(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビスフェノールA及びエピクロロヒドリン、ビスフェノールF及びエピクロロヒドリン、又はこれらの組み合わせから誘導される繰り返し単位を含むエポキシ樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造のセル充填用硬化性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のいずれの実施形態を詳細に説明するのにも先立ち、本開示はその用途において以下の説明文に記載される構成の細部及び要素の配列に限定されない点が理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用される専門語句及び専門用語は説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきではない点が理解されるべきである。「からなる(consisting)」の使用と異なり、「含む(including)」、「含有する(containing)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変化形の使用は、これらの語の後に列記される要素及びその均等物以外に更なる要素を包含することを意味するものである。「a」又は「an」の使用は、「1つ又は2つ以上の」を包含することを意味する。本明細書において記載される全ての数値範囲は、その範囲の下限値から上限値までの全ての値を含むものとする。例えば、1%〜50%の濃度範囲は、略記であり、例えば、2%、40%、10%、30%、1.5%、3.9%などの1%と50%との間の値を明示的に開示することを意図する。
【0013】
特に硬化したときにハニカム構造のセルを充填するために充填剤材料として使用し得る硬化性エポキシ系組成物を提供する。硬化性組成物は、
(i)少なくとも1つのエポキシ樹脂、
(ii)少なくとも1つのエポキシ硬化剤系、
(iii)少なくとも1つの低分子量ポリエポキシ化合物を含む。組成物は更なる添加剤を含有してもよく、これについては以下でより詳細に記載する。
【0014】
エポキシ樹脂:
エポキシ樹脂は、1つ又は2つ以上の好ましくは末端のオキシラン環(エポキシ基)を有するポリエーテルである。エポキシ官能基により、樹脂が硬化剤の存在下で架橋反応を受けることができる。本開示の典型的な実施形態では、広義には「エポキシド」と呼ばれるエポキシ樹脂は、脂環式又は芳香族であり、これは、それらが、脂環式又は芳香族である1つ又は1つ超の単位を有することを意味する。有用な材料は、概して、分子1個あたり少なくとも2個の好ましくは末端のエポキシ基、及びより好ましくは分子1個あたり2〜4個の末端エポキシ基を有する。典型的には、エポキシ樹脂は、少なくとも1、1超、又は少なくとも若しくは約2、又は約1〜4の平均エポキシ官能価を有し得る。
【0015】
好ましくは、エポキシ樹脂は、芳香族グリシジル、ジグリシジル、又はポリグリシジルエーテルであるか、又はこれらを含む。すなわち、エポキシ官能性はグリシジルエーテルの一部である。かかるエポキシ樹脂は、例えば、ヒドロキシル官能化アレーン(例えば、二価又は多価フェノールであるが、これらに限定されない)とエピクロロヒドリンとの反応により得ることができる。本明細書において言及するとき、二価フェノールは、フェノールの芳香環に結合している少なくとも2つのヒドロキシ基(「芳香族」ヒドロキシ基とも呼ばれる)を含有するフェノール、又はポリフェノールの場合には、少なくとも2つのヒドロキシ基が同一の芳香環若しくは異なる芳香環に結合している。したがって、用語「二価フェノール」は、2つの「芳香族」ヒドロキシ基を含有するフェノール又はポリフェノールに限定されるものではなく、多価フェノール、すなわち、2つ超の「芳香族」ヒドロキシ基を有する化合物も包含する。有用な二価フェノールの例としては、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、及びp,p’−ジヒドロキシジベンジル、p,p’−ジヒドロキシフェニルスルホン、p,p’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシフェニルスルホン、p,p’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−1,1−ジナフチルメタンを含むポリフェノール、並びにジヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、ジヒドロキシジフェニルエチルメチルメタン、ジヒドロキシジフェニルメチルプロピルメタン、ジヒドロキシジフェニルエチルフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルプロピレンフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルブチルフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルトリルエタン、ジヒドロキシジフェニルトリルメチルメタン、ジヒドロキシジフェニルジシクロヘキシルメタン、及びジヒドロキシジフェニルシクロヘキサンの2,2’、2,3’、2,4’、3,3’、3,4’、及び4,4’異性体が挙げられる。
【0016】
好ましい実施形態では、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF(これらのブレンド及びこれらの組み合わせを含む)に基づくエポキシ樹脂などであるがこれらに限定されない、一価、二価、若しくは多価フェノールのグリシジルエーテル又はポリグリシジルエーテルを含有するか、又はこれらからなるエポキシ樹脂が挙げられる。かかるビスフェノールA又はビスフェノールF系グリシジルエーテル樹脂は、例えば、フェノールのエピクロロヒドリンとの重合、及びクロリド基をヒドロキシル基に変換するための塩基との後続の反応の反応生成物から誘導される繰り返し単位を含む。かかる樹脂は、以下の一般式で表すことができる。
【0017】
【化2】
式中、nは、繰り返し単位を示す整数を表す。上記の式は、ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシ樹脂(ビスフェノールAギルシジル(gylcidyl)エーテル樹脂)としても言及される)を示す。
【0018】
上記の芳香族エポキシ樹脂に代えて、又はそれに加えて、それらの完全に又は部分的に水素付加されている誘導体(すなわち、対応する脂環式化合物)を使用してもよい。
【0019】
エポキシ樹脂は、好ましくは室温で液体であるか、又は溶解された形態で存在する。いくつかの特定の実施形態では、樹脂は、25℃にて低い粘度、例えば約3〜約20Pa.s.、例えば約4〜6Pa.s.の粘度を有する(ASTM D445)。いくつかの特定の実施形態では、樹脂は、約5600〜5800mmol/kgのエポキシ基含有量を有し得る。いくつかの特定の実施形態では、樹脂は、1エポキシ当量あたり150〜180グラムの樹脂を含有する。
【0020】
