(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
現像済みの第1の動画データの再生中にユーザが静止画として切り出す画像として指定した画像の、前記第1の動画データにおけるフレーム位置を、前記第1の動画データの再生中に特定するように構成されたフレーム位置決定手段と、
前記第1の動画データに対応する未現像の第2の動画データから、前記フレーム位置決定手段により特定された前記フレーム位置に対応するフレーム位置の未現像の画像データを読み出して現像する現像手段と、
前記現像手段で現像した前記画像データを、静止画データに圧縮符号化する静止画符号化手段と、
前記静止画符号化手段で圧縮符号化して得た前記静止画データを、記録媒体に記録する記録手段と、を有し、
前記現像手段、前記静止画符号化手段及び前記記録手段による処理が、前記第1の動画データの再生動作と並行して実行するように構成されている
ことを特徴とする画像処理装置。
前記フレーム位置決定手段は、前記ユーザが前記画像を指定した際に、前記ユーザの指示に応じて、予め用意された複数の現像パラメータの中から一つの現像パラメータを選択するように更に構成されており、
前記現像手段では、前記画像に対応して選択された前記現像パラメータに基づいて現像処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
前記フレーム位置決定手段は、前記ユーザが前記画像を指定した際に、前記ユーザの指示に応じて、予め用意された複数のトリミング領域の中から一つのトリミング領域を選択するように更に構成されており、
前記現像手段では、前記画像に対応して選択されたトリミング領域に基づいて現像処理を行う
ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
現像済みの第1の動画データの再生中にユーザが静止画として切り出す画像として指定した画像の、前記第1の動画データにおけるフレーム位置を、前記第1の動画データの再生中に特定し、
前記第1の動画データに対応する未現像の第2の動画データから、特定された前記フレーム位置に対応するフレーム位置の未現像の画像データを読み出して現像する処理、現像した前記画像データを、静止画データに圧縮符号化する処理、及び圧縮符号化して得た前記静止画データを、記録媒体に記録する処理を、前記第1の動画データの再生動作と並行して実行する
ことを特徴とする画像処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について、
図1乃至
図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態による画像記録再生装置のブロック図である。
図2は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図3は、本実施形態による画像処理方法におけるアクセス管理情報のデータ構造を示す図である。
図4は、本実施形態による画像処理方法における動作タイミングと出力画面の遷移を示す図である。
【0016】
<システム構成>
本実施形態による画像記録再生装置のシステム構成について、
図1を用いて説明する。
本実施形態による画像記録再生装置100は、
図1に示すように、撮像部101、現像部102、RAW伸張部103、RAW圧縮部104を有している。また、表示処理部105、静止画伸張部106、動画伸張部107、静止画圧縮部108、動画圧縮部109、表示部110、記録再生部111、記録媒体112、システム制御部113、操作部(ユーザインタフェース部)114を有している。
【0017】
撮像部101は、レンズ(光学部材)や撮像センサ等を含むカメラ部であって、レンズから取り込んだ光信号をセンサにて電気信号へ変換した後、この画像情報を後段の現像部102及びRAW圧縮部104へ伝送する機能ブロックである。なお、本明細書では、撮像部101から出力される画像情報を、生(未現像)の画像を意味する「RAW画像」と称す。
【0018】
現像部102は、RAW画像に対してディベイヤー処理(デモザイク処理)を施し、輝度信号と色差信号とに変換後、各信号に含まれるノイズ除去、光学的な歪の補正、画像の適正化などの、いわゆる現像処理を行うための機能ブロックである。
【0019】
現像部102によって現像処理された画像データは、表示処理部105において後述する所定の表示処理がなされた後、表示部110にて表示される。現像部102によって現像処理された画像データは、静止画圧縮部108及び動画圧縮部109にも供給される。静止画圧縮部108は、画像データを静止画として圧縮するための機能ブロックである。動画圧縮部109は、画像データを動画として圧縮するための機能ブロックである。
【0020】
RAW伸張部103は、RAW圧縮部104で圧縮符号化されたRAWデータの記録ファイルを記録再生部111を介して記録媒体112から読み出して復号伸張するための機能ブロックである。RAW伸張部103は、後からユーザが各種パラメータを調整して現像処理が行えるように、復号伸張したRAW画像を現像部102へ供給する。
【0021】
RAW圧縮部104は、撮像部101が出力したRAW画像を、ウェーブレット変換や差分符号化等の圧縮技術を用いて高能率符号化し、圧縮符号化されたデータファイル形式に変換するための機能ブロックである。圧縮符号化された画像データは、記録再生部111を介して記録媒体112に記録ファイルとして記録される。
【0022】
表示処理部105は、取得した画像データに対して、解像度変換や色調変換等の画像処理や、タイムコードや撮像パラメータ(絞り、シャッタスピード、顔検出領域枠)等の情報をOSD重畳する処理などを行うための機能ブロックである。処理対象の画像データには、撮像部101又はRAW伸張部103から取得して現像部102で現像処理を行った画像データ、記録再生部111から読み出し静止画伸張部106又は動画伸張部107にてデコードした復号画像データが含まれる。
【0023】
静止画伸張部106は、記録再生部111を介して記録媒体112から読み出した、JPEG方式等の公知の静止画符号化方式を用いて圧縮符号化された静止画データをデコードして復号画像データを取得するための機能ブロックである。復号画像データは、静止画伸張部106から表示処理部105へ出力される。
【0024】
動画伸張部107は、記録再生部111を介して記録媒体112から読み出した、MPEG−2,H.264,H.265等の公知の動画圧縮符号化方式を用いて圧縮された動画データをデコードして復号画像データを取得するための機能ブロックである。復号画像データは、動画伸張部107から表示処理部105へ出力される。
【0025】
静止画圧縮部108は、現像部102にて現像された画像データに対して上述した公知の静止画圧縮符号化技術を用いて情報圧縮を行うための機能ブロックである。情報圧縮した静止画データは、静止画圧縮部108から記録再生部111へ出力される。記録再生部111へ出力された静止画データは、静止画ファイルデータとして記録媒体112へ記録される。
【0026】
動画圧縮部109は、現像部102にて現像された画像データに対して上述した公知の動画圧縮符号化技術を用いて情報圧縮を行うための機能ブロックである。情報圧縮した動画データは、動画圧縮部109から記録再生部111へ出力される。記録再生部111へ出力された動画データは、動画ファイルデータとして記録媒体112へ記録される。
【0027】
表示部110は、表示処理部105で画像処理された記録画像又は再生画像を、EVFや液晶パネル等の表示デバイスへ出力する機能や、HDMI(登録商標)等のインタフェースを用いて外部出力する機能を有する機能ブロックである。
