特許第6429623号(P6429623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6429623タッチ領域設定方法およびタッチ領域設定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429623
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】タッチ領域設定方法およびタッチ領域設定装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20181119BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20181119BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20181119BHJP
【FI】
   G06F3/041 530
   G06F3/0484
   G06F3/0488
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-264206(P2014-264206)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-126383(P2016-126383A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 智水
(72)【発明者】
【氏名】木村 正幸
【審査官】 酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−016714(JP,A)
【文献】 特開2005−284379(JP,A)
【文献】 特開2010−092270(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0097335(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0181924(US,A1)
【文献】 特開2012−217101(JP,A)
【文献】 特開2013−130930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/0484
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定方法であって、
(a)前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得ステップと、
(b)前記座標取得ステップ(a)で取得した前記画像ごとの前記座標から前記画像ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップと、
(c)前記領域計算ステップ(b)で計算された前記画像ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップと、
を備える、タッチ領域設定方法。
【請求項2】
タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定方法であって、
(d)前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得ステップと、
(e)前記座標取得ステップ(d)で取得した前記複数の画像の前記座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域を計算する領域計算ステップと、
を備える、タッチ領域設定方法。
【請求項3】
タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定方法であって、
(f)前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、隣接する複数の画像の組ごとに座標を取得する座標取得ステップと、
(g)前記組ごとの座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記組ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップと、
(h)前記領域計算ステップ(g)で計算された前記組ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップと、
を備える、タッチ領域設定方法。
【請求項4】
(i)前記領域計算ステップ(b)で計算された前記画像ごとの前記タッチ領域を、ユーザが指定する値で補正する補正ステップをさらに備える、請求項1記載のタッチ領域設定方法。
【請求項5】
(j)前記領域計算ステップ(e)で計算された前記タッチパネル上の前記タッチ領域を、ユーザが指定する値で補正する補正ステップをさらに備える、請求項2記載のタッチ領域設定方法。
【請求項6】
前記座標取得ステップ(a)は、前記複数の画像のうち、ユーザによって選択された画像から前記座標を取得するステップである、請求項1記載のタッチ領域設定方法。
【請求項7】
タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定装置であって、
前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得部と、
