特許第6430275号(P6430275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430275
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】灯具部品の連結構造
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/00 20180101AFI20181119BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20181119BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20181119BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20181119BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20181119BHJP
【FI】
   F21S45/00
   F21V17/10 200
   F21V19/00 413
   F21V19/00 414
   F21W102:10
   F21W103:35
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-21999(P2015-21999)
(22)【出願日】2015年2月6日
(65)【公開番号】特開2016-146245(P2016-146245A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2018年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
(72)【発明者】
【氏名】戸▲ざき▼ 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】菅沼田 晋也
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−331505(JP,A)
【文献】 特開2000−149641(JP,A)
【文献】 特開2004−071333(JP,A)
【文献】 実開昭64−046979(JP,U)
【文献】 実開平06−050118(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第1785316(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/00
F21V 17/10
F21V 19/00
F21W 102/10
F21W 103/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具部品として、第1部品と第2部品とが備えられ、該第1部品と該第2部品とが連結されている車両用灯具部品の連結構造において、
前記第1部品が、先端が撓み可能な自由端部として構成されていると共にその先端領域に取付け孔を有している取付け部を、備え、
前記第2部品が、前記取付け部の取付け孔に挿入される突起部と、該突起部が該取付け孔に挿入されているときに、該突起部よりも前記取付け部の基端側において該取付け部の対向領域に臨むように立設されるガイド部と、を備え、
前記ガイド部は、連結過程において、前記取付け孔に前記突起部が挿入されるよりも前に、該取付け部の先端が該ガイド部に当接することにより該取付け部を撓ませて、該取付け部の先端の向く方向を該突起部の軸線方向外方に向けるように設定されている、
ことを特徴とする車両用灯具部品の連結構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1部品の取付け部に、前記取付け孔の他に、前記ガイド部を挿入するためのガイド部用逃がし孔が形成され、
前記取付け部は、該取付け部に対する前記ガイド部の案内作用に基づき前記突起部の先端面領域に前記取付け孔が臨んだときに、該取付け部のガイド部用逃がし孔が該ガイド部の先端面領域に臨むように設定されている、
ことを特徴とする車両用灯具部品の連結構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1部品の取付け部は、前記取付け孔と前記ガイド部用逃がし孔との間に配置される屈曲中心部を中心として屈曲することにより、該取付け孔を有した状態の下で該取付け部の先端から該屈曲中心部まで伸びる第1部分と、該ガイド部用逃がし孔を有した状態の下で該屈曲中心部を中心として該第1部分に対して起き上がるようにして伸びる第2部分と、を備え、
前記ガイド部は、該ガイド部の先端部において、該ガイド部と前記突起部との並設方向において該突起部側に向うに従って、該ガイド部の先端外方に向うように傾斜される第1案内面と、該第1案内面から前記突起部側に向けて連続し該突起部側に向うに従って該ガイド部の基端側に向うように傾斜される第2案内面と、を備えている、
