特許第6430254号(P6430254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6430254固体照明装置の最大出力駆動電圧を制御するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430254
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】固体照明装置の最大出力駆動電圧を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-540576(P2014-540576)
(86)(22)【出願日】2012年8月30日
(65)【公表番号】特表2014-535146(P2014-535146A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】IB2012054467
(87)【国際公開番号】WO2013072784
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2015年8月26日
【審判番号】不服2017-9208(P2017-9208/J1)
【審判請求日】2017年6月23日
(31)【優先権主張番号】61/531,142
(32)【優先日】2011年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アチャルヤ カウスツバ
(72)【発明者】
【氏名】ハリシュ ゴパラ ピライ ラマン ナイル
(72)【発明者】
【氏名】チェン イミン
(72)【発明者】
【氏名】トリパティ アジャイ
【合議体】
【審判長】 和田 雄二
【審判官】 一ノ瀬 覚
【審判官】 中川 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−210836(JP,A)
【文献】 特開2005−285369(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0284690(US,A1)
【文献】 特開2011−36126(JP,A)
【文献】 特開2010−140675(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0297067(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/00 - 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体照明装置を駆動するためのプログラム可能ドライバであって、
前記固体照明装置を駆動するための所望の公称出力電流を示す公称電流設定と、前記ドライバが送り出すことができる最大パワーである所定のパワー限界に基づいて電圧基準信号を求める処理回路と、
前記電圧基準信号を受け取り、前記電圧基準信号によって示される基準電圧と前記固体照明装置の駆動電圧との差を求める電圧フィードバックループと、
前記電圧フィードバックループによって与えられる前記固体照明装置の前記駆動電圧と前記基準電圧との間の前記求められた差に少なくとも部分的に基づき、前記固体照明装置を駆動するための最大出力電圧を制限する電力段と
を含む、ドライバ。
【請求項2】
前記所定のパワー限界を前記公称電流設定で割ることで前記処理回路が前記電圧基準信号を求める、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記公称電流設定を調節できるようにする可変設定抵抗器更に含む、請求項に記載のドライバ。
【請求項4】
コントローラを使用して前記公称電流設定を調節できるようにするDALI(登録商標)コントローラ更に含む、請求項に記載のドライバ。
【請求項5】
前記処理回路から電流基準信号を受け取り、前記電流基準信号によって示される基準電流と前記固体照明装置の駆動電流との差を求める電流フィードバックループであって、前記基準電流と前記駆動電流との前記差が電流フィードバック信号内に含められる、電流フィードバックループ更に含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項6】
前記電力段が、前記電流フィードバック信号に少なくとも部分的に基づき、前記固体照明装置を駆動するための出力電圧を調節する、請求項に記載のドライバ。
【請求項7】
前記電流基準信号が、前記固体照明装置の所望の調光レベルを示す調光信号に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項に記載のドライバ。
【請求項8】
前記基準電圧と前記駆動電圧との前記差が電圧フィードバック信号内に含められ、前記電力段が、前記電圧フィードバック信号に少なくとも部分的に基づき、前記固体照明装置を駆動するための前記最大出力電圧を制限する、請求項に記載のドライバ。
【請求項9】
前記電流フィードバックループが、前記電流フィードバック信号を通過させる第1のダイオードを含み、前記電圧フィードバックループが、前記電圧フィードバック信号を通過させる第2のダイオードを含み、
前記電流フィードバック信号が前記電圧フィードバック信号よりも高いレベルを有する場合、前記電力段が、前記電流フィードバック信号に少なくとも部分的に基づき、前記固体照明装置を駆動するための前記出力電圧を調節し、
前記電圧フィードバック信号が前記電流フィードバック信号よりも高いレベルを有する場合、前記電力段が、前記電圧フィードバック信号に少なくとも部分的に基づき、前記固体照明装置を駆動するための前記最大出力電圧を制限する、
請求項に記載のドライバ。
【請求項10】
前記電力段が、
一次側及び二次側を有する変圧器と、
前記変圧器の前記一次側に接続される一次側回路であって、前記電圧フィードバックループによって与えられる前記固体照明装置の前記駆動電圧と前記基準電圧との間の前記求められた差に応じて一次側電圧を発生させる、一次側回路と、
前記変圧器の前記二次側に接続され、前記一次側電圧に応じて前記固体照明装置を駆動するための出力電流を与える二次側回路と
を含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項11】
プログラム可能ドライバを使用してLEDモジュールを駆動する方法であって、
前記プログラム可能ドライバによって与えられる前記LEDモジュールを駆動するための所望の公称電流を示す公称電流設定を決定するステップと、
前記プログラム可能ドライバが送り出すことができる最大パワーである所定のパワー限界を前記公称電流設定で割ることで電圧基準信号を求めるステップと、
前記電圧基準信号によって示される基準電圧と前記LEDモジュールに与えられる駆動電圧との差を求めるステップと、
前記基準電圧と前記LEDモジュールに与えられる前記駆動電圧との間の前記求められた差に少なくとも部分的に基づき、前記LEDモジュールの最大駆動電圧を調節するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記公称電流設定を決定するステップが、DALI(登録商標)から前記公称電流設定を受け取るステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記公称電流設定を決定するステップが、可変設定抵抗器を含む制御回路から所望の公称電流を受け取り、前記所望の公称電流に基づき前記公称電流設定を決定するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記公称電流設定及び調光レベル設定の少なくとも1つに基づき電流基準信号を求めるステップ更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記電流基準信号によって示される基準電流と前記LEDモジュールに与えられる駆動電流との差を示す電流フィードバック信号を生成するステップと、
