(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
【0011】
(第1の実施例)
図1から
図7は、本発明の第1の実施例に係るものである。
図1は、本発明の実施例に係る光走査型観察システムの要部の構成を示す図である。
【0012】
光走査型観察システム1は、例えば、
図1に示すように、被検者の体腔内に挿入される走査型の内視鏡2と、内視鏡2を接続可能な本体装置3と、本体装置3に接続される表示装置4と、を有して構成されている。
【0013】
内視鏡2は、被検者の体腔内に挿入可能な細長形状及び可撓性を備えて形成された挿入部11を有して構成されている。
【0014】
挿入部11の基端部には、内視鏡2を本体装置3のコネクタ受け部62に着脱自在に接続するためのコネクタ部61が設けられている。
【0015】
コネクタ部61及びコネクタ受け部62の内部には、図示しないが、内視鏡2と本体装置3とを電気的に接続するための電気コネクタ装置が設けられている。また、コネクタ部61及びコネクタ受け部62の内部には、図示しないが、内視鏡2と本体装置3とを光学的に接続するための光コネクタ装置が設けられている。
【0016】
一方、挿入部11の内部における基端部から先端部にかけての部分には、本体装置3から供給された光を集光光学系14へ導くための光ファイバである照明用ファイバ12と、被写体からの戻り光(以降、反射光とも称する)を受光して本体装置3へ導くための1本以上の光ファイバである受光用ファイバ13と、がそれぞれ挿通されている。
【0017】
照明用ファイバ12の光入射面を含む入射端部は、コネクタ部61の内部に配置されている。また、照明用ファイバ12の光出射面を含む端部は、挿入部11の先端部に設けられたレンズ14aの光入射面の近傍に配置されている。
【0018】
受光用ファイバ13の光入射面を含む入射端部は、挿入部11の先端部の先端面における、レンズ14bの光出射面の周囲に固定配置されている。また、受光用ファイバ13の光出射面を含む出射端部は、コネクタ部61の内部に配置されている。
【0019】
すなわち、以上に述べたような構成によれば、内視鏡2と本体装置3とが接続された際に、本体装置3から出射された光が、コネクタ部61に設けられた照明用ファイバ12の光入射面に入射される。また、以上に述べたような構成によれば、内視鏡2と本体装置3とが接続された際に、受光用ファイバ13の光入射面から入射した光が、コネクタ部61及びコネクタ受け部62を経て本体装置3へ出射される。
【0020】
集光光学系14は、照明用ファイバ12の光出射面を経た光が入射されるレンズ14aと、レンズ14aを経た光を被写体へ出射するレンズ14bと、を有して構成されている。
【0021】
挿入部11の先端部側における照明用ファイバ12の中途部には、本体装置3の走査制御部22から供給される走査制御信号に基づいて駆動することにより、照明用ファイバ12の出射端部を揺動させることができるように構成されたアクチュエータ部15が設けられている。
【0022】
アクチュエータ部15は、例えば、本体装置3の走査制御部22から供給される走査制御信号に基づいて駆動することにより、照明用ファイバ12の出射端部を第1の方向(以降、X軸方向とも称する)に沿って揺動させることが可能な1つ以上の圧電素子を備えた第1のアクチュエータ(不図示)と、本体装置3の走査制御部22から供給される走査制御信号に基づいて駆動することにより、当該出射端部を当該第1の方向に直交する第2の方向(以降、Y軸方向とも称する)に揺動させることが可能な1つ以上の圧電素子を備えた第2のアクチュエータ(不図示)と、を具備して構成されている。
【0023】
挿入部11の内部には、アクチュエータ部15の共振条件に応じて予め設定された駆動周波数Fdbを示す情報である駆動周波数情報が格納されたメモリ16が設けられている。そして、メモリ16に格納された駆動周波数情報は、内視鏡2のコネクタ部61と本体装置3のコネクタ受け部62とが接続された際に、本体装置3のタイミング制御部27により読み出される。
【0024】
なお、アクチュエータ部15が圧電素子を具備して構成されている場合においては、当該圧電素子の共振周波数Frに基づいて駆動周波数Fdbが設定される。そのため、本実施例によれば、アクチュエータ部15が圧電素子を具備して構成されている場合には、当該圧電素子の共振周波数Frと、共振周波数Frに基づいて設定される駆動周波数Fdbと、のうちの少なくとも一方が駆動周波数情報に含まれていればよい。
【0025】
本体装置3は、光源部21と、走査制御部22と、光検出部23と、画像処理部24と、調光部25と、メモリ26と、タイミング制御部27と、光源制御部28と、を有して構成されている。
【0026】
光源部21は、例えば、
図2に示すように、光源31aと、光源31bと、光源31cと、合波器32と、を有して構成されている。
図2は、第1の実施例に係る光走査型観察システムに含まれる光源部の構成の一例を示す図である。
【0027】
光源31aは、例えば、レーザ光源等を具備し、光源制御部28の制御に応じてオンまたはオフに切り替わるとともに、光源制御部28の制御に応じて出射光量を変化させることができるように構成されている。また、光源31aは、光源制御部28の制御に応じてオンされた際に、赤色の波長帯域の光(以降、R光とも称する)を発生するように構成されている。
【0028】
光源31bは、例えば、レーザ光源等を具備し、光源制御部28の制御に応じてオンまたはオフに切り替わるとともに、光源制御部28の制御に応じて出射光量を変化させることができるように構成されている。また、光源31bは、光源制御部28の制御に応じてオンされた際に、緑色の波長帯域の光(以降、G光とも称する)を発生するように構成されている。