ことを特徴とする車両用灯具部品の連結構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1部分が、前記第2部分に連続する基礎部と、該基礎部に連続し前記取付け部の肉厚方向外面側において該第2部分に対してなす角度が該基礎部よりも大きくされた主部と、を備え、
前記主部に前記取付け孔が形成されている、
ことを特徴とする車両用灯具部品の連結構造。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記突起部が、その先端から基端に向うに従って拡径され、
前記ガイド部は、前記取付け孔に前記突起部が挿入されて該取付け孔に対する該突起部の進入が規制されるに至ったとき、該ガイド部の先端面が前記ガイド部用逃がし孔内に収まるように設定されている、
ことを特徴とする車両用灯具部品の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具部品の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
灯具部品の連結構造には、例えば特許文献1(図9)に示すように、第1部品における取付け部に取付け孔を設ける一方、第2部品に突起部を設け、第1部品の取付け孔に第2部品の突起部を挿入した上で、その突起部の特性を利用することによりその突起部を取付け孔に保持(特許文献1では熱変形を利用した熱かしめ)するものがある。このような連結構造は、その製造に当たり、第1部品と第2部品とを、第2部品における突起部の軸線方向において、必要距離だけ離れた位置に配置し、そこから、第1部品、第2部品のいずれか一方を他方に接近させることにより、その第1部品の取付け孔に第2部品の突起部を挿入させることが行われる。そしてその後、第2部品の突起部先端部に保持処理(特許文献1では熱変形に基づく熱かしめ)が施され、第1部品と第2部品とは連結される。
【0003】
ところで、第1部品の取付け部が、その第1部品の本体部から自由端部を構成する状態で伸びて撓み可能とされていると共にその先端側において取付け孔を有するものとされ、その第1部品の取付け孔に第2部品の突起部を挿入させるに当たり、第1部品の取付け部を第2部品の突起部の側方(突起部の基端から先端までの範囲)からしか該突起部に接近させることができない場合がある。
すなわち、製品としての灯具の構造等の理由により、第1部品の取付け部を、第2部品の突起部の先端からその軸線方向外方に必要距離離れて位置させて、そこから第1部品の取付け部をその突起部に向けて接近させること(通常の組付け)ができず、第1部品の取付け部を第2部品の突起部の側方からしか該突起部に接近させることができない場合がある。このような場合には、第1部品の取付け部の進行に伴い、その取付け部の先端が突起部の側部を押圧して、該突起部の先端側を取付け部の進行方向に徐々に撓ませることになる。これに伴い、取付け部(の取付け孔)が突起部の先端を乗り越えることになり、その際、その取付け部の取付け孔に突起部が挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−59642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のように、第1部品の取付け部を第2部品の突起部の側方から該突起部に接近させ、その取付け部の進行に伴い、その取付け部の先端により突起部の側部を押圧するようにした場合(突起部を撓ませるようにした場合)、その撓みが突起部の弾性限度を超えたときには、その突起部が折損するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、第1部品の取付け部を第2部品の突起部の側方からしか該突起部に接近させることができない場合であっても、突起部を折損させることなく、取付け部の取付け孔に突起部を的確に挿入できる灯具部品の連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
車両用灯具部品として、第1部品と第2部品とが備えられ、該第1部品と該第2部品とが連結されている車両用灯具部品の連結構造において、
前記第1部品が、先端が撓み可能な自由端部として構成されていると共にその先端領域に取付け孔を有している取付け部を、備え、
前記第2部品が、前記取付け部の取付け孔に挿入される突起部と、該突起部が該取付け孔に挿入されているときに、該突起部よりも前記取付け部の基端側において該取付け部の対向領域に臨むように立設されるガイド部と、を備え、
