(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
特に
図1を参照すると、本開示の実施形態に従う解決策を適用することができる、当技術分野で知られた電子デバイス100の部分の概略横断面図が示される。
【0021】
電子デバイス100は、フリップチップ・タイプであり、集積回路チップ、または簡単にチップ105(またはそれ以外)が反転され、チップ・キャリア、または簡単にキャリア110(またはそれ以外)に直接接続される。
【0022】
より詳細には、チップ105は、その上に電子構成要素(例えば、マイクロプロセッサ)を実装する回路が集積される、半導体材料のダイ115(例えば、5〜20mm×5〜20mm×0.5〜2mmの程度のサイズを有するシリコン)を備え、集積回路が動作時に(例えば、0.01〜1kWの程度の)比較的大きい電力消費を有する。導電材料の1つまたは複数の端子(例えば、50〜100μmの程度の幅を有する銅のパッド)は、(典型的には、酸化シリコンなど、図に示さない電気的に絶縁性の材料の保護層でカバーされる)ダイ115のチップ面120上に露出される。端子は、チップ105の集積回路とアクセスするために使用される。特に、参照符号125sと示されるいくつかの(信号)端子は、信号(すなわち、その機能に従い集積回路により処理される入出力電気量)を交換するために使用され、参照符号125pと示されるいくつかの(電力)端子は、チップ105の電力供給(すなわち、グランド電圧およびグランド電圧を基準とする供給電圧)を受け取るために使用される。チップ105は、比較的多数(例えば、2,000〜30,000の程度)の端子125s、125pを有し、これらは、(例えば、50〜300μmの程度の)比較的狭いピッチで、チップ面120上にグリッド・パターンで配置される。
【0023】
キャリア110は、(例えば、10〜70mm×10〜70mm×1〜3mmの程度のサイズを有するグラスファイバ、樹脂、および金属の積層物といった)回路化基板130を備える。導電材料の1つまたは複数の接点要素(例えば、50〜100μmの程度の幅を有する銅のランド)が、(電気的に絶縁性の材料の最終的な層により画定される)基板130のキャリア面135上に露出される。接点要素は、端子125s、125pに直接はんだ付けされる。特に、(信号)端子125sについて、接点要素は、参照符号140sで示される別個の(信号)ランド(接点要素)の形であり、(電力)端子125pについて、接点要素は、(図中で点線により識別される)1つまたは複数の別個の電力レール145の対応する部分により画定される、参照符号140pで示される(電力)ランド(接点要素)の形である。端子125s、125pは、はんだ材料の対応するはんだバンプ150によってランド(接点要素140s、140p)にはんだ付けされる。例えば、はんだバンプ150は、はんだペースト、すなわち、はんだ付けされる要素のよごれを取り除くためのフラックス、要素のはんだ付け前に要素を一時的に保持するための接着剤、実際に要素をはんだ付けするためのはんだパウダー(例えば、スズ−銀−銅合金)を含む混合物からできている。この目的で、はんだマスク155がキャリア面135上に設けられる。はんだマスク155は、(はんだ付けの期間、はんだバンプ150を制限するために使用される)はんだバンプ150のための開口を有する、電気的に絶縁性の材料(例えば、エポキシ樹脂)の層である。電気的に絶縁性の材料(例えば、粒子充填エポキシ樹脂)の充填材160が、チップ105とキャリア110の間の空間を、(それらの機械的結合を改善し、それらの異なる熱膨張係数を補償するため)充たす。ランド(接点要素140s、140p)は、導電性材料(例えば、銅)の対応する電気接点180に接続され、その電気接点180は、電子デバイス100の任意の入出力機能を実装する。特に、電子デバイス100はBGAタイプであり、電気接点180は、キャリア面135の反対の、基板130の(背面キャリア)面165上にグリッド・パターンで配置されるリードおよびボールを備える。そのボールは、基板130内に形成されるビアおよび金属トレース(図示せず)を介してランド(接点要素140s、140p)に接続される。全組立体は、全体的に、電気的に絶縁性の材料のケース170に埋め込まれる。ケース170は、チップ105を外部環境から保護するが、電気接点180は、そのアクセスのために露出したままにする。
【0024】
ここで
図2を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイス200の部分の概略横断面図が示される。
【0025】
電子デバイス200は、(例えば、ランド(接点要素140s、140p)と同じ金属層から形成される)熱的に伝導性の材料の1つまたは複数の(熱)放散要素はキャリア面135上に設けられるという点で、上に記載されたものと異なる。放散要素は、ダイ115のチップ面120に面するが、端子125s、125pからずらされる。特に、放散要素は、ランド(接点要素140s)と電力レール145の間に、それらから離間されて追加され(参照符号205sで示され)、また放散要素は、ランド(接点要素140p)により使用されず自由のままにされる電力レール145の残りの部分により画定される(参照符号205pで示される)。
【0026】
さらに、はんだマスクは、(以下で詳細に記載される)異なる制限構造によって置き換えられる。制限構造は、端子125s、125pのランド(接点要素140s、140p)へのはんだ付けの期間、はんだバンプ150を制限するためにランド(接点要素140s、140p)の周りに配置されるが、制限構造は、ここで放散要素205s、205pを何らはんだマスクのない状態のままにする。
