特許第6429260号(P6429260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6429260疑似スタティックランダムアクセスメモリおよびそのリフレッシュ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6429260
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】疑似スタティックランダムアクセスメモリおよびそのリフレッシュ方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/406 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   G11C11/406 350
   G11C11/406 140
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-216185(P2017-216185)
(22)【出願日】2017年11月9日
【審査請求日】2017年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】中岡 裕司
【審査官】 篠塚 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−294216(JP,A)
【文献】 特開2010−079956(JP,A)
【文献】 特開2002−352577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/406
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疑似スタティックランダムアクセスメモリに適用するリフレッシュ方法であって、
基本クロック信号を提供するステップと、
第1の時点でチップイネーブル信号を有効にして第1の書き込み動作を実行し、前記チップイネーブル信号の有効時間区間において書き込みデータを受信するステップと、
前記第1の時点よりも後の遅延時点でサブワード線駆動信号を有効にし、前記サブワード線駆動信号の有効時間区間において少なくとも1つの選択されたセンス増幅器に前記書き込みデータを書き込むステップと、
リフレッシュ要求信号を受信し、前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の終了時点に基づいて前記リフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定するステップと、
を含み、
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点に基づいて前記リフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、前記リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定するステップが、
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点において、前記リフレッシュ要求信号が無効にされている場合、前記リフレッシュ動作の起動を停止し、第2のデータ書き込み動作を実行するステップ
を含む、リフレッシュ方法。
【請求項2】
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点に基づいて前記リフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、前記リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定するステップが、
前記有効時間区間の終了時点において、前記リフレッシュ要求信号が有効にされている場合、前記リフレッシュ動作を起動するステップを含む、請求項1に記載のリフレッシュ方法。
【請求項3】
前記リフレッシュ動作を起動するステップが、
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点よりも後において、前記サブワード線駆動信号を有効にし、前記リフレッシュ動作を実行するステップと、
前記リフレッシュ動作が終了した後、前記リフレッシュ要求信号を無効にさせるステップと、
を含む、請求項2に記載のリフレッシュ方法。
【請求項4】
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点に基づいて前記リフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、前記リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定するステップが、
記有効時間区間の前記終了時点よりも後において、前記リフレッシュ動作が有効にされている場合、前記第2のデータ書き込み動作が終了した後、前記リフレッシュ動作を起動するステッ
を含む、請求項1または2に記載のリフレッシュ方法。
【請求項5】
前記リフレッシュ動作を実行するステップの後に、さらに