前記座標取得部で取得した前記画像ごとの前記座標から前記画像ごとのタッチ領域を計算する領域計算部と、
前記領域計算部で計算された前記画像ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定部と、
を備える、タッチ領域設定装置。
【請求項8】
タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定装置であって、
前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得部と、
前記座標取得部で取得した前記複数の画像の前記座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域を計算する領域計算部と、
を備える、タッチ領域設定装置。
【請求項9】
タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定装置であって、
前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、隣接する複数の画像の組ごとに座標を取得する座標取得部と、
前記組ごとの座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記組ごとのタッチ領域を計算する領域計算部と、
前記領域計算部で計算された前記組ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定部と、
を備える、タッチ領域設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに対してタッチ操作を認識する領域(タッチ領域)を設定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル付き液晶モジュールにおいて、画面(タッチパネル)上にボタンを実現する際、通常、画面に描画(表示)されるボタンと同じ位置/サイズの領域について、ボタンへの入力が有効となるように、タッチパネルへのタッチ操作を認識する領域(タッチ領域)が設定される。ここで、液晶モジュールは、タッチパネルにおいてタッチされている位置(タッチ座標)と設定されたタッチ領域とを比較して、タッチ座標がタッチ領域の内部であればボタンの処理を行い、タッチ座標がタッチ領域の外部であれば、ボタンの処理を行わない。
【0003】
描画データを基にタッチ領域を自動的に設定する技術として、例えば特許文献1には、複数のボタンがあった場合に互いに干渉しない範囲でタッチ領域を拡大することが開示されている。また、タッチ操作の実績にあわせてタッチ領域を初期位置から変化させる技術として、例えば特許文献2,3に開示された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−296027号公報
【特許文献2】特開平9−54657号公報
【特許文献3】特開2011−150489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のタッチ領域設定方法は上記のように構成されているため、例えばボタンのような移動しない構成部品の場合、構成部品を示す単一の画像からタッチ領域を設定することができた。ここで、構成部品とは、画面上に表示されるタッチ操作の対象をいう。
【0006】
しかし、例えばスライドバーのような移動可能な構成部品の場合、複数の画像(フレーム)の組によってデザインが作成され、単一の画像からはタッチ領域を設定することができない。つまり、従来手法によって単一の画像からタッチ領域を設定すると、期待されるタッチ領域よりも狭い領域が初期値として設定されるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、移動可能な構成部品について、通常期待されるタッチ領域を初期値として設定することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るタッチ領域設定方法は、タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定方法であって、前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得ステップ(a)と、前記座標取得ステップ(a)で取得した前記画像ごとの前記座標から前記画像ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップ(b)と、前記領域計算ステップ(b)で計算された前記画像ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップ(c)とを備えるものである。
【0009】
本発明に係る別のタッチ領域設定方法は、タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定方法であって、前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得ステップ(d)と、前記座標取得ステップ(d)で取得した前記複数の画像の前記座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域を計算する領域計算ステップ(e)とを備えるものである。
【0010】
