(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の投射装置は、1画像を分割して得られる複数の分割画像を前記複数の投射装置に投射させることによりマルチスクリーン表示を行う請求項1に記載の制御装置。
前記取得手段は、前記複数の投射装置の画像投射面の少なくとも一部を撮影して得られる撮影画像を取得すると共に、前記複数の投射装置に入力される入力画像に応じた画像を取得し、
前記表示制御手段は、前記撮影画像に応じた画像を前記表示画面に表示させ、
前記決定手段は、前記表示制御手段により前記画像が表示される表示領域内の操作位置と、前記入力画像に応じた画像と、に基づいて、前記制御対象を決定する請求項1又は2に記載の制御装置。
前記決定手段は、前記表示制御手段により表示される前記画像のうち、前記操作位置から所定範囲の画像に類似する画像を、前記入力画像に応じた画像から特定し、該特定の結果に従って、前記制御対象を決定する請求項6に記載の制御装置。
前記入力画像に応じた画像は、前記入力画像に対して低解像度化処理、及び/又は、フレームレート低減処理することで得られる画像である請求項6乃至8のうち、何れか1項に記載の制御装置。
前記表示制御手段により前記画像が表示される表示領域内の異なる位置において所定時間内に2以上の操作が行われた場合、前記決定手段は、前記2以上の操作の操作位置に応じて2以上の投射装置を制御対象として決定する請求項1乃至11のうち、何れか1項に記載の制御装置。
前記操作位置が2以上の投射装置による重複投射領域に対応する場合、前記決定手段は、前記2以上の投射装置を制御対象として決定する請求項1乃至12のうち、何れか1項に記載の制御装置。
前記表示画面はタッチパネルであり、前記操作位置は、前記タッチパネルに対するタッチ操作が行われた位置である請求項1乃至13のうち、何れか1項に記載の制御装置。
前記制御装置により制御される設定には、色調整のためのパラメータ、輝度調整のためのパラメータ、及び、台形補正のためのパラメータのうち、少なくとも何れかが含まれる請求項1乃至14のうち、何れか1項に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載した構成の具体的な実施例の1つである。
【0014】
[第1の実施形態]
本実施形態では、複数台の投射装置によって平面上に投射された投射画像群を撮像して表示画面に表示し、該表示画面上でユーザによって指示された投射画像を投射した投射装置を、設定変更対象の投射装置として特定する端末装置について説明する。さらに端末装置は、設定変更対象として特定した投射装置の設定を変更することで、マルチスクリーン表示のための複数台の投射装置の設定を調整することが可能である。
【0015】
先ず、本実施形態に係るシステムについて、
図1を用いて説明する。
図1に示す如く、本実施形態に係るシステムは、投射装置200〜203と、端末装置100と、を有しており、投射装置200〜203、端末装置100、は何れも有線若しくは無線のLAN300に接続されている。もちろん、LAN以外のネットワークを用いても構わない。
【0016】
投射装置200〜203は何れも平面(例えばスクリーン等の投射面)上に画像を投射するプロジェクタとして機能する装置であり、例えば、投射装置200が画像400aを投射し、投射装置201が該画像400aの右隣に隣接するように画像400bを投射し、投射装置202が該画像400aの下隣に隣接するように画像400cを投射し、投射装置203が該画像400cの右隣に隣接するように画像400dを投射することで、1枚の画像400(マルチスクリーン表示)を同平面上に形成することができる。以下では、投射装置200〜203のそれぞれがこのようにして画像400a〜400dを平面上に投射して1枚の画像400を該平面上に形成する場合について説明する。なお、本実施形態では平面に画像を投射する場合の例を中心に説明するが、曲面に投射する場合であっても本実施形態の内容は適用可能である。また、マルチスクリーン表示は、
図1に示した形態に限らず、複数台の投射装置を用いて、その投射装置の投射領域の一部を重複させて大画面の画像投射を行う形態であればよい。
【0017】
端末装置100は、スマートフォンやタブレット端末装置など、タッチパネル画面と撮像部とを有する装置であり、本実施形態では、ユーザが端末装置100を用いて投射装置200〜203のうち設定変更対象を選択し、該選択した投射装置を設定変更可能にする。端末装置100の機能構成例について、
図2のブロック図を用いて説明する。設定変更には、他の投射装置の設定に応じて、設定変更対象の投射装置の設定を調整することが含まれる。
【0018】
