特許第6429622号(P6429622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6429622印刷装置、印刷装置の制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429622
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】印刷装置、印刷装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20181119BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20181119BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20181119BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20181119BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20181119BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/42 F
   B41J29/00 Z
   G03G21/00 386
   G03G21/00 388
   H04N1/00 C
   G06F3/12 303
   G06F3/12 319
   G06F3/12 325
   G06F3/12 329
   G06F3/12 338
   G06F3/12 339
   G06F3/12 373
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-264023(P2014-264023)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-193220(P2015-193220A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年12月15日
(31)【優先権主張番号】特願2014-68843(P2014-68843)
(32)【優先日】2014年3月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(72)【発明者】
【氏名】堀山 潤
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−152462(JP,A)
【文献】 特開2012−253578(JP,A)
【文献】 特開2012−161023(JP,A)
【文献】 特開2006−301016(JP,A)
【文献】 特開2002−091743(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0112010(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1段階でのカラーの印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する印刷装置であって、
管理装置から印刷ページ数の集計結果の表示に関する設定情報を受信する受信手段と、
前記印刷ページ数の集計結果の表示を制御する表示手段と、
前記受信した設定情報が、複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理することができない印刷装置で前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記表示手段は、前記判定手段の判定結果に応じて、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記判定手段により、当該印刷装置が複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理することができない印刷装置であって、かつ前記設定情報が前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すと判定された場合、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記管理装置から前記印刷ページ数の集計結果を取得する取得手段
をさらに有し、
前記取得手段は、前記判定手段により前記設定情報が前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理することができない印刷装置で前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すと判定された場合、前記管理装置から前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を、全体の印刷ページ数に対する前記各段階における印刷ページ数の割合で表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記判定手段により前記設定情報が前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理することができない印刷装置で前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示さないと判定された場合、前記管理装置から前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記印刷ページ数の集計結果に加えて、予め設定した各種集計結果に対応する目標値を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する印刷装置であって、
管理装置から印刷ページ数の集計結果の表示に関する設定情報を受信する受信手段と、
前記印刷ページ数の集計結果の表示を制御する表示手段と、
前記受信した設定情報が、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理する印刷装置で前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記表示手段は、前記判定手段の判定結果に応じて、前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記判定手段により、当該印刷装置が前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理する印刷装置であって、かつ前記設定情報が前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すと判定された場合、前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記管理装置から前記印刷ページ数の集計結果を取得する取得手段
をさらに有し、