本発明に係る別のタッチ領域設定方法は、タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定方法であって、前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、隣接する複数の画像の組ごとに座標を取得する座標取得ステップ(f)と、前記組ごとの座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記組ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップ(g)と、前記領域計算ステップ(g)で計算された前記組ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップ(h)とを備えるものである。
【0011】
本発明に係るタッチ領域設定装置は、タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定装置であって、前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得部と、前記座標取得部で取得した前記画像ごとの前記座標から前記画像ごとのタッチ領域を計算する領域計算部と、前記領域計算部で計算された前記画像ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定部とを備えるものである。
【0012】
本発明に係る別のタッチ領域設定装置は、タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定装置であって、前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、前記画像ごとの座標を取得する座標取得部と、前記座標取得部で取得した前記複数の画像の前記座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域を計算する領域計算部とを備えるものである。
【0013】
本発明に係る別のタッチ領域設定装置は、タッチパネルへのユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ領域の設定装置であって、前記ユーザのタッチ操作の際に前記タッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の前記画像データから、隣接する複数の画像の組ごとに座標を取得する座標取得部と、前記組ごとの座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで前記組ごとのタッチ領域を計算する領域計算部と、前記領域計算部で計算された前記組ごとの前記タッチ領域の和集合を求めることで前記タッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、タッチ領域設定方法は、ユーザのタッチ操作の際にタッチパネル上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像の画像データであって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを記憶する記憶部から読み込まれた複数の画像データから、画像ごとの座標を取得する座標取得ステップ(a)と、座標取得ステップ(a)で取得した画像ごとの座標から画像ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップ(b)と、領域計算ステップ(b)で計算された画像ごとのタッチ領域の和集合を求めることでタッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップ(c)とを備える。
【0015】
したがって、移動可能な構成部品について、構成部品の可動範囲を包含するタッチ領域を初期値として自動的に設定することができるため、通常期待されるタッチ領域を初期値として設定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係るタッチ領域設定装置の機能ブロック図である。
図2】実施の形態1に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1において1番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
図4】実施の形態1において1番目の画像と2番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
図5】実施の形態1において1番目から8番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
図6】実施の形態2に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。
図7】実施の形態2において設定されるタッチ領域の例を示す図である。
図8】実施の形態2において設定されるタッチ領域の他の例を示す図である。
図9】実施の形態3に係るタッチ領域設定装置の機能ブロック図である。
図10】実施の形態3に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。
図11】実施の形態3に係るタッチ領域設定方法に関する別の処理手順を示すフローチャートである。
図12】実施の形態3において設定されるタッチ領域の例を示す図である。
