特許第6429805号(P6429805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6429805
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 11/14 20060101AFI20181119BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20181119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181119BHJP
【FI】
   F21V11/14
   F21V3/00 320
   F21Y115:10
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-558577(P2015-558577)
(86)(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公表番号】特表2016-507882(P2016-507882A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】IB2014058992
(87)【国際公開番号】WO2014128601
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2017年2月14日
(31)【優先権主張番号】61/768,590
(32)【優先日】2013年2月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ファン ボメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファト アタ ムスタファ
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−117387(JP,U)
【文献】 特表2012−520547(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0211474(US,A1)
【文献】 特開2009−231128(JP,A)
【文献】 実開昭51−091988(JP,U)
【文献】 特開2013−201017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 11/14
F21V 3/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する光源と、
前記光源の前に配される少なくとも2つの光学要素と
を有する照明装置であって、
前記少なくとも2つの光学要素は、前記光源により発される前記光の少なくとも一部が、自身を通って透過されるのを可能にするように少なくとも部分的に透明な材料を有し、
前記少なくとも2つの光学要素は、前記少なくとも2つの光学要素を出る光に、前記光が前記少なくとも2つの光学要素を出る方向によって変化する明るさを持たせるように、前記光源により発される前記光をコリメートする複数の貫通開口を有し、
前記少なくとも2つの光学要素の第1の光学要素は、第1の距離だけ互いに離間された隣接する前記貫通開口の第1の対を有し、前記少なくとも2つの光学要素の第2の光学要素は、前記第1の距離と異なる第2の距離だけ互いに離間された隣接する前記貫通開口の第2の対を有する、
照明装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの光学要素は、互いに離間されて配されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
拡散器が前記光源と前記少なくとも2つの光学要素との間に配されている、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
蛍光体要素、蛍光体層及び蛍光体コーティングの何れか1つが、前記光源と前記少なくとも2つの光学要素との間に配されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つの光学要素の少なくとも1つは、蛍光体要素及び拡散器の何れか1つである、請求項1乃至4の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
複数の前記貫通開口は2つ以上の異なる大きさを有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
複数の前記貫通開口は2つ以上の異なる断面形状を有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記少なくとも2つの光学要素は、異なる数の前記貫通開口を有する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記複数の貫通開口の1つ以上は、前記光学要素の材料とは異なる材料により充填される、請求項1乃至8の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記複数の貫通開口の1つ以上は光学ロッドにより充填されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つの光学要素の少なくとも1つは非一様な厚さを有する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