【0028】
記録再生部111は、記録媒体112への各種画像データの記録再生を制御するための機能ブロックであり、記録した画像データに対してファイル単位でランダムアクセス可能なFAT等のファイルシステムを有するものとする。
【0029】
記録媒体112としては、SSD、SDカード、CFカード、HDD等の大容量記録媒体が想定される。記録媒体112は、圧縮されたRAWデータ、静止画データ、動画データをリアルタイムで記録再生できる転送レートを有するものとする。
【0030】
システム制御部113は、上述の機能ブロックの各々に対して動作の開始及び停止、パラメータ設定等の全体動作を、図示せぬCPU等のプロセッサ、マイクロコントローラによって制御するための機能ブロックである。システム制御部113は、後述の画像処理方法の各ステップを、上述の機能ブロックを介してコンピュータに実行させるための処理手順が記述された制御プログラム及びそのデータなどが記憶されたコンピュータ読み出し可能な可読記録媒体を含む。可読記録媒体としては、ハードディスクの他、形態自在な光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクおよびICメモリなどで構成されていてもよい。この制御プログラム及びそのデータなどがROMに記憶されるが、この制御プログラム及びそのデータは、他の可読記録媒体から、または、無線、有線またはインターネットなどを介してダウンロードされてもよい。
【0031】
操作部114は、タッチパネル、ボタン、ダイヤル等のユーザインタフェース用デバイスを介して、ユーザが指定した当該システムの動作モードや選択決定情報等をシステム制御部113に通知するための機能ブロックである。
【0032】
以上が、本実施形態による画像処理装置におけるシステム構成の概略である。
【0033】
なお、本明細書では、撮像部101を主体とする画像データを取得するための機能ブロックを撮像装置、撮像装置から取得した画像データを処理するためのその他の機能ブロックを画像処理装置と呼ぶこともある。
【0034】
<処理フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図2及び
図3を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図2に示す処理フローを含む。この処理フローに従った処理は、現像済みの画像データを動画圧縮部109で圧縮符号化して記録した動画データを、プロキシ画像として記録媒体112から読み込み、表示部110で表示するまでの一連の再生動作時に実行される。この処理フローは、1フレームを単位としたタイミングで実行されるものとする。なお、記録媒体112には、予め、RAW動画データと、このRAW動画データと同時に記録されたプロキシ動画データとが記録されているものとする。
【0035】
まず、ステップS201では、現在のシステム動作状態がプロキシ動画データ再生中であるかどうかを判断する。
【0036】
RAW動画データの記録中や静止画の記録中等、プロキシ動画データの再生中ではない場合(ステップS201のFALSE)は、本処理フローを終了する。
【0037】
プロキシ動画の再生中の場合(ステップS201のTRUE)は、通常動作として、動画伸張部107にて復号画像をデコードして取得する。そして、表示処理部105にて画像処理を行った後、表示部110へ出力する動作をフレーム単位でリアルタイムに行う(ステップS202)。
【0038】
さらに本実施形態による画像処理方法では、ステップS202の処理ステップと並行して、ステップS203からステップS208までの処理ステップをバックグランドで実行する。すなわち、ステップS202の処理ステップと、ステップS203からステップS208までの処理ステップとの並列処理を行う。
【0039】
ステップS203では、現在表示出力中の画像データについて、ユーザから、タッチパネル等の操作部114を介して、動画からの静止画切り出し(キャプチャ)指示があったかどうかを判断する。
【0040】
キャプチャ指示がなかった場合(ステップS203のFALSE)は、ステップS209に移行する。
【0041】
キャプチャ指示があった場合(ステップS203のTRUE)は、未現像のRAW動画データから、現在表示中のプロキシ動画のフレーム時間位置と同じフレーム時間位置に対応する画像データの読み込みを行う(ステップS204)。
【0042】
ステップS204の処理を実現する具体例として、ここでは
図3に示すアクセス管理情報を用いてフレーム位置特定を行う方法を説明する。ただし、ステップS204を実施する方法は、プロキシ画像と未現像RAW画像との同時刻のフレーム位置を関連付ける手段を有するものであればよく、ここで説明する方法に限定されるものではない。
【0043】
ステップS204の処理に用いるアクセス管理情報は、圧縮符号化動画データ及び未現像RAW動画データの同時記録時に作成され、記録媒体112や図示せぬフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ等に記憶し保持される。アクセス管理情報としては、例えば
図3(a)に示すデータ構造のものを適用することができる。
図3(a)に示すアクセス管理情報は、ファイル名、記録日時、記録した画像の総フレーム数、そして当該フレーム数分だけリスト形式で、フレーム単位のファイル先頭からのオフセットアドレス及びデータサイズを備えている。
【0044】
アクセス管理情報の生成時には、
図3(b)に例示したプロキシ動画データ用と、
図3(c)に例示したRAW動画データ用の、2つのアクセス管理情報を生成する。こうすることで、所定の命名規則を付けたファイル名であればファイル名から、或いは、同じ記録日時から、同時記録した2つの動画データであることを判定可能になる。そして、アクセス管理情報のフレーム数に対応したリスト構造のデータから、同じフレーム位置にある各画像データの記録位置とデータサイズとを取得することが可能になる。
【0045】
例えば、プロキシ動画ファイル(ファイル名、MOVIEnnn.264)の2フレーム目の表示中にキャプチャ指示があったものとする。この場合、アクセス管理情報を参照して、RAW動画ファイル(ファイル名、MOVIEnnn.raw)の2フレーム目の情報、オフセットアドレス0x15000から、データサイズ0x20000分読みこむ処理を行う。
【0046】
このようにして、アクセス管理情報を適用して、キャプチャ指示のあったフレーム位置と同じフレーム位置のRAW画像データを読み込むことができる。なお、ここで読み込まれるRAW画像データは、圧縮符号化されたRAW画像データである。
【0047】
ステップS205では、RAW伸張部103において、読み込んだRAW画像データを、再度ベイヤデータ(RAW画像データ)に復号伸張する。
【0048】
ステップS206では、現像部102において、復号されたキャプチャ指示のフレーム画像に対応するRAW画像データの現像処理を行う。
【0049】
ステップS207では、現像処理を行ったデータを静止画圧縮部108へ転送し、公知の静止画符号化方式を適用して、静止画データの情報圧縮を行う。
【0050】
そして、ステップS208では、静止画符号化した画像データを記録ファイルとして記録再生部111を介して記録媒体112に書き込む。
【0051】
以上のステップS203からステップS208までの処理ステップを、ステップS202にてフレーム単位で表示出力を行う動作の、バックグランド処理として並行して行う。