図13】実施の形態4に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。
図14】実施の形態4において設定されるタッチ領域の例を示す図である。
図15】実施の形態5に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。
図16】実施の形態5において1番目および2番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
図17】実施の形態5において1番目から3番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
図18】実施の形態5において1番目から11番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。図1は、実施の形態1においてタッチパネル1へのタッチ操作を行うためのタッチ領域を設定するタッチ領域設定装置2の機能ブロック図である。
【0018】
タッチパネル1は、液晶モジュールと一体に形成され、液晶モジュールに表示されるタッチ操作の構成部品に対し、ユーザのタッチ操作を受け付ける機能を有する。タッチ領域設定装置2は、構成部品のデザインデータからタッチ領域を決定する機能を備える。決定されたタッチ領域は、タッチパネル1に表示されて確認することができる。
【0019】
タッチ領域設定装置2は、座標取得部3、領域計算部4、タッチ領域決定部5および記憶部6を備える。タッチ領域設定装置2は、例えば、図示しない中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)を備えて構成される。記憶部6は、例えば半導体メモリで実現され、前記デザインデータを記憶する。デザインデータは、構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像のデータ(以下「画像データ」という)を含んでいる。また、記憶部6は、タッチ領域設定方法に関する処理の実行に伴ってタッチ領域のリスト(以下「タッチ領域リスト」という)と、図示しないCPUの制御プログラムなどを記憶する。ここで、構成部品とは、タッチパネル1上に表示されるタッチ操作の対象をいい、例えばスライドバーなどである。
【0020】
座標取得部3、領域計算部4およびタッチ領域決定部5は、CPUが記憶部6に記憶されたプログラムを実行することでCPUの機能として実現される。ただし、これらは、例えば複数のCPUが連携して実現されてもよい。
【0021】
座標取得部3は、記憶部6に記憶された構成部品の複数の画像データから、画像ごとの座標を取得する。領域計算部4は、画像ごとの座標から画像ごとのタッチ領域を計算する。タッチ領域決定部5は、画像ごとのタッチ領域の和集合を求めることでタッチパネル1上のタッチ領域の座標を決定し、決定したタッチ領域の座標を記憶部6に記憶させる。
【0022】
次に、図2を用いて、実施の形態1に係るタッチ領域設定方法について説明する。図2は、実施の形態1に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0023】
図2に示すように、タッチ領域設定方法は、座標取得ステップ、領域計算ステップおよびタッチ領域決定ステップを備える。座標取得ステップは座標取得部3が実行する処理であり、領域計算ステップは領域計算部4が実行する処理であり、タッチ領域決定ステップはタッチ領域決定部5が実行する処理である。タッチ領域設定装置2がタッチ領域設定方法に関する処理を開始すると、座標取得部3は、記憶部6から構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像データを読み込んで、画像の数を抽出し(ステップS1)、カウンタnを1に設定する(ステップS2)。座標取得部3は、構成部品のn番目の画像の座標を抽出する(ステップS3)。ここで、画像の座標は、記憶部6に画像データに対応付けて記憶されている。
【0024】
次に、領域計算部4は、座標取得部3が抽出した座標からタッチ領域を計算する(ステップS4)。タッチ領域決定部5は、領域計算部4が計算したタッチ領域を、記憶部6に記憶されるタッチ領域リストに追加することで(ステップS5)、画像ごとのタッチ領域の和集合を求める。タッチ領域決定部5は、n番目の画像が最後の画像かどうかを判定する(ステップS6)。n番目の画像が最後の画像でない場合(ステップS6においてNo)、カウンタnが1だけインクリメントされ(ステップS7)、処理がステップS3へ移行され、ステップS3からステップS6までの処理が繰り返される。
【0025】
他方、n番目の画像が最後の画像である場合(ステップS6においてYes)、タッチ領域設定装置2は、タッチ領域設定方法に関する処理を終了する。
【0026】
次に、図2から図5を用いてタッチ領域設定方法に関する処理の具体的な動作について説明する。図3は、1番目の画像21のデータからタッチ領域を設定した例を示す図であり、図4は、1番目の画像21と2番目の画像22のデータからタッチ領域を設定した例を示す図であり、図5は、1番目から8番目の画像のデータからタッチ領域を設定した例を示す図である。
【0027】
図3から図5は、丸い形状の構成部品が円状に移動する場合の例である。図3から図5においては、画像21から画像28が示され、これらはそれぞれ構成部品の1番目から8番目の画像である。
【0028】