撮像部101は、端末装置100に内蔵されたカメラである(端末装置100に外付けするカメラであっても良い)。なお、カメラは静止画を撮像するカメラであってもよいし、動画像を撮像するビデオカメラであってもよい。撮像部101をビデオカメラとした場合は、撮像された各フレームの画像(撮像画像)を順次表示部102に対して送出する。これにより表示部102には、撮像部101の撮像方向に対応する動画像が表示されることになる。なお、撮像部101は、必ずしもマルチスクリーン表示の全体が収まるように撮像しなくてもよい。
【0019】
表示部102は液晶画面であり、撮像部101が撮像した動画像や、後述するメニュー画面などを表示することができる。操作入力部103は表示部102と一体化してタッチパネル画面を形成するものであり、表示部102上でユーザがタッチした位置を検知したりして、ユーザによる表示部102上における操作内容を検知する。
【0020】
画面構成取得部104は、画像400内で画像400a〜400dを規定する情報及び画像400を規定する情報を含む画面構成情報(構成情報)を取得する。構成情報は、表示部102の表示画面上の位置(領域)と、投射装置の識別情報とを対応づけるための情報(撮像画像内の領域と投射装置とを対応づけるための情報)であり、種々の形態の情報が考えられる。本実施形態では、画面構成情報には、以下の情報が含まれているものとする。
【0021】
・ 画像400の縦サイズH及び横サイズW
・ 画像400内における画像400aの範囲(範囲a)(0≦x<W1且つ0≦y<H1)
・ 画像400内における画像400bの範囲(範囲b)(W1≦x≦W2且つ0≦y<H1)
・ 画像400内における画像400cの範囲(範囲c)(0≦x<W1且つH1≦y≦H2)
・ 画像400内における画像400dの範囲(範囲d)(W1≦x≦W2且つH1≦y≦H2)
なお、x及びyはそれぞれ、画像400の左上隅の位置を原点とする画像400内のx座標及びy座標、W1は画像400a及び画像400cの横サイズ、W2は画像400b及び画像400dの横サイズ、H1は画像400a及び画像400bの縦サイズ、H2は画像400c及び画像400dの縦サイズを表す。
【0022】
このような画面構成情報の取得方法については特定の方法に限るものではなく、如何なる方法を採用しても構わない。例えば、ユーザが予め作成して端末装置100の不図示のメモリに登録したものを取得しても構わないし、近年ではカメラを用いてマルチスクリーン表示の画面構成を自動で構築する技術が開示されており、構築時に算出された同等の情報を投射装置や外部の計算機から取得しても構わない。
【0023】
また、この画面構成情報には、画像400a〜400dのそれぞれを投射する投射装置が投射装置200〜203であることを示す情報も含まれている。例えば、画面構成情報では、範囲aと投射装置200の識別子とが対応づけられており、範囲bと投射装置201の識別子とが対応づけられており、範囲cと投射装置202の識別子とが対応づけられており、範囲dと投射装置203の識別子とが対応づけられている。
【0024】
ここで、投射装置200〜203のそれぞれが画像400a〜400dを平面上に投射することで該平面上に画像400を形成している状態で、ユーザが端末装置100を手に持って撮像部101を該画像400に向けた場合には、撮像部101は該画像400を撮像することになるため、該画像400の撮像画像(各フレームの画像)は表示部102に対して送出され、表示部102の表示画面上には、画像400の撮像画像が表示される。ユーザは表示部102に表示されている撮像画像を閲覧して、該撮像画像に含まれている画像400を構成する画像400a〜400dのうち何れか1つの画像内の位置にタッチすることができる。ここで、ユーザが表示部102の表示画面上でタッチした際、そのタッチした位置が、該表示部102に表示されている画像400a〜400dの何れに該当するのかを判定する必要がある。
【0025】
そこで操作対象特定部105は先ず、表示部102に表示されている撮像画像から画像400の領域(マルチスクリーン表示領域)を検出する。撮像画像からマルチスクリーン表示領域を検出する方法には様々な方法があり、特定の方法に限るものではない。例えば、四隅にマーカなどの特徴点が配置された画像400を投射し、操作対象特定部105は撮像画像からこの特徴点を検出して該検出した特徴点を四隅とする領域をマルチスクリーン表示領域として検出すればよい。そして操作対象特定部105は、この検出したマルチスクリーン表示領域の縦横サイズと、画面構成取得部104が取得した画面構成情報が示す画像400の縦横サイズと、の比率(マルチスクリーン表示領域の縦横サイズ/画面構成取得部104が取得した画面構成情報が示す画像400の縦横サイズ)rを求める。ここでは説明を簡単にするために、縦サイズと横サイズの比率は同じrであるものとして説明する。
