特許第6429531号(P6429531)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429531
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】画像共有システム及び画像共有方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   G06F13/00 520D
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-166694(P2014-166694)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2016-45503(P2016-45503A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 理
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−008638(JP,A)
【文献】 特開2010−026797(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/135871(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮影装置と、前記撮影装置により撮影された撮影画像の装置間での共有を管理するサーバ装置とを備えた画像共有システムであって、
前記サーバ装置は、
共有の登録者の撮影装置からイベント情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記イベント情報に基づいて、共有相手の撮影装置を特定する共有相手特定手段と、
前記登録者の前記撮影装置と、前記共有相手の前記撮影装置とを共有者とし、前記共有者の撮影装置を示す共有情報を作成する作成手段と、
前記共有情報を前記共有者の撮影装置に送信する送信手段と
を有し、
前記撮影装置は、
前記共有情報を受信する受信手段と、
自装置において撮影された撮影画像のうち、前記イベント情報に関連付けられている画像集合を、前記共有情報に示される、自装置以外の撮影装置からアクセス可能に設定する設定手段とを有することを特徴とする画像共有システム。
【請求項2】
前記共有相手特定手段は、前記受信手段が受信した前記イベント情報と、前記登録者の撮影装置以外の他の撮影装置に対応付けて記憶されているイベント情報とに基づいて、共有相手の撮影装置を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像共有システム。
【請求項3】
前記イベント情報は、イベントの開催される場所及び日時を示す情報を含み、
前記サーバ装置の前記共有相手特定手段は、前記受信手段が受信した前記イベント情報に含まれる前記場所及び前記日時との差異が予め設定された閾値以内の前記場所及び前記日時を含む前記イベント情報に対応付けられている前記撮影装置を前記共有相手として特定することを特徴とする請求項2に記載の画像共有システム。
【請求項4】
前記サーバ装置の前記受信手段は、前記登録者の前記撮影装置から、前記他の撮影装置のユーザの画像特徴量をさらに受信し、
前記サーバ装置の前記共有相手特定手段は、さらに前記画像特徴量に基づいて、前記共有相手の前記撮影装置を特定することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像共有システム。
【請求項5】
前記サーバ装置の前記受信手段は、前記共有者の前記撮影装置から、前記共有者以外の前記撮影装置のユーザの画像特徴量をさらに受信し、
前記サーバ装置の前記作成手段は、前記共有者以外の前記撮影装置をさらに共有者とし、前記共有情報を作成することを特徴とする請求項4に記載の画像共有システム。
【請求項6】
前記サーバ装置の前記共有相手特定手段は、前記撮影装置の装置識別情報と、前記イベント情報と、前記撮影装置のユーザの画像特徴量と、を対応付けて記憶する管理テーブルを参照して、前記共有相手の前記撮影装置を特定することを特徴とする請求項4又は5に記載の画像共有システム。
【請求項7】
前記サーバ装置の前記受信手段は、前記撮影装置から前記装置識別情報と、イベント情報と、を対応付けて受信し、
前記サーバ装置は、
前記受信手段が受信した前記装置識別情報と、前記イベント情報と、を対応付けて、前記管理テーブルに登録する登録手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の画像共有システム。
【請求項8】
前記サーバ装置の前記受信手段は、前記撮影装置から前記装置識別情報と、ユーザの前記画像特徴量と、を対応付けて受信し、
前記サーバ装置は、
前記受信手段が受信した前記装置識別情報と、前記画像特徴量と、を対応付けて、前記管理テーブルに登録する登録手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の画像共有システム。
【請求項9】
前記撮影装置は、
撮影手段を制御し、撮影画像を得る撮影制御手段と、
ユーザからの指示に従い、イベント情報を設定する設定手段と、
前記イベント情報が設定されているときに前記撮影手段により得られた前記撮影画像を
前記イベント情報に対応付けて保存する撮影画像管理手段と
をさらに有することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像共有システム。
【請求項10】
前記撮影装置の前記撮影制御手段は、前記撮影手段を制御し、イベントの開催中に前記共有相手の撮影画像を取得し、
前記撮影装置は、
前記共有相手の前記撮影画像から画像特徴量を抽出する抽出手段と、
前記サーバ装置に前記共有相手の前記画像特徴量を送信する送信手段と
をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の画像共有システム。
【請求項11】
前記サーバ装置の前記送信手段は、前記共有相手の撮影装置に画像共有の確認要求を送信し、前記サーバ装置の前記受信手段が前記確認要求に対応して、画像共有の承認情報を前記共有相手の前記撮影装置から受信した場合に、前記共有情報を送信することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像共有システム。
【請求項12】
複数の撮影装置と、前記撮影装置により撮影された撮影画像の装置間での共有を管理するサーバ装置とを備えた画像共有システムが実行する画像共有方法であって、
前記サーバ装置が、共有の登録者の撮影装置からイベント情報を受信する受信ステップと、
前記サーバ装置が、前記受信ステップにおいて受信した前記イベント情報に基づいて、
共有相手の撮影装置を特定する共有相手特定ステップと、
前記登録者の前記撮影装置と、前記共有相手の前記撮影装置とを共有者とし、前記共有者の撮影装置を示す共有情報を作成する作成ステップと、
前記サーバ装置が、前記共有情報を前記共有者の撮影装置に送信する送信ステップと、
前記撮影装置が、前記共有情報を受信する受信ステップと、
前記撮影装置が、自装置において撮影された撮影画像のうち、前記イベント情報に関連
付けられている画像集合を、前記共有情報に示される、自装置以外の撮影装置からアクセ
ス可能に設定する設定ステップと
を含むことを特徴とする画像共有方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像共有システム及び画像共有方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影者がデジタルカメラやビデオカメラ等といった撮影装置を利用し撮影した画像データを、有線や無線等の通信回線を介して複数の撮影装置間で交換し、撮影者間で画像データを共有する技術が実現されている。このように画像データの交換を行うための従来技術として、特許文献1には、コンテンツ識別情報とグループ識別情報が含まれたコンテンツを不特定多数の人で共有する技術が開示されている。
特許文献1の技術では、グループに共通したグループ識別情報をサーバに登録しておき、グループに複数の撮影装置を含めることで、グループ識別情報に基づいて画像データを共有することが可能となる。
また、特許文献2には、複数の撮影装置でグループ識別情報を共有し、グループ識別情報を共有している他の撮影装置に、コンテンツを送信することで共有を可能とする技術が開示されている。また、特許文献3には、撮影画像の特徴量と、受信した特徴量が一致した場合に送信元の撮影装置に、撮影画像を送信することで共有を可能とする技術が開示されている。
【0003】
また、ソーシャルネットワークサービス(SNS)等において、利用者同士のソーシャルリンクの繋がりを元に繋がりのある利用者同士での画像の共有が、近年盛んに行われている。一般に、ソーシャルリンクで繋がろうとする利用者が自身の繋がりたいユーザに接続依頼を行い、接続依頼を受信した利用者が接続を承認することで利用者間のソーシャルリンクが作成される。
ソーシャルリンクで繋がっている利用者同士であれば画像データ等のコンテンツが相互参照可能となるサービスが広く利用されている。また、画像を共有したいシステムの利用者が所有する画像集合に他の利用者又は利用者集合のアクセス権を付加することで画像の共有が可能となるサービスが実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−59331号公報
【特許文献2】特開2006−254098号公報
【特許文献3】特開2009−94574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像データを交換する目的として旅行やパーティ等のイベントですべての撮影者が撮影した画像データをイベントに参加したすべての参加者で共有したい場合がある。イベントに参加した参加者が前述したSNS等で行われているようにソーシャルリンクで繋がっていることを前提とすると、ソーシャルリンクを利用することで画像のアクセス権を設定することが可能となる。すなわち、ソーシャルリンクの繋がっている利用者同士には繋がっている利用者の所有する画像に対するアクセス権を付与するといった処理を施すことが可能である。このように、参加者全員がソーシャルリンクで繋がっている場合には、参加者全員の所有する画像データを共有することが可能となる。
しかし、パーティや旅行等のイベントは常に同じ参加者が参加しているとは限らず、あるイベントに参加していた参加者は他のイベントには参加していないという場合もある。このような場合に、ソーシャルリンクが繋がっているということだけでアクセス許可を行うと、利用者に対し、参加してないイベントの画像へのアクセス許可まで与えることとなってしまう。そのため、イベントの参加者全員で画像を共有することは可能となるが、イベントの参加者だけで画像を共有したいという要求には答えることができない。
また、撮影装置や外部の情報端末を利用して利用登録やソーシャルリンクの承認依頼作業や承認作業を行う必要があり、承認通知を受け取るといった写真撮影やビデオ撮影、画像交換には関係の無い煩雑な作業を撮影者に強いることとなる。その結果、使い勝手を著しく低下させてしまうといった問題もある。
【0006】
特許文献1の技術においては、交換は可能であるが、グループ識別情報をサーバに登録する必要があり、登録したグループ識別情報をすべての撮影装置に保存する必要がある。このため、イベント開始前に、準備としてグループ識別情報をサーバに登録することや、撮影装置にグループ識別情報を入力する手間を利用者に強いることとなる。デジタルカメラやデジタルビデオ等のデバイスは一般的に入力装置が小さく充実していないため、入力操作を行うことだけで使い勝手を著しく低下させることとなる。