前記取得手段は、前記判定手段により前記設定情報が前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理する印刷装置で前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すと判定された場合、前記管理装置から前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を取得する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記判定手段により前記設定情報が前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理する印刷装置で前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示さないと判定された場合、前記管理装置から前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を取得する
ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定が行われている際に、前記複数段階でのカラーにおける特定段階でのカラーで印刷を実行したジョブ履歴を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記表示手段は、前記印刷装置に対する所定の権限を有するユーザーのログインに従い、前記集計結果の表示とは別に、当該ログインまでに実行された前記特定段階でのカラーで印刷を実行したジョブ履歴の通知のための画面を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項11に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記表示手段は、前記印刷装置で前記複数段階でのカラーにおける特定段階でのカラーで印刷が実行されたことに応じて、前記特定段階でのカラーで印刷されたページ数を含む当該実行された印刷のジョブ履歴を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
1段階でのカラーの印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する印刷装置の制御方法であって、
管理装置から印刷ページ数の集計結果の表示に関する設定情報を受信する受信工程と、
前記印刷ページ数の集計結果の表示を制御する表示工程と、
前記受信した設定情報が、複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理することができない印刷装置で前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すか否かを判定する判定工程と、
を有し、
前記表示工程において、前記判定工程における判定結果に応じて、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行う
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項15】
複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する印刷装置の制御方法であって、
管理装置から印刷ページ数の集計結果の表示に関する設定情報を受信する受信工程と、
前記印刷ページ数の集計結果の表示を制御する表示工程と、
前記受信した設定情報が、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理する印刷装置で前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すか否かを判定する判定工程と、
を有し、
前記表示工程において、前記判定工程における判定結果に応じて、前記1段階でのカラーの印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行う
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
請求項7〜13のいずれか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置などの画像処理装置において膨大な量の印刷物が出力されるようになった。この状況に伴い、環境問題やコスト意識の向上により、不必要なカラー印刷出力を抑えたいという要求が高まってきた。これに対して、画像処理装置は、印刷出力の種類として「モノクロ印刷」、「カラー印刷」の2種類に分類し印刷出力履歴の集計やレポートを行っていた。しかしながら、最近では、印刷ジョブ内の各ページのカラー比率をレポートする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−282947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オフィスには、種類の異なる複数の画像処理装置がネットワーク上に存在している。具体的には、印刷出力の種類として「モノクロ印刷」、「カラー印刷」の2種類に分類し印刷出力履歴の集計やレポートが可能な画像処理装置と、カラー比率を段階的に分類することが可能な画像処理装置が混在している。そのため、特許文献1に示す方法では、各ユーザーが、カラー印刷出力履歴の管理方法が異なる画像処理装置を利用する際に、常に、節約を意識させるような集計結果を提示することが困難である。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みて、印刷出力履歴の管理方法が異なる画像処理装置が混在する場合においても、各ユーザーに適した集計結果を表示する印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る印刷装置は、1段階でのカラーの印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する印刷装置であって、管理装置から印刷ページ数の集計結果の表示に関する設定情報を受信する受信手段と、前記印刷ページ数の集計結果の表示を制御する表示手段と、前記受信した設定情報が、複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数を管理することができない印刷装置で前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する設定を示すか否かを判定する判定手段と、を有し、前記表示手段は、前記判定手段の判定結果に応じて、前記複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数の集計結果を表示する制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷出力履歴の管理方法が異なる画像処理装置が混在する場合においても、各ユーザーに適した、常に節約を意識させるような集計結果を表示する印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】画像処理装置のソフトウェア構成を示すモジュール構成図である。
