(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アルカリ剤(A)、キレート剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)及び水(F)を含む成分を、攪拌翼を有する攪拌槽に導入する工程(1)、及び
前記攪拌翼を回転させて各成分を混合する工程(2)
を有する鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の製造方法であって、
前記工程(1)において前記攪拌槽に導入する前記成分の割合が、
アルカリ剤(A)が34質量%以上45質量%以下、
非イオン性界面活性剤(C)が0.5質量%以上5質量%以下、
キレート剤(B)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、キレート剤(B)/非イオン性界面活性剤(C)が1.5以上5.5以下、
炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)/非イオン性界面活性剤(C)が0.05以上2.0以下、
アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)/非イオン性界面活性剤(C)が0.1以上0.3以下であり、
前記アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)が、下記一般式(1)で表される化合物であり、
[化1]
R1−O−(EO)n−SO3−X+ (1)
〔前記一般式(1)中、R1は炭素数1以上10以下の炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、nはEOの平均付加モル数で0.5以上5以下であり、X+はカチオンである。〕
前記鋼板用アルカリ洗浄剤組成物が、水(F)を含む相に粒子径が50μm未満の前記非イオン性界面活性剤(C)の油滴が分散した分散体である、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の製造方法。
前記キレート剤(B)が、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸及びこれらの塩から選ばれる一種以上の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の製造方法。
アルカリ剤(A)、キレート剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)及び水(F)を含有する鋼板用アルカリ洗浄剤組成物であって、
アルカリ剤(A)が34質量%以上45質量%以下、
非イオン性界面活性剤(C)が0.5質量%以上5質量%以下、
キレート剤(B)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、キレート剤(B)/非イオン性界面活性剤(C)が1.5以上5.5以下、
炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)/非イオン性界面活性剤(C)が0.05以上2.0以下、
アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)/非イオン性界面活性剤(C)が0.1以上0.3以下であり、
前記アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)が、下記一般式(1)で表される化合物であり、
[化3]
R1−O−(EO)n−SO3−X+ (1)
〔前記一般式(1)中、R1は炭素数1以上10以下の炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、nはEOの平均付加モル数で0.5以上5以下であり、X+はカチオンである。〕
前記鋼板用アルカリ洗浄剤組成物が、水(F)を含む相に粒子径が50μm未満の前記非イオン性界面活性剤(C)の油滴が分散した分散体である、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態の製造方法は、アルカリ剤(A)、キレート剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)及び水(F)を含む成分を、攪拌翼を有する攪拌槽に導入する工程(1)、及び前記攪拌翼を回転させて各成分を混合する工程(2)を有する。
【0017】
<工程(1)について>
<原料成分>
<アルカリ剤(A)>
本実施形態で用いられるアルカリ剤(A)は、油汚れの除去性を確保するため、水溶性のアルカリ剤であればいずれのものも使用できる。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等のアルカリ金属の珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のアルカリ金属のホウ酸塩等を用いることができる。二種以上の水溶性アルカリ剤を組み合わせてもよい。洗浄性を高める観点から、好ましくはアルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の珪酸塩であり、より好ましくはアルカリ金属の水酸化物である。これらの中でも、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
【0018】
本実施形態において、アルカリ剤(A)の配合量は、34質量%以上45質量%以下である。アルカリ剤(A)の配合量は、洗浄剤の保存安定性の観点から、35質量%以上が好ましく、37質量%以上がより好ましい。アルカリ剤(A)の配合量は、洗浄剤の粘度上昇抑制の観点から、42質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。アルカリ剤(A)の配合量は、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物におけるアルカリ剤の含有量に相当する。