最初に、ステップS1では、記憶部6に記憶された構成部品の複数の画像データから、構成部品の画像の数が抽出されるが、図3の例ではその値は8である。次に、ステップS2では、1番目の画像21の座標が抽出されるが、この座標は、画像21に外接する四角形の頂点の座標に該当する。
【0029】
ステップS4では、抽出された四角形の頂点の座標をタッチ領域29の座標とする。ステップS5では、領域計算部4が出力する四角形の頂点の座標が画像21のタッチ領域29としてタッチ領域リストに登録される。1番目の画像21のタッチ領域が登録された段階では、構成部品の画像(画像22から画像28)がまだ残っているため、ステップS3に戻ってこれまでの処理が継続される。
【0030】
次に、2番目の画像22に関する処理について図4を用いて説明する。ステップS3では、2番目の画像22の座標が抽出されるが、この座標は、画像22に外接する四角形の頂点の座標に該当する。ステップS4では、抽出された四角形の頂点の座標がタッチ領域30の座標とされる。ステップS5では、領域計算部4が出力する四角形の頂点の座標が画像22のタッチ領域30としてタッチ領域リストに登録されることで、画像ごとのタッチ領域の和集合が求められる。
【0031】
このように、ステップS3からステップS5が構成部品の画像の数と同じ回数である8回繰り返されることによって、画像ごとのタッチ領域の和集合が求められ、図5の太線で囲まれた領域がタッチパネル1上のタッチ領域としてタッチ領域リストに登録される。ここで、画像ごとのタッチ領域の和集合とは、画像ごとのタッチ領域の論理和に相当する領域のことをいう。
【0032】
上記の例では、円状のタッチ領域を設定する方法について説明したが、本発明はタッチ領域の形状には依存しないため、任意の曲線状または直線状のタッチ領域を設定することも可能である。
【0033】
以上より、スライドバーのような移動可能な構成部品について、全ての画像を包含するタッチ領域リストを生成することができる。そのため、タッチ座標がタッチ領域リストのそれぞれについて内部にあるかどうかを順次確認すれば、最終的にそのタッチ座標が図5の太線で囲まれたタッチ領域の内部であるか外部であるかを判定することができる。よって、ユーザは、タッチパネル1上に表示される構成部品をタッチ操作してタッチパネル1上を移動させた場合でも、移動した先がタッチ領域リストに登録されているため、引き続きタッチ操作を行うことができる。
【0034】
以上のように、実施の形態1に係るタッチ領域設定方法は、タッチパネル1上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像であって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像から、画像ごとの座標を取得する座標取得ステップ(a)と、座標取得ステップ(a)で取得した画像ごとの座標から画像ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップ(b)と、領域計算ステップ(b)で計算された画像ごとのタッチ領域の和集合を求めることでタッチパネル1上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップ(c)とを備える。
【0035】
したがって、移動可能な構成部品について、構成部品の可動範囲を包含するタッチ領域を初期値として自動的に設定することができるため、通常期待されるタッチ領域を初期値として設定することが可能である。
【0036】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係るタッチ領域設定方法について説明する。図6は、実施の形態2に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートであり、図7は、実施の形態2において設定されるタッチ領域の例を示す図であり、図8は、実施の形態2において設定されるタッチ領域の他の例を示す図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0037】
実施の形態1では、構成部品の画像ごとのタッチ領域の和集合を求めることでタッチパネル1上のタッチ領域の座標を決定していた。実施の形態2では、構成部品の複数の画像の座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることでタッチパネル1上のタッチ領域を計算しこの座標を決定する。
【0038】
次に、図6を用いて実施の形態2に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順について説明する。実施の形態2において、座標取得ステップは実施の形態1の場合と同じであり、領域計算ステップとタッチ領域決定ステップは実施の形態1の場合と異なっている。
【0039】
座標取得部3は、実施の形態1の場合と同様に座標取得ステップ(ステップS11からステップS13)を行う。領域計算部4は、n番目の画像の座標の水平方向の最大値および最小値、かつ、垂直方向の最大値および最小値を抽出し(ステップS14)、n番目の画像が最後の画像かどうかを判定する(ステップS15)。n番目の画像が最後の画像ではない場合(ステップS15においてNo)、カウンタnは1だけインクリメントされ(ステップS16)、処理はステップS13へ移行され、ステップS13からステップS15までの処理が繰り返される。