図3】画像処理装置の操作部の一例を示す図である。
図4】画像処理装置のログイン画面の表示の一例を示す図である。
図5】画像処理装置のログイン画面の表示の一例を示す図である。
図6】画像処理装置の設定画面の表示の一例を示す図である。
図7】画像処理装置の集計画面の表示の一例を示す図である。
図8】画像処理装置の集計画面の表示の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るネットワーク構成の一例を示す図である。
図10】管理装置等のハードウェア構成を示すブロック図である。
図11】管理装置等のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図12】画像処理装置の設定変更の処理を示すフローチャートである。
図13】管理装置で保持されるジョブ履歴情報のテーブルの一例を示す表である。
図14】管理装置で保持されるユーザー集計テーブルの一例を示す表である。
図15】管理装置で保持される部門ID集計テーブルの一例を示す表である。
図16】集計結果を表示する処理を示すフローチャートである。
図17】カラー印刷のジョブ履歴を表示する処理を示すフローチャートである。
図18】カラー印刷のジョブ一覧画面の表示の一例を示す図である。
図19】印刷直後にジョブ履歴を表示する処理を示すフローチャートである。
図20】印刷直後のジョブ一覧画面の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
【0010】
まず、本実施形態に係る画像処理装置について、図1を参照して説明する。図1は、画像処理装置の一例であるMFP100のハードウェア構成を示すブロック図である。MFP100は、複写、印刷、スキャンなど複数の機能を備えた装置である。なお、本実施形態において、MFP100は、印刷機能、表示機能などを有するプリンタ(印刷装置)や複合機であってよい。
【0011】
図1において、コントローラ部105は、MFP100のデバイス全体を制御する。コントローラ部105の内部構成として、CPU101は、中央処理装置であり、このコントローラ部105の制御および演算処理等を行う。ROM102は、読み出し専用メモリであり、システム起動プログラム等の記憶領域である。RAM103は、ランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域である。HD部104は、ハードディスクあるいはSRAMなど不揮発性記憶装置である。RAM103は、オペレーティングシステムや通信制御およびエンジン制御などのプログラムがロードされ、実行されたり、データが記憶されたりする領域である。スキャナ106は、画像読み取り動作をする。プリンタ107は、コントローラ部105の制御により印刷動作を行う。UI部108は、ユーザーからの指示を受け付けつける操作部、または、各種情報の表示を行う。通信部109は、ネットワーク通信制御を行うものであり、他の画像処理装置やコンピュータとの通信が可能である。システムバス110は、上述の構成要素間のデータの通路である。
【0012】
図2は本発明のMFP100のソフトウェアなどのモジュール構成図である。オペレーティングシステム(OS)201は、MFP100全体の資源を管理/制御する。API−1(202)は、OS201上で動作するアプリケーションのためのインタフェースである。アプリケーションは208、API−1(202)を通じて、MFP100上のリソースにアクセスしたり、CPU101でコマンドを実行したりすることができる。コントローラ制御部203は、OS201上で動作し、スキャナ106、プリンタ107、操作部108などを制御する。
【0013】
ジョブ履歴管理部204は、MFP100で実行されたコピー、プリント、スキャナ、およびFAXなどのジョブの履歴を管理する。管理装置からの要求に応じて、ジョブ履歴を送信可能とする。仮想マシン205は、特定のアプリケーションを実行するために最適な実行環境であり、例えば、Java(登録商標)の仮想マシンなどにより実現される。API−2(206)は、仮想マシン205上で動作するアプリケーションが、コントローラ制御部203、ジョブ履歴管理部204、API−1(202)などを利用するためのインタフェースである。アプリケーション管理アプリケーション207は、仮想マシン205上で動作するアプリケーションを管理する。後述するアプリケーションのダウンロード、アップロード、消去、有効無効化などの制御を行う。
【0014】
アプリケーション208は、仮想マシン205上で動作するアプリケーションである。本実施形態において、MFP100に、適宜、任意の機能を有するアプリケーションを任意の数だけインストールし、動作させることが可能である。ここで記載されたアプリケーションは、後述するような、画像処理、印刷による出力枚数などの集計やその集計結果などの表示を行うアプリケーション(集計機能として動作)が含まれる。ここで、各アプリケーションは、対応するプログラムがROM102あるいはHD部104に記憶され、MFP100起動時にRAM103にロードされ、実行されることでその機能を実現する。
【0015】
図3は、UI部108が提供するユーザーインタフェースの一例である。キー入力部300は、ハードキーによりユーザー操作を受付可能である。ON/OFFボタン301は、電源スイッチである。節電キー302は、本ボタンが押されると節電モードに移行する。節電モードとは、一部の部品への電源供給を停止することで機器全体の電力消費を抑える状態のことを示す。カウンタ確認キー303は、このボタンが押されるとタッチパネル312に課金カウンタの値が表示される。
【0016】
タッチパネル312には、後述するプリントやコピーなどの集計結果を表示する。スタートキー304は、コピー/印刷/スキャン/送信などのMFP100が提供する処理の開始を指示する。ストップキー305は、スタートキー304で開始した処理を停止する。テンキー306は、数値情報を入力する。IDキー307は、認証情報の入力を行うことを指示する。クリアキー308は、テンキー306によって入力された情報を解除する。リセットキー309は、ユーザーによって処理対象のジョブに指示されたすべてのパラメータを解除する。ヘルプキー310は、操作方法が不明なときにユーザーが押し、タッチパネル312に操作の助けとなる情報を表示する。ユーザーモードキー311は、各種設定を開始するためのキーである。タッチパネル312は表示機能を備えると共に、タッチパネル機能を備えており、表示領域が押されたか否かを検知することにより、操作者(ユーザー)からの入力を受け付ける。
【0017】
図4および5は、MFP100のタッチパネル312上に表示される画面の一例であり、ユーザー情報(部門IDやユーザーIDなど)を用いたログイン画面の一例である。何れのログイン画面表示によりログイン制御を行うかはユーザーにより任意に設定することができる。
【0018】