市販のエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、Hexion Speciality Chemicals GmbH,Rosbach,Germanyから商品名EPON 828、EPON 830、若しくはEPON 1001で、又は、Dow Chemical Co,から商品名D.E.R−331若しくはD.E.R−332で入手可能);ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(例えば、Dainippon Ink and Chemicals,Inc.から入手可能なEPICLON 830、又は、Dow Chemical Co,Schwalbach/Ts.,GermanyからのD.E.R.−354);ジグリシジルエポキシ官能基を含有するシリコーン樹脂;難燃性エポキシ樹脂(例えば、DER 580、Dow Chemical Co.から入手可能な臭化ビスフェノール型エポキシ樹脂)が挙げられる。他のビスフェノール系エポキシ樹脂は、商品名EPIKOTE(Hexion Speciality Chemicals,Rosbach,Germany)又はEPILOX(Leuna Epilox GmbH,Leuna,Germany)として市販されている。エポキシノボラックは、Dow Chemical Co,Schwalbach/Ts.,Germanyから商品名D.E.N.として入手可能である。
【0021】
典型的には、本明細書で提供される組成物は、10〜70重量パーセント、好ましくは15〜60重量パーセント、より好ましくは15〜55重量パーセント、特に好ましくは15〜50重量パーセントの1つ又は2つ以上のエポキシ樹脂を含む。
【0022】
様々なエポキシ樹脂の混合物も本発明の組成物中で使用することができ、これらの混合物としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂とビスフェノールF樹脂とのブレンド、又は環式又は非環式であってもよい脂肪族エポキシドとの芳香族エポキシ樹脂のブレンドのような、芳香族エポキシ樹脂のブレンドを挙げることができる。
【0023】
エポキシ硬化剤:
組成物は、1つ又は1つ超のエポキシ硬化剤を更に含有する。エポキシ硬化剤は、硬化剤、すなわち、エポキシドのオキシラン環と反応して架橋を生じさせる化合物である。しかしながら、単一の硬化剤の代わりにエポキシ硬化剤系が存在してもよく、これはすなわち、硬化剤の組み合わせ、又は硬化剤(複数可)と硬化触媒との組み合わせである。
【0024】
エポキシ樹脂に対する硬化剤の量は、これらがほぼ等しい当量を有するように、すなわち、反応性無水物基(又はアミノ系硬化剤の場合には反応性アミノ基)と反応性エポキシ基とのモル量が、約1:1、又は約0.8:1〜約1:0.8であるように選択される。
【0025】
エポキシ硬化剤又は硬化剤系は、硬化速度及び硬化の活性化を制御するように選択される。例えば、立体障害のない第一級アミノ基(−NH
2基)を持つ多くのアミノ官能化硬化剤は、室温でエポキシ樹脂と反応性である。早発硬化を防止するために、硬化性組成物は、エポキシ樹脂から分離した硬化剤を持つ二成分型(2K)配合物として提供される。2つの成分は、早発硬化を防止するために、基材へのそれらの適用の前に組み合わされる。
【0026】
無水物系硬化剤は、典型的には、より高い温度で活性となり、一成分型(1K)配合物中で使用され得る。
【0027】
アミン系硬化剤:
アミン系硬化剤は、少なくとも1つの第一級アミノ(−NH
2)基を含有する。典型的な例は、式(I)によって表すことができる。
【0028】
【化3】
ただし、R
21は、分子が少なくとも1つの−NH
2基を含有するように選択される。R
22は、それぞれ独立して、アルキレン、ヘテロアルキレン、又はこれらの組み合わせである。好適なアルキレン基は、多くの場合、1〜18個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。好適なヘテロアルキレン基は、2個のアルキレン基の間に位置付けられる少なくとも1個のオキシ、チオ、又は−NH−基を有する。好適なヘテロアルキレン基は、多くの場合、2〜50個の炭素原子、2〜40個の炭素原子、2〜30個の炭素原子、〜20個の炭素原子、又は2〜10個の炭素原子を有し、最大20個のヘテロ原子、最大16個のヘテロ原子、最大12個のヘテロ原子、又は最大10個のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子は、多くの場合、オキシ基である。変数qは少なくとも1に等しい整数であり、最大10若しくはそれ以上、最大5、最大4、又は最大3であることができる。R
21基は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、又はアルキルアリールである。R
21に好適なアルキル基は、多くの場合、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。アルキル基は、環式、分岐鎖、直鎖、又はこれらの組み合わせであることができる。R
21に好適なアリール基は、多くの場合、フェニル基のように、6〜12個の炭素原子を有する。R
21に好適なアルキルアリール基は、アリールで置換されたアルキルか、又はアルキルで置換されたアリールかのいずれかであることができる。上記と同じアリール及びアルキル基をアルキルアリール基で使用することができる。一部のアミン硬化剤は、アルキレン基から選択されるR
22基を有することができる。例としては、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミンが挙げられるが、これらに限定されない。他のアミン硬化剤は、酸素ヘテロ原子を有するヘテロアルキレンなどのヘテロアルキレン基から選択されるR
22基を有することができる。例えば、硬化剤は、アミノエチルピペラジン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン(TTD)(TCI America(Portland,OR)から入手可能)、又は、ポリ(エチレンオキシド)ジアミン、ポリ(プロピレンオキシド)ジアミンなどのポリ(アルキレンオキシド)ジアミン(ポリエーテルジアミンとも呼ばれる)、又はこれらのコポリマーといった化合物であることができる。市販のポリエーテルジアミンは、商品名JEFFAMINEで、The Woodlands,TX,USAのHuntsman Corporationから市販されている。
【0029】
更に他のアミン硬化剤は、ポリアミン(すなわち、ポリアミンは、第一級アミノ基及び第二級アミノ基から選択される少なくとも2個のアミノ基を持つアミンを指す)を別の反応物質と反応させて、少なくとも2個のアミノ基を有するアミン含有付加物を形成することにより、形成することができる。例えば、ポリアミンは、エポキシ樹脂と反応して、少なくとも2個のアミノ基を有する付加物を形成することができる。高分子ジアミンがジカルボン酸と、ジアミン対ジカルボン酸のモル比2:1以上で反応する場合、2個のアミノ基を有するポリアミドアミンを形成することができる。別の例では、高分子ジアミンが2個のグリシジル基を有するエポキシ樹脂と、ジアミンとエポキシ樹脂のモル比2以上:1で反応する場合、2個のアミノ基を有するアミン含有付加物を形成することができる。高分子ジアミンのモル過剰が多くの場合使用され、その結果、硬化剤は、アミン含有付加物とフリー(未反応)の高分子ジアミンとの両方を含む。例えば、ジアミン対2個のグリシジル基を持つエポキシ樹脂のモル比は、2.5:1超、3:1超、3.5:1超、又は4:1超であることができる。エポキシ樹脂を使用して硬化性組成物の第2の部分の中にアミン含有付加物を形成する場合でも、追加のエポキシ樹脂は硬化性組成物の第1の部分に存在する。
【0030】
