(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429654
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】支柱ロック装置及び物品支持装置
(51)【国際特許分類】
F16M 13/00 20060101AFI20181119BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20181119BHJP
F21V 21/22 20060101ALI20181119BHJP
F21S 6/00 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
F16M13/00 R
F16M13/02 D
F21V21/22 500
F21S6/00 400
F21S6/00 401
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-18063(P2015-18063)
(22)【出願日】2015年2月2日
(65)【公開番号】特開2016-142319(P2016-142319A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】599171729
【氏名又は名称】株式会社佐藤工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英明
【審査官】
米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭58−184307(JP,A)
【文献】
特開平9−264493(JP,A)
【文献】
特公昭43−10920(JP,B1)
【文献】
実公昭40−1802(JP,Y1)
【文献】
特許第5433613(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 13/00 − 13/02
F21S 6/00
F21V 21/22
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さを有するとともに断面外形が楕円形状の支柱と、
前記支柱が可動な状態で嵌入する断面が長方形の角孔を備えたガイド筒と、
前記角孔の四隅に配置された樹脂パイプと、を有し、
前記支柱が回転して、前記支柱の周面が前記角孔の長辺と当接した時に、前記支柱の長径方向は前記角孔の略対角線方向にあり、前記略対角線方向に位置する前記樹脂パイプが前記支柱を押圧して前記支柱の上下動をロックすることを特徴とする支柱ロック装置。
【請求項2】
前記支柱の長径方向が前記角孔の対角線方向を若干過ぎた位置で、前記支柱の周面が前記角孔の長辺と当接することを特徴とする請求項1記載の支柱ロック装置。
【請求項3】
支柱の断面外形の扁平度が0.07±0.01であり、
角孔の長辺寸法が前記支柱の長径寸法よりも0.5〜1.5%大きく、
前記支柱の長径寸法と短径寸法との差をΔLとしたときに、
前記角孔の短辺寸法が前記支柱の長径寸法よりも小さく且つ短径寸法よりも(ΔL/2)以上大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の支柱ロック装置。
【請求項4】
所定の長さを有する支柱と、前記支柱の上端部に設けられた台枠と、前記支柱の軸線に直交する支点軸により前記台枠に結合されて前記支点軸を中心に上下方向に揺動可能に支持された物品保持枠と、を備え、
前記支柱は、当該支柱内に回転可能に設けられたピッチ角調整ロッドを有し、
前記ピッチ角調整ロッドの上端部と前記物品保持枠との間には、前記ピッチ角調整ロッドの所定の回転角度範囲内における正逆の回転運動を、前記支点軸を中心とする前記物品保持枠の揺動運動に変換する伝動機構が介在され、
前記ピッチ角調整ロッドの下端部は、当該ピッチ角調整ロッドを正逆に回転させて前記物品保持枠を前記支点軸回りに揺動させるためのピッチング操作部として前記支柱の下端より突出し、
