は、例えば、奥行き方向の検出領域が他のレーダよりも広い長距離ミリ波レーダである。また、レーダ70−2、70−3、70−5、70−6は、レーダ70−1および70−4よりも奥行き方向の検出領域が狭い中距離ミリ波レーダである。
【0087】
以下、ファインダ60−1から60−7を特段区別しない場合は、単に「ファインダ60」と記載し、レーダ70−1から70−6を特段区別しない場合は、単に「レーダ70」と記載する。レーダ70は、例えば、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体を検出する。
【0088】
カメラ80は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の個体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ80は、フロントウィンドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ80は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの前方を撮像する。カメラ80は、複数のカメラを含むステレオカメラであってもよい。
【0089】
なお、
図12に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0090】
図13は、第2の実施形態における車両制御装置100Aを搭載した自車両Mの機能構成図である。自車両Mには、ナビゲーション装置10と、車両センサ20と、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー(或いはパドルシフト)、ステアリングホイールなどの操作デバイス(操作子)30と、アクセル開度センサ、ブレーキ踏量センサ(ブレーキスイッチ)、シフト位置センサ、ステアリング操舵角センサ(またはステアリングトルクセンサ)などの操作検出センサ32と、切替スイッチ40と、走行駆動力出力装置50、ステアリング装置52、ブレーキ装置54と、ファインダ60と、レーダ70と、カメラ80と、車両制御装置100Aとが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。例示した操作デバイスはあくまで一例であり、ジョイスティック、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUIスイッチなどが自車両Mに搭載されても構わない。
【0091】
[車両制御システム]
以下、第2の実施形態における車両制御装置100Aについて説明する。車両制御装置100Aは、例えば、一以上のプロセッサまたは同等の機能を有するハードウェアにより実現される。車両制御装置100Aは、CPUなどのプロセッサ、記憶装置、および通信インターフェースが内部バスによって接続されたECU、或いはMPU(Micro-Processing Unit)などが組み合わされた構成であってよい。
【0092】
車両制御装置100Aは、例えば、自車位置認識部102と、外界認識部103と、行動計画生成部104と、経路生成部110Aと、走行制御部120と、制御切替部122と、記憶部130とを備える。これらの一部または全部は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSIやASIC等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0093】
外界認識部103は、ファインダ60、レーダ70、カメラ80等から入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両とは、例えば、自車両Mの周辺を走行する車両であって、自車両Mと同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、他車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、他車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて把握される、周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部103は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
【0094】