前記基準電圧と前記LEDモジュールに与えられる前記駆動電圧との前記差を示す電圧フィードバック信号を生成するステップと、
最も高い電圧レベルを有する前記電流フィードバック信号及び前記電圧フィードバック信号の一方に基づき、フィードバック信号を生成するステップと、
前記駆動電流及び前記駆動電圧の少なくとも一方を調節するために、前記フィードバック信号をドライバ電力段に与えるステップと
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
LEDモジュールを駆動するためのプログラム可能ドライバであって、
前記LEDモジュールを駆動するための所望の公称出力電流を示す公称電流設定と、前記ドライバが送り出すことができる最大パワーである所定のパワー限界に基づいて電圧基準信号を求めるマイクロコントローラと、
前記電圧基準信号を受け取り、前記電圧基準信号によって示される基準電圧と前記LEDモジュールの駆動電圧との差を示す電圧フィードバック信号を求める出力電圧制御と、
前記電圧フィードバック信号に少なくとも部分的に基づき、前記LEDモジュールを駆動するための最大出力電圧を制限する電力段と
を含む、ドライバ。
【請求項17】
所望の公称電流を与える制御回路内の可変設定抵抗器であって、前記公称電流設定は前記所望の公称電流を示す、可変設定抵抗器更に含む、請求項16に記載のドライバ。
【請求項18】
前記公称電流設定を与えるDALI(登録商標更に含む、請求項16に記載のドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、一般に固体照明装置の制御を対象にする。より詳細には、本明細書に開示される様々な発明の方法及び機器は、固体照明モジュールを駆動するために最大出力電圧制御を実施することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] デジタル照明技術、即ち発光ダイオード(LED)などの半導体光源に基づく照明は、従来の蛍光灯、HID、及び白熱灯に対する実行可能な代替策を提供する。LEDの機能上の利点及び利益は、高エネルギ変換効率及び高光学効率、耐久性、より安価な運営費、及びその他多くのものを含む。LED技術における最近の進歩は、多くの応用例で多岐にわたる照明効果を使用可能にする効率的且つロバストなフルスペクトル照明源をもたらした。これらの光源を具体化する据付器具の一部は、例えば米国特許第6,016,038号及び同6,211,626号の中で詳細に論じられている、様々な色、例えば赤色、緑色、青色を作り出すことができる1つ又は複数のLED、並びに様々な色及び色が変化する照明効果を引き起こすためにLEDの出力を独立に制御するためのプロセッサを含む照明モジュールを特徴とする。
【0003】
[0003] 急速に進歩しているLED技術に対応するために、多岐にわたるLEDから所望の光出力を送り出すための適切な駆動電流及び駆動電圧を供給するように、LED駆動回路(「LEDドライバ」)が設計され設計し直されている。しかし、LEDドライバの設計は、様々な種類の市販のLEDドライバのことによると管理し難い数量増加につながる。従来のLEDドライバは、最大電圧を固定したままLEDドライブの出力電流を制御できるようにする、外部可変抵抗器などの制御手段を組み込む。この手法では、LEDドライバのフルパワー機能が完全には利用されない。
【0004】
[0004] 図1は、従来のドライバの出力電流及び出力電圧を示すグラフである。上記のように、従来のLEDドライバには固定された最大出力電圧限界があり、その電圧限界はLEDドライバの動作領域を決定する。例えば図1を参照し、動作領域110は第1の(530mA、150W)LEDドライバに対応し、動作領域120は第2の(700mA、150W)LEDドライバに対応し、各動作領域110、120は破線によって示されている。流される電流に関係なく、動作領域110は、280Vの一定の最大電圧設定を有し、動作領域120は210Vの最大電圧設定を有する。従って、例え、例えば第2のLEDドライバが下げられた公称電流(例えば700mAではなく530mA)で動作されても、最大電圧限界は相変わらず210Vであり、その結果、第2のLEDドライバはより少ないパワーを出力し、その完全な機能を利用することができない。より低い530mAの電流及び同じ150Wのパワーを出力するために、第2のLEDドライバの代わりに最大電圧が280Vに設定された第1のLEDドライバが設けられる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 従って、ドライバによる最大電圧出力が基準電流及び所定のパワー限界に応じて変更され得る、固体照明装置の駆動技法が当技術分野で求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 本開示は、所定のパワー限界を公称電流設定で割ることで求められる電圧基準信号を用いて、LEDドライバの最大出力電圧を調節するための発明の機器及び方法を対象とする。電圧基準信号を使用し、LEDドライバのフルパワー機能を利用しながら、様々なLEDモジュールに対応するようにLEDが構成され得る。
【0007】
[0007] 概して、一つの態様では、本発明は、処理回路、電圧フィードバックループ、及び電力段を含む固体照明装置を駆動するためのプログラム可能ドライバに関する。処理回路は、公称電流設定及び所定のパワー限界に基づいて電圧基準信号を求めるように構成されている。電圧フィードバックループは、電圧基準信号を受け取り、電圧基準信号によって示される基準電圧と固体照明装置の駆動電圧との差を求めるように構成されている。電力段は、電圧フィードバックループによって与えられる固体照明装置の駆動電圧と基準電圧との間の求められた差に少なくとも部分的に基づき、固体照明装置を駆動するための最大出力電圧を制限するように構成されている。
【0008】
[0008] 他の態様では、プログラム可能ドライバを使用して発光ダイオード(LED)モジュールを駆動する方法が提供される。当該方法は、プログラム可能ドライバによって与えられる所望の公称電流を示す公称電流設定を決定するステップと、プログラム可能ドライバの所定のパワー限界を公称電流設定で割ることで基準電圧信号を求めるステップと、基準電圧信号によって示される基準電圧とLEDモジュールに与えられる駆動電圧との差を求めるステップと、基準電圧とLEDモジュールに与えられる駆動電圧との間の求められた差に少なくとも部分的に基づき、LEDモジュールの最大駆動電圧を調節するステップとを含む。
【0009】