さらに前記支柱は、前記支柱内において前記ピッチ角調整ロッドとは別に単独での回転が可能に設けられたヨー角調整ロッドを有し、当該ヨー角調整ロッドの上端部に前記台枠が固定され、前記ヨー角調整ロッドの下端部は、当該ヨー角調整ロッドを中心に前記台枠を回動させるためのヨーイング操作部として前記支柱の下端より突出した、物品支持装置において、
前記支柱の断面外形が楕円形状であるとともに、前記支柱をその軸方向に沿って昇降可能に保持する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の支柱ロック装置を備えたことを特徴とする物品支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱をその軸線方向に沿って昇降可能に保持する支柱ロック装置及び、この支柱ロック装置を備えた物品支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明器具やスピーカ、その他の電気機器の使用に際し、その方向を変えたい場合が多く存在する。しかしながら、それら電気機器が高所に設置されている場合、その向きを変えることは容易ではない。この問題点に関し、本願発明者らは支柱の上端部に電気機器を設置する台枠を設けるとともに、支柱内部に電気機器のピッチ角を調整するピッチ角調整ロッドと電気機器のヨー角を調整するヨー角調整ロッドとを挿通して、これらピッチ角調整ロッド、ヨー角調整ロッドを支柱の下端側で操作することが可能な下記[特許文献1]に記載の支持装置に関する発明を行った。
【0003】
また、この[特許文献1]には、支柱をその軸線方向に沿って昇降可能に保持するガイド筒と、そのガイド筒に設けられ支柱の軸線方向への移動を規制するロック装置と、を備えた支持装置に関する発明が開示されている。そしてこのロック装置により、電気機器を使用する際には支柱を上昇させ所定の位置でロックして保持し、不使用時には支柱を下げて収容することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5433613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、[特許文献1]に記載の発明のロック装置は振動等によって徐々に緩む可能性が有り、更なる改善が望まれる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、支柱の保持と解除が容易で且つ振動に際しても保持状態が緩まない支柱ロック装置及び、この支柱ロック装置を備えた物品支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(1)所定の長さを有するとともに断面外形が楕円形状の支柱30と、前記支柱30が可動な状態で嵌入する断面が長方形の角孔32を備えたガイド筒34と、前記角孔32の四隅に配置された樹脂パイプ36と、を有し、
前記支柱30が回転して、前記支柱30の周面が前記角孔32の長辺と当接した時に、前記支柱30の長径方向は前記角孔32の略対角線方向にあり、前記略対角線方向に位置する前記樹脂パイプ36が前記支柱30を押圧して前記支柱30の上下動をロックすることを特徴とする支柱ロック装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)前記支柱30の長径方向が前記角孔32の対角線方向を若干過ぎた位置で、前記支柱30の周面が前記角孔32の長辺と当接することを特徴とする上記(1)記載の支柱ロック装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)支柱30の断面外形の扁平度が0.07±0.01であり、
角孔32の長辺寸法が前記支柱30の長径寸法よりも0.5〜1.5%大きく、
前記支柱30の長径寸法と短径寸法との差をΔLとしたときに、
前記角孔32の短辺寸法が前記支柱30の長径寸法よりも小さく且つ短径寸法よりも(ΔL/2)以上大きいことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の支柱ロック装置80を提供することにより、上記課題を解決する。
(4)所定の長さを有する支柱30と、前記支柱30の上端部に設けられた台枠2と、前記支柱30の軸線に直交する支点軸3により前記台枠2に結合されて前記支点軸3を中心に上下方向に揺動可能に支持された物品保持枠4と、を備え、