図4において、部門認証画面400は、部門ごとの認証を行う画面である。MFP100は、起動後に本画面を表示して、部門ごとのログインを制御する。部門ID入力テキストボックス401および暗号番号入力テキストボックス402は、キー入力部300により任意の文字列が入力される。部門IDおよび暗証番号の入力後にIDキー307が押されると、入力された部門IDおよび暗証番号により照合処理が行われ、正しい部門IDおよび暗証番号であることが確認された後に、図7で後述する集計画面700が表示される。正しい部門IDおよび暗証番号でない場合、部門ID入力テキストボックス401および暗号番号入力テキストボックス402を空にして(すなわち、初期状態にして)部門認証画面400を表示させる。
【0019】
図5において、ユーザー認証画面500は、ユーザーごとの認証を行う画面である。MFP100は起動後に本画面を表示して、ユーザーごとのログインを制御する。ユーザーID入力テキストボックス501、暗号番号入力テキストボックス502は、キー入力部300により任意の文字列が入力される。ユーザーIDおよび暗証番号入力後にログインキー504が押されると、入力されたユーザーIDおよび暗証番号により照合処理が行われ、正しいユーザーIDおよび暗証番号であることが確認されれば集計画面700を表示する。正しくなければ、ユーザーID入力テキストボックス501および暗号番号入力テキストボックス502を空にして(すなわち、初期状態にして)ユーザー認証画面500を表示させる。ログイン先選択ボタン503は、ログイン時の認証をどこで行うかを設定することができる。本実施形態では、MFP100自身で行うか、認証サーバー903で行うかの選択が可能である。
【0020】
図6は、クライアントコンピューター903上で動作するアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)の一例を示す図である。このアプリケーションは、HD部104に記憶、格納されており、RAM1003へロードされ、実行される。また、このアプリケーションは、ネットワーク910を介して複数のMFP100上で動作するアプリケーション208の設定を変更するように動作する。
【0021】
図6(A)において、GUI600は、アプリケーションのGUIの一部を示しており、チェックボックス601は、MFP100のタッチパネル312上に、後述の図7図8で示す集計画面の表示可否を設定するチェックボックスである。チェックボックス602は、ネットワーク910上の複数台のMFP100に対してログインしているユーザー(あるいは部門)の集計結果を表示するように切り替えた際の表示方法を示す設定である。具体的には、チェックボックス602は、段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)のタッチパネル312上に段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)のみの集計結果を表示可能とする設定する。チェックボックス603は、ネットワーク910上に新デバイスと旧デバイスが混在する場合において、集計結果の表示形式を図7に示すように段階別のカラーページの集計結果を表示しない形式に合わせるように設定するチェックボックスである。ボタン604は、チェックボックス601〜603の設定を確定し、各MFP100に設定を配信するためのボタンであり、ボタン605は、設定をキャンセルするためのボタンである。
【0022】
図6(B)において、GUI610は、アプリケーションのGUIの一部を示しており、MFP100の各種集計結果に対応する目標値を設定することができる。これは、目標値に対する実績をMFP100のタッチパネル312上に表示することにより、無駄な利用を抑えるように啓蒙する効果がある。項目611は、目標値を設定する項目を示しており、チェックボックスを選択することにより、エディットボックス612に目標値の入力が可能となる。設定項目によりページ数、枚数、パーセンテージを目標値として設定することが可能である。ボタン613は、項目611およびエディットボックス612の設定を確定し、各MFP100に設定を配信するためのボタンであり、ボタン614は、設定をキャンセルするためのボタンである。上記の目標値を後述の図7図8に示す集計結果に加えて一緒に表示させることで、節約を意識させることができる。
【0023】
図7は、ログイン後にタッチパネル312上に表示される集計画面の一例を示す図である。コンボボックス701は、表示する集計結果の対象を切り替えるためのコンボボックスである。設定項目の値が変更されると、ログインしているユーザー(あるいは部門)に関する集計結果を表示するか、このMFP100を使用している全ユーザーの集計結果を表示するかを切り替える。さらに、ネットワーク910上の全てのMFP100に対するログインしているユーザー(あるいは部門)の集計結果を管理装置901から取得して、表示するように切り替えることが可能である。また、図6に示す設定により、段階別のカラーページの集計機能を有するデバイスのみの集計結果を表示するように切り替えることが可能である。この画面は、前述したログイン画面(図4図5)で取得したユーザーIDまたは部門IDに基づく集計結果の表示が行われる。これによって、何らかの処理を行うログインしたユーザーに応じた、適切なコスト意識を常に持たせることが可能となる。
【0024】
集計期間710は、コピー、プリント、スキャナ、およびFAXなどのジョブ情報の集計期間を表示する。本実施形態では、コピー、プリントの集計期間を表示している。カラー印刷集計結果702は、集計期間710で表示される期間における、カラー印刷が行われた論理ページ(カラーページ)の集計結果を表示する。本実施形態では、プリント、コピー、FAX受信、レポートおよびボックスプリントなどのカラーで出力された論理ページ数の合算した結果を集計結果として表示を行う。
【0025】
白黒印刷集計結果703は、集計期間710で表示される期間における、白黒(モノクロ)印刷が行われた論理ページの集計結果を表示する。本実施形態では、プリント、コピー、FAX受信、レポートおよびボックスプリントなどの白黒(モノクロ)で出力された論理ページ数の合算した結果を集計結果として表示する。出力枚数704は、集計期間710で表示される期間における、出力された用紙の枚数(物理枚数)の総数を表示する。カラー比率705は、集計期間710で表示される期間における、出力された総論理ページ数に占めるカラーページの割合であるカラー率を表示する。本実施形態では、[カラー率=カラーページ数÷総論理ページ数]で計算している。両面比率706は、集計期間710で表示される期間における、両面で出力された出力枚数を総出力枚数で割った値を表示する。具体的には、[両面比率=両面で出力された枚数÷総出力枚数]で計算している。ページ集約比率707は、集計期間710で表示される期間における、Nin1(2in1、4in1など)の集約印刷で印刷されたページ数の、総ページ数に対する割合を示す。本実施形態では、[ページ集約比率=Nin1設定されたページ数÷総ページ数]で計算している。なお、両面印刷および集約印刷の両方によって、節約された出力枚数をユーザーに認識させるための節約情報を画面上に表示してもよい。この場合は、総出力枚数を総論理ページ数で割ればよい。