前記複数の貫通開口は、少なくとも2である前記貫通開口の直径により除算される前記貫通開口の長さとして測定されるアスペクト比を有する、請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記光源は、LED、蛍光体変換LED、LEDアレイ、蛍光体変換LEDアレイ及び光ガイドの何れか1つである、請求項1乃至12の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載の照明装置を有する照明器具又はランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を発する光源と、前記光源の前に配される少なくとも1つの光学要素とを有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明アプリケーションにおいて、スパークリング効果を示す光源をもたらすことが、望ましい。このような効果は、通常、LED光源の前方に配される屈折光学部品を使用して生成される。一例は、国際出願公開第2010/131129A1号パンフレットに記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようにして、高輝度光源は、このようなスパークリング効果を、LEDキャンドル・ランプのようなアプリケーションのために、もたらすことができる。多くのアプリケーションの場合、審美学のためにこのような効果を生じることも重要である。しかしながら、光源のための複数の屈折構成要素はむしろ高価であり、そして、必要とされる前記屈折構成要素の寸法が大きいほど、光源はより高価である。
【0004】
更に、一部のアプリケーション(例えばレトロフィット・カプセル)において、前記ルーメン出力が前記光源から離間されて配される蛍光体を使用することによって、かなり増大されることができることも示されている。しかしながら、このような配置においては、特に規定されている場合を除いて、スパークリング効果は見えなくなる。
【0005】
更に、米国特許第2012/0218752A1号は、バックライト・ユニット(例えば液晶ディスプレイ)用の照明モジュールを記載している。この照明モジュールは、光源と、前記光源の前方に配されている拡散器と、前記光源及び前記拡散器の間に配されていると共に孔を設けられる反射シートとを有し、前記反射シートは、前記光源及び前記拡散器の両方から離間されて配されている。前記反射シートは、前記光源により発される光の一部を遮断する目的に適い、この結果、前記反射シートを透過する光の量は、前記反射シート内の孔により透過される光の量に対応している。この照明モジュールの目的は、明るさの低減された変化を有する一様な照明を得ることにある。従って、この解決案は、如何なるスパークリング効果も提供しない。
【0006】
従って、従来技術の解決案は、スパークリング効果を提供しているが、これらの解決案は、かなり高価であるか又は高いルーメン光出力であるかである。従って、このような照明装置は光出力を提供し、前記光出力は、観察者によって、光強度、審美性又はこれらの両方において不満足であるように知覚される。
【0007】
本発明の目的は、上述した問題を解決すると共に、冒頭に記載した種類の照明装置であって、ルーメン出力を妥協することなく、単純で費用効果が優れている態様においてスパークリング効果を生成することができる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的及び他の目的は、冒頭に記載された照明装置であって、前記少なくとも1つの光学要素は、前記光源により発される光の少なくとも一部がこれを通って透過されるのを可能にするために少なくとも部分的に透明な材料を有し、前記少なくとも1つの光学要素は、前記少なくとも1つの光学要素を出る光に当該光が前記少なくとも1つの光学要素を出る方向によって変化する明るさを持たせるために、前記光源により発される前記光をコリメートする複数の貫通開口を有する。
【0009】
明るさのこのような変化は、観察者が前記照明装置に対して視点を変化させる場合(例えば、照明装置を通り過ぎる場合)、前記観察者によってスパークリング効果として経験される。
【0010】
従って、このような照明装置によれば、スパークリング効果が前記光学要素に貫通孔を設けることによって非常に単純で耐久性のある態様において提供されることが保証されると同時に、高いルーメン出力も保証する。
【0011】
更に、少なくとも部分的に透明な材料を有すると共に、これにより少なくとも部分的に透明である光学要素は、回折要素と比較して、構造において単純であると共に製造するのに高価ではない。従って、構造において単純であると共に製造するのに費用効果的な照明装置が、得られる。
【0012】
一実施例において、前記照明装置は、前記光源の前方に配されている少なくとも2つの光学要素を有し、前記少なくとも2つの光学要素は、前記光源により発される光の少なくとも一部が自身を通って透過されるのを可能にするように少なくとも部分的に透明な材料を有し、前記少なくとも2つの光学要素は、前記少なくとも2つの光学要素を出る光に、前記少なくとも2つの光学要素を出る方向によって変化する明るさを持たせるように、前記光源により発される光をコリメートする複数の貫通開口を有する。
【0013】
このような照明装置によって、更に改善されるスパークリング効果が、得られる。
【0014】
一実施例において、前記少なくとも2つの光学要素は、互いに離間されて配されている。このことにより、2つの比較的薄い光学要素によって、これに応じて厚い光学要素を有する場合と同じスパークリング効果を得ることが可能であり、より廉価な照明装置を提供する。
【0015】
前記少なくとも1つの光学要素は、蛍光体要素及び拡散器の何れか1つであっても良い。
【0016】
このような光学要素は、例えば、屋内の照明目的に使用されるランプ又は照明器具のような照明装置の要件を満たす光出力を得るための照明装置における使用に特に適している。また、蛍光体要素の場合、色及び/又は色温度の変形も得ることができる。
【0017】
前記少なくとも1つの光学要素は、前記光源と接触して配されることができ、又は前記光源から離間されて配されることができる。
【0018】
一実施例において、拡散器は、前記光源と前記少なくとも1つの光学要素との間に配置される。
【0019】
このことにより、明るさの変化、従ってスパークリング効果を提供する前記1つ以上の光学要素を通る透過の前に一様な光分布が得られる照明装置が、得られる。
【0020】