【0029】
光源31cは、例えば、レーザ光源等を具備し、光源制御部28の制御に応じてオンまたはオフに切り替わるとともに、光源制御部28の制御に応じて出射光量を変化させることができるように構成されている。また、光源31cは、光源制御部28の制御に応じてオンされた際に、青色の波長帯域の光(以降、B光とも称する)を発生するように構成されている。
【0030】
合波器32は、光源31aから発せられたR光と、光源31bから発せられたG光と、光源31cから発せられたB光と、を合波した白色光を、コネクタ受け部62に設けられた照明用ファイバ12の光入射面へ出射することができるように構成されている。
【0031】
すなわち、光源部21は、被写体を照明するための照明光として、R光、G光及びB光を出射することができるように構成されている。
【0032】
走査制御部22は、例えば、信号発生器等を具備して構成されている。また、走査制御部22は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、駆動周波数fdを具備するとともに照明用ファイバ12の出射端部を渦巻状に揺動させるための走査制御信号を生成し、当該生成した走査制御信号をアクチュエータ部15及び画像処理部24へ出力するように構成されている。
【0033】
具体的には、走査制御部22は、照明用ファイバ12の出射端部をX軸方向に沿って揺動させるための第1の走査制御信号として、例えば、
図3の破線で示すような波形を具備する信号を生成する。また、走査制御部22は、照明用ファイバ12の出射端部をY軸方向に沿って揺動させるための第2の走査制御信号として、例えば、
図3の一点鎖線で示すような、第1の走査制御信号の位相を90°ずらした波形を具備する信号を生成する。
図3は、第1の実施例に係る光走査型観察システムに含まれるアクチュエータ部に供給される走査制御信号の信号波形の一例を示す図である。
【0034】
ここで、例えば、
図3の破線で示すような信号波形を具備する第1の走査制御信号がアクチュエータ部15の第1のアクチュエータに供給されるとともに、
図3の一点鎖線で示すような信号波形を具備する第2の走査制御信号がアクチュエータ部15の第2のアクチュエータに供給されることにより、照明用ファイバ12の出射端部が渦巻状に揺動され、このような揺動に応じて被写体の表面が
図4及び
図5に示すような渦巻状に走査される。
図4は、点Aから点Bに至る渦巻状の走査経路を説明するための図である。
図5は、点Bから点Aに至る渦巻状の走査経路を説明するための図である。
【0035】
具体的には、まず、時刻T1においては、被写体の表面における照明光の照射位置の中心点である点Aに相当する位置に照明光が照射される。その後、第1及び第2の走査制御信号の振幅値が時刻T1から時刻T2にかけて増加するに伴い、被写体の表面における照明光の照射位置が点Aを起点として外側へ向かう第1の渦巻状の走査経路に沿って変位し、さらに、時刻T2に達すると、被写体の表面における照明光の照射位置の最外点である点Bに照明光が照射される。そして、第1及び第2の走査制御信号の振幅値が時刻T2から時刻T3にかけて減少するに伴い、被写体の表面における照明光の照射位置が点Bを起点として内側へ向かう第2の渦巻状の走査経路に沿って変位し、さらに、時刻T3に達すると、被写体の表面における点Aに照明光が照射される。
【0036】
すなわち、アクチュエータ部15は、走査制御部22から供給される第1及び第2の走査制御信号に基づいて照明用ファイバ12の出射端部を揺動することにより、当該出射端部を経て被写体へ出射される照明光の照射位置を
図4及び
図5に示す渦巻状の走査経路に沿って変位させることが可能な構成を具備している。
【0037】
光検出部23は、受光用ファイバ13、コネクタ部61及びコネクタ受け部62を経て入射される戻り光を検出し、当該検出した光の光量に応じた輝度値を示すデジタル信号を生成し、当該生成したデジタル信号を画像処理部24へ出力するように構成されている。具体的には、光検出部23は、例えば、
図6に示すように、光検出器41と、信号増幅器42と、A/D変換器43と、を有して構成されている。
図6は、第1の実施例に係る光走査型観察システムに含まれる光検出部の構成の一例を示す図である。
【0038】
光検出器41は、例えば、アバランシェフォトダイオードまたは光電子増倍管等を具備して構成されている。また、光検出器41は、コネクタ受け部62を経て入射される光を受光し、当該受光した光の光量に応じた電気信号を生成して信号増幅器42へ出力するように構成されている。
【0039】
信号増幅器42は、光検出器41から出力される電気信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器43へ出力するように構成されている。
【0040】
A/D変換器43は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、信号増幅器42から出力される電気信号をサンプリング周波数Fsでサンプリングすることによりデジタル信号を生成し、当該生成したデジタル信号を画像処理部24へ出力するように構成されている。
【0041】
すなわち、サンプリング周波数Fsは、光検出部23における戻り光の検出周波数Fsとして扱うことができる。
【0042】