前記リフレッシュ動作が終了した後、前記リフレッシュ要求信号を無効にさせるステップを含む、請求項4に記載のリフレッシュ方法。
【請求項6】
前記チップイネーブル信号の有効時間区間において、前記少なくとも1つの選択されたセンス増幅器を指示するためのアドレスデータを受信するステップをさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のリフレッシュ方法。
【請求項7】
前記遅延時点と前記第1の時点との時間差が、前記基本クロック信号の2つのクロック周期に等しい、請求項1〜6のいずれか一項に記載のリフレッシュ方法。
【請求項8】
リフレッシュ要求信号を発生するリフレッシュ信号発生器と、
前記リフレッシュ信号発生器に結合されるコントローラと、
前記コントローラに結合されるダイナミックメモリアレイと、
前記ダイナミックメモリアレイと前記コントローラに結合される入出力回路と、
を備える疑似スタティックランダムアクセスメモリであって、
前記コントローラが、
基本クロック信号を受信することと、
第1の時点で有効にされたチップイネーブル信号を受信して第1の書き込み動作を実行し、前記チップイネーブル信号の有効時間区間において書き込みデータを受信することと、
前記第1の時点よりも後の遅延時点でサブワード線駆動信号を有効にし、前記サブワード線駆動信号の有効時間区間において少なくとも1つの選択されたセンス増幅器に前記書き込みデータを書き込むことと、
前記リフレッシュ要求信号を受信し、前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の終了時点に基づいて前記リフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定することと、
に用いられ、
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点において、前記リフレッシュ要求信号が無効にされている場合、前記コントローラが、前記リフレッシュ動作の起動を停止しかつ第2のデータ書き込み動作を実行する、疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項9】
前記チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点において、前記リフレッシュ要求信号が有効にされている場合、前記コントローラが前記リフレッシュ動作を起動する、請求項8に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項10】
チップイネーブル信号の前記有効時間区間の前記終了時点よりも後、前記コントローラが、前記サブワード線駆動信号を有効にし、前記リフレッシュ動作を実行し、前記コントローラは前記リフレッシュ動作が終了した後にリフレッシュ要求終了信号を発生し、
リフレッシュ信号発生器は前記リフレッシュ要求終了信号を受信し、前記リフレッシュ要求終了信号によって前記リフレッシュ要求信号を無効にする、請求項9に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項11】
記有効時間区間の前記終了時点よりも後において、前記リフレッシュ要求信号が有効にされている場合、前記コントローラが、前記第2のデータ書き込み動作が終了した後、前記リフレッシュ動作を起動する、請求項8または9に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項12】
前記コントローラが、前記リフレッシュ動作が終了した後、リフレッシュ要求終了信号を発生し、リフレッシュ信号発生器が、前記リフレッシュ要求終了信号を受信し、前記リフレッシュ要求終了信号によって前記リフレッシュ要求信号を無効にする、請求項11に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項13】
記遅延時点と前記第1の時点との時間差が、前記基本クロック信号の2つのクロック周期に等しい、請求項8〜12のいずれか1項に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項14】
前記コントローラが、
前記基本クロック信号と前記チップイネーブル信号を受信する制御論理回路と、
前記制御論理回路と前記ダイナミックメモリアレイに結合され、複数のアドレス信号を発生するアドレス発生器と、
前記アドレス発生器と前記制御論理回路に結合される複数のステータスレジスタと、
を備える、請求項8〜13のいずれか1項に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【請求項15】
前記リフレッシュ信号発生器が、
前記リフレッシュ要求信号を発生するタイマーと、
前記タイマーに結合されるリフレッシュ制御/アドレス制御器と