【0019】
<キレート剤(B)>
本実施形態で用いられるキレート剤(B)は、非イオン性界面活性剤(C)等の油滴(以下、単に「油滴」ともいう)の粒子径を小さくし保存安定性を向上させ、また鉄石けん等の汚れに作用して鉄イオン等をキレートし、脂肪酸ナトリウム石けんにして汚れを溶解し易くして、油の洗浄性を向上させると推定される。キレート剤(B)としては、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリセリン酸、テトロン酸、ペントン酸、ヘキソン酸、ヘプトン酸等のアルドン酸又はそのアルカリ金属塩若しくは炭素数1〜4の低級アミン塩;ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、テトラエチレンテトラミン六酢酸等のアミノカルボン酸のアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩;クエン酸、リンゴ酸等又はそのオキシカルボン酸のアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩;アミノトリメチレンホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等のホスホン酸又はそのアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩;その他、前記のモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩を用いることができる。これらの中でも、油の洗浄性の観点から、アルドン酸又はその塩が好ましく、アルカリ金属塩又は低級アミン塩が好ましい。なかでも、油の洗浄性の観点から、グルコン酸、グルコヘプトン酸のアルカリ金属塩若しくは低級アミン塩が好ましく、グルコン酸塩がより好ましい。アルカリ金属塩は、洗浄性を高める観点から、ナトリウム塩が好ましい。更に、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸及びこれらの塩が好ましい。キレート剤(B)は少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、グルコン酸のアルカリ金属塩とエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩の組み合わせを用いることができる。
【0020】
本実施形態において、キレート剤(B)の配合量は、非イオン性界面活性剤(C)の油滴の粒子径を小さくする観点から、4.0質量%以上が好ましく、4.1質量%以上がより好ましい。キレート剤(B)の配合量は、非イオン性界面活性剤(C)の油滴の粒子径を小さくする観点から、5.8質量%以下が好ましく、5.0質量%以下がより好ましい。当該配合量が4.0質量%以上で油滴の微細化ができ、洗浄剤は安定であり、5.8質量%以下ではキレート剤の溶解が容易である。キレート剤(B)の配合量は、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物におけるキレート剤の含有量に相当する。
【0021】
キレート剤(B)と下記の非イオン性界面活性剤(C)の質量比、キレート剤(B)/非イオン性界面活性剤(C)は、1.5以上5.5以下である。キレート剤(B)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、キレート剤(B)/非イオン性界面活性剤(C)は、非イオン性界面活性剤(C)の油滴の粒子径を小さくする観点から、2.5以下が好ましく、1.8以下がより好ましい。
【0022】
<非イオン性界面活性剤(C)>
本実施形態で用いられる非イオン性界面活性剤(C)は、アルカリ洗浄剤に一般に用いられているものが使用できる。本実施形態で用いられる非イオン性界面活性剤(C)としては、例えば、炭素数が8以上の炭化水素基を有する1価アルコールにアルキレンオキシドを付加した構造の化合物、炭素数が8以上の炭化水素基を有する1価又は2価のアミンにアルキレンオキシドを付加した構造の化合物を用いることができる。具体例としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルケニルアミンを用いることができる。
【0023】
非イオン性界面活性剤(C)は、油の洗浄性の観点から、下記一般式(2)で示される化合物を用いることが好ましい。
【0024】
[化2]
R
2−O−(AO)
m−H (2)
【0025】
〔前記一般式(2)中、R
2は炭素数8以上18以下の炭化水素基、AOは炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、mはAOの平均付加モル数で2以上20以下である。〕
【0026】
前記一般式(2)中、R
2は、油の洗浄性の観点から、炭素数8以上18以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基が挙げられる。当該脂肪族炭化水素基としては、飽和(アルキル基)及び不飽和(アルケニル基)が挙げられる。R
2の炭素数は、油の洗浄性の観点から、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。前記一般式(2)で示される化合物の具体例としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルが挙げられる。
【0027】
前記一般式(2)中、AOで示されるアルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基であり、洗浄剤の保存安定性の観点から、エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を両方有するものがより好ましい。
【0028】
前記一般式(2)中、AOで示されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数mは、油の洗浄性の観点から、2以上であり、4以上が好ましい。前記一般式(2)中のAOで示されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数mは、油の洗浄性の観点から、20以下であり、16以下が好ましい。