画像処理部24は、直近の走査経路に応じた画像を生成する画像生成部24aと、画像生成部24aにより生成された画像における欠落画素の情報を補間するための補間処理を行う補間処理部24bと、を有して構成されている。また、画像処理部24は、補間処理部24bによる補間処理が施された画像を調光部25へ出力するように構成されている。また、画像処理部24は、補間処理部24bによる補間処理が施された画像に対してAGC(オートゲインコントロール)等の所定の画像処理を施すことにより表示用画像を生成し、当該生成した表示用画像を表示装置4へ出力するように構成されている。
【0043】
画像生成部24aは、例えば、画像生成回路等を具備して構成されている。また、画像生成部24aは、例えば、走査制御部22から出力される走査制御信号に基づいて直近の走査経路を検出し、当該検出した走査経路上の照明光の照射位置に対応するラスタ形式の画素位置を特定し、当該特定した画素位置に光検出部23から出力されるデジタル信号により示される輝度値をマッピングすることにより画像を生成するように構成されている。
【0044】
補間処理部24bは、例えば、補間処理回路等を具備して構成されている。また、補間処理部24bは、例えば、画像生成部24aにおいて生成された画像に対してバイリニア補間等の補間処理を施すことにより、画像生成部24aのマッピングの対象外となった各画素の画素情報を補間するように構成されている。
【0045】
調光部25は、例えば、調光回路を具備して構成されている。また、調光部25は、例えば、画像処理部24から出力される画像の輝度値の平均値を算出し、当該算出した輝度値の平均値と所定の明るさ目標値との差を0に近づけるための調光信号を生成し、当該生成した調光信号を光源制御部28へ出力するように構成されている。
【0046】
メモリ26には、例えば、A/D変換器43のサンプリング周波数Fsに対して所定の条件(後述)を満たす複数の駆動周波数fを示す情報が格納されている。
【0047】
タイミング制御部27は、例えば、制御回路及びタイミングジェネレータ等を具備して構成されている。また、タイミング制御部27は、サンプリング周波数Fsでサンプリングを行わせるためのタイミング信号を生成してA/D変換器43へ出力するように構成されている。すなわち、タイミング制御部27は、光検出部23における戻り光の検出周波数をFsに設定するための動作を行うように構成されている。
【0048】
また、タイミング制御部27は、サンプリング周波数Fsの逆数である1/Fs毎に光源31a〜31cを個別にオンオフさせるためのタイミング信号を生成して光源制御部28へ出力するように構成されている。すなわち、タイミング制御部27は、光源制御部28の制御における複数の色の光の切替時間を、前記検出周波数Fsの逆数である1/Fsに設定するための動作を行うように構成されている。
【0049】
タイミング制御部27は、コネクタ部61とコネクタ受け部62とが接続された際に、メモリ16に格納されている駆動周波数情報を読み込むように構成されている。また、タイミング制御部27は、メモリ26に格納されている複数の駆動周波数fの中から、メモリ16から読み込んだ駆動周波数情報により示される駆動周波数Fdbに最も近い1つの駆動周波数fdを選択するように構成されている。また、タイミング制御部27は、前述のように選択した駆動周波数fdに応じた動作を行わせるためのタイミング信号を生成して走査制御部22へ出力するように構成されている。
【0050】
光源制御部28は、例えば、CPUまたは制御回路等を具備して構成されている。また、光源制御部28は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、切替時間1/Fs毎に光源31a〜31cを個別にオンオフするための制御を行うことができるように構成されている。また、光源制御部28は、例えば、調光部25から出力される調光信号に基づいて光源31a〜31cに供給する駆動電流の電流値を変動することにより、R光、G光及びB光の光量をそれぞれ変化させることができるように構成されている。すなわち、光源制御部28は、R光、G光及びB光を順次かつ周期的に切り替えつつ光源部21から出射させるための制御を行うことができるように構成されている。
【0051】
続いて、本実施例に係る光走査型観察システムの要部において行われる具体的な動作等について説明する。
【0052】
タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入された際に、サンプリング周波数Fsでサンプリングを行わせるためのタイミング信号を生成してA/D変換器43へ出力する。
【0053】
また、タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入されるとともに、コネクタ部61とコネクタ受け部62とが接続された際に、メモリ16に格納されている駆動周波数情報を読み込むとともに、メモリ26に格納されている複数の駆動周波数faの中から、当該駆動周波数情報により示される駆動周波数Fdbに最も近い1つの駆動周波数fdpを選択する。また、タイミング制御部27は、前述のように選択した駆動周波数fdpに応じた動作を行わせるためのタイミング信号を生成して走査制御部22へ出力する。
【0054】
走査制御部22は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、駆動周波数fdpを具備するとともに照明用ファイバ12の出射端部を渦巻状に揺動させるための走査制御信号を生成し、当該生成した走査制御信号をアクチュエータ部15及び画像処理部24へ出力する。
【0055】
光源制御部28は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、光源31a→31b→31c→31a→…の順にかつ切替時間1/Fs毎に各光源のオンオフを切り替えるための制御を行う。
