(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429263
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】コネクタ、コネクタの製造方法及びコネクタ付フラットケーブル
(51)【国際特許分類】
H01R 13/62 20060101AFI20181119BHJP
H01R 12/78 20110101ALI20181119BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
H01R13/62
H01R12/78
H01R43/00 B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-128124(P2013-128124)
(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2015-5338(P2015-5338A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】513314171
【氏名又は名称】宏致電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACES ELECTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宣和
(72)【発明者】
【氏名】吉田 功生
【審査官】
板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−106235(JP,A)
【文献】
特開平08−264239(JP,A)
【文献】
特開2003−168526(JP,A)
【文献】
特開平11−339901(JP,A)
【文献】
特開2012−043624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/78
H01R 13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットケーブルが嵌合する第1嵌合部及び相手コネクタが嵌合する第2嵌合部を有するハウジングと、
前記ハウジングに保持され、前記フラットケーブルと接触する第1接点部及び前記相手コネクタと接触する第2接点部を有する第1コンタクトとを備えるコネクタであって、
前記ハウジングを覆うシェル部品を備え、
前記第1コンタクトは、第1腕部及び前記第1腕部に対向する第2腕部を有し、
前記第1腕部の一端及び前記第2腕部の一端は、U字形状部で連結され、
前記第1腕部の他端及び前記第2腕部の他端で前記フラットケーブルを厚み方向に挟持し、
前記U字形状部は、前記フラットケーブルの厚さ方向に嵌合する前記相手コネクタ側に屈曲する第1屈曲部を有し、
前記第1接点部は、前記第1腕部の前記他端またはその近傍に位置し、
前記第2接点部は、前記第1屈曲部に形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記フラットケーブルの裏面と接触する第3接点部及び前記相手コネクタと接触する第4接点部を有する第2コンタクトを更に備え、
前記第1コンタクトの前記第1接点部は、前記フラットケーブルの表面と接触することを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1屈曲部は、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側よりも、前記フラットケーブルの厚み方向において前記相手コネクタ側に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記フラットケーブルは、前記第1腕部に形成されている前記第1接点部と前記第2コンタクトの一方の辺に形成されている前記第3接点部とによって挟持され、
前記第4接点部は、前記第2コンタクトの前記フラットケーブルの厚さ方向へ延びる他方の辺であって前記相手コネクタ側に屈曲する第2屈曲部に形成されていることを特徴とする請求項2記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2コンタクトは、前記ハウジングにインサート成形されていることを特徴とする請求項2または請求項4記載のコネクタ。
【請求項6】
請求項1記載のコネクタを製造するコネクタの製造方法であって、
前記ハウジングを作成する工程と、
前記第1嵌合部にフラットケーブルを嵌合する工程と、
前記ハウジングに前記第1コンタクトを取り付ける工程と、
を含むことを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項7】
請求項2、請求項4または請求項5記載のコネクタを製造するコネクタの製造方法であって、
前記第2コンタクトが設けられた前記ハウジングを作成する工程と、
前記第1嵌合部に前記フラットケーブルを嵌合する工程と、
前記ハウジングに前記第1コンタクトを取り付ける工程と、
