特許第6429257号(P6429257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マクセル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6429257-照明装置 図000002
  • 特許6429257-照明装置 図000003
  • 特許6429257-照明装置 図000004
  • 特許6429257-照明装置 図000005
  • 特許6429257-照明装置 図000006
  • 特許6429257-照明装置 図000007
  • 特許6429257-照明装置 図000008
  • 特許6429257-照明装置 図000009
  • 特許6429257-照明装置 図000010
  • 特許6429257-照明装置 図000011
  • 特許6429257-照明装置 図000012
  • 特許6429257-照明装置 図000013
  • 特許6429257-照明装置 図000014
  • 特許6429257-照明装置 図000015
  • 特許6429257-照明装置 図000016
  • 特許6429257-照明装置 図000017
  • 特許6429257-照明装置 図000018
  • 特許6429257-照明装置 図000019
  • 特許6429257-照明装置 図000020
  • 特許6429257-照明装置 図000021
  • 特許6429257-照明装置 図000022
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429257
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20181119BHJP
   F21S 8/06 20060101ALI20181119BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20181119BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20181119BHJP
   G03B 21/28 20060101ALI20181119BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20181119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181119BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20181119BHJP
【FI】
   F21S8/04 100
   F21S8/04 310
   F21S8/04 400
   F21S8/06 100
   F21V19/00 150
   G03B21/00 D
   G03B21/28
   H04N5/74 Z
   F21Y115:10
   F21Y115:20
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-565855(P2016-565855)
(86)(22)【出願日】2014年12月26日
(86)【国際出願番号】JP2014084706
(87)【国際公開番号】WO2016103517
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】317015179
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 長平
(72)【発明者】
【氏名】金子 一臣
(72)【発明者】
【氏名】賀来 信行
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−144510(JP,A)
【文献】 特開2010−002885(JP,A)
【文献】 特開2012−186118(JP,A)
【文献】 特開2014−120400(JP,A)
【文献】 特開2007−027072(JP,A)
【文献】 特開2008−077979(JP,A)
【文献】 特開2006−086024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 8/06
F21V 19/00
G03B 21/00
G03B 21/28
H04N 5/74
F21Y 115/10
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を発する照明装置であって、
筺体の内部に配置される前記照明光を生成するための光源と、
当該筺体の一部に取り付けた拡散板であって、前記光源からの照明光を拡散する拡散板と、
前記筺体と前記拡散板の一部が形成する空間の内部に配置され、水平面である投射面に映像を投射するプロジェクタと、
を備え、
前記プロジェクタを構成する光学ユニットは、映像を表示する表示素子と、該表示素子の光学像を形成する投射光学系を有し、前記表示素子から前記投射光学系へ入射する光束の入射方向が、水平面に対して略平行な方向、または鉛直方向よりも水平面に平行な方向により近い方向となる状態、または前記表示素子からの光束が入射する前記投射光学系の光軸が、水平面に対して略平行な方向、または鉛直方向よりも水平面に平行な方向により近い方向となる状態で配置されており
前記プロジェクタが射出する投射光は、前記拡散板の面において、前記水平面である投射面と略平行な部分に設けられた、光を拡散しない領域である開口部または透過窓を通過して前記水平面である投射面に映像を投射する、
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載した照明装置において、
前記水平面である投射面での前記プロジェクタにおける映像投射領域と、前記水平面である投射面での前記光源により生じた光を拡散した照明光による照明範囲の少なくとも一部が重畳する、照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載した照明装置において、
鉛直方向の配置において、前記光学ユニットからの映像出射光の出射位置が前記光源よりも低い位置かつ、前記開口部または透過窓よりも高い位置に配置される、照明装置。