前記ガイド部は、連結過程において、前記取付け孔に前記突起部が挿入されるよりも前に、該取付け部の先端が該ガイド部に当接することにより該取付け部を撓ませて、該取付け部の先端の向く方向を該突起部の軸線方向外方に向けるように設定されている構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載の通りとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、ガイド部は、連結過程において、取付け孔に突起部が挿入されるよりも前に、取付け部の先端がガイド部に当接することにより取付け部を撓ませて、取付け部の先端の向く方向を突起部の軸線方向外方に向けるように設定されていることから、その第1部品の取付け部を第2部品の突起部の側方(突起部の基端から先端までの範囲)から該突起部に接近させた場合には、その取付け部の進行に伴い、その取付け部の取付け孔を突起部の軸線方向外方に至らせることができ、この後、取付け部の取付け孔を突起部に該突起部の軸線方向において接近させるだけで、その取付け部の取付け孔に突起部を簡単に挿入させることができる。これにより、当該車両用灯具部品の連結構造を用いることにより、第1部品の取付け部を第2部品の突起部の側方からしか該突起部に接近させることができない場合であっても、突起部を折損させることなく、取付け部の取付け孔に突起部を的確に挿入できる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、第1部品の取付け部に、取付け孔の他に、ガイド部を挿入するためのガイド部用逃がし孔が形成され、取付け部は、取付け部に対するガイド部の案内作用に基づき突起部の先端面領域に取付け孔が臨んだときに、取付け部のガイド部用逃がし孔がガイド部の先端面領域に臨むように設定されていることから、取付け部の進行に伴ってガイド部がガイド部用逃がし孔内に挿入されたときに、取付け部の取付け孔を突起部先端部に向けて移動させ、その取付け孔に突起部を入り込ませることができる。このため、第2部品にガイド部が設けられている場合であっても、取付け孔への突起部の挿入を円滑に行うことができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、第1部品の取付け部は、取付け孔とガイド部用逃がし孔との間に配置される屈曲中心部を中心として屈曲することにより、取付け孔を有した状態の下で該取付け部の先端から屈曲中心部まで伸びる第1部分と、ガイド部用逃がし孔を有した状態の下で屈曲中心部を中心として該第1部分に対して起き上がるようにして伸びる第2部分と、を備え、ガイド部は、ガイド部の先端部において、ガイド部と突起部との並設方向において突起部側に向うに従って、ガイド部の先端外方に向うように傾斜される第1案内面と、第1案内面から突起部側に向けて連続し突起部側に向うに従ってガイド部の基端側に向うように傾斜される第2案内面と、を備えていることから、取付け部の進行に伴い、取付け部の撓みに基づく反力により取付け部がガイド部先端部に押し付けられ、該取付け部の第1部分が第1案内面により案内され、その案内後引き続き、該取付け部の第2部分が第2案内面により案内されることになる。これにより、取付け部における第1部分に対する第1案内面による案内作用により、取付け部の取付け孔を突起部の先端外方に位置させることができ、それに引き続く、取付け部における第2部分に対する第2案内面による案内作用により、取付け部のガイド部用逃がし孔にガイド部を入り込ませ、これにより、取付け部の取付け孔に突起部を挿入させることができる。このため、取付け部の取付け孔を突起部の先端外方に位置させることからその取付け孔に突起部を挿入させるまでの一連の動きを、ガイド部を利用して確実に行うことができる。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、第1部分が、第2部分に連続する基礎部と、基礎部に連続し取付け部の肉厚方向外面側において第2部分に対してなす角度が基礎部よりも大きくされた主部と、を備え、主部に取付け孔が形成されていることから、主部に続いて基礎部が第1案内面により案内されることによって、主部を突起部の先端外方に一層、離間させることができ、取付け孔に対する突起部の挿入に際して、その挿入自由度を高めることができる。
【0012】
請求項5に係る発明によれば、突起部が、その先端から基端に向うに従って拡径され、ガイド部は、取付け孔に突起部が挿入されて取付け孔に対する突起部の進入が規制されるに至ったとき、ガイド部の先端面がガイド部用逃がし孔内に収まるように設定されていることから、取付け孔に対する突起部の挿入が完結したときには、ガイド部がガイド部用逃がし孔から外部に突出することがなくなる。このため、取付け孔に対する突起部の保持処理の容易化や見栄えの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る灯具部品としてのボディとベゼルとの連結構造を含む灯具の裏面側構造を示す図。
図2図1のX2−X2線拡大断面図。
図3】実施形態に係るボディとベゼルとの連結構造を示す図。
図4】ベゼルの取付け部とボディとの連結方法を説明する説明図。
図5図4の動作に続く動作を説明する説明図。
図6図5の動作に続く動作を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1において、符号1は、車両用灯具である。車両用灯具1は、第1部品としての樹脂製ベゼル2と、第2部品としての樹脂製ボディ3と、を備えており、そのベゼル2とボディ3とは、ボディ3の裏面側に対してベゼル2を複数の連結部位4で連結することにより一体化されている。