【0040】
他方、n番目の画像が最後の画像である場合(ステップS15においてYes)、領域計算部4は、取得した全ての画像の座標の水平方向の最大値および最小値、かつ、垂直方向の最大値および最小値からタッチ領域の座標を計算する(ステップS17)。タッチ領域決定部5は、領域計算部4が計算したタッチ領域の座標を、記憶部6に記憶されるタッチ領域リストに追加し(ステップS18)、タッチ領域設定装置2は、タッチ領域設定方法に関する処理を終了する。この方法によれば、構成部品の全ての画像を包含する1つの四角形によってタッチ領域を構成することができる。
【0041】
図7に示すように、構成部品の大きさが変化せず、水平方向にのみ移動する構成部品の場合を考える。構成部品の最初の画像61がある一端にあり、最後の画像62が他端にあることが予め分かっている場合には、最初の画像61と最後の画像62のみから座標データの最小値と最大値を抽出してタッチ領域63を算出してもよい。
【0042】
また、図8に示すように、構成部品の大きさが変化せず、垂直方向にのみ移動する構成部品の場合を考える。構成部品の最初の画像71がある一端にあり、最後の画像72が他端にあることが予め分かっている場合には、最初の画像71と最後の画像72のみから座標データの最小値と最大値を抽出してタッチ領域73を算出してもよい。
【0043】
以上のように、実施の形態2に係るタッチ領域設定方法は、タッチパネル1上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像であって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像から、画像ごとの座標を取得する座標取得ステップ(d)と、座標取得ステップ(d)で取得した複数の画像の座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることでタッチパネル1上のタッチ領域を計算する領域計算ステップ(e)とを備える。
【0044】
したがって、移動可能な構成部品について、構成部品の可動範囲を包含するタッチ領域を初期値として自動的に設定することができるため、通常期待されるタッチ領域を初期値として設定することが可能である。
【0045】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3に係るタッチ領域設定方法について説明する。図9は、実施の形態3に係るタッチ領域設定装置2の機能ブロック図である。図10は、実施の形態3に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートであり、図11は、実施の形態3に係るタッチ領域設定方法に関する別の処理手順を示すフローチャートであり、図12は、実施の形態3において設定されるタッチ領域の例を示す図である。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0046】
実施の形態1では、構成部品の画像から抽出した座標が、そのまま画像ごとのタッチ領域としてタッチ領域リストに登録されていた。実施の形態3においてタッチ領域設定装置2は、補正部7をさらに備える。補正部7を備えることで、タッチ領域における水平方向、垂直方向またはこれら両方向の補正値として、ユーザが同じ値または独立な値を指定できるようになっている。これにより、領域計算部4から出力される画像の座標について、その補正値との補正(例えば加減算)を行うことで、画像ごとのタッチ領域の座標が求められる。ここで、補正部7は、CPUが記憶部6に記憶されたプログラムを実行することでCPUの機能として実現される。
【0047】
次に、図10を用いて実施の形態3に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順について説明する。実施の形態3に係るタッチ領域設定方法は、実施の形態1の場合に対して領域計算ステップとタッチ領域決定ステップとの間に補正ステップを追加したものである。座標取得部3は、実施の形態1の場合と同様に座標取得ステップ(ステップS21からステップS23)を行う。タッチ領域決定部5は、実施の形態1の場合と同様にタッチ領域決定ステップ(ステップS24)を行う。
【0048】
補正部7は、補正値を用いて画像ごとのタッチ領域を、例えば加減算によって補正する(ステップS25)。ここで、補正値は、記憶部6に予め複数記憶される。ユーザは、記憶部6に記憶された複数の補正値の中から所望の値を指定することが可能である。また、ユーザは、複数の補正値の中から指定するのではなく、補正値を直接入力(指定)してもよい。
【0049】
タッチ領域設定方法に関する処理手順の説明に戻る。タッチ領域決定部5は、実施の形態1の場合と同様に、タッチ領域決定ステップ(ステップS26とステップS27)を行うが、ステップS26においてはステップS25で補正された画像ごとのタッチ領域の座標をタッチ領域リストに追加する。
【0050】
また、図11に示すように、実施の形態2の場合に対して領域計算ステップとタッチ領域決定ステップとの間に補正ステップを追加してもよい。
【0051】
以上のように、実施の形態3に係るタッチ領域設定方法は、領域計算ステップ(b)で計算された画像ごとのタッチ領域を、ユーザが指定する値で補正する補正ステップ(i)をさらに備える。
【0052】
また、実施の形態3に係る別のタッチ領域設定方法は、領域計算ステップ(e)で計算されたタッチパネル1上のタッチ領域を、ユーザが指定する値で補正する補正ステップ(j)をさらに備える。