【0007】
また、特許文献3の技術においては、交換対象となる画像データと特徴量が一致する撮影画像のみが送られてくるので、旅行やパーティ等ですべての画像を共有したいといったユースケースには対応することができない。
さらに、前述の通り一般的なSNSで行われているように、ソーシャルリンがつながっているということだけでアクセス許可を行ってしまうと、ある利用者が参加してないイベントの画像にまでアクセス許可を与えてしまうといった問題が解決できない。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、共有対象となる画像集合毎に異なる共有対象者間での画像の共有を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、複数の撮影装置と、前記撮影装置により撮影された撮影画像の装置間での共有を管理するサーバ装置とを備えた画像共有システムであって、前記サーバ装置は、共有の登録者の撮影装置からイベント情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記イベント情報に基づいて、共有相手の撮影装置を特定する共有相手特定手段と、前記登録者の前記撮影装置と、前記共有相手の前記撮影装置とを共有者とし、前記共有者の撮影装置を示す共有情報を作成する作成手段と、前記共有情報を前記共有者の撮影装置に送信する送信手段とを有し、前記撮影装置は、前記共有情報を受信する受信手段と、自装置において撮影された撮影画像のうち、前記イベント情報に関連付けられている画像集合を、前記共有情報に示される、自装置以外の撮影装置からアクセス可能に設定する設定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、共有対象となる画像集合毎に異なる共有対象者間での画像の共有を可能とことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る画像共有システムを示す図である。
図2】撮影装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】サーバ装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】撮影装置の機能構成を示す図である。
図5】サーバ装置の機能構成を示す図である。
図6】撮影装置による、ユーザ設定処理を示すフローチャートである。
図7】撮影装置による、共有相手設定処理を示すフローチャートである。
図8】サーバ装置による、共有者設定処理を示すフローチャートである。
図9】撮撮影装置による、画像共有処理を示すフローチャートである。
図10】撮影装置による、画像共有処理を示すフローチャートである。
図11】画像共有の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る、共有設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像共有システムを示す図である。画像共有システムは、複数の撮影装置101と、サーバ装置102と、データベース103と、アクセスポイント104とを有している。
サーバ装置102、データベース103及びアクセスポイント104は、それぞれ有線や無線で構成されているネットワーク105に接続されており、ネットワーク105を介して互いにデータ通信が可能な構成となっている。また、撮影装置101は、アクセスポイント104との間で無線通信を行うことができる。これにより、撮影装置101は、アクセスポイント104を介して、ネットワーク105に接続されている各機器との間で無線通信を行うことができる。
なお、画像共有システムの構成は、実施形態に限定されるものではない。例えば、ネットワーク105は、公衆携帯網、固定電話網、有線LAN等であってもよい。また、例えば、サーバ装置102とデータベース103とは、一体に設けられていてもよい。
【0014】
撮影装置101は、例えばカメラのように画像を撮影することができる装置である。撮影装置101は、画像共有システムにおいて、自装置を一意に識別可能な識別情報、すなわち装置識別情報(装置ID)を保持している。
ネットワーク105が、ネットワーク105に接続されたすべての機器がお互いに通信可能となるようなネットワークである場合には、装置IDは、ネットワークアドレスであってもよい。また、装置IDは、ネットワーク上で撮影装置を特定可能なものあるので、装置IDは、ネットワークアドレスに変換可能である。よって以下では装置IDはネットワークアドレスと等価として扱う。
また撮影装置とサーバがファイアウォール等に隔てられてネットワーク的に非対称のネットワーク環境であったとしても、ポーリング等の技術を利用することで仮想的に到達可能なネットワークを構築することは可能である。撮影装置毎に装置の識別番号等の識別子を付与することでネットワークアドレスが直接利用できない場合でも、撮影装置の識別が可能となる。したがって、前述したファイアウォール等が無い装置同士がお互いに到達可能なネットワークに所属する場合と等価として扱うことが可能である。
【0015】
サーバ装置102は、撮影装置101と通信してデータを送受信する。サーバ装置102はまた、データベース103に対するデータの読み書きを行う。データベース103は、撮影装置101から送信された撮影画像の特徴量や、利用者の情報、撮影装置101の情報、撮影装置101間での撮影画像の共有の可否等を記憶することにより、装置間での画像の共有を管理する。
【0016】