【0029】
非イオン性界面活性剤(C)は少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本実施形態において、非イオン性界面活性剤(C)の配合量は、0.5質量%以上5質量%以下である。本実施形態において、非イオン性界面活性剤(C)の配合量は、油の洗浄性の観点から、1.0質量%以上が好ましく、1.8質量%以上がより好ましい。前記非イオン性界面活性剤(C)の配合量は、洗浄剤の保存安定性及びコストの観点から、3.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましい。非イオン性界面活性剤(C)の配合量は、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物における非イオン性界面活性剤の含有量に相当する。
【0031】
<炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)>
本実施形態で用いられる炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)は、洗浄剤組成物の保存安定性を高める。洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、炭素数8以上の一級アルコールを用いることが好ましく、炭素数10以上22以下の一級アルコールがより好ましく、炭素数12以上20以下の一級アルコールがより好ましい。保管安定性の観点から、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基が挙げられる。当該脂肪族炭化水素基としては、飽和(アルキル基)及び不飽和(アルケニル基)が挙げられる。具体的には、デカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール及びイソステアリルアルコールなどを用いることができる。これらの中でも、保管安定性の観点から、ウリルアルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコールが好ましく、トリデカノールがさらに好ましい。炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)は少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
本実施形態において、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)の配合量は、洗浄剤組成物の保存安定性をより高める観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)の配合量は、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、2.0質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)の配合量は、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物における炭素数8以上22以下の一級アルコールの含有量に相当する。
【0033】
炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)/非イオン性界面活性剤(C)は、0.05以上2.0以下である。炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)/非イオン性界面活性剤(C)は、油の洗浄性と油滴の粒子径を小さくする観点から、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましい。炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)/非イオン性界面活性剤(C)は、油の洗浄性の観点から、1.0以下が好ましく、0.5以下がより好ましい。
【0034】
<アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)>
本実施形態で用いられるアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)は、下記一般式(1)で示される化合物が用いられる。
[化3]
R
1−O−(EO)
n−SO
3−X
+ (3)
〔前記一般式(3)中、R
1は炭素数1以上10以下の炭化水素基、EOはエチレンオキシ基、nはEOの平均付加モル数で0.5以上5以下であり、X
+はカチオンである。〕
【0035】
アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)は、剪断力の低い攪拌翼を有する攪拌装置を用いてもアルカリ水溶液に難溶性の非イオン界面活性剤などを高濃度アルカリ水溶液中で微細化し均一に分散させ、安定な流動性を有する高濃度でアルカリを含有する洗浄剤組成物の調製を可能とする。
【0036】
前記一般式(3)中、R
1は炭素数1以上10以下の炭化水素基である。R
1の脂肪族炭化水素基としては、飽和(アルキル基)及び不飽和(アルケニル基)が挙げられ、油滴の粒子径を小さくする観点から、飽和が好ましい。また、R
1の炭素数が3以上の場合、脂肪族炭化水素基は直鎖と分岐鎖が挙げられ、油滴の粒子径を小さくする観点から、直鎖が好ましい。R
1の炭素数は、油滴の粒子径を小さくする観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。R
1の炭素数は、油滴の粒子径を小さくする観点から、8以下が好ましく、5以下がより好ましい。
【0037】