【0027】
上記の構造は、キャリア110へのまたはキャリア110を介した電子デバイス200の熱放散効果を著しく改善する。詳細には、放散要素205s、205pは、同様に、キャリア110へ(はんだバンプ150のうちの1つに相当することができる程度に)、またはキャリア110を介して(例えば、各放散要素205s、205pをキャリア110中に形成される、図示されない1つまたは複数のサーマル・ビアと結合することによって)あるいはその両方で、動作時にチップ105により生成される熱を伝達するように寄与する。結果として、チップ105の加熱およびはんだバンプ150における熱伝達の集中が減少される。これは、電子デバイス200の性能および信頼性に有利な影響を有する。詳細には、キャリア110への、またはキャリア110を介した熱放散を改善することによって、熱放散するために、嵩張るヒート・シンクをチップ105の非アクティブ面に接着するのに十分な場所が利用できないとき、またはあまり高度化されず、コスト効果的でない熱材料およびヒート・スプレッダ/ヒート・シンクを使用するときでさえ、必要な熱放散特性を得ることを可能にすることができる。電子デバイス200が比較的大電力の消費を含むとき、特にチップ105の加熱が、チップ105の集積回路のより電力需要の大きい部分を有する区域(例えば、マイクロプロセッサのコア)に集中するので不均一であるとき、上述の利点が明らかに認められる。
【0028】
問題となっている具体的な実施形態では、制限構造は、対応するリングを画定するように形状を定めたはんだマスク層の1つまたは複数の部分を備え、各リングは、対応するランド(接点要素140s、140p)の周りに配置される。特に、(信号)ランド(接点要素140s)について、(参照符号210sで示される)リング(制限手段)は、ランド(接点要素140s)を放散要素205から(または電力レール145から)分離するキャリア面135の自由部分上に配置され、(電力)ランド(接点要素140p)について、(参照符号210pで示される)リング(制限手段)は、(図中で点線で識別される、対応する放散要素205pを画定するように)電力レール145の周囲部分上に配置される。リング(制限手段210s、210p)は、比較的薄い。例えば、リング(制限手段210s、210p)は、(例えば、45〜75μmの直径を有するランド(接点要素140s、140p)および140〜160μmのピッチを有するはんだバンプについて、15〜25μmの程度の)ランド(接点要素140s、140p)の直径の、約0.1〜0.5倍、好ましくは約0.2〜0.4倍、さらにより好ましくは約0.3倍など約0.25〜0.35倍である幅を有する。これが、放散要素205s、205pの範囲、およびキャリア110へのまたはキャリア110を介する、チップ105により生成される熱の伝達への放散要素205s、205pの寄与を増大させる。
【0029】
好ましくは、充填材160は、例えば熱伝導性粒子で充たされるエポキシ樹脂といった、熱的に伝導性の(しかし、常に電気的に絶縁性の)材料からできている。定量的には、充填材160は、(例えば、銅でできている放散要素205s、205pについての340W/m・Kに対する、充填材160についての1〜4W/m・Kの範囲で)放散要素205s、205pの熱伝導度の0.01〜10%、好ましくは0.25〜5%、さらにより好ましくは、(1%など)0.5〜2%の程度の熱伝導度を有することができる。これは、キャリア110を通して外側にチップ105により生成される熱を伝達する能力をさらに改善する(なぜならば、充填材160は、対応する熱界面を実質的に制限するからである)。
【0030】
ここで
図3を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイス300の部分の概略上面断面図が示される。
【0031】
この場合、制限構造は、対応するタイバー(制限手段310)を画定するように形状を定めた同じはんだマスク層の1つまたは複数のさらなる部分を備え、各タイバー(制限手段310)は、(キャリア面135の上または電力レール145の上あるいはその両方の上で)隣接するリング(制限手段210s、210p)の対応する対の間に延在する。タイバー(制限手段310)は、同様に、(例えば、リング(制限手段210s、210p)の幅と同じ程度の幅を有し)比較的薄い。
【0032】
タイバー(制限手段310)は、はんだバンプ(図示せず)にリング(制限手段210s、210p)の制限作用を強要し、さらに、(リング(制限手段210s、210p)およびタイバー(制限手段310)により形成される)全制限構造の接着を強くする。しかし、そのようにして得られる制限構造の網目状のパターンは、放散要素205s、205pを有する広い区域を露出させたままにする。詳細には、放散要素205s、205pのサイズは、(例えば、図示されない、チップの占有面積の10〜30%の程度の両方の場合において、)ランド(接点要素140s、140p)の面積と実質的に同じであってよく、したがって、キャリア110へのまたはキャリア110を介する、外側へとチップにより生成される熱を伝達する能力は、タイバー(制限手段310)の追加によって実質的に影響を受けない。
【0033】
ここで
図4を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイス400の部分の概略横断面図が示される。
【0034】