図2は、撮影装置101のハードウェア構成を示す図である。撮影装置101は、制御部201、入力部202、出力部203、記憶部204、撮影部205、通信制御部206、GPS207及びLCD208を備えている。制御部201は、CPU、ROM、RAM、タイマ、及び周辺機器等を含み、撮影装置101全体を制御する。なお、後述する撮影装置101の機能や処理は、CPUがROM等に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力部202は、タッチパネルやボタン、ダイアル等であり、撮影装置101への指示や各種入力を制御する。入力部202は、タッチパネル等のインターフェースを含む。出力部203は、撮影装置101で撮影された写真画像や撮影装置の状態、また処理結果等の出力を制御する。出力部203は、LCDへ出力するためのインターフェースを含む。記憶部204は、フラッシュメモリーへのアクセスを制御するインターフェースとフラッシュメモリーとを有している。撮影部205は、レンズを通した光を撮像素子が受けて電気信号に変換し、さらに電気信号を画像データに変換する。
【0017】
通信制御部206は、ネットワークとの間で通信するためのインターフェースであり、ネットワーク105を通してサーバ等他の装置との通信を制御する。GPS207は、衛星測位システムを用いて地球上での撮影装置の現在位置を測定し撮影した画像データに現在位置を記録する。LCD208は、出力部203から出力された情報を表示して利用者に提示する。システムバス209は、上述の各部を接続する。
なお、本実施形態に係る撮影装置101は、GPS207を用いて撮影位置の情報を記録するが、撮影位置の検出はGPS207を用いる方法に限定されるものではない。他の例としては、撮影装置101は、WiFiのアクセスポイントを利用して、撮影位置を検出してもよい。
【0018】
図3は、サーバ装置102のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置102は、制御部301、入力部302、出力部303、通信制御部304及び記憶部305を備えている。制御部301は、CPU、ROM、RAM、及び周辺機器等を含み、サーバ装置102全体を制御する。なお、後述するサーバ装置102の機能や処理は、CPUがROM等に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力部302は、キーボードやマウス等であり、サーバ装置102への指示や各種入力を制御する。入力部302は、キーボード等を接続するためのインターフェースを含む。出力部303は、ディスプレイ等であり、サーバ装置102の状態や処理結果等の出力を制御する。出力部303は、ディスプレイ等を接続するためのインターフェースを含む。通信制御部304は、ネットワーク105との間で通信するためのインターフェースであり、ネットワーク105を介して他の装置との通信を制御する。記憶部305は、大容量記憶装置である。記憶部305は、大容量記憶装置へのアクセスを制御するインターフェースを含む。システムバス306は、上述の各部を接続する。
【0019】
図4は、撮影装置101の機能構成を示す図である。撮影装置101は、撮影制御部401、受付部402、特徴量抽出部403、送信部404、受信部405及びイベント管理部406を有している。撮影制御部401は、撮影部205を制御する。
受付部402は、撮影装置101を操作するユーザが入力部202を操作することで入力した各種の情報を受け付ける。なお、入力部202としてのインターフェースは、ボタンやダイアル等により構成されても良いし、タッチパネル画面に表示されるボタン画像により構成されても良い。
受付部402は、例えば撮影情報やイベント情報の入力を受け付ける。ユーザは例えば、インターフェースを操作して、撮影装置101のユーザを撮影するユーザ撮影モード、画像共有における共有相手を撮影する共有相手撮影モード等のモードを選択することができる。そして、モードが選択されると、受付部402は、撮影情報としてモード情報を受け付ける。
【0020】
受付部402はまた、イベント情報の入力を受け付ける。ここでイベント情報とは、共有対象となる画像集合の単位となるイベントに関する情報である。すなわち、本実施形態にかかる画像共有システムは、イベント開催時に撮影された画像群を、イベント単位で管理する。イベント情報は、イベントが開催される場所及び日時を示す情報を含んでいる。ユーザは例えば、インターフェースを操作して、イベントを識別するイベント名、イベントの作成時間等の情報を入力することができる。そして、これらの情報が入力されると、受付部402は、入力されたイベント名、場所、日時等を属性値とするイベント情報を受け付ける。
また受付部402は、撮影部205により撮影された画像の属性情報として撮影日時、撮影位置、等の様々な情報を撮影情報として受け付ける。なお、撮影日時や撮影位置は、例えば不図示のタイマやGPS207等により測定されるので、受付部402はこれら測定された撮影日時や撮影位置と上記イベント情報との関連を撮影情報に含める。
【0021】
特徴量抽出部403は、撮影画像から人物の顔が写っている顔領域を検出し、顔領域の特徴量を抽出する。特徴量抽出部403は、さらに、受付部402から撮影情報を取得し、撮影情報とともに、抽出した特徴量を送信部404に送出する。
なお、顔領域の検出及び特徴量の抽出には、従来から知られている技術を用いればよい。特徴量を抽出する処理としては、例えば、顔領域から目立つ特徴点を抽出して特徴点の相対位置を特徴量とする方法や、顔画像の標準データからの差分を特徴量として得る方法が挙げられる。
【0022】
送信部404は、特徴量抽出部403から受け取った撮影情報と特徴量、後述のイベント管理部406から受け取った受けたイベント情報を、撮影装置101を識別する装置IDに対応付けて、アクセスポイント104を介してサーバ装置102に送信する。
受信部405は、サーバ装置102からアクセスポイント104を介して送信された情報を受信する。イベント管理部406は、撮影装置101に保存された撮影画像及びイベント情報を管理すると共に、自装置において登録されたイベント情報と自装置以外の他の撮影装置101において登録されたイベント情報の関連を管理する。