【0056】
すなわち、タイミング制御部27は、走査制御部22において生成される走査制御信号の駆動周波数を複数の駆動周波数faの中から選択した駆動周波数fdpに設定するための動作を行っている。
【0057】
ここで、光源31a→31b→31c→31a→…の順にかつ周期的に各光源のオンオフを切り替えるための制御が行われる場合には、例えば、A/D変換器43のサンプリング周波数Fsに対し、下記数式(1)の条件を満たす複数の駆動周波数faを示す情報がメモリ26に予め格納されている。なお、下記数式(1)において、nは自然数であり、iは3未満の自然数であるものとする。すなわち、下記数式(1)によれば、サンプリング周波数Fsから駆動周波数fを除して得られる値が、光源制御部28の制御における1周期分の光源の切替回数(3回)に相当する値である3の倍数以外かつ4以上の自然数になる、という条件を満たす限りにおいては、メモリ26に格納される駆動周波数faを自由に設定することができる。
【0058】
Fs=fa×(3n+i)…(1)
そして、前述のような光源制御部28の動作によれば、光源部21から出射される光が、R光→G光→B光→R光…の順にかつ切替時間1/Fs毎に切り替わる。また、前述のような走査制御部22及び光源制御部28の動作によれば、照明用ファイバ12を経たR光、G光及びB光が、被写体の表面における
図7の各白丸に例示するような照射位置に(渦巻状に)順次照射され、さらに、当該被写体からの戻り光が、受光用ファイバ13、コネクタ部61及びコネクタ受け部62を経て光検出部23に入射される。
図7は、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際の照明光の照射位置の一例を示す図である。
【0059】
光検出器41は、コネクタ受け部62を経て入射される光を受光し、当該受光した光の光量に応じた電気信号を生成して信号増幅器42へ出力する。
【0060】
信号増幅器42は、光検出器41から出力される電気信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器43へ出力する。
【0061】
A/D変換器43は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、信号増幅器42から出力される電気信号をサンプリング周波数Fsでサンプリングすることによりデジタル信号を生成する。
【0062】
ところで、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、例えば、サンプリング周波数Fsから駆動周波数faを除して得られる値が、光源制御部28の制御における1周期分の光源の切替回数に相当する値である3の倍数に該当する自然数になる、という条件を満たすように、走査制御部22により生成される走査制御信号の駆動周波数と、光源部21から出射されるR光、G光及びB光の切替時間と、がそれぞれ設定された場合には、同色の光の照射位置が、
図7のX軸及びY軸により示される直交座標系の原点を通過する直線上、すなわち、当該渦巻状の走査経路の中心点から径方向へ向かう直線上に偏在してしまうため、補間処理部24bによる補間処理に支障をきたす可能性がある。
【0063】
これに対し、本実施例によれば、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、光源部21の各光源のオンオフを切り替える際の切替時間を1/Fsに設定し、走査制御部22により生成される走査制御信号の駆動周波数をfdpに設定することにより、当該渦巻状の走査経路に沿って照射される同色の光の照射位置を当該渦巻状の走査経路の中心点を通過する直線上において隣接させないようにすることができ、すなわち、当該渦巻状の走査経路における同色の光の照射位置を極力遍在させることができるため、補間処理部24bによる補間処理を好適に実施することができる。
【0064】
従って、本実施例によれば、渦巻状の走査経路に沿って複数の色の光を順次照射して得られる画像における欠落画素の情報を好適に補間することができる。
【0065】
なお、本実施例によれば、固定値であるサンプリング周波数Fsに対し、上記数式(1)を満たす複数の駆動周波数faの中から駆動周波数fdpを選択するものに限らず、例えば、固定値である駆動周波数fdpに対し、上記数式(1)を満たす複数のサンプリング周波数Fsの中から1つのサンプリング周波数を選択し、さらに、当該選択した1つのサンプリング周波数に応じた切替時間毎に各光源のオンオフを切り替えるようにしてもよい。
【0066】
一方、本実施例を適宜変形することにより、例えば、R光、G光及びB光をそれぞれ同じ頻度で光源部21から出射させるための制御の代わりに、R光及びB光に比べて高い頻度でG光を光源部21から出射させるための制御が行われるようにしてもよい。このような変形例に係る制御に応じて行われる各部の具体的な動作等について、以下に説明する。
【0067】
タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入された際に、サンプリング周波数Fsでサンプリングを行わせるためのタイミング信号を生成してA/D変換器43へ出力する。
【0068】
また、タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入されるとともに、コネクタ部61とコネクタ受け部62とが接続された際に、メモリ16に格納されている駆動周波数情報を読み込むとともに、メモリ26に格納されている複数の駆動周波数faの中から、当該駆動周波数情報により示される駆動周波数Fdbに最も近い1つの駆動周波数fdqを選択する。また、タイミング制御部27は、前述のように選択した駆動周波数fdqに応じた動作を行わせるためのタイミング信号を生成して走査制御部22へ出力する。