【0026】
ユーザが表示部102の表示画面上をタッチするなどして該表示画面上を指示した場合には、該指示した位置(X,Y)が操作入力部103によって検知される(表示部102の表示画面の左上隅の位置を原点とする)。ここで、表示部102上におけるマルチスクリーン表示領域の左上隅の画素位置を(xo、yo)とすると、操作対象特定部105は、画面構成情報を参照し、0≦X−xo<r×W1且つ0≦Y−yo<r×H1であれば、指示した位置(X,Y)は表示部102の表示画面において範囲aに該当する領域内の位置であると判断し、これにより画像400aが指示されたものと判断する。この場合、操作対象特定部105は、画面構成情報を用いて、範囲aに関連づけられている識別子に対応する投射装置200を、画像400aを投射した投射装置として特定する。
【0027】
また、操作対象特定部105は、画面構成情報を参照し、r×W1≦X−xo≦r×W2且つ0≦Y−yo<r×H1であれば、指示した位置(X,Y)は表示部102の表示画面において範囲bに該当する領域内の位置であると判断し、これにより画像400bが指示されたものと判断する。この場合、操作対象特定部105は、画面構成情報を用いて、範囲bに関連づけられている識別子に対応する投射装置201を、画像400bを投射した投射装置として特定する。
【0028】
また、操作対象特定部105は、画面構成情報を参照し、0≦X−xo<r×W1且つr×H1≦Y−yo≦r×H2であれば、指示した位置(X,Y)は表示部102の表示画面において範囲cに該当する領域内の位置であると判断し、これにより画像400cが指示されたものと判断する。この場合、操作対象特定部105は、画面構成情報を用いて、範囲cに関連づけられている識別子に対応する投射装置202を、画像400cを投射した投射装置として特定する。
【0029】
また、操作対象特定部105は、画面構成情報を参照し、r×W1≦X−xo≦r×W2且つr×H1≦Y−yo≦r×H2であれば、指示した位置(X,Y)は表示部102の表示画面において範囲dに該当する領域内の位置であると判断し、これにより画像400dが指示されたものと判断する。この場合、操作対象特定部105は、画面構成情報を用いて、範囲dに関連づけられている識別子に対応する投射装置203を、画像400dを投射した投射装置として特定する。
【0030】
このようにして操作対象特定部105は、表示部102に表示されている画像400a〜400dのうち、ユーザが表示部102の表示画面上で指示した位置に対応する画像を特定し、投射装置200〜203のうち、該特定した画像を投射した投射装置を特定することができる。
【0031】
送信部106は、操作対象特定部105によって特定された投射装置に対し、LAN300を介して、設定変更内容を示す情報を送信する。
【0032】
次に、端末装置100が行う処理について、同処理のフローチャートを示す
図3を用いて説明する。なお、以下では、投射装置200〜203のそれぞれが画像400a〜400dを平面上に投射することで該平面上に画像400を形成している状態で、ユーザが端末装置100を手に持って撮像部101を該画像400に向けた場合における端末装置100の動作について説明する。
【0033】
<ステップS800>
撮像部101は平面上に投射された画像400を撮像し、該画像400の撮像画像(各フレームの画像)を順次表示部102に対して送出する。
【0034】
<ステップS801>
表示部102の表示画面上には、画像400の撮像画像が表示される。
【0035】
<ステップS802>
操作入力部103は、ユーザによる表示部102への指示操作(例えばタッチ操作)がなされたのか否かを判断する。より詳しくは、操作対象特定部105が上記のようにして検出したマルチスクリーン表示領域内の何れかの位置への操作指示がなされたのか否かを判断する。この判断の結果、マルチスクリーン表示領域内の何れかの位置への操作指示がなされた場合には処理はステップS803に進み、なされていない場合には、処理はステップS800に進む。
【0036】
<ステップS803>
画面構成取得部104は、上記の画面構成情報を取得する。
【0037】
<ステップS804>
操作対象特定部105は、上記の処理により、表示部102に表示されている画像400a〜400dのうち、ユーザが表示部102の表示画面上で指示した位置に対応する画像を特定し、投射装置200〜203のうち、該特定した画像を投射した投射装置を特定する。すなわち、操作対象特定部105は、マルチスクリーン表示に対する撮像画像が表示された表示画面に対するユーザ操作の表示画面上における位置と画面構成情報とに応じて設定変更対象の投射装置を特定する。