【0023】
図5は、サーバ装置102の機能構成を示す図である。サーバ装置102は、受信部501、イベント管理部502、共有管理部503及び送信部504を有している。受信部501は、アクセスポイント104を介し撮影装置101から撮影情報、画像特徴量、イベント情報、装置IDを受信し、受信したこれらをセットにしてイベント管理部502に送る。
イベント管理部502は、受信部501から送られてきた情報を、データベース103に設けられたイベント管理テーブルに登録する等、イベント情報やイベントに対応する画像群を管理する。共有管理部503は、イベント管理テーブルを参照し、撮影画像を共有者間で共有するための処理を行う。送信部504は、各種情報を撮影装置101に送信する。
【0024】
以下、撮影装置Aのユーザが画像共有の登録者となり、撮影装置Bのユーザを共有相手として、誕生会というイベントにおいて撮影された撮影画像を共有する場合を例に、画像共有処理について説明する。ここで、撮影装置A及び撮影装置Bは、いずれも画像共有システムの撮影装置101である。
図6は、撮影装置101による、ユーザ設定処理を示すフローチャートである。ユーザ設定処理は、登録者及び共有相手それぞれの撮影装置101において実行される。すなわち、撮影装置A及び撮影装置Bは、ともにユーザ設定処理を行う。
まず、撮影装置101のユーザは、入力部202を操作して、ユーザ撮影モードに設定する。そして、撮影装置101のレンズを自身に向けて、撮影指示を入力する。なお、撮影指示を入力するための方法は、実施形態に限定されるものではない。専用の入力キーを押下する、撮影装置に設置されたモードダイヤルを切り替える、決められたパターンの写真を撮影するなどの操作により、撮影指示を入力してもよい。
【0025】
受付部402が撮影指示を受け付けると、S600において、撮影制御部401は、撮影部205に対し、撮影装置101のユーザの撮影を指示する(撮影制御処理)。これに対応し、撮影部205は、ユーザを撮影し、ユーザの撮影画像が得られる。
次に、S601において、特徴量抽出部403は、ユーザの撮影画像から、顔領域を検出し、顔領域の特徴量を、ユーザの画像特徴量として抽出する(抽出処理)。次に、S602において、送信部404は、ユーザの画像特徴量と、撮影情報と、自装置(撮影装置A)の装置IDとを対応付けて、アクセスポイント104を介してサーバ装置102に送信する。なお、撮影情報は、入力部202を操作することにより、ユーザにより入力され、受付部402から送信部404に送られる。
【0026】
次に、S603において、受付部402は、入力部202を介して、ユーザにより入力されたイベント情報を受け付け、これをRAM等の記憶部に設定する(設定処理)。なお、ユーザによるイベント情報の入力は、イベント開催直前又はイベント参加時等イベントに対応する期間に行うものとする。イベント情報が設定された後に得られた撮影画像は、このイベント情報に関連付けて記憶される。
次に、S604において、送信部404は、イベント情報を、自装置の装置IDに対応付けてサーバ装置102へ送信する。以上で、ユーザ設定処理が完了する。
なお、イベント情報は、サーバ装置102の入力部302においてユーザにより入力されることとしてもよい。この場合には、撮影装置101によるS602及びS603の処理は不要である。
【0027】
図7は、撮影装置101による、共有相手設定処理を示すフローチャートである。共有相手設定処理は、共有相手を登録する登録者の撮影装置Aにおいて実行されるものであり、共有相手設定処理において、撮影装置Aは、撮影装置Bのユーザを共有相手として設定する。まず、撮影装置Aのユーザは、入力部202を操作して、共有相手撮影モードに設定する。そして、撮影装置Aのレンズを共有相手、すなわち撮影装置Bのユーザに向けて、撮影指示を入力する。
受付部402が撮影指示を受け付けると、S700において、撮影制御部401は、撮影部205に対し、共有相手の撮影を指示する(撮影制御処理)。これに対応し、撮影部205は、共有相手を撮影し、共有相手の撮影画像が得られる。なお、共有相手の撮影は、イベントの開催中に行われるものとする。これにより、登録者は、イベント会場で実際に会った相手のみを共有相手として指定することができる。
次に、S701において、特徴量抽出部403は、共有者の撮影画像から、顔領域を検出し、顔領域の特徴量を、共有相手の画像特徴量として抽出する(抽出処理)。次に、S702において、送信部404は、共有相手の画像特徴量と、撮影情報と、自装置の装置IDとを対応付けて、アクセスポイント104を介してサーバ装置102へ送信する(送信処理)。
【0028】
図8は、サーバ装置102による、共有者設定処理を示すフローチャートである。S800において、受信部501は、撮影装置101がS602において送信した情報、すなわち撮影装置101のユーザの画像特徴量、撮影情報及び装置IDを受信する(受信処理)。そして、イベント管理部502は、装置IDに対応付けて、ユーザの画像特徴量及び撮影情報を1つのレコードとしてイベント管理テーブルに登録する。
次に、S801において、受信部501は、撮影装置101がS604において送信した情報、すなわちイベント情報及び装置IDを受信する。そして、イベント管理部502は、装置IDに対応付けて、イベント情報をイベント管理テーブルに登録する。これにより、イベント管理テーブルには、装置IDに対応付けて、ユーザの画像特徴量、撮影情報及びイベント情報が1つのレコードとして保存される。なお、S801及びS802の処理は、登録処理の一例である。
本例においては、受信部501は、S800及びS801において、撮影装置A及び撮影装置Bそれぞれから情報を受信する。したがって、イベント管理テーブルには、撮影装置A及び撮影装置Bそれぞれの装置IDに対応付けて、ユーザの画像特徴量等の情報が登録される。