好ましい実施形態では、エポキシ硬化剤は無水物系である。エポキシ硬化剤は、カルボキシル酸無水物を含むか、又はカルボキシル酸無水物である。無水物系硬化剤としては、既知の硬化剤が挙げられ、例えば、テトラヒドロキシフタル酸無水物又はノルボルネンフタル酸無水物などのフタル酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
主要な硬化剤として無水物を含有する組成物は、一成分型組成物として配合され得る。本明細書で使用される主要な硬化剤は、硬化剤が多量に存在することを意味する。他の硬化剤も存在し得るが、微量であり、典型的には、主要な作用剤の量の10又は100分の1未満(量は重量を基準とする)、又は主要な作用剤の量の20〜50分の1未満の量である。
【0032】
いくつかの実施形態では、エポキシ硬化剤系は、硬化剤としてカルボン酸無水物、及び少なくとも1つのアミン硬化剤を含む。無水物は主要な硬化剤である。アミンは、組成物が一成分型組成物として配合され得るように、反応性がより低いことが好ましい。かかるアミンの例としては、第一級アミノ基を含有しないか、又は立体障害の第一級アミノ基、例えば、環に結合した、又は環に結合した短鎖アミノアルキル残基の一部としての、第一級アミノ基、すなわち、環に結合した、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、又はイソブチルアミノ残基のみを含む環式アミンが挙げられるが、これらに限定されない。例としては、イミダゾール、イミダゾリン、ピペラジン、モルホリン、並びにこれらの誘導体及び塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の例としては、例えば商品名CUREZOL 2MA−OKで市販されている、2−(2−(2−メチルイミダゾリル)−エチル)−4,6−ジアミノ−s−トリアジンが例えば挙げられる。他の好適な第2の硬化剤としては、第三級アミノ基で置換されたフェノールが挙げられる。特定の例としては、商品名ANCAMINE K54でAllentown,PA,USAのAir Products Chemicals,Inc.から市販されているトリス−2,4,6−(ジメチルアミノメチル)フェノールが挙げられる。他の例としては、1−アミノ−3−アミノメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミンとも呼ばれる)、アミノエチルピペラジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
別の実施形態では、硬化剤系は、少なくとも1つの無水物、並びに第1及び第2のアミンの組み合わせを含む。エポキシ硬化剤系中で使用される第1のアミンは、約30℃〜最大約100℃、好ましくは約40℃〜最大約90℃、より好ましくは約60℃〜約80℃の融点を有するアミンであってもよい。第1のアミンは脂肪族アミンであることが好ましく、このことは、これらが芳香族残基を含有しないことを意味する。第1のアミンは、少なくとも1個の第一級アミン残基(すなわち、−NH
2残基)を含有することが好ましい。第1のアミンは、直鎖又は分枝鎖、環式又は非環式であってもよい。第1のアミンは、以下の一般構造(II)の直鎖又は分枝鎖アミンであってもよい:
【0034】
【化4】
残基R
1、R
2、及びR
4は、互いに独立して、水素、又は炭化水素(アルキルなど)、又はアルコキシ、又はポリオキシアルキル残基を表し得る。R
3は、炭化水素、アルキルエーテル、又はポリエーテルアルキル残基を表す。より好ましくは、R
3は、ポリエーテルアルキル残基である。好ましくは、残基R
1、R
2、及びR
4は、アミンが少なくとも1個又は2個の第一級アミン基を含有するように選択され、nは整数を表す。好適なポリエーテルアミンとしては、ポリプロピレンオキシド及び/又はポリエチレンオキシドから誘導することができるものが挙げられる。第2のアミンは、約50℃〜最大約180℃、好ましくは約70℃〜最大約150℃未満、より好ましくは約80℃超〜約129℃未満の融点を有するアミンを含む。第2のアミンは、第1のアミンと同一又は異なる化学型のものであってもよい。好ましくは、第2のアミンは、脂肪族、より好ましくは脂環式である(これは、これらが脂肪族又は脂環式部分を含有するが、芳香族部分を含有しないことを意味する)。脂環式アミンは、本明細書で使用するとき、アミンが1個又は1個超の脂環式残基を含有することを意味する。脂環式アミンは好ましくは第一級アミンであり、少なくとも1個の第一級アミン基を含有する。脂環式アミンの典型的な例としては、1個又は2個以上の環残基(例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル、若しくはシクロペンチル残基、又はこれらの組み合わせなど)を含有する第一級アミンが挙げられる。典型的には、第2のアミンは、第1のアミンに対して、等量で又は過剰で、使用される。典型的には、第1及び第2のアミンは、例えば、硬化剤系中で使用される無水物の合計量の、又は、組成物中で使用される硬化剤の合計量の、0.5〜20重量%、又は1〜12重量%などで、無水物と比較して少量で使用される。第1及び第2のアミンは、これらが融点において少なくとも10℃の差を有するように選択される。
【0035】
硬化触媒:
硬化性組成物はまた、硝酸カルシウム又はトリフレートを含む硬化触媒を含んでもよい。これらの塩は、硬化反応を加速し得る。
【0036】
本明細書で提供される組成物は、典型的には、組成物全体の重量を基準として約10〜約40重量%のエポキシ硬化剤又はエポキシ硬化剤系を含み得る。
【0037】
低分子量ポリエポキシ化合物
低分子量ポリエポキシ化合物は、少なくとも3個のエポキシ単位、好ましくはグリシジルエーテル単位を含有する。好ましくは、低分子量ポリエポキシ化合物は脂肪族であり、より好ましくは脂肪族及び非環式である。好ましい実施形態では、低分子量ポリエポキシ化合物は単量体であり、エポキシ官能性の開環反応から誘導される繰り返し単位を含有しない。好適な化合物は、式(III)によって表すことができる。
【0039】
式(III)では、基R
4は、好ましくは脂肪族であり、かつ10〜100個の炭素原子、好ましくは、15〜80個の炭素原子を含有するp価部分であり、pは3〜6の整数であり、好ましくは、pは3又は4であり、最も好ましくは、pは3である。多くの実施形態では、R
4は、飽和又は不飽和であってもよい、直鎖若しくは分枝鎖炭化水素、又は直鎖若しくは分枝鎖ヘテロ炭化水素である。本明細書で意味するヘテロ炭化水素は、炭化水素鎖を分断する1つ又は2つ以上のヘテロ原子を含有する炭化水素、いわゆるカテナリーヘテロ原子である。かかるカテナリーヘテロ原子は、典型的には、酸素原子であり、残基R
4は、ポリエーテル部分を表し得る。いくつかの実施形態では、R
4は、ポリオール、例えばグリセロールを含有し、そのヒドロキシル基は、グリシジルエーテル保有置換基を含有するように修飾されている。例としては、プロポキシ化グリセロールグリシジルエーテル、エトキシ化グリセロールグリシジルエーテル、並びにエトキシ化及びプロポキシ化グリセロールグリシジルエーテルが挙げられる。他の例としては、グリセロールのようではあるがこれに限定されない、カルボン酸及びポリオールを保有するグリシジルエーテル基のエステルが挙げられる。
【0040】
プロポキシ化グリセロールグリシジルエーテルの例は、式(IV)によって表される。
【0041】
【化6】
式中、x、y、及びzは、0超の整数であり、異なるか又は同一であってもよい。
【0042】
カルボン酸を含有するポリオール及びグリシジルエーテル基のエステルの例としては、式(V)に示すヒマシ油トリグリシジルエーテルが挙げられる