【0026】
また、本実施形態では、集計結果および割合を数値で表示しているが、棒グラフや円グラフ等のグラフ形式、或いは表形式で画面上に表示してもよい。前回までのコピー/プリント結果ボタン708を選択すると、集計期間710に表示されている期間以前の期間においての集計結果を表示する。
【0027】
図8は、ログイン後にタッチパネル312上に表示される集計画面の一例である。コンボボックス801は、表示する集計結果の対象を切り替えるためのコンボボックスである。集計期間808は、コピー、プリント、スキャナ、およびFAXなどのジョブ情報の集計期間を表示する。出力枚数802は、集計期間808で表示される期間における、出力された用紙の枚数(物理枚数)の総数を表示する。両面比率803は、集計期間808で表示される期間における、両面で出力された出力枚数を総出力枚数で割った値を表示する。ページ集約比率804は、集計期間808で表示される期間における、Nin1(2in1、4in1など)の集約印刷で印刷されたページ数の、総ページ数に対する割合を示す。前回までのコピー/プリント結果ボタン807を選択すると、集計期間808に表示されている期間以前の期間においての集計結果を表示する。
【0028】
グラフ805は、集計期間808で表示される期間における、印刷が行われた論理ページに占めるカラーの割合により段階別(ハイカラー、ミッドカラー、ローカラー)に集計した結果と、白黒(モノクロ)印刷が行われた論理ページの集計結果をグラフである。本実施形態では、プリント、コピー、FAX受信、レポートおよびボックスプリントなどで出力された論理ページ数の合算した結果を集計結果として表示を行う。凡例806は、グラフの凡例を示す。
【0029】
なお、以降の説明において、段階別のカラーページの集計機能を持たない(1段階でのカラーの印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する)MFPの一例を、旧仕様のMFP(「旧デバイス」と呼ぶ)とする。また、段階別のカラーページの集計機能を有する(複数段階でのカラーにおける各段階の印刷ページ数と白黒の印刷ページ数を管理する)MFPの一例を、新仕様のMFP(「新デバイス」と呼ぶ)とする。
【0030】
図9は、本実施形態に係るネットワーク構成を示す。システムバス910上にはジョブ情報を管理する管理装置901と認証サーバー902とクライアントコンピューター903、複数のMFP100が配置されている。管理装置901は、複数のMFP100からコピー、プリント、スキャナ、およびFAXなどの処理の履歴(ジョブログ情報)を取得する。認証サーバー902は、MFP100が外部サーバーにより認証処理を行う際に、認証情報(IDおよびパスワード)の送受信が行われる。クライアントコンピューター903は、複数のMFP100のアプリケーション208に対して設定情報を配信する。
【0031】
図10は、管理装置901、認証サーバー902、クライアントコンピューター903となる情報処理装置のハードウェアのブロック図である。CPU1001は、中央処理装置であり、情報処理装置全体の制御および演算処理等を行う。ROM1002は、読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。RAM1003は、ランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域であり、OS、アプリケーション、デバイスドライバおよび通信制御などのプログラムがロードされ、実行される領域である。KBC1004は、キーボード制御部であり、キーボードから入力された入力データを受け取りCPUへ伝達する。CRT1005は、ディスプレイ制御部であり、ディスプレイ装置への表示制御を行う。HD部1006は、HD(ハードディスク)装置で構成する外部記憶装置であり、プログラムおよびデータを記憶、格納しておき、実行時に必要に応じて参照またはRAM1003へロードする。なお、外部記憶装置は、例えば、SRAMなどの不揮発性記憶装置であってよい。通信部1007は、ネットワーク通信制御を行い、ネットワークに接続された他の情報処理装置や周辺機器との通信が可能である。システムバス1008は、上述の構成要素間のデータの通路となる。
【0032】
図11は、管理装置901、認証サーバー902、クライアントコンピューター903となる情報処理装置のソフトウェアのブロック図である。UI制御部1101は、通信部1007を介して、不図示のホストコンピュータからの要求に応じて管理装置901の設定画面情報を送信、設定情報を受信する。ジョブ履歴収集部1103は、通信部1007を介して複数の画像形成装置のジョブ履歴管理部204と通信し、コピー、プリント、スキャナ、およびFAXなどのジョブ履歴を収集し、保管する。集計処理部1102は、ジョブ履歴収集部1103が収集したジョブ履歴を参照し、ユーザーIDごと、部門IDごとの集計を行う。カラーページ、モノクロページ、出力枚数、両面で出力された出力枚数、Nin1(2in1、4in1など)の集約印刷で印刷されたページ数、ハイカラー、ミッドカラー、ローカラーのページ数等の集計処理を行う。
【0033】
図12は、クライアントコンピューター903が、複数のMFP100上で動作するアプリケーション208に対して、設定を変更する処理内容を示すフローチャートである。また、設定情報を受信したMFP100が、設定情報に応じてアプリケーション208の設定を変更する処理内容を示すフローチャートも併せて説明する。まず、クライアントコンピューター903は、ステップS1201において、HD部1006で保持している複数のMFP100の設定情報を参照する。次に、ステップS1202において、クライアントコンピューター903は、HD部1006で保持している複数のMFP100の設定情報の変更を受け付ける。なお、設定変更は、図6に示すGUI600およびGUI610を利用して行われる。次に、ステップS1203において、クライアントコンピューター903は、設定が変更されたMFP100で未処理のものが存在する場合、ステップS1203の処理を繰り返す。そして、ステップS1204において、MFP100へネットワーク910を介して、変更した設定情報を送信する。
【0034】
次に、MFP100上で動作するアプリケーション208の処理について説明する。なお、この処理では、図6(A)に示すチェックボックス602または603が選択されているか否かの判定結果に応じてタッチパネル312に表示させる集計結果の表示の制御を行う。
【0035】