【0052】
続いて、ステップS209において、プロキシ画像の表示出力がファイル終端に到達し又はユーザ操作により再生停止指示を受信して、最終フレーム画像であると判断された場合(ステップS209のTRUE)は、本処理フローを終了する。次のフレーム期間に復号及び表示出力するプロキシ画像データがまだ残っている場合(ステップS209のFALSE)は、ステップS201に移行して上述の処理ステップを繰り返す。
【0053】
以上が、本実施形態による画像処理方法における処理フローである。
【0054】
<適用例>
本実施形態による上述の処理フローを適用して、動画再生中に、再生動作を停止することなく静止画キャプチャを行った場合の動作例について、
図4を用いて説明する。
【0055】
図4には、時間方向に対する、再生画像の出力画面(パネル出力)、静止画キャプチャ指示、プロキシ動画再生、圧縮RAWデータリード、圧縮RAWデータ伸張、現像処理、静止画圧縮符号化及び静止画データライトの動作状態を示している。各機能ブロックの動作状態を示す波形は、動作中をHIGH、停止中をLOWとして表すものとする。また、プロキシ動画再生は、1画面を処理する時間を1フレーム期間として、この期間内に一画面分の復号及び表示処理を行うものとする。
【0056】
図4は、動画再生中に、時刻t
A,t
B,t
Cにおいて計3回、静止画キャプチャ指示が行われたタイミング(図中のキャプチャ指示信号がHIGHになった期間)で静止画キャプチャを行ったケースを示している。
【0057】
キャプチャ指示は、例えば、表示出力中の再生画像を、タッチパネル等を介してユーザが画面にタッチしたことを受けて、操作部114からシステム制御部113にコマンドとして通知することができる。ただし、同じ機能を実現する手段であれば、ユーザからのキャプチャ指示を認識してコマンドとして通知する手段は、特に限定されるものではない。
【0058】
時刻t
Aにおいて、キャプチャ画像Aのキャプチャ指示を受信したものとする。時刻t
Aは、プロキシ動画再生においては、点描で示した網掛けをしたフレーム期間に対応する。そこで、当該フレーム期間に表示中の符号化圧縮データのフレーム位置に対応するRAW動画データを、上述のアクセス管理情報を用いて読み出す(圧縮RAWデータリード)。そして、上述の圧縮RAWデータ伸張、現像処理、静止画圧縮符号化及び記録(静止画データライト)の一連の処理を順番に行うことで、静止画キャプチャを実施する。
【0059】
このとき、それぞれの処理ステップの処理時間は、処理データ量や図示せぬデータバスの占有率、機能ブロックの処理性能等の制約によって、必ずしも1フレーム期間内に完了する必要はなく、バックグラウンド処理としてプロキシ動画再生と並行して行う。
【0060】
時刻t
Bにおけるキャプチャ画像Bのキャプチャ指示受信時、時刻t
Cにおけるキャプチャ画像Cのキャプチャ指示受信時の処理についても同様である。このようにプロキシ動画再生中にキャプチャ指示を行っても、プロキシ動画再生を止めることなく、静止画キャプチャができるようになる。
【0061】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。
【0062】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について、
図5乃至
図8を用いて説明する。
図1乃至
図4に示す第1実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
【0063】
図5は、本実施形態による画像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
図6は、本実施形態による画像処理方法におけるキャプチャ位置情報のデータ構造を示す図である。
図7は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態による画像処理方法における動作タイミングと出力画面の遷移を示す図である。
【0064】
第1実施形態では、ユーザがプロキシ動画再生中にキャプチャ指示したタイミングで、表示出力中のフレーム画像と同一時間位置のRAW画像データを現像し、高画質な静止画像をキャプチャする方法を説明した。
【0065】
本実施形態では、プロキシ動画再生の再生停止後に、プロキシ動画再生中にキャプチャ指示のあったフレーム画像を読み出して、まとめて静止画キャプチャする構成とした画像記録再生装置及び画像処理方法について説明する。
【0066】
<システム構成>
本実施形態による画像記録再生装置のシステム構成について、
図5を用いて説明する。
本実施形態による画像記録再生装置100は、
図5に示すように、
図1に示す第1実施形態による画像記録再生装置100の構成に加えて、キャプチャ位置情報記憶部501を更に有している。
【0067】
キャプチャ位置情報記憶部501は、プロキシ動画再生中、ユーザがキャプチャ指示をした時に、プロキシ動画の表示出力フレームと同一時刻のRAW動画データのフレーム位置情報を生成し、記憶保持する機能を備えたものである。キャプチャ位置情報記憶部501は、システム制御部113に接続されており、システム制御部113によって動作の制御が行われる。システム制御部113は、キャプチャ位置情報記憶部501に記憶されたキャプチャ位置情報に基づき、他の機能ブロックを制御することが可能である。
【0068】
図6は、キャプチャ位置情報記憶部501に記憶されるキャプチャ位置情報のデータ構造の一例である。
図6のキャプチャ位置情報は、キャプチャ対象のRAW動画ファイル名、キャプチャ指定のあったフレーム数を含む。また、当該フレーム数分のリスト構造で、キャプチャ指定のあったフレーム画像データが格納されている位置のファイル先頭からのオフセットアドレスとデータサイズとを含む。
【0069】
キャプチャ位置情報は、プロキシ動画再生中におけるキャプチャ指示の受信時に、システム制御部113の指示に基づいて、アクセス管理情報を参照し、キャプチャ指示のあったフレーム位置のアドレス情報とデータサイズとを抽出することにより生成する。
【0070】
その他の機能ブロックについては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
<処理フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図7を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図7に示す処理フローを含む。
図7に示される処理フローにおけるステップS201〜S209では、
図2に示した第1実施形態の処理フローにおけるステップS201〜S209と同一の処理が実行される。このため、ステップS201〜S209における処理については、適宜説明を省略する。
【0072】
まず、ステップS201では、現在のシステム動作状態がプロキシ動画データ再生中であるかどうかを判断する。RAW動画画像の記録中や静止画の記録中等、プロキシ動画データの再生中ではない場合(ステップS201のFALSE)は、ステップS209へ移行する。プロキシ動画の再生中の場合(ステップS201のTRUE)は、通常動作として、動画伸張部107にて復号画像をデコードして取得する。そして、表示処理部105にて画像処理を行った後、表示部110に出力する動作をフレーム単位でリアルタイムに行う(ステップS202)。
【0073】