を含むことを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のコネクタの前記第1嵌合部に前記フラットケーブルを嵌合したことを特徴とするコネクタ付フラットケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの回路基板を電気的に接続するコネクタ、コネクタの製造方法及びコネクタ付フラットケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、平行に配置された一対の回路基板を電気的に接続するために基板対基板コネクタが使用されている。このような基板対基板コネクタにおいては、第一の基板に実装されているプラグコネクタに、第二の基板に実装されているレセプタクルコネクタを嵌合させることにより、第一の基板と第二の基板とを電気的に接続している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3898643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述の基板対基板コネクタを用いて、プラグコネクタとレセプタクルコネクタを嵌合させる場合には、第一の基板と第二の基板の間にプラグコネクタとレセプタクルコネクタが位置することになるため、プラグコネクタとレセプタクルコネクタを的確に嵌合させることが容易ではなかった。
【0005】
本発明の目的は、相手コネクタとの嵌合を容易に行うことができるコネクタ、コネクタの製造方法及びコネクタ付フラットケーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、フラットケーブルが嵌合する第1嵌合部と、相手コネクタが嵌合する第2嵌合部を有するハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記フラットケーブルと接触する第1接点部及び前記相手コネクタと接触する第2接点部を有するコンタクトを備えるコネクタであって、前記コンタクトは対向する第1腕部及び第2腕部を有し、前記第1腕部及び前記第2腕部の一端がU字形状部で連結され、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側で前記フラットケーブルを厚み方向に挟持し、前記第1腕部の先端またはその近傍に前記第1接点部を有し、前記第2接点部は、前記第1腕部及び前記第2腕部の少なくとも一方に形成され、前記U字形状部と、前記第1腕部及び前記第2腕部の先端との間に位置していることを特徴とする。
【0007】
また本発明のコネクタは、フラットケーブルが嵌合する第1嵌合部と、相手コネクタが嵌合する第2嵌合部を有するハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記フラットケーブルと接触する第1接点部及び前記相手コネクタと接触する第2接点部を有するコンタクトを備えるコネクタであって、前記コンタクトは対向する第1腕部及び第2腕部を有し、前記第1腕部及び前記第2腕部の一端がU字形状部で連結され、前記U字形状部は前記フラットケーブルの厚さ方向に嵌合する前記相手コネクタ側に屈曲した屈曲部を有し、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側で前記フラットケーブルを厚み方向に挟持し、前記第1腕部の先端またはその近傍に前記第1接点部を有し、前記屈曲部は、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側よりも、前記フラットケーブルの厚み方向において前記相手コネクタ側に位置しており、前記第2接点部は、前記屈曲部の前記第1腕部及び前記第2腕部の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明のコネクタは、フラットケーブルが嵌合する第1嵌合部と、相手コネクタが嵌合する第2嵌合部を有するハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記フラットケーブルの表面と接触する第1接点部及び前記相手コネクタと接触する第2接点部を有する第1コンタクトと、前記フラットケーブルの裏面と接触する第3接点部及び前記相手側コネクタと接触する第4接点部を有する第2コンタクトを備えるコネクタであって、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトは共に略L字形状を有し、前記第1コンタクトの一方の辺に形成されている前記第1接点部と前記第2コンタクトの一方の辺に形成されている前記第3接点部とによって前記フラットケーブルを挟持し、さらに前記第1コンタクトの前記フラットケーブルの厚さ方向へ延びる他方の辺の先端と略L字形状の屈曲部の間に前記相手コネクタと接触する前記第2接点部が形成され、前記第2コンタクトの前記フラットケーブルの厚さ方向へ延びる他方の辺の先端と略L字形状の屈曲部の間に前記相手コネクタと接続する前記第4接点部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