また、外界認識部103は、認識した物体のうち、自車両Mが走行する車線(自車線)において、自車両Mの走行を妨げる物体が存在する場合、この物体を障害物OBとして認識する。障害物OBは、例えば、停車している周辺車両や落下物、工事現場、歩行者などである。
【0095】
図14は、第2の実施形態に係る経路生成部110Aの機能的な構成を示すブロック図である。第2の実施形態における経路生成部110Aは、地図情報取得部111と、変換部112と、目標点設定部113と、車両状態取得部114と、走行軌道生成部115と、逆変換部116と、軌道評価部117とを備える。
【0096】
第2の実施形態における変換部112は、道路の形状を直線形状に変換する前に、変換の対象とする道路上、或いは当該道路付近に複数の基準点Pを設定する。変換部112は、例えば、道路外側線SLに沿って、等間隔または不等間隔で複数の基準点Pを設定する。この場合、例えば、道路外側線SLを表す各ノードNが基準点Pとして扱われる。なお、基準点Pは、上述した第1の実施形態と同様に、道路上の道路中央線CL上の座標点に設定されてもよいし、道路外の標識等の物標の座標点に設定されてもよい。
【0097】
図15は、変換部112により複数の基準点Pが設定される場面の一例を示す図である。
図15の例では、道路は、車両の進行方向に対して左方向にカーブしており、道路外側線SLも同様にカーブしている。従って、変換部112は、自車両Mからみて左側の道路外側線SLに沿って基準点Pを設定する。図示の例では、変換部112は、基準点P[0]からP[4]を設定している。
【0098】
変換部112は、道路中央線CLを表すリンクL[n]の法線であって、基準点Pを通る法線の長さ(距離)を、基準点とリンクL[n]との組み合わせごとに、記憶部130に記憶させておく。例えば、変換部112は、リンクL[1]の法線が基準点P[0]を通る場合、この法線の長さを、リンクL[1]と基準点P[0]との組み合わせに対応付けて記憶部130に記憶させる。また、変換部112は、基準点PからリンクL[n]に下した垂線(リンクL[n]から見た法線)がリンクL[n]のどの位置と交差するか(交差位置)を示す位置情報を、リンクL[n]に対応付けて記憶部130に記憶させる。
【0099】
変換部112は、道路中央線CLを表す各ノードN[n]の順序と、各リンクL[n]の長さとを維持しつつ、ノードN[0]を原点Oとして道路中央線CLを座標X軸上に仮想的に移動させることで、道路中央線CLを直線形状に変形する。また、変換部112は、各リンクL[n]に対応付けられている基準点Pの位置を、前述したリンクL[n]と垂線の交差位置から、リンクL[n]に直交する方向に、記憶させておいた法線の長さ分だけシフトした位置に設定する。
【0100】
また、変換部112は、例えば、
図15に示す右側の道路外側線SL等の他の区画線に対しても、直線形状に変換する処理を行う。この際、変換部112は、直線形状に変換する前後において、道路中央線CLと他の区画線との幅方向の距離を同じものとしてよい。
例えば、上述した
図15において、変換部112は、道路中央線CLを表す各ノードNと、基準点Pを設定した道路外側線SLと共に道路中央線CLを挟む道路外側線SL(基準点Pを設定していない側の道路外側線SL)を表す各ノードNとの距離が、変換の前後において一定となるように、基準点Pを設定していない側の道路外側線SLを直線形状に変形してよい。これに限らず、後述するように、右側の道路外側線SLに基準点Pを設定しても構わない。なお、基準点Pを設定した側の道路外側線SLは、道路中央線CLが直線形状に変形されるのに伴って移動する基準点Pの位置変更によって、直線形状に変換される。これによって、変換部112は、自車両Mが走行する車線を含む道路全体を直線形状に変換する。
【0101】
また、変換部112は、外界認識部103により認識された障害物OBの形状に合わせて基準点Pを設定し、道路の形状を直線形状に変換するのに併せて、外界認識部103により認識された障害物OBの形状を変換する。例えば、変換部112は、外界認識部103により、障害物OBの外観の一部領域が認識されている場合、この一部領域に基づき基準点Pを設定する。障害物OBの外観の一部領域とは、例えば、ファインダ60により照射された光を反射した反射面の一部や、レーダ70により送信された電波を反射した反射面の一部、カメラ80により撮像された物体の外表面の一部等である。
【0102】
そして、変換部112は、上記と同様に、道路中央線CLを表す各ノードN[n]の順序と、各リンクL[n]の長さと、リンクL[n]の法線であって、基準点Pを通る法線の長さとを維持しつつ、障害物OBの形状を変形する。
