(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
開示が参照により本明細書に組み込まれる国際出願PCT/US2012/059131号(Ghaffariら)では、医学的診断用装置が説明されている。この開示では、装置でシミュレートされた様々な状態を示す例示的なグラフィカルユーザインタフェースの一連のスクリーンショットが提供されている。
【0003】
開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2003/0153905号(Edwardsら)では、中空器官切除用システムが説明されている。この開示では、切除を監視及び制御するために温度データを使用することができる温度マップが説明されている。
【0004】
開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2006/0253116号(Avitallら)では、組織切除などの医療処置を行うカテーテル、システム、及び方法が説明されている。この開示では、モニタの表示ウィンドウ内に表示することができる内部解剖構造体のグラフィック表現が説明されている。
【0005】
開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2007/0293792号(Sliwaら)では、直腸に挿入可能なプローブ上又はプローブ内に取り付けられた力又は圧力センサー、又は、直腸に挿入可能なプローブ上又はプローブ内に取り付けられた温度センサー、又は、その両方を含む前立腺プローブシステムが説明されている。この開示では、サーモグラフィー又は温度マッピング能力が説明されている。
【0006】
開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2012/0226130号(De Graffら)では、高度な感知、診断、及び治療能力向けの能動的装置のアレイを含め、伸長可能又は屈曲可能な回路を一体化するシステムが説明されている。この開示では、グラフィック表示及びマッピング機能性が説明されている。
【0007】
開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2012/0232388号(Curraら)では、リアルタイム非侵襲性空間温度推定用超音波システム及び方法が説明されている。この開示では、ひずみ情報及びスペクトル情報を合成して、ひずみを基本とする温度較正マップ及びスペクトルを基本とする温度較正マップの両方と相関させることができると主張されている。
【0008】
開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2013/0079650号(Turgemanら)では、物理パラメータマッピング用グラフィックユーザインターフェースが説明されている。この開示では、パラメータの部分的範囲内の値の選択をユーザから受信して更なる測定の候補場所を表示することが説明されている。
【0009】
Switzerland、GenevaのEndosenseは、「Tactisys Quartz」システムを製造している。このシステムは、システムのカテーテル先端と心臓壁との間の接触力の視覚化を可能にすると主張されている。
【0010】
参照により本特許出願に組み込まれる文書は、組み込まれた文書内の用語が、本明細書で明示的又は暗黙的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の記載において、図面中の同様の要素は同様の数字により識別され、同様の要素は、必要に応じて識別数字に文字を添えることにより区別される。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る、装置12を使用する侵襲性医療処置10の概略図である。処置は、医療専門家14により行われ、一例として、処置10は、ヒトの患者18の心臓の心筋16の一部の切除を含むと想定される。切除を行うために、専門家14は、プローブ20を患者の内腔に挿入し、それで、プローブの遠位端22が、患者の心臓に入る。遠位端22は、遠位端の外側上に取り付けられた電極24を含み、電極は、心筋のそれぞれの領域と接触する。プローブ20は、近位端28を有する。プローブの遠位端22を
図2A及び2Bを参照して以下で更に詳細に説明する。
【0022】