また本発明のコネクタは、フラットケーブルが嵌合する第1嵌合部と、相手コネクタが嵌合する第2嵌合部を有するハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記フラットケーブルの表面と接触する第1接点部及び前記相手コネクタと接触する第2接点部を有する第1コンタクトと、前記フラットケーブルの裏面と接触する第3接点部及び前記相手側コネクタと接触する第4接点部を有する第2コンタクトを備えるコネクタであって、前記第1コンタクトは対向する第1腕部及び第2腕部を有し、前記第1腕部及び前記第2腕部の一端がU字形状部で連結され、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側で前記フラットケーブルを厚み方向に挟持し、前記第1腕部の先端またはその近傍に前記第1接点部を有し、前記第2接点部は、前記第1腕部及び前記第2腕部の少なくとも一方に形成され、前記U字形状部と、前記第1腕部及び前記第2腕部の先端との間に位置しており、前記第2コンタクトは略L字形状を有し、前記第1コンタクトの前記第1腕部に形成されている前記第1接点部と前記第2コンタクトの一方の辺に形成されている前記第3接点部とによって前記フラットケーブルを挟持し、さらに前記第2コンタクトの前記フラットケーブルの厚さ方向へ延びる他方の辺の先端と略L字形状の屈曲部の間に前記相手コネクタと接続する前記第4接点部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また本発明のコネクタは、フラットケーブルが嵌合する第1嵌合部と、相手コネクタが嵌合する第2嵌合部を有するハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記フラットケーブルの表面と接触する第1接点部及び前記相手コネクタと接触する第2接点部を有する第1コンタクトと、前記フラットケーブルの裏面と接触する第3接点部及び前記相手側コネクタと接触する第4接点部を有する第2コンタクトを備えるコネクタであって、前記第1コンタクトは対向する第1腕部及び第2腕部を有し、前記第1腕部及び前記第2腕部の一端がU字形状部で連結され、前記U字形状部は前記フラットケーブルの厚さ方向に嵌合する前記相手コネクタ側に屈曲した屈曲部を有し、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側で前記フラットケーブルを厚み方向に挟持し、前記第1腕部の先端またはその近傍に前記第1接点部を有し、前記屈曲部は、前記第1腕部及び前記第2腕部の非連結側よりも、前記フラットケーブルの厚み方向において前記相手コネクタ側に位置しており、前記第2接点部は、前記屈曲部の前記第1腕部及び前記第2腕部の少なくとも一方に形成されており、前記第2コンタクトは略L字形状を有し、前記第1コンタクトの前記第1腕部に形成されている前記第1接点部と前記第2コンタクトの一方の辺に形成されている前記第3接点部とによって前記フラットケーブルを挟持し、さらに前記第2コンタクトの前記フラットケーブルの厚さ方向へ延びる他方の辺の先端と略L字形状の屈曲部の間に前記相手コネクタと接続する前記第4接点部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また本発明のコネクタは、前記第2コンタクトが前記ハウジングにインサート成形されていることを特徴とする。
【0012】
また本発明のコネクタは、前記ハウジングを覆うシェル部品を備えていることを特徴とする。
【0013】
また本発明のコネクタの製造方法は、本発明のコネクタを製造するコネクタの製造方法であって、前記ハウジングを作成する工程と、前記第1嵌合部にフラットケーブルを嵌合する工程と、前記ハウジングに前記コンタクトを取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また本発明のコネクタの製造方法は、本発明のコネクタを製造するコネクタの製造方法であって、前記第2コンタクトが設けられた前記ハウジングを作成する工程と、前記第1嵌合部に前記フラットケーブルを嵌合する工程と、前記ハウジングに前記第1コンタクトを取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また本発明のコネクタ付フラットケーブルは、本発明のコネクタの前記第1嵌合部に前記フラットケーブルを嵌合したことを特徴とする。
【0016】
また本発明のコネクタ付フラットケーブルは、前記ハウジングを覆うシェル部品を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、相手コネクタとの嵌合を容易に行うことができるコネクタ、コネクタの製造方法及びコネクタ付フラットケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1の実施の形態に係るプラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【