図15の例では、変換部112は、障害物OBの形状に沿って、P[5]からP[7]の基準点を設定している。図中のP[5]からP[7]のような基準点は、外界認識部103により認識された障害物OBの外観の一部領域に対して設定される。すなわち、ファインダ60やレーダ70、カメラ80により実測された領域に対して設定される。
【0103】
また、変換部112は、ファインダ60やレーダ70、カメラ80により実測されない障害物OBの死角部分について、実測された部分に基づいて推定を行ってもよい。より具体的には、変換部112は、障害物OBの外観の一部領域から抽出される特徴点の配置と、学習用データとして予め記憶部130に記憶させておいた、各種物体の主な特徴点の配置とを比較することで、障害物OBがどういった物体であるのかを推定し、推定した物体が取り得る形状から、障害物OBの全貌の形状を推定する。例えば、変換部112は、障害物OBが車両である場合、車両後端の車幅や車高から車両の全長を推定することで、障害物OBとしての車両の全貌の形状を推定する。
図15において、障害物OBの占める領域のうち、基準点Pが設定されていない部分が、推定された死角部分に相当する。
【0104】
走行軌道生成部115は、上述した第1の実施形態と同様に、変換部112により変換された道路においてスプライン曲線をなどのフィッティングを行い、障害物OBを回避する複数の走行軌道Tg(障害物回避走行軌道)を生成する。例えば、走行軌道生成部115は、障害物OBの直前で、自車線に対して隣接する隣接車線に自車両Mを車線変更させる走行軌道Tgを生成する。この際、走行軌道生成部115は、障害物OBと干渉しないように走行軌道Tgを生成する。「干渉しない」とは、例えば、走行軌道Tgを中心に、自車両Mの車幅Wを考慮した通過領域と、障害物OBを示す領域とが重複しないことである。自車両Mの車幅Wを考慮した通過領域には、さらに自車両Mと障害物OBとの距離がより離れるように、余裕を持たせてもよい。
【0105】
図16は、
図15の場面から直線形状に変換された仮想的な道路上において、走行軌道Tgが生成される様子を示す図である。図中、OB#は、障害物OBが変形されたものである。
【0106】
[遠心加速度の制御]
軌道評価部117は、走行軌道生成部115により生成された走行軌道Tg上でサンプリングした各点ごとに、想定される自車両Mの遠心加速度Gを導出し、この遠心加速度Gに基づいて走行軌道Tgを評価する。遠心加速度Gは、例えば、走行軌道Tgに沿って自車両Mが走行することで車両が旋回するような場合に、車両または車両内の乗員に生じる車両の幅方向の加速度である。遠心加速度Gは、例えば、車線の半径と、自車両Mの速度および転舵角に応じた曲率に基づいて導出される。
【0107】
例えば、
図16に示すように、複数の走行軌道Tgは、互いにカーブの度合を示す曲率が異なり、曲率が大きい(曲率半径が小さい)走行軌道Tgほど遠心加速度Gは大きくなりやすい。このような遠心加速度Gが大きくなる走行軌道Tgを、元の道路形状に合わせて逆変換した場合、曲率がさらに大きくなることから、遠心加速度Gもより大きくなりやすい。この場合、運転者等の車両乗員に負担を強いる場合がある。遠心加速度Gは、式(6)で表される。式中、rは曲率半径であり、1/rは曲率である。なお、軌道評価部117は、遠心加速度Gに代えて、遠心加速度Gに車重を乗算した遠心力を導出して走行軌道Tgを評価してもよい。速度vに関しては、自車両Mの速度が計算時点から一定に維持されると仮定してもよいし、加速度またはジャーク(躍度)が一定に維持されると仮定して導出してもよい。
【0109】
なお、逆変換によって旋回方向が打ち消されて曲率が小さくなる場合もあるため、軌道評価部117は、カーブの方向に基づいて遠心加速度Gに対する閾値を変更する。軌道評価部117は、逆変換部116による変換処理を見越して、事前に遠心加速度Gに閾値を設定し、走行軌道生成部115により生成された複数の走行軌道Tgのうち、各点について導出した遠心加速度Gが、閾値の範囲内に収まる走行軌道Tgのみを選択する。
【0110】
図17は、軌道評価部117により設定される、遠心加速度Gに対する閾値について説明するための図である。本図は、自車両Mが左方向にカーブするカーブ路を走行する場合に用いられる閾値を示している。図中に示す横軸は時間を表し、縦軸は遠心加速度を表している。正の遠心加速度は、例えば、車両の進行方向に対して左方向(左回転)に旋回した場合に生じる加速度を表し、負の遠心加速度は、例えば、車両の進行方向に対して右方向(右回転)に旋回した場合に生じる加速度を表している。
【0111】