【0044】
プロポキシ化グリセロールトリグリシジルエーテル及びヒマシ油トリグリシジルエーテルは、例えば、CVC Specialty Chemicals Inc,Moorestown,NJ,USAから商品名ERYSIS GE−35及びERYSIS GE−36で市販されている。
【0045】
これらの材料は、硬化済み組成物の可撓性を増加させ、増加した可撓性は、切断、穿孔、又は圧延作業中に、他の樹脂、例えば、他のエポキシ樹脂又はフェノール樹脂との硬化済み組成物の相溶性を向上させ、粗い又は破砕した縁部の発生を低減させるのに役立つと考えられる。低分子量ポリエポキシドも、異なる低分子量ポリエポキシドを含有する混合物として存在し得ることが理解される。低分子ポリエポキシドの典型的な量としては、組成物の総重量を基準として約0.5〜約5重量%の量が挙げられる。最適な量は、選択される実際の配合に依存し、通常の実験によって決定することができる。
【0046】
発明者らは、周囲温度及び昇温での、例えば、23°及び80℃での圧縮強度として測定したときの、処理特性(例えば、好ましくはペースト様稠度)と機械的強度との間の良好なバランスが、本明細書に記載の実施形態によって達成され得ることを見出した。更に、硬化の際に放出される低発熱度の熱及び室温での長い貯蔵寿命を追加的に有する実施形態は、本明細書に記載の組成物によって得ることができる。
【0047】
添加剤を組成物に添加して、組成物の特定の特性を更に向上させてもよいことが理解される。例えば、より難燃性の実施形態を提供するために、難燃剤又は難燃剤の組み合わせ、例えば下記のものを添加してもよい。より軽量の実施形態を提供するために、組成物は、組成物の密度を減少させることができる少なくとも1つの充填材料、例えば下記の材料を更に含んでもよい。
【0048】
本発明の組成物は、更なる成分(添加剤)を含んで、レオロジー特性又は機械的特性を更に調節し、組成物の外観を適応させてもよく、あるいは、組成物の早発分解を防止するのを助け得る。これらの更なる材料としては、例えば、上記のもの以外の充填剤、チキソトロープ剤、反応性希釈剤、色素、酸化防止剤、接着促進剤などが挙げられる。
【0049】
密度を減少させることができる充填剤:
本組成物は、組成物の密度を減少させることができる充填剤を更に含んでもよい。本明細書で使用するとき、「組成物の密度を減少させることができる」は、充填剤が、充填剤なしの組成物よりも低い密度を有することを意味する。典型的には、本組成物は、15〜60重量パーセントのかかる充填剤を含み得る。前駆体の密度を減少させることができる充填剤としては、低密度無機充填剤(すなわち、0.1〜0.5g/cm
3)の密度を有する充填剤)、低密度有機充填剤(すなわち、0.01〜0.30g/cm
3の密度を有する充填剤)が挙げられるが、低密度無機充填剤が有機充填剤よりも好ましく、それは、後者が圧縮強度に負の影響を及ぼす傾向を有するからである。有機充填剤と無機充填剤の組み合わせを使用してもよいが、無機低密度充填剤は、有機充填剤よりも過剰に使用されることが好ましい。
【0050】
低密度無機充填剤は、無機粒子、無機微小球、及び特に中空無機微小球から選択されることが好ましい。微小球は、例えば、ガラス、シリカ、セラミック(ゾル−ゲル法によるものなど)又はジルコニアなどの様々な材料から選択され得る。
【0051】
充填剤は、これらがその圧縮強度を犠牲にすることなく硬化済み組成物の有利な密度を可能にするように選択されることが好ましい。中空無機微小球は、0.5g/cm
3未満、より好ましくは0.12〜0.42g/cm
3の密度を呈する。充填剤は、典型的には500μm未満、又は10〜100μmの平均粒径(数平均)を有し得る。好ましい中空無機微小球としては、例えば、3M Companyから商品名Glass bubbles D32又はScotchlite D32/4500で市販されているガラス微小球が挙げられる。
【0052】
未膨張有機中空微小球充填剤は、例えば、Akzo Nobelから商品名「Expancel(登録商標)」で入手可能である。未膨張有機中空微小球は、場合によっては、膨張性有機マイクロバルーンとも呼ばれ、例えば、Lehmann and Voss,Hamburg,Germanyからも商品名MICROPEARLで入手可能である。予備膨張された有機中空微小球は、例えば、Lehmann & Voss,Hamburg,Germanyから、商品名DUALITEで市販されている。
【0053】
硬化性組成物に使用される充填剤の濃度及び性質は、好ましくは、硬化済み組成物の密度が1g/cm
3未満、より好ましくは0.9g/cm
3未満、最も好ましくは、例えば0.6〜0.7g/cm
3のように、0.5〜0.8g/cm
3であるように選択される。
【0054】
難燃剤:
本発明の前駆体及び硬化済み組成物は、難燃剤、又は数個の難燃剤を含む系を更に含んでもよい。例としては、アルカリ土類金属水酸化物、アルミニウム族水酸化物、並びにリン含有材料、リン酸塩及びホスフィン酸塩(これらの組み合わせを含む)から選択される化合物が挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物及びアルミニウム族水酸化物は、多くの場合、煙抑制剤として使用される。特に好ましい化合物としては、アルミニウム三水和物(=酸化アルミニウム三水和物、場合によっては水酸化アルミニウムとも呼ばれる)及び水酸化マグネシウムが挙げられる。
【0055】
リン含有材料は、赤リン元素、又は埋め込み若しくは封入リンであってもよい。リン酸塩の例としては、リン酸メラミン、リン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン、及び例えばホスフィン酸アルミニウムなどの無機ホスフィン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。赤リン元素及び無機ホスフィン酸塩が好ましい。
【0056】
難燃性系はまた、メタホウ酸バリウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものなどの任意選択のホウ素含有材料を含んでもよい。
【0057】
前駆体及び硬化済み組成物は、典型的には、組成物全体の重量を基準として、約5〜最大約50重量パーセント、好ましくは10〜25重量パーセントで、難燃剤を含む。
【0058】
反応性希釈剤及びチキソトロープ剤を添加して、硬化性組成物の流動特性を制御してもよい。
【0059】
チキソトロープ剤は、当該技術分野で既知であり、典型的には、50nm未満の数平均粒径を有する微粒子物質である。好ましいチキソトロープ剤としては、ヒュームドシリカが挙げられる。チキソトロープ剤は、Cabot,Schwalbach im Taunus,Germanyから商品名Cab−O−Silで、又はDegussa Evonik GmbH,Frankfurt,Germanyから商品名Aerosilで市販されている。
【0060】
反応性希釈剤を添加して、粘度を減少させ、組成物の流動性を向上させてもよい。典型的な例としては、好ましくは末端位置で1つ又は2つのエポキシ基を含有する単量体エポキシドが挙げられる。反応性希釈剤は、飽和又は不飽和の環状骨格を有することが好ましい。好ましい反応性末端エポキシドは、グリシジルエーテルである。好適な希釈剤の例としては、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、及びネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0061】