さらに本実施形態による画像処理方法では、ステップS202の処理ステップと並行して、ステップS203及びステップS701の処理ステップをバックグランドで実行する。すなわち、ステップS202の処理ステップと、ステップS203及びステップS701の処理ステップとの並列処理を行う。
【0074】
ステップS203では、現在表示出力中の画像データについて、ユーザからのキャプチャ指示があったかどうかを判断する。
【0075】
キャプチャ指示がなかった場合(ステップS203のFALSE)は、ステップS209に移行する。
【0076】
キャプチャ指示があった場合(ステップS203のTRUE)は、ステップS701に移行し、キャプチャ指示時に表示中のプロキシ画像と同一時間に位置するRAW動画のフレーム位置情報を、キャプチャ位置情報記憶部501に登録する。キャプチャ位置情報記憶部501へは、例えば
図6に示したデータ形式のキャプチャ位置情報データを登録する。その後、ステップS209に移行する。
【0077】
ステップS209では、プロキシ画像の表示出力がファイル終端に到達し又はユーザ操作により再生停止指示を受信して、最終フレーム画像であるかどうかを判断する。次のフレーム期間に復号及び表示出力するプロキシ画像データがまだ残っている場合(ステップS209のFALSE)は、ステップS201に移行して上述の処理ステップを繰り返す。最終フレーム画像表示となった場合(ステップS209のTRUE)には、ステップS702に移行する。
【0078】
ステップS702では、ステップS701で登録したキャプチャ位置情報の登録数に相当する回数、以降のステップS204からステップS208までの処理を繰り返し実行する。このとき、ステップS204では、ステップS701で登録したキャプチャ位置情報を参照して、静止画キャプチャするRAW動画データのみを読み出す。このようにして、各キャプチャ指示に対応する位置のRAW動画データから静止画ファイルを生成し、記録媒体112に記録ファイルとして記録する。
【0079】
なお、本処理フローには図示していないが、本処理フローの実行後には、終了処理としてキャプチャ位置情報を破棄する処理を実行する。これにより、同一ファイルを再度再生したときに、キャプチャ指示をしていないのに前回の登録情報を使ってキャプチャ動作することを防止できる。
【0080】
以上が、本実施形態による画像処理方法の処理フローである。
【0081】
<適用例>
本実施形態による上述の動作フローを適用した動作例について、
図8を用いて説明する。
図8には、時間方向に対する、再生画像の出力画面、静止画キャプチャ指示、プロキシ動画再生、圧縮RAWデータリード、圧縮RAWデータ伸張、現像処理、静止画圧縮符号化及び静止画データライトの動作状態を示している。また、
図8には、ステップS701におけるキャプチャ位置情報の登録処理の実行タイミングについても示している。
【0082】
本実施形態の画像処理方法では、キャプチャ指示をトリガとして指示受信直後からRAWデータの読み込みから静止画記録までの処理をバックグラウンドで行うのではなく、プロキシ動画の再生終了後に、一連のキャプチャ処理をまとめて行う。
【0083】
図8の例では、キャプチャ画像A,B,Cをキャプチャ指示したタイミング(時刻t
A,t
B,t
C)で、キャプチャ位置情報ファイルにキャプチャ位置情報を追記していくかたちで登録する。そして、プロキシ動画再生を停止した時点(時刻t
END)から、パネル画面上には最終フレーム画像の一時停止表示或いはメニュー画面を表示している期間中に、キャプチャ位置情報を参照してキャプチャ画像A、B,Cをまとめて生成する。
【0084】
このような処理を実現することによって、第1実施形態と同様に、プロキシ動画再生を停止することなく、高画質な静止画キャプチャを実現できるようになる。
【0085】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。
【0086】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について、
図9及び
図10を用いて説明する。
図1乃至
図8に示す第1及び第2実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
【0087】
図9は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図10は、本実施形態による画像処理方法における動作タイミングと出力画面の遷移を示す図である。
【0088】
第2実施形態では、静止画キャプチャ指示があったときにキャプチャ位置情報を生成して登録しておき、再生終了時に当該位置情報を参照して、あとから静止画キャプチャをまとめて実行する方法を説明した。
【0089】
本実施形態では、再生終了後に、キャプチャ画像のサムネイル画像をメニュー画面として表示し、選択されたサムネイル画像に対応するキャプチャ画像のみを符号化して記録媒体に保存する構成とした画像記録再生装置及び画像処理方法について説明する。この構成によれば、再生中にユーザがキャプチャ指示を行った後でも、サムネイル表示を介した選択画面を用意することで、キャプチャ指示タイミングを失敗した画像を除去し、本当に気に入った画像だけをキャプチャすることができ、利便性が向上する。
【0090】
<システム構成>
本実施形態による画像記録再生装置の基本的なシステム構成は、
図5に示す第2実施形態による画像記録再生装置と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0091】
<処理フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図9を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図9に示す処理フローを含む。
図9に示される処理フローにおけるステップS201〜S209,S701,S702では、
図7に示した第2実施形態の処理フローにおけるステップS201〜S209,S701,S702と同一の処理が実行される。このため、ステップS201〜S209における処理については、適宜説明を省略する。
【0092】
本実施形態による画像変換方法は、ステップS209までの処理は、第2実施形態による画像変換方法と同様である。
【0093】
ステップS702では、ステップS701で登録したキャプチャ位置情報の登録数に相当する回数、ステップS204,S205,S206,S901の処理ステップを繰り返し実行する。
【0094】
ステップS204では、ステップS701で登録したキャプチャ位置情報を参照して、静止画キャプチャするRAW動画データのみを読み出す。
【0095】
ステップS205では、RAW伸張部103において、読み込んだRAW画像データを、再度ベイヤデータ(RAW画像データ)に復号伸張する。
【0096】
ステップS206では、現像部102において、復号されたキャプチャ指示のフレーム画像に対応するRAW画像データの現像処理を行う。
【0097】
ステップS901では、表示処理部105において、現像処理を行ったデータに対して縮小処理を行ったサムネイル画像を生成し、再生停止後に表示するキャプチャ画像決定メニュー画面へ出力する。キャプチャ位置情報の登録数に相当する数のサムネイル画像を取得した後、ステップS902に移行する。
【0098】
ステップS902では、キャプチャ画像決定メニュー画面上に表示したサムネイル画像の中に、ユーザ操作によってキャプチャを実行すると選択されたサムネイル画像が存在するかどうかを判断する。サムネイル画像と元になる現像済みの画像データとの関連付けは、図示せぬシステム制御部113のメモリに記憶する。パネル画面上には、ユーザがキャプチャ実行の決定又はキャンセルをサムネイル画像毎に選択できるGUIアイコンを備えるようにしてもよい。