前記支柱30は、当該支柱30内に回転可能に設けられたピッチ角調整ロッド12を有し、
前記ピッチ角調整ロッド12の上端部と前記物品保持枠4との間には、前記ピッチ角調整ロッド12の所定の回転角度範囲内における正逆の回転運動を、前記支点軸3を中心とする前記物品保持枠4の揺動運動に変換する伝動機構8が介在され、
前記ピッチ角調整ロッド12の下端部は、当該ピッチ角調整ロッド12を正逆に回転させて前記物品保持枠4を前記支点軸3回りに揺動させるためのピッチング操作部(ハンドル12a)として前記支柱30の下端より突出し、
さらに前記支柱30は、前記支柱30内において前記ピッチ角調整ロッド12とは別に単独での回転が可能に設けられたヨー角調整ロッド13を有し、当該ヨー角調整ロッド13の上端部に前記台枠2が固定され、前記ヨー角調整ロッド13の下端部は、当該ヨー角調整ロッド13を中心に前記台枠2を回動させるためのヨーイング操作部(ハンドル13a)として前記支柱30の下端より突出した、物品支持装置100において、
前記支柱30の断面外形が楕円形状であるとともに、前記支柱30をその軸方向に沿って昇降可能に保持する上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の支柱ロック装置80を備えたことを特徴とする物品支持装置100を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る支柱ロック装置及び物品支持装置は、支柱の外形を楕円形状にするとともに、この支柱が挿通する角孔を支柱の楕円寸法と対応した長方形とし、さらに角孔の四隅に樹脂パイプを配置することで、支柱のロックと解除とを簡単に行うことができる。また、ロック状態において樹脂パイプが変形し、このときの樹脂パイプの弾性力によって支柱を押圧保持するため、支柱の保持に緩み等が生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る支柱ロック装置の斜視図である。
【
図2】本発明に係る支柱ロック装置のロック状態を示す図である。
【
図3】本発明に係る支柱ロック装置の解除状態を示す図である。
【
図5】本発明に係る物品支持装置の支柱ロック装置を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係る物品支持装置の伝達機構を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る支柱ロック装置80及びこれを備えた物品支持装置100の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここで、
図1は本発明に係る支柱ロック装置80の斜視図である。また、
図2は本発明に係る支柱ロック装置80のロック状態を示す上面図であり、
図3は解除状態を示す上面図である。
【0011】
本発明に係る支柱ロック装置80は、
図1〜
図3に示すように、所定の長さを有するとともに断面の外形が楕円形状の支柱30と、この支柱30が可動な状態で嵌入する断面が長方形の角孔32を備えたガイド筒34と、このガイド筒34の角孔32の四隅に配置された樹脂パイプ36と、を有している。
【0012】
支柱ロック装置80を構成するガイド筒34は、内層34aと表層34bとで構成することが好ましく、角孔32が形成される内層34aには成形及び加工が容易な合成樹脂を用い、表層34bにはある程度の強度を有するアルミ等の金属を用いることが好ましい。特に内層34aに使用する合成樹脂としてはポリアセタールのコポリマーであるデュラコン(登録商標)を用いることが好ましい。そして、ガイド筒34は例えば取付部材40を介して消防車両、工事車両等の特殊車両や設備、備品、建築物等に固定される。
【0013】
また、支柱30は前述のように断面外形が楕円形状を呈している。尚、支柱30を後述の物品支持装置100に用いる場合、支柱30は貫通孔30aを有するパイプ状として、この貫通孔30a内に