[0009] 更に他の態様では、本発明は、マイクロコントローラ、出力電圧制御部及び電力段を含む発光ダイオード(LED)モジュールを駆動するためのプログラム可能ドライバにフォーカスを当てている。マイクロコントローラは、公称電流設定及び所定のパワー限界に基づいて電圧基準信号を求めるように構成されている。出力電圧制御は、電圧基準信号を受け取り、電圧基準信号によって示される基準電圧とLEDモジュールの駆動電圧との差を示す電圧フィードバック信号を求めるように構成されている。電力段は、電圧制御信号に少なくとも部分的に基づき、LEDモジュールを駆動するための最大出力電圧を制限するように構成されている。
【0010】
[0010] 本開示の目的で本明細書において使用される場合、「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセンスダイオード、又は、電気信号に呼応して放射線を発生できる、その他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解すべきである。したがって、LEDとの用語は、次に限定されないが、電流に呼応して発光する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。特に、LEDとの用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル、及び(通常、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ又は複数における放射線を発生させることができるすべてのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDの幾つかの例としては、次に限定されないが、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、アンバー色LED、橙色LED、及び白色LED(以下に詳しく述べる)がある。また、LEDは、所与のスペクトルに対して様々な帯域幅(例えば半波高全幅値(FWHM:full widths at half maximum))、及び所与の一般的な色分類内で様々な支配的波長を有する放射線(例えば狭帯域幅、広帯域幅)を発生させるように構成及び/又は制御することができることを理解すべきである。
【0011】
[0011] 例えば本質的に白色光を生成するLED(例えば白色LED)の一実施態様は、それぞれ、組み合わされることで混合して本質的に白色光を形成する様々なスペクトルのエレクトロルミネセンスを放射する複数のダイを含む。別の実施態様では、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する蛍光体材料に関連付けられる。この実施態様の一例では、比較的短波長で狭帯域幅スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料を「ポンピング(pumps)」して、当該蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長放射線を放射する。
【0012】
[0012] なお、LEDとの用語は、LEDの物理的及び/又は電気的なパッケージタイプを限定しないことを理解すべきである。例えば、上述した通り、LEDは、(例えば個々に制御可能であるか又は制御不能である)異なるスペクトルの放射線をそれぞれ放射する複数のダイを有する単一の発光デバイスを指すこともある。また、LEDは、LED(例えばあるタイプの白色LED)の一体部分と見なされる蛍光体に関連付けられることもある。一般に、LEDとの用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、あるタイプのケーシング及び/又は光学的要素(例えば拡散レンズ)を含むLED等を指す。
【0013】
[0013] 「光源」との用語は、次に限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)、白熱光源(例えばフィラメント電灯、ハロゲン電灯)、蛍光光源、りん光性光源、高輝度放電光源(例えばナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ及びメタルハライドランプ)、レーザー、その他のタイプのエレクトロルミネセンス源、パイロルミネセンス源(例えば火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えばガスマントル光源、カーボンアーク放射光源)、フォトルミネセンス源(例えばガス状放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を使用する陰極発光源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源、結晶発光(crystallo-luminescent)源、キネルミネセンス(kine-luminescent)源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス(triboluminescent)源、音ルミネセンス(sonoluminescent)源、放射ルミネセンス(radioluminescent)源、及び発光ポリマー(luminescent polymers)を含む、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すと理解すべきである。
【0014】
[0014] 「コントローラ」という用語は、本明細書では概して1つ又は複数の光源の動作に関係する様々な機器を表現するために使われる。コントローラは、本明細書で論じられる様々な機能を実行するために多数の方法で実装され得る(例えば専用ハードウェアによってなど)。「プロセッサ」は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するためにソフトウェア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムされ得る1つ又は複数のマイクロプロセッサを用いるコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使って又は使わずに実装されても良く、何らかの機能を実行するための専用ハードウェアと他の機能を実行するためのプロセッサとの組合せ(例えば1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサと関連する回路)としても実装され得る。本開示の様々な実施形態で使用され得るコントローラ部品の例は、これだけに限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、及び書替え可能ゲートアレイ(FPGA:field−programmable gate array)を含む。
【0015】
[0015] 様々な実装形態において、プロセッサ又はコントローラは、1つ又は複数の記憶媒体(本明細書では一般に「メモリ」と呼ばれる、例えばRAM、PROM、EPROMやEEPROM、フロッピディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ)に関連しても良い。一部の実装形態では、1つ若しくは複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されるとき、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する1つ又は複数のプログラムによって記憶媒体が符号化されても良い。本明細書で論じられる本発明の様々な態様を実施するために、記憶媒体上に記憶された1つ又は複数のプログラムがプロセッサ又はコントローラ内にロードされ得るように、様々な記憶媒体がプロセッサ若しくはコントローラ内に固定されても良く、又は可搬式とすることができる。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書では、1つ又は複数のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために使用され得る任意の種類のコンピュータコード(例えばソフトウェアやマイクロコード)を指すために一般的な意味で使われる。