前記一般式(3)中、エチレンオキシ基の平均付加モル数nは0.5以上5以下である。エチレンオキシ基の平均付加モル数nは、油滴の粒子径を小さくする観点から、1.0以上が好ましい。エチレンオキシ基の平均付加モル数nは、油滴の粒子径を小さくする観点から、3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
【0038】
前記一般式(3)中、X
+はカチオンである。X
+は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオンなどから選ばれる無機陽イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンの酸塩などから選ばれる有機陽イオンである。X
+は、洗浄剤の保存安定性の観点から、ナトリウムイオン及びカリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンがさらに好ましい。
【0039】
前記一般式(3)で示される化合物として、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が挙げられ、具体的には、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が0.5以上5以下、炭素数が1以上10以下のアルキル硫酸塩を用いることができる。これらの中でも、油滴の粒子径を小さくする観点からポリオキシエチレン(1モル付加)ブチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1.3モル付加)2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2モル付加)オクチルエーテル硫酸ナトリウムがより好ましい。
【0040】
アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)は少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
本実施形態において、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)の配合量は、油滴の粒子径を小さくする観点から、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましい。アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)の配合量は、油滴の粒子径を小さくする観点から、0.5質量%以下が好ましく、0.45質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)の配合量は、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物におけるアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩の含有量に相当する。
【0042】
アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)/非イオン性界面活性剤(C)は、0.1以上0.3以下である。アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)と非イオン性界面活性剤(C)の質量比、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)/非イオン性界面活性剤(C)は、油滴の粒子径を小さくする観点から、0.25以下が好ましく、0.22以下がより好ましい。
【0043】
アルキルエーテル硫酸エステルは、所望するアルキル基を有するアルコールに所望のモル数のエチレンオキサイドを付加した後、硫酸化することにより製造することができる。例えば、特開昭63−246357号公報や特開2001−187776号公報記載の製造方法が挙げられる。
【0044】
<水(F)>
本実施形態において、水(F)は、工業用水、水道水及び脱イオン水等を用いることができる。水(F)の配合量は、アルカリ剤(A)、キレート剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)及びその他の成分の合計量の残部でよいが、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、45重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。水(F)の配合量は、アルカリ剤(A)、キレート剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)の合計量の残部でよいが、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、60重量%以下が好ましく、55重量%以下がより好ましい。
【0045】
<その他の成分>
鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)、キレート剤(B)、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)及び水(F)以外に、スラリー化剤(G)等の他の成分を含有することができる。
【0046】
本実施形態において、スラリー化剤(G)は、水溶性高分子カルボン酸を配合することができる。当該水溶性高分子カルボン酸の少なくとも1種を含む洗浄剤組成物は、高濃度においても液体状又はスラリー状で洗浄剤組成物の保存安定性を向上させることができる。また水溶性高分子カルボン酸が配合された洗浄剤組成物を水で希釈した場合には、鋼板の洗浄工程で遊離した鉄粉の分散を維持し、鋼板に付着させ難くすることにより、洗浄性の向上にも寄与する。
【0047】