【請求項4】
請求項1に記載した照明装置において、
前記光学ユニットは、前記投射光学系の光軸を変更するための反射光学素子を備えている、照明装置。
【請求項5】
請求項1に記載した照明装置において、
前記照明装置は、ペンダント型の照明装置である、照明装置。
【請求項6】
請求項1に記載した照明装置において、
前記照明装置は、シーリング型の照明装置である、照明装置。
【請求項7】
請求項1に記載した照明装置において、
前記光学ユニットは、前記照明装置からの照明光束の中央部に位置するように配置されている、照明装置。
【請求項8】
請求項1に記載した照明装置において、
前記光学ユニットは、前記照明装置からの照明光束の端部に位置するように配置されている、照明装置。
【請求項9】
請求項1に記載した照明装置において、
前記光学ユニットは、前記照明装置からの照明光束の中央部と端部の間に位置するように配置されている、照明装置。
【請求項10】
請求項1に記載した照明装置において、
前記光源には、前記筺体の一部に取り付けた基板の下面に配置されて取り付けた発光素子が含まれる、照明装置。
【請求項11】
請求項10に記載した照明装置において、
前記基板は、更に、その端部から垂直方向に伸びる側面を有し、前記側面の外側に発光素子を備えている、照明装置。
【請求項12】
請求項1に記載した照明装置において、
前記光源には、前記筺体の一部に取り付けた基板の下面と上面に配置されて取り付けた発光素子が含まれる、照明装置。
【請求項13】
請求項1に記載した照明装置において、
前記筺体の一部に取り付けられた前記拡散板を、照明光を発生する前記光源とした、照明装置。
【請求項14】
請求項13に記載した照明装置において、
前記照明光を発生する前記光源をELで構成した、照明装置。
【請求項15】
請求項1に記載した照明装置において、
前記照明光を発生する前記光源をLEDで構成した、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井や壁面に取り付けて、各種の機能を利用することができる通信機能モジュールをシーリングライトに取り付ける技術が、以下の特許文献1に開示されている。
【0003】
更に、照明光と映像を合わせた空間演出を可能とする、画像投影装置付き照明装置が、以下の特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−16831号公報
【特許文献2】特開2012−186118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、プロジェクタはブロック図や簡易的な外形が開示されるのみであり、照明装置におけるプロジェクタの光学系や光学素子のレイアウトまたは光学系や光学素子の配置を考慮した光学ユニットのレイアウトなどは開示されていない。よって、映像投射機能を有する照明装置における照明光用光源と、映像投射機能であるプロジェクタの光学ユニットとの間の効率的な配置についての考慮は、未だ不十分であった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来技術における問題点に鑑みて達成されたものであり、その目的は、照明機能に用いる光源と映像投射機能に用いる光学ユニットとをより好適に配置した照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、例えば、特許請求の範囲に記載されるように構成すればよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、照明機能に用いる光源と映像投射機能に用いる光学ユニットとをより好適に配置した照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態になるペンダント型照明装置の外観構成を、その使用環境と共に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態になるシーリング型照明装置の外観構成を、その使用環境と共に示した斜視図である。
図3】上記照明装置の内部構成を示すため、拡散板の一部を取り除いて下方から見た図である。
図4】上記照明装置における照明用光源の具体例を示す図である。
図5】上記ペンダント型照明装置を天井面から吊り下げるための保持具について説明する図である。
図6】上記照明装置の光学ユニットの内部の詳細な回路構成を示すブロック図である。
図7】上記照明装置における光学ユニットの配置である横置きを定義するための側面図である。
図8】上記照明装置における光学ユニットの配置である横置きを定義するための斜視図である。
図9】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の実施例を説明する側面図と下面図である。
図10】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の実施例を説明する側面図と下面図である。
図11】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の実施例を説明する側面図と下面図である。
図12】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の変形例を説明する側面図と下面図である。
図13】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の変形例を説明する側面図と下面図である。
図14】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の変形例を説明する側面図と下面図である。
図15】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の変形例を説明する側面図と下面図である。
図16】上記ペンダント型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の変形例を説明する側面図である。
図17】上記シーリング型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の実施例を説明する側面図と下面図である。