【0016】
[0016] 「アドレス指定可能」という用語は、本明細書では、それ自体を含む複数の装置に宛てられた情報(例えばデータ)を受信し、自らを対象とする特定の情報に選択的に応答するように構成される装置(例えば全般的な光源、照明ユニットや照明器具、1つ又は複数の光源若しくは照明ユニットに関連するコントローラやプロセッサ、他の照明に関係しない装置等)を指すために使われる。「アドレス指定可能」という用語は、複数の装置が何らかの通信媒体によって共に結合されるネットワーク化された環境(又は以下で更に論じられる「ネットワーク」)に関してしばしば使われる。
【0017】
[0017] 或るネットワークの実装形態では、ネットワークに結合される1つ又は複数の装置が、そのネットワークに結合される1つ又は複数の他の装置用のコントローラの役割を(例えばマスタ/スレーブの関係で)果たし得る。別の実装形態では、ネットワーク化された環境が、ネットワークに結合される装置の1つ又は複数を制御するように構成される1つ又は複数の専用コントローラを含み得る。慨して、ネットワークに結合される複数の装置は通信媒体上にあるデータにそれぞれアクセスすることができるが、例えば割り当てられる1つ又は複数の特定の識別子(例えば「アドレス」)に基づきネットワークと選択的にデータをやり取りする(即ちデータを送受信する)ように構成されるという点で、所与の装置を「アドレス指定可能」としても良い。
【0018】
[0018] 本明細書で使用するとき、「ネットワーク」という用語は、ネットワークに結合される2台以上の任意の装置間及び/又は複数の装置間の(例えば装置制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の搬送を助ける、2台以上の装置(コントローラやプロセッサを含む)の任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数の装置を相互接続するのに適したネットワークの様々な実装形態は、多岐にわたるネットワークトポロジの何れかを含むことができ、多岐にわたる通信プロトコルの何れを使用しても良い。更に、本開示による様々なネットワークでは、2台の装置間の任意の1つの接続が2つのシステム間の専用接続、又は非専用接続に相当し得る。2台の装置を対象とした情報を運ぶことに加え、かかる非専用接続は必ずしも2台の装置の何れも対象としない情報を運ぶこともある(例えばオープンネットワーク接続)。更に、本明細書で論じられる装置の様々なネットワークは、ネットワーク全体にわたる情報搬送を助ける1つ又は複数の無線、有線/ケーブル、及び/又は光ファイバリンクを用いても良いことが容易に理解されよう。
【0019】
[0019] ここで使用される"ユーザインターフェース"なる用語は、人のユーザ又は操作者と1以上の装置との間の斯かるユーザ及び装置間の通信を可能にするインターフェースを指す。本開示の種々の構成で使用することができるユーザインターフェースの例は、これらに限定されるものではないが、スイッチ、ポテンショメータ、ボタン、ダイヤル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、種々のタイプのゲームコントローラ(例えば、ジョイスティック)、トラックボール、表示スクリーン、種々のタイプのグラフィックユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイクロフォン及び何らかの形態の人が発生する刺激を受け、これに応答して信号を発生することができる他のタイプのセンサを含む。
【0020】
[0020] 上述の概念及び以下により詳細に説明される更なる概念の全ての組み合わせは(このような概念が相互に矛盾しないならば、)、本明細書において開示される発明の主観的事項の一部であると考えられることを理解されたい。特に、この開示の最後に示される特許請求の範囲の主観的事項の全ての組み合わせは、本明細書において開示される発明の主観的事項の一部であると考えられる。また、参照することにより組み込まれるいずれの開示にも表れ得る本明細書において明示的に使用される用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一貫性がある意味を与えられることも理解されたい。
【0021】
[0021] 図面では、同様の参照符号は、概して種々の図の全体にわたって同じ部品を指している。また、図面は必ずしも正確な縮尺で描かれてはおらず、代わりに、通常は本発明の原理を示す際に強調されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0022] 従来のドライバの出力電流及び出力電圧を示すグラフである。
図2】[0023] 代表的実施形態による、プログラム可能ドライバを示す単純化されたブロック図である。
図3】[0024] 代表的実施形態による、プログラム可能ドライバを用いて発光ダイオード(LED)モジュールを駆動するプロセスを示す流れ図である。
図4】[0025] 代表的実施形態による、プログラム可能ドライバの出力電流及び出力電圧を示すグラフである。
図5】[0026] 代表的実施形態による、固体照明システム用のプログラム可能ドライバを示す単純化されたブロック図である。
図6】[0027] 代表的実施形態による、固体照明システム用のプログラム可能ドライバを示す単純化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0028] 以下の詳細な説明では、本発明の教示の完全な理解を与えるために、具体的詳細を開示する代表的実施形態が限定ではなく説明目的で記載されている。但し、本明細書で開示される具体的詳細から逸脱する本教示による他の実施形態も添付の特許請求の範囲に含まれたままであることが本開示の利益を享受する当業者に明らかになる。更に、代表的実施形態の説明を不明瞭にしないために、良く知られている機器及び方法についての説明は省略される場合がある。かかる方法及び機器は、明らかに本教示の範囲に含まれる。
【0024】
[0029] LEDドライバによる最大駆動電圧出力を、LEDドライバの所定のパワー限界及び基準電流に応じて調節できる回路を提供することが有益であると出願人は認識し理解した。
【0025】
[0030] 従って、様々な実施形態によれば、幾つかの異なるLEDの負荷について、プログラム可能なLEDドライバが使用され得る。通常、最大出力電圧を調節することによりパワーが所定値に限定されることを確実にしながら、LEDドライバを所望の電流(基準電流)にプログラムするようにマイクロプロセッサが構成される。こうすることは、SKU(stock keeping unit)として利用可能である必要があるLEDドライバの種類数を減らすのに役立ち、LEDの効力及び電流能力が急速に進歩するのに伴い、LEDドライバを置換する必要なしにLEDを置換できるようにする。