更なる材料としては、湿潤剤が挙げられ、これは好ましくはチタン酸塩、シラン、ジルコン酸塩、ジルコアルミネート、リン酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選択される。湿潤剤は、組成物の混合性及び加工性を向上させ、また、基材上での組成物の分散を促進することができる。特に有用な湿潤剤は、Coatex,Genay,FranceからCoatex DO−UP6Lとして市販されている。1つ又は2つ以上の湿潤剤を含む湿潤剤成分の濃度は、組成物の総重量を基準として、典型的には、6重量パーセント未満、より好ましくは5重量パーセント以下である。
【0062】
色素としては、酸化第二鉄、れんが粉、カーボンブラック、酸化チタンなどを含む無機又は有機色素を挙げることができる。
【0063】
本組成物は、強靭化剤を更に含んでもよい。強靭化剤は、強靭化剤を含有せず(かかる比較研究における量の差は、エポキシ樹脂により補われる)、それ以外は同一処理した同組成物と比較して、硬化済みエポキシ樹脂の強靱性を高めることができる、エポキシ樹脂以外のポリマーである。典型的な強靭化剤としては、例えば、コア−シェルポリマー又は液体ブタジエン−ニトリルゴムが挙げられる。本開示のいくつかの実施形態は、いかなる強靭化剤も含まない。
【0064】
調製法
本発明の硬化性組成物は、多くの技術により容易に調製することができる。例えば、様々な成分を周囲条件下で、Mogul混合器などの好適な混合容器に添加してもよい。容器は、調製中の成分の反応を防止するために、及び製造時に生じるあらゆる熱の除去を促進するために、冷却することが好ましい。硬化性組成物(「前駆体」としても本明細書では言及される)は、35℃未満の室温で混合することが好ましい。加えて、通常は緩慢な混合速度を使用して、混合器における熱の蓄積の防止を助ける。成分が均一な混合物を形成するまで混合を継続し、その後、前駆体を混合器から取り出す。
【0065】
二成分型組成物の場合は、エポキシ樹脂含有部分を、硬化剤を除いて上記のように調製することができる。硬化成分は、必要であれば硬化剤と任意の追加的な含有物とを混合することによって、別個に調製する。両部分は使用前に組み合わせる。
【0066】
本明細書で提供される硬化性組成物は、押し出し可能なペーストであることが好ましい。これらは粉末の形態ではないことが好ましい。典型的な実施形態では、押し出し可能なペーストは、以下の試験の節に記載する通りに測定した、少なくとも50g/分の初期押し出し速度を有する。より好ましくは、初期押し出し速度は、50g/分〜最大300g/分である。多くの実施形態では、硬化性組成物は、周囲温度で時間とともに、粘度の緩慢な増加を示す。典型的には、硬化性組成物は、ポンプ又は他の従来の適用機器によって処理することができる。
【0067】
硬化性組成物は、良好な発熱挙動を示すことが望ましい。材料は、良好な機械的特性、例えば高い圧縮強度を呈することが好都合である。いくつかの実施形態では、硬化済み組成物は、室温(20℃)にて30MPa超、80℃にて20MPa超の圧縮強度を有する。
【0068】
いくつかの実施形態では、硬化済み組成物は、0.8g/cm
3未満、例えば0.6〜0.7g/cm
3の密度を有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、前駆体は一成分型組成物であり、すなわち、これらは、硬化成分が組成物の使用までエポキシ樹脂から分離して保持される二成分型組成物と比較して、既に硬化剤成分を含んでいる。本発明の一成分型前駆体は、室温にて良好な貯蔵寿命を呈することが好ましい。一成分型組成物は反応性系を含有し、したがって、貯蔵期間にわたって低温にて保持することが好ましい。本明細書で言及する室温における貯蔵寿命は、(組成物の調製から、又は、−18℃に保持しておいた後で室温(20℃)に到達した時間から)組成物が増粘して押し出しがより困難又は不可能になるまでの時間を測定することにより決定することができる。緩慢な増粘速度は許容可能である。組成物は、室温にて5日にわたる貯蔵後の押し出し速度(下記の方法に従って測定される)が60g/分を超える場合、室温にて良好な貯蔵寿命を有すると考えられる。一成分型組成物は、上記のような無水物系硬化剤を主成分として含有する硬化系を含む。好ましい実施形態では、一成分型組成物は、少なくとも1つの無水物系硬化剤及び少なくとも1つの第2の硬化剤、好ましくはアミン硬化剤を含有する。
【0070】
硬化性組成物は、例えば、金属(例えば、Al、Al合金、チタン、若しくは鋼)などの様々な基材だけでなく、例えば、ガラス、ホウ素、炭素、ケブラー繊維、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアン酸エステル、及びポリエステルマトリックスなどを含む他の基材にも適用することができる。典型的には、かかる基材はハニカム構造のグリッドである。
【0071】
硬化性組成物は、例えば、薄いコーティングとして適用してもよいが、好ましくは、例えば、ハニカム構造のような嵩高物品の調製のために使用し得る。かかるハニカム構造は、床板又は壁板、特に、船舶又は航空機又は建造物中に使用される内壁の建設において使用してもよい。典型的には、ハニカム構造は、ハニカム構造の上面及び底面を少なくとも部分的に、好ましくは完全に被覆している2つの同一型である別々の外部層を含む、サンドイッチ複合体の内部層である。
【0072】
硬化性組成物は、典型的には、基材に適用され、続いて、好ましくは熱硬化によって硬化させる。組成物は、ペーストを適用するための標準の機器、例えば、ポンプ、手持ち式押し出しガン、又はペーストを注入するのに好適な注射器のような他の注入機器を使用して適用し得る。硬化条件は、特定の用途に応じて、及び使用する硬化系に応じて大きく異なり得る。いくつかの実施形態では、硬化系は、無水物系の第1の硬化剤を含有し、硬化温度は、典型的には、80〜180℃、好ましくは175℃である。硬化時間は、典型的には、15〜180分、好ましくは2時間である。好ましくは、組成物は、120分の硬化時間の後に175℃にて完全に硬化させることができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、硬化性エポキシ系組成物は、良好な加工性を呈するように、並びに、有利な初期粘度(例えば、初期押し出し速度に関して評価される)及び経時的な粘度増加の低さ(例えば、以下の方法に記載のように、初期押し出し速度及びそれぞれ3日後又は5日後の押し出し速度に関して評価される)の両方を呈するように、調製することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、硬化時に低発熱性(例えば、以下の方法に従って硬化反応中の最大発熱ピークに関して評価される)を呈する硬化性エポキシ系組成物を調製することができる。組成物は、発熱度が60℃未満、好ましくは55℃未満である場合に、低発熱性を有すると考えられる。
【0075】
例えば圧縮強度に関して評価される有利な機械的特性を呈する、対応する硬化性前駆体組成物を硬化させることにより得ることができるエポキシ系組成物を調製することができる。特に、硬化済み組成物は、室温にて良好な圧縮強度を有するが、高温においても有する。上述の成分を使用することにより、以下の特性のうち1つ若しくは2つ以上又は全てを有する組成物を調製することができる:
a)以下の方法の節に記載のように測定されるとき、50g/分〜約300g/分の初期押し出し速度を有する硬化性組成物;