【0099】
プロキシ動画再生中に1枚以上のキャプチャ指示はあったが、サムネイル表示をしたメニュー画面には気に入ったものがなく、サムネイル画像の選択が行われなかった場合(ステップS902のFALSE)は、キャプチャ処理は行われず処理フローは終了する。一方、サムネイル画像の選択によるキャプチャ決定指示があった場合(ステップS902のTRUE)は、ステップS903に移行する。
【0100】
ステップS903では、選択された総てのサムネイル画像について、対応する現像済みの画像データを静止画ファイルとするキャプチャ処理が完了するまで、ステップS207及びステップS208の処理を繰り返し実行する。
【0101】
ステップS207では、現像処理を行ったデータを静止画圧縮部108へ転送し、公知の静止画符号化方式を適用して、静止画データの情報圧縮を行う。また、ステップS208では、静止画符号化した画像データを記録ファイルとして、記録再生部111を介して記録媒体112に書き込む。
【0102】
選択された総てのサムネイル画像に対応する現像済みの画像データに対するキャプチャ処理が完了(ステップS903のFALSE)すると、本処理フローは終了する。
【0103】
以上が、本実施形態による画像処理方法における処理フローである。
【0104】
<適用例>
本実施形態による上述の処理フローを適用した動作例について、
図10を用いて説明する。
図10には、時間方向に対する、再生画像の出力画面、静止画キャプチャ指示、キャプチャ位置情報登録、プロキシ動画再生、圧縮RAWデータリード、圧縮RAWデータ伸張、現像処理、静止画圧縮符号化及び静止画データライトの動作状態を示している。
【0105】
図10の例では、
図8に示す第2実施形態の場合と同様、プロキシ動画再生中に、キャプチャ画像A,B,Cをキャプチャ指示したタイミング(時刻t
A,t
B,t
C)で、キャプチャ位置情報を登録している。
【0106】
本実施形態では、プロキシ動画再生を停止した時点(時刻t
END)からRAW画像データの読み込みを開始するが、キャプチャ画像の現像処理が完了した時点で、各現像済み画像データからサムネイル画像を生成してメニュー画面に表示する。
【0107】
図10の例では、現像完了時に、メニュー画面にキャプチャ画像A,B,Cのサムネイル画像を表示している。そして、複数のサムネイル画像の中からユーザがキャプチャ画像Bを選択した時点(時刻t
CAPTURE)から、選択されたサムネイル画像の元になったRAW動画から生成した現像済みの画像データを静止画符号化し、記録媒体への書き込みを行う。
【0108】
このようにして、再生停止後に一枚ずつ選択及び決定をする判断手段を設けることにより、ユーザの誤操作により間違えたキャプチャ画像の生成を回避できるようになる。
【0109】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。また、ユーザが気に入った画像だけをキャプチャすることができ、利便性を向上することができる。
【0110】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について、
図11及び
図12を用いて説明する。
図1乃至
図10に示す第1乃至第3実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
【0111】
図11は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図12は、本実施形態による画像処理方法における動作タイミングと出力画面の遷移を示す図である。
【0112】
第3実施形態では、プロキシ動画再生終了後に、キャプチャ指示のあった画像データのサムネイル画像を生成してメニュー表示を行い、ユーザが選択決定した画像データのみを静止画符号化してキャプチャ処理する方法を説明した。
【0113】
本実施形態では、ユーザ操作によるキャプチャ指示受信時、当該指示タイミングで表示出力しているフレーム画像に加えて、時間方向に連続するフレームに対応する画像データについても、キャプチャ位置情報を登録する。そして、これらキャプチャ位置情報に基づいて、キャプチャ指示タイミングのフレーム位置と前後フレーム位置のサムネイル画像をメニュー画面上で表示出力し、ユーザ選択されたサムネイルのキャプチャ画像のみを符号化して記録媒体に保存する。これにより、コンテンツの被写体動きが速いシーン等、ユーザが想定した指示タイミングの画像と、実際のキャプチャ画像とで、画質や構図が異なってしまった場合でも、前後フレームを使ってキャプチャ位置を調整することが可能となる。これにより、本当に気に入った画像だけをキャプチャすることができ、利便性が向上する。
【0114】
<全体システム構成>
本実施形態による画像記録再生装置の基本的なシステム構成は、
図5に示す第2及び第3実施形態による画像記録再生装置と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0115】
<処理フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図11を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図11に示す処理フローを含む。
図11に示す処理フローは、ステップS701の処理の代わりにステップS1101の処理を行うほかは、
図9に示す第3実施形態による画像処理方法における処理フローと同じである。
【0116】
ステップS1101は、基本的な処理としては第2及び第3実施形態のステップS701と同様である。ステップS1101では、キャプチャ指示のあったフレーム画像に対応するRAW動画のデータ格納アドレス及びサイズ情報に加えて、その前後のフレーム画像に対応するRAW動画のデータ格納アドレス及びサイズ情報も、キャプチャ位置情報として登録する。
【0117】
このように生成したキャプチャ位置情報を適用し、ステップS702以降の処理を実行することで、キャプチャ指示タイミングのフレーム画像に加えて、前後に位置するフレーム画像に対応するRAW動画の画像データを予め現像しておく。
【0118】
このように生成されたキャプチャ指示タイミングのフレーム画像の画像データ及びその前後のフレーム画像の画像データは、ステップS901において処理され、メニュー画面へ表示される。結果、ユーザは、サムネイルメニュー画面を確認した後、キャプチャ指示タイミングとは異なる前後に位置する画像に、構図や画質として気に入ったものがあれば、それを選択してキャプチャすることができるようになる。
【0119】
なお、本実施形態では1回のキャプチャ指示に対して、前後のフレーム画像1枚ずつを合わせた3画像分を予め現像する構成を前提としているが、必ずしも1回のキャプチャ指示に対して3画像分を予め現像するように構成する必要はない。画像記録再生装置内に備える図示せぬDRAM等のメモリサイズが大きければ、より多くのキャプチャ候補画像を一時的に保持することができるようになる。
【0120】
また、必ずしもキャプチャ指示あったフレームの前後に位置するフレーム画像を両方用いる必要はなく、いずれかのフレーム画像のみを用いてもよい。また、前後のフレーム画像の代わりに、キャプチャ指示あったフレームから特定のフレーム間隔(例えば2フレーム)離間したフレーム画像を用いてもよい。
【0121】
以上が、本実施形態による画像処理方法における処理フローである。
【0122】
<適用例>