図5に示すようにピッチ角調整ロッド12とヨー角調整ロッド13とを挿入する。この場合、貫通孔30aは円形とすることが好ましい。また、支柱30の外形の楕円の扁平度は、さほど大きくせず0.07±0.01程度とすることが好ましい。ここで、扁平度を0.07±0.01とし、支柱30の長径寸法L1を仮に43.5mmとした場合、短径寸法L2は40.02mm〜40.89mmとなる。
【0014】
また、角孔32の長辺寸法L3、短辺寸法L4も支柱30の長径寸法L1、短径寸法L2に応じて適切な値に設定される。特に、角孔32の長辺寸法L3は長径寸法L1よりも若干、具体的には0.5〜1.5%程度大きくすることが好ましい。ここで、支柱30の長径寸法L1を仮に43.5mmとした場合、角孔32の長辺寸法L3は43.71mm〜44.15mmとなる。また、角孔32の短辺寸法L4は、支柱30の長径寸法L1よりも小さく、且つ短径寸法L2よりも大きい値に設定する。特に、支柱30の長径寸法L1と短径寸法L2との差をΔLとしたときに、短辺寸法L4を長径寸法L1よりも小さく、且つ短径寸法L2よりも(ΔL/2)以上大きくすることが好ましい。ここで、支柱30の長径寸法L1を仮に43.5mm、短径寸法L2を40.5mmとした場合、(ΔL/2)=1.5mmとなり、短辺寸法L4は43.5mm>L4≧42mmとなる。尚、上記の条件を満たす最も好ましい支柱30、角孔32の寸法比率としては、支柱30の扁平度が0.07、角孔32の長辺寸法L3=L1×1.009、短辺寸法L4=L2+(ΔL×0.73)であり、この場合、支柱30の長径寸法L1を43.5mmとすると、短径寸法L2は40.5mm、角孔32の長辺寸法L3は43.9mm、短辺寸法L4は42.7mmとなる。
【0015】
また、樹脂パイプ36はある程度の硬度を有するとともに、支柱30の回転による押圧で弾性的に変形する周知の合成樹脂製のパイプを用いる。尚、樹脂パイプ36の径は対角に位置する樹脂パイプ36の周面から周面までの距離が支柱30の長径寸法L1よりも若干小さくなるような値とする。このような径とすることで、支柱30の長径方向が角孔32の略対角線方向となった時に、支柱30が対角に位置する樹脂パイプ36を押圧して変形させると同時に、変形した樹脂パイプ36が支柱30を押圧保持する。尚、支柱30の長径寸法L1が43.5mm、角孔32の長辺寸法L3が43.9mm、短辺寸法L4が42.7mmのとき、樹脂パイプ36の径はφ7.6mmとすることが好ましい。
【0016】
次に、本発明に係る支柱ロック装置80の動作を説明する。先ず、支柱ロック装置80がロック状態にあるとき、支柱30は
図2(a)もしくは
図2(b)に示すように、支柱30の長径方向(L1)が角孔32の特定の略対角線方向に位置すると同時に、支柱30の特定の周面が角孔32の長辺と当接する。そして、このロック状態においては、対角に位置する樹脂パイプ36が弾性変形して支柱30を押圧保持し、支柱30の上下方向への移動を防止する。
【0017】
次に、このロック状態を解除する場合、作業員等のユーザが支柱30を持って、本例では
図2における反時計回り方向に捻る。これにより、
図3に示すように、支柱30の長径方向(L1)が角孔32の短辺方向側に回転し、支柱30の短径方向(L2)が角孔32の長辺方向側に回転する。これにより、支柱30の長径方向、短径方向が、角孔32の長辺方向、短辺方向と略同等な方向となり、支柱30と角孔32とが当接しないフリー状態となる。これにより、ロック状態は解除される。
【0018】
次に、ユーザは支柱30を要求される高さに移動する。これにより、支柱30はガイド筒34の角孔32内をスライドして所定の高さ位置に移動する。次に、ユーザは支柱30を捻る。尚、本例では
図3における時計回り方向に捻る例を示すが、支柱30の回転方向は時計回り、反時計回りのどちらでも良い。ただし、時計回りに回転してロック状態とした場合には、このロック状態の解除方向は反時計回りとなる。反対に反時計回りに回転してロック状態とした場合には、このロック状態の解除方向は時計回りとなる。
【0019】