b)以下の方法の節に記載のように測定されるとき、室温にて3日にわたる貯蔵後に約50g/分〜最大約200g/分、並びに、室温にて5日にわたる貯蔵後に約50g/分〜最大約150g/分の初期押し出し速度を有する硬化性組成物;
c)以下の方法の節に記載のように測定されるとき、60℃未満の発熱ピークを有する硬化性組成物;
d)硬化時に23℃にて少なくとも25MPaの圧縮強度を有する硬化性組成物;
e)硬化時に80℃にて少なくとも20MPaの圧縮強度を有する硬化性組成物;
f)硬化時に23℃にて少なくとも40MPaの圧縮強度を有する硬化性組成物;
g)a)及びb)、又は、a)、b)、及びc)、又は、a)、b)、c)、及びd)、又は、a)、b)、c)、d)、及びe)、又は、a)、b)、c)、d)、e)、f)、及びg)の特性を有する硬化性組成物。
【0076】
いくつかの実施形態では、下記の方法に従って測定されるときに、硬化時に150mm未満の燃焼長さ、15秒未満の残炎時間、60秒の垂直式ブンゼンバーナーにて3秒未満の残炎滴下を呈する、上記のような難燃性系を更に含有する硬化性組成物を調製することができる。
【0077】
加えて、下記の方法に従って測定されるとき、硬化時に200未満の光学煙密度を呈する、上記に記載のような難燃性系を更に含有する硬化性組成物を調製することができる。
【0078】
前駆体組成物は、硬化時に望ましい化学的及び機械的特性が得られるような量で、上述の成分を含有する。
【0079】
典型的な実施形態では、前駆体組成物は、約10〜70重量%のエポキシ樹脂、約1〜55重量%の好ましくは無水物系硬化剤を含むエポキシド硬化剤系、0.5〜5重量%の低分子量ポリエポキシ化合物、及び任意選択で、約5〜50重量%の難燃性系、及び任意選択で、約10〜60重量%の、組成物の重量を減少させることができる充填剤を含み、ここで、重量百分率は、組成物の合計量を基準とし、重量百分率の合計量は100%となる。
【0080】
硬化性組成物は、ハニカム構造、特に航空機中で使用されるハニカム、及び特に航空機の内部、例えば内壁において又は床板において使用されるハニカムのためのコア充填剤として特に有用である。典型的な実施形態は、旅客機の加圧領域と非加圧領域の界面にて使用されるときに接する力に耐えることができる。
【0081】
ハニカム構造は、内部ハニカムコアを含むサンドイッチ複合体の一部であり得る。典型的なハニカムサンドイッチ複合体の実施形態を
図1に表す。
図1では、ハニカムサンドイッチ複合体(1)の斜視図を示す。ハニカムコア(4)は、上部層(2)及び底部層(3)という外部層である2つのフェースシートの間にサンドイッチされる。層は、シート又はコーティングであってもよい。シートは、ハニカム構造又はその充填剤に積層されるか、又は接着剤によって結合されてもよく、あるいはセル充填剤と共に硬化されてもよい。ハニカム構造は、
図2でより詳細に示す。ハニカム構造(4)は、セル(6)を含むハニカムフレーム(5)を有する。セルは、矩形又は六角形であってもよく、
図2では、セルは六角形の形状を有する。ハニカム構造中のセルは、典型的は、少なくとも1つ又は3つ全ての寸法(セルの最大長、最大幅、及び最大高)において、0.4cm〜最大15cmの範囲であり得る。セルの寸法は、
図2では、長さ(L)、幅(W)、及び高さ(H)として示す。セルは、矩形又は六角形であってもよく、あるいは任意の他の形状を有してもよい。セルを取り囲んでいるハニカムフレームは、典型的には、例えば、鋼及びアルミニウムであるがこれらに限定されない金属で作製される。ハニカムフレームはまた、金属製ではなく、繊維、又はガラス繊維複合体若しくは炭素繊維複合体のような繊維複合体を含有してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、ハニカムの外表面のうちの少なくとも1つは、樹脂中に埋め込まれた繊維を含有する複合材料、例えばプリプレグ(予備含浸繊維材料)を含む層によって少なくとも部分的に被覆される。樹脂は、上記のようなエポキシ樹脂又は下記のようなフェノール樹脂(これらのブレンド若しくは組み合わせを含む)であってもよい。層は、例えば、コーティング又はシートの形態であってもよい。シートは、ハニカム構造に積層されるか、又は接着剤によって結合されるか、又は機械的に固定されてもよく、あるいはセル充填剤と共に硬化される。本明細書で言及するフェノール樹脂は、1つ又は2つ以上のフェノールと、1つ又は2つ以上のアルデヒド、典型的にはホルムアルデヒドとの反応生成物に基づくポリマー材料である。後者の場合には、フェノール樹脂は、フェノールホルムアルデヒド樹脂としても言及される。フェノール樹脂はまた、ノボラック樹脂を含む。ノボラックは、一価、二価、若しくは多価フェノールと例えばホルムアルデヒドなどのアルデヒドとの縮合生成物と、例えばエピクロロヒドリンなどのエポキシ基導入剤との反応生成物を含む。フェノールは、アルキル置換(例えば、クレゾール)又は未置換)であり得る。典型的なエポキシノボラックは、グリシジルエーテル基を含有し、かつ、ビスフェノールF、ビスフェノールA、又は別のフェノール若しくはポリフェノールのアルデヒドとの縮合生成物から誘導される繰り返し単位を更に含む、ポリマーである。
【0083】
複合材料の繊維としては、例えば、無機繊維及び有機繊維が挙げられる。無機繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維、及び炭素繊維が挙げられる。有機繊維としては、ポリアミド繊維、例えば、アラミド繊維のような芳香族ポリアミドが挙げられる。市販のフェノール性プリプレグとしては、例えば、Hexcel Corporation,Stamford,CT,USAから入手可能なHexPly(登録商標)93及びHexPly(登録商標)200が挙げられる。
【0084】
本開示は、本開示をいずれの特定の実施例及び実施形態に限定することも意図せずに、下記の実施例によって更に説明される。その前に、前駆体及び硬化済みエポキシ系組成物を特徴付けるために使用されるいくつかの試験方法が記載される。特に指定しない限り、百分率は、各々、前駆体又は硬化済みエポキシ系組成物の質量についての重量百分率である。上記及び下記で、前駆体又は硬化済み組成物の全成分の質量百分率は、各々、各場合において合計で100重量パーセントになる。
【0085】
方法
押し出し速度
低密度エポキシ系組成物の前駆体の加工性は、以下の手順を用いて標準機器を通して押し出すことにより、室温(23℃)にて評価した。空気駆動式適用ピストル(SEMCO,East Kilbride,U.Kから入手可能)に、150mlの使い捨てカートリッジ及び6.35mmの開口を有するノズルを取り付ける。使い捨てカートリッジを前駆体で充填し、5バール(0.5MPa)の空気圧を適用することにより低密度エポキシ組成物を押し出した。押し出し速度は、60秒間に押し出された量を測定することにより決定した。
【0086】
測定は、前駆体を調製した直後に行った(初期押し出し速度)。各前駆体を典型的には3回評価し、結果を平均した。
【0087】
前駆体を23(±2)℃の温度及び50%の相対湿度にて3日(又は各々5日)保持した後に、更なる測定を行う。
【0088】
圧縮強度
12.5mm(高さ)×12.5mm(幅)×25mm(長さ)の寸法を有し、1つの主要な側面が開口している、剥離コーティングされた成形型の中に、約200gの前駆体を流し込んだ。成形型を強制空気炉内に配置し、2つの硬化サイクルを含む硬化プログラムにかけた。第1の硬化サイクルについては、3℃/分の加熱速度を用いて、炉温を20℃から125℃に上げた。温度を1時間にわたって125℃に保持し、次に温度を45分かけて20℃に冷却した。
【0089】