この場合、制限構造は、はんだ材料に親和性のないように処理された(例えば酸化された)、放散要素205s、205p(またはそれらの少なくとも部分)の1つまたは複数の親和性のない面を備える。特に、親和性のない面は、放散要素205sの全露出面(制限手段)(参照符号410sdで示される)、ランド(接点要素140s)の側面(制限手段)(参照符号410slで示される)、およびランド(接点要素140p)の周りの電力レール145の部分の全露出面(制限手段)(参照符号410pで示される)である。親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)は、はんだバンプ150がそれらの上に拡がるのを防ぐ(なぜならば、液体状態における空気界面へのはんだバンプ150の表面自由エネルギーは、空気界面への親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)の表面自由エネルギーよりも大きいからである)。親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)は、ランド(接点要素140s、140p)が行うよりも、はんだ材料に対し、より低い程度のぬれ(ぬれ性)をもたらす。例えば、親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)の接触角(すなわち、液体−気体界面が固体−液体界面と合うところで液体を通して測られる角度)は、ランド(接点要素140s、140p)の接触角の2〜10倍、好ましくは3〜8倍、さらにより好ましくは5倍など4〜6倍である(例えば、ランド(接点要素140s、140p)について、50°より小さく、好ましくは20°より小さく、親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)について、90°より大きい)。上記の構造は、キャリア110へのまたはキャリア110を介する、外側へとチップ105により生成される熱を伝達する能力をさらに改善する。確かに、はんだマスクがないことによって、対応する熱界面が除去される。逆に、親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)は、任意のはんだマスクよりも良好な熱伝導体である。例えば、親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)は、(はんだマスクでは典型的な高分子材料の代わりに)酸化銅などの無機材料から作ることができる。また親和性のない面(制限手段410sd、410sl、410p)は、比較的薄い(例えば、はんだマスクの10μmより厚い典型的な厚さの代わりに、1μmより薄い厚さを有する)。
【0035】
ここで
図5〜
図8を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイスを製造するための方法の主なステップが示される。特に、図は、キャリアと、その上に搭載されるチップとの間の界面の構築について示す。
【0036】
図5から始めて、大きいパネル505が設けられる。ここで、複数の同一のキャリアに対応する同じ構造(すなわち、ビアおよびトレース)が多数(例えば、数百個)複製される。金属層510(例えば、10〜30μmの厚さを有する銅)が、大きいパネル505の(キャリアの前面に対応する)上面535上に堆積される。
【0037】
金属層510は、(例えば、ポジ型フォトレジスト層で金属層510をカバーするステップ、金属層510が除去されなければならない場所だけ光学マスクを通してフォトレジスト層を光に露光するステップ、露光されたフォトレジスト層を現像してフォトレジスト層を分解しそのことによりフォトレジスト・マスクを得るステップ、フォトレジスト・マスクにより保護されない金属層510をドライ・エッチするステップ、およびフォトレジスト・マスクを剥離するステップによる)標準的なフォトリソグラフィック技法でパターン形成される。
【0038】
図6に示されるように、この操作が、(信号)ランド(接点要素140s)、(信号)放散要素205s、および電力レール145を生成する。
【0039】
図7に進み、はんだマスク層515(例えば、20〜40μmの厚さを有するエポキシ樹脂)が、そのように得られた大きいパネル構造(すなわち、面155、ランド(接点要素140s)、放散要素205s、および電力レール145)上に堆積され、平坦化される。
【0040】
はんだマスク層515は、標準的なフォトリソグラフィック技法でパターン形成される。
図8に示されるように、この操作が、ランド(接点要素140s)の周りに(信号)リング(制限手段210s)、(電力)ランド(接点要素140p)を画定する(電力)リング(制限手段210p)、および電力レール145中の(図中で、点線により識別される)放散要素205pを生成する。同じ操作期間に、はんだマスク層のパターン形成を好適に変えることにより、リング(制限手段210s、210p)間にタイバー(図示せず)を形成することも可能である。
【0041】
製造プロセスは、次いで、大きいパネルを依然として使用し、通常通りに継続する(または、チップ搭載の前に、個々のキャリアを個別化する)。詳細には、ランド(接点要素140s、140p)(および放散要素205s、205p)の露出面から自然酸化物層を除去し、それらがさらに酸化することを防ぎ、はんだ材料へのそれらのぬれ性を改善するために、フラックス材料がチップ搭載構造の上に投与される。チップの端子上に堆積されるはんだバンプを有するチップは、大きいプレート構造の上に置かれ、チップのアクティブ面が大きいパネル構造に向き、はんだバンプが対応するランド(接点要素140s、140p)と(はんだ材料の粘着性のおかげで、ランド(接点要素140s、140p)に付着されたままになるはんだバンプと)位置合わせされる。端子は、次いで、(例えば、構成要素へのダメージを防止するための予熱ゾーン、はんだペーストのフラックスをアクティブ化するためのソーク・ゾーン、はんだペーストのはんだパウダーを溶かすためのリフロー・ゾーン、およびはんだ結合を凝固させるための冷却ゾーンを含むオーブン中で)リフローはんだ付け技法で、対応するランド(接点要素140s、140p)にはんだ付けされる。充填材料は、各チップと大きいパネル構造の間の空間へと投与され、次いで硬化されて、対応する充填材を形成する。対応する電子デバイスの電気接点は、大きいパネル505の(キャリアの背面に対応する)下面上に形成される。この点において、異なるキャリアに対応する大きいパネル構造の部分は、切断操作によって分離される。