を備え、前記リフレッシュ制御/アドレス制御器はリフレッシュ要求終了信号によってリセット信号を発生し、前記リセット信号を前記タイマーに送信して前記リフレッシュ要求信号を無効にさせる請求項14に記載の疑似スタティックランダムアクセスメモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリフレッシュ方法に関し、特に疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図1を参照し、図1は従来の疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法の波形図である。従来技術において、信号発生器が提供するクロック信号を用いて疑似スタティックランダムアクセスメモリにおける基本クロック信号CLKとしている。チップイネーブル信号CE#が基本クロック信号CLKの切換状態に同期して有効にされるとき、疑似スタティックランダムアクセスメモリを起動し、かつそれに関連動作の実行を開始させることができる。アドレスデータ信号ADiによって、チップイネーブル信号CE#が有効にされている時間区間において、アドレスデータW、A1〜A3および書き込みデータD1〜D4が、順番に受信されることができる。次に、サブワード線駆動信号RASBが、有効にされ(低論理レベルまでダウンする)、疑似スタティックランダムアクセスメモリ中の対応するサブワード線の起動に用いられることができる。サブワード線駆動信号RASBが有効にされている書き込み周期WC11において、書き込みデータD1〜D4をアドレスデータW、A1〜A3に対応するセンス増幅器に書き込む。
【0003】
注意すべきこととして、図1において、書き込み周期WC11の後に続き、リフレッシュ要求信号REFRQが有効にされた状態に基づいて、疑似スタティックランダムアクセスメモリがリフレッシュ周期RC1に入る。しかしながら、このとき新たな書き込み周期WC21がまもなく始まるため、リフレッシュ周期RC1の時間が短くなりすぎて(僅か2つの基礎クロック信号CLKの周期しかない)リフレッシュ動作を有効に実行することができない。さらに重要なこととして、書き込み周期WC21に入ると同時に、リフレッシュ要求信号REFRQは無効(低論理レベル)の状態にリセットされる。よって、リフレッシュ動作が有効に行われることができないため、内部データが紛失する可能性があり、疑似スタティックランダムアクセスメモリのデータの信憑性が低下することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、リフレッシュ(Refresh)動作を有効に実行することができる、疑似スタティックランダムアクセスメモリおよびそのリフレッシュ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のリフレッシュ方法は疑似スタティックランダムアクセスメモリに適用する。リフレッシュ方法は、基本クロック信号を提供するステップと、第1の時点でチップイネーブル信号を有効にして第1の書き込み動作を実行し、チップイネーブル信号の有効時間区間において書き込みデータを受信するステップと、第1の時点よりも後の遅延時点でサブワード線駆動信号を有効にし、サブワード線駆動信号の有効時間区間において少なくとも1つの選択されたセンス増幅器に書き込みデータを書き込むステップと、リフレッシュ要求信号を受信し、チップイネーブル信号の有効時間区間の終了時点に基づいてリフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定するステップと、を含む。
【0006】
本発明の疑似スタティックランダムアクセスメモリは、リフレッシュ信号発生器と、コントローラと、ダイナミックメモリアレイと、入出力回路とを含む。リフレッシュ信号発生器はリフレッシュ要求信号を発生する。コントローラはリフレッシュ信号発生器に結合される。ダイナミックメモリアレイはコントローラに結合される。入出力回路はダイナミックメモリアレイとコントローラに結合される。コントローラは、基本クロック信号を受信することと、第1の時点で有効にされたチップイネーブル信号を受信して第1の書き込み動作を実行し、チップイネーブル信号の有効時間区間において書き込みデータを受信することと、第1の時点よりも後の遅延時点でサブワード線駆動信号を有効にし、サブワード線駆動信号の有効時間区間において少なくとも1つの選択されたセンス増幅器に書き込みデータを書き込むことと、リフレッシュ要求信号を受信し、チップイネーブル信号の有効時間区間の終了時点に基づいてリフレッシュ要求信号が有効にされているか否かを判断して、リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定することと、に用いられる。
【0007】
上記に基づき、本発明は、チップイネーブル信号を有効にする第1の時点とサブワード線駆動信号を有効にする遅延時点との時間差を縮減させることによって、相対的に先に有効にされるリフレッシュ要求信号に応答してリフレッシュ動作を起動する。また、本発明の実施例において、相対的に後に有効にされるリフレッシュ要求信号に応答して、次の書き込み動作が完了した後にリフレッシュ動作を実行することを提供している。このように、本発明の疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ動作は有効に実行され、その記憶データの安定性を維持できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の疑似スタティックランダムアクセスメモリおよびそのリフレッシュ方法は、リフレッシュ動作を有効に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法の波形図である。