【0029】
次に、S802において、受信部501は、撮影装置101がS702において送信した情報、すなわち共有相手の画像特徴量、撮影情報及び装置IDを受信する。ここで受信する装置IDは、共有相手の装置IDではなく、送信元の撮影装置101の装置IDである。サーバ装置102は、装置IDより共有相手の画像特徴量等の情報の送信元の撮影装置101を特定し、特定した撮影装置101を登録者の撮影装置101として以下の処理を行う。なお、本例においては、受信部501は、登録者の撮影装置101、すなわち撮影装置Aのみから共有相手の画像特徴量等の情報を受信する。
【0030】
次に、S803おいて、共有管理部503は、イベント管理テーブルに共有相手がユーザとして登録されているか否かを確認する。具体的には、共有管理部503は、共有相手の画像特徴量と、イベント管理テーブルに登録されているユーザの画像特徴量との類似度を算出する。そして、共有管理部503は、類似度が閾値以上である場合に、両者が同一人物である、すなわち共有相手がイベント管理テーブルに登録されていると判断する。
なお、画像特徴量の類似度を算出する処理としては、公知の技術を用いればよい。例えば、共有管理部503は、特徴量空間における各画像特徴量間の距離の逆数を類似度として算出すればよい。
さらに、S803において、共有管理部503は、登録者によりS603において設定されたイベント情報と同一のイベントを示すイベント情報が、イベント管理テーブルにおいて、共有相手に対応付けて記録されているか否かを確認する。共有管理部503は、具体的には、2つのイベント情報に示される場所及び位置の差異が予め設定された閾値以内の場合に、両者は同一のイベントを示すものと判断する。
【0031】
共有管理部503は、共有相手がユーザとしてイベント管理テーブルに登録されており、かつ同一イベントのイベント情報が記録されている場合には(S803でYes)、処理をS804へ進める。共有管理部503は、共有相手が登録されていない場合には(S803でNo)、処理をS802へ進め、待機状態とする。また、共有管理部503は、共有相手は登録されているが、同一のイベント情報が記録されていない場合にも(S803でNo)、処理をS802へ進める。
S804において、共有管理部503は、イベント管理テーブルの、共有相手をユーザとするレコードから、共有相手の装置IDを特定する(共有相手特定処理)。そして、送信部504は、共有相手の装置IDを参照し、共有相手の撮影装置101(撮影装置B)に対し、確認要求を送信する(送信処理)。
ここで、確認要求は、登録者との画像共有の許否の確認を共有相手に要求する情報であり、確認要求には、登録者の装置IDが含まれている。なお、確認要求は、さらに登録者の画像や、登録者の氏名等登録者に関する情報を含んでいてもよい。この場合には、サーバ装置102は、受信部501を介して登録者の撮影装置101(撮影装置A)から登録者に関する情報を受信するものとする。
【0032】
一方で、撮影装置Bは、確認情報を受信すると、画像の共有を許可するか否かをユーザに選択させるための画面をLCD208に表示する。そして、ユーザが入力部202を操作して許可を選択すると、撮影装置Bは、確認要求に対する応答として、許可を示す承認情報をサーバ装置102に送信する。
これに対応して、S805において、共有管理部503は、受信部501が確認要求の送信先から承認情報を受信したか否かを確認する。共有管理部503は、受信部501が確認要求の送信時から一定期間内に承認情報を受信した場合には(S805でYes)、処理をS806へ進める。共有管理部503は、受信部501が確認要求の送信時から一定期間内に承認情報を受信しなかった場合には(S805でNo)、処理をS802へ進め、待機状態とする。
【0033】
S806において、共有管理部503は、共有設定を行う。具体的には、共有管理部503は、イベント管理テーブルにおいて、共有相手に対応付けて登録されているイベント情報と、登録者に対応付けて登録されているイベント情報とを関連付ける関連情報をデータベース103に保存する。ここで、関連付けられるイベント情報は、上述の通り、同一のイベントを示すイベント情報である。
次に、S807において、共有管理部503は、登録者及び共有相手を共有者とし、共有者の撮影装置の装置IDと、イベント管理テーブルにおいて各装置IDに対応付けられているイベント情報と、を対応付けて示す共有情報を作成する(作成処理)。次に、S809において、送信部504は、共有者の装置IDに基づいて、共有情報を共有者の撮影装置(撮影装置A及び撮影装置B)に送信する(送信処理)。以上で、共有者設定処理は完了する。
【0034】
図9は、登録者の装置としての撮影装置101による、画像共有処理を示すフローチャートである。S900において、受信部405は、サーバ装置102から共有情報の受信の有無を確認する。受信部405は、共有情報を受信すると(S900でYes)、処理をS901へ進める。受信部405は、共有情報を受信しなかった場合には(S900でNo)、処理をS902へ進める。ここで、S900の処理は、共有情報を受信する受信処理の一例である。
S901において、イベント管理部406は、共有情報を記憶部204等に保存する。次に、S902において、撮影制御部401は、イベント開催中に、ユーザ(登録者)による操作に応じて、撮影部205を制御する(撮影制御処理)。撮影部205は、撮影制御部401の制御の下、撮影を行い、撮影画像を得る。次に、S903において、撮影制御部401は、記憶部204等に撮影画像を保存する。
次に、S904において、イベント管理部406は、記憶部204にイベント情報が設定されているか否かを確認する。イベント管理部406は、イベント情報が設定されている場合には(S904でYes)、処理をS905へ進める。イベント管理部406は、イベント情報が設定されていない場合には(S904でNo)、処理をS900へ進め、待機状態とする。