まず、ステップS1210において、MFP100上で動作するアプリケーション208は、クライアントコンピューター903上で動作するアプリケーションより、設定情報を受信する。次に、ステップS1211において、アプリケーション208は、図6に示すチェックボックス602が選択されているか否かを判定する。すなわち、「段階別のカラーページの集計機能を持たないデバイスにて、段階別のカラーページの集計機能を有するデバイスのみの集計結果を表示可能とする」か否かを判定する。チェックボックス602が選択されていない場合(No)、ステップS1214の処理へ進む。一方、チェックボックス602が選択されている場合(Yes)、ステップS1212において、設定情報を受信したMFP100のアプリケーション208は、段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)であるか否かを判定する。段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)の場合(No)、処理を終了する。一方、段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)の場合(Yes)、ステップS1213に進む。そして、ステップS1213おいて、アプリケーション208は、段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)の段階別カラーの集計結果をタッチパネル312に表示可能とする。
【0036】
次に、ステップS1214において、アプリケーション208は、図6に示すチェックボックス603が選択されているか否かを判定する。すなわち、「段階別のカラーページの集計機能を有するデバイスと持たないデバイスが混在する場合に、段階別のカラーページの集計結果を表示しない形式に合わせる」か否かを判定する。チェックボックス603が選択されていない場合(No)、処理を終了する。一方、チェックボックス603が選択されている場合(Yes)、ステップS1215において、設定情報を受信したMFP100のアプリケーション208は、段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)であるか否かを判定する。段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)の場合(No)、処理を終了する。段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)の場合(Yes)、ステップS1216において、アプリケーション208は、1段階のカラーの集計結果をタッチパネル312に表示可能とする。
【0037】
<ジョブ履歴情報テーブル>
図13は、ジョブ履歴収集部1103で保持されるジョブ履歴情報のテーブルを示す表である。図13において、ジョブ履歴ID1301は、ジョブ履歴をシステム内で一意に識別するIDである。複合機ID1302は、複合機を識別する情報であり、例えば、MACアドレスやIPアドレスを使用してもよい。ジョブのタイプ1303は、ホストからの印刷であるプリント、コピー、スキャン、複合機内に保存された文書を印刷するボックスプリントなどであってよい。開始時刻1304は、ジョブの開始時刻である。終了時刻1305は、ジョブの終了時刻である。カラーページ数1306は、該当ジョブによりカラー印刷されたページ数が記録される。白黒ページ数1307は、該当ジョブにより白黒印刷されたページ数が記録される。出力枚数1308は、該当ジョブにより印刷された用紙枚数が記録される。両面枚数1309は、該当ジョブにより両面で印刷された用紙枚数が記録される。2in1ページ数1310は、該当ジョブにより2in1で印刷されたページ数が記録される。4in1ページ数1311は、該当ジョブにより4in1で印刷されたページ数が記録される。ハイカラー1312、ミッドカラー1313、ローカラー1314は、1ページにおけるカラー印刷範囲の割合によって、分類するページ数であり、割合の多い順にハイカラー、ミッドカラー、ローカラーの3段階に分類されページ数が記録される。ユーザー名1315は、各行がどのユーザーのジョブ履歴であるかを示す。部門ID1316は、各行がどの部門IDのジョブ履歴であるかを示す。これらの情報により、誰が、どのようなジョブをどの時刻に開始して終了したかというジョブ履歴情報が記録される。
【0038】
例えば、ジョブ履歴1321は、ユーザー名「yamada」がコピージョブを複合機Aで、2013/08/25 14:25に開始し、2013/08/25 14:40に終了したことを示す。また、このジョブ履歴1321では、12ページのカラー印刷、2ページの白黒印刷が行われ、出力枚数が7枚であって、両面枚数が7枚出力されたことを示す。さらに、12ページのカラー印刷のうち、ハイカラーページ数が4ページ、ミッドカラーページ数が6ページ、ローカラーページ数が2ページであることを示している。ジョブ履歴1322は、ユーザーではなく、部門ID1316が「123」の部門のジョブ履歴であることを示す。例えば、ジョブ履歴1323は、ハイカラーページ数、ミッドカラーページ数、ローカラーページ数が取得できていないことを示す。このことから、複合機Cが旧デバイスであることを示す。ジョブ履歴1324は、ユーザー名「ito」がコピージョブを複合機Dで、カラー印刷のみを行ったことを示す。なお、このジョブ履歴情報テーブルは、ジョブ種毎に作成されるように構成してもよい。
【0039】
<集計テーブル>
図14は、集計処理部1102で保持されるユーザー集計テーブルを示す表である。また、図15は、集計処理部1102で保持される部門ID集計テーブルを示す表である。集計処理部1102は、予め設定された集計期間の設定に従って集計処理を行い、その集計結果を、図14図15に示す集計テーブルに格納する。
【0040】
図14図15は、ユーザー名1402と部門ID1502が異なるだけで、その他が共通部分となるので、一緒に説明する。集計期間1401、1501は、予め設定された集計期間で集計を行い、その開始日と終了日の集計期間を示す。集計期間1401は、図7の集計期間710や図8の集計期間808に表示される。ユーザー名1402は、各行がどのユーザーの集計結果であるかを示す。集計処理部1102は、ジョブ履歴のユーザー名と一致する行に、ジョブで実行された各ページ数、枚数を加算する。集計結果テーブルに一致する行がなければ、行を追加する。部門ID1502は、各行がどの部門IDの集計結果であるかを示す。集計処理部1102は、ジョブ履歴の部門IDと一致する行に、ジョブで実行された各ページ数、枚数を加算する。集計結果テーブルに一致する行がなければ、行を追加する。
【0041】
カラーページ数1403、1503は、当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間に印刷されたカラーページ数の合計を示す。白黒ページ数1404、1504は、当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間に印刷された白黒ページ数の合計を示す。出力枚数1405、1505は、当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間に印刷された出力枚数の合計を示す。両面枚数1406、1506は、当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間に印刷された両面枚数の合計を示す。2in1ページ数1407、1507は、当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間に2in1で印刷されたページ数の合計を示す。4in1ページ数1408、1508は、当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間に4in1で印刷されたページ数の合計を示す。ハイカラー1409、1509、ミッドカラー1410、1510、ローカラー1411、1511は、1ページにおけるカラー印刷範囲の割合によって分類するページ数である。当該ユーザーまたは部門IDで該当集計期間にハイカラー、ミッドカラー、ローカラーのいずれかで印刷されたページ数の合計を示す。