一実施例において、蛍光体要素、蛍光体層及び蛍光体コーティングの何れか1つが、前記光源と前記少なくとも1つの光学要素との間に配される。
【0021】
この実施例は、特に、光源としてLED(特に白色LED)を使用している照明装置に適している。この場合、要素、層又はコーティング等の何れにせよ、蛍光体を設けることで、可視光のほぼ全て又は全てのスペクトルを含む前記照明装置により発される光の分布を提供する。このことにより、明るさの変化、従ってスパークリング効果を提供する前記1つ以上の光学要素を通る透過の前に一様な光分布が得られる照明装置が、得られる。
【0022】
更なる実施例において、前記複数の貫通開口は、2つ以上の異なる大きさを有することができる。
【0023】
更なる実施例において、前記複数の貫通開口は、2つ以上の異なる断面形状を有することができる。
【0024】
このことにより、明るさの変化、従ってスパークリング効果が前記貫通開口のうちの1つ以上の貫通開口の大きさ及び/又は断面形状を調整することにより要件に従って調整されることができる、照明装置が、得られる。
【0025】
一実施例において、前記少なくとも2つの光学要素は、異なる数の貫通開口を有する。
【0026】
このことにより、明るさの変化、従って前記スパークリング効果の変化と同様に、発される前記光の分布及び明るさを調整するための他のパラメータが、得られる。
【0027】
一実施例において、前記複数の貫通開口の1つ以上は、前記光学要素の材料と異なる材料により充填される。
【0028】
一実施例において、前記複数の貫通開口の1つ以上は、光学ロッドにより充填される。
【0029】
このことにより、明るさの変化、従って前記スパークリング効果の変化と同様に、発される前記光の分布及び明るさを調整するためのもう1つのパラメータが、得られる。更に、前記貫通開口の少なくとも1つを前記光学要素の材料とは異なる材料によって又は光学ロッドによって充填することにより、前記照明装置により発される光の改善されたコリメーションを提供する。特に、光学ロッドの場合、前記コリメーションは、前記光学ロッドの全内部反射(TIR)によって得ることができる。
【0030】
一実施例において、前記少なくとも1つの光学要素は、非一様な厚さを有する。
【0031】
このことにより、明るさの変化、従ってスパークリング効果と同様に、発される前記光の分布及び明るさを調整するための更なるパラメータが、得られる。
【0032】
同様に、前記少なくとも1つの光学要素の形状は、原理的には、平面、丸くされているもの、ステップ状にされているもの及び曲げられているもの(buckled)等のような、如何なる形状であっても良い。勿論、前記光源の形状も、原理的には、平面、丸くされているもの、ステップ状にされているもの及び曲げられているもの等のような、如何なる形状であっても良い。また、前記光学要素及び前記光源は、同じ形状を有する必要がないが、異なる形状を有することができる。
【0033】
一実施例において、前記複数の貫通開口は、少なくとも2である前記貫通開口の直径により除算される前記貫通開口の長さとして測定されるアスペクト比を有する。
【0034】
このことにより、特に良好で満足のいく明るさの変化、従ってスパークリング効果が、提供される。
【0035】
他の実施例において、前記少なくとも1つの光学要素は、少なくとも4であるアスペクト比を有する。更に他の実施例において、前記少なくとも1つの光学要素は、少なくとも6であるアスペクト比を有する。
【0036】
発される前記光の分布及び明るさを調整するのに使用可能な他のパラメータは、前記少なくとも1つの光学要素の厚さに関する。前記少なくとも1つの光学要素は、例えば、少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm又は少なくとも2mmの厚さを有することができる。
【0037】
好ましくは、前記光源は、LED、蛍光体変換LED、LEDアレイ、蛍光体変換LEDアレイ及び光ガイドの何れか1つである。
【0038】
本発明は、本発明による照明装置を有する照明器具又はランプにも関する。
【0039】
本発明は、添付の請求項において詳述されている特徴の全てのあり得る組合せに関するものであることに留意されたい。
【0040】
本発明のこの見地及び他の見地は、ここで、本発明の実施例を示している添付図面を参照して更に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】光源と貫通孔を有する蛍光体要素の形態における2つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第1の実施例の変形の模式的な図を示している。
図2】光源と貫通孔を有する蛍光体要素の形態における2つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第1の実施例の変形の模式的な図を示している。
図3】光源と貫通孔を有する蛍光体要素の形態における2つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第1の実施例の変形の模式的な図を示している。
図4】光源と前記第1の実施例の前記光学要素と比較して増大された厚さを有すると共に貫通孔を有する蛍光体要素の形態における1つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第2の実施例の変形の模式的な図を示している。
図5】光源と前記第1の実施例の前記光学要素と比較して増大された厚さを有すると共に貫通孔を有する蛍光体要素の形態における1つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第2の実施例の変形の模式的な図を示している。
図6】光源と前記第1の実施例の前記光学要素と比較して増大された厚さを有すると共に貫通孔を有する蛍光体要素の形態における1つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第2の実施例の変形の模式的な図を示している。