図17中、G1およびG2は、変換を行わない場合に使用される遠心加速度Gに対する閾値であり、G1#およびG2#は、変換を行う場合(すなわち自車両Mがカーブ路を走行する場合)に使用される閾値である。図示するように、直線状の仮想的な道路における走行軌道Tg上の点が、左方向に旋回するものである場合、遠心加速度に対する閾値G1#は、変換を行わない場合の閾値G1よりも小さく設定される。この結果、左方向に旋回する場合、「遠心加速度Gが閾値を超えた」と判定されやすくなる。この閾値G1から閾値G1#に変更する程度は、道路の曲率に基づいて変更されてよい。軌道評価部117は、道路の曲率が大きい程、閾値G1から閾値G1#に変更する程度を大きくする。
【0112】
なお、変換前の道路の形状を示す曲率が地図情報132から取得されない場合、軌道評価部117は、道路中央線CLを表すリンクL[n]およびノードN[n]を参照し、ノードN[k]およびN[k+1]のなす角度から曲率を導出してよい。上記kは“0”から“n−1”までの任意の数である。
【0113】
一方、直線状の仮想的な道路における走行軌道Tg上の点が、右方向に旋回するものである場合、遠心加速度に対する閾値G2#は、変換を行わない場合の閾値G2よりも絶対値が大きく設定される。この結果、右方向に旋回する場合、「遠心加速度Gが閾値を超えた」と判定されにくくなる。この閾値G2から閾値G2#に変更する程度は、道路の曲率に基づいて変更されてよい。軌道評価部117は、道路の曲率が大きい程、閾値G2から閾値G2#に変更する程度を大きくする。
【0114】
なお、自車両Mが右方向にカーブするカーブ路を走行する場合には、
図17とは逆の傾向で閾値が設定される。この結果、左方向に旋回する場合、「遠心加速度Gが閾値を超えた」と判定されにくくなり、右方向に旋回する場合、「遠心加速度Gが閾値を超えた」と判定されやすくなる。
【0115】
逆変換部116は、軌道評価部117によって選択された走行軌道Tgに対し、変換部112が行った変換の逆変換を行うことで、変換部112により直線形状に変換される前の道路の形状における自車両Mの走行軌道Tg#を生成する。
【0116】
図18は、軌道評価部117によって選択された走行軌道Tgを逆変換して生成された走行軌道Tg#の一例を示す図である。図中の走行軌道Tg#に沿って自車両Mが走行した場合、逆変換部116により仮想的な直線形状の道路から元のカーブ形状の道路に変換される前に、予め遠心加速度Gが閾値G1#以下の走行軌道Tgのみが選択されていることから、例えば図中Aのように旋回角が大きくなりやすい領域において、障害物OBを回避するために急な旋回が実行されるのが抑制される。例えば、早めに右車線に移動して障害物OBを回避するような走行軌道Tg#が選択されることになる。この結果、遠心加速度Gが小さくなり、車両乗員の負担が小さくなる。
【0117】
[走行軌道の調整]
ここで、変換部112により複数の基準点Pが設定されることにより、逆変換部116により逆変換されることで生成される走行軌道Tg#が環状になる場合がある。この場合、逆変換部116は、環状部(ループ)が形成された走行軌道Tg#の交差する点に基づいて、生成した走行軌道Tg#をループしない曲線に補正する。例えば、逆変換部116は、環状となった箇所を所定の軌道点に置換して(環状の部分を削除して)、走行軌道Tg#をループしない曲線に補正する。
【0118】
図19は、走行軌道Tg#の一部に環状部が形成される場合の補正処理を説明するための図である。図中のK[0]からK[7]は、逆変換部116による逆変換の後において、走行軌道Tg#を示すスプライン曲線の点列の各点を表している。図の例では、K[3]からK[6]の区間において、K[3]とK[4]との間のリンクと、K[5]とN[6]との間のリンクとが交差することで環状部が形成されている。この場合、逆変換部116は、これらリンクの交差点CPに、所定の軌道点K[3’]を設定すると共に、点K[4]およびN[5]を消去することで、[3]、N[3’]、N[6]の順序で点列が繋がるように走行軌道Tg#を補正する。
【0119】
また、逆変換部116は、走行軌道Tg#の一部に環状部が形成される場合、走行軌道Tg#を表すスプライン曲線を、多項式等に関数に近似することで、ループしない曲線に補正してもよい。
【0120】
図20は、第2の実施形態における経路生成部110Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、自動運転が開始される以前、すなわち行動計画に基づく制御が実施される以前に実施される。また、本フローチャートの処理は、一例として、上述した