装置12が、装置の操作コンソール48内に位置するシステムプロセッサ46により制御される。処置中、プロセッサ46は、典型的に、当技術分野で既知である任意の方法を用いてプローブの遠位端22の場所及び配向を追跡する。例えば、プロセッサ46は、患者18の体外にある磁気送信器が遠位端に位置付けられたコイルで信号を発生させる、磁気追跡方法を使用してもよい。Biosense Webster(Diamond Bar,CA)により製作されるCarto(登録商標)システムはこのような追跡方法を用いている。
【0023】
プロセッサ46のソフトウェアを、例えば、ネットワークで、電子的な形でプロセッサにダウンロードすることができる。あるいは、又はこれに加えて、このソフトウェアは、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体など、非一過性の有形媒体上に提供され得る。遠位端22の進路が、典型的に画面62上で患者18の心臓の3次元表現60で表示される。
【0024】
装置12を操作するために、プロセッサ46は、装置を操作するためにプロセッサにより使用されるいくつかのモジュールを有するメモリ50と通信する。したがって、メモリ50は、温度モジュール52と、切除モジュール54と、力モジュール56とを含み、モジュールの機能を以下で説明する。メモリ50は、典型的に、プロセッサ46により使用される追跡方法を操作する追跡モジュールと、プロセッサが遠位端22に向けて行われる潅注を制御することを可能にする潅注モジュールなど、他のモジュールも含む。簡潔さのために、ハードウェア要素並びにソフトウェア要素を含むことができるそのような他のモジュールは、
図1では例示されていない。
【0025】
プロセッサ46は、モジュール52及び56により取得された温度及び力の測定の結果を使用して、組合せ力温度マップ64を画面62上で表示する。力温度マップ64の実施例を以下で更に詳細に説明する。
【0026】
図2A、2B、及び2Cは、本発明の実施形態に係るプローブ20の遠位端22を概略的に例示する。
図2Aは、プローブの長さに沿った断面図である、
図2Bは、
図2Aにおいてマーキングされる切断部IIB−IIBに沿った横断面図であり、
図2Cは、遠位端の断面の斜視図である。挿入管70が、プローブの長さに沿って延在して、切除に使用されると本明細書では想定される導電キャップ電極24Aに遠位端の終端部にて接続される。
図2Cは、キャップ電極24Aの概略斜視図である。キャップ電極24Aは、遠位端にてほぼ平坦な導電面84と、近位端にて実質的に円形の縁部86とを有する。導電キャップ電極24Aを切除電極とも本明細書でいう。切除電極24Aの近位には、典型的に、電極24Bなどの他の電極がある。典型的に、挿入管70は、屈曲可能な生体用ポリマを含み、一方、電極24A、24Bは、例えば、金又は白金など生体用金属を含む。切除電極24Aは、典型的に潅注開口72のアレイにより穿孔される。
【0027】
導体74は、高周波(RF)電気エネルギーを切除モジュール54(
図1)から挿入管70を通って電極24Aに伝達し、したがって、電極が接触している心筋組織を切除するために電極に通電する。モジュール54は、電極34Aを介して消散されるRF電力のレベルを制御する。切除処置中、開口72を通って流出する冷却流体は、治療中の組織を灌注することができる。
【0028】
温度センサー78が、軸方向にも及び円周方向にも、プローブの遠位先端の周りに配列される場所にて導電キャップ電極24A内に取り付けられる。この実施例では、キャップ24Aは、6つのセンサーを含み、一方の群が先端部に近い遠位位置にあり、他方の群が、若干より近位位置にある。この分布は単に例として示されるが、より多い、又はより少ないセンサーが、キャップ内の任意の好適な位置に取り付けられてもよい。センサー48は、熱電対、サーミスタ、又は任意の好適な種類の小型温度センサーを含み得る。これらのセンサーは、温度信号52を温度モジュール52に提供するために挿入管70の長さを通じて延びるリード80によって接続される。
【0029】
開示する実施形態では、キャップ24Aは、温度センサー73と先端部の中央空洞75の内側の冷却流体との間の所望の断熱をもたらすため、比較的厚い(およそ0.5mm厚)側壁73を含む。冷却流体は、開口72を介して空洞75を出る。センサー78は、側壁73の長手方向の内径部79に嵌入されるロッド77上に取り付けられる。ロッド77は、ポリイミドなど適切なプラスチック材を含むことができ、かつ、エポキシなど適切な接着剤81により遠位端にて所定の位置に保持することができる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/716,578号では、先述したものと類似の構成で取り付けられる温度センサーを有するカテーテルが説明されている。先述した構成は、6つのセンサー78のアレイを提供するが、センサーの他の構成及び他の数が、当業者に明らかになるであろうが、全てのそのような構成及び数は、本発明の範囲内に含まれる。センサー78の別の構成が、先に参照した米国特許出願第13/716,578号で説明されている。
