特許第6429669号(P6429669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6429669シート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429669
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】シート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 27/02 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   G01R27/02 R
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-32653(P2015-32653)
(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-156622(P2016-156622A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】半田 信久
【審査官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−256145(JP,A)
【文献】 特開2010−217134(JP,A)
【文献】 特開昭62−204168(JP,A)
【文献】 特表平08−509840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体部の一面に規定された第1供給位置に配設された第1供給プローブ、前記一面に規定された第2供給位置に配設された第2供給プローブ、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第1仮想円上に規定された複数の第1検出位置にそれぞれ配設された複数の第1検出プローブ、および前記第1仮想円と同心で当該第1仮想円とは半径が相違する第2仮想円上に規定された複数の第2検出位置にそれぞれ配設された複数の第2検出プローブを有するプローブユニットと、
前記第1供給プローブおよび前記第2供給プローブを介して測定対象の2点間に測定用信号を供給している状態において、前記各第1検出プローブが接触している前記測定対象の複数の第1検出点および前記各第2検出プローブが接触している当該測定対象の複数の第2検出点についての被検出量を検出する検出処理を実行する検出部と、
前記検出処理によって検出された前記各被検出量に基づいて前記測定対象のシート抵抗を測定する測定処理を実行する測定部とを備えたシート抵抗測定装置であって、
前記第2供給プローブは、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第3仮想円上に規定された複数の前記第2供給位置にそれぞれ配設され、
前記各第2供給位置に配設される前記第2供給プローブの数は、前記第1検出プローブの数および前記第2検出プローブの数と異なる数に規定され、
前記検出部は、前記測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更して前記検出処理を複数回実行し、
前記測定部は、前記測定処理において、前記複数回の前記検出処理によって検出された前記各被検出量に基づいて前記シート抵抗を測定するシート抵抗測定装置。
【請求項2】
前記第2供給プローブの数および前記第1検出プローブの数が互いに素な数に規定されている請求項1記載のシート抵抗測定装置。
【請求項3】
前記第2供給プローブの数および前記第2検出プローブの数が互いに素な数に規定されている請求項1または2記載のシート抵抗測定装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記複数回の検出処理として、前記被検出量としての前記各第1検出点における各電位を検出する第1検出処理、および前記被検出量としての前記各第2検出点における各電位を検出する第2検出処理を、前記測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更してそれぞれ複数回実行し、
前記測定部は、前記測定処理において、前記複数回の第1検出処理によって検出された前記各第1検出点の各電位から前記測定対象における前記第1仮想円に対応する第1円形部分の平均電位を算出すると共に、前記複数回の第2検出処理によって検出された前記各第2検出点の各電位から前記測定対象における前記第2仮想円に対応する第2円形部分の平均電位を算出し、前記第1円形部分の平均電位および前記第2円形部分の平均電位に基づいて前記シート抵抗を測定する請求項1から3のいずれかに記載のシート抵抗測定装置。
【請求項5】
前記第1検出位置の数および前記第2検出位置の数が同じ数に規定され、
前記検出部は、前記複数回の検出処理として、前記各第1検出点および前記各第2検出点を一つずつ対にした複数の検出点対における各電位差を前記被検出量として検出する第3検出処理を、前記測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更してそれぞれ複数回実行し、
前記測定部は、前記測定処理において、前記複数回の第3検出処理によって検出された前記各電位差から前記測定対象における前記第1仮想円に対応する第1円形部分と当該測定対象における前記第2仮想円に対応する第2円形部分との間の平均電位差を算出し、前記平均電位差に基づいて前記シート抵抗を測定する請求項1から3のいずれかに記載のシート抵抗測定装置。
【請求項6】
前記各第1検出位置は、前記第1仮想円上において等間隔に規定されている請求項1から5のいずれかに記載のシート抵抗測定装置。
【請求項7】
前記各第2検出位置は、前記第2仮想円上において等間隔に規定されている請求項1から6のいずれかに記載のシート抵抗測定装置。
【請求項8】
前記各第2供給位置は、前記第3仮想円上において等間隔に規定されている請求項1から7のいずれかに記載のシート抵抗測定装置。
【請求項9】
一面に規定された第1供給位置に第1供給プローブを配設し、前記一面に規定された第2供給位置に第2供給プローブを配設し、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第1仮想円上に規定された複数の第1検出位置に第1検出プローブを配設し、前記第1仮想円と同心で当該第1仮想円とは半径が相違する第2仮想円上に規定された複数の第2検出位置に第2検出プローブを配設して、
前記第1供給プローブおよび前記第2供給プローブを介して測定対象の2点間に測定用信号を供給している状態において、前記第1検出プローブが接触している前記測定対象の複数の第1検出点および前記第2検出プローブが接触している当該測定対象の複数の第2検出点についての被検出量を検出する検出処理を実行し、
前記検出処理によって検出された前記被検出量に基づいて前記測定対象のシート抵抗を測定する測定処理を実行するシート抵抗測定方法であって、
前記一面における前記第1供給位置を中心とする第3仮想円上に規定された複数の前記第2供給位置に前記第2供給プローブを配設し、前記各第2供給位置の数を前記各第1検出位置の数および前記各第2検出位置の数と異なる数に規定して、
測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更して前記検出処理を複数回実行し、
前記測定処理において、前記複数回の前記検出処理によって検出された前記各被検出量に基づいて前記シート抵抗を測定するシート抵抗測定方法。
【請求項10】