図7】光源と前記第1の実施例の前記光学要素と比較して増大された厚さを有すると共に貫通孔を有する蛍光体要素の形態における1つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第2の実施例の変形の模式的な図を示している。
図8】光源と、貫通孔を有する拡散器の形態における2つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第3の実施例の変形の模式的な図を示している。
図9】光源と、貫通孔を有する拡散器の形態における2つの光学要素とを有する本発明による照明装置の第3の実施例の変形の模式的な図を示している。
図10】光源と、前記第1の実施例の前記光学要素と比較して増大された厚さを有すると共に貫通孔を有する拡散器の形態における光学要素とを有する本発明による照明装置の第4の実施例の変形の模式的な図を示している。
図11】光源と、前記第1の実施例の前記光学要素と比較して増大された厚さを有すると共に貫通孔を有する拡散器の形態における光学要素とを有する本発明による照明装置の第4の実施例の変形の模式的な図を示している。
図12】本発明による照明装置の、前記光学要素、及び前記光学要素における複数の貫通孔の実施例の模式的な図を示している。
図13】本発明による照明装置の、前記光学要素、及び前記光学要素における複数の貫通孔の実施例の模式的な図を示している。
図14】本発明による照明装置の、前記光学要素、及び前記光学要素における複数の貫通孔の実施例の模式的な図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図に示されているように、層及び領域の大きさは、本発明の実施例の全体的な構造を示すように設けられている。類似の符号は、全体を通して類似の要素を参照しており、この結果、3桁を有する符号において、上2桁は当該要素を参照し、最後の桁(即ち1、2、3又は4)は対応する実施例を参照している。
【0043】
本発明は、本発明の現在好適な実施例が示されている添付図面を参照して、以下で十分に詳細に記載される。しかしながら、この発明は多くの異なる形態において実施されることができ、むしろ、本願明細書において開示されている実施例に限定されるものと解釈されてはならず、これらの実施例は、徹底及び完全さのために提供されており、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるものである。
【0044】
一般的に、当該実施例に関係なく、本発明による照明装置11、12、13、14は、光源101、102、103、104と、前記光源の前方に配されている少なくとも1つの光学要素30、301、401、302、303、403、404とを有する。前記少なくとも1つの光学要素は、少なくとも部分的に透明な材料を有しており、この結果、光は、前記少なくとも光学要素を通って、特に、後述する前記貫通開口間において前記光学要素の前記材料を通って透過されることができる。この関係において、前記材料は、原則として如何なる色であっても良く、「少なくとも部分的に透明である」なる語は透明及び非透明領域の両方を有する材料と100%透明でない材料との両方を含むことに留意されたい。前記少なくとも1つの光学要素は、更に、例えば、板状の要素又はフィルム若しくはフォイル、又はこれらの如何なる組み合わせであっても良い。
【0045】
前記少なくとも1つの光学要素は、光源により発される光をコリメートする複数の貫通開口20、20´、201、211、221、231、202、212、222、232、203、213、204、214を有する。このことにより、前記光源により発される光は、当該発光の方向によって変化する明るさを備え、即ち観察者が照明装置11、12、13、14に対して彼又は彼女の視点を変化させる場合(例えば、照明装置11、12、13、14を通り過ぎる場合)スパークリング効果が生成される。
【0046】
図に示されていると共に更に以下で記載される実施例において、光学要素30、301、401、302、303、403、404が示されている。しかしながら、自然には、1又は2より多い又は少ない如何なる数の光学要素も示され、例えば、1つ、3つ、4つ又は5つの光学要素が、原則的に、前記実施例に関係なく提供されることができる。
【0047】
同様に、本発明による照明装置の全ての実施例に対して共通であるのは、少なくとも1つの光学要素30、301、302、303、304であって、2つ以上の光学要素を有する実施例においては、前記少なくとも2つの光学要素のうちの1つは、
前記光源と接触して、前記光源の上部に若しくは前記光源の上部に直接的に、又は
前記光源からの距離xだけ離間されて、
配されることができる。
【0048】
距離xは、少なくとも1つの光学要素30、301、302、303、304であって、2つ以上の光学要素を有する実施例においては、前記少なくとも2つの光学要素のうちの1つが、
前記少なくとも1つの光学要素が前記光源の近傍に配されるように選択された、前記光源からの短い距離x(例えば、1mm、2mm、3mm又は5mm)において、又は
前記少なくとも1つの光学要素が前記光源から離間されて配されるように選択された、前記光源からの前記大きな距離x(例えば、2cm、3cm又は5cm)において、
配されることができるように、選択されることができる。
【0049】
少なくとも1つの光学要素30、301、401、302、303、403、404の厚さは、例えば、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm又は少なくとも3mmであり得る。
【0050】
同様に、2つ以上の光学要素を有する本発明による照明装置の全ての実施例に共通であるのは、前記少なくとも2つの光学要素は、
互いに離間されて、又は、
互いと接触して、
配されることができる。
【0051】