図18】上記シーリング型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の実施例を説明する側面図と下面図である。
図19】上記シーリング型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の実施例を説明する側面図と下面図である。
図20】上記シーリング型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の変形例を説明する側面図と下面図である。
図21】上記シーリング型照明装置の筐体内における光学ユニットと照明用光源のレイアウト(配列)の他の変形例を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明する。
<ペンダント型およびシーリング型の映像投射機能付き照明装置>
【0011】
まず、添付の図1および図2は、本発明の一実施の形態である映像投射機能付き照明装置の外観構成を示している。図1は、天井面から吊るすような形態で取り付けられる、所謂、ペンダント型と呼ばれる照明装置に映像投射機能を搭載した映像投射機能付き照明装置を示している。図2は、天井面に取り付けられる、所謂、シーリング型と呼ばれる照明装置に映像投射機能を搭載した映像投射機能付き照明装置を示している。
【0012】
これらの図からも明らかなように、これらの映像投射機能付き照明装置10、10’は、例えば、キッチン、ダイニングルーム、または、居間、オフィス等の空間を構成する壁面、または天井50などに取り付けて使用される。より具体的には、図にも示すように、室内に設置されたテーブルや机60の上方において、所定の高さ、または、天井面に一体に設置される。これら映像投射機能付き照明装置10、10’は、照明光をテーブルや机の上面または壁面などに照明光を照射する照明機能と、当該テーブルまたは机60の上面(表示面または投射面)61に各種の映像を投射して表示する映像投射機能と両方有する照明装置である。なお、図1における符号40は、特に、ペンダント型の照明装置10を天井面から所望の位置に吊り下げた状態で保持するための保持具を示している。
【0013】
映像投射機能で映像を投射したい水平面テーブルまたは机などは、映像投射機能を用いない状態で使用する際などに照明機能で照明する対象になる可能性が高い。よって、前記映像投射機能で映像を投射する領域と前記照明機能の照明光の照明範囲は少なくとも一部が重畳することが望ましい。
【0014】
また、映像投射機能付き照明装置は、制御部を搭載することにより、照明機能で照明光と映像投射機能で投射する映像とはそれぞれON/OFFできるように構成するのが望ましい。
【0015】
図3は、一例として、上記図1に示したペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の内部構成を示しており、この図にも明らかなように、例えば、合成樹脂の金型成型により形成した、外形略円筒または円錐状の本体(または、筺体とも言う)(シェード)11の内部には、以下にも詳細に述べるが、例えば、複数の半導体発光素子(LED)を面状に配列してなる照明用光源20(ここでは、各半導体発光素子の記載は省略し、取り付け位置を破線の円形で示す)と、そして、各種の映像を投射して表示するための小型プロジェクタ、特に、当該プロジェクタを構成する主要部分であるプロジェクタ光学ユニット(光学エンジン)30を備えている。
【0016】
なお、図中の符号12は、上記本体11の下方開口部を覆うように設けられ、上記照明用光源20からの照明光を拡散して下方に均一に照射するための、所謂、拡散板を示している。なお、上記では、本体(シェード)11の外形を円筒または円錐状として説明したが、本発明は、これに限定されることなく、その他の形状、例えば、箱型のものであってもよい。
【0017】
なお、ここでは図示しないが、上記図2に示したシーリング型の映像投射機能付き照明装置10’の内部構成も、上述したペンダント型の映像投射機能付き照明装置とほぼ同様に、合成樹脂の金型成型により形成した本体(筺体またはシェード)の内部に、複数の半導体発光素子(LED)を面状に配列してなる照明用光源と、各種の映像を投射して表示するための小型プロジェクタを構成する光学ユニット、そして、拡散板を備えていることは言うまでもない。また、本体(シェード)の外形も、図2の例では、方形状の箱型のものとして説明したが、本発明は、これに限定されることなく、その他、円板や楕円板の形状であってもよい。
【0018】
図4は、上述した照明用光源20の具体例を示しており、この図は、上記図1のペンダント型の映像投射機能付き照明装置10を、その拡散板12を外した状態で、下方から見た下面図である。この図からも明らかなように、例えば、熱伝導性に優れた金属などからなる円盤状の基板21の面上に、複数(本例では、10個)の半導体発光素子(LED)22が、ほぼ均等な照射光が得られるように配列されて取り付けられて構成されている。以降の図で映像投射機能付き照明装置10を下から見た図面では、構造が理解し易いように、いずれも拡散板12を外した状態で説明する。
【0019】
なお、ここでは図示しないが、上述した拡散板12は、照射光を散乱する透明または半透明の部材により、上記照明用光源20の下方の開口を覆うように取り付けられており、その一部、すなわち、上記プロジェクタの光学ユニット30からの映像光が投射される位置には、当該映像光を透過するための開口部または透明な窓部である透過窓14が形成されている。
【0020】
また、後にも説明するが、光学ユニットのインタラクティブ機能を実現するために、その一部に取り付けられたセンサーとしてのカメラを設けてもよい。なお、このカメラは、例えば、表示面61を含む撮像範囲における赤外光成分を検出するものであり、これによれば、利用者の動作を撮影し、または、利用者が操作する操作物からの反射光を検知することにより、利用者の操作内容を検出することができる。
【0021】
ここで、上記図1にも示されるように、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の上面には、当該映像投射機能付き照明装置10の本体11を天井面から所望の位置に吊り下げた状態で保持するための保持具40が固定されているが、この保持具40について、添付の図5を参照しながら、以下に説明する。
【0022】