水溶性高分子カルボン酸として、少なくともひとつ以上のカルボン酸を含む高分子であり、例えば、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸−マレイン酸共重合体、α−ヒドロキシアクリル酸ホモポリマー、C5オレフィン−マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸共重合体、及びこれらのナトリウム塩等のアルカリ金属塩もしくはアミン塩等を用いることができる。水溶性高分子カルボン酸の中でも、洗浄剤組成物の保存安定性を向上する観点から、アクリル酸ホモポリマー及びアクリル酸−マレイン酸共重合体から選ばれる1種以上であることが好ましい。水溶性高分子カルボン酸は、洗浄剤中で溶解するものが好ましい。本明細書において、水溶性とは水100gに対して1g以上溶解するものをいう。
【0048】
水溶性高分子カルボン酸の重量平均分子量(MW)は1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜20,000、更に好ましくは5,000〜10,000である。共重合体の場合の重合形態はブロックでもランダムでもよい。2種以上の水溶性高分子カルボン酸を組み合わせても良い。なお、本明細書において、重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定する。
【0049】
本実施形態において、スラリー化剤(G)は、0.4質量%以上4.5質量%以下であるのが好ましい。本実施形態において、スラリー化剤(G)の配合量は、洗浄剤の保存安定性の観点から、1質量%以上が好ましく、1.2質量%以上がより好ましい。スラリー化剤(G)の配合量は、洗浄組成物の粘度を適度に制御でき、洗浄組成物の配管輸送を確保する観点から、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。スラリー化剤(G)の配合量は、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物におけるスラリー化剤(G)の含有量に相当する。
【0050】
<工程(1)について>
前記工程(1)では、キレート剤(B)と水(F)とを混合し、キレート剤水溶液を調製することが好ましい。次いで、非イオン性界面活性剤(C)、炭素数8以上22以下の一級アルコール(D)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(E)、更に要すればスラリー化剤(G)をキレート剤水溶液に添加して混合することが好ましい。そして、これらの混合液にアルカリ剤(A)を添加することが好ましい。
【0051】
<工程(2)について>
前記工程(2)では、攪拌装置として、剪断力の低い攪拌翼を有する攪拌装置を用いることができる。攪拌翼の回転の周速は、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、0.45m/s以上が好ましく、0.48m/s以上がより好ましく、0.52m/s以上が更に好ましく、0.75m/s以上がより更に好ましい。攪拌翼の回転の周速は、泡の巻込みによる洗浄剤の保存安定性の低下を防ぐ観点から1.20m/s以下が好ましく、1.10m/s以下がより好ましく、0.90m/s以下が更に好ましい。また、攪拌翼を回転させる際の電力量は、洗浄剤組成物保存安定性の観点から、3.5kw/kg以上が好ましく、6.0kw/kg以上がより好ましく、6.5kw/kg以上が更に好ましく、そして、泡の巻込みによる洗浄剤の保存安定性の低下を防ぐ観点から、20kw/kg以下が好ましく、18kw/kg以下がより好ましく、17kw/kg以下が更に好ましい。
【0052】
攪拌翼の種類は特に限定されず、例えば、パドル翼、プロペラ翼、アンカー翼等の当分野において知られている攪拌翼を使用することができる。均一に分散する観点から攪拌翼はパドル翼が好ましい。翼枚数は適宜選択することが可能である。また攪拌剪断力を向上させるために、攪拌槽内に邪魔板を設置してもよい。
【0053】
前記工程(2)において、攪拌時間は、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、30分間以上が好ましく、60分間以上がより好ましく、100分間以上が更に好ましい。攪拌時間は、洗浄剤組成物の生産効率の観点から、300分間以下が好ましく、200分間以下がより好ましく、150分間以下が更に好ましい。
【0054】
前記工程(2)において、攪拌時の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の温度は、特に限定はないが、例えば、室温で良い。具体的には、攪拌時の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の温度は、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。また、攪拌時の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の温度は、洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、50℃以下が好ましい。アルカリ剤(A)の配合の際に中和熱により温度上昇が生じるが、前記温度以下に制御するのが好ましい。
【0055】
前記工程(2)で得られる鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、水を含む相に粒子径が50μm未満の油滴が分散した分散体である。洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、当該油滴の粒子径は、45μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、35μm以下が更に好ましく、30μm以下がより更に好ましく、25μm以下がより更に好ましい。また、鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の生産効率の観点から、当該油滴の粒子径は10μm以上が好ましく、12μm以上がより好ましい。
【0056】
本実施形態では、さらに水希釈の洗浄液(以下、第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物ともいう)を得る工程を有することが好ましい。希釈倍率は、鋼板の洗浄性の観点から、12〜40倍が好ましく、15〜30倍がより好ましい。