【0042】
例えば、集計結果1421は、ユーザー名「yamada」が集計期間1401に示す期間に行った印刷の集計結果を示す。同様に、集計結果1422〜集計結果1425は、各ユーザーが集計期間1401に示す期間に行った印刷の集計結果を示す。また、図15の集計結果1521〜1523も、各部門が集計期間1501に示す期間に行った印刷の集計結果を示す。
【0043】
<タッチパネルへの集計結果表示処理>
図16は、MFP100上で動作するアプリケーション208が、タッチパネル312上へ集計結果を表示する処理に関するフローチャートである。図16(A)は、段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)における処理を示す。
【0044】
まず、ステップS1601において、アプリケーション208は、部門ID401またはユーザー名501の認証を行う。具体的には、図4、5で説明した表示を行い、そこでユーザーにより入力された情報に基づき認証を行う。次に、ステップS1602において、MFP100が集計結果をタッチパネル312上へ表示する設定となっているか否かを判定する。具体的には、アプリケーション208へ設定されている、図6(A)のチェックボックス601が選択されたか否かの結果により判定する。表示しない設定である場合(No)、処理を終了する。一方、表示する設定の場合(Yes)、ステップS1603に進む。そして、ステップS1603において、段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)のタッチパネル312上に段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)のみの集計結果を表示可能とするか否かを判定する。具体的には、アプリケーション208へ設定されている、図6(A)のチェックボックス602が選択されたか否かの結果により判定する。設定されている場合(Yes)、ステップS1604において、管理装置901に保持されている段階別のカラーページの集計結果を含む、他のMFPの集計結果を取得する。一方、設定されていない場合(No)、ステップS1605にて、管理装置901に保持されている段階別のカラーページの集計結果を除いた、他のMFPの集計結果を取得する。次に、ステップS1606において、タッチパネル312に図7図8で示す集計結果を表示する。表示形式の切り替えは、図7のコンボボックス701および図8のコンボボックス801の選択を切り替えることにより可能となる。次に、ステップS1607において、特定の条件に合致するジョブ履歴を取得した場合、タッチパネル312にジョブ履歴情報を表示する。なお、この処理については、図17を参照して後述する。
【0045】
次に、図16(B)は、段階別のカラーページの集計機能を有するMFP100(新デバイス)における処理を示す。ステップS1611およびステップS1612は、図16(A)に示すステップS1601およびステップS1602と同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
次に、ステップS1613において、集計結果の表示形式を、図7に示すような段階別のカラーページの集計結果を表示しない形式に合わせるように設定されているか否かを判定する。すなわち、集計結果の表示形式を段階別のカラーページの集計機能を持たないMFP100(旧デバイス)の表示形式に合わせるか否かを判定する。具体的には、アプリケーション208へ設定されている、図6(A)のチェックボックス603が選択されたか否かの結果により判定する。設定されている場合(Yes)、ステップS1614において、管理装置901に保持されている段階別のカラーページの集計結果を除いた、他のMFPの集計結果を取得する。一方、設定されていない場合(No)、ステップS1615において、管理装置901に保持されている段階別のカラーページの集計結果を含む、他のMFPの集計結果を取得する。次に、ステップS1616にてタッチパネルに312に図7図8で示す集計結果を表示する。表示形式の切り替えは、図7のコンボボックス701および図8のコンボボックス801の選択を切り替えることにより可能となる。次に、ステップS1617において、特定の条件に合致するジョブ履歴を取得した場合、タッチパネル312にジョブ履歴情報を表示する。なお、この処理については、図17を参照して後述する。
【0047】
<タッチパネルへのジョブ履歴一覧表示処理>
図17は、ステップS1607またはステップS1617のカラー印刷のジョブ履歴を表示する処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1621において、図16(A)のステップS1601(またはステップS1611)の認証処理で取得した部門ID401またはユーザー名501が、MFP100の管理者権限(所定の権限)を有するか否かを判定する。部門ID401またはユーザー名501が管理者権限を有する場合(Yes)、ステップS1622において、前回MFP100にログインした以降の全ユーザーの印刷のジョブ履歴をジョブ履歴管理部204に確認する。本実施形態では、前回MFP100にログインした以降に追加されたジョブ履歴のうち、ハイカラー(特定段階でのカラー)で印刷されたジョブ履歴を確認する。なお、前回ログインした時刻は、HD部1006に記録されており、アプリケーション208は、HD部1006を参照する。
【0048】
次に、ステップS1623において、ステップS1622で確認したジョブ履歴にハイカラー印刷のジョブ履歴が存在するか否かを判定する。ハイカラーのジョブ履歴が存在する場合は(Yes)、ステップS1624において、タッチパネル312に、後述する図18(A)に示すジョブ履歴画面1701を表示する。一方、ハイカラーのジョブ履歴が存在しない場合(No)は、処理を終了する。そして、ステップS1625において、ジョブ履歴画面1701上のOKボタン1703が押下されたか否かを判定する。OKボタン1703が押下された場合(Yes)、ステップS1630において、ジョブ履歴画面1701を閉じて処理を終了する。一方、OKボタン1703が押下されていない場合(No)、ステップS1624に戻って、OKボタン1703が押下されるまで、ジョブ履歴画面1701を表示する。
【0049】