図2】第1の実施の形態に係るプラグコネクタにフラットケーブル嵌合し、プラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【
図3】第2の実施の形態に係るプラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【
図4】第2の実施の形態に係るプラグコネクタにフラットケーブル嵌合し、プラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【
図5】第3の実施の形態に係るプラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【
図6】第3の実施の形態に係るプラグコネクタにフラットケーブル嵌合し、プラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るコネクタ(プラグコネクタ)について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るプラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図であり、
図2は、プラグコネクタにフラットケーブル嵌合し、プラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【0020】
図1に示すように、プラグコネクタ4は、フラットケーブル100が嵌合する第1嵌合部10と、レセプタクルコネクタ6が嵌合する第2嵌合部12を有するハウジング14を備えている。このプラグコネクタ4においては、ハウジング14の一方の端部に第1嵌合部10が設けられ、他方の端部に、嵌合方向が第1嵌合部10に対向するように第2嵌合部12が設けられている。
【0021】
ハウジング14は、第1嵌合部10の方向に延びる第1腕部16aと、第1嵌合部10の方向に延び第1腕部16aに対向する第2腕部16bを有するコンタクト16を保持している。第1腕部16a及び第2腕部16bは、一端がU字形状部で連結され、他端の非連結側でフラットケーブル100を厚み方向に挟持する。コンタクト16の第1腕部16aの先端には、フラットケーブル100と接触する第1接点部18が設けられている。また第1腕部16a及び第2腕部16bのU字形状部の近傍には、図示しない回路基板に実装されるレセプタクルコネクタ6のコンタクト6aと接触する、2つの第2接点部20が設けられている。
【0022】
レセプタクルコネクタ6のコンタクト6aは、ハウジング22に保持され、U字状に屈曲した形状を有している。コンタクト6aには、プラグコネクタ4のコンタクト16に形成されている第2接点部20と接触する2つの接点7が形成されている。
【0023】
この第1の実施の形態に係るプラグコネクタ4にフラットケーブル100を嵌合させたコネクタ付フラットケーブルを製造する場合には、まず、ハウジング14を作成し、第1嵌合部10にフラットケーブル100を嵌合する。次にコンタクト16の第1腕部16a及び第2腕部16bによりフラットケーブル100を挟むようにしてハウジング14にコンタクト16を取り付ける。これによりプラグコネクタ4の第1嵌合部10にフラットケーブル100を嵌合したコネクタ付フラットケーブルが製造される。なお、プラグコネクタ4のハウジング14を覆うシェル部品を取り付ける工程を更に設けてもよい。
【0024】
プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ6を嵌合する場合には、プラグコネクタ4の第2嵌合部12にレセプタクルコネクタ6を嵌合する。これによりレセプタクルコネクタ6のコンタクト6aの2つの接点7によりプラグコネクタ4のコンタクト16を挟持し、2つの接点7が2つの第2接点部20にそれぞれ接続される。この場合に、プラグコネクタ4に形成されている第2嵌合部12が、プラグコネクタ4に嵌合されているフラットケーブル100やレセプタクルコネクタ6が実装されている回路基板によって隠れることがないため、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ6を容易に嵌合させることができる。
【0025】
なおこの第1の実施の形態においては、第1腕部16aの先端にフラットケーブル100と接触する第1接点部18が設けられているが、第1接点部18は第1腕部16aの先端の近傍に設けるようにしてもよい。
【0026】
また、この第1の実施の形態においては、第1腕部16a及び第2腕部16bのU字形状部の近傍に第2接点部20が設けられているが、第2接点部20はU字形状部と、第1腕部16a及び第2腕部16bの先端との間に位置していればよく、また第1腕部16a及び第2腕部16bの何れか一方に第2接点部20を設けるようにしてもよい。
【0027】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るコネクタ(プラグコネクタ)について説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るプラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図であり、