前記第2供給位置に対応する複数の第2供給プローブ、前記第1検出位置に対応する複数の前記第1検出プローブ、および前記第2検出位置に対応する複数の前記第2検出プローブが前記一面としての基体部の配設面に配設された治具型のプローブユニットを用いて、前記検出処理を実行する請求項9記載のシート抵抗測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象のシート抵抗を測定するシート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のシート抵抗測定装置として、下記特許文献1において出願人が開示したシート抵抗測定装置が知られている。このシート抵抗測定装置は、プローブユニット、測定部、および制御部を備えて、測定対象体のシート抵抗を測定可能に構成されている。このシート抵抗測定装置では、測定対象体の一面に規定された第1接点および第2接点にそれぞれ接触させたプローブユニットのプローブを介して測定用電流を供給している状態で、測定部が、第1接点を中心とする第1仮想円上に規定された3箇所の第3接点の電位を測定する第1測定処理と、第1仮想円と同心で第1仮想円とは半径が相違する第2仮想円上に規定された3箇所の第3接点の電位を測定する第2測定処理とを実行する。また、制御部が、第1測定処理によって測定された複数の電位に基づいて第1仮想円上の電位(平均電位)を演算する第1演算処理と、第2測定処理によって測定された複数の電位に基づいて第2仮想円上の電位(平均電位)を演算する第2演算処理とを実行し、各演算処理で演算した各電位に基づいてシート抵抗を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5350063号公報(第5−11頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来のシート抵抗測定装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、従来のシート抵抗測定装置では、第1仮想円上に規定された3箇所の第3接点の電位に基づいて演算した第1仮想円上の電位と、第2仮想円上に規定された3箇所の第3接点の電位に基づいて演算した第2仮想円上の電位とに基づいてシート抵抗を測定している。ここで、シート抵抗の測定精度を向上させるには、シート抵抗の演算の基礎となる第1仮想円上の電位および第2仮想円上の電位の精度を向上させる必要がある。この場合、第1仮想円上の電位および第2仮想円上の電位の精度を向上させる方法として、第1仮想円上および第2仮想円上に規定する第3接点の数を増やす方法が考えられる。しかしながら、第3接点の数を増やすに従って各第3接点に接触させるプローブの間隔が狭くなるが、その間隔はプローブユニットの構造やプローブの直径などによって限界があるため、第3接点の数を十分に増やすことが困難なことがある。このため、従来のシート抵抗測定装置には、シート抵抗の測定精度の向上が困難なことがあり、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、シート抵抗の測定精度を十分に向上し得るシート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載のシート抵抗測定装置は、基体部の一面に規定された第1供給位置に配設された第1供給プローブ、前記一面に規定された第2供給位置に配設された第2供給プローブ、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第1仮想円上に規定された複数の第1検出位置にそれぞれ配設された複数の第1検出プローブ、および前記第1仮想円と同心で当該第1仮想円とは半径が相違する第2仮想円上に規定された複数の第2検出位置にそれぞれ配設された複数の第2検出プローブを有するプローブユニットと、前記第1供給プローブおよび前記第2供給プローブを介して測定対象の2点間に測定用信号を供給している状態において、前記各第1検出プローブが接触している前記測定対象の複数の第1検出点および前記各第2検出プローブが接触している当該測定対象の複数の第2検出点についての被検出量を検出する検出処理を実行する検出部と、前記検出処理によって検出された前記各被検出量に基づいて前記測定対象のシート抵抗を測定する測定処理を実行する測定部とを備えたシート抵抗測定装置であって、前記第2供給プローブは、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第3仮想円上に規定された複数の前記第2供給位置にそれぞれ配設され、前記各第2供給位置に配設される前記第2供給プローブの数は、前記第1検出プローブの数および前記第2検出プローブの数と異なる数に規定され、前記検出部は、前記測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更して前記検出処理を複数回実行し、前記測定部は、前記測定処理において、前記複数回の前記検出処理によって検出された前記各被検出量に基づいて前記シート抵抗を測定する。
【0007】
また、請求項2記載のシート抵抗測定装置は、請求項1記載のシート抵抗測定装置において、前記第2供給プローブの数および前記第1検出プローブの数が、互いに素な数に規定されている。なお、「互いに素な数(互いに疎な数)」とは、2つの数(第2供給プローブの数、および第1検出プローブの数)において共通な素因数がないことをいうものとする。
【0008】
また、請求項3記載のシート抵抗測定装置は、請求項1または2記載のシート抵抗測定装置において、前記第2供給プローブの数および前記第2検出プローブの数が、互いに素な数に規定されている。なお、「互いに素な数(互いに疎な数)」とは、2つの数(第2供給プローブの数、および第2検出プローブの数)において共通な素因数がないことをいうものとする。
【0009】
また、請求項4記載のシート抵抗測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載のシート抵抗測定装置において、前記検出部は、前記複数回の検出処理として、前記被検出量としての前記各第1検出点における各電位を検出する第1検出処理、および前記被検出量としての前記各第2検出点における各電位を検出する第2検出処理を、前記測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更してそれぞれ複数回実行し、前記測定部は、前記測定処理において、前記複数回の第1検出処理によって検出された前記各第1検出点の各電位から前記測定対象における前記第1仮想円に対応する第1円形部分の平均電位を算出すると共に、前記複数回の第2検出処理によって検出された前記各第2検出点の各電位から前記測定対象における前記第2仮想円に対応する第2円形部分の平均電位を算出し、前記第1円形部分の平均電位および前記第2円形部分の平均電位に基づいて前記シート抵抗を測定する。
【0010】
さらに、請求項5記載のシート抵抗測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載のシート抵抗測定装置において、前記第1検出位置の数および前記第2検出位置の数が同じ数に規定され、前記検出部は、前記複数回の検出処理として、前記各第1検出点および前記各第2検出点を一つずつ対にした複数の検出点対における各電位差を前記被検出量として検出する第3検出処理を、前記測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更してそれぞれ複数回実行し、前記測定部は、前記測定処理において、前記複数回の第3検出処理によって検出された前記各電位差から前記測定対象における前記第1仮想円に対応する第1円形部分と当該測定対象における前記第2仮想円に対応する第2円形部分との間の平均電位差を算出し、前記平均電位差に基づいて前記シート抵抗を測定する。