図2】本発明の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリを説明する回路図である。
図3】本発明の実施例に基づくサブワード線の駆動回路を説明する図である。
図4A】本発明の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法を説明する波形図である。
図4B】本発明の他の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法を説明する波形図である。
図5】本発明の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の上記特徴および長所をより分かりやすくするために、以下では、実施例と図面を合わせて詳しく説明を行う。
【0011】
以下、図2を参照し、図2は、本発明の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリを説明する回路図である。疑似スタティックランダムアクセスメモリ200は、リフレッシュ信号発生器210と、コントローラ220と、ダイナミックメモリアレイ230と、入出力回路240とを備える。本実施例において、リフレッシュ信号発生器210はリフレッシュ要求信号REFRQを発生するためのものであり、かつコントローラ220に結合され、ダイナミックメモリアレイ230は書き込みデータを記憶するためのものであり、かつコントローラ220に結合され、入出力回路240はダイナミックメモリアレイ230とコントローラ220との間に結合され、アドレスデータ信号ADiを送信するためのものである。コントローラ220は、制御論理回路250と、アドレス発生器260と、複数のステータスレジスタ270〜27Nをさらに備える。本実施例において、制御論理回路250は、チップイネーブル信号CE#および信号発生器(図示せず)が提供する基本クロック信号CLKを受信するためのものである。アドレス発生器260はダイナミックメモリアレイ230と制御論理回路250との間に結合され、複数のアドレス信号を発生するためのものである。ステータスレジスタ270〜27Nは制御論理回路250とアドレス発生器260との間に結合され、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200の状態データを記憶するためのものである。
【0012】
そのほか、リフレッシュ信号発生器210はタイマー280と、リフレッシュ制御/アドレス制御器290をさらに備える。本実施例において、タイマー280はリフレッシュ要求信号REFRQを定時的に発生するためのものである。タイマー280はリフレッシュ制御/アドレス制御器290に結合され、そのうち、リフレッシュ制御/アドレス制御器290は、リフレッシュ要求終了信号REFENDに基づいてリセット信号RESETを発生し、リセット信号RESETをタイマー280に送信して、タイマー280にその計時動作をリセットさせ、これによってリフレッシュ要求信号REFRQを無効にする。そのうち、リフレッシュ要求終了信号REFENDはコントローラ220により発生される。
【0013】
本実施例において、タイマー280は従来のカウント機能を有するカウンタ回路であってもよい(但し、これに限らない)。制御論理回路250は複数の論理ゲートからなる論理回路であってもよい(但し、これに限らない)。ダイナミックメモリアレイ230は従来のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)であってもよく、但し、これに限らない。入出力回路240、アドレス発生器260、ステータスレジスタ270〜27Nおよびリフレッシュ制御/アドレス制御器290は、いずれも、集積回路分野において当業者が熟知するアプリケーションメモリ回路の構造により実行されることができる。
【0014】
以下、図2および図4Aを同時に参照し、図4Aは、本発明の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法を説明する波形図である。疑似スタティックランダムアクセスメモリ200の動作の詳細について、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200は制御論理回路250に基づいて基本クロック信号CLKとチップイネーブル信号CE#を受信する。制御論理回路250は基本クロック信号CLKに基づいて操作を行うことができる。本実施例において、チップイネーブル信号CE#はローアクティブ(low active)信号であり、つまり、チップイネーブル信号CE#が有効状態にあるとき、低論理レベルである。本発明の他の実施例において、チップイネーブル信号CE#はハイアクティブ(high activ)信号であってもよく、絶対的な制限はない。
【0015】