全ての試験片は、加熱能力を備えるZwick Model Z030引張試験機(Zwick GmbH & CO.,Ulm,Germany)を使用することにより、0.5mm/分の速度で、それらの25mmの軸腺に沿って圧縮した。
【0090】
圧縮強度を23℃(室温)及び80℃で測定した。80℃での試験の前に、少なくとも30分間、加熱した機器の中で試験片を事前調整した。
【0091】
3個の試料を、調製した各エポキシ組成物について測定し、結果を平均した。
【0092】
光学煙密度
アルミニウムの離型処理された成形型内に組成物を注入し、圧縮強度試験について前述したのと同じ23℃〜125℃の硬化サイクルを用いて空気強制炉内で硬化させることによって、3〜5mmの厚さを有するシートを調製する。次に、3mm×75mm×75mmの寸法を有する試料をこの大きなシートから切り出す。一方の側の表面を紙やすりで研磨して、露出した樹脂が組成物全体の代表であるかを確かめる。
【0093】
NBS煙密度チャンバ(NBS=米国国立標準局(National Bureau of Standards))を使用して、煙密度を測定する。この試験方法は、JAR/FAR Part 25,amdt.25〜66,Appendix F,Part V(JAR/FAR=欧州合同航空公団(Joint Aviation Requirements)/米国連邦航空局(Federal Aviation Regulations))に詳細が記載されている。Airbus Directive ABD 0031,「Fireworthiness Requirements,Pressurised Section of Fuselage」,Issue D,Sept.2002,section 5.4「smoke−density」も参照されたい。エポキシ系組成物の試料を特定の寸法のガスフレーム上に配置する。炉内の空気スペースを通した垂直光線の光透過により、チャンバ内に発生された煙を測定する。
【0094】
各エポキシ系組成物の3個の試料を典型的に試験し、結果を平均する。
【0095】
垂直燃焼試験
Airbus Directive ABD 0031,Issue September 2002に従って、垂直燃焼試験を行う。アルミニウム成形型内にて硬化させたエポキシ組成物の3mm×400mm×400mmパネルから3mm×75mm×300mmの寸法を持つ3個の試験標本を切り出す。エポキシ組成物をSEMCOカートリッジの成形型の中に押し出す。成形型を、空気強制炉内で、3℃/分の加熱速度で125℃にして60分にわたって硬化させる。次に、標本を可燃性チャンバにおいて、12秒及び60秒の垂直燃焼試験にかけて試験する。燃焼長さはmmで記録する。各エポキシ系組成物の3個の試料を試験し、結果を平均する。
【0096】
発熱度
100mmの直径及び35mmの高さを有するステンレス鋼丸底カップの中に、100gの前駆体組成物を充填した。電気的熱電対を前駆体の中心に配置する。次に、前駆体を強制空気炉の中に配置し、炉温を2℃/分の加熱速度を用いて23℃から175℃へ上げる硬化サイクルを実行することにより、前駆体を硬化させる。次に、温度を1時間にわたって175℃に保持する。前駆体組成物中の熱電対により記録された最大熱から炉熱を減算すること、すなわち、熱電対に記録された最大温度−175℃によって、ピーク発熱を計算する。
【0097】
動的機械熱分析(DMTA)
DMTA試験には、Rheometric Scientific Inc.,Piscataway,NJ 08854,USA)によるDMTA Vレオメーターを使用することができる。試験標本の調製のために、2個のシリコーン剥離ライナーの間に約0.3mmの厚さに前駆体をコーティングし、2〜5℃/分の加熱速度にて23℃から175℃への硬化サイクルを用いて空気強制炉内で硬化させる。次に、温度を1時間にわたって175℃に保持して、エポキシ系組成物を完全に硬化させる。硬化したエポキシ系組成物を、45分かけて23℃に冷却する。5mm×10mmの寸法を有する試験標本を切り出し、ガラス転移温度(Tg)の評価のためにDMTA試験に付す。以下のDMTA設定を使用することができる。
【0099】
密度
エポキシ系組成物の試料は、対応する前駆体を成形型に流し込み、試験方法の「圧縮強度」に記載した通りの温度プログラムを使用して、強制空気炉内で硬化することによって調製した。硬化した試料を成形型から取り外し、それらの正確な寸法を記録した。それぞれの試料の重量を量り、密度を算出して、1cm
3あたりのグラム数を記録した。
【実施例】
【0100】
実施例1及び2、並びに比較実施C1〜C3
各場合において、下の表1に列挙する化合物を、Linden GmbH,Germanyによって市販されている2.0リットル機械的モーグル型混合器中で組み合わせることにより、エポキシ系組成物を調製した。表1では、全ての濃度は重量パーセントで付与する。
【0101】
水冷却を使用して、混合プロセスの間、温度を35℃未満に保持した。まずエポキシ樹脂を添加し、20〜40rpmにて他の含有物と混合する。ここで、含有物は順々に添加し、次の含有物を添加する前に均質なブレンドを獲得するまで約20分間混合する。最終工程では、100mbar(0.01MPa)の真空を5分にわたって適用することにより、均質なブレンドを脱気した。前駆体配合物を−18℃にて貯蔵した。
【0102】
全ての前駆体配合物は、滑らかな均一の稠度を有するペーストであった。
【0103】
【表2】
【0104】
【表3】
【0105】
以下の特定の実施形態の一覧は、本開示を列挙する特定の実施形態に限定することを意図せずに、本開示を更に説明するために提供するものである。
【0106】
特定の実施形態の一覧
1.硬化性組成物であって、
(i)少なくとも1つの繰り返し芳香族部分を含む少なくとも1つのエポキシ樹脂と、
(ii)エポキシ硬化剤と、
(iii)低分子量ポリエポキシ化合物であって、一般構造
【0107】
【化8】
を有し、式中、R
4が、直鎖又は分枝鎖であり、好ましくは脂肪族であり、かつ10〜100個の炭素原子を含有するp価部分であり、pが、3〜6の整数であり、好ましくは、pが3又は4であり、最も好ましくは、pが3である、ハニカム構造のセルの充填剤としての低分子量ポリエポキシ化合物とを含む。
2.硬化性組成物のエポキシ硬化剤系が、カルボン酸無水物硬化剤を含む、実施形態1に記載の使用。
3.硬化性組成物のエポキシ硬化剤系が、カルボン酸無水物硬化剤及び少なくとも1つのアミン硬化剤を含む、実施形態1又は2に記載の使用。
4.硬化性組成物のエポキシ硬化剤系が、主成分としてカルボン酸無水物を、微量成分としてアミンを含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の使用。
5.硬化性組成物が、6.35mmの直径を有する円形開口を通して、25℃の温度及び500バール(0.5MPa)の圧力にて60秒にわたって押し出されたときに、約50g/分〜約300g/分の初期押し出し速度を有する、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の使用。
6.硬化性組成物が、6.35mmの直径を有する円形開口を通して、25℃の温度及び5バール(0.5MPa)の圧力にて60秒にわたって押し出されたときに、約50g/分〜約300g/分の初期押し出し速度、並びに、調製の3日後及び5日後に約50g/分〜約300g/分の押し出し速度を有する、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の使用。