図2(または
図3)の対応する電子デバイスを得るように、そのように得られた各構造は、対応するケース中に(例えば、成形操作によって)埋め込まれる。
【0042】
上記のプロセスは、一般的であり、電子デバイスの任意の製造者による利用可能な準備ができている。確かに、本プロセスは、(放散要素を得るための)金属層および(可能なタイバーを有するリングを得るための)はんだマスク層の光学マスクを変えることだけで、標準的なプロセス・ステップで実施することができる。
【0043】
ここで
図9〜
図12を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイスを製造するための方法の主なステップが示される。
【0044】
図9から始めて、
図6のものと同じ(ランド(接点要素140s)、放散要素205s、および電力レール145を備える)大きいパネル構造が、上に記載されたように得られる。
【0045】
図10に進み、ランド(接点要素140s)、および対応する電力ランドが画定される電力レール145の部分だけをカバーするように、標準的なフォトリソグラフィック技法で、フォトレジスト・マスク605が大きいパネル構造上に形成される。好ましくは、フォトレジスト・マスク605は、各(信号)ランド(接点要素140s)の(面535から離間した)動作面をカバーするが、各(信号)ランド(接点要素140s)の(面535と動作面の間に延在する)側面を露出したままにするように、各(信号)ランド(接点要素140s)と位置合わせされる。
【0046】
図11に進み、大きいプレート構造は、(例えば、150〜500℃におけるオープン・エアー中の)熱酸化プロセス、または湿式化学酸化プロセスにかけられる。この操作は、(フォトレジスト・マスク605によりカバーされない)ランド(接点要素140s)、放散要素205s、および電力レール145の銅の外部の層を、対応する(機能的)酸化物層へと変換する。特に、機能的酸化物層は、(対応する親和性のない面(制限手段410sd)を生成するように)放散要素205sの全面、(対応する親和性のない面(制限手段410sl)を生成するように)ランド(接点要素140s)の側面、(対応する親和性のない面(制限手段410p)を生成するように)電力レール145の露出面上に形成される。酸化プロセスは、(室温において)ランド(接点要素140s、140p)上に自然発生的に形成する自然酸化物層のうちの1つよりも十分に厚い厚さを有する機能的酸化物を形成するのに十分な(例えば、10〜120分の程度の)長さを有する。例えば、機能的酸化物層は、自然酸化物層の(例えば、50〜300nmの程度の)厚さの、5〜200倍、好ましくは10〜100倍、さらにより好ましくは50倍など、30〜70倍である厚さを有する。
【0047】
この点において、フォトレジスト・マスク605は、
図12に示されるように、剥離される。
図4の電子デバイスの複数の部片を得るように、製造プロセスは、上のように続く。この点に関し、ランドの自然酸化物層を除去するためチップ搭載構造の上に投与されるフラックス材料は、フラックス材料のはるかに厚い厚さのために、機能的酸化物層に実質的に影響がない。その結果、これは、はんだ材料上の機能的酸化物層の制限作用を損なうことがないことに留意されたい。
【0048】
上記のプロセスは、(上記のプロセスが、追加の酸化プロセスを必要とするので)わずかにより複雑である。しかし上記のプロセスは、(任意のはんだマスクの代わりに、薄い熱伝導層を提供することに起因して)より良好な熱放散効果を実現する。
【0049】
ここで
図13を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイス700の部分の概略横断面図が示される。
【0050】
この場合、電子デバイス700は、さらなるチップ705を備える。上のように、チップ705は、その上に電子構成要素(例えば、メモリ)を実装する回路が集積化される、半導体材料のダイ715を備える。導電性材料の1つまたは複数の端子は、ダイ715の(チップ・アクティブ)面720、特に(信号)端子725sおよび(電力)端子725pの上で露出される。
【0051】
導電性材料の1つまたは複数の接点要素は、ダイ115の追加の(チップ・非アクティブ)面735(チップ面120の反対)、特に、(信号)ランド(接点要素740s)および(電力)ランド(接点要素740p)(後者は、1つまたは複数の電力レール745の対応する部分により画定される)の上で露出される。端子725s、725pは、はんだ材料の対応する(さらなる)はんだバンプ750によって、ランド(接点要素740s、740p)にはんだ付けされる。電気的に絶縁性の(しかし好ましくは熱的に伝導性の)材料の充填材760が、チップ705とチップ105の間の空間を充たす。ランド(接点要素740s、740p)のいくつかは、対応する端子125s、125pに、次いで(例えば、図示されない、ダイ115内に形成されるビアおよび金属トレースを介して)キャリア110の電気接点180に接続することもできる。