すなわち、保持具40の一端(下端)は、上記映像投射機能付き照明装置10の本体11を構成する底面(上端面)に固定されると共に、この保持具40は、その他端(上端)には、天井面に固定するための円盤状の取り付け具45を備えており、例えば、ネジ46やネジ穴47などによって、天井面にしっかりと固定される。
【0023】
なお、ここで、発明者等による検討によれば、特に、照明光をテーブルや机の上面に照射するだけでなく、当該テーブルまたは机の上に映像を投射して表示することが可能な映像投射機能付き照明装置10では、映像投射機能付き照明装置本体11が揺れ、または、回転すると、投射映像の揺れが生じ表示装置としての機能を十分に達成できない状況が起こりうることが分かった。
【0024】
そこで、本例では、上述した保持具40を、例えば、アルミニウム等の中空の金属管等、所謂、剛性の部材で形成しており、これにより好適な結果が得られた。なお、その際には、当該保持具40を構成する管体の内部に、上記半導体発光素子(LED)からなる光源20と、そして光学ユニット30へ電力を供給するための電源コード48、更には、必要に応じて、映像信号を供給するためのケーブル等をも収納することによれば、当該電源コードやケーブルを外部において這い回す必要がなくなり、意匠性にも優れた映像投射機能付き照明装置とすることが出来る。
【0025】
また、当該保持具40を構成する管体を、その下端が映像投射機能付き照明装置本体11の内部空間に対して開口し、すなわち、映像投射機能付き照明装置本体11内部の空気が保持具40の管体に流入可能なように構成する。このように構成すれば、本体内部に収納された光源20および光学ユニット30からの発熱を、所謂、煙突効果により管体に導き、当該管体の上部に形成したスリット状の開口部49を介して外部に放出することが可能となる(図中の、白抜きの矢印を参照)。これによれば、映像投射機能付き照明装置10のより効率的な冷却にも資することが可能となる。
【0026】
更に、ここでは図示しないが、上記保持具40を構成する管体として、互いに径が異なり、スライド可能な複数本の管体(パイプ)を、同心状に組み合わせ、その一部に固定部を設け、もって、その全体の長さを調整することが可能な管体を利用することも可能である。これによれば、天井50から吊り下げられた映像投射機能付き照明装置10の高さを自在に調節可能とすることから、更にその利用性に優れた映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0027】
図6は、上記光学ユニット30、所謂、投射型映像表示装置の内部を構成する回路構成の詳細な一例を示すブロック図である。
【0028】
投射光学系101(上記図3では符号34)は、映像を表示面61へ投射する光学系で、レンズおよび/またはミラーを含む。表示素子102(上記図3では符号32)は、投射する映像を生成する素子で、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)パネル等を用いる。表示素子駆動部103は、表示素子102に対して映像信号に応じた駆動信号を送る。光源105(上記図3では符号31)は投射用の照明光を発生するもので、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、LED光源、レーザー光源等を用いる。
【0029】
電源106は光源105に電力を供給する。照明光学系104は、光源105で発生した照明光を集光し、より均一化して表示素子102に照射する。冷却部115は、光源105、電源106または表示素子102など、高温状態になる各部位を空冷方式や液冷方式で必要に応じて冷却する。操作信号入力部107は、装置本体上の操作ボタンやリモコンの受光部であり、ユーザからの操作信号を入力する。
【0030】
映像入力部131は、外部の映像出力装置を接続して映像データを入力する。音声入力部133は、外部の映像出力装置を接続して音声データを入力する。音声出力部140は、音声入力部133に入力された音声データに基づいた音声出力を行うことが可能である。また、音声出力部140は内蔵の操作音やエラー警告音を出力してもよい。通信部132は、例えば、外部の情報処理装置と接続し、各種の制御信号を入出力する。
【0031】
不揮発性メモリ108は、インタラクティブ機能における各種操作用のデータ、表示アイコン、後述するキャリブレーション用のデータやその他プロジェクタ機能で用いるデータを格納する。メモリ109は、投射する映像データや装置の制御用データを記憶する。制御部110は、装置内各部の動作を制御する。特に、センサー150とインタラクティブ機能部120を制御してインタラクティブ機能を実行させる。
【0032】
センサー150は、表示面61上の映像投射領域と重畳する範囲を撮影するカメラで、赤外光成分を検出することで、操作物による反射光を検知することができる。なお、センサー150の光学フィルターのカット波長を可視光波長域に設定する(例えば、赤色可視光領域の途中に設定する)ことで、赤外光以外の一部の可視光成分(すなわち表示画面の投射映像)を赤外光成分とともに撮影することも可能である。
【0033】
インタラクティブ機能部120は、ユーザが発光ペンや指を操作することで、映像領域へ文字や図形を書き込むなどのインタラクティブ動作を行う部分である。そのために、センサー150から取得した赤外線画像を解析して発光ペンや指の位置(ユーザが操作した位置)を算出する機能や、投射映像中に操作アイコンを合成したり、ユーザの操作に基づいて描画処理等を行うアプリケーションや、外部の映像出力装置から入力される映像等の操作を行うアプリケーションなど、発光ペンや指により操作可能なアプリケーションを実行する機能などを有する。
【0034】
ここで、センサー150の撮影範囲と、表示面61に投射された映像 (表示素子102の映像領域の表示面61上での光学像)の範囲とが、一致することはまずない。よって、ユーザが操作(描画)した位置を算出する際に、センサー150の撮影範囲での座標と、表示面61に投射された映像中の座標位置を変換する必要がある。よって、インタラクティブ機能部120は、当該変換の処理および当該変換処理のための変換テーブルデータ(キャリブレーションデータ)を作成するための処理を行う機能などを有する。
【0035】