【0030】
温度センサーに加えて、遠位端22は、遠位端により接触される組織に遠位端により掛けられた力を測定するように構成される力センサー90を含む。力センサー90は、測定された力に応じて信号を生成し、信号は、このセンサーを操作し、かつ、掛けられた力の大きさの値、並びに、方向の値を計算する力モジュール56に伝達される。掛けられた力の方向は、遠位端22の軸線92、典型的に対称軸に対して測定される。
【0031】
本記載では、遠位端22は、1組のxyzの直交する軸線を画定すると想定され、軸線92は、この組のz軸に対応し、直交するx軸及びy軸は、z軸と直交する任意の便宜上のxy平面にある。簡潔さのために、xy平面は、本明細書では円86により画定された平面に対応すると想定され、xyzの軸の原点は、円の中心であると想定される。
【0032】
力センサー90は、当技術分野で既知である力又は圧力の任意の簡便なセンサーを含むことができる。一例として、本明細書では、力センサー90は、z軸92に平行であり、かつ、円筒形のばね94の軸線と直交する、即ち、xy平面内にある偏位を測定することにより動作すると想定される。ばね94の偏位は、交番磁場をばねの遠位端の近傍に位置する磁気送信器96から送信して、受信された磁場をばねの近位端に位置する磁気受信器98において測定することにより測定することができる。典型的に、送信器96及び受信器98は、コイルであり、送信器96、は軸線92上に位置し、受信器98は、軸線の周りに対称的に分散される。力センサー90内には、3つの受信器98がある(2つが図示されている)。力モジュール90と送信器及び受信器との間で動作信号が、力モジュールが導体100により伝達され、かつ、遠位端22のxyzの軸線に対して所与の力の大きさの固有の値、並びに、力の方向の固有の値を生成することを可能にする。力センサー90と類似の力センサーが、米国特許出願第2009/0306650号(Govariら)、同第2011/0130648号(Beecklerら)、及び同第2012/0253167号(Bonyakら)で説明されており、これらの特許出願の全てが、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
典型的には、遠位端22は、他の機能構成要素を含み、これらは、本開示の範囲外であり、したがって簡潔さのために省略されている。例えば、カテーテルの遠位端は、ステアリングワイヤ、並びに、位置センサーなど、他の種類のセンサーを含む場合がある。これらの種類の構成部品を含むプローブが、例えば、先に参照した、米国特許出願第2009/0306650号及び同第2011/0130648号で説明されている。
【0034】
図3Aは、本発明の実施形態に係る、画面62上で表示されるときの、プローブの遠位端22の付近の温度分布を例示する概略図である。温度センサー78により提供された測定値、並びに、互いに対する、かつ、遠位端22のxyzの軸線に対するセンサーの位置の知識を使用して、プロセッサ46は、温度モジュール52を使用して、2次元(2D)温度マップ100を生成する。2Dマップ100は、電極24Aの外面の温度の3次元(3D)分布のグラフィック表現であり、遠位端22について先に定義されたxyzの軸線に対する2D投影部として描かれると想定される。マップ100は、円形マップとして描かれ、マップの境界円102は、電極24Aの縁部86と一致する。センサー78の測定値から2Dマップ100の生成では、典型的に、当技術分野で公知であるように、測定値からの内挿及び補外を使用する。
【0035】
上述したように、2Dマップ100は、温度の3D分布の2D投影部である。xyzの軸線の原点を通ってz軸に至る線(
図2A)により限定される角度に基づいて使用することができる1つの種類の投影部について、力ベクトルの方向を表すために使用される投影部を例示する
図3Bに関して更に詳細に説明する。以下の説明において想定されるように、同じ種類の投影部を使用して、温度分布及び力ベクトルを表すことができる。しかしながら、投影部が、同じである必要性はなく、一部の実施形態では、投影部は、異なるものである。
【0036】