【0011】
また、請求項6記載のシート抵抗測定装置は、請求項1から5のいずれかに記載のシート抵抗測定装置において、前記各第1検出位置は、前記第1仮想円上において等間隔に規定されている。
【0012】
また、請求項7記載のシート抵抗測定装置は、請求項1から6のいずれかに記載のシート抵抗測定装置において、前記各第2検出位置は、前記第2仮想円上において等間隔に規定されている。
【0013】
また、請求項8記載のシート抵抗測定装置は、請求項1から7のいずれかに記載のシート抵抗測定装置において、前記各第2供給位置は、前記第3仮想円上において等間隔に規定されている。
【0014】
また、請求項9記載のシート抵抗測定方法は、一面に規定された第1供給位置に第1供給プローブを配設し、前記一面に規定された第2供給位置に第2供給プローブを配設し、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第1仮想円上に規定された複数の第1検出位置に第1検出プローブを配設し、前記第1仮想円と同心で当該第1仮想円とは半径が相違する第2仮想円上に規定された複数の第2検出位置に第2検出プローブを配設して、前記第1供給プローブおよび前記第2供給プローブを介して測定対象の2点間に測定用信号を供給している状態において、前記第1検出プローブが接触している前記測定対象の複数の第1検出点および前記第2検出プローブが接触している当該測定対象の複数の第2検出点についての被検出量を検出する検出処理を実行し、前記検出処理によって検出された前記被検出量に基づいて前記測定対象のシート抵抗を測定する測定処理を実行するシート抵抗測定方法であって、前記一面における前記第1供給位置を中心とする第3仮想円上に規定された複数の前記第2供給位置に前記第2供給プローブを配設し、前記各第2供給位置の数を前記各第1検出位置の数および前記各第2検出位置の数と異なる数に規定して、測定用信号を供給する前記第2供給プローブを変更して前記検出処理を複数回実行し、前記測定処理において、前記複数回の前記検出処理によって検出された前記各被検出量に基づいて前記シート抵抗を測定する。
【0015】
また、請求項10記載のシート抵抗測定方法は、請求項9記載のシート抵抗測定方法において、前記第2供給位置に対応する複数の第2供給プローブ、前記第1検出位置に対応する複数の前記第1検出プローブ、および前記第2検出位置に対応する複数の前記第2検出プローブが前記一面としての基体部の配設面に配設された治具型のプローブユニットを用いて、前記検出処理を実行する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載のシート抵抗測定装置、および請求項9記載のシート抵抗測定方法では、第2供給プローブの数(第2供給位置の数)が第1検出プローブの数(第1検出位置の数)および第2検出プローブの数(第2検出位置の数)と異なる数に規定され、測定用信号を供給する第2供給プローブを変更して検出処理を複数回実行する。このため、このシート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法では、第2供給プローブの数(第2供給位置の数)が、第1検出プローブの数(第1検出位置の数)や第2検出プローブ(第2検出位置の数)と同数に規定されて、実行した被検出量の検出の回数よりも少ない数(例えば、第2供給プローブの数)分の検出結果を得ることしかできない従来の構成および方法とは異なり、実行した被検出量の検出の回数分(つまり、第2供給プローブ(第2供給位置)の数×第1検出プローブ(第1検出位置)の数分、および第2供給プローブの数×第2検出プローブ(第2検出位置)の数分)の被検出量の検出結果を得ることができる。したがって、このシート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法によれば、測定対象に接触可能なプローブの数を十分に増やすことが困難な場合であっても、比較的少ない数のプローブを用いて被検出量についての数多くの検出結果を得ることができるめ、被検出量についての数多くの検出結果を用いて測定対象のシート抵抗を測定することで、測定精度を十分に向上させることができる。
【0017】
また、請求項2記載のシート抵抗測定装置によれば、第2供給プローブの数および第1検出プローブの数を互いに素な数に規定したことにより、第1検出点について実行した被検出量の検出の回数分(第2供給プローブ(第2供給位置)の数×第1検出プローブ(第1検出位置)の数分)の被検出量の検出結果を確実に得ることができるため、測定対象のシート抵抗の測定精度を確実に向上させることができる。
【0018】
また、請求項3記載のシート抵抗測定装置によれば、第2供給プローブの数および第2検出プローブの数を互いに素な数に規定したことにより、第2検出点について実行した被検出量の検出の回数分(第2供給プローブ(第2供給位置)の数×第2検出プローブ(第2検出位置)の数分)の被検出量の検出結果を確実に得ることができるため、測定対象のシート抵抗の測定精度を確実に向上させることができる。
【0019】
また、請求項4記載のシート抵抗測定装置では、検出部が、各第1検出点における各電位を検出する第1検出処理、および各第2検出点における各電位を検出する第2検出処理を、測定用信号を供給する第2供給プローブを変更してそれぞれ複数回実行し、測定部が、各第1検出点の各電位から測定対象の第1円形部分の平均電位を算出すると共に、各第2検出点の各電位から測定対象の第2円形部分の平均電位を算出し、各平均電位に基づいてシート抵抗を測定する。このため、このシート抵抗測定装置によれば、各第1検出点および各第2検出点における電位についての数多くの検出結果から、第1円形部分の平均電位および第2円形部分の平均電位を十分正確に算出することができる結果、各円形部分の各平均電位に基づく測定対象のシート抵抗の測定精度を十分に向上させることができる。
【0020】
また、請求項5記載のシート抵抗測定装置では、第1検出位置の数および第2検出位置の数が同じ数に規定され、検出部が、各第1検出点および各第2検出点を対にした複数の検出点対における各電位差を検出する第3検出処理を、測定用信号を供給する第2供給プローブを変更してそれぞれ複数回実行し、測定部が、各電位差から測定対象の第1円形部分と第2円形部分との間の平均電位差を算出し、平均電位差に基づいてシート抵抗を測定する。このため、このシート抵抗測定装置によれば、各検出点対の電位差についての数多くの検出結果から、第1円形部分と第2円形部分との間の平均電位差を十分正確に算出することができる結果、平均電位差に基づく測定対象のシート抵抗の測定精度を十分に向上させることができる。また、このシート抵抗測定装置によれば、例えば、各第1検出点の電位と各第2検出点の電位とを別々に検出してその検出結果に基づいてシート抵抗を測定する構成と比較して、検出処理の回数が少ない分、測定処理の効率を高めることができる。
【0021】
また、請求項6記載のシート抵抗測定装置によれば、各第1検出位置を第1仮想円上において等間隔に規定したことにより、第1仮想円に対応する測定対象の第1円形部分において等間隔に位置する各第1検出点についての被検出量を検出することができるため、各電位から例えば第1円形部分についての被検出量を正確に算出することができる結果、測定対象のシート抵抗の測定精度をさらに向上させることができる。
【0022】
また、請求項7記載のシート抵抗測定装置によれば、各第2検出位置を第2仮想円上において等間隔に規定したことにより、第2仮想円に対応する測定対象の第2円形部分において等間隔に位置する各第2検出点についての被検出量を検出することができるため、各電位から例えば第2円形部分における被検出量の平均値を正確に算出することができる結果、測定対象のシート抵抗の測定精度をさらに向上させることができる。