【0069】
走査制御部22は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、駆動周波数fdqを具備するとともに照明用ファイバ12の出射端部を渦巻状に揺動させるための走査制御信号を生成し、当該生成した走査制御信号をアクチュエータ部15及び画像処理部24へ出力する。
【0070】
光源制御部28は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、光源31a→31b→31c→31b→31a→…の順にかつ切替時間1/Fs毎に各光源のオンオフを切り替えるための制御を行う。
【0071】
すなわち、タイミング制御部27は、走査制御部22において生成される走査制御信号の駆動周波数を複数の駆動周波数faの中から選択した駆動周波数fdqに設定するための動作を行っている。
【0072】
ここで、光源31a→31b→31c→31b→31a→…の順にかつ周期的に各光源のオンオフを切り替えるための制御が行われる場合には、例えば、A/D変換器43のサンプリング周波数Fsに対し、下記数式(2)の条件を満たす複数の駆動周波数fgを示す情報がメモリ26に予め格納されている。なお、下記数式(2)において、nは自然数であり、jは4未満の自然数であるものとする。すなわち、下記数式(2)によれば、サンプリング周波数Fsから駆動周波数fgを除して得られる値が、光源制御部28の制御における1周期分の光源の切替回数(4回)に相当する値である4の倍数以外かつ5以上の自然数になる、という条件を満たす限りにおいては、メモリ26に格納される駆動周波数fを自由に設定することができる。
【0073】
Fs=fg×(4n+j)…(2)
そして、前述のような光源制御部28の動作によれば、光源部21から出射される光が、R光→G光→B光→G光→R光…の順にかつ切替時間1/Fs毎に切り替わる。すなわち、前述のような光源制御部28の動作によれば、R光及びB光の頻度に比べて2倍の頻度でG光が光源部21から出射される。また、前述のような走査制御部22及び光源制御部28の動作によれば、照明用ファイバ12を経たR光、G光及びB光が、被写体の表面における
図7に例示するような照射位置に(渦巻状に)順次照射され、さらに、当該被写体からの戻り光が、受光用ファイバ13、コネクタ部61及びコネクタ受け部62を経て光検出部23に入射される。
【0074】
光検出器41は、コネクタ受け部62を経て入射される光を受光し、当該受光した光の光量に応じた電気信号を生成して信号増幅器42へ出力する。
【0075】
信号増幅器42は、光検出器41から出力される電気信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器43へ出力する。
【0076】
A/D変換器43は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、信号増幅器42から出力される電気信号をサンプリング周波数Fsでサンプリングすることによりデジタル信号を生成する。
【0077】
以上に述べたように、本変形例によれば、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、光源部21の各光源のオンオフを切り替える際の切替時間を1/Fsに設定し、走査制御部22により生成される走査制御信号の駆動周波数をfdqに設定し、さらに、R光及びB光の頻度に比べて2倍の頻度でG光を出射させるための制御を行うことにより、当該渦巻状の走査経路に沿って照射される同色の光の照射位置を当該渦巻状の走査経路の中心点を通過する直線上において隣接させないようにすることができ、すなわち、当該渦巻状の走査経路における同色の光の照射位置を極力遍在させることができるため、補間処理部24bによる補間処理を好適に実施することができる。
【0078】
従って、本変形例においても、渦巻状の走査経路に沿って複数の色の光を順次照射して得られる画像における欠落画素の情報を好適に補間することができる、という作用効果を得ることができる。また、本実施例の変形例によれば、R光、G光及びB光がそれぞれ同じ頻度で出射される場合に比べ、補間処理部24bによる補間処理を経て生成される画像の解像度を向上させることができる。
【0079】
なお、本変形例によれば、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、R光及びB光の頻度に比べて2倍の頻度でG光を出射させるための制御として、前述の制御の代わりに、例えば、R光及びG光を交互に(R光→G光→R光→G光→…の順に)光源部21から出射させる周回と、G光及びB光を交互に(G光→B光→G光→B光→…の順に)光源部21から出射させる周回と、を交互に切り替えるような制御が行われるようにしてもよい。(渦巻状の走査経路における1周回は、走査制御部22により生成される走査制御信号の1周期分の回転量に等しい。)
(第2の実施例)
図8は、本発明の第2の実施例に係るものである。
【0080】
なお、本実施例においては、第1の実施例と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施例と異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
【0081】
本実施例の光走査型観察システム1は、光源部21の代わりに、
図8に示すような光源部21Aを本体装置3に設けて構成されている。