【0052】
この場合も同様に、熱的に伝導性の材料の1つまたは複数の放散要素が、(ダイ715の面720に向くが、その端子725s、725pからずらされる)面735、特に(信号)放散要素785sおよび(電力)放散要素785pの上に設けられる。さらに、ランド(接点要素740s、740p)への端子725s、725pのはんだ付けの期間にはんだバンプ750を制限するために、制限構造が、ランド(接点要素740s、740p)の周りに配置される(放散要素785s、785pをはんだマスクのないままにする)。問題となっている具体的な実施形態では、制限構造は、特に、(好ましくは、図示されない、同じはんだマスク層のタイバーにより互いに接続される)対応するランド(接点要素740s)の周りに各々が配置される(信号)リング(制限手段790s)および対応するランド(接点要素740p)の周りに各々が配置される(電力)リング(制限手段790p)といった、対応するリングを画定するように形状を定めたはんだマスク層の1つまたは複数の部分を備える。制限構造が、はんだ材料に対して親和性のないように処理された(例えば、酸化された)放散要素785s、785p(または少なくともその部分)の1つまたは複数の親和性のない面(図示せず)を備える場合も、同様の考察が適用される。
【0053】
この方法では、(1つまたは複数のさらなるチップまたはキャリアあるいはその両方の追加で複製できる同じ構造を有する)3次元(3D)スタックを得ることが可能である。このことが、電子デバイス700の高いコンパクト性を実現する。同時に、構造は、(特に、他のチップ/キャリア間に挟まれる、中間チップについて)許容できる熱放散効果を維持する。
【0054】
ここで
図14を参照すると、本開示の実施形態に従う電子デバイス800の部分の概略横断面図が示される。
【0055】
この場合、キャリアは、さらなるチップ805により実装される。上のように、チップ805は、その上に電子構成要素(例えば、電圧レギュレータ)を実装する回路が集積化される、半導体材料のダイ815を備える。導電性材料の1つまたは複数の端子は、ダイ815の(チップ・アクティブ)面820、特に(信号)端子825sおよび(電力)端子825pの上で露出される。
【0056】
導電性材料の1つまたは複数の接点要素は、ダイ815の追加の(チップ・非アクティブ)面835(面820の反対)、特に、(信号)ランド(接点要素840s)および(電力)ランド(接点要素840p)(後者は、1つまたは複数の電力レール845の対応する部分により画定される)の上で露出される。ランド(接点要素840s、840p)のいくつかは、(例えば、図示されない、ダイ815内に形成されるビアおよび金属トレースを介して)対応する端子825s、825pに接続することもできる。
【0057】
この場合も同様に、熱的に伝導性の材料の1つまたは複数の放散要素が、(ダイ115のチップ面120に向くが、その端子125s、125pからずらされる)面835、特に(信号)放散要素885sおよび(電力)放散要素885pの上に設けられる。さらに、ランド(接点要素840s、840p)への端子125s、125pのはんだ付けの期間にはんだバンプ150を制限するために、制限構造が、ランド(接点要素840s、840p)の周りに配置される(放散要素885s、885pをはんだマスクのないままにする)。問題となっている具体的な実施形態では、制限構造は、特に、(好ましくは、図示されない、同じはんだマスク層のタイバーにより互いに接続される)対応するランド(接点要素840s)の周りに各々が配置される(信号)リング(制限手段890s)および対応するランド(接点要素840p)の周りに各々が配置される(電力)リング(制限手段890p)といった、対応するリングを画定するように形状を定めたはんだマスク層の1つまたは複数の部分を備える。制限構造が、はんだ材料に対して親和性のないように処理された(例えば、酸化された)放散要素885s、885p(または少なくともその部分)の1つまたは複数の親和性のない面(図示せず)を備える場合も、同様の考察が適用される。
【0058】
この場合も同様に、キャリアを使用することなく(例えば、ケースなしのむき出しのチップ用途で)、(1つまたは複数のさらなるチップの追加で複製できる同じ構造を有する)3Dスタックを得ることが可能である。この3Dスタックは、コンパクトで、許容できる熱放散効果を有する。
【0059】
当然、ローカルで固有の要件を満足させるために、当業者は、本開示に多くの論理的または物理的あるいはその両方の修正および変更を適用することができる。より詳細には、本開示は、本開示の1つまたは複数の実施形態を参照して、一定の程度の特殊性をもって記載してきたが、他の実施形態も同様に、形状および詳細における様々な省略、代替、および変更が可能であることを理解されたい。詳細には、本開示の異なる実施形態は、そのより完全な理解を実現するために、上の説明中に記載された(数値などの)具体的な詳細なしで実施することさえできる。逆に、不必要な詳細で説明を不明瞭にしないために、よく知られた特徴を省略または簡略化した場合がある。さらに、本開示の任意の実施形態に関して記載された具体的な要素または方法ステップあるいはその両方は、一般的な設計上の選択が原因で、任意の他の実施形態中に組み込むことができると、明示的に意図される。任意の場合に、序数または他の修飾句は、単に、同じ名前を有する要素を区別するためのラベルとして使用され、それら自体で何らかの優先度、優先順位、または順番を暗示しない。さらに、「含む(include)」、「備える、含む(comprise)」、「有する(have)」、「含む(contain)」、および「含む(involve)」(およびそれらの任意の形)という用語は、オープンで非網羅的な意味を意図する(すなわち、記述された項目に制限されない)べきである。「〜に基づく(based on)」、「〜に依存する(dependent on)」、「〜に従う(according to)」、「〜の関数である(function of)」(およびそれらの任意の形)という用語は、非排他的な関係(すなわち、可能なさらなる変数が含まれる)を意図するべきである。また、「1つ(a/an)」という用語は、(明示的に別段の指定がない限り)1つまたは複数の項目を意図するべきである。