【0023】
さらに、請求項8記載のシート抵抗測定装置によれば、各第2供給位置を第3仮想円上において等間隔に規定したことにより、第3仮想円に対応する測定対象の円形部分において等間隔に位置する各第2供給点に第1供給点から測定用信号を供給することができるため、各検出処理において検出した各被検出量に基づく測定対象のシート抵抗の測定精度を一層向上させることができる。
【0024】
また、請求項10記載のシート抵抗測定方法によれば、第2供給位置に対応する第2供給プローブ、第1検出位置に対応する複数の第1検出プローブ、および第2検出位置に対応する複数の第2検出プローブが一面としての基体部の配設面に配設された治具型のプローブユニットを用いて、第1検出処理および第2検出処理を実行することにより、例えば、複数のフライングプローブを個別に移動させてプロービングを行いつつ検出処理を複数回実行する方法と比較して、処理効率を十分に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】シート抵抗測定装置1の構成を示す構成図である。
図2】導電シート100の平面図である。
図3】プローブユニット2を上面10b側から透かして見た状態の透視図である。
図4】導電シート100における第1供給点Bs1、第2供給点Bs2a〜Bs2h、第1検出点Bd1a〜Bd1g、および第2検出点Bd2a〜Bd2iの位置を説明する説明図である。
図5】シート抵抗測定方法を説明する第1の説明図である。
図6】シート抵抗測定方法を説明する第2の説明図である。
図7】シート抵抗測定方法を説明する第3の説明図である。
図8】シート抵抗測定方法を説明する第4の説明図である。
図9】シート抵抗測定方法を説明する第5の説明図である。
図10】シート抵抗測定方法を説明する第6の説明図である。
図11】シート抵抗測定方法を説明する第7の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、シート抵抗測定装置およびシート抵抗測定方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0027】
最初に、シート抵抗測定装置の一例としての図1に示すシート抵抗測定装置1の構成について説明する。シート抵抗測定装置1は、同図に示すように、プローブユニット2、移動機構3、検出部4、記憶部5および制御部6を備えて、後述するシート抵抗測定方法に従い、図2に示す測定対象の一例としての導電シート100(導電性を有するシート体)のシート抵抗を測定可能に構成されている。
【0028】
プローブユニット2は、治具型のプローブユニットであって、図3に示すように、一例として、矩形の板状に形成された基体部10と、基体部10の下面10aに配設(植設)された複数のプローブPとを備えている。また、このプローブユニット2では、プローブPとして、1本の第1供給プローブPs1、8本の第2供給プローブPs2a〜Ps2h(以下、区別しないときには「第2供給プローブPs2」ともいう)、7本の第1検出プローブPd1a〜Pd1g(以下、区別しないときには「第1検出プローブPd1」ともいう)、および9本の第2検出プローブPd2a〜Pd2i(以下、区別しないときには「第2検出プローブPd2」ともいう)を備えている。
【0029】
このプローブユニット2では、第1供給プローブPs1は、図3に示すように、基体部10の下面10a(配設面および一面に相当する)の中心部に規定された第1供給位置As1に配設されている。また、第2供給プローブPs2a〜Ps2hは、下面10aにおける第1供給位置As1を中心とする半径r3の第3仮想円C3上に規定された8個の第2供給位置As2a〜As2h(以下、区別しないときには「第2供給位置As2」ともいう)にそれぞれ配設されている。この場合、各第2供給位置As2は、第3仮想円C3上において等間隔となり、導電シート100の上面101における第3仮想円C3に対応する(移動機構3による後述するプロービング処理の際に第3仮想円C3に対向する)第3円形部分D3(図4参照)上において等間隔となるように規定されている。
【0030】
また、第1検出プローブPd1a〜Pd1gは、図3に示すように、下面10aにおける第1供給位置As1を中心とする半径r1の第1仮想円C1上に規定された7個の第1検出位置Ad1a〜Ad1g(以下、区別しないときには「第1検出位置Ad1」ともいう)にそれぞれ配設されている。この場合、各第1検出位置Ad1は、第1仮想円C1上において等間隔となり、導電シート100の上面101における第1仮想円C1に対応する(プロービング処理の際に第1仮想円C1に対向する)第1円形部分D1(図4参照)上において等間隔となるように規定されている。
【0031】
さらに、第2検出プローブPd2a〜Pd2iは、図3に示すように、下面10aにおける第1供給位置As1を中心とする半径r2の第2仮想円C2上に規定された9個の第2検出位置Ad2a〜Ad2i(以下、区別しないときには「第2検出位置Ad2」ともいう)にそれぞれ配設されている。この場合、各第2検出位置Ad2は、第2仮想円C2上において等間隔となり、導電シート100の上面101における第2仮想円C2に対応する(プロービング処理の際に第2仮想円C2に対向する)第2円形部分D2(図4参照)上において等間隔となるように規定されている。
【0032】
上記したように、このプローブユニット2では、第2供給位置As2a〜As2h(各第2供給位置As2に配設される第2供給プローブPs2)の数(この例では8個)が、第1検出位置Ad1a〜Ad1g(各第1検出位置Ad1に配設される第1検出プローブPd1)の数(この例では7個)および第2検出位置Ad2a〜Ad2i(各第2検出位置Ad2に配設される第2検出プローブPd2)の数(この例では9個)とは異なる数に規定されている。また、このプローブユニット2では、第2供給プローブPs2の数および第1検出プローブPd1の数がそれぞれ8個および7個であり、各プローブPs2,Pd1の数が互いに素に規定されている。また、このプローブユニット2では、第2供給プローブPs2の数および第2検出プローブPd2の数がそれぞれ8個および9個であり、各プローブPs2,Ps2の数も互いに素に規定されている。さらに、このプローブユニット2では、第1仮想円C1、第2仮想円C2および第3仮想円C3の各半径r1〜r3が互いに相違するように(例えば、この順番で大きくなるように)規定されている。
【0033】
移動機構3は、制御部6の制御に従い、導電シート100の上面101(図1,2参照)に平行な方向(XY方向)および上面101に直交する方向(Z方向)にプローブユニット2を移動させて、導電シート100の測定ポイントX1〜X8(図2参照:以下、区別しないときには「測定ポイントX」ともいう)にプローブユニット2の第1供給プローブPs1が位置するようにプローブユニット2の各プローブPを導電シート100の上面101に接触させるプロービング処理(以下、「測定ポイントXをプロービング位置とするプロービング処理」ともいう)を実行する。なお、図4に示すように、プロービング処理の際に、第1供給プローブPs1が接触する上面101の位置を第1供給点Bs1とし、第2供給プローブPs2a〜Ps2hが接触する上面101の各位置をそれぞれ第2供給点Bs2a〜Bs2h(以下、区別しないときには「第2供給点Bs2」ともいう)とする。また、第1検出プローブPd1a〜Pd1gが接触する上面101の位置をそれぞれ第1検出点Bd1a〜Bd1g(以下、区別しないときには「第1検出点Bd1」ともいう)とし、第2検出プローブPd2a〜Pd2iが接触する上面101の位置をそれぞれ第2検出点Bd2a〜Bd2i(以下、区別しないときには「第2検出点Bd2」ともいう)とする。