【0026】
[0031] 図2は、代表的実施形態による、固体照明システムを駆動するためのプログラム可能ドライバを示す単純化されたブロック図である。
【0027】
[0032] 図2を参照し、プログラム可能ドライバ200は、代表的LEDモジュール260などの固体照明モジュールを駆動するための出力電圧を与える。プログラム可能ドライバ200は、制御回路210、処理回路230、電流フィードバックループ241、電圧フィードバックループ245、及びドライバ電力段220を含む。処理回路230は、ドライバ電力段220の動作のための基準電流及び基準電圧をそれぞれ示す、電流基準信号Iref及び電圧基準信号Vrefを生成するように構成される。電流基準信号Irefは、例えば以下で論じられるLEDモジュール260の所望の調光レベル及び公称電流設定に基づき、処理回路230によって計算されても良い。例えば処理回路230は、調光器において設定された調光レベルを示す調光制御信号を調光入力から受け取ることができる。
【0028】
[0033] 電圧基準信号Vrefは、公称電流設定Inom及びドライバ電力段220の所定のパワー限界Plimitに基づいて決定される。公称電流設定Inomは所望の公称電流を(調光レベルに関係なく)提供し、以下で論じられる制御回路210によって設定されても良い。パワー限界Plimitは、ドライバ電力段220が送り出すことができる最大出力パワーを示す。例えば、パワー限界Plimitは典型的には75W又は150Wだが、本教示の範囲から逸脱することなく、任意のパワー限界Plimitが採用され得る。一実施形態では電圧基準信号Vrefが、パワー限界Plimit及び公称電流設定Inomの商、即ちVref=Plimit/Inomとして計算される。従って電圧基準信号Vrefは、公称電流設定Inomによって示される所望の公称電流を考慮し、パワー限界Plimitによって制限される最大出力電圧に常に対応する。
【0029】
[0034] 様々な実施形態において、処理回路230は、例えばソフトウェア、ファームウェア、配線論理回路、若しくはその組合せを使用する、プロセッサ若しくは中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、又はその組合せを含む、コントローラ又はマイクロコントローラとして実装されても良い。プロセッサ又はCPUを使用する場合、処理回路230の動作を制御する実行可能ソフトウェア/ファームウェア、及び/又は実行可能コードを記憶するためのメモリ(不図示)が含められる。メモリは、任意の数、種類、及び組合せの不揮発性読取専用メモリ(ROM)及び揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)とすることができ、プロセッサ又はCPUによって実行可能なコンピュータプログラムやソフトウェアアルゴリズムなど、様々な種類の情報を記憶することができる。ディスクドライブ、電気的プログラム可能読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、CD、DVD、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブなど、メモリは任意の数、種類、及び組合せの有形コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0030】
[0035] 図2に示されている実施形態によれば、公称電流設定Inomは、制御回路210を用いて様々な手段によって手動で設定され得る。制御回路210は、第1の抵抗211に直列接続される可変設定抵抗器215を含み、設定抵抗器215及び第1の抵抗211は、ノードN1と接地との間のコンデンサ213と並列接続される。電源電圧VccとノードN1との間に第2の抵抗212が接続され、ノードN1は処理回路230への入力である。従って利用者は、設定抵抗器215の抵抗を単純に変えることにより所望の公称電流を調節することができる。制御回路210は、例えばDALI(登録商標)とすることができるインターフェイス218も含む。概して、インターフェイス218は、LEDモジュール260の光レベルを制御するように構成されるサーバ、パーソナルコンピュータ(PC)、他のコンピュータ処理装置など、外部コントローラ(不図示)に接続され得る。インターフェイス218は、所望の電流を具体的に明らかにするコマンドに応答し、電圧基準信号Vref及び電流基準信号Irefがそれに基づく、所望の公称電流設定を処理回路230に与える。
【0031】
[0036] 処理回路230は、電流基準信号Irefを生成し、出力電流制御244及びダイオード243を含む電流フィードバックループ241に出力する。電流基準信号Irefは、公称電流設定Inom及び所望の調光レベル(例えば1〜10Vの調光器又は電源調光方式若しくはDALI(登録商標)調光方式によって設定され得る)に基づいて計算される。出力電流制御244は、現在LEDモジュール260を駆動している駆動電流IDと電流基準信号Irefを比較し、もしあれば電流基準信号Irefと駆動電流IDとの差の関数である電流フィードバック信号IFSを出力する。処理回路230は、所定のパワー限界Plimit及び電流基準信号Irefに基づき電圧基準信号Vrefも生成し、出力電圧制御246及びダイオード247を含む電圧フィードバックループ245に出力する。出力電圧制御246は、現在LEDモジュール260を駆動している駆動電圧VDと電圧基準信号Vrefを比較し、もしあれば電圧基準信号Vrefと駆動電圧VDとの差を示す電圧フィードバック信号VFSを出力する。
【0032】
[0037] 電流フィードバック信号IFS及び電圧フィードバック信号VFSはどちらも、駆動電流I及び/又は駆動電圧Vを適宜調節するためのフィードバック信号FSとしてドライバ電力段220に与えられ得る。しかし図示の実施形態では、ドライバ電力段220へのフィードバック信号FSが、一度に電流フィードバック信号IFS及び電圧フィードバック信号VFSの一方しか含まない。とりわけ、ダイオード243及び247は、より高い電圧レベルを有する電流フィードバック信号IFS及び電圧フィードバック信号VFSの一方だけを、ドライバ電力段220へのフィードバック信号FS内に出力させる。このようにして、ドライバ電力段220は、電圧フィードバックループ245によって与えられる駆動電圧Vと電圧基準信号Vrefとの間の求められた差に少なくとも部分的に基づき、LEDモジュールを駆動するための最大出力電圧を制限することができる。
【0033】
[0038] 図3は、代表的実施形態による、プログラム可能ドライバを用いてLEDモジュールを駆動するプロセスを示す流れ図である。
【0034】
[0039] 図3を参照し、ブロックS311で、処理回路230(例えばマイクロプロセッサとして実装される)が公称電流設定Inomを決定する。公称電流設定Inomの決定は、例えば設定抵抗器215又はDALI(登録商標)回路とすることができるインターフェイス218を介して処理回路230に入力される所望の公称電流に基づき得る。電流基準信号Irefは、公称電流設定Inom、及び例えば調光器において設定された調光レベルを与える調光制御信号によって示されるLEDモジュールの調光状態に少なくとも部分的に基づいて計算され得る。次いでブロックS312で、処理回路230が、ドライバ電力段220の所定のパワー限界Plimit及び公称電流設定Inomに基づき電圧基準信号Vrefを求める。例えば電圧基準信号Vrefは、所定のパワー限界Plimitを公称電流設定Inomで割ることで求められ得る。それにより、電圧基準信号Vrefはドライバ電力段220の最大出力電圧を示す。