映像入力部131は、外部の映像出力装置を接続して映像データを入力する。音声入力部133は、外部の映像出力装置を接続して音声データを入力する。通信部132は、例えば、外部の情報処理装置と接続して各種制御信号を入出力する。
【0036】
なお、上記の例では、上記図3にも示したように、光学ユニット30の光源31(例えば、半導体発光素子(LED))からの光は、例えば、DMD(Digital Micromirror Device:登録商標)などの反射型映像表示素子(または、液晶パネルなどの透過型映像表示素子でもよい)からなる表示部32により映像光に変調され、各種のレンズを含む投射光学系34、更には、映像光の進行方向を変更する手段である反射ミラー35等の反射光学素子を介して、外部に投射される。
【0037】
すなわち、反射ミラー35で反射して光学ユニット30から下方に向かって投射された映像は、その下方において、上記映像投射機能付き照明装置10による照明光の照射可能領域と少なくとも一部が重畳する範囲に表示される。なお、この光学ユニット30の詳細については、後にも再び説明するが、これに先立ち、以下では、当該光学ユニット30と上述した照明用光源20、更には、拡散板12との間の、映像投射機能付き照明装置10の本体(シェード)11内部における位置関係について述べる。
【0038】
また、上述した図6に示した回路構成は、例えば、回路基板上に組み立てられ、上記光学ユニット30の内部に配置されてもよく、または、外部(例えば、図10以降で説明する照明用光源20が配置される円盤状の基板21の裏面等)に配置されてもよい。
<プロジェクタ光学ユニットの配置の定義>
【0039】
ここで、本明細書では、プロジェクタを構成する光学ユニット(30)の配置を、以下のように定義する。
<光学ユニットの横置き>
【0040】
光学ユニットの横置きとは、図7および図8にも示すように、プロジェクタを構成する表示素子(図3の符号32)からの光束が、例えば、レンズ等の各種光学素子を含む、所謂、投射光学系(34)へ入射する際において、当該光束の入射方向、または、当該光束が入射する投射光学系(34)の光軸が、水平面に対して略平行な方向に配置される状態または鉛直方向よりも水平面に平行な方向により近い方向となるように配置される状態をいう。なお、図7図8において、z方向が鉛直方向すなわち水平面に垂直な方向である。
【0041】
このようなレイアウトによれば、反射ミラー35等により投射光学系(34)の光束を反射し、水平面へ表示素子(32)の光学像を結像することができる。ここでは図示しないが、光源(31)から表示素子(32)までの光学系には様々なレイアウトがあり、その一例として、例えば、当該表示素子(32)としては、透過型や反射型等のものがある。また、表示素子(32)が1枚のレイアウトのものや、表示素子が複数枚のレイアウトのもの等、様々な光学系のものが知られている。
【0042】
しかしながら、図7図8に示す横置きレイアウトで光学ユニットケースの小型化を図る場合、これら表示素子(32)と投射光学系(34)のレイアウトを考慮すると、図のy方向への光学ユニットの薄型化は容易ではない。
【0043】
しかしながら、この光学ユニット(30)の横置レイアウトは、他の方向に比べ、光学ユニットのz方向への薄型化が容易である。よって、横置きレイアウト光学ユニットケースの小型化を図る場合、図8の斜視図に示すように、y方向よりもz方向に薄い光学ユニットが形成される。
【0044】
なお、図に破線で示すように、表示素子(32)の中心位置と投射系(34)光軸のxz平面での相対位置設定を変更すれば、水平面上の表示素子の光学像の位置を変更することが可能となる。これにより、反射ミラー35で反射された後の水平面上の投射映像の位置を設計上の必要に応じて自在に設定することが可能となる。
【0045】
なお、図7および図8の例では、反射ミラー35等の反射光学素子を投射光学系の後に配置したが、投射光学系が有する複数のレンズ等の光学素子の間に配置してもよい。また、図7および図8の例において、反射ミラー35は光学ユニットと別体と考えてもよく、光学ユニットの一部に含まれると考えてもよい。
【0046】
続いて、以下には、上述した光学ユニット(30)の横置きレイアウトによる映像投射機能付き照明装置のうち、特に、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10のより具体的なレイアウト(配列)について、図9図11を参照しながら説明する。
<ペンダント型の映像投射機能付き照明装置>
【0047】
まず、図9(A)および(B)は、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の側面断面と下面図である。この例では、本体である筺体(シェード)11の内側の底面には、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20の基板21を取り付けられている。更に、図の下側の開口面にはこれを覆うように、拡散板12が取り付けられている。また、筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間には、光学ユニット30が、上記照明用光源20の下方で、照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
【0048】
図9の例では、拡散板12において、光学ユニット30から下向きに投射光が出射される位置には、開口部または透過窓14が設けられる。開口部または透過窓を設けず拡散板12の全面に拡散効果があると光学ユニット30から出射される投射映像まで拡散してしまい、テーブルや机などの映像投射対象面上で映像が結像できなくなってしまうからである。開口部または透過窓14の部分は、拡散板12を切り欠いた開口でもよく、拡散効果のないガラスなどの透過性物質でもよい。
【0049】
透過性物質などで形成する透過窓の場合は、拡散板12内に埃などが入りにくい構成にすることができるが、光学ユニット30から出射される投射映像に極力影響を与えないように、光学ユニット30から出射される投射光が有する波長域において極力分光特性が平たんな特性のコーティングを施すべきである。
【0050】