図8は、第2の実施例に係る光走査型観察システムに含まれる光源部の構成の一例を示す図である。
【0082】
具体的には、光源部21Aは、例えば、
図8に示すように、光源31aと、光源31bと、光源31cと、光源31dと、光源31eと、合波器32と、合波器33と、を有して構成されている。
【0083】
光源31dは、例えば、レーザ光源等を具備し、光源制御部28の制御に応じてオンまたはオフに切り替わるとともに、光源制御部28の制御に応じて出射光量を変化させることができるように構成されている。また、光源31dは、光源制御部28の制御に応じてオンされた際に、青色域に属する所定の波長(例えば415nm)を中心波長とする狭帯域光(以降、NB光とも称する)を発生するように構成されている。
【0084】
光源31eは、例えば、レーザ光源等を具備し、光源制御部28の制御に応じてオンまたはオフに切り替わるとともに、光源制御部28の制御に応じて出射光量を変化させることができるように構成されている。また、光源31eは、光源制御部28の制御に応じてオンされた際に、緑色域に属する所定の波長(例えば540nm)を中心波長とする狭帯域光(以降、NG光とも称する)を発生するように構成されている。
【0085】
合波器33は、光源31dから発せられたNB光と、光源31eから発せられたNG光と、を合波した光を、コネクタ受け部62に設けられた照明用ファイバ12の光入射面へ出射することができるように構成されている。
【0086】
すなわち、光源部21Aは、被写体を照明するための照明光として、R光、G光、B光、NB光及びNG光を出射することができるように構成されている。
【0087】
本実施例のメモリ26には、白色光画像を表示用画像として表示装置4に表示させるモードである、白色光観察モード用の駆動周波数として、例えば、上記数式(1)の条件を満たす複数の駆動周波数faが格納されている。また、本実施例のメモリ26には、狭帯域光画像を表示用画像として表示装置4に表示させるモードである、狭帯域光観察モード用の駆動周波数として、後述の条件を満たす複数の駆動周波数fbが格納されている。
【0088】
ここで、本実施例に係る光走査型観察システムの要部において行われる具体的な動作等について説明する。なお、本実施例によれば、白色光観察モード時の各部の動作として、第1の実施例と略同様の動作を援用することができる。そのため、以降においては、白色光観察モード時の具体的な動作等に関する説明を適宜省略するとともに、狭帯域光観察モード時の具体的な動作等に関する説明を主に行うものとする。
【0089】
タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入された際に、サンプリング周波数Fsでサンプリングを行わせるためのタイミング信号を生成してA/D変換器43へ出力する。
【0090】
タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入されるとともに、コネクタ部61とコネクタ受け部62とが接続された際に、メモリ16に格納されている駆動周波数情報を読み込む。
【0091】
そして、タイミング制御部27は、例えば、タッチパネル等のユーザーインターフェース(不図示)においてなされた操作に基づき、白色光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、白色光観察モード用の駆動周波数としてメモリ26に格納されている複数の駆動周波数faの中から、メモリ16から読み込んだ駆動周波数情報により示される駆動周波数Fdbに最も近い1つの駆動周波数fdpを選択する。また、タイミング制御部27は、白色光観察モードにおいて、前述のように選択した駆動周波数fdpに応じた動作を行わせるためのタイミング信号を生成して走査制御部22へ出力する。
【0092】
走査制御部22は、白色光観察モードにおいて、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、駆動周波数fdpを具備するとともに照明用ファイバ12の出射端部を渦巻状に揺動させるための走査制御信号を生成し、当該生成した走査制御信号をアクチュエータ部15及び画像処理部24へ出力する。
【0093】
光源制御部28は、白色光観察モードにおいて、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、光源31a→31b→31c→31a→…の順にかつ切替時間1/Fs毎に光源31a〜31cのオンオフを切り替えるための制御を行う。そして、このような光源制御部28の動作によれば、白色光観察モード時に光源部21から出射される光が、R光→G光→B光→R光…の順にかつ切替時間1/Fs毎に切り替わる。
【0094】
一方、タイミング制御部27は、例えば、タッチパネル等のユーザーインターフェースにおいてなされた操作に基づき、狭帯域光観察モードに設定するための指示が行われたことを検知した際に、狭帯域光観察モード用の駆動周波数としてメモリ26に格納されている複数の駆動周波数fbの中から、メモリ16から読み込んだ駆動周波数情報により示される駆動周波数Fdbに最も近い1つの駆動周波数fdrを選択する。また、タイミング制御部27は、狭帯域光観察モードにおいて、前述のように選択した駆動周波数fdrに応じた動作を行わせるためのタイミング信号を生成して走査制御部22へ出力する。
【0095】
走査制御部22は、狭帯域光観察モードにおいて、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、駆動周波数fdrを具備するとともに照明用ファイバ12の出射端部を渦巻状に揺動させるための走査制御信号を生成し、当該生成した走査制御信号をアクチュエータ部15及び画像処理部24へ出力する。