図4は、プラグコネクタにフラットケーブル嵌合し、プラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図で
ある。なお、第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一の構成に、第1の実施の形態の説明で用いたのと同一の符号を付して説明を行う。
【0028】
図3に示すように、プラグコネクタ4は、フラットケーブル100が嵌合する第1嵌合部10と、レセプタクルコネクタ6が嵌合する第2嵌合部12を有するハウジング14を備えている。このプラグコネクタ4においては、ハウジング14の一方の端部に第1嵌合部10が設けられ、他方の端部に、嵌合方向が第1嵌合部10の嵌合方向に対して直交するように第2嵌合部12が設けられている。
【0029】
ハウジング14は、第1嵌合部10の方向に延びる第1腕部16aと、第1嵌合部10の方向に延び第1腕部16aに対向する第2腕部16bを有するコンタクト16を保持している。第1腕部16a及び第2腕部16bは、一端がU字形状部で連結されている。ここでU字形状部はフラットケーブル100の厚さ方向に嵌合するレセプタクルコネクタ6側に屈曲した屈曲部16cを構成している。第1腕部16a及び第2腕部16bは、他端の非連結側でフラットケーブル100を厚み方向に挟持する。なお、屈曲部16cは、第1腕部16a及び第2腕部16bの非連結側よりも、フラットケーブル100の厚み方向においてレセプタクルコネクタ6側に位置している。
【0030】
コンタクト16の第1腕部16aの先端には、フラットケーブル100と接触する第1接点部18が設けられている。また第1腕部16a及び第2腕部16bのU字形状部の屈曲部16cには、図示しない回路基板に実装されるレセプタクルコネクタ6のコンタクト6aと接触する、2つの第2接点部20が設けられている。
【0031】
レセプタクルコネクタ6のコンタクト6aは、ハウジング22に保持され、U字状に屈曲した形状を有している。コンタクト6aには、プラグコネクタ4のコンタクト16に形成されている第2接点部20と接触する2つの接点7が形成されている。
【0032】
この第2の実施の形態に係るプラグコネクタ4にフラットケーブル100を嵌合させたコネクタ付フラットケーブルを製造する場合には、まず、ハウジング14を作成し、第1嵌合部10にフラットケーブル100を嵌合する。次にコンタクト16の第1腕部16a及び第2腕部16bによりフラットケーブル100を挟むようにしてハウジング14にコンタクト16を取り付ける。これによりプラグコネクタ4の第1嵌合部10にフラットケーブル100を嵌合したコネクタ付フラットケーブルが製造される。なお、プラグコネクタ4のハウジング14を覆うシェル部品を取り付ける工程を更に設けてもよい。
【0033】
プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ6を嵌合する場合には、プラグコネクタ4の第2嵌合部12にレセプタクルコネクタ6を嵌合する。これによりレセプタクルコネクタ6のコンタクト6aの2つの接点7により、プラグコネクタ4のコンタクト16を挟持し、2つの接点7が2つの第2接点部20にそれぞれ接続される。この場合に、プラグコネクタ4に形成されている第2嵌合部12が、プラグコネクタ4に嵌合されているフラットケーブル100やレセプタクルコネクタ6が実装されている回路基板によって隠れることがないため、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ6を容易に嵌合させることができる。
【0034】
なおこの第2の実施の形態においては、第1腕部16aの先端にフラットケーブル100と接触する第1接点部18が設けられているが、第1接点部18は第1腕部16aの先端の近傍に設けるようにしてもよい。
【0035】
また、この第2の実施の形態においては、第1腕部16a及び第2腕部16bのU字形状部の屈曲部16cに2つの第2接点部20が設けられているが、第1腕部16a及び第2腕部16bの何れか一方に第2接点部20を設けるようにしてもよい。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るコネクタ(プラグコネクタ)について説明する。
図5は、第3の実施の形態に係るプラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図であり、
図6は、プラグコネクタにフラットケーブル嵌合し、プラグコネクタにレセプタクルコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。なお、第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成と同一の構成に、第1の実施の形態の説明で用いたのと同一の符号を付して説明を行う。
【0037】