図15に示すように、道路が車両の進行方向に対して左方向にカーブしているカーブ路である場面において行われる処理として説明する。
【0121】
まず、経路生成部110Aは、所定の演算周期Tの開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS200)。経路生成部110Aは、所定の演算周期Tの開始タイミングが到来していないと判定した場合には待機し、所定の演算周期Tの開始タイミングが到来したと判定した場合にはステップS202に処理を進める。
【0122】
次に、変換部112は、地図情報取得部111により出力された地図情報132に基づいて、自車両Mが走行する道路の形状を仮想的に直線形状に変換した仮想的道路情報138を生成する(ステップS202)。
【0123】
次に、軌道評価部117は、変換部112により変換される前の道路の曲率に応じて、遠心加速度Gの閾値G1#を設定する(ステップS204)。次に、走行軌道生成部115は、自車両の現在位置を始点Psとし、目標点設定部113により出力された目標点を終点Peに設定して、スプライン関数に基づく演算を行うことで走行軌道Tgを生成する(ステップS206)。
【0124】
次に、軌道評価部117は、走行軌道生成部115により生成された走行軌道Tgごとに、自車両Mの速度を時間に依らず一定として、それぞれの走行軌道Tgに沿って自車両Mを走行させた場合に生じる遠心加速度Gを導出する(ステップS208)。次に、軌道評価部117は、全ての走行軌道Tgにおいて、遠心加速度Gの絶対値が閾値G1#を超える走行軌道Tg上の点が存在するか否かを判定する(ステップS210)。
【0125】
全ての走行軌道Tgにおいて、遠心加速度Gの絶対値が閾値G1#を超える走行軌道Tg上の点が存在する場合、軌道評価部117は、遠心加速度Gを導出する際に想定した自車両Mの速度を、ステップS208の処理において用いた自車両Mの速度よりも小さい速度に変更して(ステップS212)、上述したステップS206の処理に戻る。
【0126】
一方、遠心加速度Gの絶対値が閾値G1#を超える走行軌道Tg上の点が存在しない走行軌道Tgが一つでも存在する場合、逆変換部116は、当該存在する走行軌道Tgに対し、変換部112が行った変換の逆変換を行うことで、変換部112により直線形状に変換される前の道路の形状における自車両Mの走行軌道Tg#を生成する(ステップS214)。
【0127】
次に、逆変換部116は、生成した走行軌道Tg#を走行制御部120に出力する(ステップS216)。これによって、本フローチャートの処理が終了する。
【0128】
以上説明した第2の実施形態の車両制御装置100Aによれば、上述した第1の実施形態と同様に、道路の形状に適合した走行軌道を低演算負荷で生成することができる。
【0129】
また、第2の実施形態の車両制御装置100Aによれば、走行軌道Tgに対して遠心加速度Gについて評価することにより、遠心加速度Gが小さい走行軌道Tgのみを逆変換するため、例えば、カーブ路等の道路において自車両Mの車両乗員に対する負担を軽減することができる走行軌道Tg#を生成することができる。
【0130】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における車両制御装置100Bは、走行軌道Tg#を生成するのに対し、道路上に障害物OBが存在する場合に、その形状を仮想的に変換した障害物OBの大きさを考慮する点で、第1および第2の実施形態と相違する。以下、係る相違点を中心に説明する。
【0131】
第3の実施形態における変換部112は、外界認識部103により自車線において障害物OBが認識された場合、道路の形状を直線形状に変換するのに際し、道路上の障害物OBの形状も合わせて変換する。例えば、障害物OBの形状が、上述した
図15に示すような円形である場合、道路の形状が直線形状に変換するのに応じて、基準点Pに近い側が車両の進行方向であるX方向において拡がり、基準点Pから遠い側がX方向において縮むような形状に変換される。このような形状に変換される場合、縮小された障害物OBの形状付近では、障害物OBの近傍まで接近するような走行軌道Tgが生成されやすく、本来の形状であれば障害物OBと干渉するために走行軌道Tgとして生成されないようなスプライン曲線が走行軌道生成部115により生成される場合がある。
【0132】