【0038】
<ステップS805>
操作対象特定部105は、ステップS804で特定した投射装置に対する設定項目を列挙したメニュー画面を表示部102に表示させる。例えば
図4(a)に示す如く、ユーザが表示部102の表示画面上でタッチ操作を行い、操作対象特定部105が該タッチ操作がなされた位置に応じた投射装置を特定すると、
図4(b)に示す如く、操作対象特定部105は、該特定した投射装置に対する設定項目が列挙されたメニュー画面を、表示部102の表示画面上に表示する。
【0039】
ユーザは表示部102への操作によってこのようなメニュー画面を操作して、様々な設定項目における値を設定したり変更したりする。タッチパネル画面に表示されたメニュー画面を介して様々な設定を行うための操作入力方法やそのときに端末装置100が行う処理については周知であるため、これについての説明は省略する。このように、メニュー画面に対するユーザ操作に応じて、特定の投射装置の設定を変更することが可能である。特に、マルチスクリーン表示を行う複数台の投射装置の輝度や色、投射形状の調整を行うことが可能である。
【0040】
<ステップS806>
送信部106は、ユーザが表示部102に対して設定変更完了及び送信の指示を入力したか否かを判断する。この判断の結果、入力した場合には処理はステップS807に進み、入力していない場合には、処理はステップS806で待機する。
【0041】
<ステップS807>
送信部106は、ステップS805で設定変更の内容を示す制御信号を生成して、ステップS804で特定した投射装置に対して送信する。すなわち送信部106は、操作対象特定部105により特定された投射装置に対して、特定後のユーザ操作に応じた制御信号を出力して投射装置の設定を制御する。
【0042】
<ステップS808>
操作入力部103は、ユーザが上記メニュー画面の表示をキャンセルするための操作入力を行ったか否かを判断する。例えば、現在は画像400aを調整すべく該画像400aを投射している投射装置200についてメニュー画面で値を設定したところ、次に他の画像(例えば画像400b)を調整すべく該画像400bを投射している投射装置201についてメニュー画面で値を設定したい場合には、現在表示中のメニュー画面の表示をキャンセルする必要がある。
【0043】
操作入力部103が、ユーザが上記メニュー画面の表示をキャンセルするための操作入力を検知した場合には、処理はステップS800に進み、検知していない場合には、処理はステップS809に進む。
【0044】
<ステップS809>
操作入力部103は、ユーザが上記メニュー画面を介して処理終了の旨の操作入力を行ったか否かを判断する。例えば、メニュー画面に表示されている「終了」ボタンをタッチした否かを判断する。この判断の結果、ユーザが上記メニュー画面を介して処理終了の旨の操作入力を行った場合には、
図3のフローチャートに従った処理は完了し、該操作入力を行っていない場合には、処理はステップS806に進む。
【0045】
このように、本実施形態によれば、マルチスクリーン表示を構成するそれぞれの投射装置による投射画像の撮像画像上で所望の投射画像を指示することで、該指示された投射画像を投射した投射装置を設定変更対象として指示することができる。これにより、該調整を、視聴を妨げることなく簡便に行うことができる。なお、本実施形態では、投射装置の数を4としたが、他の数であっても構わない。
【0046】
[第2の実施形態]
本実施形態では、ユーザが表示部102の表示画面上で指示した位置に対応する投射装置の特定方法が第1の実施形態と異なる。以下では第1の実施形態との差分について重点的に説明し、以下で特に触れない限りは第1の実施形態と同様であるものとして説明する。
【0047】
本実施形態では端末装置100の代わりに端末装置500を用いる。端末装置500の機能構成例について、
図5のブロック図を用いて説明する。
図5において
図2に示した機能部と同じ機能部については同じ参照番号を付しており、該機能部に係る説明は省略する。
【0048】
