【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの課題は、各独立請求項に記載されている対象によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0012】
1つの態様によれば、車両を動作させるための方法が提供され、この方法においては、
−駐車場のディジタルマップ及び駐車場における少なくとも1つの目標位置が、車両によって、通信ネットワークを介して受信される、
−車両が自律的に、駐車場においてディジタルマップに基づいて目標位置まで移動し、
−車両が自律的に目標位置において停止する。
【0013】
更に1つの態様によれば、車両を動作させるための装置が提供され、この装置は、以下の特徴、即ち、
−駐車場のディジタルマップ及び駐車場における目標位置を、通信ネットワークを介して受信するように構成されている通信インタフェースと、
−車両を自律的に、駐車場においてディジタルマップに基づいて目標位置まで誘導し、車両を自律的に目標位置において停止させるように構成されている誘導装置と、
を備えている。
【0014】
1つの別の態様によれば、本発明による方法を実施するように構成されている車両が提供される。
【0015】
更に1つの態様によれば、サーバが提供され、このサーバは、以下の特徴、即ち、
−駐車場のディジタルマップが記憶されているデータベースと、
−駐車場における少なくとも1つの目標位置を特定するように構成されているプロセッサと、
−ディジタルマップ及び目標位置を、通信ネットワークを介して、車両に送信するように構成されている通信インタフェースと、
を備えている。
【0016】
更に1つの態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されるときに、本発明による方法を実施するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0017】
即ち本発明は、特に、車両に、駐車場のディジタルマップが通信ネットワークを介して伝送されるという着想を含む。更に、車両に、駐車場における少なくとも1つの目標位置が通信ネットワークを介して伝送される。即ち、これによって有利には、車両は自律的に駐車場において目標位置まで移動できる状態に移行される。即ち、有利には、駐車場における車両の自律的な移動が実現される。
【0018】
本発明の範囲における駐車場は、モータープールと称することもでき、車両を駐車する場所として使用される。従って、駐車場は、特に(私有地の駐車場における)複数の駐車マス又は(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有している、1つの繋がったスペースを形成している。1つの実施の形態によれば、駐車場にパーキングビルを含ませることができる。特に、駐車場にはガレージが含まれる。
【0019】
本発明の範囲において「自律的」とは、特に、車両がスタンドアローンで、即ち、運転者が介入することなく移動することを意味している。即ち、車両はスタンドアローンで駐車場を走行し、その際に、運転者はその走行に関して車両を制御する必要はない。つまりこのことは、特に、誘導装置が移動のために車両を自律的に誘導することを意味している。誘導には特に車両の横方向及び/又は縦方向の誘導が含まれる。即ち、自律的な走行又は移動の際には、運転者自身が車内にいる必要はない。
【0020】
1つの実施の形態によれば、少なくとも1つの目標位置には、車両の運転者が自身の車両を自律的な駐車プロセスのために停止させることができる引き渡し位置、及び/又は、車両が自律的に駐車すべき駐車位置が含まれる。
【0021】
これによって、特に、駐車場において自律的な駐車プロセス(バレーパーキング)を実施できるという技術的な利点が得られる。つまりこのことは、特に、車両が有利にはスタンドアローンで、即ち自律的に、引き渡し位置から駐車位置まで走行し、またそこから再び戻ってくることを意味している。
【0022】
1つの実施の形態によれば、複数の目標位置が車両によって、通信ネットワークを介して受信される。車両は、受信したそれらの目標位置から、移動により向かう目標位置を選択する。
【0023】
1つの実施の形態によれば、車両が通信ネットワークを介して少なくとも1つの目標位置を、特に複数の目標位置を受信し、また車両は1つ又は複数の目標位置へと、その1つ又は複数の目標位置に対応付けられている各優先順位に依存して走行する。このことは、各目標位置が優先順位を有しており、特に異なる優先順位を有しており、それらの優先順位には、車両がそれに応じて目標位置へと走行すべき順序が設定されており、また特に、車両がその順序に応じて目標位置へと走行する。
【0024】
1つの別の実施の形態においては、駐車場内に位置する目標位置までのルートが、ディジタルマップに基づいて特定され、また移動にはそのルートを走行することが含まれる。
【0025】
これによって、特に、走行すべきルートが既に確定している限りにおいて、移動を非常に効率的に実施することができるという技術的な利点が得られる。即ち、車両は、目標位置に到達するために、そのルートを走行するだけでよい。これによって、有利には、駐車場における車両の移動が加速される。特に有利には、それによって、車両をより早く目標位置に到達させることができる。
【0026】
1つの別の実施の形態においては、ルートが車両外部で特定されて車両に通信ネットワークを介して伝送され、又は、ルートが車両内部で特定される。