【0053】
したがって、図12に示すように、例えば、正の補正値によってタッチ領域の座標の最小値を減算することで補正し、正の補正値によってタッチ座標の最大値と加算することで補正することによって、タッチ領域を画像のサイズよりも拡張し、タッチ操作の認識を容易にすることができる。なお、図12において太線で囲まれた領域がタッチ領域74である。ただし、この実施の形態によるタッチ領域の補正は、タッチ領域の拡大に限定するものではない。また、補正値が正であることに限定するものではない。
【0054】
<実施の形態4>
次に、実施の形態4に係るタッチ領域設定方法について説明する。図13は、実施の形態4に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートであり、図14は、実施の形態4において設定されるタッチ領域の例を示す図である。なお、実施の形態4において、実施の形態1から3で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0055】
実施の形態1から3では、構成部品の全画像から座標を抽出していた。これに対して、実施の形態4においては、ユーザに選択された画像のみから座標を抽出する。
【0056】
次に、図13を用いて実施の形態4に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順について説明する。実施の形態4に係るタッチ領域設定方法は、実施の形態1の場合に対して座標取得ステップの最後にステップS44を追加したものである。すなわち、座標取得部3は、構成部品のn番目の画像の座標を抽出した後(ステップS43)、n番目の画像がユーザによって選択された画像かどうかを判定する(ステップS44)。選択された画像である場合(ステップS44においてYes)、領域計算部4は、当該画像の座標からタッチ領域を計算する(ステップS45)。
【0057】
他方、選択された画像でない場合(ステップS44においてNo)、領域計算部4は、当該画像の座標からタッチ領域を計算することなく、ステップS43へ移行する。
【0058】
以上のように、実施の形態4に係るタッチ領域設定方法では、座標取得ステップ(a)は、複数の画像のうち、ユーザによって選択された画像から座標を取得するステップである。したがって、図14に示すように、構成部品の画像データを作り直すことなく、複数の画像の一部を可動範囲とするタッチパネル1上のタッチ領域75を設定することができる。
【0059】
<実施の形態5>
次に、実施の形態5に係るタッチ領域設定方法について説明する。図15は、実施の形態5に係るタッチ領域設定方法に関する処理手順を示すフローチャートである。図16は、実施の形態5において1番目および2番目の画像の画像データからタッチ領域を設定した例を示す図であり、図17は、実施の形態5において1番目から3番目の画像の画像データからタッチ領域を設定した例を示す図であり、図18は、実施の形態5において1番目から11番目の画像の画像データからタッチ領域を設定した例を示す図である。なお、実施の形態5において、実施の形態1から4で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
【0060】
実施の形態1では、画像ごとに座標を抽出してタッチ領域の座標を決定していた。これに対して実施の形態5では、隣接する複数の画像の組ごとに座標の最小値および最大値を求めることで、タッチ領域の座標を決定する。
【0061】
次に、図15を用いて、実施の形態5に係るタッチ領域設定方法について説明する。タッチ領域設定装置2がタッチ領域設定方法に関する処理を開始すると、座標取得部3は、記憶部6から構成部品の複数の画像データを読み込んで、画像データの数を抽出し(ステップS51)、カウンタnを1に設定する(ステップS52)。座標取得部3は、構成部品のn番目から(n+m)番目の画像の画像データを一組として組ごとの座標を抽出する(ステップS53)。ここで、mは正の整数である。
【0062】
次に、領域計算部4は、座標取得部3が抽出した座標の最大値および最小値を抽出し(ステップS54)、抽出した座標の最大値および最小値から組ごとのタッチ領域の座標を計算する(ステップS55)。
【0063】
タッチ領域決定部5は、領域計算部4が計算したタッチ領域の座標を、記憶部6に記憶されるタッチ領域リストに追加することで(ステップS56)、組ごとのタッチ領域の和集合を求める。タッチ領域決定部5は、(n+m)番目の画像が最後の画像かどうかを判定する(ステップS57)。(n+m)番目の画像が最後の画像でない場合(ステップS57においてNo)、カウンタnが1だけインクリメントされ(ステップS58)、処理がステップS53へ移行され、ステップS53からステップS57までの処理が繰り返される。
【0064】
他方、(n+m)番目の画像が最後の画像である場合(ステップS57においてYes)、タッチ領域設定装置2は、タッチ領域設定方法に関する処理を終了する。
【0065】
次に、図16から図18を用いてタッチ領域設定方法に関する処理の具体的な動作について説明する。図16から図18は、丸い形状の構成部品が円状に移動する場合の例である。図16から図18においては、画像141から画像150が示され、これらはそれぞれ構成部品の1番目から10番目の画像である。
【0066】