また、如何なる数の貫通開口20、20´、201、211、221、231、202、212、222、232、203、213、204、214も、原則として、前記少なくとも1つの光学要素内に設けられることが可能である。この関係において、少なくとも或る程度まで、より多くの貫通開口が前記光学要素の領域にわたって明るさのより大きい変化をもたらし、結果として、観察者は、前記照明装置に対する彼又は彼女の視点を変化させる場合、より強度のスパークリング効果を経験するであろう。
【0052】
更に、本発明による照明装置の全ての実施例に共通であるのは、前記少なくとも1つの光学要素内に設けられている(前記少なくとも2つの光学要素を有する実施例においては前記2つ以上の光学要素内に設けられている)貫通開口20、20´201、211、221、231、202、212、222、232、203、213、204、214は、
異なる大きさ(例えば、異なる断面の直径及び/若しくは異なる長さ)を有する、
これを介して前記光学要素が延在していると共にこれらの対向する表面間に前記貫通開口が延在している前記光学要素の対向する表面に対して異なる配向を有する、並びに/又は
異なる断面形状(例えば、円形、楕円形、三角形、長方形又は多角形)を有する、
ことができる。
【0053】
前記貫通開口に関するこれらのパラメータ全てが、得られるスパークリング効果のパターン及び/又は明るさを変化させる可能性を提供する。
【0054】
最後に、本発明による照明装置の全ての実施例に共通であるのは、1つ又は場合によると2つ以上の、付加的な蛍光体要素、蛍光体層803、804、蛍光体コーティング又は拡散器501、502、503、504が、前記光源と前記光学要素との間に配されることができることである。
【0055】
光源101、102、103、104は、LED、UV LED又はレーザダイオードであっても良いが、他の光源も同等に考えられることが可能である。例えば、前記LEDは、平面型LED半導体チップ、RGB LED、直接的な蛍光体変換LED、又は、遠隔蛍光体技術と組み合わさされた青色LED、バイオレットLED若しくはUV LEDであっても良い。
【0056】
本発明による照明装置は、様々な発光装置において使用されることができ、特に、ランプ、光モジュール及び照明器具でランプにおいて使用されることができる。
【0057】
後述されるように、少なくとも1つの光学要素30、301、401、302、303、403、404は、蛍光体要素301、401、302又は拡散器303、403、404であっても良い。
【0058】
前記少なくとも1つの光学要素が蛍光体要素である場合、使用される材料は、有機蛍光体、無機蛍光体又は量子ドットであっても良い。
【0059】
適切な有機蛍光体材料の例は、ペリレン誘導体を主成分とした有機発光の材料(例えば、BASF社によって名前Lumogen(登録商標)として販売されている合成物)である。
【0060】
適切な合成物の例は、Lumogen(登録商標)赤色F305、Lumogen(登録商標)オレンジ色F240、Lumogen(登録商標)黄色F083及びLumogen(登録商標)F170を含むが、これらに限定されるものではない。
【0061】
無機蛍光体材料の例は、セリウム(Ce)ドープされたYAG(YAl12)又はLuAG(LuAl12)を含むが、これらに限定されるものではない。CeドープされたYAGは黄色がかった光を発するのに対し、CeドープされたLuAGは黄緑色がかった光を発する。赤色光を発する他の無機蛍光体材料の例は、ECAS及びBSSNを含むが、これらに限定されるものではなく、ECASは、Ca1―xAlSiN:Eu(ここで0<x≦1、好ましくは0<x≦0.2)であり、BSSNはBa2―x―zSi5―yAlyN8―y:Euz(ここで、MはSr又はCaであり、0≦x≦1、0≦y≦4、及び0.0005≦z≦0.05、好ましくは0≦x≦0.2である)。
【0062】
量子ドット又はロッドは、一般に、わずか2、3ナノメートルの幅又は直径を有する半導体材料の小さい結晶である。入射光により励起された場合、量子ドットは当該結晶の寸法及び材料により決定される色の光を発する。従って、特定の色の光は、当該ドットのサイズを適応化することにより生成されることができる。前記可視範囲内の発光を有する最も知られている量子ドットは、シェル(例えば、硫化カドミウム、CdS)及び硫化亜鉛(ZnS)を有するカドミウム・セレン化物(CdSe)を主成分としている。インジウム・リン化物(InP)、銅インジウム硫化物(CuInS)及び/又は銀インジウム硫化物(AgInS)のような、カドミウムのない量子ドットも使用されることができる。量子ドットは、非常に狭い発光帯域を示し、従って、これらは飽和色を示す。更に、この発光色は、前記量子ドットのサイズを適応化することによって容易に調整されることができる。従来技術において知られている如何なる種類の量子ドットも、本発明において使用されることができる。しかしながら、カドミウムのない量子ドット又は少なくとも非常に低いカドミウム含有量を有する量子ドットを使用することが、環境安全性及び関心の理由において好ましいことであり得る。
【0063】
また、前記実施例に関係なく、前記照明装置は、残っている照明装置との光学的な接触の有無にかかわらず付加的な透明な上部基板を有することができることに留意されたい。この基板は、前記照明装置をほこりから保護することができる、及び/又は例えば、安全性の理由のために、水が前記照明装置内に入ることができないように使用されることができる。
【0064】
以下において、図面に示されている4つの異なる実施例が、記載される。焦点は、主に、これにより実施例が互いと異なるという各実施例のフィーチャに置かれている。
【0065】
実施例1
図1は、本発明の第1の実施例による照明装置11を示している。前記照明装置は、光源101と、前記光源101の前方に配されている2つの光学要素301、401とを有する。
【0066】
この実施例において、2つの光学要素301、401は少なくとも部分的に透明である蛍光体要素である。2つの光学要素301、401は、各々、光源101により発される光が発光の方向によって変化する明るさを有するようにし、これによりスパークリング効果を提供するために、光源101により発される光をコリメートする複数の貫通開口201、211を有する。