図4Aにおいて、チップイネーブル信号CE#が第1の時点TA1で有効にされると同時に、制御論理回路250は、第1の時点TA1で有効にされたチップイネーブル信号CE#を受信して第1の書き込み動作を実行し、チップイネーブル信号CE#が有効にされている時間区間においてアドレスデータ信号ADiを受信し、アドレスデータW、A1〜A3および書き込みデータD1〜D4が順番に受信されることができるようにする。続いて、制御論理回路250は、第1の時点TA1よりも後の遅延時点TA2に、サブワード線駆動信号RASBを有効にして疑似スタティックランダムアクセスメモリ200中の対応するサブワード線を起動し、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200が書き込み動作の実行を開始できるようにする。そのうち、サブワード線駆動信号RASBが書き込み周期WC12で有効に実行されるとき、制御信号CSLの2つのパルス波によって書き込みデータD1〜D4をアドレスデータW、A1〜A3に対応する少なくとも1つの選択されたセンス増幅器に書き込むことができる。本実施例において、サブワード線駆動信号RASBは同じくローアクティブ(low active)信号であり、つまり、サブワード線駆動信号RASBが有効状態にあるとき、低論理レベルである。本発明の他の実施例において、サブワード線駆動信号RASBはハイアクティブ(high activ)信号であってもよく、絶対的な制限はない。
【0016】
補足として、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200が書き込み動作を実行する前に、アドレスデータW、A1〜A3によって書き込みデータD1〜D4が書き込もうとするセンス増幅器を選択する必要がある。例えば、書き込みデータD1、D2はそれぞれ第1のセンス増幅器に、書き込みデータD3、D4はそれぞれ第2のセンス増幅器に書き込まれることができ(但し、これに限らない)、そのうち、第1のセンス増幅器と第2のセンス増幅器は異なるセンス増幅器である。
【0017】
図4Aにおいて、書き込み周期WC12の後に続き、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200がリフレッシュ(Refresh)動作を実行することで内部データの安定性を維持する必要がある場合、制御論理回路250はタイマー280が発生するリフレッシュ要求信号REFRQを受信し、制御論理回路250がチップイネーブル信号CE#の有効時間区間における終了時点TA3に基づいて、リフレッシュ要求信号REFRQが有効にされているか否かを判断することができるようにし、これによりリフレッシュ動作を起動するタイミングを決定する。終了時点TA3で、制御論理回路250がリフレッシュ要求信号REFRQが有効にされていると判断した場合、制御論理回路250はサブワード線駆動信号RASBが有効にされているリフレッシュ周期RC2において、リフレッシュ動作を起動することができる。
【0018】
簡単に言うと、制御論理回路250がチップイネーブル信号CE#の有効時間区間における終了時点TA3で、リフレッシュ要求信号REFRQが有効にされ始める時点がチップイネーブル信号CE#の有効時間区間における終了時点TA3よりも早いと判断した場合、次の書き込み周期WC22の前、サブワード線駆動信号RASBが有効にされているリフレッシュ周期RC2において、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200にリフレッシュ周期RC2においてリフレッシュ動作を実行させる十分な時間があることを表す。
【0019】
述べておくべきこととして、リフレッシュ動作を実行した後(リフレッシュ周期RC2の終了後)、コントローラ220は対応してリフレッシュ要求終了信号REFENDを発生することができる。そのうち、リフレッシュ要求終了信号REFENDはリフレッシュ信号発生器210に送信され、リフレッシュ信号発生器210は、リフレッシュ要求終了信号REFENDに基づいてリセット信号RESETを発生し、リセット信号RESETをタイマー280に送信する。タイマー280はリセット信号RESETに基づいてそのカウント動作をリセットすることができ、サブワード線駆動信号RASBが書き込み周期WC22に入ると同時に、リフレッシュ要求信号REFRQは無効状態にリセットされる。
【0020】
本実施例において、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200における第1の遅延時点TA2と第1の時点TA1との時間差は、基本クロック信号CLKの2つのクロック周期と同じであってもよい。詳しく言うと、本実施例は、チップイネーブル信号CE#を有効にする第1の時点TA1とサブワード線駆動信号RASBを有効にする遅延時点TA2との時間差を縮減させることによって、相対的に先に有効にされるリフレッシュ要求信号REFRQに応答してリフレッシュ動作を起動し、これにより、従来技術において、疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法が新たな書き込み周期WC21がまもなく開始されて、リフレッシュ周期RC1の時間が短すぎてリフレッシュ動作を有効に実行するできなくなる可能性がある問題を改善する。