最初に、ステップS51では、記憶部6に記憶された構成部品の複数の画像データから、構成部品の画像の数が抽出されるが、図16の例ではその値は10である。次に、ステップS53では、(n+m)番目の画像、すなわち、1番目および2番目の画像の座標が抽出されるが、この座標は、画像141,142に外接する四角形の頂点の座標データに該当する。なお、m=1である。
【0067】
ステップS54では、抽出された四角形の頂点の座標の最大値および最小値を画像141,142の組ごとのタッチ領域151の座標とする。ステップS56では、領域計算部4が出力する四角形の頂点の座標の最大値および最小値が画像141,142の組ごとのタッチ領域151としてタッチ領域リストに登録される。画像141,142の組ごとのタッチ領域151が登録された段階では、まだ構成部品の画像(画像143から画像150)が残っているため、ステップS53に戻ってこれまでの処理が継続される。
【0068】
次に、2番目および3番目の画像に関する処理について図17を用いて説明する。ステップS53では、2番目および3番目の画像の座標が抽出されるが、この座標は、画像142および画像143に外接する四角形の頂点の座標データの最大値および最小値に該当する。ステップS54では、抽出された四角形の頂点の座標の最大値および最小値がタッチ領域152の座標とされる。ステップS56では、領域計算部4が出力する四角形の頂点の座標の最大値および最小値が画像142および画像143の組ごとのタッチ領域152としてタッチ領域リストに登録されることで、組ごとのタッチ領域の和集合が求められる。
【0069】
このように、隣接する画像がタッチパネル1上で離れていても、その間をタッチ領域で結ぶことができる。さらに、11番目の画像として最初の画像と同じ画像を用いれば、最初の画像と最後の画像の間も結合されるため、図18の太線で囲まれた領域がタッチ領域153としてタッチ領域リストに登録される。
【0070】
以上のように、実施の形態5に係るタッチ領域設定方法は、タッチパネル1上に表示されるタッチ操作の対象である構成部品の画像であって、当該構成部品が各々異なる位置に移動した複数の画像から、隣接する複数の画像の組ごとに座標を取得する座標取得ステップ(f)と、組ごとの座標の水平方向の最小値および最大値、かつ、垂直方向の最小値および最大値を求めることで組ごとのタッチ領域を計算する領域計算ステップ(g)と、領域計算ステップ(g)で計算された組ごとのタッチ領域の和集合を求めることでタッチパネル上のタッチ領域の座標を決定するタッチ領域決定ステップ(h)とを備える。
【0071】
したがって、タッチパネル1上で構成部品の画像が互いに離れた位置に位置していてもタッチ領域としては結合された領域とすることができるため、構成部品を移動させている途中に、タッチ操作が中断されることを防止できる。
【0072】
<その他の変形例>
以上の説明では、座標取得部3、領域計算部4、タッチ領域決定部5および補正部7は、CPUが記憶部6に記憶されたソフトウェアプログラムに従って動作することで実現された。しかしこれに代えて、座標取得部3、領域計算部4、タッチ領域決定部5および補正部7は、当該動作をハードウェアの電気回路で実現する信号処理回路によって実現されてもよい。ソフトウェアの座標取得部3、領域計算部4、タッチ領域決定部5および補正部7と、ハードウェアの座標取得部3、領域計算部4、タッチ領域決定部5および補正部7とを合わせた概念として、「部」という語に代えて「処理回路」という語を用いることもできる。
【0073】
実施の形態1から5で用いた図では、構成部品の複数の画像の大きさは同じとしているが、構成部品の複数の画像の大きさは異なっていてもよい。
【0074】
また、実施の形態1から5では、図面においてタッチパネル1の上側へ行く程座標が小さくなるとしているが、上側へ行く程座標が大きくなるようなタッチパネルを用いてもよい。また、図面においてタッチパネル1の左側へ行く程座標が小さくなるとしているが、左側へ行く程座標が大きくなるようなタッチパネルを用いてもよい。
【0075】
また、実施の形態1から5では、タッチパネル1の解像度と液晶モジュールの画面の解像度が一致している場合について説明したが、タッチパネル1の解像度と液晶モジュールの画面の解像度が一致していない場合であってもよい。つまり、タッチパネル1の垂直方向の解像度と液晶モジュールの画面の垂直方向の解像度との比を構成部品の垂直方向の座標に掛け合わせ、タッチパネル1の水平方向の解像度と液晶モジュールの画面の水平方向の解像度との比を構成部品の水平方向の座標に掛け合わせることで解像度を変換する。これにより、タッチパネル1の解像度と異なる解像度の画面を有する液晶モジュールを、実施の形態1から5に採用することが可能である。
【0076】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 タッチパネル、2 タッチ領域設定装置、21,22,23,24,25,26,27,28 画像、29,30,31 タッチ領域、61,62 画像、63 タッチ領域、71,72 画像、73,74,75 タッチ領域、141,142,143,144,145,146,147,148,149,150 画像、151,152,153 タッチ領域。
図1
図2
図3
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図5
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