【0035】
S905において、イベント管理部406は、S903において保存された撮影画像をイベント情報に対応付けて保存する(撮影画像管理処理)。次に、S906において、イベント管理部406は、関連イベント情報の有無を確認する。イベント管理部406は、具体的には、記憶部204に共有情報が記憶されており、共有情報に自装置以外の撮影装置101に対応付けられているイベント情報が存在する場合に、これを関連イベント情報とし、関連イベント情報があると判断する。
イベント管理部406は、関連イベント情報が存在する場合には(S905でYes)、処理をS907へ進める。イベント管理部406は、関連イベント情報が存在しない場合には(S905でNo)、処理をS900へ進め、待機状態とする。
【0036】
次に、S907において、イベント管理部406は、S903において保存された撮影画像集合を、関連イベント情報に対応付けられている装置IDにより特定される、自装置以外の撮影装置からアクセス可能に設定する。そして、送信部404は、これらの画像集合を、自装置以外の撮影装置へ送信する(送信処理)。具体的には、送信部404は、共有者(共有相手)の撮影装置101(撮影装置B)に対し撮影画像を送信する。以上で、撮影装置101による、登録者の装置としての、画像共有処理が完了する。
【0037】
図10は、登録者の撮影装置以外の装置、すなわち共有相手の装置としての撮影装置101による、画像共有処理を示すフローチャートである。S1000において、受信部405は、サーバ装置102から確認要求を受信したか否かを確認する。受信部405は、確認要求を受信した場合には(S1000でYes)、処理をS1001へ進める。受信部405は、確認要求を受信しなかった場合には(S1000でNo)、処理をS1000へ進め、待機状態となる。
S1001において、受付部402は、ユーザから許可の入力を受け付けた場合には(S1001でYes)、処理をS1002へ進める。許可の入力を受け付けなかった場合には(S1001でNo)、処理をS1000へ進める。
【0038】
S1002において、送信部404は、サーバ装置102に承認情報を送信する。次に、S1003において、受信部405は、承認情報に対応し、共有情報の受信を待つ。受信部405は、共有情報を受信すると(S1003でYes)、処理をS1004へ進める。受信部405は、共有情報を受信しない状態で承認情報の送信から一定期間が経過した場合には、共有情報を受信しなかったと判断し(S1003でNo)、処理をS1000へ進める。
S1004において、イベント管理部406は、共有情報を記憶部204に保存する。次に、S1005において、イベント管理部406は、共有情報に示されるイベント情報が、自装置により記憶部204に設定されているか否かを確認する。イベント管理部406は、共有情報に示されるイベント情報が設定されている場合には(S1005でYes)、処理をS1006へ進める。イベント管理部406は、共有情報に示されるイベント情報が設定されていない場合には(S1005でNo)、処理をS1000へ進める。
【0039】
S1006において、受信部405は、撮影画像を受信するまで待つ。受信部405は、撮影画像を受信すると(S1006でYes)、処理をS1007へ進める。S1007において、イベント管理部406は、受信した撮影画像を、自装置において登録されているイベント情報に関連付けて保存する。次に、S1008において、イベント管理部406は、共有情報に、自装置において登録されているイベント情報に関連付けられている他のイベント情報が含まれているか否かを確認する。イベント管理部406は、他のイベント情報が含まれている場合には(S1008でYes)、処理をS1009へ進める。イベント管理部406は、他のイベント情報が含まれていない場合には(S1008でNo)、処理をS1006へ進め、待機状態となる。
S1009において、送信部404は、他のイベント情報に対応付けられている装置IDにより特定される、他の撮影装置101に対し、S1006において受信した撮影画像を送信し、処理をS1006へ進める。
【0040】
さらに、図9を参照しつつ説明した登録者の装置としての撮影装置101(撮影装置A)は、図10を参照しつつ説明した、共有相手の装置としての撮影装置101(撮影装置B)と同様に、他の共有者により撮影された撮影画像を受信する。この場合、撮影装置Aは、受信した撮影装置を自装置に登録されているイベント情報に関連付けて保存する。
一方で、共有相手の装置としての撮影装置101(撮影装置B)は、登録者の装置としての撮影装置101(撮影装置A)と同様に、撮影を行い、得られた撮影画像を、他の共有者の撮影装置101(撮影装置A)に送信する。
【0041】
なお、複数の撮影装置101間で撮影画像を送信する際には、HTTPでの通信を用いることができる。すなわち、受信側の撮影装置101がHTTPサーバとして振る舞い、送信側の撮影装置101がHTTPクライアントとして、HTTPサーバに接続する。その後、送信側が受信側にHTTPのPOSTを行うことで撮影画像の送信が可能となる。また、HTTPサーバとHTTPクライアントの関係を逆にしてHTTPクライアントがポーリングを行うことにより、HTTPサーバから仮想的に撮影画像の送信を行ってもよい。なお、撮影画像の送信方法は、HTTPを利用した方法に限定されるものではなく、FTPやPTP等の他のプロトコルを利用した方法であってもよい。
【0042】