図5に示すように、プラグコネクタ4は、フラットケーブル100が嵌合する第1嵌合部10と、レセプタクルコネクタ6が嵌合する第2嵌合部12を有するハウジング14を備えている。このプラグコネクタ4においては、ハウジング14の一方の端部に第1嵌合部10が設けられ、嵌合方向が第1嵌合部10の嵌合方向に対して直交するように第2嵌合部12が設けられている。
【0038】
ハウジング14は、略L字形状を有する第1コンタクト24と、略L字形状を有する第2コンタクト26を保持している。第1コンタクト24の一方の辺の先端部には、フラットケーブル100の表面と接触する第1接点部28が形成され、第1コンタクト24のフラットケーブル100の厚さ方向へ延びる他方の辺の先端と略L字形状の屈曲部の間に、図示しない回路基板に実装されるレセプタクルコネクタ6の第1コンタクト8と接触する2つの第2接点部30が形成されている。第2コンタクト26の一方の辺の先端部には、フラットケーブル100の裏面と接触する第3接点部32が形成されている。第2コンタクト26のフラットケーブル100の厚さ方向へ延びる他方の辺の先端には、U字形状に屈曲したU字形状部が形成されている。このU字形状部には、図示しない回路基板に実装されるレセプタクルコネクタ6の第2コンタクト9と接触する2つの第4接点部34が形成されている。ここで第4接点部34は、U字形状部の先端と略L字形状の屈曲部との間に位置している。
【0039】
レセプタクルコネクタ6の第1コンタクト8は、ハウジング22に保持され、U字状の屈曲した形状を有している。第1コンタクト8には、プラグコネクタ4の第1コンタクト24に形成されている2つの第2接点部30と接触する2つの接点8aが形成されている。またレセプタクルコネクタ6の第2コンタクト9は、ハウジング22に保持され、U字状に屈曲した形状を有している。第2コンタクト9には、プラグコネクタ4の第2コンタクト26に形成されている2つの第
4接点部34と接触する2つの接点9aが形成されている。
【0040】
この第3の実施の形態に係るプラグコネクタ4にフラットケーブル100を嵌合させたコネクタ付フラットケーブルを製造する場合には、まず、第2コンタクト26がインサート成形されたハウジング14を作成し、第1嵌合部10にフラットケーブル100を嵌合する。次に第1コンタクト24の第1接点部28と、第2コンタクト26の第3接点部32によりフラットケーブル100を挟持するようにしてハウジング14に第1コンタクト24を取り付ける。これによりプラグコネクタ4の第1嵌合部10にフラットケーブル100を嵌合したコネクタ付フラットケーブルが製造される。なお、プラグコネクタ4のハウジング14を覆うシェル部品を取り付ける工程を更に設けてもよい。
【0041】
プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ6を嵌合する場合には、プラグコネクタ4の第2嵌合部12にレセプタクルコネクタ6を嵌合する。これによりレセプタクルコネクタ6の第1コンタクト8の2つの接点8aがプラグコネクタ4の第1コンタクト24の2つの第2接点部30に接続される。またレセプタクルコネクタ6の第2コンタクト9の2つの接点9aがプラグコネクタ4の第2コンタクト26の2つの
第4接点部34に接続される。
【0042】
この場合に、プラグコネクタ4に形成されている第2嵌合部12が、プラグコネクタ4に嵌合されているフラットケーブル100やレセプタクルコネクタ6が実装されている回路基板によって隠れることがないため、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ6を容易に嵌合させることができる。
【0043】
なおこの第3の実施の形態においては、第1コンタクト24の先端にフラットケーブル100と接触する第1接点部28が設けられているが、第1接点部28は第1コンタクト24の先端の近傍に設けるようにしてもよい。
【0044】
なお、上述の第3の実施の形態の第1コンタクトを第2実施の形態のコンタクトに変更してもよい。この場合、第1コンタクトは対向する第1腕部及び第2腕部を有し、第1腕部及び第2腕部の一端がU字形状部で連結され、U字形状部はフラットケーブル100の厚さ方向に嵌合するレセプタクルコネクタ6側に屈曲した屈曲部を有する。また第1腕部及び第2腕部の非連結側でフラットケーブル100を厚み方向に挟持し、第1腕部の先端またはその近傍に第1接点部を有し、屈曲部は、第1腕部及び第2腕部の非連結側よりも、フラットケーブル100の厚み方向においてレセプタクルコネクタ6側に位置している。また第2接点部は、屈曲部の第1腕部及び第2腕部の少なくとも一方に形成されている。ここで第2接点部は、第1腕部及び前記第2腕部の少なくとも一方のU字形状部と、第1腕部及び第2腕部の先端との間に位置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
4…プラグコネクタ、6…レセプタクルコネクタ、10…第1嵌合部、12…第2嵌合部、14…ハウジング、16…コンタクト、16a …第1腕部、16b…第2腕部、18…第1接点部、20…第2接点部、24…第1コンタクト、26…第2コンタクト、100…フラットケーブル