7.硬化性組成物が、硬化性組成物の密度を減少させることができる充填剤を更に含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の使用。
8.硬化性組成物が、1つ又は2つ以上の難燃剤を更に含む、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の使用。
9.硬化性組成物が、約60℃未満の発熱度を有する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の使用。
10.硬化性組成物が、23℃にて少なくとも約30MPa、80℃にて少なくとも約20MPaの硬化後の圧縮強度を有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の使用。
11.硬化性組成物が、未置換又はアルキル置換であってもよい、一価、二価、又は三価フェノールから誘導される繰り返し単位を含有するエポキシ樹脂を含み、グリシジルエーテル部分を更に含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の使用。
12.硬化性組成物が、ビスフェノールA及びエピクロロヒドリン、ビスフェノールF及びエピクロロヒドリン、又はこれらの組み合わせから誘導される繰り返し単位を含むエポキシ樹脂を含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の使用。
13.硬化性組成物が、エピクロロヒドリン、二価又は三価フェノール、及びホルムアルデヒドから誘導される単位を含むエポキシ樹脂を含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の使用。
14.硬化性組成物が、無機中空粒子を含む組成物の重量を減少させることができる充填剤を含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の使用。
15.硬化性組成物が、約10〜約70重量%のエポキシ樹脂、約1〜約55重量%のエポキシド硬化剤系、及び約0.5〜約5重量%の低分子量ポリエポキシ化合物、並びに任意選択で、約10〜約60重量%の、組成物の重量を減少させることができる充填剤、及び任意選択で、約5〜約50重量%の1つ又は2つ以上の難燃剤を含有し、ここで、重量百分率が、組成物の合計量を基準とし、重量百分率の合計量が100%となる、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の使用。
16.硬化性組成物の低分子量エポキシ化合物のR
4が、非環式である、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の使用。
17.硬化性組成物の低分子量エポキシ化合物のR
4が、直鎖若しくは分枝鎖炭化水素、又は直鎖若しくは分枝鎖ヘテロ炭化水素であり、かつ飽和又は不飽和であってもよい、請求項1〜16のいずれか1つに記載の使用。
18.硬化性組成物の低分子量エポキシ化合物のR
4がポリエーテルである、請求項1〜17のいずれか1つに記載の使用。
19.硬化性組成物の低分子量エポキシ化合物のR
4が、グリセロール単位を含み、そのヒドロキシル基がグリシジルエーテル保有置換基を保有するように修飾されている、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の使用。
20.硬化性組成物の低分子量ポリエポキシ化合物が、プロポキシ化グリセロールトリグリシジルエーテル、エトキシ化グリセロールトリグリシジルエーテル、エトキシ化及びプロポキシ化グリセロールトリグリシジルエーテル、ヒマシ油トリグリシジルエーテルを含むヒドロキシカルボン酸のグリセロールエステルのトリグリシジルエーテルから選択される、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の使用。
21.ハニカム構造のセルのための充填剤として実施形態1〜20のいずれか1つにおいて規定される硬化性組成物を硬化させることによって得られる硬化済み組成物の使用。
22.硬化済み組成物が、23℃にて少なくとも30MPa、80℃にて少なくとも20MPaの圧縮強度を有する、実施形態21に記載の使用。
23.0.6〜0.8g/cm
3の密度を有する、実施形態11又は12に記載の使用。
24.ハニカム構造が、金属又は繊維複合体を含むハニカムフレームを含む、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の使用。
25.ハニカム構造が、約0.4〜15cmの長さ、深さ、及び幅を有するセルを含む、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の使用。
26.ハニカム構造が、矩形及び/又は六角形のセルを有する、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の使用。
27.ハニカム構造が、ハニカム構造の外表面の少なくとも一部を被覆する層、例えば、シート又はコーティングを含むサンドイッチ複合体の一部である、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の使用。
28.ハニカム構造が、ハニカム構造の外表面の少なくとも一部を被覆する層、例えば、シート又はコーティングを含むサンドイッチ複合体の一部であり、該層が、樹脂、好ましくはフェノール樹脂類から選択される樹脂中に埋め込まれた繊維を含む複合体を含む、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の使用。
29.ハニカム構造が、飛行機又は建造物の内壁又は床板の構成要素である、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の使用。
30.実施形態21〜23のいずれか1つに記載の硬化済み組成物を含む組成物で充填されたセルを含むハニカム構造。
31.金属又は繊維複合体を含むハニカムコアを含む、実施形態30に記載のハニカム構造。
32.約0.4〜15cmの長さ、深さ、及び幅を有するセルを含む、実施形態30又は31に記載のハニカム構造。
33.ハニカム構造が、矩形及び/又は六角形のセルを有する、実施形態30〜32のいずれか1つに記載のハニカム構造。
34.ハニカム構造の外表面の少なくとも一部を被覆する層、例えば、シート又はコーティングを含むサンドイッチ複合体の一部である、実施形態30〜33に記載のハニカム構造。
35.ハニカム構造の外表面の少なくとも一部を被覆する層、例えば、シート又はコーティングを含むサンドイッチ複合体の一部であり、該層が、フェノール樹脂又はフェノール樹脂複合体を含む、実施形態30〜34に記載のハニカム構造。
36.飛行機又は建造物の内壁又は床板の構成要素である、実施形態30〜35に記載のハニカム構造。
37.実施形態30〜35に記載のハニカム構造を含む、壁板又は床板。
38.実施形態30〜35のいずれか1つに記載のハニカム構造を含む内壁又は床板を含む飛行機及びヘリコプターから選択される、航空機。
39.ハニカム構造のセルを充填するための方法であって、
実施形態1〜20のいずれか1つで規定される硬化性組成物を、ハニカム構造のセルに適用すること、組成物を硬化させること、任意選択で、少なくとも1つの層を充填されたハニカムの外表面に適用して、その層と充填剤との境界をもたらし、かつサンドイッチ複合体又はその前駆体を創出することを含む、方法。
40.ハニカム構造が、実施形態30〜36で規定されるとおりである、実施形態39に記載の方法。