【0035】
[0040] ステップS313で、電圧基準信号Vrefが、出力電圧制御246を含む電圧フィードバックループに伝送される。ステップS314で、出力電圧制御246が、電圧基準信号Vrefとドライバ電力段220によりLEDモジュール260に出力される駆動電圧Vとの差を、その2つを比較することによって求める。次いでステップS315で、LEDモジュール260の電圧基準信号Vrefと駆動電圧Vとの間の求められた差に少なくとも部分的に基づき、LEDモジュール260の最大駆動電圧が調節される。
【0036】
[0041] 図4は、代表的実施形態による、プログラム可能ドライバの出力電流及び出力電圧を示すグラフである。より詳細には、図4は、プログラム可能ドライバ200などの150Wのプログラム可能ドライバの最大電圧が、プログラムされた出力電流に比例してどのように変えられるのかの一例を示す、動作領域410を図示する。例えば駆動電流Iが700mAに設定される場合、最大出力駆動電圧Vは215Vに制限される(≒150W/700mA)。対照的に、駆動電流Iが530mAに設定される場合、最大出力駆動電圧Vは280Vに制限される(≒150W/530mA)。このことは、同じプログラム可能ドライバ200が様々な種類のLEDの負荷について動作するようにプログラムされ得ることを確実にする。同様に、一連のLEDモジュールにおいて、異なる数のLEDのために異なるドライバを開発する必要性もなくす。更に、プログラム可能ドライバ200の動作領域410は、図1に関して上記で論じられた従来の第1の及び第2のLEDドライバの動作領域と比較して大きい。追加領域が、三角形の領域411によって示されている。
【0037】
[0042] 図5及び図6は、代表的実施形態による、固体照明システム用のプログラム可能ドライバを示す単純化されたブロック図である。図5及び図6に示されているプログラム可能ドライバは、様々な実施形態により固体照明装置を駆動するための最大出力電圧が制限され得るドライバの種類の例に過ぎないことが理解される。従って、開示される最大出力電圧制限技法は、本発明及びその教示の範囲と趣旨から逸脱することなく、他の種類の絶縁及び非絶縁ドライバにも適用され得る。
【0038】
[0043] 図5を参照し、プログラム可能ドライバ400が、LEDモジュール460として示されている固体照明モジュールの電源電圧に基づく調光を実施するように構成される。プログラム可能ドライバ400は、一次側回路410に接続される一次側と二次側回路440に接続される二次側とを有する絶縁変圧器420を含む、ドライバ電力段(図2に示されるドライバ電力段220など)を含む。例えば、変圧器420は高周波/高出力変圧器とすることができ、そのため絶縁は、LEDモジュール460が高輝度LEDモジュールとして実装される場合に実現され得る。一次側回路410は、電源電圧源401から電源電圧を受け取る。以下で詳細に説明されるように、一次側回路410は、電源電圧を受け取り、整流電源電圧Vを与えるための電圧整流器(図5には不図示)を含む。二次側回路440はLEDモジュール460に接続され、変圧器420の一次側電流Ipri及び誘導二次側電流Isecに基づき、調節可能な駆動電流IをLEDモジュール460に出力する。
【0039】
[0044] ドライバ400は、図2に関して上記で論じられた処理回路230とほぼ同じであり得る処理回路436を更に含む。処理回路436は、LEDモジュール460による光出力を制御するための調光制御信号を調光コントローラ455から受け取ることができる。以下で論じられるように、処理装置436はLEDモジュール460並びに他の調光コントローラ(不図示)からの信号も感知し、管理基準コマンド(supervisory reference command)をフィードバック回路435に与えるので、処理装置436は一次側回路410からの絶縁バリア425を横断して位置する。例えば図示の構成では、処理回路436は、設定調光レベルを示す調光制御信号を調光コントローラ455から受け取り、光レベル、温度等を含む1つ又は複数のLEDフィードバック信号をLEDモジュール460から受け取ることができる。電流基準信号Iref及び/又は電圧基準信号Vrefを含む基準信号が、少なくとも公称電流設定Inom、調光制御信号、及び/又はLEDフィードバック信号に応答して処理回路436によって生成されても良い。
【0040】
[0045] フィードバック回路435は、図2に関して上記で論じられた電流フィードバックループ241や電圧フィードバックループ245などの、電流フィードバックループ及び電圧フィードバックループを含むことができる。フィードバック回路435は、処理回路436から基準信号を受け取り、その基準信号を、駆動電流Iや駆動電圧Vなど、二次側回路440及び/又はLEDモジュール460から受け取られる対応する電気状態と比較する。フィードバック回路435は、比較の結果に基づきフィードバック信号FSを生成し、フィードバック信号FSを例えば絶縁器424を介し、絶縁バリア425を横断して一次側回路410に伝送する。絶縁器424は、絶縁バリア425にわたり電気的絶縁を維持しながら光信号を用いて情報(例えばフィードバック信号FS)がやり取りされることを可能にする、例えば光アイソレータとすることができる。従って、絶縁器424は、例えば低コストのバイレベル光アイソレータを使用して正確に実装され得る。絶縁バリア425を横断する結合は、本教示の範囲から逸脱することなく、変圧器などの他の種類の絶縁を使用して得られても良い。フィードバック信号FSは、上記の電流フィードバック信号IFS及び/又は電圧フィードバック信号VFSを含むことができる。例えば基準信号が電流基準信号Irefを含む場合、フィードバック回路435の出力電流制御(不図示)は電流基準信号IrefをLEDモジュール460に供給されている駆動電流Iと比較する。次いでフィードバック回路435は、電流基準信号Irefと駆動電流Iとの差をもしあれば示すフィードバック信号FSを生成する。
【0041】
[0046] フィードバック信号FSに応答し、一次側回路410は必要に応じて変圧器420の一次側に入力される一次側電圧Vpriを調節することができ、それを受けて変圧器420は、変圧器420の二次側により二次電圧Vsecを、それ故に二次回路440によりLEDモジュール460に出力される駆動電流Iを調節する。従って、駆動電流IがLEDモジュール460を駆動し、調光コントローラ455の設定に対応する光量をもたらす。一実施形態では、処理回路436が、絶縁器428を介して絶縁バリア425を横断して一次側回路410にパワー制御信号PCSを与えることもでき、パワー制御信号PCSは、図6に関して以下で論じられるように、一次側回路410及び二次側回路440への電力の供給を選択的に制御する。
【0042】
[0047] 図6は、代表的実施形態による、より詳細なプログラム可能ドライバを示す単純化されたブロック図である。
【0043】