2Dマップ100は、典型的に、電極24Aの外面の異なる温度を示す色マップであり、異なる色について温度の値を示すマップと共に凡例104を表示することができる。(図中では、異なる色が、異なる濃淡により概略的に例示されている。)一部の実施形態では、センサー78のそれぞれにより測定された数値もマップ100上で表示すことができる。簡潔さのために、そのような数値の表示は、
図3Aでは例示されていない。
【0037】
図3Bは、本発明の代替実施形態に係る、画面62上で表示されるときの、遠位端部22により掛けられた力のベクトル表現108を例示する概略図である。先に説明したように、力センサー90は、遠位端22により掛けられた力の大きさ、並びに、力の方向を求めるために力モジュール56及びプロセッサ46により使用することができる信号を生成することができる。力の方向は、遠位端22のxyzの軸に対して測定することができる。力の3Dベクトル表現から始めると、3D方向は、3D方向の任意の簡便な投影部により画面62の2D面などの2D面で表すことができる。一例として、本明細書で使用する投影法は、円形マップ110を生成する極心平射図法と類似のものである。マップ110は、先に言及したz軸と直交する方向を表す境界円112を有する。マップ110の中心114は、z軸に沿った方向を表す。本明細書で例示される例示的な投影部では、破線の円116は、z軸に対して60°での方向に対応し、破線の円118は、z軸に対して30°での方向に対応する。円116及び118など、z軸に対する角度を表す円を本明細書では角度円ともいう。一例として、本明細書で想定する投影部では、角度円の直径は、角度円が表す角度に正比例しており、それで、円112、116、及び118は3:2:1の比率の直径を有する。
【0038】
表現108は、マップ110上で描かれた遠位端22により掛けられた力の方向を表す可変長の矢印120を含む。矢印120は、循環112の中心と一致する開始点と、z軸に対して遠位端力により限定された角度に対応する終点とを有し、それで、矢印の長さは、z軸に対して測定された力の角度の関数である。したがって、
図3Bでは、遠位端力は、z軸に対してほぼ40°である方向にある。表現108では、矢印120は、xy平面上の力ベクトルの3D表現の投影部に対応するxyの軸線に対する方向を有する。
図3Bは、x軸に関してほぼ−70°の角度を限定するような矢印120を例示する。
【0039】
表現108において力の大きさを表すために、開示する実施形態では、矢印120の幅は、大きさに従って変えられる。矢印の幅を変えることにより、表現108は、遠位端22により掛けられた力の大きさ及び方向の完全なベクトル表現である。
【0040】
図3C及び3Dは、本発明の実施形態に係る、第1の単一組合せ力温度マップ64A及び第2の単一組合せ力温度マップ64Bのそれぞれの図である。以下の説明では、
図3A、3B、3C、及び3Dで同じ参照番号により示す要素は、機能が概ね類似のものである。マップ64A及び64Bは、同じ直径円102及び112(
図3A及び3B)を有し、かつ、単一のマップ64A及び64Bを画面62上で形成するように結果的に得られた円形温度マップ100及び力表現108をお互いの上に重ね合わせることにより形成される。したがって、組合せ力温度マップ64Aは、遠位端22の付近の温度分布、及び、遠位端により掛けられた力の両方を表示する。異なる場合について、組合せ力温度マップ64Bも、温度分布及び力を表示する。両方のマップでは、力が、矢印として表示され、矢印の色が、矢印が温度分布と簡単に区別されるように選択される。
【0041】
画面62上の単一のマップ64の表示では、システムのオペレータは、xyzの軸線及び角度円の全て、一部を表示するか、又は、まったく表示しないように選ぶことができる。一例として、本明細書で例示する実施例では、xyzの軸線でなく、角度円が、表示される。
【0042】
単一のマップ64A及び64Bは、同じ温度分布を有し、力は、同じ方向(z軸に対してほぼ40°及びx軸に対して−70°)にある。しかしながら、2つのマップにおける力の大きさは、異なり、その違いは、マップ64Aにおいて矢印120A、マップ64Bにおいて矢印120Bの異なる幅として画面62上で示される。通常、力を表す矢印の幅は、力の大きさに比例、典型的に、力の大きさに正比例であるように構成される。
図3C及び3Dは、矢印120B(マップ64B)は矢印120A(マップ64A)より広いことを示す。したがって、例えば、マップ64Aにおける力は、2g(0.2dN)とすることができ、マップ64Bにおける力は、3g(0.3dN)とすることができる。
【0043】
図4Aは、本発明の代替実施形態に係る、画面62上で表示されるときの、遠位端部22により掛けられた力のベクトル表現128を例示する概略図である。以下に記す差は別として、ベクトル表現128(