この支柱30の回転により、支柱30の長径周面が樹脂パイプ36と当接し、樹脂パイプ36を押圧変形させる。これにより、支柱30の回転抵抗は増大する。さらに支柱30を回転させ、支柱30の長径方向が角孔32の特定の略対角線方向に位置すると、支柱30の周面が角孔32の長辺と当接してロック位置となり回転が停止する。このとき、この対角線方向に位置する樹脂パイプ36は支柱30の押圧によって変形するとともに、この変形によって生じる弾性力によって支柱30を押圧する。この樹脂パイプ36の押圧により、支柱30は確実に保持されて、支柱ロック装置80に継続的な振動等が加わった場合でも、この樹脂パイプ36が弾性体として振動を吸収し保持状態に緩み等が生じることはない。
【0020】
尚、支柱30のロック位置としては、
図2(b)に示すように、支柱30の長径方向が角孔32の対角線方向を若干(角度として数°〜10°程度)過ぎたときに、支柱30と角孔32とが当接することが特に好ましい。この構成によれば、支柱30の回転抵抗は角孔32の対角線方向でピークを取り、その後、支柱30は樹脂パイプ36の弾性力によってほぼ自動的に当接位置まで回転し保持される。よって、この構成では支柱30をロック位置に確実に位置させることができる他、ユーザは支柱30の回転抵抗の増減により支柱30が確実にロック状態となったことを体感することができる。また、支柱30と角孔32との当接時の衝突によりクリック音を発生するようにすれば、ユーザは聴覚的にもロック状態となったことを確認することができる。さらに、この構成ではロック状態を解除するために、樹脂パイプ36の頂点で生じる最大の回転抵抗力以上の力で支柱30を回転させる必要があり、上記の振動や偶発的な現象による支柱30の緩みをほぼ確実に防止することができる。
【0021】
次に、本発明に係る支柱ロック装置80を備えた物品支持装置100に関して説明する。
図4に示す本発明に係る物品支持装置100は、支柱ロック装置80を構成する所定の長さの支柱30を有しており、この支柱30の上端部には金属板を屈曲して構成した凹字形の台枠2が設置されている。そして、この台枠2の内側には、支柱30の軸線に直交する支点軸3を中心として上下方向に揺動可能な物品保持枠4が設けられており、その物品保持枠4に電気機器5が固定されている。尚、ここでは電気機器5に照明器具(投光器)を設けた例を示すが、電気機器5としては照明器具の他に集音マイク、ビデオカメラ、画像表示装置等、如何なる電気機器を設置しても良い。また、支柱30は前述のように断面外形が楕円形状で内部に貫通孔30aを有するパイプであり、
図5に示すように、内部にピッチ角調整ロッド12とヨー角調整ロッド13とがそれぞれ個別に回転可能なように挿入されている。そして、支柱30は支柱ロック装置80を構成するガイド筒34の角孔32に可動な状態で挿入される。また、ガイド筒34にはこの物品支持装置100を取付けるための取付部材40が固定されている。
【0022】
ピッチ角調整ロッド12は支柱30の貫通孔30aと同心状に配置された金属製の中空軸(丸パイプ)で、その上下両端部は支柱30より外方に突出している。そして、ピッチ角調整ロッド12の上端部は台枠2を貫通し、伝動機構8を介して物品保持枠4の底部に連結されており、その伝動機構8によってピッチ角調整ロッド12の正逆の回転運動が支点軸3を中心とする物品保持枠4の上下の揺動運動に変換される。また、ピッチ角調整ロッド12の下端部には外周にローレット加工を施した円筒状のハンドル12aが固定している。そして、このハンドル12aが物品保持枠4を支点軸3回りに揺動させるためのピッチング操作部を構成する。尚、ピッチ角調整ロッド12の内部には、一端が電気機器5に接続した図示しないケーブルが通されており、そのケーブルを通じて電気機器5に対する電力供給や各種信号の通信等が行われる。
【0023】
また、ヨー角調整ロッド13も支柱30の貫通孔30aと同心状に配置された金属製の中空軸(丸パイプ)で、その内径はピッチ角調整ロッド12の外径よりも大きく、その内部にピッチ角調整ロッド12が挿入されている。また、ヨー角調整ロッド13もその上下両端部が支柱30より外方に突出し、その上端部には台枠2が固定されている。また、ヨー角調整ロッド13の下端部には外周にローレット加工を施したリング状のハンドル13aが固定している。そして、このハンドル13aがヨー角調整ロッド13を中心に台枠2を回動させるためのヨーイング操作部を構成する。
【0024】
ここで、
図6を用いて物品支持装置100の好適な伝動機構8の構成について説明する。この伝動機構8は、