【0021】
以下、図2および図4Bを同時に参照し、図4Bは、本発明の他の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法を説明する波形図である。図4Bにおける基本クロック信号CLK、チップイネーブル信号CE#及びアドレスデータ信号ADiの間の順序関係については、いずれも図4Aおよび前の実施例の説明内容と同じであるため、ここでは再度説明しない。
【0022】
前の実施例と異なることは、図4Bにおいて、書き込み周期WC13の後に続き、チップイネーブル信号CE#の有効時間区間の終了時点TA4で、制御論理回路250がリフレッシュ要求信号REFRQが無効にされていると判断すると、制御論理回路250はサブワード線駆動信号RASBに第2のデータ書き込み動作を実行させ、リフレッシュ動作を起動しない。一方、チップイネーブル信号CE#の有効時間区間の終了時点TA4後、制御論理回路250がリフレッシュ要求信号REFRQが有効にされていると判断すると、リフレッシュ周期RC3の時間が短すぎて(僅か2つの基礎クロック信号CLKの周期しかない)リフレッシュ動作を有効に実行することができないことに基づき、制御論理回路250はリフレッシュ周期RC3においてリフレッシュ動作を実行せず、第2のデータ書き込み動作終了後のリフレッシュ周期RC4においてリフレッシュ動作を実行する。
【0023】
上述の状況に基づき、本実施例において、サブワード線駆動信号RASBが書き込み周期WC23で有効に実行されるとき、リフレッシュ要求信号REFRQは依然として有効状態にあることができ、書き込み周期WC23が書き込み動作を終了した後、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200は、依然として有効にされているリフレッシュ要求信号REFRQに基づいてリフレッシュ周期RC4においてリフレッシュ動作を実行することができる。また、リフレッシュ周期RC4がリフレッシュ動作を終了した後、コントローラ220はリフレッシュ要求終了信号REFENDを発生する。リフレッシュ信号発生器210は、リフレッシュ要求終了信号REFENDを受信し、リフレッシュ要求終了信号REFENDによってリセット信号RESETを発生し、リセット信号RESETをタイマー280に送信してタイマー280がそのカウント動作をリセットするようにし、サブワード線駆動信号RASBが書き込み周期WC24に入ると同時に、リフレッシュ要求信号REFRQは無効状態にリセットされる。
【0024】
簡単に言うと、制御論理回路250が、チップイネーブル信号CE#の有効時間区間の終了時点TA4で、リフレッシュ要求信号REFRQが有効にされ始める時点がチップイネーブル信号CE#の有効時間区間の終了時点TA4よりも遅いと判断した場合、従来技術がその次のリフレッシュ動作をスキップすることと異なり、本実施例において、リフレッシュ要求信号REFRQの有効時間区間を延長することによって、書き込み周期WC23における書き込み動作を実行した後、依然としてリフレッシュ周期RC4においてリフレッシュ動作を実行することができるようにし、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200の安定性を維持する。
【0025】
図3は、本発明の実施例に基づいてサブワード線の駆動回路を説明する図である。注意すべきこととして、図4A図4Bにおけるワード線駆動信号WLD_T、ワード線制御信号MWL_Nは、それぞれ、図3におけるサブワード線の駆動回路300に制御されて本発明の疑似スタティックランダムアクセスメモリ200におけるサブワード線を駆動する。サブワード線の駆動回路300はトランジスタM1〜M3を備える。図3および図4Aを同時に参照し、以下、本発明の実施例について例を挙げて説明を行い、同様に、本発明の他の実施例も同じ方法で実施することができる。
【0026】
サブワード線駆動信号RASBが有効にされて選択されたサブワード線を駆動する必要がある場合、ワード線駆動信号WLD_Tは高レベルに設定されることができ、ワード線制御信号MWL_Nは低レベルに設定されることができる。低レベルのワード線制御信号MWL_Nによって、トランジスタM1はオンにされ(トランジスタM2はオフにされる)、且つサブワード線信号WLはワード線駆動信号WLD_Tによって高レベルまで引き上げられて有効にされることができる。相反して、サブワード線駆動信号RASBがサブワード線の駆動を停止すると、ワード線駆動信号WLD_Tは低レベルに設定され、ワード線制御信号MWL_Nは高レベルに設定されることができる。このような状態において、トランジスタM1はオフに、トランジスタM2はオンにされ、且つサブワード線信号WLは基準接地端子GNDの低レベルを受けて無効にされる。また、サブワード線の駆動回路300は高レベルのリセット信号WRST_Nによって、トランジスタM3がオンにされるようにし、サブワード線信号WLが基準接地端子GNDの低レベルを受信して無効にされるようにする。
【0027】