一方、ステップS1621で部門ID401またはユーザー名501が管理者権限を有していない場合(No)、ステップS1626において、ログインユーザー(または部門)の印刷のジョブ履歴を確認する。本実施形態では、ログインユーザー(または部門)のハイカラー印刷のジョブ履歴を確認する。具体的には、ログインユーザー(または部門)が、前回MFP100へログインした時点でのハイカラーの印刷ページ数が「0」で、かつ前回ログインした以降にハイカラーの印刷のジョブ履歴を確認する。ここで、図14に示すーザー集計テーブルを例に説明すると、集計結果1424に示すユーザー名「oda」は、ハイカラー1409に示されるハイカラー印刷が「0」ページであることを示す。また、ユーザーがログインする度にHD部1006内のハイカラー1409とは別の領域(不図示)にユーザー毎の集計テーブルを記録する。
【0050】
次に、ステップS1627において、ステップS1206で確認したジョブ履歴にハイカラー印刷のジョブ履歴が存在するか否かを判定する。具体的には、ハイカラー1409と、ユーザーがログインする度に記録(更新)するハイカラー1409とは別の領域(不図示)に記録されるユーザー毎の集計テーブルを比較する。なお、ジョブ履歴にハイカラー印刷のジョブ履歴が存在する場合には、対象ユーザーが前回ログインした以降に行ったハイカラー印刷のページ数に応じて、ハイカラー1409に「1」以上のページ数が更新される。
【0051】
そして、ステップS1627でハイカラー印刷のジョブ履歴が存在する場合(Yes)、ステップS1628において、タッチパネル312に後述の図18(B)に示すジョブ履歴画面1711を表示する。すなわち、管理者権限を有していない一般ユーザーが初めてハイカラー印刷を行った場合、履歴画面1711を表示する。一方、ハイカラー印刷のジョブ履歴が存在しない場合(No)、処理を終了する。そして、ステップS1629においてジョブ履歴画面1711上のOKボタン1703が押下されたか否かを判定する。OKボタン1703が押下された場合(Yes)、ステップS1630において、ジョブ履歴画面1711を閉じて処理を終了する。一方、OKボタン1703が押下されていない場合(No)、ステップS1628に戻って、OKボタン1703が押下されるまで、ジョブ履歴画面1711を表示する。
【0052】
図18(A)は、管理者権限を有するユーザー(または部門)がログインした場合の、ハイカラーで印刷されたジョブの一覧を示すジョブ履歴一覧画面の一例を示す図である。本実施形態では、ジョブ履歴一覧画面1701は、集計画面800上にポップアップ表示される。ジョブ履歴一覧表1702は、ジョブ完了日時、ジョブ名、実行ユーザー名、ジョブタイプ、ジョブの全体のページ数のうちのハイカラーのページ数を表示する。そして、OKボタン1703を押下することにより、ジョブ履歴一覧画面1701が閉じられ、集計画面800に戻る。
【0053】
なお、本実施形態では、ハイカラーの印刷について説明したが、段階別カラーにおける他の段階(例えば、ミッドカラーやローカラー)の印刷であっても、適用可能である。また、ミッドカラーとハイカラーのような複数の段階の印刷を合わせた場合の印刷であっても適用可能である。以上のように、管理者がMFP100へログインする毎に、段階別の印刷のジョブ履歴一覧を表示することで、どのユーザーがどのようなカラー印刷を行っているか、その利用状況を容易に確認することが可能となる。
【0054】
図18(B)は、管理者権限を有してないユーザー(または部門)が前回MFP100へログインした時点でハイカラーの印刷ページ数が「0」で、かつ前回ログインした以降にハイカラーの印刷が行われた場合のジョブ履歴一覧画面の一例を示す図である。本実施形態では、ジョブ履歴一覧画面1711は、集計画面800上にポップアップ表示される。ジョブ履歴一覧表1712は、ジョブ完了日時、ジョブ名、実行ユーザー名、ジョブタイプ、ジョブの全体のページ数のうちのハイカラーのページ数を表示する。そして、OKボタン1703を押下することにより、ジョブ履歴一覧画面1701が閉じられ、集計画面800に戻る。従って、一般ユーザーが初めてハイカラー印刷を行った場合に、どのジョブの何ページ分がハイカラー印刷したページ数であるかを確認することが可能となる。
【0055】
<コピー直後のタッチパネルへのジョブ履歴一覧表示処理>
図19は、コピー機能の実行直後にジョブ履歴を表示する処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1801において、コピー機能が実行されると、アプリケーション208は、API−2(206)を介してコピーのジョブ完了通知を受信する。次に、ステップS1802において、ジョブ履歴管理部204は、ジョブ履歴の情報を取得する。そして、ステップS1803において、ステップS1802で取得したジョブ履歴が、ハイカラーで印刷されたジョブ履歴か否かを判定する。
【0056】
そして、取得したジョブ履歴が、ハイカラーで印刷されたジョブ履歴である場合(Yes)、ステップS1804において、タッチパネル312に、後述の図20に示すジョブ履歴画面1901を表示する。一方、取得したジョブ履歴がハイカラーで印刷されたジョブ履歴でない場合(No)、処理を終了する。次に、ステップS1805において、ジョブ履歴画面1901上のOKボタン1903が押下されたか否かを判定する。OKボタン1903が押下された場合(Yes)、ステップS1806において、ジョブ履歴画面1901を閉じて処理を終了する。一方、OKボタン1903が押下されていない場合(No)、OKボタン1903が押下されるまで、ジョブ履歴画面1901を表示する。なお、本実施形態では、コピージョブを例にして説明したが、コピー以外のMFP100の機能のうち、タッチパネル312上で実行可能な全てのジョブに適用可能である。
【0057】
図20は、コピージョブがハイカラー印刷ジョブである場合に表示するジョブ履歴画面の一例を示す図である。ジョブ履歴一覧画面1901は、直前に実行したジョブがハイカラーの印刷であった場合に履歴を表示する。ジョブ履歴一覧表1902は、ジョブ履歴一覧表であり、ジョブ完了日時、ジョブ名、実行ユーザー名、ジョブタイプ、ジョブの全体のページ数のうちのハイカラーのページ数を表示する。そして、OKボタン1903を押下することで、ジョブ履歴一覧画面1901が閉じられ、集計画面800に戻る。
【0058】
以上、本実施形態によれば、印刷出力履歴の管理方法が異なる画像処理装置が混在する場合においても、各ユーザーに適した、常に節約を意識させるような集計結果を表示する印刷装置を提供することができる。また、管理者は、印刷を実行した直後に、段階別のカラーの印刷ジョブ履歴を表示することで、利用状況を簡単に把握することが可能となる。
【0059】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0060】
また、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図13
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図20