なお、開口部または透過窓14の周囲は直接拡散板12とつながっている必要はなく、拡散板12上の光学ユニット30の影を見えにくくするために、開口部または透過窓14と拡散板12の間に化粧板などの領域を設けてもよい。すなわち、開口部または透過窓14とは、筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間に配置される光学ユニット30から投射される映像投射光が出射するために必要な通過口または透過口であり、その位置は、拡散板12であってもその他の構造物の一部であってもよい。
【0051】
このようなレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、その全体を上下方向に薄く構成して、すなわち、薄型構造の照明装置を実現することが可能となる。
【0052】
また、光学ユニットが筺体(シェード)11内で横置きされているので、光学ユニット内の光源、表示素子などの熱源の配置が水平方向に分散される。熱源による空気の対流は上方向に進むため、これら熱源を垂直方向に配置する場合に比べて、それぞれの熱源の冷却において他の熱源からの放熱の影響を受けにくいという効果もある。当該効果は以下のいずれの光学ユニット横置きレイアウトでも得られる。
【0053】
なお、拡散板12は、発光面積の小さい複数の半導体発光素子(LED)22から光を拡散することにより、より均一な光分布特性を有する拡散光に変換する効果を有する。半導体発光素子(LED)22の数を増やせばより均一な拡散光が得られるが、コストが高くなる。複数の半導体発光素子(LED)22の数を固定すると、複数の半導体発光素子(LED)22と拡散板12との距離が離れれば離れるほど、隣あって配置される半導体発光素子(LED)22同士からの発光が重なり合うため、より均一な拡散光が得られる。よって、コストパフォーマンスと均一な拡散光の獲得を両立するためには、複数の半導体発光素子(LED)22と拡散板12との距離を可能な限り長くした方がよい。
【0054】
一方、光学ユニット30の投射光学系は拡大投射系であるので、光学ユニット30から下向きに投射される投射光は下方に進めば進むほど拡大してゆく。すると、光学ユニット30から投射光が下方向に出力される位置(図7および図8の例では、投射光学系34および反射ミラー35を経て投射光が下向きに出射される位置)と開口部または透過窓14との距離はできるだけ短い方がよい。この距離を長くすると、映像投射光の拡大により、拡散板12の一部に設けた開口部または透過窓14の面積を大きくする必要が生じ、その部分の照明光の拡散効果が得られなくなってしまうからである。
【0055】
すると、コストパフォーマンス、拡散光の均一性、および開口部または透過窓の小型化の全てのバランスをより好適に得るためには、図9に示すように光学ユニット30を筺体(シェード)11と拡散板12で形成される空間に横置きし、光源20よりも低い位置に配置すればよい。このようにすれば、光学ユニット30の厚み分だけ複数の半導体発光素子(LED)22と拡散板12との距離を確保することができ、また光学ユニット30から投射光が下方向に出力される位置と開口部または透過窓14との距離は短くすることができ、コストパフォーマンス、拡散光の均一性、および開口部または透過窓の小型化の全てのバランスをより好適に得ることができる。
【0056】
後述する図10図11図14図15図17図18図19図20、等でも同様の距離関係を有することにより同様の効果を得ることができる。この場合、鉛直方向の配置において、光学ユニット30からの映像出射光の出射位置が前記光源20と前記開口部または透過窓14との間に配置されることとなる。
【0057】
なお、光学ユニット30の配置は、照明光束の略中央部に限定されるものではなく、図10(A)および(B)に示したペンダント型の映像投射機能付き照明装置10例では、筺体(シェード)11の内部において、光学ユニット30が照明光束の端部に位置するように配置されている。
【0058】
また、図11(A)および(B)にも示すように、光学ユニット30を、図9のレイアウト(配列)と図10のレイアウト(配列)との中間の位置に配置することも可能であり、その場合においても、上記の例と同様に、鉛直方向に薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0059】
更に、ペンダント型の映像投射機能付き照明装置10の他の変形例について、以下、添付の図12図16を参照しながら説明する。
【0060】
図12(A)および(B)は、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20用の基板21の中央部に開口部を形成し、その内部に光学ユニット30を配置し、もって、光学ユニット30の下面が、半導体発光素子(LED)22の下面にほぼ一致するように構成した例を示す。かかる構成によれば、映像投射機能付き照明装置全体を更に上下方向に薄くして、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、光学ユニット30が照明用光源20からの照明光を遮蔽して影を形成することがない。
【0061】
これにより、光学ユニット30の影が拡散板12上で大きくなることを防ぎ、照明装置としての見た目の品位の低下(すなわち、拡散板12上の影による照明装置として違和感)を抑制することが可能となる。
【0062】
図13(A)および(B)は、光学ユニット30を、照明用光源20用の基板21より上側に配置したものであり、例えば、基板21の上側の面に取り付けてもよく、筺体(シェード)11に取り付けても良い。上記図12と同様、映像投射機能付き照明装置全体を更に上下方向に薄くして、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0063】
なお、当該変形例の場合、照明用光源20の下方の開口を覆うように取り付けられる拡散板12には、光学ユニット30からの映像光を透過するための開口部または透明な窓部が、上記のそれに比較して、より大きな寸法で形成されることとなる。また、拡散板12の一部、すなわち、光学ユニット30が配置される位置には、当該光学ユニット30からの投射光を透過するための開口部(または透過窓)26が形成される。
【0064】
かかる構成によれば、上記図12と同様に、より薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、光学ユニット30は基板21の裏側に配置されていることから、照明用光源20からの照明光を遮蔽して影を形成することがない。これにより、照明装置としての見た目の品位の低下(すなわち、拡散板12上の影による照明装置として違和感)を抑制することが可能となる。
