特許第6429320号(P6429320)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429320
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】ガス還流装置
(51)【国際特許分類】
   F01M 13/00 20060101AFI20181119BHJP
   F02M 26/19 20160101ALI20181119BHJP
   F02M 26/06 20160101ALI20181119BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   F01M13/00 L
   F01M13/00 G
   F01M13/00 E
   F02M26/19 331
   F02M26/06 311
   F02M35/10 301T
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-3190(P2015-3190)
(22)【出願日】2015年1月9日
(65)【公開番号】特開2016-128660(P2016-128660A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2017年10月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 栄二
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩
(72)【発明者】
【氏名】岡山 洋明
【審査官】 家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−103168(JP,A)
【文献】 特開2001−099013(JP,A)
【文献】 実開平03−068554(JP,U)
【文献】 実開平03−106158(JP,U)
【文献】 特開2014−173578(JP,A)
【文献】 特開2002−371920(JP,A)
【文献】 特開平07−189643(JP,A)
【文献】 特開2003−262164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/17 − 26/21
F02M 35/10
F01M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの吸気通路にブローバイガスを還流させるガス還流装置であって、
前記ブローバイガスを案内するブローバイ通路と、
前記エンジンの排気通路に接続され、前記エンジンの排出ガスの一部をEGRガスとして案内するEGR通路と、
前記吸気通路に設けられ、前記ブローバイ通路および前記EGR通路が接続される集合部と、
を有し、
前記集合部は、前記吸気通路の上流側に連通する上流ポートと、前記吸気通路の下流側に連通する下流ポートと、前記ブローバイ通路に連通するブローバイポートと、前記EGR通路に連通するEGRポートと、前記上流ポートに対向する第1空間部と、前記下流ポートに対向する第2空間部と、を備え、
前記上流ポートと前記下流ポートとは、互いに中心線を平行にずらして前記集合部に形成され、
前記ブローバイポートと前記EGRポートとは、前記第1空間部に開口して前記集合部に形成され、
前記ブローバイポートは、前記上流ポートをその中心線方向に投影した投影部から外れた前記集合部の拡幅部に形成され、
前記EGRポートの少なくとも一部と前記拡幅部の少なくとも一部とは対向する、
ガス還流装置。
【請求項2】
請求項1記載のガス還流装置において、
前記ブローバイポートと前記EGRポートとは、互いに中心線をずらして前記集合部に形成される、
ガス還流装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のガス還流装置において、
前記EGRポートは、前記上流ポートに向けて開口する、
ガス還流装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの吸気通路にブローバイガスを還流させるガス還流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンのクランクケースには、シリンダとピストンとの隙間を通じてブローバイガスが流入する。ブローバイガスには未燃ガスが含まれるため、ブローバイガスを吸気通路に還流させることが一般的である。このため、クランクケースと吸気通路とは、ブローバイガスを案内するブローバイ通路を介して接続されている。ところで、ブローバイガスには水分が含まれており、単にブローバイ通路を吸気通路に接続することは、凍結によってブローバイ通路の開口部を閉塞させてしまう虞がある。そこで、吸気通路に凹状の退避部を形成し、この退避部にブローバイ通路を接続したガス還流装置が提案されている(特許文献1参照)。これにより、ブローバイ通路の開口部の温度低下を抑制し、凍結によるブローバイ通路の閉塞を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−267320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるように、吸気通路の退避部にブローバイ通路を接続した場合であっても、外気温度が低下する寒冷地等においては、凍結によってブローバイ通路を閉塞させてしまう虞がある。このため、凍結によるブローバイ通路の閉塞を防止するガス還流装置が求められている。