【0060】
例えば、実施形態は、フリップチップ・タイプの電子デバイスを提供する。電子デバイスは、キャリア面を有する少なくとも1つのチップ・キャリアを備える。キャリアは、キャリア面上に導電性材料の1つまたは複数の接点要素を備える。電子デバイスは、チップ面を有する少なくとも1つの集積回路チップを備える。チップは、チップ面上に導電性材料の1つまたは複数の端子を備え、各端子は、対応する接点要素に向く。はんだ材料は、各端子を対応する接点要素にはんだ付けする。接点要素への端子のはんだ付けの期間にはんだ材料を制限するために、制限手段が接点要素の周りに設けられる。キャリアは、端子からずれたチップ面へと向く、キャリア面上の熱的に伝導性の材料の、1つまたは複数の熱放散要素を備え、放散要素には何らはんだマスクがない。
【0061】
しかし、電子デバイスは、任意のタイプ(例えば、CSP)であってよい。詳細には、キャリアは、任意の場所および任意の数に任意のタイプ、形状、サイズの接点要素を有する(例えば、各熱放散要素について、任意のタイプおよび数、最低でゼロのサーマル・ビアを有する)任意のタイプ、材料およびサイズ(例えば、リードレス)であってよい。いずれの場合において、キャリアは、1つまたは複数のチップを支持するように適合される任意の構成要素として、(狭義の意味のチップ・キャリア、取付板、他のチップを含む)用語の最も広い意味を意図しなければならない。同様に、チップは、任意の場所および任意の数で、任意のタイプ、形状、サイズの端子を有する、(例えば、DACといった)任意のタイプ、材料、およびサイズであってよい。電子デバイスは、任意の数のキャリアおよびチップを備えてよい。はんだ材料は、(例えば、鉛フリー合金といった)任意のタイプであってよい。制限手段は、いくつかの異なる方法で実装することができる(下を参照)。放散要素は、任意の場所および任意の数で、(例えば、接点要素から常に分離されるといった)任意のタイプ、形状、サイズであってよい。放散要素は、任意のタイプのはんだマスク(すなわち、そうでなければ、例えばIPC-SM-840規格に記載される要件に準拠する、導電性トレースを酸化から保護し、はんだ付け期間に導体間にはんだ材料がブリッジを生じることを防ぐために一般的に使用される任意のタイプの絶縁性材料の層)がない。
【0062】
実施形態では、接点要素および放散要素は、共通の金属層の部分である。
【0063】
しかし、接点要素および放散要素は、それぞれ、任意の導電性材料および任意の熱的に伝導性の材料であってよく、非金属で、互いに異なっていてさえよい(例えば、アルミニウムでよい)。
【0064】
実施形態では、制限手段は、対応する接点要素の周りに各々がある1つまたは複数のリングを画定するように形状を定めた、はんだマスク層の1つまたは複数の部分を備える。
【0065】
しかし、リングは、任意の導電性材料から形成することができ、任意の形状およびサイズを有することができる。
【0066】
実施形態では、制限手段は、隣接するリングの対応する対の間に各々が延在する1つまたは複数のタイバーを画定するように形状を定めた、はんだマスク層の1つまたは複数のさらなる部分を備える。
【0067】
しかし、タイバーは、任意の形状およびサイズを有することができ、任意の場所に配置することができる。任意の場合(例えば、リングがより大きく、より強い接着を有するとき)、異なる材料のタイバーを作る可能性、またはタイバーを全く省略する可能性は、排除されない。
【0068】
実施形態では、制限手段は、はんだ材料に対して親和性のないように処理される、各放散要素のうちの少なくとも部分の、1つまたは複数の親和性のない面を備える。
【0069】
しかし、親和性のない面は、任意の形状、サイズを有することができ、任意の場所および任意の数であることができる。例えば、接点要素の周りだけに親和性のない面を形成することが可能である。このことは、より良好な熱放散効果をもたらす。これは、放散要素の未処理面は、親和性のない面よりもより良好な熱伝導体であるからである(しかし、親和性のない面の形成のため、より正確なマスク操作をするという代償を払う)。さらに、親和性のない面を得るために、放散要素を任意の方法で処理することができる(下を参照)。
【0070】
実施形態では、各接点要素は、対応する端子に向く(キャリア面から離間した)動作面、およびキャリア面と動作面の間に延在する側面を有する。制限手段は、はんだ材料に対して親和性のないように処理される、各接点要素の側面のうちの少なくとも部分の、1つまたは複数のさらなる親和性のない面を備える。
【0071】
しかし、上のように、さらなる親和性のない面は、任意の形状、サイズを有することができ、任意の場所および任意の数であることができる。さらに、さらなる親和性のない面は、親和性のない面のうちの1つと異なってさえいる任意の方法で接点要素を処理することにより得ることができる(下を参照)。任意の場合に、上記の特徴を省略することもできる。この場合、親和性のない面を形成するために必要なマスク操作の精度を緩和することができる。これは、対応するマスクは、もはや接点要素に位置合わせする必要がなく、接点要素の境界を越えて延在することができるからである(しかし、はんだ材料上の、制限作用が減少するという代償を払う)。