【0015】
前記複数の連結部位4のうちの2個所で、留め具5を用いることによりベゼル2とボディ3とが連結されている一方、その複数の連結部位4のうちの一つである連結部位4Aで、熱かしめを用いることによりベゼル2とボディ3とが連結されている。
前記連結部位4Aにおいては、図1に示すように、ベゼル2の裏面2a側おいて、取付け部6が備えられている。取付け部6は、帯状形状として形成されており、その基端がベゼル裏面2aに一体的に連結されている一方、その基端から先端側は、自由端部を構成するように伸ばされている。このため、取付け部6は、その先端側がその基端側を起点として撓み可能となっている。
【0016】
取付け部6は、図2図3に示すように、その先端から基端に向けて順に、第1部分7、第2部分8、第3部分9を備えている。第3部分9は、ベゼル裏面2aに突出した状態で一体化されており、この第3部分9により、第1、第2部分7、8はベゼル裏面2aから離間されている。
第2部分8は、第3部分9の突出端に連続して設けられている。第2部分8は、第3部分9の突出端からベゼル裏面2aに沿いつつ第1部分7に向って伸びており、その第2部分8には、ガイド部用逃がし孔10が形成されている。
第1部分7は、第2部分8に連続して設けられている。第1部分7は、その先端部がベゼル裏面2a及び第2部分8に対して起き上がった状態で傾斜しており、第1部分7と第2部分8との連結部分がその屈曲中心部11とされている。この第1部分7には、その先端部よりも基端側において取付け孔12が形成されており、その取付け孔12内周面のうち、第1部分7の伸び方向において対向する対向面部分は、第1部分7の肉厚方向内面側に向うに従って互いに近づくように傾斜されている。また、第1部分7の先端部には案内面13が形成されており、その案内面13は、丸みをもった曲面をもって、第1部分7の肉厚方向外面側(図2中、上側)に向うに従って先端に向うように傾斜されている。
【0017】
本実施形態においては、第1部分7は、基礎部14と、該基礎部14に連続する主部15と、から構成されている。基礎部14は、比較的短い長さをもって第2部分8に連続し、その基礎部14は、第2部分8に対して傾斜角度θ1をもって屈曲されている。主部15は、基礎部14よりも長い長さをもって伸びており、その主部15は、第2部分8に対して、前記傾斜角度θ1よりも大きいθ2をもって屈曲されている。
【0018】
前記連結部位4Aにおいては、図1図3に示すように、前記ボディ3の裏面3aに、突起部16と、ガイド部17とが一体的に立設されている。突起部16は、前記取付け部6の取付け孔12に挿入するものとして、ボディ裏面3aの周縁部よりも多少、内方に配置されている(図2参照)。この突起部16の突出量は、後述の熱かしめ(保持処理)前において、その熱かしめを考慮して、多少、長めに設定されており(図2中、仮想線参照)、その突起部16は、その先端から基端(ボディ裏面3a)に向うに従って次第に拡径されている。
【0019】
ガイド部17は、取付け部6を案内するものとして、前記突起部16よりもボディ裏面3aの周縁部側に配置されている。ガイド部17は、その突出量が加工(熱かしめ)前の突起部16よりも低くなっており、その径は、取付け部6の取付け孔12の径よりも大きくなっている。このガイド部17の先端部には、そのガイド部17と突起部16との並設方向(図3中、左右方向)において、ボディ裏面3aの周縁部側から内方側に向けて順に、第1案内面18、第2案内面19が連続的に形成されている。第1案内面18は、ガイド部17と突起部16との並設方向において突起部16側に向うに従って、ガイド部17の先端外方に向うように傾斜されている。第2案内面19は、第1案内面18から突起部16側に向うに従ってガイド部17の基端側(ボディ裏面3a)に向うように傾斜されており、ガイド部17と突起部16との並設方向に対する傾斜角度は、第2案内面19よりも第1案内面18の方が大きくなっている。
【0020】
前記連結部位4Aにおいては、図1図3に示すように、ボディ裏面3aの突起部16、ガイド部17が取付け部6の取付け孔12、ガイド部用逃がし孔10にそれぞれ挿入されている。
突起部16については、取付け孔12を貫通して外部に突出する突出部分16aに熱が加えられて、熱かしめが行われた状態となっている。このため、熱かしめ後においては、突起部16の先端部には、突出部分16aの熱変形により、取付け孔12周縁部(第1部分7)に着座される頭部16bが形成されている。このとき、突起部16が、その先端から基端に向うに従って拡径されていることに基づき、取付け孔12に挿入された突起部16の進入が規制された状態となっている。
ガイド部17については、ガイド部用逃がし孔10に挿入されているものの、取付け孔12に挿入された突起部16の進入が規制された状態においては、ガイド部17の先端面はガイド部用逃がし孔10内に収まることになっている。これにより、ガイド部17がガイド部用逃がし孔10から外部に突出することがなくなり、取付け孔12に対する突起部16の熱かしめの容易化や見栄えの向上が図られることになる。