図4A)は、表現108(
図3B)と概ね類似のものであり、両方の表現における同じ参照番号により示す要素は、機能及び特性が概ね類似のものである。
【0044】
遠位端22により掛けられた力を表すために矢印を使用するよりはむしろ、表現128では、円130を使用する。中心114及びxyの軸線に対して測定された円の中心132は、遠位端により掛けられた力の方向を表す。
図4Aは、遠位端22上の力は
図3Bで例示するものと同じであると想定して描かれたものである。したがって、
図4Aでは、角度円116及び118は、中心132がz軸に対してほぼ40°である方向にあることを示し、中心114及び132間の想像線は、x軸に対してほぼ−70°の角度を限定する。
【0045】
表現128において力の大きさを表すために、開示する実施形態では、矢印130の直径は、大きさに従って変えられる。矢印の直径を変えることにより、表現128は、遠位端22により掛けられた力の大きさ及び方向の完全なベクトル表現である。
【0046】
図4B及び4Cは、本発明の代替実施形態に係る、単一組合せ力温度マップ64C及び単一組合せ力温度マップ64Dのそれぞれの図である。マップ64A及び64Bとは対照的に、マップ64C及び64Dは、温度マップ100(
図3A)及び力表現128(
図4A)をお互いの上に重ね合わせて、結果的に得られた組合せ力温度マップを画面62上で表示することにより形成される。したがって、組合せ力温度マップ64Cは、遠位端22の付近の温度分布及び遠位端により掛けられた力の両方を表示する。異なる場合について、組合せ力温度マップ64Dも、温度分布及び力を表示する。両方のマップでは、力が、円として表示され、円の色が、円が温度分布と簡単に区別されるように選択される。
【0047】
単一のマップ64C及び64Dは、それぞれの円における中心132A及び132Bの同じ位置により示すように、同じ温度分布を有し、力は、同じ方向(z軸に対してほぼ40°、x軸に対して−70°)にある。しかしながら、2つのマップにおける力の大きさは、異なり、その違いは、マップ64Cにおいて円130A、マップ64Dにおいて円130Bの異なる直径...として画面62上で示される。通常、力を表す円の直径は、力の大きさに比例、典型的に、力の大きさに正比例であるように構成される。
図4B及び4Cは、円130B(マップ64D)が円130A(マップ64C)よりも大きい直径を有することを示す。したがって、例えば、マップ64Cにおける力は、0.2dN(2g)とすることができ、マップ64Dにおける力は、0.3dN(3g)とすることができる。
【0048】
図5Aは、本発明の更なる代替実施形態に係る、画面62上で表示されるときの、遠位端部22により掛けられた力のベクトル表現128を例示する概略図である。以下に記す差は別として、ベクトル表現138(
図5A)は、表現108(
図3B)と概ね類似のものであり、2つの表現における同じ参照番号により示す要素は、機能及び特性が概ね類似のものである。
【0049】
遠位端22により掛けられた力を表すために(表現108に関して先述したように)可変の幅を有する可変長の矢印を使用するよりはむしろ、表現138では、一定の幅を有する可変長の矢印140を使用する。幅に関して不変であることを除き、矢印140は、矢印120(
図3B)と概ね類似のものであり、それで、矢印140の長さは、z軸に関して力により限定される角度の関数である。
図5Aは、遠位端22上の力は
図3Bで例示するものと同じであると想定して描かれたものである。したがって、
図5Aでは、矢印140の端部又は長さは、力がz軸に対してほぼ40°である方向にあることを示し、矢印の方向は、力はx軸に対してほぼ−70°の角度を限定することを示す。
【0050】
力の大きさを表現138において表すために、開示する実施形態では、テキストボックス142が、矢印140に「装着」され、力の大きさに対応する値が、テキストボックスに入力される。一例として、テキストボックス142は、矢印140の先端に付けられるが、他の実施形態では、テキストボックス142は、矢印に対して任意の簡便な位置とすることができる。テキストボックス内のテキストは、力の大きさを示し、それで、表現138は、遠位端22上の力の完全なベクトル表現である。
【0051】
図5B及び5Cは、本発明の更なる代替実施形態に係る、単一組合せ力温度マップ64E及び単一組合せ力温度マップ64Fのそれぞれの図である。以下の差を除き、マップ64E及び64Fは、マップ64A及び64Bと概ね類似のものである。しかしながら、マップ64A及び64Bとは対照的に、マップ64E及び64Fは、温度マップ100(