【0096】
光源制御部28は、狭帯域光観察モードにおいて、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、光源31d→31e→31d→…の順にかつ切替時間1/Fs毎に光源31d及び31eのオンオフを切り替えるための制御を行う。
【0097】
すなわち、タイミング制御部27は、走査制御部22において生成される走査制御信号の駆動周波数を複数の駆動周波数fbの中から選択した駆動周波数fdrに設定するための動作を行っている。
【0098】
ここで、狭帯域光観察モードにおいて、光源31d→31e→31d→…の順にかつ周期的に光源31d及び31eのオンオフを切り替えるための制御が行われる場合には、例えば、A/D変換器43のサンプリング周波数Fsに対し、下記数式(3)の条件を満たす複数の駆動周波数fbを示す情報がメモリ26に予め格納されている。なお、下記数式(3)において、nは自然数であるものとする。すなわち、下記数式(3)によれば、サンプリング周波数Fsから駆動周波数fbを除して得られる値が、光源制御部28の制御における1周期分の光源の切替回数(2回)に相当する値である2の倍数以外かつ3以上の自然数になる、という条件を満たす限りにおいては、メモリ26に格納される駆動周波数fbを自由に設定することができる。
【0099】
Fs=fb×(2n+1)…(3)
そして、前述のような光源制御部28の動作によれば、狭帯域光観察モード時に光源部21から出射される光が、NB光→NG光→NB光→…の順にかつ切替時間1/Fs毎に切り替わる。また、前述のような光源制御部28の動作によれば、R光、G光及びB光を順次かつ周期的に切り替えつつ光源部21から出射させるための制御と、NB光及びNG光を順次かつ周期的に切り替えつつ光源部21から出射させるための制御と、が個別に行われる。また、前述のような走査制御部22及び光源制御部28の動作によれば、照明用ファイバ12を経たNB光及びNG光が、被写体の表面における
図7に例示するような照射位置に(渦巻状に)順次照射され、さらに、当該被写体からの戻り光が、受光用ファイバ13、コネクタ部61及びコネクタ受け部62を経て光検出部23に入射される。
【0100】
光検出器41は、コネクタ受け部62を経て入射される光を受光し、当該受光した光の光量に応じた電気信号を生成して信号増幅器42へ出力する。
【0101】
信号増幅器42は、光検出器41から出力される電気信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器43へ出力する。
【0102】
A/D変換器43は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、信号増幅器42から出力される電気信号をサンプリング周波数Fsでサンプリングすることによりデジタル信号を生成する。
【0103】
ところで、狭帯域光観察モードにおいて、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、例えば、サンプリング周波数Fsから駆動周波数fbを除して得られる値が、光源制御部28の制御における1周期分の光源の切替回数に相当する値である2の倍数に該当する自然数になる、という条件を満たすように、走査制御部22により生成される走査制御信号の駆動周波数と、光源部21から出射されるNB光及びNG光の切替時間と、がそれぞれ設定された場合には、同色の光の照射位置が、
図7のX軸及びY軸により示される直交座標系の原点を通過する直線上、すなわち、当該渦巻状の走査経路の中心点から径方向へ向かう直線上に偏在してしまうため、補間処理部24bによる補間処理に支障をきたす可能性がある。
【0104】
これに対し、本実施例によれば、狭帯域光観察モードにおいて、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、光源部21の各光源のオンオフを切り替える際の切替時間Tを1/Fsに設定し、走査制御部22により生成される走査制御信号の駆動周波数をfdrに設定することにより、当該渦巻状の走査経路に沿って照射される同色の光の照射位置を当該渦巻状の走査経路の中心点を通過する直線上において隣接させないようにすることができ、すなわち、当該渦巻状の走査経路における同色の光の照射位置を極力遍在させることができるため、補間処理部24bによる補間処理を好適に実施することができる。
【0105】
従って、本実施例によれば、渦巻状の走査経路に沿って複数の色の光を順次照射して得られる画像における欠落画素の情報を好適に補間することができる。
【0106】
なお、本実施例を適宜変形することにより、例えば、
図4及び
図5に示した2つの渦巻状の走査経路のうちの一方の走査経路において、前述の白色光観察モード時の動作を行うとともに、当該2つの渦巻状の走査経路のうちの他方の走査経路において、前述の狭帯域光観察モード時の動作を行うようにしてもよい。そして、このような変形例に係る動作を行う場合においては、例えば、照明用ファイバ12の揺動状態を安定させるために、メモリ26に格納された複数の駆動周波数の中から、上記数式(1)及び(3)の条件を同時に満たす駆動周波数を抽出し、さらに、当該抽出した各駆動周波数の中から、駆動周波数Fdbに最も近いものを選択すればよい。
【0107】
また、本実施例と第1の実施例の変形例とを組み合わせる場合においては、例えば、NB光の戻り光の光量を確保するために、NG光の頻度に比べてNB光を高い頻度で出射させるための制御を行うようにすればよい。
【0108】