図5は、本発明の実施例に基づく疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュ方法を説明するフローチャートである。図4Aおよび図5を同時に参照し、ステップS510において、制御論理回路250は信号発生器が提供するクロック信号を受信して、疑似スタティックランダムアクセスメモリ200の基本クロック信号CLKとする。ステップS520において、第1の時点TA1でチップイネーブル信号CE#を有効にして第1の書き込み動作を実行し、チップイネーブル信号CE#の有効時間区間においてアドレスデータ信号ADiを受信する。ステップS530において、第1の時点TA1よりも後の遅延時点TA2でサブワード線駆動信号RASBを有効にし、サブワード線駆動信号RASBの有効時間区間において少なくとも1つの選択されたセンス増幅器にアドレスデータ信号ADiを書き込む。ステップS540において、リフレッシュ要求信号REFRQを受信し、チップイネーブル信号CE#の有効時間区間の終了時点TA3に基づいてリフレッシュ要求信号REFRQが有効にされることができるか否かを判断し、リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定する。各ステップの実施の詳細について、前記の実施例および実施方法で詳しく説明したため、再度説明しない。
【0028】
上記のように、本発明は、制御論理回路によって、リフレッシュ要求信号が有効にされ始める時点がチップイネーブル信号の有効時間区間の終了時間より早いかまたは遅いかに基づいてリフレッシュ動作を起動するタイミングを決定する。制御論理回路が、リフレッシュ要求信号が有効にされ始める時点がチップイネーブル信号の有効時間区間の終了時間よりも早いと判断した場合、サブワード線信号におけるリフレッシュ周期にリフレッシュ動作を実行する十分な時間があることを表す。相反して、制御論理回路が、リフレッシュ要求信号が有効にされ始める時点がチップイネーブル信号の有効時間区間の終了時間よりも遅いと判断した場合、リフレッシュ信号の有効時間区間を延長することによって、書き込み周期における書き込み動作を実行した後、依然としてリフレッシュ期間において、書き込みデータに対してリフレッシュ動作を実行することができるようにして、疑似スタティックランダムアクセスメモリの安定性を維持する。
【0029】
本発明は実施例で以上のことを開示しているが、それは本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の主旨および範囲を遺脱しない条件において、些細な変動および修飾をしてもよいため、本発明の保護範囲は後の専利請求の範囲に限定した内容を基準とする。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、サブワード線駆動信号を有効にする時点を調整すること、およびチップイネーブル信号の有効時間区間の終了時点に基づいてリフレッシュ要求信号が有効にされているかを判断し、これによってリフレッシュ動作を起動するタイミングを決定する。従って、リフレッシュ動作は適切なタイミングで有効に実行されることができ、疑似スタティックランダムアクセスメモリの記憶データの安定性を維持することができる。
【符号の説明】
【0031】
200:疑似スタティックランダムアクセスメモリ
210:リフレッシュ信号発生器
220:コントローラ
230:ダイナミックメモリアレイ
240:入出力回路
250:制御論理回路
260:アドレス発生器
270〜27N:ステータスレジスタ
280:タイマー
290:リフレッシュ制御/アドレス制御器
300:サブワード線の駆動回路
M1〜M3:トランジスタ
CLK:基本クロック信号
TA1:第1の時点
TA2:遅延時点
TA3、TA4:終了時点
CE#:チップイネーブル信号
ADi:アドレスデータ信号
W,A1〜A3:アドレスデータ
D1〜D4:書き込みデータ
RASB:サブワード線駆動信号
WC11〜WC13、WC21〜WC24:書き込み周期
RC1〜RC4:リフレッシュ周期
CSL:制御信号
REFRQ:リフレッシュ要求信号
MWL_N:ワード線制御信号
WLD_T:ワード線駆動信号
REFEND:リフレッシュ要求終了信号
RESET,WRST_N:リセット信号
GND:基準接地端子
WL:サブワード線信号
S510〜S540:疑似スタティックランダムアクセスメモリのリフレッシュステップ
【要約】
【課題】リフレッシュ動作を有効的に実行することができる、疑似スタティックランダムアクセスメモリおよびそのリフレッシュ方法を提供する。
【解決手段】リフレッシュ方法は、基本クロック信号を提供するステップと、第1の時点でチップイネーブル信号を有効にして第1の書き込み動作を実行し、チップイネーブル信号の有効時間区間において書き込みデータを受信するステップと、第1の時点よりも後の遅延時点でサブワード線駆動信号を有効にし、サブワード線駆動信号の有効時間区間において少なくとも1つの選択されたセンス増幅器に書き込みデータを書き込むステップと、リフレッシュ要求信号を受信し、チップイネーブル信号の有効時間区間の終了時点に基づいてリフレッシュ要求信号が有効にされたか否かを判断して、リフレッシュ動作を起動するタイミングを決定するステップとを含む。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5