図6(a)、(b)に示すように、旋回アーム81と、両端に自在継手82、82を備えたリンク83と、を有している。そして、旋回アーム81はピッチ角調整ロッド12に直交して一端がピッチ角調整ロッド12の上端部に固定され、旋回アーム81の他端は自在継手82を介してリンク83の一端と接続している。また、自在継手82は、ボール受け82aと、このボール受け82aにより転動自在に保持されたボール部82bとを有するボールジョイントであり、このボールジョイント(自在継手82)がリンク83の両端に固定されている。そして、一方のボール受け82aで保持されたボール部82bは軸部82cを介して旋回アーム81の先端に取り付けられ、他方のボール受け82aで保持されたボール部82bは軸部82cを介して物品保持枠4の底部に取り付けられる。
【0025】
そして、上記構成の伝動機構8は、ピッチ角調整ロッド12を所定の回転角度範囲内で正逆に回転させたとき、その回転運動を物品保持枠4に対し支点軸3回りの揺動運動に変換して伝達する。従って、物品保持枠4のピッチ角(仰角ならびに俯角)の変化により、物品保持枠4に固定された電気機器5の方向を
図6(c)に示すように上向き(本例において最大仰角θは40度程度)にしたり、
図6(d)に示すように下向き(本例において最大俯角ωは55度程度)にしたりすることができる。さらに、台枠2は鉛直軸(ヨー角調整ロッド13)回りに回動可能であり、そのヨー角(方位角)が変化することにより、電気機器5の方向を前後左右方向に変化させることができる。
【0026】
尚、
図6(a)のように、支点軸3は台枠2の両端部あって物品保持枠4を上下方向に揺動可能に支持しているが、この支点軸3はその軸線が物品保持枠4と電気機器5とを合わせた構成体の重心を通る位置に設けることが好ましい。この構成では、
図6(c)、(d)に示す電気機器5の姿勢に拘らず物品保持枠4側からピッチ角調整ロッド12側に回転モーメントが作用しないので、物品保持枠4および電気機器5が自重により揺動することはなく、ハンドル12aから手を離しても電気機器5を設定したピッチ角に維持することができる。
【0027】
そして、上記の投光器としての電気機器5が設置された物品支持装置100は、例えば消防車などのレスキュー車両の車体に取付部材40を介して固定され、夜間での救助活動に際しては支柱30をガイド筒34に沿って所定の位置まで上昇させ、前述のように支柱30を捻ってロック状態とし、ハンドル12a、13aの回転操作を行って目的の場所に光を照射する。
【0028】
以上のように、本発明に係る支柱ロック装置80は、支柱30の外形を楕円形状にするとともに、この支柱30が挿通する角孔32を支柱30の楕円寸法と対応した長方形とし、さらに角孔32の四隅に樹脂パイプ36を配置することで、ユーザは支柱30を捻るだけで支柱30のロックと解除とを簡単に行うことができる。また、本発明に係る支柱ロック装置80は、ロック状態において樹脂パイプ36が変形し、このときの樹脂パイプ36の弾性力によって支柱30を押圧保持する。よって、支柱ロック装置80に継続的な振動等が加わった場合でもこの樹脂パイプ36が振動を吸収し、保持状態に緩み等が生じることはない。
【0029】
さらに、支柱30のロック位置を支柱30の長径方向が角孔32の対角線方向を若干過ぎた位置とした構成では、樹脂パイプ36の弾性力が支柱30をロック位置まで回転させるため支柱30をロック位置に確実に位置させることができる。また、ユーザは支柱30の回転抵抗の増減により支柱30が確実にロック状態となったことを確認することができる。さらに、この構成では樹脂パイプ36の頂点で生じる最大の回転抵抗力以上の力で支柱30を回転させなければロック状態が解除しないため、振動や偶発的な現象による支柱30の緩みをほぼ確実に防止することができる。
【0030】
尚、本例で示した支柱ロック装置80、物品支持装置100の各部の構成、形状、動作機構、寸法等は一例であり、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
2 台枠
3 支点軸
4 物品保持枠
8 伝動機構
12 ピッチ角調整ロッド
13 ヨー角調整ロッド
30 支柱
32 角孔
34 ガイド筒
36 樹脂パイプ
80 支柱ロック装置
100 物品支持装置