【0065】
このとき、光学ユニット30の下面を基板21の上面と略一致させることにより、基板21の開口部(または透過窓)26の大きさを極力小さくすることができる。これにより、基板21上により効率的に複数の半導体発光素子(LED)22を配置することが可能となる。
【0066】
更に、図14(A)および(B)は、上記照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成し、その底面に複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けると共に、当該円筒状の基板21の外周表面にも複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けるように構成した例である。これにより、照明光を下方に加えて側方にも照射することを可能としたものである。なお、この例では、光学ユニット30は、下方への照明光の照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
【0067】
なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置しても良い。更に、筺体11の下面の開口面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体11の外周の開口部にも、これを覆うように、拡散板12(側方拡散板)が取り付けられている。
【0068】
かかるレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、上下方向に薄くした薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となると共に、照明装置10の側方にも照明光を照射することが出来る(広い範囲の照明機能)。
【0069】
また、このような方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能と、映像投射機能とを有する構成にすることにより、複数の照射光と投射映像との照射組み合わせモードの切り替えを実現することもできる。たとえば、投射映像のみを下方向に照射するモード、下方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、側方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、下方と側方へ照射光を照射し映像を投射しないモード、側方へ照射光を照射するとともに下方向へ投射映像を投射するモード等を切り替える制御を行っても良い。
【0070】
図15(A)および(B)の例では、上記照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成すると共に、更に、水平方向にも延長して鍔部を形成している。また、複数の半導体発光素子(LED)22を、上記基板21の上下の両面、円筒状部の外周面、そして、鍔部の下面に取り付けた構成としている。
【0071】
この例でも、光学ユニット30は、下方への照明光束の略中央部に位置するように配置されている。なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置しても良い。
【0072】
また、筺体(シェード)11の下面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体(シェード)11上面および外周の一部(上部)を覆うように拡散板12(上部周囲方向拡散板)が取り付けられている。かかる構成によれば、上述した効果に加えて、映像投射機能付き照明装置10の上面や側方をも含めて、偏りなく、照明光を周囲に照射することが可能となり、また上側照射では天井などを照射可能なので間接照明としても機能する(天井側間接照明機能+広い範囲の照明機能)。
【0073】
図15の例では、図14と同様、方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能を有するので、図14で説明したように照明機能の複数の照射方向の照射光と映像投射機能の投射映像について複数のモードの切り替え制御を行っても良い。
【0074】
図16は、上記図10の構成において、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20用の基板21に代えて、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)等の面状の発光体を採用し、当該発光体121を上記筺体(シェード)11の下端部(すなわち、図10の拡散板12の位置)に配置した構成を示す。
【0075】
かかる構成によれば、照明光は、光学ユニット30が内部に収納された筺体(シェード)11の下端部を覆う発光体121から照射されることから、内部の光学ユニット30が外部から認識されることなく、照明装置としての見た目の品位の低下を抑制することが可能となる。なお、本例では、光学ユニット30は、下方への照明光束の端部に位置するように配置されている例のみを示したが、これに限定されることなく、更には、その略中央部、または、その中間の位置に配置しても、同様の効果を達成することが可能となる。
【0076】
また、上述の例では発光体121は、筺体(シェード)11の下端部を覆うように構成したが、筺体(シェード)11の側面下部端を発光体121よりも下方向に伸ばして深いシェードを構成してもよい。
【0077】
なお、図16は、図10から複数の半導体発光素子(LED)22を無くし、拡散板12の部分に面状の発光体121を配置したものである。同様の考え方で、図14または図15の構成例において、複数の半導体発光素子(LED)22を無くし、拡散板12の部分に面状の発光体121を配置することも可能である。この場合、面状の発光体121を照明機能として有し、かつ複数の照射方向に照明光を照射可能な映像投射機能付き照明装置10’を実現できる。この場合、図14と同様、方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能を有するので、図14で説明したように照明機能の複数の照射方向の照射光と映像投射機能の投射映像について複数のモードの切り替え制御を行っても良い。