本実施形態による上述の動作フローを適用した動作例について、
図12を用いて説明する。
図12の例は、プロキシ動画再生中に、キャプチャ画像A,B,Cをキャプチャ指示したタイミング(時刻t
A,t
B,t
C)で、キャプチャ指示タイミングの前後に位置するフレームのRAW動画データについてもキャプチャ位置情報の登録を行っている。ここでは、キャプチャ画像Aの前フレームの画像データをA’、後続フレーム画像データをA”としている。同様の表記方式を適用して、キャプチャ画像Bについては、前方フレームの画像データをB’、後方フレームの画像データをB”とし、キャプチャ画像Cについては、前方フレームの画像データをC’、後方フレームの画像データをC”としている。
【0123】
そして、プロキシ動画再生が停止したタイミング(時刻t
END)ののち、キャプチャ位置情報を参照し、画像A’〜C”までの9画像について、順次RAWデータ読み出しから現像処理までを連続して実行し、サムネイルメニューを生成する。
【0124】
図12の例では、キャプチャ候補画像A,A’,A”までの3画像のサムネイルをパネル出力画像として表示し、ユーザは当該画面を確認して、所望の画像のみをキャプチャ選択できるようになっている。そしてキャプチャ画像選択決定後、選択決定した画像A,A”,B,C’,C”の5画像について、タイミングt
CAPUREから、一時記憶した現像後の画像データを使用して、静止画符号化と記録媒体書き込みとを連続して実行する。
【0125】
このような処理を実現することによって、ユーザが想定した画像により近いキャプチャ画像を取得できるようになる。
【0126】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。また、ユーザが気に入った画像だけをキャプチャすることができ、利便性を向上することができる。
【0127】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について、
図13乃至
図15を用いて説明する。
図1乃至
図12に示す第1乃至第4実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
【0128】
図13は、本実施形態による画像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
図14は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図15は、本実施形態による画像処理方法におけるパネル出力例を示す図である。
【0129】
第4実施形態では、プロキシ動画再生中のキャプチャ指示タイミング時、表示出力中のフレーム画像に加え、このフレーム画像位置に前後するフレーム画像をも合わせて現像処理することで、後からユーザがより好ましい画像を選択することを可能にした。
【0130】
本実施形態では、ユーザがプロキシ動画再生中のキャプチャ指示タイミングと同時に、当該キャプチャ画像を現像処理する際の現像パラメータを予め用意したパラメータセットから選択できるようにした画像記録再生装置及び画像処理方法を説明する。
【0131】
<システム構成>
本実施形態による画像記録再生装置のシステム構成について、
図13を用いて説明する。
本実施形態による画像記録再生装置100は、
図13に示すように、
図5に示す第2実施形態による画像記録再生装置100の構成に加えて、現像パラメータ情報記憶部1301を更に有している。
【0132】
現像パラメータ情報記憶部1301は、キャプチャ位置情報記憶部501に保持されているキャプチャ位置情報と関連付けを行ったキャプチャ位置の未現像RAW画像データを現像処理する際のパラメータ情報を生成し、記憶保持する機能を備える。現像パラメータ情報は、現像部102が有する現像処理の性能範囲内で調整可能な、γ調整やホワイトバランス調整、各種フィルター処理の調整パラメータを、一つ以上の現像モードとして定義するものとする。
【0133】
現像パラメータ情報記憶部1301は、システム制御部113に接続されており、システム制御部113によって動作の制御が行われる。システム制御部113は、現像パラメータ情報記憶部1301に記憶された現像パラメータ情報に基づき、現像部102を制御することが可能である。
【0134】
また、表示処理部105は、プロキシ動画再生中、画像キャプチャ指示用の操作情報に加えて、現像モードをアイコン等のグラフィックス表示等で直感的に視認できる形式でOSD表示する機能を備えている。
【0135】
図15は、キャプチャ画像選択時のパネル出力画面の一例を示したものである。この例では、現像処理に伴う各種パラメータ設定値を一つ一つ細かく設定可能なインタフェースではなく、「モノクロ」、「セピア」、「ソフトフォーカス」等のように、ユーザが直感的に現像後のキャプチャ画像の出力結果を推定判断できる形式としている。
【0136】
その他の機能ブロックについては第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0137】
<処理フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図14を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図14に示す処理フローを含む。
図14に示す処理フローは、ステップS701の後にステップS1401を有する点、ステップS205とステップS206との間にステップS1402を有する点を除き、
図9に示す第3実施形態による画像処理方法の処理フローと同様である。
【0138】
ステップS1401では、キャプチャ指示と同時に、
図15に示したようなインタフェース画面を介してユーザが選択した現像パラメータモードを取得し、現像パラメータ情報記憶部1301にて現像部へ設定するパラメータ情報を生成して登録する。
【0139】
そして、ステップS1402では、ステップS205にて伸張処理した未現像の画像データに対して実行する現像処理のパラメータ値を、現像パラメータ情報記憶部1301を参照して取得する。
【0140】
続く、ステップS206では、ステップS1402で取得したパラメータ値を使用して現象処理を行う。
【0141】
以上が、本実施形態による画像処理方法における処理フローである。
【0142】
本実施形態を適用することにより、RAW画像データの現像処理の自由度が向上し、色々な撮影効果やフィルター処理を施したキャプチャ画像作成を、あとからユーザが静止画データを編集することなく、画像処理装置本体で簡単に実行できるようになる。
【0143】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。また、RAW画像データの現像処理の自由度が向上し、色々な撮影効果やフィルター処理を施したキャプチャ画像作成を、あとからユーザが静止画データを編集することなく、画像処理装置本体で簡単に実行することができる。
【0144】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について、
図16乃至
図18を用いて説明する。
図1乃至
図12に示す第1乃至第5実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
【0145】
図16は、本実施形態による画像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
図17は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図18は、本実施形態による画像処理方法におけるパネル出力例を示す図である。