【0067】
図1に示されているように、方向A、A´及びA´から照明装置11を見ている観察者21、21´及び21´´は、それぞれ、両方の光学要素の前記貫通開口を通って透過される光に対応する明るさを有する光を経験する。他の方向(例えば、方向B)から前記光源を見ている観察者は、1つ又は両方の光学要素301、401を通って透過される光であって、従って、異なる(典型的には低い)明るさを有する光を経験する。このことにより、観察者が(例えば、方向Aから方向Bを超えて方向A´まで)自身の視点を変化させる場合に、スパークリング効果が得られる。
【0068】
図1に示されているように、光源101に最も近い光学要素301は、光源101から距離xにおいて配される。
【0069】
更に、図1に示されている光学要素301は4つの貫通開口201を有し、光学要素401は3つの貫通開口211を有する。即ち、光学要素301は、光学要素401よりも多い数の貫通開口を有する。
【0070】
明らかに、光学要素301及び401の各々は、この数の貫通開口を有することに限定されるものではなく、他の何らかの数の貫通開口を有することができ、原理的には、ただ1つの貫通開口を含んでいても良い。また、光学要素301及び401は、同一の貫通開口を有しても良く、光学要素401は、光学要素301よりも多い数の貫通開口を有することができる。
【0071】
光学要素301、401は、この実施例において、比較的小さい厚さ(例えば0.1mm又は0.2mmの厚さ)を備えているが、原理的には、より大きい厚さ(例えば0.5mm、1mm、2mm又は3mmの厚さ)を備えていても良い。また、光学要素301、401は、異なる厚さであっても良い。
【0072】
図2は、光源101に最も近い光学要素301が光源101と接触して配されている照明装置11の変形を示している。
【0073】
図3は、拡散器501が光源101と光学要素301及び401との間に配されている照明装置11の他の変形を示している。このようにして、一様な光分布は、スパークリング効果を提供する光学要素301及び401によって光を透過させる前に得られることが可能である。
【0074】
更に、図3に示されている照明装置11の光学要素301は、光学要素301の貫通開口201´を備えている部分301´が、光学要素301の貫通開口201を備えている残部であって光源101からの距離x1に配されている残部とは異なる光源101からの距離x2において配されるように、ステップ状のコンフィギュレーションによって設けられている。
【0075】
図3に示されているように、距離x2は、距離x1よりも大きい。しかしながら、逆のことであって、距離x1は距離x2よりも大きいことも自然に可能である。同様に、光学要素302は、類似のステップ状のコンフィギュレーションを備えるのに対し、光学要素301が平面状のコンフィギュレーションであることもでき、又は両方の光学要素がステップ状のコンフィギュレーションを備えることもできる。
【0076】
明らかに、一方又は両方の光学要素が当該実施例に関係なく上述のステップ状のコンフィギュレーションを備え得ることに留意されたい。
【0077】
実施例2
図4は、本発明の第2の実施例による照明装置12を示している。前記照明装置は、光源102と、光源102の前方に配されている1つの光学要素302とを有する。
【0078】
この実施例において、光学要素302は、少なくとも部分的に透明な蛍光体要素である。光学要素302は、発光の前記方向によって変化する明るさを有し、これによりスパークリング効果を提供するようにさせるように、光源102により発される光をコリメートする複数の貫通開口202、212を有する。
【0079】
図4に示されているように、方向A、A´、A´´及びA´´´から照明装置11を見ている観察者22、22´、22´´及び22´´´は、それぞれ、光学要素302内の貫通開口202を通って透過される光に対応する明るさを有する光を経験する。他の方向(例えば、方向B)から光源を見ている観察者は、光学要素302を通って透過される光であって、従って、異なる(典型的にはより低い)明るさを有する光を経験する。このことにより、観察者が自身の視点を変化させる場合、例えば、方向Aから方向Bを超えて方向A´まで変化させる場合、スパークリング効果が得られる。
【0080】
光学要素302は、この実施例において、比較的大きい厚さ(例えば0.5mm、1mm、2mm又は3mmの厚さ)を備えており、この結果、貫通開口202、212は、貫通チャネル、閉チャネル又は管形の開口として設けられる。
【0081】
図12乃至14を参照して以下に更に記載されるように、貫通開口202、212は、光学要素302の一方の表面上で測定される場合の1つの特定の断面直径と、光学要素302の対向する表面上で測定される場合の他の特定の断面の直径とを有し得る。
【0082】
貫通開口202、212は、典型的には、前記貫通開口の直径により除算される前記貫通開口の長さとして測定される大きいアスペクト比を有する。前記アスペクト比は、例えば、少なくとも2、少なくとも4、又は少なくとも6であっても良い。
【0083】
例えば、2mmの厚さを備える光学要素302は、300μmの直径を有する孔を有していても良い。他の例において、1mmの厚さを有する光学要素302は、100μmの直径を有する孔を有していても良い。
【0084】
更に、図4に示されている光学要素302は、4つの貫通開口202を有する。明らかに、光学要素302は、この数の貫通開口を有することに限定されるものではなく、他の如何なる数の貫通開口も有することができ、原理的には、ただ1つの貫通開口を含むこともできる。
【0085】
図5は、光学要素302が光源102と接触して配される照明装置12の変形を示している。
【0086】
図6は、拡散器502が光源102と光学要素302との間に配されている照明装置12の他の変形を示している。このようにして、一様な光分布は、光学要素302を通って光を透過させる前に得ることができる。
【0087】
更に、図6に示されている照明装置の光学要素302は、光源102から距離xにおいて配されている。