[0048] 図6を参照し、プログラム可能ドライバ600は、説明のためのLEDモジュール660として示されている固体照明モジュールを駆動するために調光を実施し、最大出力電圧を制限するように構成される。プログラム可能ドライバ600は、一次側回路610に接続される一次側と二次側回路640に接続される二次側とを有する絶縁変圧器620を含む、ドライバ電力段(図2に示されるドライバ電力段220など)を含み、一次側と二次側とは絶縁バリア625によって隔てられる。一次側回路610は、電源電圧源601から電源電圧を受け取る。二次側回路640はLEDモジュール660に接続され、以下で論じられるように変圧器620の一次側電流Ipriに基づき、調節可能な駆動電流IをLEDモジュール660に出力する。ドライバ600は、図2の処理回路230に関して上記で論じられたのとほぼ同じであり得るマイクロプロセッサ636を更に含む。
【0044】
[0049] 一次側回路610は、電圧整流器611、ブースト力率補正(PFC)回路612、ブースト制御回路613、PWMハーフブリッジコンバータ614、及びPWMハーフブリッジ制御段615を含む。電圧整流器及びEMIフィルタ611が電源電圧源601から電源電圧を受け取り、整流電源電圧V(及び対応する整流電源電流I)を出力し、それによりAC電源電圧を整流正弦波形に変換する。以下で論じられるブーストPFC回路612によりDC定電圧を作り出すために整流が必要である。EMIフィルタは、ライン内に導入される高周波成分を制限する、インダクタ及びコンデンサ(不図示)のネットワークを含み得る。
【0045】
[0050] 整流電源電圧VはブーストPFC回路612に与えられ、ブーストPFC回路612は整流電源電圧Vの整流正弦波形を、ブースト電圧Vとして示される一定の調整DC電圧(及び対応する整流ブースト電流I)に変換する。更に、ブーストPFC回路612は、電圧整流器611から導かれ、ブーストPFC回路612に入力される整流電源電流Iが整流電源電圧Vと同相であることを確実にする。同相にすることは、ドライバ600が力率1の近くで動作することを確実にする。ブースト制御回路613は、ブーストPFC回路612内のブースト変換器のスイッチを適宜制御する。
【0046】
[0051] PWMハーフブリッジコンバータ614は、ブーストPFC回路612から受け取られるDCブースト電圧Vを、PWMハーフブリッジ制御段615の制御下で高周波脈動信号、一次側電圧Vpri(及び対応するパルス一次側電流Ipri)に変換する。一次側電圧Vpriは、例えばPWMハーフブリッジコンバータ614内のスイッチ(不図示)の動作によって設定されるパルス幅を有するPWM信号とすることができる。一次側電圧Vpriは、変圧器620の一次側(一次巻線)に印加される。PWMハーフブリッジ制御段615は、フィードバック信号FSに基づき、PWMハーフブリッジコンバータ614によって実施される一次側電圧Vpriのパルス幅を決定し、フィードバック信号FSは、以下で論じられるように、フィードバック回路645の出力電流制御644から受け取られる電流フィードバック信号IFS、及び出力電圧制御646から受け取られる電圧フィードバック信号VFSの少なくとも1つによって決定される。
【0047】
[0052] 二次側電圧Vsec(及び対応する二次側電流Isec)が、一次側電圧Vpriにより、変圧器620の二次側(二次巻線)に誘起される。LEDモジュール660を駆動するための所望の駆動電圧V及び対応する駆動電流Iを得るために、二次側電圧Vsecが二次側回路640に含まれる出力整流器/フィルタ回路642によって整流され、高周波フィルタされる。とりわけ駆動電流Iの大きさが、LEDモジュール660内の1つ又は複数のLEDの照明レベルを決定する。
【0048】
[0053] 図1の出力電流制御244及び出力電圧制御246に関して上記で論じられたように、出力電流制御644は、駆動電流Iをマイクロプロセッサ636によって出力される電流基準信号Irefと比較し、電流フィードバック信号IFSを求めるための電流差ΔIを取得し、出力電圧制御646は、駆動電圧Vを同じくマイクロプロセッサ636によって出力される電圧基準信号Vrefと比較し、電圧フィードバック信号VFSを求めるための電圧差ΔVを取得する。駆動補償器(不図示)が、電流フィードバック信号IFS及び電圧フィードバック信号VFSの少なくとも1つに基づきフィードバック信号FSを求める。上記のように、マイクロプロセッサ636が電流基準信号Iref及び電圧基準信号Vrefの値を求める。例えば電圧基準信号Vrefは、ドライバ600のパワー限界Plimit及び公称電流設定Inomの商として計算され得る。従って電圧基準信号Vrefは、公称電流設定Inomを考慮し、パワー限界Plimitによって制限される最大出力電圧に常に対応する。
【0049】
[0054] 出力電流制御644は、出力電流制御644により電流フィードバックループを飽和させる、ソフトスタート信号(短パルス)もマイクロプロセッサ636から受け取ることができる。ソフトスタート信号が低くなった後、出力LED電流内のフリッカを回避するために、マイクロプロセッサ636からの電流基準信号Irefが徐々に高められる。始動中、電流差ΔIが、電流基準信号Iref引く駆動電流I及びソフトスタート信号として求められても良く、電圧差ΔVが電圧基準信号Vref引く駆動電圧V及びソフトスタート信号として求められても良い。
【0050】
[0055] 上記のように、フィードバック信号FSは、出力電流制御644及び出力電圧制御646のそれぞれによって与えられる、電流フィードバック信号IFS及び電圧フィードバック信号VFSの少なくとも1つを示す。(電流フィードバック信号IFSを使用する)電流フィードバックループは、典型的にはより活性状態にあるが、必要に応じてフィードバック信号FSにより出力電流を減らして最大出力電圧を制限するために、(電圧フィードバック信号VFSを使用する)電圧フィードバックループが使用されても良い。図示の実施形態では、フィードバック信号FSが、第1の光アイソレータ624を介し、絶縁バリア625を横断してPWMハーフブリッジ制御段615に与えられる。従って、フィードバック信号FSは、フィードバック信号FSに基づいて一次側電圧Vpriのパルス幅を調節するようにPWMハーフブリッジコンバータ614を制御する。例えば、フィードバック信号FSによって示されるように駆動電流Iが電流基準信号Irefを上回る場合、PWMハーフブリッジ制御段615は、例えばそのパルス幅を減らすことにより一次側電圧Vpriを、それ故に一次電流Ipriも減らすようにPWMハーフブリッジコンバータ614を制御する。一次側電圧Vpriの変化は、二次電圧Vsec、並びにLEDモジュール660を駆動するためにドライバ600によって出力される駆動電圧V及び駆動電流Iの対応する変化に反映される。従って、PWMハーフブリッジ制御段615は、ドライバ600の駆動電圧V及び/又は駆動電流Iを一定の値に調整することができる。
【0051】