【0072】
実施形態では、各親和性のない面が酸化面であり、または各さらなる親和性のない面がさらなる酸化面であり、あるいはその両方である。
【0073】
しかし、酸化面は、任意の厚さを有することができる。任意の場合に、親和性のない面、さらなる親和性のない面、またはそれらの両方の(例えば、他の金属、誘導体、化合物、または複合物でそれらをメッキすることによる)他の処理は、排除されない。
【0074】
より一般的に、制限構造の異なる実装、追加実装、または代替実装が可能である。例えば、(タイバーを有する、または有さない)リングを、(さらなる親和性のない面を有する、または有さない)親和性のない面と組み合わせることが可能である。詳細には、実施形態では、酸化面は、リング(および、可能なタイバー)が配置されるところだけに形成される。この方法では、酸化面がリング(およびタイバー)の接着性を増し、そのことにより、それらの幅を減少させることまたはタイバーを除去することあるいはその両方を可能にする。同時に、放散要素の他の(自由)部分が酸化されず、それらは、より良好な熱伝導体となる(しかし、酸化プロセスのため、より正確にマスク操作をするという代償を払う)。
【0075】
実施形態では、電子デバイスは、キャリアとチップの間の空間を充たす、熱的に伝導性の材料の充填材をさらに備える。
【0076】
しかし、充填材は、任意の材料であってよく、(例えば、標準的なエポキシ樹脂といった)熱的に伝導性でなくてさえよい。または充填材は、全く省略することもできる。
【0077】
実施形態では、各チップは、チップ面と反対の、追加のチップ面を有する。チップは、追加のチップ面上に、導電性材料の1つまたは複数のさらなる接点要素を備える。電子デバイスは、さらなるチップ面を有する、少なくとも1つのさらなる集積回路チップをさらに備える。さらなるチップは、対応するさらなる接点要素に各々が向く、さらなるチップ面上の導電性材料の、1つまたは複数のさらなる端子を備える。さらなるはんだ材料は、各さらなる端子を対応するさらなる接点要素にはんだ付けする。さらなる接点要素へのさらなる端子のはんだ付けの期間にさらなるはんだ材料を制限するために、さらなる制限手段がさらなる接点要素の周りに設けられる。チップは、さらなる端子からずれたさらなるチップ面へと向く、追加のチップ面上の熱的に伝導性の材料の、1つまたは複数のさらなる熱放散要素を備え、さらなる放散要素には何らはんだマスクがない。
【0078】
追加または代替で、実施形態では、キャリアは、さらに別の集積回路チップである。
【0079】
しかし、さらなるチップおよびさらに別のチップは、(チップ/キャリアと同じである、またはチップ/キャリアと異なるのいずれかの)、任意の場所および任意の数で、任意のタイプ、形状、サイズの端子/接点要素を有する、任意のタイプ、材料、およびサイズであってよい。さらに、上に記載されたものと同じ追加の特徴が、この場合も同様に同じ方法で適用することができる。より一般的に、電子デバイスは、任意の数のキャリアまたはチップあるいはその両方を任意の組合せで備えることができる。
【0080】
別の実施形態は、上記の電子デバイス中で使用するためのチップ・キャリアを提供する。キャリアは、キャリア面を有し、キャリア面上に導電性材料の1つまたは複数の接点要素と、少なくとも1つのチップの端子の接点要素へのはんだ付け期間にはんだ材料を制限するための接点要素の周りの制限手段と、キャリア面上の熱的に伝導性の材料の1つまたは複数の熱放散要素と、を備え、放散要素には何らはんだマスクがない。
【0081】
別の実施形態は、本電子デバイス中で使用するための集積回路チップを提供する。チップは、チップ面、およびチップ面と反対の、追加のチップ面を有する。チップは、チップ面上に導電性材料の1つまたは複数の端子と、追加のチップ面上に導電性材料の1つまたは複数の接点要素と、少なくとも1つの他のチップの端子の接点要素へのはんだ付け期間にはんだ材料を制限するための接点要素の周りの制限手段と、追加のチップ面上の熱的に伝導性の材料の1つまたは複数の熱放散要素と、を備え、放散要素には何らはんだマスクがない。
【0082】
一般的に、電子デバイス、チップ・キャリア、およびチップが各々異なる構造を有し、または(例えば、異なる材料の)等価な構成要素を備える場合、あるいは他の動作特性を有する場合も、同様の考察が適用される。任意の場合に、それらのあらゆる構成要素は、より多くの要素に分離することができる。または2つ以上の構成要素は、単一の要素に一緒に組み合わせることができる。さらに、各構成要素は、対応する動作を並列に実行することをサポートするように複製することができる。さらに、別段に指定されない限り、異なる構成要素間の何らかの相互作用は、一般的に連続である必要がなく、1つまたは複数の中間物を介して直接的または間接的であってよい。
【0083】
別の実施形態は、フリップチップ・タイプの電子デバイスを製造するための方法を提供する。方法は以下のステップを含む。導電性材料の1つまたは複数の接点要素が、少なくとも1つのチップ・キャリアのキャリア面上に形成される。接点要素の周りに制限手段が形成される。接点要素上、または、少なくとも1つの集積回路チップのチップ面上の導電性材料の1つまたは複数の端子上、あるいはその両方上に、はんだ材料が堆積される。チップは、各端子を対応する接点要素に向けて置かれる。各端子は、はんだ材料により対応する接点要素に(接点要素への端子のはんだ付けの期間、制限手段によって制限されるはんだ材料で)はんだ付けされる。端子からずらされたチップ面に向けるためにキャリア面上に、熱的に伝導性の材料の1つまたは複数の熱放散要素が形成される。放散要素には何らはんだマスクがない。