【0034】
検出部4は、制御部6の制御に従って検出処理としての第1検出処理および第2検出処理を実行する。検出部4は、第1検出処理において、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2を介して導電シート100における上面101の2点(第1供給点Bs1、および各第2供給点Bs2のうちの1つ)の間に測定用信号としての直流電流を供給している状態で、各第1検出プローブPd1が接触している上面101の各第1検出点Bd1における被検出量としての電位(第1供給点Bs1との電位差)を検出する。また、検出部4は、第2検出処理において、上面101における上記した2点の間に直流電流を供給している状態で、各第2検出プローブPd2が接触している上面101の各第2検出点Bd2における被検出量としての電位(第1供給点Bs1との電位差)を検出する。また、このシート抵抗測定装置1では、検出部4が、測定用信号を供給する第2供給プローブPs2a〜Ps2hを変更しつつ、上記した第1検出処理および第2検出処理をそれぞれ複数回(この例では、第2供給プローブPs2の数である8回)実行する。
【0035】
記憶部5は、検出部4によって実行された検出された第1検出処理および第2検出処理の結果(各第1検出点Bd1および各第2検出点Bd2における電位)を記憶する。また、記憶部5は、制御部6によって測定されるシート抵抗の抵抗値を記憶する。
【0036】
制御部6は、移動機構3および検出部4を制御する。また、制御部6は、測定部として機能し、導電シート100のシート抵抗(詳しくはシート抵抗の抵抗値)を測定する測定処理を実行する。制御部6は、この測定処理において、検出部4による第1検出処理で検出された各第1検出点Bd1の各電位から第1仮想円C1に対向する導電シート100における第1円形部分D1(図4参照)の平均電位を算出すると共に、検出部4による第2検出処理で検出された各第2検出点Bd2の各電位からプローブユニット2の第2仮想円C2に対向する導電シート100における第2円形部分D2(同図参照)の平均電位を算出し、第1円形部分D1の平均電位および第2円形部分D2の各平均電位に基づいて導電シート100のシート抵抗を測定する。
【0037】
次に、シート抵抗測定装置1を用いて導電シート100のシート抵抗を測定するシート抵抗測定方法について、添付図面を参照して説明する。
【0038】
まず、上面101を上向きにした状態の導電シート100を、図外の保持機構に保持させる。次いで、図1に示すように、各プローブPを下向きにした状態のプローブユニット2を、移動機構3における図外の取り付け部に取り付ける。続いて、図外の操作部を操作して処理の開始を指示する。これに応じて、制御部6が、処理を開始する。具体的には、制御部6は、移動機構3を制御して、導電シート100の各測定ポイントXのうちの1つ(例えば、測定ポイントX1)をプロービング位置とするプロービング処理を実行させる。このプロービング処理では、移動機構3は、導電シート100の上面101に平行なXY方向にプローブユニット2を移動させて、測定ポイントX1の上方にプローブユニット2の第1供給プローブPs1が位置するようにプローブユニット2を位置させる。次いで、移動機構3は、上面101に直交するZ方向にプローブユニット2を移動させる。この際に、プローブユニット2の各プローブPが上面101に接触する。
【0039】
続いて、制御部6は、検出部4を制御して、第1検出処理を実行させる。この第1検出処理では、検出部4は、まず、第1供給プローブPs1(図3参照)と、各第2供給プローブPs2のうちの1つとしての第2供給プローブPs2a(同図参照)とを図外の電源部に接続して、第1供給プローブPs1が接触している導電シート100の第1供給点Bs1(図4参照)から第2供給プローブPs2aが接触している導電シート100の第2供給点Bs2a(同図参照)に向かう向きで直流電流を供給させる。
【0040】
次いで、検出部4は、直流電流を供給している状態で、第1供給プローブPs1と、各第1検出プローブPd1のうちの1つとしての第1検出プローブPd1a(図3参照)とを介して、第1検出プローブPd1aが接触している導電シート100の第1検出点Bd1a(図4参照)の電位(第1供給点Bs1と第1検出点Bd1aとの間の電位差)を検出する。この際に、制御部6は、検出された電位を記憶部5に記憶させる。
【0041】
続いて、検出部4は、直流電流を供給している状態で、第1供給プローブPs1と、各第1検出プローブPd1のうちの他の1つとしての第1検出プローブPd1b(図3参照)とを介して、第1検出プローブPd1bが接触している導電シート100の第1検出点Bd1b(図4参照)の電位を検出し、制御部6は、検出された電位を記憶部5に記憶させる。以下、同様にして、検出部4は、第1検出プローブPd1を変更しつつ、導電シート100の各第1検出点Bd1の電位を検出し、制御部6は、検出された各電位を記憶部5に記憶させる。
【0042】
次いで、検出部4は、第1供給プローブPs1と第2供給プローブPs2aとを介して直流電流を供給している状態での各第1検出点Bd1a〜Bd1gの電位の検出(1回目の第1検出処理)が終了したときには、直流電流を供給する第2供給プローブPs2を第2供給プローブPs2b(図3参照)に変更して、2回目の第1検出処理を実行する。以下、検出部4は、第2供給プローブPs2を変更しつつ第1検出処理を実行する。
【0043】
続いて、制御部6は、検出部4による全ての第2供給プローブPs2についての第1検出処理(第2供給プローブPs2の数分の回数であって、この例では8回の第1検出処理)が完了したときには、検出部4を制御して、第2検出処理を実行させる。この第2検出処理では、検出部4は、上記した第1検出処理と同様にして、第1供給プローブPs1、および第2供給プローブPs2aを介して、導電シート100の第1供給点Bs1から第2供給点Bs2aに向かう向きで直流電流を供給させる。次いで、検出部4は、直流電流を供給している状態で、第1供給プローブPs1および第2検出プローブPd2a(図3参照)を介して、導電シート100の第2検出点Bd2a(図4参照)の電位(第1供給点Bs1と第2検出点Bd2aとの間の電位差)を検出する。この際に、制御部6は、検出された電位を記憶部5に記憶させる。
【0044】
続いて、検出部4は、直流電流を供給している状態で、第1供給プローブPs1および第2検出プローブPd2b(図3参照)を介して、導電シート100の第2検出点Bd2b(図4参照)の電位を検出し、制御部6は、検出された電位を記憶部5に記憶させる。以下、同様にして、検出部4は、第2検出プローブPd2を変更しつつ、導電シート100の各第2検出点Bd2の電位を検出し、制御部6は、検出された各電位を記憶部5に記憶させる。
【0045】
次いで、検出部4は、第1供給プローブPs1と第2供給プローブPs2aとを介して直流電流を供給している状態での各第2検出点Bd2a〜Bd2iの電位の検出(1回目の第1検出処理)が終了したときには、直流電流を供給する第2供給プローブPs2を第2供給プローブPs2bに変更して、2回目の第2検出処理を実行する。以下、検出部4は、第2供給プローブPs2を変更しつつ、第2供給プローブPs2の数分である8回の第2検出処を実行する。以上により、測定ポイントX1におけるシート抵抗の測定が終了する。
【0046】
続いて、制御部6は、移動機構3を制御して測定ポイントX2をプロービング位置とするプロービング処理を実行させ、次いで、検出部4を制御して上記した複数回(8回)の第1検出処理および複数回(8回)の第2検出処理を実行させる。以下、制御部6は、移動機構3および検出部4を制御して、各測定ポイントX1〜X8における各第1検出点Bd1および各第2検出点Bd2の電位を検出させる。