画像データ取得部504は、投射装置200〜203のそれぞれから、投射画像を投射するために用いる「投射画像のオリジナル画像」と、該投射装置の識別子と、をLAN300を介して取得する。マルチスクリーン表示を構成する場合、投射装置200〜203のそれぞれから平面に投射される画像の歪みを調整するために、画像に対して台形補正と呼ばれる幾何形状の変形を行うことが多い。ここでは、表示部102の表示画面上に表示されている投射画像(上記の歪みのない画像)と比較するために、台形補正した画像ではなく台形補正前の画像、すなわち、オリジナル画像を取得する。なお、本実施形態ではオリジナル画像(投射画像)を取得する場合の例を中心に説明するが、端末装置100の表示画面のサイズ等に応じて縮小された画像をオリジナル画像として取得するようにしてもよい。また、投射画像のフレームレートと、端末装置100が取得する画像のフレームレートは必ずしも一致させる必要はない。他の実施形態におけるオリジナル画像についても同様である。
【0049】
操作対象特定部505は、操作入力部103が検知した表示部102の表示画面上におけるユーザの指示位置の近傍領域内(所定範囲内)の画像を比較画像として抽出し、画像データ取得部504が取得したそれぞれのオリジナル画像のうち、該比較画像と類似する部分を含むオリジナル画像を特定する。例えば、それぞれのオリジナル画像について、比較画像を該オリジナル画像内でラスタスキャン順に移動させながら、該比較画像とのパターンマッチングを行い、該比較画像と最も類似度の高い画像領域を有するオリジナル画像を特定する。
【0050】
なお、オリジナル画像と、表示部102の表示画面上に表示されている画像400a〜400dとでは縮尺が異なるため、当然ながら、これはオリジナル画像と比較画像とでも同様である。然るに、パターンマッチングなどの画像比較の際には、それぞれの縮尺を考慮して適宜変倍しながら画像比較を行う必要がある。
【0051】
また、マルチスクリーン表示全体を撮像した撮像画像から、投射装置200〜203のそれぞれの投射画像を順に探索することで、撮像画像上での投射装置200〜203のそれぞれの投射画像を特定し、比較画像を含む投射画像を特定しても構わない。なお、本実施形態では撮像部101が画像400の全体を撮像する例を中心に説明しているが、撮像部101は、マルチスクリーン表示に対応する画像(画像400)の全体を必ずしも撮像する必要はなく、一部の領域を撮像することも可能である。例えば、ユーザは、マルチスクリーン表示に対応する画像400のうち、特に設定が気になる部分領域を撮影することが可能である。このようにすれば、特に大画面でマルチスクリーン表示を行う際に、撮像部101の画角に画像400の全体を収めるためにユーザが移動する必要性が小さくなる。
【0052】
そして、操作対象特定部505は、特定したオリジナル画像と共に画像データ取得部504が取得した識別子に対応する投射装置を、設定変更対象の投射装置として特定する。以降については第1の実施形態と同様である。
【0053】
端末装置500が行う処理について、
図6のフローチャートを用いて説明する。なお、投射装置200〜203のそれぞれが画像400a〜400dを平面上に投射することで該平面上に画像400を形成している状態で、ユーザが端末装置500を手に持って撮像部101を該画像400に向けた場合における端末装置500の動作について説明する。なお、
図6に示した処理ステップのうち、
図3に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
【0054】
<ステップS900>
画像データ取得部504は、投射装置200〜203のそれぞれから、投射画像を投射するために用いる「投射画像のオリジナル画像」と、該投射装置の識別子と、をLAN300を介して取得する。上述の通り、オリジナル画像は、投射画像が低解像度に変換された画像であってもよい。また画像データ取得部504が取得するオリジナル画像のフレームレートは投射装置200〜203による投射画像のフレームレートよりも低くてもよい。
【0055】
<ステップS901>
操作対象特定部505は、操作入力部103が検知した表示部102の表示画面上におけるユーザの指示位置の近傍領域内の画像を比較画像として抽出し、画像データ取得部504が取得したそれぞれのオリジナル画像のうち、該比較画像と類似する部分を含むオリジナル画像を特定する。
【0056】
<ステップS902>
操作対象特定部505は、ステップS901で特定したオリジナル画像と共に画像データ取得部504が取得した識別子に対応する投射装置を、設定変更対象の投射装置として特定する。即ち、操作対象特定部505は、マルチスクリーン表示に対する撮像画像が表示された表示画面に対するユーザ操作が行われた表示画面上における位置から所定範囲内の画像と、投射装置からの投射画像との比較に基づいて、設定変更対象の投射装置を特定する。
【0057】
ここで、ユーザによる表示部102の表示画面上に対する投射画像の指示操作と、該指示操作により表示部102の表示画面上に表示されるメニュー画面について、
図7,8を用いて説明する。これは、第1の実施形態でも第2の実施形態でも適用することができる。