【0021】
このような連結部位4Aにおいては、製品としての灯具の構造等の理由により、ベゼル2の取付け部6を、ボディ3の突起部16の先端からその軸線方向外方に必要距離離れて位置させて、そこからベゼル2の取付け部6をその突起部16に向けて接近させること(通常の組付け)ができないため(図2参照)、図2に示すように、ベゼル2の取付け部6をボディ3の突起部16の側方からしか該突起部16に接近させることができない。このため、取付け部6を突起部16の側方から該突起部16に向けて接近させて、その突起部16を取付け部6の取付け孔12に挿入するに当たり、次のような組み付けが行われる。
【0022】
ベゼル2の取付け部6を、ガイド部17と突起部16との並設方向において、そのガイド部17側から、その取付け孔12をボディ裏面3aに臨ませつつ突起部16に向けて接近動させると、図4に示すように、先ず、取付け部6の先端部(案内面13)がガイド部17の第1案内面18に当接し、その取付け部6の進行に伴い、取付け部6は、その基端側を中心として、第1案内面18により撓められる。この取付け部6の撓みに基づく反発力により、取付け部6の第1部分7が第1案内面18に押し付けられることになり、その取付け部6の先端部の向く方向が突起部16の先端外方に向くよう案内される。そして、取付け部6のさらなる進行に伴い、取付け部6の取付け孔12は、第1案内面18に案内されて、突起部16の先端面外方に近づく(図4中、仮想矢印線参照)。
【0023】
この場合、本実施形態においては、第1部分7が主部15と基礎部14とを段差をもつようにして備えていることから、主部15に続いて基礎部14が第1案内面18により案内されることによって、主部15が突起部16の先端外方側に一気に離間される。
【0024】
取付け部6の進行に伴い、取付け部6の屈曲中心部11が第1案内面18を超えて第2案内面19に至ると、図5に示すように、以後、取付け部6のうちの第2部分8が、取付け部6の撓みに基づく反力により第2案内面19に当接し、その第2案内面19により第2部分8が案内される。これにより、取付け部6が、その進行に伴い、突起部16に近づくことになり、第1部分7(主部15)の取付け孔12は、突起部16の先端面領域に臨む方向に移動する。
【0025】
取付け部6の進行に伴い、その第2部分8におけるガイド部用逃がし孔10がガイド部17先端面領域に臨むと、図6に示すように、取付け部6の撓みに基づく反力により、ガイド部17がガイド部用逃がし孔10内に入り込むことになり、これに伴い、そのとき、突起部16の先端面領域に臨むことになっている取付け孔12に、突起部16が入り込むことになる。
【0026】
突起部16が取付け部6の取付け孔12に入り込むと、図2図3に示すように、突起部16先端部のうち、取付け孔12から突出する突出部分16aに熱が加えられてその部分16aが変形され(熱かしめ)、取付け部6の肉厚方向外面側において、取付け孔12の周縁部に、取付け孔12の径よりも大きい頭部16bが着座される。これにより、連結部位4Aでの連結作業が終了したことになる。
【0027】
このとき、突起部16が、その先端から基端に向うに従って拡径されていることから、取付け孔12に突起部16が挿入されても、取付け孔12に対する突起部16の進入は所定進入状態で規制される。そして、その所定進入状態に至ったときには、ガイド部用逃がし孔10へのガイド部17の進入も規制され、ガイド部17は、ガイド部用逃がし孔10内に入り込むものの、その先端面はガイド部用逃がし孔10内に収まる。
【0028】
連結部位4Aでの連結が完了すると、他の連結部位4において、留め具5を用いて連結が行われ、これにより、ベゼル2とボディ3との連結が完了したことになる(図1参照)。
【0029】
以上実施形態について説明したが、本発明にあっては次の態様を包含する。
(1)突起部16の先端部に予め係止片を設け、取付け孔12に突起部16を挿入したとき、その係止片が取付け孔12周縁部に係止されるものに本発明を適用してもよいこと。
(2)取付け部6の取付け孔12に対する突起部16の所定位置からの進入規制を、ボディ裏面3aにおける図示を略す構成部分(例えばリブ等)により、単独、又は突起部16の形状(先端から基端に向うに従って拡径されている形状)と共に複合的に行うこと。
この場合、取付け孔12に対する突起部16の所定位置からの進入規制を、ボディ裏面3aにおける構成部分(例えばリブ等)にだけ行わせるときには、その突起部16の進入時に、突起部16の形状(先端から基端に向うに従って拡径されている形状)に、少なくとも、取付け部6がガイド部17と突起部16の並設方向に移動することを規制する役割をもたせてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 車両用灯具1
2 ベゼル(第1部品)
3 ボディ(第2部品)
7 第1部分
8 第2部分
10 ガイド部用逃がし孔
11 屈曲中心部
12 取付け孔
14 基礎部
15 主部
16 突起部
17 ガイド部
18 第1案内面
19 第2案内面
図1
図2
図3
図4
図5
図6