【0047】
続いて、制御部6は、測定処理を実行する。この測定処理では、制御部6は、測定ポイントX1における各第1検出点Bd1の電位を記憶部5から読み出して、導電シート100における第1円形部分D1(図4参照:プローブユニット2の第1仮想円C1に対向する部位)の平均電位を算出する。次いで、制御部6は、測定ポイントX1における各第2検出点Bd2の電位を記憶部5から読み出して、導電シート100における第2円形部分D2(同図参照:プローブユニット2の第2仮想円C2に対向する部位)の平均電位を算出する。
【0048】
ここで、このシート抵抗測定装置1では、第2供給位置As2(第2供給プローブPs2)の数が、第1検出位置Ad1(第1検出プローブPd1)の数、および第2検出位置Ad2(第2検出プローブPd2)の数と異なる数に規定され、検出部4が、測定用信号を供給する第2供給プローブPs2を変更して第1検出処理および第2検出処理をそれぞれ複数回実行することで、第1仮想円C1の平均電位、および第2仮想円C2の平均電位についての測定精度を高めることが可能となっている。この点について、以下に説明する。
【0049】
図5に示すように、第2供給位置As2(As2a〜As2h)の数と、第1検出位置Ad1(Ad1a〜Ad1h)の数(つまり、第1検出点Bd1(Bd1a〜Bd1g)の数)、および第2検出位置Ad2(Ad2a〜Ad2h)の数(つまり、第2検出点Bd2(Bd2a〜Bd2g)の数)が同数(例えばそれぞれ8個)の場合を想定すると、上記したように、測定用信号を供給する第2供給プローブPs2を変更しつつ、第2供給位置As2の数分(8回)の第1検出処理を実行したときには、第1検出点Bd1の電位の検出を合計64回(第1検出点Bd1の数(8)×第2供給位置As2の数(8))行うこととなる。同様にして、第2供給位置As2の数分(8回)の第2検出処理を実行したときには、第2検出点Bd2の電位の検出を合計64回行うこととなる。
【0050】
この場合、各第1検出点Bd1の電位vは、一般的に、第1供給点Bs1(つまり、第1供給位置As1)と第2供給点Bs2(つまり、第2供給位置As2)とを結ぶ線分と、第1供給点Bs1と第1検出点Bd1(つまり、第1検出位置Ad1)とを結ぶ線分とのなす角度θ(図6図11参照)で異なる。この角度θと電位vとの関係が図6に示す曲線W1の関係である場合において、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2aを介して直流電流を供給している状態で各第1検出点Bd1において測定されるべき電位を示すポイントを「θv平面」上にプロットすると、同図に示すように、曲線W1上における0°〜360°までの間に、360°を8等分した45°間隔でポイントがプロットされる。次に、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2bを介して直流電流を供給している状態で各第1検出点Bd1において測定されるべき電位を示すポイントをプロットすると、曲線W1上における0°〜360°までの間に45°間隔で、つまり、第2供給プローブPs2aを介して直流電流を供給している状態におけるポイントと同じ位置に、ポイントがプロットされる。同様にして、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs(Ps2c〜Ps2h)を介して直流電流を供給している状態で各第1検出点Bd1においてそれぞれ測定されるべき電位を示す各ポイントも、曲線W1上における0°〜360°までの間に45°間隔(等間隔)で、つまり、第2供給プローブPs2aを介して直流電流を供給している状態におけるポイントと同じ位置にプロットされる。
【0051】
また、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2a〜Ps2hを介して直流電流を供給している状態で各第2検出点Bd2においてそれぞれ測定されるべき電位を示すポイントも、図6に示すように、曲線W2上における0°〜360°までの間に、45°間隔(等間隔)でプロットされる。このように、第2供給位置As2の数と、第1検出位置Ad1の数および第2検出位置Ad2の数とが共に同数である8個の場合には、第1検出点Bd1の電位検出、および第2検出点Bd2の電位検出をそれぞれ64回行ったとしても、実質的には、第2供給位置As2の数と同数のそれぞれ8回の電位検出を行ったのと同様の検出結果を得ることしかできない。
【0052】
一方、第2供給位置As2の数、第1検出位置Ad1の数、および第2検出位置Ad2の数が、8個、7個、および9個にそれぞれ規定されたシート抵抗測定装置1において、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2aを介して直流電流を供給している状態で各第1検出点Bd1において測定されるべき電位を示すポイントを、図7に示す「θv平面」上にプロットする(1周目のプロットを行う)。この場合、図3に示すように、第1供給位置As1(つまり、第1供給点Bs1)および第2供給位置As2a(つまり、第2供給点Bs2a)を結ぶ線分L0aと、第1供給位置As1および各第1検出位置Ad1(つまり、各第1検出点Bd1)を結ぶ線分L1〜L7とのなす角度θは、それぞれ、0°、約51.4°、約102.9°、・・・約308.6°(360°を7等分した約51.4°間隔)となる。このため、図7に示すように、各ポイントは、曲線W1上における上記した各角度θに対応する7つの位置にプロットされる。
【0053】
次に、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2bを介して直流電流を供給している状態で各第1検出点Bd1において測定されるべき電位を示すポイントをプロットする(2周目のプロットを行う)。この場合、図3に示すように、第1供給位置As1および第2供給位置As2bを結ぶ線分L0bは、上記した線分L0aから45°だけ右回りで傾斜している。このため、L0bと線分L2〜L7,L1とのなす角度θは、上記した1周目のプロットの際の各角度θに、約51.4°−45°=約6.4°をそれぞれ加算した角度θ、すなわち、約6.4°、約57.9、約109.3°・・・約315°となる。このため、図8に示すように、各ポイントは、曲線W1上における上記した各角度θに対応する7つの位置にプロットされる。
【0054】
次に、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2cを介して直流電流を供給している状態で各第1検出点Bd1において測定されるべき電位を示すポイントをプロットする(3周目のプロットを行う)。この場合、図3に示すように、第1供給位置As1および第2供給位置As2cを結ぶ線分L0cは、上記した線分L0aから90°だけ右回りで傾斜している。このため、線分L0cと線分L3〜L7,L1,L2とのなす角度θは、上記した1周目のプロットの際の各角度θに、約51.4°×2−90°=約12.9°をそれぞれ加算した角度θ、すなわち、約12.9°、約64.3、約115.7°・・・約321.4°となる。このため、図9に示すように、各ポイントは、曲線W1上における上記した各角度θに対応する7つの位置にプロットされる。
【0055】