【0058】
ユーザが表示部102の表示画面上で
図7(a)に示す如く、2つの投射画像を指示した場合、
図7(b)に示す如く、一方の投射画像を投射した投射装置に対するメニュー画面121及び他方の投射画像を投射した投射装置に対するメニュー画面122を表示部102の表示画面上に表示する。すなわち、操作対象特定部105は、ユーザ操作によっては2台以上の設定変更対象の投射装置を特定する。例えば、ユーザが表示画面上の第1の位置を指定してから、所定時間内に、第2の位置を指定すると、第1の位置に対応する第1の投射装置と、第2の位置に対応する第2の投射装置とが特定される。他の実施形態においても同様である。なお、メニュー画面121及び122のそれぞれの配置位置は、例えば
図7に示す如く、指示した2点の位置関係と同じ位置関係で表示しても構わない。すなわち、右上側の指示位置で指示している投射画像を投射した投射装置に対するメニュー画面としてメニュー画面121を配置し、左下側の指示位置で指示している投射画像を投射した投射装置に対するメニュー画面としてメニュー画面122を配置する。これによりユーザは、調整したい投射装置に対応する投射画像と、そこを操作するためのメニューとの対応を直感的に理解することができる。
【0059】
また例えば、
図8(a)に示す如く、ユーザが表示部102の表示画面上で複数の投射画像が重なっている領域130(斜線で示している領域)を指示した場合、
図8(b)に示す如く、重複している投射画像のうち一方の投射画像を投射した投射装置に対するメニュー画面140及び他方の投射画像を投射した投射装置に対するメニュー画面141を表示部102の表示画面上に表示する。なお、投射画像同士が重なる領域については、画面構成情報において範囲a〜範囲dを規定する情報から、それぞれの範囲が重なっている範囲を求めることができる。なお、投射装置毎のメニュー画面は同じメニュー画面であっても良いし、投射装置毎に専用のメニュー画面を表示しても構わない。
【0060】
なお、ユーザが投射画像を指示するための動作やメニュー画面の提示の仕方については上記で説明したものに限らない。例えば、領域130を指示した場合には、該領域130で重なっているそれぞれの投射画像に対応する投射装置で共通の1つのメニュー画面を表示し、該メニュー画面で調整した内容を、該領域130で重なっているそれぞれの投射画像に対応する投射装置に対して送信しても構わない。
【0061】
[第3の実施形態]
本実施形態では、投射装置200〜203が投射した画像の撮像画像を表示部102に表示するのではなく、投射装置200〜203のそれぞれから取得した上記のオリジナル画像を表示部102に表示する点が第2の実施形態と異なる。以下では第2の実施形態との差分について重点的に説明し、以下で特に触れない限りは第2の実施形態と同様であるものとして説明する。
【0062】
本実施形態では端末装置500の代わりに端末装置600を用いる。端末装置600の機能構成例について、
図9のブロック図を用いて説明する。
図9において
図5に示した機能部と同じ機能部については同じ参照番号を付しており、該機能部に係る説明は省略する。
【0063】
画像データ取得部604は画像データ取得部504と同様にして、投射装置200〜203のそれぞれから、投射画像を投射するために用いる「投射画像のオリジナル画像」と、該投射装置の識別子と、をLAN300を介して取得する。そして画像データ取得部604は、取得したそれぞれのオリジナル画像を表示部102に対して送出し、表示部102に該それぞれのオリジナル画像を並べて表示する。なお、第2の実施形態と同様に、オリジナル画像は、投射画像と同じ画素数であってもよいが、端末装置100の表示画面のサイズ等に合わせて、投射画像が縮小された画像であってもよい。また投射画像のフレームレートと、端末装置100が取得する画像のフレームレートは必ずしも一致させる必要はない。
【0064】
ここで、投射装置から取得したオリジナル画像は、該投射装置の識別子に対して予め関連づけられている表示領域に表示されるように予め設定されている。例えば、投射装置200の識別子に対応する表示領域は左上、投射装置201の識別子に対応する表示領域は右上、投射装置202の識別子に対応する表示領域は左下、投射装置203の識別子に対応する表示領域は右下、というように、平面上における投射装置200〜203による投射画像の配置順に従って、投射装置200〜203からのオリジナル画像の表示領域を決定しておく。
図11にオリジナル画像の表示例を示す。
【0065】