【0057】
前記工程で得られる第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物のアルカリ剤(A)の含有量は、鋼板の洗浄性の観点から、0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。また、前記工程で得られる第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物のアルカリ剤(A)の含有量は、鋼板の洗浄性の観点から、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、8重量%以下が更に好ましい。
【0058】
前記工程で得られる第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する冷間圧延工程と、圧延された鋼板に付着する圧延油を洗浄剤により洗浄する洗浄工程とを有する冷間圧延鋼板の製造方法における前記洗浄工程において、アルカリ洗浄剤として用いることができる。前記洗浄工程において、第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物をアルカリ洗浄剤として用いた場合でも、それ以外は従来と同様の方法により、冷間圧延鋼板を製造することができる。
【0059】
前記冷間圧延工程は、製鉄所等において鋼板を圧延油の存在下で冷間圧延する加工処理工程である。前記洗浄工程では、連続洗浄、即ち浸漬洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、電解洗浄等により、第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物を用いて圧延油を洗浄除去する。第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物は、特に、洗浄工程が浸漬ならびに電解洗浄であり、圧延された鋼板を、アルカリ浸漬洗浄槽ならびにアルカリ電解洗浄槽内にロールにより通過させる場合にアルカリ洗浄剤として好適に使用することができる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0061】
<鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の調製>
<実施例1>
工程(1):キレート剤としてグルコン酸ナトリウム22.8g(3.8質量%)およびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム2.28g(0.38質量%)と水60.42g(10.07質量%)とを、容量500mlのガラスビーカ(内径80.5mm)に入れ、キレート剤水溶液を調製した。次いで、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン(10モル付加)ポリオキシプロピレン(2モル付加)アルキルセカンダリーエーテル(ラウリル、ミリスチルの混合物)11.52g(1.92質量%)、炭素数8以上22以下の一級アルコールとしてトリデカノール3.48g(0.58質量%)、アルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としてポリオキシエチレン(1モル付加)ブチルエーテル硫酸ナトリウム2.4g(0.4質量%)、スラリー化剤としてポリアクリル酸ナトリウム(固形分42%)17.1g(固形分として1.20重量%)を攪拌混合し、更に、アルカリ剤として48%水酸化ナトリウムを480.0g(NaOHとして38.40質量%)加え混合物を得た。
工程(2):当該混合物を攪拌翼(4枚ピッチドパドル、直径:80mm、翼高さがビーカの200mlの位置)を有する攪拌装置にて530rpmで40分間攪拌し鋼板用アルカリ洗浄剤組成物を得た。なお周速は0.71m/sである。
【0062】
<実施例2〜8、比較例1〜18、参考例1>
表1及び2に示した成分及びその量を用いた以外は、実施例1と同様の方法で調製した。表1及び2に記載の配合量の単位は質量%である。
【0063】
<原料について>
表1及び2に記載の各成分は以下を用いた。
A)アルカリ剤
・水酸化ナトリウム
B)キレート剤
・グルコン酸ナトリウム
・エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム
C)非イオン界面活性剤
・ポリオキシエチレン(10モル付加)ポリオキシプロピレン(2モル付加)ラウリルミリスチルセカンダリーエーテル(下記非イオン界面活性剤の製造例1で製造したもの)
D)炭素数8以上22以下の一級アルコール
・トリデカノール:イソトリデシルアルコール、協和発酵ケミカル(株)製
E)アルキルエーテル硫酸エステル
・ポリオキシエチレン(1モル付加)ブチルエーテル硫酸ナトリウム:泰光油脂化学工業(株)製
・ポリオキシエチレン(1.3モル付加)2−エチルヘキシルエーテル硫酸ナトリウム:泰光油脂化学工業(株)製
・ポリオキシエチレン(2モル付加)オクチルエーテル硫酸ナトリウム
G)スラリー化剤
・ポリアクリル酸ナトリウム:重量平均分子量6000
その他
・ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム
・ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム
・2−エチルヘキシル硫酸ナトリウム
・2−エチルヘキシルジアラニン
・パラトルエンスルホン酸ナトリウム
・ドデシル硫酸ナトリウム
・ポリオキシエチレン(3モル付加)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム
【0064】
<非イオン界面活性剤の製造例1>
オートクレーブにn−デカノール158.2g(1モル)及びKOH(触媒)0.30g(0.4質量%)を仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、n−デカノールを攪拌しながらオートクレーブ内の温度を130℃に昇温した。エチレンオキサイド352g(8モル)を3.5kg/cm