図3A)及び力表現138(
図5A)をお互いの上に重ね合わせて、結果的に得られた組合せ力温度マップを画面62上で表示することにより形成される。したがって、組合せ力温度マップ64Eは、遠位端22の付近の温度分布、及び、遠位端により掛けられた力の両方を表示する。異なる場合について、組合せ力温度マップ64Fも、温度分布及び力を表示する。両方のマップでは、力の方向は、矢印として表示される。
【0052】
単一のマップ64E及び64Fは、矢印140A及び140Bの同じ方向及び長さにより示すように、同じ温度分布を有し、力は、同じ方向(z軸に対してほぼ40°、x軸に対して−70°)にある。しかしながら、2つのマップにおける力の大きさは、異なり、その違いは、マップ64Eにおいてテキストボックス142A、マップ64Fにおいてテキストボックス142Bとして画面62上で示される。したがって、例えば、マップ64Eにおける力は、0.2dN(2g)であり、マップ64Fにおける力は、0.3dN(3g)である。
【0053】
図6A及び6Bは、本発明の実施形態に係る、単一組合せ力温度マップ64G及び単一組合せ力温度マップ64Hのそれぞれの図である。以下の違いを除き、マップ64G及び64Hは、マップ64E及び64Fと概ね類似のものである。マップ64E、64F、64G、及び64Hは、全て、同じ温度分布を伴う、
図5A〜5Cに例示する実施形態を使用する組合せ力温度マップである。しかしながら、マップ64E、64Fは、力が同じ方向及び異なる大きさを有すると例示するが、マップ64G、64Hは、力が2gの同じ大きさであるが異なる力方向を有すると例示する。したがって、マップ64Gは、力がz軸に対してほぼ30°、x軸に対して−20°を限定すると例示し、マップ64Hは、力がz軸に対してほぼ60°、x軸に対して−70°を限定すると例示する。
【0054】
図7A及び7Bは、本発明の実施形態に係る、単一組合せ力温度マップ64J及び単一組合せ力温度マップ64Kのそれぞれの図である。以下の違いを除き、マップ64J及び64Kは、マップ64A及び64Bと概ね類似のものである。マップ64A、64B、64J、及び64Kは、全て、同じ温度分布を伴う、
図3B〜3Dに例示する実施形態を使用する組合せ力温度マップである。しかしながら、マップ64A、64Bは、力が同じ方向と、異なる矢印幅により示す異なる大きさとを有すると例示するが、マップ64J、64Kは、矢印120C及び120Dが同じ幅を有することから、力が同じ大きさを有すると例示する。しかしながら、2つのマップにおける力は、異なる方向を有する。したがって、マップ64Jは、力がz軸に対してほぼ30°、x軸に対して−90°を限定すると例示し、マップ64Kは、力がz軸に対してほぼ70°、x軸に対して−90°を限定すると例示する。
【0055】
温度分布とともに(大きさ及び方向における)力を単一のマップにおいて示すことにより、本発明の実施形態は、内科医が力と温度分布との間の相対的な整合を見ることを可能にすることにより、内科医により行われる切除プロセスを促進する。例えば、切除プロセス中に、内科医は、力が温度分布の最も高温な部分に導かれることを望むことができ、その結果、力が、温度と「整合」される。これは、典型的に、単一の領域の切除中の望まれる状態である。あるいは、内科医は、力が温度分布の最も高温な部分から離れた特定の方向に導かれることを望む場合がある。これは、典型的に、線に沿った切除中の望まれる状態である。本発明の実施形態は、内科医が温度の「中心」をマーキングすることを可能にすることによりこれらの種類の整合を促進し、これにより、内科医は、力の方向及び温度分布の「方向」を比較することができる。
【0056】
図8A及び8Bは、本発明の実施形態に係る、単一組合せ力温度マップ64L及び単一組合せ力温度マップ64Mのそれぞれの図である。2つのマップは、同じ温度分布を有するが、マップ64Lでは、力は、
図4Aに関して先に説明したように、中心132Cを有する円130Cとして表され、マップ64Mでは、力は、
図5Aに関して先に説明したように、付けられたテキストボックス142Cを伴う矢印140Cとして表される。
【0057】
温度分布の中心は、当技術分野で既知である任意の手段により計算される。例えば、中心は分布の領域の重さの重み付き中心に対応することができ、重みは、領域のそれぞれの温度に従うものである。マップ64Lでは、力方向は、単一の領域の切除の所望の状況であり得る「金的」タイプのディスプレイでは、温度分布の中心150と整合中と図示される。マップ64Lでは、力方向は、単一の領域の切除の所望の状況であり得る「金的」タイプのディスプレイでは、温度分布の中心150と整合中と図示される。これとは対照的に、マップ64Mでは、力は、温度分布の中心152とは整合せず、これは、線に沿った切除の所望の状況であり得る。