【0005】
本発明の目的は、凍結によるブローバイ通路の閉塞を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガス還流装置は、エンジンの吸気通路にブローバイガスを還流させるガス還流装置であって、前記ブローバイガスを案内するブローバイ通路と、前記エンジンの排気通路に接続され、前記エンジンの排出ガスの一部をEGRガスとして案内するEGR通路と、前記吸気通路に設けられ、前記ブローバイ通路および前記EGR通路が接続される集合部と、を有し、前記集合部は、前記吸気通路の上流側に連通する上流ポートと、前記吸気通路の下流側に連通する下流ポートと、前記ブローバイ通路に連通するブローバイポートと、前記EGR通路に連通するEGRポートと、前記上流ポートに対向する第1空間部と、前記下流ポートに対向する第2空間部と、を備え、前記上流ポートと前記下流ポートとは、互いに中心線を平行にずらして前記集合部に形成され、前記ブローバイポートと前記EGRポートとは、前記第1空間部に開口して前記集合部に形成され、前記ブローバイポートは、前記上流ポートをその中心線方向に投影した投影部から外れた前記集合部の拡幅部に形成され、前記EGRポートの少なくとも一部と前記拡幅部の少なくとも一部とは対向する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ブローバイポートは、上流ポートをその中心線方向に投影した投影部から外れた集合部の拡幅部に形成される。また、EGRポートの少なくとも一部と拡幅部の少なくとも一部とは対向する。これにより、凍結によるブローバイ通路の閉塞を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態であるガス還流装置を備えたパワーユニットを示す概略図である。
図2】集合アダプタを示す斜視図である。
図3】(a)は集合アダプタを示す平面図であり、(b)は図3(a)のA−A線に沿って集合アダプタを示す断面図である。
図4】(a)は集合アダプタを示す正面図であり、(b)は図4(a)のA−A線に沿って集合アダプタを示す断面図である。
図5】(a)および(b)は、集合アダプタに形成される上流ポート、下流ポート、ブローバイポートおよびEGRポートの各中心線を示す図である。
図6】(a)および(b)は、矢印を用いて、吸入空気、ブローバイガスおよびEGRガスの流れを示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態であるガス還流装置10を備えたパワーユニット11を示す概略図である。なお、図1に示す白抜きの矢印は、吸入空気、排出ガス、EGRガスおよびブローバイガスの流れ方向を示している。
【0010】
図1に示すように、パワーユニット11は、エンジン12、吸気系13および排気系14を備えている。パワーユニット11は、車両(図示せず)に搭載されている。エンジン12のシリンダヘッド15には、吸気ポート16および排気ポート17が形成されている。シリンダヘッド15の吸気ポート16には吸気系13が接続されており、シリンダヘッド15の排気ポート17には排気系14が接続されている。これらの吸気系13および排気系14により、本発明の一実施の形態であるガス還流装置10が構成されている。なお、図1に一点鎖線で示すように、パワーユニット11は、エンジン12の後方に配置されるトランスミッション18を備えている。
【0011】
吸気系13は、エアクリーナ20、吸気ダクト22、コンプレッサ23、吸気パイプ24、インタークーラ25、スロットルバルブ(電子制御スロットル)21、および吸気マニホールド26等によって構成されている。吸気ダクト22の下流端には、集合アダプタ(集合部)32が設けられる。エアクリーナ20を通過した吸入空気は、吸気ダクト22および集合アダプタ32を介して、ターボチャージャ27のコンプレッサ23に供給される。コンプレッサ23によって圧縮された吸入空気は、吸気パイプ24からインタークーラ25を経て冷却された後に、スロットルバルブ21および吸気マニホールド26を経てシリンダヘッド15の吸気ポート16に供給される。このように、吸気系13には、吸気ダクト22、コンプレッサ23、吸気パイプ24、インタークーラ25、および吸気マニホールド26等からなる吸気通路28が設けられている。
【0012】
また、吸気系13には、エンジン12のブローバイガスを案内するブローバイパイプ(ブローバイ通路)30が接続されている。ブローバイパイプ30の一端側(上流側)は、クランクケース31に接続されており、ブローバイパイプ30の他端側(下流側)は、吸気ダクト22に設けられる集合アダプタ32に接続されている。エンジン12の燃焼室からクランクケース31内に漏れ出たブローバイガスは、ブローバイパイプ30を介して集合アダプタ32に供給される。これにより、未燃ガスを含むブローバイガスを、再びエンジン12の燃焼室に供給することができ、ブローバイガスを燃焼させて処理することができる。
【0013】
排気系14は、排気マニホールド33、タービン34、触媒コンバータ35、排気パイプ36,37等によって構成されている。排気ポート17から排出される排出ガスは、排気マニホールド33からターボチャージャ27のタービン34に案内される。タービン34を回転駆動した排出ガスは、触媒コンバータ35を経て浄化された後に、フロント側の排気パイプ36からリヤ側の排気パイプ37に供給される。リヤ側の排気パイプ37には図示しない消音器が接続されており、排出ガスは消音器を経て外部に排出される。このように、排気系14には、排気マニホールド33、タービン34、触媒コンバータ35、排気パイプ36,37等からなる排気通路38が設けられている。