第3の実施形態における軌道評価部117は、上述した本来走行軌道Tgとして生成されるべきでないスプライン曲線を逆変換の前に、選択肢から除外するために、直線形状に変換された仮想的な道路において、直線形状に変換される前の道路の曲率に基づいて、直線形状に変換された後の障害物OB#の形状を補正する。例えば、軌道評価部117は、変換後の障害物OB#の形状を、変換後の障害物OB#の形状を示す楕円に外接する四角形に補正する。そして、軌道評価部117は、導出した四角形により示される領域を仮想的な障害物VOBとして扱い、走行軌道生成部115により生成された複数の走行軌道Tgの中から、障害物VOBと干渉しない走行軌道Tgのみを選択する。
【0133】
図21は、仮想的な障害物VOBを設定する場面の一例を示す図である。図中に示すK[0]からK[7]は、スプライン曲線として表される点列の各点である。以下、この点を軌道点と称して説明する。図示のように、例えば、軌道評価部117は、軌道点Kごとに、軌道点Kから障害物VOBまでの距離を導出し、距離が閾値以上の走行軌道Tgを選択する。この閾値は、例えば、自車両Mの車幅Wと、自車両Mと障害物OBとの間に余裕を持たせるための距離とに基づいて設定される。軌道点Kから障害物VOBまでの距離が閾値以下の場合、その走行軌道Tgは障害物VOBに干渉するものとして扱われる。逆変換部116は、軌道評価部117に選択された走行軌道Tg、すなわち障害物VOBと干渉しない走行軌道Tgのみに対し、変換部112が行った変換の逆変換を行うことで、自車両Mの走行軌道Tg#を生成する。
【0134】
また、軌道評価部117は、本来走行軌道Tgとして生成されるべきでないスプライン曲線を逆変換の前に、選択肢から除外するために、直線形状に変換された仮想的な道路において、直線形状に変換した区画線から障害物OBまでの距離に基づいて、直線形状に変換された後の障害物OB#の形状を補正してもよい。上述した実施形態では、基準点Pとの位置関係から直線形状に変換する対象の区画線を、道路中央線CLとして説明したが、これに限られず、車両の進行方向へ向けて延伸する線であればそのような線であってもよい。例えば、直線形状に変換する対象の区画線は、道路外側線SLや、自車両Mの基準となる点(例えば重心等)を通り、且つ道路中央線CLまたは道路外側線SLと平行する線である。
【0135】
図22は、仮想的な障害物VOBを設定する場面の他の例を示す図である。
図22の例では、基準点Pは、車両の進行方向に対して右側の道路外側線SLに設定されている。また、図示の例では、直線形状に変換する対象の区画線は、車両進行方向に対して右側の道路外側線SLに設定されている。このような場合、変換部112により変換される障害物OBの形状は、
図21のように直線形状に変換する対象の区画線が左側の道路外側線SLに設定されている場合に比べて、それぞれの基準点Pまでの距離が遠いことから、より大きな度合で拡大および縮小がなされる。この場合、
図21の場合と比べて、本来の形状であれば障害物OBと干渉するような走行軌道Tgがより多く生成される傾向にある。従って、軌道評価部117は、直線形状に変換する対象の区画線から障害物OBまでの距離がより大きいほど、変換後の障害物OB#の形状を、少なくとも車両の進行方向に関して、より大きな形状に補正する。
図22の例では、
図21の例と比べて直線形状に変換した道路外側線SLから障害物OBまでの距離が大きいため、軌道評価部117は、
図21に例示した障害物VOBの大きさに比べて2倍程度の障害物VOBを設定している。これによって、軌道評価部117は、逆変換部116による変換の前に、道路の形状を元に戻した場合に障害物OBと干渉しやすい走行軌道Tgを除外することができる。なお、軌道評価部117は、直線形状に変換する対象の区画線から障害物OBまでの距離に基づいて、変換後の障害物OB#の形状を、車両の幅方向に関して補正してもよい。例えば、軌道評価部117は、区画線から障害物OBまでの距離が大きいほど、変換後の障害物OB#の形状を、車両の幅方向に関して、より大きな形状に補正する。
【0136】
以上説明した第3の実施形態の車両制御装置100Bによれば、上述した第1および第2の実施形態と同様に、道路の形状に適合した走行軌道を低演算負荷で生成することができる。
【0137】
また、第3の実施形態の車両制御装置100Bによれば、道路の形状を仮想的に直線形状に変換する際に障害物OBの形状も合わせて変換し、変換後の障害物OB#の形状を、変換前の道路の曲率および基準点Pから障害物OBまでの距離の一方または双方に応じて補正することにより、障害物OBの回避により適した走行軌道Tg#を生成することができる。
【0138】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。