【0146】
第5実施形態では、ユーザがプロキシ動画再生中のキャプチャ指示タイミングと同時に、当該キャプチャ画像を現像処理する際の現像パラメータを予め用意したパラメータセットから選択可能とする方法を説明した。
【0147】
本実施形態では、ユーザがプロキシ動画再生中のキャプチャ指示タイミングと同時に、当該キャプチャ画像を現像処理する際のトリミング領域を予め用意した画面領域情報から選択できるようにした画像記録再生装置及び画像処理方法を説明する。
【0148】
本実施形態を適用することにより、画面内の好きな領域だけ切り出して静止画キャプチャする編集処理を、画像記録再生装置本体における簡単な操作で実行可能となるため、あとからユーザが静止画データを編集する煩雑な作業が不要となる。
【0149】
<システム構成>
本実施形態による画像記録再生装置のシステム構成について、
図16を用いて説明する。
本実施形態による画像記録再生装置100は、
図16に示すように、
図5に示す第2実施形態による画像記録再生装置100の構成に加えて、トリミング領域情報記憶部1601を更に有している。
【0150】
トリミング領域情報記憶部1601は、キャプチャ位置情報記憶部501が保持するキャプチャ位置情報と関連付けられたキャプチャ位置の未現像RAW画像データを現像処理する際の、画像データ中の現像領域を指定したトリミング情報を生成し保持する。トリミング情報としては、「全て(トリミング無し)」「顔エリア」「フォーカスエリア」というような、キャプチャ時の切り出し領域を選択できる一つ以上のキャプチャエリアモードを定義することができる。画像処理装置の図示せぬ画像処理部での顔検出や、フォーカス領域をカメラ情報としてEXIF等のメタデータ形式で記録した情報を参照することによって、選択されたキャプチャモードに応じて未現像のRAW画像データから任意の画像領域だけを現像する。
【0151】
トリミング領域情報記憶部1601は、システム制御部113に接続されており、システム制御部113によって動作の制御が行われる。システム制御部113は、トリミング領域情報記憶部1601に記憶されたキャプチャ位置情報に基づき、現像部102を制御することが可能である。
【0152】
また、表示処理部105は、プロキシ動画再生中、画像キャプチャ指示用の操作情報に加えて、トリミング領域モードをアイコン等のグラフィックス表示等で直感的に視認できる形式でOSD表示する機能を備えている。
【0153】
図18(a)〜(c)は、キャプチャ画像選択時のパネル出力画面の一例を示したものである。この例では、トリミング処理による切り出し領域を細かく設定にするユーザインタフェースではなく、上述した「全て」、「顔エリア」、「フォーカスエリア」等のように、ユーザが直感的に現像後のキャプチャ画像の出力結果を推定判断できる形式としている。
【0154】
その他の機能ブロックについては第2の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0155】
<処理フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図17を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図17に示す処理フローを含む。
図17に示す処理フローは、ステップS701の後にステップS1701を有する点、ステップS205とステップS206との間にステップS1702を有する点を除き、
図9に示す第3実施形態による画像処理方法の処理フローと同様である。
【0156】
ステップS1701では、キャプチャ指示と同時に、
図18に示したようなインタフェースを介してユーザが選択したトリミング領域モードを取得し、トリミング領域情報記憶部1601にて現像部へ設定する現像データの画面領域情報を生成して登録する。
【0157】
そして、ステップS1702では、ステップS205にて伸張処理した未現像の画像データに対して、実際に現像処理を実行する画面領域を設定するために、トリミング領域情報記憶部1601を参照してトリミング領域情報を取得する。
【0158】
続く、ステップS206では、ステップS1702で取得したトリミング領域情報を使用して、RAW画像データの一部又はすべてについて現象処理を行う。
【0159】
以上が、本実施形態による画像処理方法における処理フローである。
【0160】
<適用例>
本実施形態による上述の処理フローを適用した動作例について、
図18を用いて説明する。なお、本実施形態による画像処理方法における各機能ブロックの動作タイミング及び動作状態については、
図10に示す第3実施形態の場合と同じものとする。
【0161】
図18は、キャプチャ画像Aの選択時t
Aでのパネル出力画像(
図18(a))、キャプチャ画像Bの選択時t
Bでのパネル出力画像(
図18(b))、キャプチャ画像Cの選択時t
Cでのパネル出力画像(
図18(c))の例を示している。
【0162】
出力画面上に図示するようなグラフィカルインタフェースを提示することで、ユーザがそれぞれのトリミングモードアイコンを簡単に選択できるようになる。
【0163】
図18のケースでは、キャプチャ画像Aに対しては顔エリアのトリミング設定、キャプチャ画像Bに対してはすべての景色(トリミング無し)、キャプチャ画像Cに対してはフォーカスエリアを選択している。
【0164】
そして、上述の動作フローに基づいて各キャプチャ画像を選択されたトリミングモードに応じて現像画面領域を変更し、再生終了時t
ENDのタイミングで現像後のデータからサムネイル画像を生成して、
図18(d)のメニュー画面を出力する。
【0165】
このとき、ユーザはトリミング設定が反映された形でサムネイル画像を視認することができるので、元の画面内から好きな画面領域だけを切り出したキャプチャ画像の状態を事前に確認できるようになる。
【0166】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。また、画面内の好きな領域だけ切り出して静止画キャプチャする編集処理を、画像記録再生装置本体における簡単な操作で実行可能となるため、あとからユーザが静止画データを編集する煩雑な作業が不要にできる。
【0167】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法について
図19及び
図20を用いて説明する。
図1乃至
図18に示す第1乃至第6実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
【0168】
図19は、本実施形態による画像処理方法を示すフローチャートである。
図20は、本実施形態による画像処理方法における動作タイミングと出力画面の遷移を示す図である。
【0169】
第1実施形態では、ユーザがプロキシ動画再生中にキャプチャ指示したタイミングで、表示出力中のフレーム画像と同一時間位置のRAW動画データを現像し、高画質な静止画像をキャプチャする方法を説明した。
【0170】
本実施形態では、プロキシ動画再生の終了後のサムネイル画像選択によるキャプチャ画像決定時、決定されなかった画像データファイルを記録媒体から削除する構成とした画像処理装置及び画像処理方法について説明する。本実施形態を適用することにより、キャプチャ指示タイミングから記録媒体への静止画データ記録までの一連の処理を停止しないシステム構成においても、後から本当に気に入った画像のみを保存する機能を簡単に拡張追加できるようになる。
【0171】
<システム構成>