これにより、図11に示すように、例えばユーザAとユーザBの間で「誕生会」という同一のイベントに関連付けられた画像群1101,1102を共有することができる。また、ユーザBとユーザCの間で「ハワイ旅行」という同一のイベントに関連付けられた画像群1103,1104を共有することができる。一方で、ユーザCは、「誕生会」のイベントに関連付けられた画像群1101,1102を共有することができず、また、ユーザAは、「ハワイ旅行」のイベントに関連付けられた画像群1103,1104を共有することができない。本実施形態に係る画像共有システムは、このように、イベント単位での画像共有を実現することができる。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る画像共有システムは、画像集合毎に異なる共有者間での撮影画像の共有を可能とすることができる。さらに、イベントに参加したユーザは、他の参加者の写真へのアクセス権を付加することが可能となる。さらに、カメラやビデオの本来の機能である撮影という作業において、共有相手を設定することができる。
【0044】
なお、第1の実施形態に係る画像共有システムの第1の変更例としては、撮影装置101は、共有すべき撮影画像を共有者の撮影装置101に直接送信するのに替えて、サーバ装置102を介して、共有者の撮影装置101に送信してもよい。
【0045】
また、第2の変更例としては、画像共有システムは、各撮影装置のユーザの撮影画像を利用することなく、イベント情報のみに基づいて、画像の共有を行うこととしてもよい。すなわち、サーバ装置102は、共有の登録者からイベント情報を受信した場合に、イベント管理テーブルにおいて、このイベント情報と同一のイベントを示すイベント情報と対応付けられている撮影装置のユーザを共有相手として特定する。
【0046】
また、第3の変更例としては、画像共有システムにおいて、既に共有情報が作成され、共有者の撮影装置間での撮影画像の共有が行われているときに、共有者が共有者以外の他のユーザと写真を撮り合うことにより、共有相手設定処理(図7)を実行したとする。この場合、画像共有システムは、他のユーザの撮影装置も共有者として設定することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る画像共有システムに係る撮影装置101は、図6を参照しつつ説明した、登録者設定処理のS602,S702において、撮影時の撮影装置101の位置を示す撮影位置及び撮影日時を含む撮影情報をサーバ装置102に送信する。そして、サーバ装置102は、撮影情報を参照して、共有管理を行う。なお、撮影装置101は、GPS207により撮影位置を特定し、不図示のタイマにより撮影日時を特定する。
図12は、第2の実施形態に係るサーバ装置102による、共有設定処理を示すフローチャートである。ここでは、第1の実施形態に係る共有設定処理と異なる処理についてのみ説明する。図12において、図8を参照しつつ説明した、第1の実施形態に係るサーバ装置102による、共有設定処理における各処理と同一の処理には同一の番号を付している。
【0048】
イベント管理部502は、S802の処理の後、処理をS1200へ進める。S1200において、共有管理部503は、イベント管理テーブルにおいて、S802において受信した、共有相手の撮影に係る撮影情報に示される撮影位置及び撮影日時を基準として、撮影位置及び撮影日時の基準範囲を定める。次に、S1201において、共有管理部503は、基準範囲に含まれる撮影位置及び撮影日時を含む撮影情報に対応するユーザを抽出する。
次に、S1202において、共有管理部503は、S1201においてユーザが抽出された場合には(S1202でYes)、処理をS1203へ進め、ユーザが抽出されなかった場合には(S1202でNo)、処理をS802へ進める。
【0049】
S1203において、共有管理部503は、抽出されたユーザを処理対象として、共有相手に対応するユーザがイベント管理テーブルに登録されているか否かを確認する。なお、S1203における処理は、図8を参照しつつ説明したS804の処理と同様である。但し、S1203においては、イベント管理テーブルに登録されているユーザのうち、S1201において抽出されたユーザのみを比較対象とし、類似度を算出する。
なお、第2の実施形態に係る画像共有システムのこれ以外の構成及び処理は、第1の実施形態に係る画像共有システムの構成及び処理と同様である。
【0050】
以上のように、第2の実施形態に係る画像共有システムにおいては、撮影情報を加味して共有相手を特定することにより、判定制度を向上させることができる。
なお、第2の実施形態にかかる画像共有システムにおいては、撮影位置及び撮影日時に基づいて、共有相手を特定したが、参照される情報は、撮影に関する情報であればよく、実施形態に限定されるものではない。他の例としては、サーバ装置102は、露光条件や撮影地域等の情報に基づいて、共有相手を特定してもよい。
【0051】
<その他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、撮影装置、webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、本発明の目的は、以下のようにすることによって達成されることはいうまでもない。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給する。係る記憶媒体は言うまでもなく、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0052】
以上、上述した各実施形態によれば、共有対象となる画像集合毎に異なる共有対象者間での画像の共有を可能とすることができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
101 撮影装置、102 サーバ装置、403 特徴量抽出部、406 イベント管理部、502 イベント管理部、503 共有管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12