【0088】
図7を参照すると、照明装置12の他の変形が示されている。この変形において、斜視図において示されており、貫通開口202、222、232は、異なる断面形状を備えている。特に、貫通開口202は断面において円形であり、貫通開口222は断面において楕円形である。
【0089】
更に、前記貫通開口の1つ以上は(図6において、例えば、貫通開口222)、光学要素302の材料と異なる材料602により充填される。このことにより、光のコリメーション特性を改善することができる。例えば、貫通開口222は、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)又はポリエチレン・テレフタレート(PET)のような、ポリマー材料により充填されることができる。
【0090】
同様に、前記貫通開口の1つ以上(図6において、例えば、貫通開口232)は、前記光学要素と接触してない光学ロッド702により充填される。このようにして、全内部反射(TIR)は、前記貫通開口内の光をコリメートするのに使用されることができる。
【0091】
明らかに、前記光学要素の貫通開口が、前記実施例に関係なく上述の材料又は光学ロッドにより充填されることができることに留意されたい。
【0092】
実施例3
図8は、本発明の第3の実施例による照明装置13を示している。前記照明装置は、光源103と、光源103の前方に配されている2つの光学要素303、403とを有する。
【0093】
この実施例において、2つの光学要素303、403は、少なくとも部分的に透明な材料を有する拡散器である。2つの光学要素303、403は、各々、例えば、光源101により発される光に、発光の方向によって変化する明るさを有すると共にこれによってスパークリング効果を提供させるための、光源103により発される光をコリメートする複数の貫通開口203、213を有する。
【0094】
図8に示されているように、それぞれ、方向A、A´及びA´´から照明装置13を見ている観察者23、23´及び23´´が、両方の光学要素における前記貫通開口を通って透過される光に対応する明るさを有する光を経験する。他の方向から前記光源を見ている観察者は、一方又は両方の光学要素303、403を通って透過される光を経験し、従って、異なる、典型的には低い明るさを有する。このことにより、観察者が自身の視点を変化させる場合(例えば、方向Aから方向Bを超えて方向A´まで自身の始点を変化させる場合)スパークリング効果が得られる。
【0095】
光学要素303、403は、この実施例において、比較的小さい厚さ(例えば0.1mm又は0.2mmの厚さ)を備えているが、原理的には、より大きい厚さ(例えば、0.5mm、1mm、2mm又は3mmの厚さ)を有していても良い。更に、光学要素303、403は、異なる厚さであっても良い。
【0096】
更に、図8に示される光学要素303は、4つの貫通開口203を有し、光学要素403が3つの貫通開口213を有する。即ち光学要素303は、光学要素403よりも多くの数の貫通開口を有する。
【0097】
明らかに、光学要素303及び403の各々は、この数の貫通開口を有することに限定されるものではなく、他の如何なる数の貫通開口も有することができ、原理的には、ただ1つの貫通開口を含むこともできる。また、光学要素303及び403は、同一の数の貫通開口を有しても良く、又は光学要素403は、光学要素303より多くの貫通開口を有していても良い。
【0098】
照明装置13の示されていない変形において、光源103に最も近い光学要素303は、光源103と接触して配されている。
【0099】
更に、図8を参照すると、蛍光物質層803が、光源103と前記光学要素303及び403との間に配されている。図8に示されるように、蛍光物質層803は、光源103と接触して配される。
【0100】
ここで図9を参照すると、照明装置13の他の変形が示されている。この変形において、拡散器503は、光源103と光学要素303及び304との間に配される。このようにして、一様な光分布は、スパークリング効果を提供する光学要素303、304を通って光を透過する前に得られることが可能である。
【0101】
図9に示されているように、光源103に最も近い光学要素303は、光源103から距離xの距離に配される。
【0102】
更に、図9に示される照明装置13の広域照明装置103は、各々蛍光体層803、803´を備えている光源103、103´のアレイを有する。
【0103】
また、蛍光体層803、803´は、蛍光体層、蛍光体コーティング又は蛍光体要素として設けられることが可能である。更に、蛍光体層803、803´は、代替的には前記光源から離間されて配されることもできる。
【0104】
示されていない実施例において、本発明による照明装置の第3の実施例による照明装置13の一方又は両方の光学要素303、304は、図3に関連して上述されたものと類似のステップ状のコンフィギュレーションを備えることができる。
【0105】
実施例4
図10は、本発明の第4の実施例による照明装置14を示している。前記照明装置は、光源104と、光源104内に配されている光学要素304とを有する。
【0106】
この実施例において、光学要素304は、少なくとも部分的に透明な材料を有する拡散器である。光学要素304は、前記第1、第2及び第3の実施例に関して上述されたものと類似の仕方において、光源104により発される光に、発光の方向によって変化する明るさを有すると共にこれによりスパークリング効果を提供させるための、光源104により発される光をコリメートする複数の貫通開口204、214を有する。
【0107】
光学要素304は、この実施例において、比較的大きい厚さ(例えば0.5mm、1mm、2mm又は3mmの厚さ)を備えており、この結果、貫通開口204、214が貫通チャネル又は管形の開口として設けられる。
【0108】
図12乃至14に関して以下に更に記載されるように、貫通開口204、214は、光学要素304の1つの表面上で測定される場合の1つの特定の断面直径と、光学要素304の対向する表面において測定される場合の他の特定の断面直径とを有する。