【0027】
例えば、1つの実施の形態によれば、車両外部で特定することを、サーバを用いて、より正確にはサーバのプロセッサを用いて実施することができる。ルートを車両外部で特定することを実施するために、1つの実施の形態によれば、誘導装置が、ルートを特定するように相応に構成されているプロセッサを含む。車両外部で特定する場合、特に、車両がそのために車両自体でリソースを確保する必要がないという技術的な利点が得られる。また通常の場合、外部のシステムは、ここでは例えばサーバは、車両自体よりも、駐車場における交通に関してより良い情報を得ている。つまり、サーバは有利には、可能な限り円滑且つ効率的に、既存の交通を通って延びるルートを算出することができるので、その結果、停滞している交通又は渋滞を回避することができる。ルートを車両外部で特定することは、特に、そのためにサーバとの通信ネットワークを介するコネクションが存在している必要がないという技術的な利点を有している。つまり、サーバとの通信ネットワークを介するコネクションが存在していない場合であっても、ルートを特定することができる。即ち、車両は、ルートを特定することに関して、外部のシステムに、ここでは例えばサーバに依存していない。
【0028】
1つの実施の形態においては、目標位置までのルートが、車両外部においても車両内部においても特定される。車両外部で特定されたルートは、車両に通信ネットワークを介して伝送される。車両は、2つのルートを比較して、どちらのルートを走行するかを判断する。
【0029】
本発明の範囲におけるルートには、出発位置及び目標位置が含まれる。有利には、車両は出発位置まで移動し、またそこから目標位置までのルートを走行する。特に、出発位置は、運転者が自身の車両を停めて離れることができる引き渡し位置に対応する。車両は、運転者が離れた後に、自律的に駐車位置まで走行する。
【0030】
1つの実施の形態においては、車両が自律的に、引き渡し位置から駐車位置まで移動する。
【0031】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置に入庫する。
【0032】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置から出庫する。
【0033】
1つの実施の形態によれば、車両が自律的に、駐車位置から引き渡し位置まで移動する。
【0034】
別の実施の形態においては、車両が移動中に、駐車場に含まれる少なくとも1つのランドマークをセンサにより検出する。その際、車両の現在地がディジタルマップにおいて、検出されたランドマークに基づいて特定され、移動が、特定された現在地に付加的に基づいて実施される。
【0035】
つまりこのことは、特に、駐車場がランドマークを含んでおり、そのランドマークによって車両は移動の際に自身の位置を確認することを意味している。これによって、特に、移動を更に効率的に実施することができるという技術的な利点が得られる。特に、有利には、特定されたルートを正確性について検査することができる。有利には、複数のランドマークが設けられている。ランドマークは、例えば視覚的なランドマークであり、例えばバーコードである。ランドマークは例えばRFIDセンサである。
【0036】
1つの別の実施の形態においては、車両が移動中に、その車両の周囲をセンサにより検出し、移動が、検出された周囲に付加的に基づいて実施される。
【0037】
これによって、特に、駐車場における車両の移動を非常に効率的に実施することができるという技術的な利点が得られる。特に、車両は有利には障害物を識別することができるので、車両はその障害物を回避するように走行することができる。
【0038】
センサによる検出のために、周囲センサ系が設けられている。周囲センサ系は、例えば、1つ又は複数の周囲センサを含んでおり、周囲センサの例として、例えば超音波センサ、ライダセンサ、レーザセンサ、ビデオセンサ又はレーダセンサが挙げられる。
【0039】
その種の周囲センサ系を用いて、車両がその車両の周囲を検出し、移動が特に、検出された周囲に基づいて実施される。つまり、車両は例えば障害物を識別することができ、また、その障害物を回避することができる。つまり例えば、車両は周囲センサ系を用いて、ディジタルマップに関して車両が駐車場のどこに存在するかを識別することができる。この識別のために、有利には、検出された1つ又は複数のランドマークが使用される。
【0040】
1つの実施の形態においては、駐車場がWLANを含んでおり、このWLANに基づいて、車両は移動を実施し、特に、ディジタルマップに対して相対的に車両がどこに存在しているかについての位置特定を実施することができる。
【0041】
1つの実施の形態によれば、通信ネットワークには、移動無線網及び/又はWLANネットワークが含まれる。
【0042】
1つの別の実施の形態によれば、サーバのプロセッサが、駐車場内に位置する目標位置までのルートを、ディジタルマップに基づいて特定するように構成されており、また、通信インタフェースが、特定されたルートを、通信ネットワークを介して車両に送信するように構成されている。
【0043】
通信ネットワークを介する通信、特に車両とサーバとの間の通信ネットワークを介する通信は、有利には暗号化されている。
【0044】
以下では、複数の有利な実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。