然るに画像データ取得部604は、投射装置200から取得したオリジナル画像は投射装置200の識別子に対応する表示領域に表示されるように表示部102に対して出力し、投射装置201から取得したオリジナル画像は投射装置201の識別子に対応する表示領域に表示されるように表示部102に対して出力し、投射装置202から取得したオリジナル画像は投射装置202の識別子に対応する表示領域に表示されるように表示部102に対して出力し、投射装置203から取得したオリジナル画像は投射装置203の識別子に対応する表示領域に表示されるように表示部102に対して出力する。なお、表示部102にはオリジナル画像だけを表示するのではなく、該オリジナル画像の取得元の投射装置の識別子も合わせて表示しても良い。
【0066】
操作対象特定部605は、表示部102に表示しているそれぞれのオリジナル画像のうち何れがユーザによって指示されたのかを特定する。これは、操作入力部103が検知したユーザの指示位置が、それぞれのオリジナル画像の表示領域のうち何れの表示領域内の位置であるのかを特定すれば良い。そして操作対象特定部605は、ユーザの指示位置を含む表示領域に関連づけられている識別子に対応する投射装置を、設定変更対象の投射装置として特定する。以降は第2の実施形態と同様である。
【0067】
端末装置600が行う処理について、
図10のフローチャートを用いて説明する。なお、
図10に示した処理ステップのうち、
図6に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
【0068】
<ステップS900>
画像データ取得部604は、投射装置200〜203のそれぞれから、投射画像を投射するために用いる「投射画像のオリジナル画像」と、該投射装置の識別子と、をLAN300を介して取得する。
【0069】
<ステップS1000>
画像データ取得部604は、ステップS900で取得したそれぞれのオリジナル画像を表示部102に対して送出し、表示部102に該それぞれのオリジナル画像を並べて表示する。
【0070】
<ステップS1000a>
操作対象特定部605は、それぞれのオリジナル画像の表示領域のうち何れかが指示されたのか否かを判断する。そしてこの判断の結果、指示された場合には処理はステップS1001に進み、指示されなかった場合には、ステップS1000aで待機する。
【0071】
<ステップS1001>
ステップS1001では、操作対象特定部605は、表示部102に表示しているそれぞれのオリジナル画像(投射画像)のうち何れがユーザによって指示されたのかを特定する。そして操作対象特定部605は、特定したオリジナル画像(表示領域)に対応する投射装置を、設定変更対象の投射装置として特定する。すなわち、操作対象特定部605は、投射画像が表示された表示画面に対するユーザ操作の表示画面上における位置から所定範囲内の画像と、各投射装置から取得した投射画像との比較に基づいて、設定変更対象の投射装置を特定する。
【0072】
[第4の実施形態]
本実施形態では、表示部102には撮像画像ではなく、画像400内における画像400a〜400dのそれぞれの領域を表した枠を表示する点が第1の実施形態と異なる。以下では第1の実施形態との差分について重点的に説明し、以下で特に触れない限りは第1の実施形態と同様であるものとして説明する。
【0073】
本実施形態では端末装置100の代わりに端末装置700を用いる。端末装置700の機能構成例について、
図12のブロック図を用いて説明する。
図12において
図2に示した機能部と同じ機能部については同じ参照番号を付しており、該機能部に係る説明は省略する。
【0074】
画像400内における画像400a〜400dのそれぞれの位置関係は、画面構成取得部104が取得する画面構成情報(構成情報)が表す範囲a〜範囲dから求めることができる。然るに、操作対象特定部705は、画面構成情報を参照し、画像400a〜400dのそれぞれの位置関係に応じて、画像400a〜400dのそれぞれに対応する枠を表示部102に表示する。例えば、
図14に示す如く、表示部102における表示画面の左上に画像400aに対応する枠、右上に画像400bに対応する枠、左下に画像400cに対応する枠、右下に画像400dに対応する枠、を表示する。なお、
図14には実線の枠が表示されているが、複数台の投射装置のそれぞれの投射領域を識別可能に表示することができれば、実線の枠に限らない。例えば、点線の枠でも、一点鎖線の枠でも良いし、枠の代わりに色によって識別可能に表示することも可能である。
【0075】