2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入し、前記圧力が低下して一定になるまでn−デカノールとエチレンオキサイドとを反応させた後、オートクレーブ内の温度を120℃まで下げた。次いで、プロピレンオキサイド232g(4モル)を3.5kg/cm
2の圧力(ゲージ圧)でオートクレーブ中に導入した。前記圧力が低下して一定になるまでプロピレンオキサイドを反応させた後、オートクレーブ内の温度を室温まで低下させて、ポリオキシエチレン(8モル付加)ポリオキシプロピレン(4モル付加)デシルエーテルを約740g得た。
【0065】
<評価方法>
<重量平均分子量>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリエチレン換算にて重量平均分子量を測定した。
[測定条件]
東ソー株式会社製ゲル濾過クロマトグラフSC−8020シリーズ・ビルドアップシステム
カラム:G2000HXL+G4000HXL
検出器:UV220nm
キャリヤ:テトラヒドロフラン1mL/分
カラム温度:38℃
<油滴の粒子径>
前記各鋼板用アルカリ洗浄剤組成物をスライドグラス上に約0.03ml(パスツールピペットで1滴)落とし、光学顕微鏡(NIKON社製)を用い、拡大率200倍で写真を撮影した。写真中の油滴の中で、粒子径が最大の油滴の直径を物差しで測定し最大粒子径とした。最大粒子径は50μm未満であると保存安定性に優れるものである。なお、写真の視野に油滴が収まらない場合は、最大粒子径を「−」した。
【0066】
<状態>
前記各鋼板用アルカリ洗浄剤組成物を容量500mlの透明なポリプロピレンビンに入れ、室温(20℃〜25℃)で24時間保存し、各鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の外観を目視で観察した。洗浄剤組成物が水と油の層に分離した場合を「分離」、洗浄剤組成物中に泡が多く入り洗浄剤組成物の体積が目視で二割以上増加した場合を「泡」、油滴が合一して巨大化し、油滴の粒子径を測定する際に写真の視野に油滴が収まらない場合を「合一」とした。異常が見られなかった場合は○とした。
<電力量>
撹拌機のモーターのコンセントを検電器につなぎ測定した。検電器で表示される、実効電圧(V)×実効電流(A)×力率(P.F.)で電力量(kw/kg)を計算した。
【0067】
前記評価結果を表1及び2に示す。表中の数値は、洗浄剤中の各成分の含有量(質量%)、キレート%は(B)×100/{(B)+(F)}の含有量の質量比、(B)/(C)は(B)/(C)の含有量の質量比、(D)/(C)は(D)/(C)の含有量の質量比、(E)/(C)は(E)/(C)の含有量の質量比、を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
<第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物の調製>
実施例1の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物を、水で25倍に希釈して第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(1)を調製した。また、参考例1の組成を高剪断力(ホモミキサー:10000rpm)で油滴を小粒径化した鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(2)を調製した。そして、水で25倍に希釈して第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物を調製した。
【0071】
<鋼板洗浄試験>
(1)アルカリ洗浄剤
前記実施例1の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物から調製した第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(1)、及び前記参考例1の組成の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物から調製した第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(2)をそれぞれアルカリ洗浄剤として用いた。
【0072】
(2)被洗浄鋼板
被洗浄鋼板は全て以下の手順で調製した。即ち、パーム油を含有する合成エステル系圧延油で冷間圧延された厚さ0.4mmの鋼板を、25mm×50mmの大きさに切断したものを被洗浄鋼板とした。被洗浄鋼板の付着油分量は、160mg/m
2であった。
【0073】
(3)洗浄試験手順
洗浄試験は全て以下の手順で行った。即ち、各例の第2のアルカリ洗浄剤組成物(汚れなし洗浄液)中に、それぞれ設置した縦100mm×横50mmの大きさの電極板一対(電極間距離は20mm)から等距離かつ中心に被洗浄鋼板を1秒間浸漬し、その後続けて電流密度5A/dm
2で鋼板電位を負から正にそれぞれ0.5秒間ずつ一度切り替えて電解洗浄し、水でスプレーリンス(60℃の水をスプレー圧:0.2MPaで1秒間スプレー)し、更に60℃の水中に1秒間浸漬することによってリンスした後、温風乾燥した。なお、試験洗浄剤の温度は、70℃とした。
【0074】
洗浄試験後の鋼板表面に残存する付着油分を目視で観察した結果、前記実施例1の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物から調製した第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(1)を用いた場合と、前記参考例1の組成の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物から調製した第2の鋼板用アルカリ洗浄剤組成物(2)を用いた場合では、いずれも油分の洗浄性に優れており、両者の差はなかった。