【0058】
上述した実施形態は一例として記載されたものであり、本発明は、本明細書において上に具体的に図示及び説明した内容に限定されないことが明らかとなろう。むしろ、本発明の範囲には、上で説明した様々な特徴の組合わせと部分的組合わせの両方、並びにそれらの変形形態及び修正形態が含まれ、これらは、上述の説明を読めば当業者には想到するものであり、従来技術では開示されていないものである。
【0059】
〔実施の態様〕
(1) 情報を表示する方法であって、
被験者の体の内側の侵襲性プローブに関して、前記被験者の組織に前記プローブにより掛けられた力及び前記プローブのセンサーにより測定された温度を含むプローブパラメータの測定値を受信することと、
前記測定値に応じて、表示画面上の単一マップ内に、前記プローブの付近の前記温度の分布のグラフィック表現を表示して、該グラフィック表現に前記力のベクトル表現を重ね合わせることと、
を含む、方法。
(2) 前記ベクトル表現が、前記力の大きさの第1の表示と、前記力の力方向の第2の表示と、を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ベクトル表現が、矢印を含み、前記第1の表示が、前記矢印の幅を含み、前記第2の表示が、前記矢印の長さと前記矢印の方向との組み合わせを含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記ベクトル表現が、矢印と、該矢印に付随するテキストボックスと、を含み、前記第1の表示が、前記テキストボックス内のテキストを含み、前記第2の表示が、前記矢印の長さと前記矢印の方向との組み合わせを含む、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記ベクトル表現が、第1の中心を有する第1の円を含み、前記分布の前記グラフィック表現が、第2の中心を有する第2の円を含み、前記第1の表示が、前記第1の円の直径を含み、前記第2の表示が、前記第1の中心と第2の中心との間の距離と、前記第1の中心と第2の中心との間の方向との組み合わせを含む、実施態様2に記載の方法。
【0060】
(6) 前記グラフィック表現の中心を計算することと、前記中心を前記単一マップ内に表示することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 情報を表示する装置であって、
被験者の体に挿入されるように構成されたプローブと、
前記被験者の組織に前記プローブにより掛けられた力を示す力信号を提供するように結合され、前記プローブに装着された力センサーと、
前記プローブの付近の温度の温度信号を提供するように結合され、前記プローブに装着された温度センサーと、
表示画面と、
前記力信号及び前記温度信号を受信し、前記表示画面上の単一マップ内に、前記温度の分布のグラフィック表現を表示し、かつ、該グラフィック表現に前記力のベクトル表現を重ね合わせるように結合されたプロセッサと、
を備える、装置。
(8) 前記ベクトル表現が、前記力の大きさの第1の表示と、前記力の力方向の第2の表示と、を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記ベクトル表現が、矢印を含み、前記第1の表示が、前記矢印の幅を含み、前記第2の表示が、前記矢印の長さと前記矢印の方向との組み合わせを含む、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記ベクトル表現が、矢印と、該矢印に付随するテキストボックスと、を含み、前記第1の表示が、前記テキストボックス内のテキストを含み、前記第2の表示が、前記矢印の長さと前記矢印の方向との組み合わせを含む、実施態様8に記載の装置。
【0061】
(11) 前記ベクトル表現が、第1の中心を有する第1の円を含み、前記分布の前記グラフィック表現が、第2の中心を有する第2の円を含み、前記第1の表示が、前記第1の円の直径を含み、前記第2の表示が、前記第1の中心と第2の中心との間の距離と、前記第1の中心と第2の中心との間の方向との組み合わせを含む、実施態様8に記載の装置。
(12) 前記プロセッサが、前記グラフィック表現の中心を計算し、かつ、前記中心を前記単一マップ内に表示するように構成される、実施態様7に記載の装置。