(第3の実施例)
図9は、本発明の第3の実施例に係るものである。
【0109】
なお、本実施例においては、第1及び第2の実施例のうちの少なくともいずれか一方と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1及び第2の実施例のいずれともと異なる構成等を有する部分に関して主に説明を行う。
【0110】
本実施例の光走査型観察システム1は、第1の実施例において述べたものと同様の構成を有している。
【0111】
ここで、本実施例に係る光走査型観察システムの要部において行われる具体的な動作等について説明する。
【0112】
タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入された際に、サンプリング周波数Fsでサンプリングを行わせるためのタイミング信号を生成してA/D変換器43へ出力する。
【0113】
また、タイミング制御部27は、本体装置3の電源が投入されるとともに、コネクタ部61とコネクタ受け部62とが接続された際に、メモリ16に格納されている駆動周波数情報を読み込むとともに、メモリ26に格納されている複数の駆動周波数fcの中から、当該駆動周波数情報により示される駆動周波数Fdbに最も近い1つの駆動周波数fduを選択する。また、タイミング制御部27は、前述のように選択した駆動周波数fduに応じた動作を行わせるためのタイミング信号を生成して走査制御部22へ出力する。
【0114】
走査制御部22は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、駆動周波数fduを具備するとともに照明用ファイバ12の出射端部を渦巻状に揺動させるための走査制御信号を生成し、当該生成した走査制御信号をアクチュエータ部15及び画像処理部24へ出力する。
【0115】
光源制御部28は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、光源31a→31b→31c→31a→…の順にかつ切替時間1/Fs毎に各光源のオンオフを切り替えるための制御を行う。
【0116】
すなわち、タイミング制御部27は、走査制御部22において生成される走査制御信号の駆動周波数を複数の駆動周波数fcの中から選択した駆動周波数fduに設定するための動作を行っている。
【0117】
ここで、光源31a→31b→31c→31a→…の順にかつ周期的に各光源のオンオフを切り替えるための制御が行われる場合には、例えば、A/D変換器43のサンプリング周波数Fsに対し、下記数式(4)の条件を満たす複数の駆動周波数fcを示す情報がメモリ26に予め格納されている。なお、下記数式(4)において、nは自然数であり、iは3未満の自然数であり、kは−1より大きくかつ1より小さい非整数であるものとする。すなわち、下記数式(4)によれば、サンプリング周波数Fsから駆動周波数fcを除して得られる値が、光源制御部28の制御における1周期分の光源の切替回数(3回)に相当する値である3の倍数以外かつ3以上の非整数になる、という条件を満たす限りにおいては、メモリ26に格納される駆動周波数fcを自由に設定することができる。
【0118】
Fs=fc×(3n+i+k)…(4)
そして、前述のような光源制御部28の動作によれば、光源部21から出射される光が、R光→G光→B光→R光…の順にかつ切替時間1/Fs毎に切り替わる。また、前述のような走査制御部22及び光源制御部28の動作によれば、照明用ファイバ12を経たR光、G光及びB光が、被写体の表面における
図9の各白丸に例示するような照射位置に(渦巻状に)順次照射され、さらに、当該被写体からの戻り光が、受光用ファイバ13、コネクタ部61及びコネクタ受け部62を経て光検出部23に入射される。
図9は、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際の照明光の照射位置の、
図7とは異なる例を示す図である。
【0119】
光検出器41は、コネクタ受け部62を経て入射される光を受光し、当該受光した光の光量に応じた電気信号を生成して信号増幅器42へ出力する。
【0120】
信号増幅器42は、光検出器41から出力される電気信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器43へ出力する。
【0121】
A/D変換器43は、タイミング制御部27から出力されるタイミング信号に基づき、信号増幅器42から出力される電気信号をサンプリング周波数Fsでサンプリングすることによりデジタル信号を生成する。
【0122】
以上に述べたように、本実施例によれば、渦巻状の走査経路に沿って被写体を走査する際に、光源部21の各光源のオンオフを切り替える際の切替時間を1/Fsに設定し、走査制御部22により生成される走査制御信号の駆動周波数をfduに設定することにより、当該渦巻状の走査経路に沿って照射される同色の光の照射位置を当該渦巻状の走査経路の中心点を通過する直線上において隣接させないようにすることができ、すなわち、当該渦巻状の走査経路における同色の光の照射位置を極力遍在させることができるため、補間処理部24bによる補間処理を好適に実施することができる。
【0123】
従って、本実施例によれば、渦巻状の走査経路に沿って複数の色の光を順次照射して得られる画像における欠落画素の情報を好適に補間することができる。なお、このような本実施例の作用効果は、例えば、サンプリング周波数Fsが駆動周波数fduに対して比較的低い場合に顕著に発揮される。
【0124】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。