【0014】
また、排気系14には、エンジン12の排気浄化性能や燃費性能等を向上させるため、エンジン12の排出ガスの一部をEGRガスとして吸気系13に供給する排気再循環系40(以下、EGR系と記載する。)が設けられている。なお、EGRとは、「Exhaust Gas Recirculation」である。
【0015】
EGR系40は、複数のEGRパイプ41〜43によって構成されるEGR通路44を有している。EGR通路44の上流側は、排気パイプ36,37間に設けられる分岐管45に接続されており、EGR通路44の下流側は、吸気ダクト22に設けられる集合アダプタ32に接続されている。EGR通路44には、EGRガスから異物を除去するEGRフィルタ46、EGRガスを冷却するEGRクーラ47、EGRガスの流量を制御するEGRバルブ48が設けられている。排気パイプ36を流れる排出ガスの一部は、EGRガスとして分岐管45からEGRパイプ41〜43に流入する。EGR系40に流入したEGRガスは、EGRフィルタ46、EGRクーラ47およびEGRバルブ48を経て吸気系13の集合アダプタ32に供給される。
【0016】
EGRガスを増加させる際には、EGRバルブ48が開放側に制御される一方、EGRガスを減少させる際には、EGRバルブ48が閉塞側に制御される。また、EGRガスの流量を制御するため、前述したEGRバルブ48だけでなく、リヤ側の排気パイプ37には排気制御バルブ49が設けられている。この排気制御バルブ49を閉塞側に制御することにより、EGR系40に流入するEGRガスを増加させることができ、排気制御バルブ49を開放側に制御することにより、EGR系40に流入するEGRガスを減少させることができる。すなわち、EGRガスを増加させる際には、排気制御バルブ49が閉塞側に制御される一方、EGRガスを減少させる際には、排気制御バルブ49が開放側に制御される。
【0017】
前述したように、ブローバイガスを案内するブローバイパイプ30と、EGRガスを案内するEGR通路44とは、吸気通路28の集合アダプタ32に接続されている。そして、吸気通路28の集合アダプタ32において、吸入空気、ブローバイガスおよびEGRガスは混合され、混合ガスとしてエンジン12に供給される。
【0018】
以下、集合アダプタ32の構造について説明する。図2は集合アダプタ32を示す斜視図である。図3(a)は集合アダプタ32を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線に沿って集合アダプタ32を示す断面図である。図4(a)は集合アダプタ32を示す正面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線に沿って集合アダプタ32を示す断面図である。また、図5(a)および(b)は、集合アダプタ32に形成される上流ポート61、下流ポート62、ブローバイポート63およびEGRポート64の各中心線C1〜C4を示す図である。なお、図5(a)および(b)には、図3(a)および(b)と同じ部位が示されている。さらに、図6(a)および(b)は、矢印を用いて、吸入空気、ブローバイガスおよびEGRガスの流れを示すイメージ図である。なお、図6(a)には図3(b)と同じ部位が示され、図6(b)には図4(b)と同じ部位が示されている。
【0019】
図2図3(a)および図4(a)に示すように、集合アダプタ32は、吸気ダクト22が接続される接続部51と、コンプレッサ23が接続される接続部52と、を有している。集合アダプタ32の接続部51は、集合アダプタ32において上流側となり、集合アダプタ32の接続部52は、集合アダプタ32において下流側となる。このため、以下の説明においては、接続部51を「上流接続部」と呼び、接続部52を「下流接続部」と呼ぶ。また、集合アダプタ32は、ブローバイパイプ30が接続されるブローバイ接続部53と、EGR通路44が接続されるEGR接続部54と、を有している。図3(b)および図4(b)に示すように、集合アダプタ32の内部には、吸入空気、ブローバイガスおよびEGRガスを混合する混合室55が形成されている。集合アダプタ32の混合室55には、上流接続部51の上流ポート61、下流接続部52の下流ポート62、ブローバイ接続部53のブローバイポート63、およびEGR接続部54のEGRポート64が開口している。すなわち、集合アダプタ32は、吸気通路28の上流側に連通する上流ポート61と、吸気通路28の下流側に連通する下流ポート62と、ブローバイパイプ30に連通するブローバイポート63と、EGR通路44に連通するEGRポート64と、を備えている。
【0020】
図2および図3に示すように、集合アダプタ32には、拡幅部551が形成される。具体的に、集合アダプタ32の混合室55におけるブローバイ接続部53側の部位には、拡幅部551が形成される。拡幅部551は、上流ポート61をその中心線C1方向に投影した投影部Xよりも外側に向け、集合アダプタ32の内部空間(混合室55)を拡幅する。このような拡幅部551に、ブローバイポート63が設けられる。また、EGRポート64の少なくとも一部は、拡幅部551の少なくとも一部に対向する。
【0021】