そして操作対象特定部705は、表示部102に表示しているそれぞれの枠のうち何れがユーザによって指示されたのかを特定する。これは、操作入力部103が検知したユーザの指示位置が、それぞれの枠のうち何れの枠内の位置であるのかを特定すれば良い。そして操作対象特定部705は、特定した枠に対応する投射装置(特定した枠に対応する画像を投射する投射装置として画面構成情報が規定する投射装置)を、設定変更対象の投射装置として特定する。以降は第1の実施形態と同様である。
【0076】
端末装置700が行う処理について、
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、
図13に示した処理ステップのうち、
図3に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
【0077】
<ステップS1300>
操作対象特定部705は、画面構成情報を参照し、画像400a〜400dのそれぞれの位置関係に応じて、画像400a〜400dのそれぞれに対応する枠を表示部102に表示する。
【0078】
<ステップS1301>
操作入力部103が、表示部102に表示しているそれぞれの枠のうち何れかの枠内の位置が指示されたのか否かを判断する。この判断の結果、指示された場合には、処理はステップS1302に進み、指示されていない場合には、処理はステップS1301で待機する。
【0079】
<ステップS1302>
操作対象特定部705は、表示部102に表示しているそれぞれの枠のうち何れがユーザによって指示されたのかを特定する。そして操作対象特定部705は、特定した枠に対応する投射装置を、設定変更対象の投射装置として特定する。すなわち、操作対象特定部705は、構成情報に基づいて複数台の投射装置の投射領域が識別可能に表示された表示画面に対するユーザ操作の表示画面上の位置に応じて、設定変更対象の投射装置を特定する。
【0080】
なお、以上説明した実施形態の一部若しくは全部は適宜組み合わせて用いても構わない。
【0081】
[第5の実施形態]
図2,5,9,12に示した各機能部のうち撮像部101、表示部102、操作入力部103、送信部106、を除く各機能部はハードウェアで構成しても構わないが、ソフトウェア(コンピュータプログラム)で構成しても構わない。この場合、このコンピュータプログラムは、端末装置が有するメモリに格納され、CPU等のプロセッサが該コンピュータプログラムを実行することで、対応する機能部の処理が実現されることになる。このような場合における端末装置のハードウェア構成例について、
図15のブロック図を用いて説明する。
図15において、
図2に示した機能部と同じ機能部には同じ参照番号を付しており、該機能部に係る説明は省略する。
【0082】
CPU1501は、RAM1502やROM1503に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて処理を実行することで、端末装置全体の動作制御を行うと共に、端末装置が行うものとして上述した各処理を実行する。
【0083】
RAM1502は、ROM1503からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリアや、撮像部101や外部(例えば投射装置200〜203)から取得したデータなどを格納するためのエリアを有する。また、RAM1502は、CPU1501が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように、RAM1502は各種のエリアを適宜提供することができる。
【0084】
ROM1503には、端末装置の設定データや起動プログラムが格納されている。更にROM1503には、
図2,5,9,12に示した各機能部のうち撮像部101、表示部102、操作入力部103、送信部106、を除く各機能部が行うものとして上述した各処理をCPU1501に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが格納されている。ROM1503に格納されているコンピュータプログラムやデータは、CPU1501による制御に従って適宜RAM1502にロードされ、CPU1501による処理対象となる。
【0085】
タッチパネル画面1504は、表示部102及び操作入力部103によって構成されるものであり、上記の通り、様々な情報を表示すると共に、ユーザからの指示入力を検知する。
【0086】
CPU1501、RAM1502、ROM1503、撮像部101、タッチパネル画面1504、送信部106、は何れも、共通のバス1505に
接続されている。なお、端末装置に適用可能なハードウェア構成は、
図15に示した構成に限るものではなく、様々な構成が考え得る。
【0087】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。