本実施形態を実現するシステム構成は、
図1に示す第1実施形態による画像記録再生装置又は
図5に示す第2実施形態による画像記録再生装置と同様である。以後の説明では、第1実施形態による画像記録再生装置のシステム構成を前提に説明するが、第2実施形態による画像記録再生装置のシステム構成に適用するようにしてもよい。この場合にも、本実施形態で説明すると同様の効果を奏することができる。
【0172】
本実施形態の記録再生部111は、システム制御部113からの指示に基づいて、記録媒体112に記録されている静止画キャプチャのデータファイルを、ファイルシステム情報を更新することによって、ファイル削除する機能を有するものとする。
【0173】
その他の機能ブロックについては、第1又は第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0174】
<動作フロー>
本実施形態による画像処理方法について、
図19を用いて説明する。
本実施形態による画像処理方法は、
図19に示す処理フローを含む。
図19に示す処理フローは、ステップS206とステップS207との間にステップS1901を有する点、ステップS209の後にステップS1902〜ステップS1905を有する点を除き、
図1に示す第1実施形態の処理フローと同様である。なお、第2実施形態に適用する場合、ステップS1902〜ステップS1905は、
図7の処理フローにおけるステップS702の繰り返し処理の後に実行される。
【0175】
ステップS1901では、表示処理部105にてステップS206で現像したキャプチャ画像を元に縮小処理を行ってサムネイル画像を生成し、図示せぬDRAM等のメモリに一時的に記憶する。
【0176】
ステップS1902では、プロキシ動画再生後に、ステップS1901で生成したサムネイル画像を用いてキャプチャ画像の決定選択用のメニュー画面を作成して表示出力する。
【0177】
そして、キャプチャ指示決定を実行するタイミングで、ステップS1903からステップS1905までの処理ステップを、キャプチャ指示の回数分繰り返し実行する。
【0178】
ステップS1904では、当該サムネイル画像についてユーザがキャプチャ決定指示をしたかどうかを判断し、キャプチャ指示があった場合は次のサムネイル画像についての判断に移行する(ステップS1704のTRUE)。
【0179】
一方、当該サムネイル画像についてキャプチャ指示がなかった場合(ステップS1704のFALSE)、ステップS207及びステップS208で記録媒体に記録した静止画データファイルは不要であると判断する。
【0180】
ステップS1905では、ステップS1904の判断結果に基づいて、不要と判断されたサムネイル画像と予め関連付けられた記録媒体112上の静止画ファイルを削除する。
【0181】
以上が、本実施形態による画像処理方法における処理フローである。
【0182】
<適用例>
本実施形態による上述の動作フローを適用した例について、
図20を用いて説明する。
図20には、時間方向に対する、再生画像の出力画面(パネル出力)、静止画キャプチャ指示、プロキシ動画再生、圧縮RAWデータリード、圧縮RAWデータ伸張、現像処理、静止画圧縮符号化及び静止画データライトの動作状態を示している。
図20にはさらに、静止画データ削除を実行した動作状態を追加している。
【0183】
図20の例では、第1実施形態と同じく、キャプチャ画像A,B,Cのキャプチャ指示タイミングで現像修理から記録媒体への静止画データ書き込みまでを一連のシーケンスとして実行する。
【0184】
本実施形態では上述の動作フローに従って、キャプチャ指示後の現像済みデータからサムネイル画像を生成して一時記憶しておき、プロキシ動画データの再生終了時(時刻t
END)に、キャプチャ画像決定メニューとして並べて表示する。
【0185】
その後、ユーザ操作によって例えばキャプチャ画像Bが選択されたタイミング(時刻t
CAPTURE)で、すでに記録していたキャプチャ画像A,Cの静止画ファイルを削除する。
【0186】
このように、システム動作としては、キャプチャ指示時点でバックグランドにおいてキャプチャ画像を記録媒体に書き込んでしまっているが、ユーザに対しては本決定ができる選択メニューを用意し、後から非選択データを削除する。
【0187】
結果、本実施形態を適用することで第3実施形態と同様に、キャプチャ指示タイミングを失敗した画像を減らし、本当に気に入った画像だけをキャプチャでき、利便性が向上する。
【0188】
このように、本実施形態によれば、動画再生中に一時停止することなく、ユーザが選択した所望のフレーム位置の高精細な静止画データをRAW画像から現像して生成することができる。また、ユーザが気に入った画像だけを保存することができる。
【0189】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0190】
例えば、上記第1実施形態ではプロキシ動画の再生中にキャプチャ画像を生成する方法を示し、上記第2実施形態ではプロキシ動画の再生後にキャプチャ画像を生成する方法を示したが、これら処理を組み合わせるようにしてもよい。例えば、第1実施形態による画像処理方法を適用して処理を行うキャプチャ画像の数が規定数を超えた場合に、それ以降のキャプチャ画像については第2実施形態による画像処理方法を適用してプロキシ動画の再生後に生成することも可能である。
【0191】
また、上記第2実施形態では、ステップS701において、キャプチャ指示時に表示中のプロキシ画像と同一時間に位置するRAW動画のフレーム位置情報を登録したが、プロキシ画像のフレーム位置情報を登録するようにしてもよい。この場合、ステップS204において、キャプチャ指示時に表示中のプロキシ画像と同一時間に位置するRAW動画のフレーム位置情報を取得した後、静止画キャプチャするRAW動画データのみを読み出せばよい。
【0192】
また、上記第5実施形態には、第2実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法に現像パラメータを選択する手段を追加した例を示したが、第1実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法に現像パラメータを選択する手段を追加してもよい。
【0193】
また、上記第6実施形態には、第2実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法にトリミング領域を選択する手段を追加した例を示したが、第1実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法にトリミング領域を選択する手段を追加してもよい。
【0194】
また、第1又は第2実施形態による画像記録再生装置及び画像処理方法に、現像パラメータを選択する手段及びトリミング領域を選択する手段の双方を追加するようにしてもよい。
【0195】
また、上記実施形態には、画像記録再生装置内のシステムにおいて画像処理を実施する例を示したが、上述の実施形態に示した画像処理方法は、画像記録再生装置とは別の装置、例えばパーソナルコンピュータ等において実施してもよい。例えば、ユーザが、撮像装置により記録した動画データをパーソナルコンピュータの記憶領域に保存した後、保存した動画データに対して、上述の画像処理を実施するようにしてもよい。
【0196】
上記実施形態は、本発明を適用しうる幾つかの態様を例示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜修正や変形を行うことを妨げるものではない。