図5(a)および(b)に示すように、上流ポート61の中心線C1と、下流ポート62の中心線C2とは、互いにずらして配置されている。すなわち、上流ポート61と下流ポート62とは、互いの中心線C1,C2をずらして集合アダプタ32に形成されている。また、ブローバイポート63の中心線C3と、EGRポート64の中心線C4とは、互いにずらして配置されている。すなわち、ブローバイポート63とEGRポート64とは、互いの中心線C3,C4をずらして集合アダプタ32に形成されている。さらに、図3(b)に符号αで示すように、ブローバイポート63は、上流ポート61をその中心線C1方向に投影した投影部Xから外れて形成されている。
【0022】
このように、集合アダプタ32を構成することにより、凍結によるブローバイポート63の閉塞を防止することができる。すなわち、図3(b)に符号αで示すように、ブローバイポート63は、上流ポート61をその中心線C1方向に投影した投影部Xから外れて形成されている。換言すれば、上流ポート61から隠れた位置に、ブローバイポート63が形成されている。これにより、吸入空気が直にブローバイポート63に吹き付けられることがなく、ブローバイポート63の温度低下を抑制することができ、ブローバイポート63の凍結を防止することができる。しかも、ブローバイポート63が開口する混合室55には、EGRポート64からEGRガスが供給されている。このように、排出ガスの一部であるEGRガスを混合室55に供給することにより、ブローバイポート63の周囲を暖めることができ、ブローバイポート63の凍結を積極的に防止することができる。特に、EGRポート64の少なくとも一部は、拡幅部551の少なくとも一部に対向することから、ブローバイポート63が形成される拡幅部551をより効果的に暖めることができ、ブローバイポート63の凍結をより一層効果的に防止することができる。
【0023】
また、図5(a)に示すように、ブローバイ接続部53は、ブローバイパイプ30側の小径部53aと混合室55側の大径部53bとを備えている。このように、混合室55側に向けてブローバイ接続部53の流路断面積を拡大することにより、万が一、ブローバイポート63に凍結が発生した場合であっても、凍結によるブローバイポート63の閉塞を防止することができる。さらに、ブローバイ接続部53の混合室55側の端部は、中心線C3に対して斜めに切断されている。これにより、ブローバイポート63の流路面積を拡大することができるため、凍結によるブローバイポート63の閉塞を防止することができる。
【0024】
さらに、前述したように集合アダプタ32を構成することにより、吸入空気、ブローバイガスおよびEGRガスを適切に混合することができる。すなわち、図5(a)および(b)に示すように、ブローバイポート63とEGRポート64とは、互いに中心線C3,C4をずらして集合アダプタ32に形成されている。すなわち、ブローバイポート63とEGRポート64とは、互いに正面を向き合うように同じ中心線上に形成されていない。これにより、周期的な圧力変動を伴うブローバイポート63に対するEGRガスの流入を防止することができ、混合室55においてEGRガスを吸入空気に適切に混合することができる。また、図4(a)および(b)に示すように、EGRポート64は、上流ポート61に向けて開口している。これにより、EGRポート64から吐出されるEGRガスを、吸入空気の流れに抗うように衝突させることができ、吸入空気にEGRガスを十分に混合させることができる。
【0025】
また、上流ポート61と下流ポート62とは、互いの中心線C1,C2をずらして集合アダプタ32に形成されている。これにより、図6(a)および(b)に示すように、上流ポート61に対向する混合室55の第1空間部55aと、下流ポート62に対向する混合室55の第2空間部55bとを、上下にずらして配置することができる。このような構造により、上流ポート61を通過した吸入空気は、混合室55の第1空間部55aに流れ込んだ後に、下方の第2空間部55bに移動してから下流ポート62に案内される。このように、上流ポート61から下流ポート62に直線的に吸入空気を移動させるのではなく、集合アダプタ32内で吸入空気を撹拌するように移動させることにより、吸入空気にブローバイガスやEGRガスを十分に混合させることができる。しかも、ブローバイポート63およびEGRポート64は、下流側の第2空間部55bではなく上流側の第1空間部55aに開口している。これにより、吸入空気に対するブローバイガスおよびEGRガスの撹拌を促し、吸入空気、ブローバイガスおよびEGRガスを十分に混合することができる。
【0026】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、エンジン12にターボチャージャ27を設けているが、これに限られることはなく、ターボチャージャを持たない自然吸気型のエンジンであっても良い。また、エンジン12としては、ディーゼルエンジンであっても良く、ガソリンエンジン等であっても良い。また、前述の説明では、EGRポート64の一部と拡幅部551の一部とを対向させているが、これに限られることはなく、EGRポート64の全てを拡幅部551に対向させても良く、拡幅部551の全てをEGRポート64に対向させても良い。
【符号の説明】
【0027】
10 ガス還流装置
12 エンジン
28 吸気通路
30 ブローバイパイプ(ブローバイ通路)
32 集合アダプタ(集合部)
38 排気通路
44 EGR通路
55a 第1空間部
55b 第2空間部
551 拡幅部
61 上流ポート
62 下流ポート
63 ブローバイポート
64 EGRポート
C1〜C4 中心線
X 投影部
図1
図2
図3
図4
図5
図6