【0109】
貫通開口204、214は、典型的には、前記貫通開口の直径により除算される前記貫通開口の長さとして測定される大きいアスペクト比を有する。前記アスペクト比は、例えば、少なくとも2、少なくとも4又は少なくとも6であっても良い。
【0110】
例えば、2mmの厚さを有する光学要素304は、300μmの直径を有する孔を有することがあり得る。他の例において、1mmの厚さを有する光学要素304は、100μmの直径を有する孔を有することがあり得る。
【0111】
更に、蛍光体層804が光源104と光学要素304との間に配されている。蛍光体層804は、光源104と接触して配される。
【0112】
更に、図10に示されている光学要素304は、4つの貫通開口204、214を有する。明らかに、光学要素304は、この数の貫通開口を有することに限定されるものではなく、他の如何なる数の貫通開口を有することができ、原理的には、ただ1つの貫通開口を含むこともできる。
【0113】
図11は、光学要素304が光源104から距離xにおいて配されている照明装置14の他の変形を示している。
【0114】
更に、図11に示されている照明装置14の広域照明装置104は、各々蛍光体層804、804を備えている光源104、104のアレイを有する。
【0115】
更に、蛍光体層804、804は、蛍光体層、蛍光体コーティング又は蛍光体要素として設けられることが可能である。更に、蛍光体層804、804は、代替的には、光源から離間されて配されることもできる。
【0116】
図11にも示されているように、拡散器504は、光源104と光学要素304との間に配される。このようにして、一様な光分布が、前記スパークリング効果を提供する光学要素304を通って光を透過する前に得られることが可能である。
【0117】
照明装置14の示されていない変形において、貫通開口は異なる断面形状を備えていても良い。
【0118】
更に、同様に示されていないが、貫通開口204、214の1つ以上が、光学要素304の材料と異なる材料により充填されることができる。これにより、光のコリメーション特性が改善されることができる。例えば、貫通開口は、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)又はポリエチレンテレフタレート(PET)のような、ポリマー材料により充填されることができる。同様に、前記貫通開口の1つ以上は、前記光学要素と接触してない光学ロッドにより充填されることもできる。このようにして、全内部反射(TIR)は、貫通開口内の光をコリメートするのに使用されることができる。
【0119】
前記光学要素及び貫通開口の実施例
図12乃至14は、本発明による照明装置の、光学要素30と特に光学要素30内の貫通孔20との異なる実施例の模式的で非限定的な実施例を示している。これらの異なる実施例は、本発明による照明装置の上述した実施例(特に、上述の第2及び第4の実施例のような実施例)とは関係なく、別個に又は組み合わされて使用されることができる。
【0120】
図12は、厚さhを有する光学要素30と、光学要素30の対向する表面に対して異なる角度において位置決めされている2つの貫通開口20、20´であって、前記表面間に延在している2つの貫通開口20、20´とを示している。また、光学要素30の1つの表面上で測定される貫通開口20、20´の断面直径d1は、光学要素30の対向する表面上で測定される貫通開口20、20´の断面直径d2と異なり、ここでは断面直径d2よりも小さいが、断面直径d2より大きくても良い。
【0121】
図13は、厚さh及び2つの貫通開口20、20´を有する光学要素30を示しており、2つの貫通開口20、20´は、光学要素30の対向する表面に対して異なる角度で位置決めされていると共に、前記対向する表面間に延在している。また、光学要素30の表面の1つにおいて測定される貫通開口20´の断面直径d1は、光学要素30の対向する表面上で測定される貫通開口20´の断面直径d2と異なり、ここでは断面直径d2よりも小さいが、断面直径d2より大きくても良い。同様に、光学要素30の1つの表面上で測定される貫通開口20の断面直径d3は、光学要素30の対向する表面上で測定される貫通開口20の断面直径d4と異なり、ここでは断面直径d4よりも小さいが、断面直径d4より大きくても良い。更に、全ての断面直径d1、d2、d3及びd4は、互いと異なる。
【0122】
最後に、図14は、光学要素30の対向する表面に対して異なる、反対に傾斜している角度において位置決めされている2つの貫通開口20、20´であって、前記対向する表面間に延在している貫通開口20、20´を有する光学要素30を示している。更に、前記光学要素が非一様な厚さと、ステップ状のコンフィギュレーションを有する表面とを有し、尚且つ、本発明による照明装置に取り付けられる場合に貫通開口20及び20´が光源(図示略)から異なる距離に位置決めされるように、光学要素30は、2つの異なる厚さh1及びh2を有する。
【0123】
当業者であれば、図12乃至14に示される実施例を組み合わせる事が可能であることにも留意されたい。
【0124】
当業者であれば、本発明が、決して上述の好ましい実施例に限定されるものではないと理解するであろう。対照的に、本発明による照明装置の広域光ガイド、光学要素及び貫通開口の異なる実施例の様々な組合せを含む多くの修正及び変更が、添付請求項の範囲において可能である。
【0125】
更に、開示された実施例に対する変形は、添付請求項に記載の発明を実施する当業者であれば、添付図面、本明細書及び前記請求項を研究することによって理解し達成することができる。前記請求項において、「有する」なる語は他の要素を除外するものではなく、単数形の構成要素は、複数の構成要素を除外するものではない。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利になるように使用されることができないと示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14