以下、同様にして、4周目のプロットを行ったときには、1周目のプロットの際の各角度θに約19.3°(約51.4°×3−135°)をそれぞれ加算した角度θに対応する曲線W1上における7つの位置にプロットされ、5周目のプロットを行ったときには、1周目のプロットの際の各角度θに約25.7°(約51.4°×4−180°)をそれぞれ加算した角度θに対応する曲線W1上における7つの位置にプロットされる。また、6周目のプロットを行ったときには、1周目のプロットの際の各角度θに約32.1°(約51.4°×5−225°)をそれぞれ加算した角度θに対応する曲線W1上における7つの位置にプロットされ、7周目のプロットを行ったときには、1周目のプロットの際の各角度θに約38.6°(約51.4°×6−270°)をそれぞれ加算した角度θに対応する曲線W1上における7つの位置にプロットされ、8周目のプロットを行ったときには、1周目のプロットの際の各角度θに約45.0°(約51.4°×7−315°)をそれぞれ加算した角度θに対応する曲線W1上における7つの位置にプロットされる。
【0056】
このように、1周目〜8周目の(第2供給プローブPs2の数分の)プロットを行ったときには、図10に示すように、曲線W1上における0°〜360°までの間に、約6.4°(360°/7−45°)間隔で56個(第2供給位置As2(第2供給プローブPs2)の数(8)×第1検出位置Ad(第1検出プローブPd1)の数(7))のポイントがプロットされる。
【0057】
次に、直流電流を供給する第2供給プローブPs2を変更しつつ、第1供給プローブPs1および各第2供給プローブPs2を介して直流電流を供給している状態で各第2検出点Bd2において測定されるべき電位を示すポイントの1周目〜8周目のプロットを行ったときには、図11に示すように、5°(45°−360°/9)間隔で72個(第2供給位置As(第2供給プローブPs2)の数(8)×第2検出位置Ad2(第2検出プローブPd2)の数(9))のポイントが曲線W2上にプロットされる。
【0058】
上記したように、第2供給位置As2の数と、第1検出位置Ad1の数、および第2検出位置Ad2の数が同数である8個の場合には、第1検出点Bd1の電位検出、および第2検出点Bd2の電位検出をそれぞれ64回行ったとしても実質的には、8回の電位検出を行ったのと同様の検出結果を得ることしかできない。これに対して、第2供給位置As2の数を、第1検出位置Ad1の数および第2検出位置Ad2の数とは異なる数に規定したこのシート抵抗測定装置1では、電位検出の回数分(第1検出位置Ad1については56回、第2検出位置Ad2については72回)の検出結果を得ることができる。このため、このシート抵抗測定装置1では、これらの数多くの検出結果(各第1検出位置Ad1の電位、および各第2検出位置Ad2の電位)から導電シート100における第1円形部分D1の平均電位、および第2円形部分D2の平均電位を正確に算出することが可能となっている。
【0059】
続いて、制御部6は、各測定ポイントX1〜X8における第1円形部分D1の平均電位、第2円形部分D2の平均電位、第1供給点Bs1から第1円形部分D1までの距離(つまり、第1供給位置As1から第1仮想円C1までの距離である半径r1)、および第1供給点Bs1から第2円形部分D2までの距離(つまり、第1供給位置As1から第2仮想円C2までの距離である半径r2)に基づいて、導電シート100の各測定ポイントX1〜X8におけるシート抵抗を測定する。
【0060】
ここで、第1供給プローブPs1および第2供給プローブPs2を介して導電シート100の第1供給点Bs1と第2供給点Bs2との間に供給する直流電流の電流値を「I」とし、第1円形部分D1の平均電位を「v1」とし、第2円形部分D2の平均電位を「v2」とすると、第1円形部分D1と第2円形部分D2との間の合成抵抗「R0」は、次の式(1)で表される。
R0=(v1-v2)/I・・・式(1)
【0061】
この場合、導電シート100のような導体の抵抗「f(r)」は、その体積抵抗率を「ρ」とし、電流が流れる距離を「dr」とし、電流が流れる部位の断面積を「S」とすると、次の式(2)で表される。
f(r)=ρ・dr/s・・・式(2)
さらに、電流が流れる部位の厚みを「t」とすると、上記の抵抗「f(r)」は、次の式(3)で表される。
f(r)=ρ・dr/(2πr・t)・・・式(3)
また、導体のシート抵抗(面抵抗)「Rs」は、体積抵抗率「ρ」を、電流が流れる部位の厚み「t」で除した値であるため、「f(r)」は、次の式(4)で表される。
f(r)=Rs・dr/(2πr)・・・式(4)
【0062】
このため、導電シート100における第1円形部分D1と第2円形部分D2との間の合成抵抗「R0」は、次の式(5)で表される。
R0=∫[r1,r2]f(r)dr=∫[r1,r2](Rs/2πr)dr=(Rs/2π)/(ln(r2)-ln(r1))・・・式(5)
上記式(1)および式(5)から、導電シート100のシート抵抗「Rs」は、次の式(6)で表される。
Rs=(v1-v2)/I・2π/(ln(r2)-ln(r1))・・・式(6)
【0063】
したがって、制御部6は、上記の式(6)に、測定ポイントX1における第1円形部分D1の平均電位(v1)、第2円形部分D2の平均電位(v2)、第1供給点Bs1から第1円形部分D1までの距離(半径r1)、および第1供給点Bs1から第2円形部分D2までの距離(半径r2)を代入して導電シート100のシート抵抗Rsを算出する。次いで、制御部6は、算出したシート抵抗Rsを測定ポイントX1における測定値として記憶部5に記憶させる。同様にして、制御部6は、測定ポイントX2〜X8における各シート抵抗Rsを算出し、算出した各シート抵抗Rsを測定ポイントX2〜X8における測定値として記憶部5に記憶させる。これにより、導電シート100のシート抵抗を測定する一連の処理が完了する。
【0064】
このように、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法では、第2供給プローブPs2の数(第2供給位置As2の数)が第1検出プローブPd1の数(第1検出位置Ad1の数)および第2検出プローブPd2の数(第2検出位置Ad2の数)と異なる数に規定され、直流電流を供給する第2供給プローブPs2を変更して検出処理としての第1検出処理および第2検出処理をそれぞれ複数回実行する。このため、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法では、第2供給プローブPs2の数(第2供給位置As2の数)が、第1検出プローブPd1の数(第1検出位置Ad1の数)や第2検出プローブPd2(第2検出位置Ad2の数)と同数に規定されて、実行した電位検出(被検出量の検出)の回数よりも少ない数(例えば、第2供給プローブPs2の数)分の電位検出の結果を得ることしかできない従来の構成および方法とは異なり、実行した電位検出の回数分(つまり、第2供給プローブPs2(第2供給位置As2)の数×第1検出プローブPd1(第1検出位置Ad1)の数分、および第2供給プローブPs2の数×第2検出プローブPd2(第2検出位置Ad2)の数分)の電位検出の結果を得ることができる。したがって、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、導電シート100に接触可能なプローブPの数を十分に増やすことが困難な場合であっても、比較的少ない数のプローブPを用いて数多くの検出結果を得ることができ、数多くの検出結果から導電シート100における第1円形部分D1の平均電位および第2円形部分D2の平均電位を、十分正確に算出することができる結果、導電シート100のシート抵抗Rsの測定精度を十分に向上させることができる。
【0065】
また、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、第2供給プローブPs2の数(第2供給位置As2の数)および第1検出プローブPd1の数(第1検出位置Ad1の数)を互いに素な数に規定したことにより、第1検出点Bd1について実行した電位検出の回数分(第2供給プローブPs2(第2供給位置As2)の数×第1検出プローブPd1(第1検出位置Ad1)の数分)の電位検出の結果を確実に得ることができるため、導電シート100のシート抵抗Rsの測定精度を確実に向上させることができる。