[0056] ブーストPFC回路612によって出力されるブースト電圧Vは、例えばバイパ電源などの降圧型DC/DCコンバータであり得る電源627にも与えられる。電源627は、ブースト電圧Vを18Vなどのより低い電圧に降圧させることができる。電源627の一次側は、調整電圧をスイッチ617の制御下で一次側回路610の様々な構成要素(例えば電圧整流器611、ブーストPFC回路612、ブースト制御回路613、PWMハーフブリッジコンバータ614、PWMハーフブリッジ制御段615)に選択的に与えるように構成される。スイッチ617の動作及びタイミング(オン/オフ)は、マイクロプロセッサ636によって出力され、第2の光アイソレータ628(第1の光アイソレータ624と同じでも異なっても良い)を介して絶縁バリア625を横断してスイッチ617によって受け取られるパワー制御信号PCSによって決定される。電源627の二次側は、二次側回路640の様々な構成要素(例えば出力整流器/フィルタ回路642)に調整電圧を与えるように構成される。一例示的構成では、電源627が2つの分離出力、つまり一次側に1つ、二次側に1つ有するフライバックコンバータであり得る。
【0052】
[0057] マイクロプロセッサ636は、調光制御インターフェイス655を介して調光入力654から調光信号を受け取るように構成され、調光信号は、例えば利用者によって設定される所望の調光レベル及び/又は制御回路(図2に示されている制御回路210など)による所望の公称電流設定Inomを示す。例えば、調光入力654は1Vから10Vの調光段階を与えることができ、1Vは最大限の調光(最も低い出力光レベル)を示し、10Vは最小限の調光又は調光なし(最も高い出力光レベル)を示す。マイクロプロセッサ636は、調光入力654を含む複数の調光レベル入力を受け取ることができ、それに応答して電流基準信号Iref及び/又は電圧基準信号Vrefを設定する。マイクロプロセッサ636は、最大出力電圧を制限するために、上記のようにパワー限界Plimit及び公称電流設定Inomに基づき電圧基準信号Vrefも求める。マイクロプロセッサ636は、例えば負温度係数(NTC)感知回路651及びRSET感知回路652を介し、LEDモジュール660からフィードバックも受け取る。NTC感知回路651はLEDモジュール660の温度を感知し、RSET感知回路652は、電流基準信号Irefを同じく設定する外部抵抗器の値を感知する。
【0053】
[0058] 更に、マイクロプロセッサ636はパワー制御信号PCSを生成し、パワー制御信号PCSは、一次側の供給、従ってLEDドライバ600をオン/オフするために使用される低レベルスイッチ信号である。例えばパワー制御信号PCSは、外部入力から待機コマンドが受け取られる場合に、LEDドライバ600をオフにするために使用され得る。パワー制御信号PCSは、上記のスイッチ617を動作させるために、第2の光アイソレータ628を介して絶縁バリア625を横断し、マイクロプロセッサ636により一次側回路610に送られる。
【0054】
[0059] 上記のプログラム可能固体照明システムドライバは、電源電圧信号に基づいて光出力を制御することが望ましい取り付け又は置換(retrofit)LEDの応用例に適用され得る。例えばこのドライバは、LEDモジュールが従来の磁気安定器に取って代わる応用に使用され得る。更にこのドライバは、様々なパワー限界で動作するLEDモジュールに使用されても良く、LEDモジュールを駆動するための最大出力電圧を適宜調節し、制限することができる。
【0055】
[0060] 本発明の幾つかの実施形態が本明細書に記載され解説されてきたが、本明細書に記載の機能を実行するための、本明細書に記載の結果及び/又は利点の1つ若しくは複数を得るための、多岐にわたる他の手段及び/又は構造を当業者なら容易に思い付き、かかる改変形態及び/又は修正形態のそれぞれは、本明細書に記載の本発明の実施形態の範囲に含まれると見なされる。より広くは、当業者は本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は本発明の教示が使用される具体的応用に依拠することを容易に理解する。当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を、日常的実験をせいぜい使用することで理解し又は確認することができる。従って、上記の実施形態は例として示されているに過ぎず、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、本発明の実施形態が、具体的に記載され請求されている以外の方法で実施されても良いことが理解されるべきである。本開示の発明に関する実施形態は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更に、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が互いに矛盾しない場合、2つ以上のかかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組合せが本開示の発明の範囲に含まれる。
【0056】
[0061] 本明細書で定められ使用される全ての定義は、辞書的定義、参照により援用される文献内の定義、及び/又は定義済み用語の通常の意味を抑制するように理解されるべきである。
【0057】
[0062] 本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、不定冠詞「a」及び「an」は別段の定めがない限り「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0058】
[0063] 本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、「及び/又は」という句は、そのように結合される要素の「何れか又は両方」、即ち場合によっては結合的に存在し、他の場合は分離的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」を用いて挙げられる複数の要素も同様に、即ちそのように結合される要素の「1つ又は複数」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって明確に明らかにされる要素以外の要素が、明確に明らかにされるそれらの要素に関係していようといまいと任意選択的にあっても良い。従って、非限定的な例として、「含む」などの非制限的言語と組み合わせて使用されるとき、「A及び/又はB」への言及は一実施形態ではAだけを指し(B以外の要素を任意選択的に含む)、別の実施形態ではBだけを指し(A以外の要素を任意選択的に含む)、更に別の実施形態ではAとBの両方(他の要素を任意選択的に含む)等を指すことができる。
【0059】
[0064] 別段の定めがない限り、複数のステップ又は行為を含む本明細書で主張される如何なる方法でも、方法のステップ又は行為の順序は、必ずしもこの方法のステップ又は行為が列挙される順序に限定されないことも理解されるべきである。
【0060】
[0065] 特許請求の範囲の中で登場する如何なる参照番号も便宜上示されるに過ぎず、決して添付の特許請求の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
【0061】
[0066] 特許請求の範囲並びに上記の本明細書の中で、「備える」、「含む」、「運ぶ」、「有する」、「収容する」、「伴う」、「保持する」、「から成る」などの全ての移行句は非制限的である、即ち〜を含むがそれだけに限定されないという意味であると理解されるべきである。「から成る」及び「から事実上成る」という移行句だけが制限的又は準制限的移行句のそれぞれであるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6-I】
図6-II】