【0084】
しかし、方法は、任意のレベルで(大きいプレート中の1つもしくは複数のキャリアまたは既に個別化されたものに、またはウェハ中の1つもしくは複数のチップまたは既に個別化されたものに、あるいはその両方に)実施することができる。端子は、任意の方法で(例えば、端子上、接点要素上、またはそれらの両方上にはんだ材料を堆積すること、その後はんだ材料を赤外線ランプなど任意の方法で溶かすことによって)接点要素にはんだ付けすることができる。接点要素、放散要素、および制限手段を、任意の方法で形成することができる(下を参照)。
【0085】
実施形態では、1つまたは複数の接点要素を形成する前記ステップおよび1つまたは複数の熱放散要素を形成する前記ステップは、共通の金属層を堆積するステップと、共通の金属層を、接点要素および放散要素を画定する部分へとパターン形成するステップとを含む。
【0086】
しかし、共通の金属層は、任意の方法で(例えば、リフトオフ技法で)パターン形成することができる。さらに、金属層を選択的に堆積して、接点要素および放散要素を直接形成することが可能である。任意の場合に、(接点要素について、また放散要素について、それぞれ)異なる金属層で同じ操作を繰り返す可能性は排除されない。
【0087】
実施形態では、制限手段を形成する前記ステップは、はんだマスク層を堆積するステップと、はんだマスク層をパターン形成して、対応する接点要素の周りに各々がある1つまたは複数のリングを画定するステップとを含む。
【0088】
しかし、この場合も同様に、はんだマスク層を任意の方法でパターン形成することができ、またははんだマスク層を選択的に堆積することができる。
【0089】
実施形態では、制限手段を形成する前記ステップは、はんだマスク層をパターン形成して、隣接するリングの対応する対の間に各々が延在する1つまたは複数のタイバーを画定するステップを含む。
【0090】
しかし、上と同様の考察がこの場合も同様に適用される。
【0091】
実施形態では、制限手段を形成する前記ステップは、各放散要素の少なくとも部分を処理して、はんだ材料に対して親和性のない、1つまたは複数の親和性のない面を得るステップを含む。
【0092】
しかし、親和性のない面を得るために、放散要素を任意の方法で処理することができる(上を参照)。
【0093】
実施形態では、制限手段を形成する前記ステップは、キャリア面から離間される対応する端子に向く、キャリア面と接点要素の動作面の間に延在する、各接点要素の側面の少なくとも部分を処理して、はんだ材料に対して親和性のない1つまたは複数のさらなる親和性のない面を得るステップを含む。
【0094】
しかし、さらなる親和性のない面を得るために、接点要素を任意の方法で処理することができる(上を参照)。
【0095】
実施形態では、各放散要素の少なくとも部分を処理する前記ステップが各放散要素の少なくとも部分を酸化するステップを、各接点要素の側面の少なくとも部分を処理する前記ステップが各接点要素の側面の少なくとも部分を酸化するステップをそれぞれ含む。
【0096】
しかし、酸化操作を、(例えば、異なる温度における異なる空気中といった)任意の方法で実施することができる。
【0097】
実施形態では、方法は、キャリアとチップの間の空間を、熱的に伝導性の材料の充填材で充たすステップをさらに含む。
【0098】
しかし、充填材は、(例えば、硬化剤もしくは促進剤あるいはその両方の追加を行って、または行わずに充填材を硬化させることによって、といった)任意の方法で設けることができる。さらに、充填材は、任意の他の材料であってよく、また充填材は、省略することもできる(上を参照)。
【0099】
実施形態では、方法は、以下のステップをさらに含む。チップ面と反対の、各チップの追加のチップ面上の、導電性材料の1つまたは複数のさらなる接点要素の周りに、さらなる制限手段が形成される。さらなる接点要素上、または、少なくとも1つのさらなる集積回路チップのさらなるチップ面上の導電性材料の1つまたは複数のさらなる端子上、あるいはその両方の上に、さらなるはんだ材料が堆積される。さらなるチップは、各さらなる端子を対応するさらなる接点要素に向けて置かれる。各さらなる端子は、対応するさらなる接点要素に(さらなる接点要素へのさらなる端子のはんだ付けの期間、さらなる制限手段によって制限されるさらなるはんだ材料で)はんだ付けされる。さらなる端子からずらされたさらなるチップ面に向けるために追加のチップ面上に、熱的に伝導性の材料の1つまたは複数のさらなる熱放散要素が形成される。さらなる放散要素には何らはんだマスクがない。
【0100】
追加または代替で、実施形態では、キャリアは、さらに別の集積回路チップである。
【0101】
しかし、上記のステップは、(この場合も同様に同じ方法で適用できる、上に記載された同じ追加の特徴で)任意の組合せで、任意の回数繰り返すことができる。
【0102】
より一般的には、電子デバイスは、異なる技術で、異なる数およびタイプのマスクで、または他のプロセス・パラメータで製造することができる。詳細には、(より多くのステップのもしくはステップの部分の同じ機能を有する同様のステップを使用すること、本質的でないいくつかのステップを除去すること、またはさらなるオプションのステップを追加することにより)同じ解決策が等価な方法で実装される場合も、同様の考察が適用される。さらに、ステップは、(少なくとも部分的に)異なる順番で、同時に、または交互のやり方で実施することができる。