【0066】
また、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、第2供給プローブPs2の数(第2供給位置As2の数)および第2検出プローブPd2の数(第2検出位置Ad2の数)を互いに素な数に規定したことにより、第2検出点Bd2について実行した電位検出の回数分(第2供給プローブPs2(第2供給位置As2)の数×第2検出プローブPd2(第2検出位置Ad2)の数分)の電位検出の結果を確実に得ることができるため、導電シート100のシート抵抗Rsの測定精度を確実に向上させることができる。
【0067】
また、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、各第1検出位置Ad1を第1仮想円C1上において等間隔に規定したことにより、第1円形部分D1において等間隔に位置する各第1検出点Bd1の電位を検出することができるため、各電位から第1円形部分D1の平均電位をより正確に算出することができる結果、導電シート100のシート抵抗Rsの測定精度をさらに向上させることができる。
【0068】
また、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、各第2検出位置Ad2を第2仮想円C2上において等間隔に規定したことにより、第2円形部分D2において等間隔に位置する各第2検出点Bd2の電位を検出することができるため、各電位から第2円形部分D2の平均電位をより正確に算出することができる結果、導電シート100のシート抵抗Rsの測定精度をさらに向上させることができる。
【0069】
また、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、各第2供給位置As2を第3仮想円C3上において等間隔に規定したことにより、第3仮想円C3に対向する導電シート100の第3円形部分D3において等間隔に位置する各第2供給点Bs2に第1供給点Bs1から直流電流を供給することができるため、各第1検出処理および各第2検出処理において検出した各電位から第1円形部分D1および第2円形部分D2の平均電位をさらに正確に算出することができる結果、導電シート100のシート抵抗Rsの測定精度を一層向上させることができる。
【0070】
また、このシート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法によれば、第2供給位置As2に対応する第2供給プローブPs2、第1検出位置Ad1に対応する複数の第1検出プローブPd1、および第2検出位置Ad2に対応する複数の第2検出プローブPd2が基体部10の下面10aに配設された治具型のプローブユニット2を用いて、第1検出処理および第2検出処理を実行することにより、例えば、複数のフライングプローブを個別に移動させてプロービングを行いつつ第1検出処理および第2検出処理をそれぞれ複数回実行する方法と比較して、処理効率を十分に向上させることができる。
【0071】
なお、シート抵抗測定装置1およびシート抵抗測定方法は上記した構成および方法に限定されない。例えば、第2供給位置As2(第2供給プローブPs2)の数(8個)、第1検出位置Ad1(第1検出プローブPd1)の数(7個)、および第2検出位置Ad2(第2検出プローブPd2)の数(9個)を相互に異なる数に規定して測定する例について上記したが、第2供給位置As2の数と、第1検出位置Ad1の数および第2検出位置Ad2の数とが異なる限り、第1検出位置Ad1の数と第2検出位置Ad2の数とを同じ数に規定して測定する構成および方法を採用することもできる。
【0072】
また、上記のプローブユニット2では、第2供給プローブPs2の数および第1検出プローブPd1の数を互いに素に規定し、かつ第2供給プローブPs2の数および第2検出プローブPd2の数を互いに素に規定しているが、各プローブPs2,Pd1の数だけを互いに素に規定したり、各プローブPs2,Pd2の数だけを互いに素に規定したりする構成および方法を採用することもできる。また、第2供給位置As2の数と、第1検出位置Ad1の数および第2検出位置Ad2の数とが異なる限り、各プローブPs2,Pd1の数を互いに素に規定しなくてもよいし、各プローブPs2,Pd2の数を互いに素に規定しなくてもよい。
【0073】
この場合、第1検出位置Ad1の数と第2検出位置Ad2の数とを同じ数に規定して測定する構成および方法では、例えば、互いに最も近い第1検出点Bd1および第2検出点Bd2同士を一つずつ(1対1で)対(以下、「検出点対」ともいう)にして、各検出点対の電位差(被検出量)を検出し、その検出値を用いてシート抵抗Rsを算出することができる。具体的には、各検出点対の電位差を検出する処理(第3検出処理)を、直流電流を供給する第2供給プローブPs2を変更しつつ複数回実行し、検出した各電位差の平均値(第1円形部分D1と第2円形部分D2との間の平均電位差)を算出し、上記した式(6)における「(v1-v2) 」にこの平均値を代入して導電シート100のシート抵抗Rsを算出することができる。このように、この構成および方法では、第1検出位置Ad1の数と第2検出位置Ad2の数とを同じ数に規定して各検出点対の電位差を検出することで、上記した第1検出処理と第2検出処理とを一度に実行するのと同様の効果を実現することができるため、シート抵抗Rsを測定する測定処理の効率を十分に高めることができる。
【0074】
また、第1供給点Bs1から第2供給点Bs2に向けて測定用信号としての直流電流を供給して電位を測定する例について上記したが、第2供給点Bs2から第1供給点Bs1に向けて直流電流を供給して電位を測定する構成および方法を採用することもできる。また、直流電流に代えて交流電流を測定用電流として供給して各電位を測定する構成および方法を採用することもできる。
【0075】
また、治具型のプローブユニット2を第1検出処理および第2検出処理を実行する構成および方法について説明したが、これに限定されない。例えば、第1供給プローブPs1、第2供給プローブPs2、第1検出プローブPd1および第2検出プローブPd2を、導電シート100の上面101に平行なXY方向、および上面101に直交するZ方向に個別に移動させて、導電シート100の上面101に平行なXY方向、および上面101に直交するZ方向に個別に移動可能な、いわゆるフライングプローブで構成される第1供給プローブPs1、第2供給プローブPs2、第1検出プローブPd1および第2検出プローブPd2を、第1供給点Bs1、第2供給点Bs2、第1検出点Bd1および第2供給点Bs2にそれぞれ接触させて第1検出処理および第2検出処理を実行する構成および方法を採用することもできる。
【符号の説明】
【0076】
1 シート抵抗測定装置
2 プローブユニット
4 検出部
6 制御部
10 基体部
10a 下面
Ad1a〜Ad1g 第1検出位置
Ad2a〜Ad2i 第2検出位置
As1 第1供給位置
As2a〜As2h 第2供給位置
Bd1a〜Bd1g 第1検出点
Bs2a〜Bs2h 第2供給点
C1 第1仮想円
C2 第2仮想円
D1 第1円形部分
D2 第2円形部分
r1〜r3 半径
Rs シート抵抗
Pd1a〜Pd1g第1検出プローブ
Pd2a〜Pd2i 第2検出プローブ
Ps1 第1供給プローブ
Ps2a〜Ps2h 第2供給プローブ
v1 電位
v2 電位
図1
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