【0078】
更に、以下には、上述した光学ユニット(30)の横置きレイアウトによるシーリング型の映像投射機能付き照明装置10’のより具体的なレイアウト(配列)について、図17図19を参照しながら説明する。
<シーリング型の映像投射機能付き照明装置>
【0079】
まず、図17(A)および(B)は、シーリング型の映像投射機能付き照明装置10’の側面断面と下面図である。この例では、本体である筺体11の内側の底面には、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20の基板21を取り付けると共に、図の下側の開口面側にはこれを覆うように、拡散板12が取り付けられ、その内部には、光学ユニット30が、照明光束の略中央部に位置するように配置されている。
【0080】
このようなレイアウト(配列)によれば、映像投射機能付き照明装置として、その全体を上下方向に薄く構成して、すなわち、薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0081】
映像投射機能の無い一般的なシーリング型照明装置は天井面に薄く広く構成することが多い。よって、映像投射機能付き照明装置であっても、図17(A)および(B)のように薄い構造を実現することにより、従来の一般的なシーリング型照明装置との置換えが容易になり商品価値を高めることができる。
【0082】
図18(A)および(B)は、シーリング型の映像投射機能付き照明装置10’の側面断面と下面図であり、この例では、筺体11の内部に取り付けた光学ユニット30が、照明光束の端部に位置するように配置したものである。
【0083】
また、図19(A)および(B)に示すシーリング型の映像投射機能付き照明装置10’では、光学ユニット30を、図17のレイアウト(配列)と図18のレイアウト(配列)との中間の位置に配置したものである。なお、これらのこのレイアウト(配列)によれば、上記の例と同様、薄型構造の映像投射機能付き照明装置を実現することが可能となる。
【0084】
更に、図20(A)および(B)に示すシーリング型の映像投射機能付き照明装置10’では、照明用光源20用の基板21の端部を垂直方向に延長して円筒状に形成し、その底面に複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けると共に、当該円筒状の基板21の外周表面にも複数の半導体発光素子(LED)22を取り付けるように構成した例である。これにより、照明光を下方に加えて側方にも照射することを可能としたものである。なお、この例では、光学ユニット30は、下方への照明光束の略中央部に位置するように配置されている。なお、光学ユニット30の配置は下方への照明光の照明光束の略中央部でなくともよい。下方への照明光の照明光束の端側すなわち円筒の側面近くに配置しても良い。
【0085】
また、筺体11の下面の開口面の拡散板12(下方拡散板)に加えて、筺体11の外周にも拡散板12(側方拡散板)が取り付けられている。かかる構成によれば、上述した光学ユニット横置きの効果に加えて、映像投射機能付き照明装置10の側方にも照明光を照射することが出来る(広い範囲の照明機能)。当該構成によれば、シーリング型の映像投射機能付き照明装置において、図14の映像投射機能付き照明装置と同様の効果を実現することができる。
【0086】
図20の例では、図14と同様、方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能を有するので、図14で説明したように照明機能の複数の照射方向の照射光と映像投射機能の投射映像について複数のモードの切り替え制御を行っても良い。
【0087】
そして、図21に示すシーリング型の映像投射機能付き照明装置10’では、例えば、図18の構成において、複数の半導体発光素子(LED)22を備えた照明用光源20用の基板21に代えて、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)等の面状の発光体121を採用し、当該発光体121を図18の拡散板12のように光学ユニット30を覆うように配置した構成を示す。かかる構成によれば、照明光は、光学ユニット30が内部に収納された筺体11の下端部を覆う発光体121から照射されることから、内部の光学ユニット30が外部から認識されることなく、照明装置としての見た目の品位の低下をより確実に抑制することが可能となる。なお、本例では、光学ユニット30は、下方への照明光束の端部に位置するように配置されている例のみを示したが、これに限定されることなく、略中央部に、または、その中間の位置に配置しても、同様の効果を達成することが可能となる。
【0088】
なお、図21は、図18から複数の半導体発光素子(LED)22を無くし、拡散板12の部分に面状の発光体121を配置したものである。同様の考え方で、図20の構成例において、複数の半導体発光素子(LED)22を無くし、拡散板12の部分に面状の発光体121を配置し、更に面状の発光体121を、その面の角度に応じて下方向照射領域と側光照射領域に分割することも可能である。
【0089】
この場合、面状の発光体121の下方向照射領域の発光と側光照射領域の発光とをそれぞれ制御可能とする構成とすれば、面状の発光体121を照明機能として有し、かつ複数の照射方向に照明光を照射可能な映像投射機能付き照明装置10’を実現できる。この場合、図14と同様、方向が異なる複数の照射方向を有する照明機能を有するので、図14で説明したように照明機能の複数の照射方向の照射光と映像投射機能の投射映像について複数のモードの切り替え制御を行っても良い。
【0090】
以上、本発明の種々の実施例になる映像投射機能付き照明装置について述べた。しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0091】
10…照明装置、11…本体(筺体)(シェード)、12…拡散板、20…照明用光源、22…半導体発光素子(LED)、30…光学ユニット、31…光源、32…表示部、34…投射光学系、35…反射ミラー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21