【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1,
図3に例示するように、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)で液体燃料(5)がガス生成用燃料供給通路(12)を介して可燃性ガス生成器(3)に供給され、可燃性ガス生成器(3)により液体燃料(5)から可燃性ガス(6)が生成され、可燃性ガス(6)がエンジン排気(31)に混入され、可燃性ガス(6)の燃焼熱でエンジン排気(31)が昇温され、エンジン排気(31)の熱によりDPF(4)に堆積されたPMが焼却除去される排気処理装置を備えた、ディーゼルエンジンにおいて、
図1,
図3に例示するように、燃料タンク(1)の液体燃料(5)が燃料供給ポンプ(8)により燃料供給通路(8a)を介して燃料噴射ポンプ(9)に供給され、液体燃料(5)が燃料噴射ポンプ(9)により燃料噴射管(9a)を介して燃料噴射弁(10)から噴射され、燃料噴射ポンプ(9)と燃料噴射弁(10)からオーバーフローした液体燃料(5)が燃料還流通路(11)を介して燃料タンク(1)に還流される燃料噴射装置を備え、
図1,
図3に例示するように、燃料供給通路(8a)と燃料還流通路(11)で構成された燃料循環通路(7)が入熱通路(13)を備え、ガス生成用燃料供給通路(12)は燃料循環通路(7)から導出され、エンジンで発生した熱が入熱通路(13)を介して液体燃料(5)に入熱され、入熱された液体燃料(5)が燃料循環通路(7)からガス生成用燃料供給通路(12)を介してガス生成用燃料供給ポンプ(2)に供給されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【発明の効果】
【0007】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 ガス生成用燃料供給ポンプの燃料供給精度を高めることができる。
図1,
図3に例示するように、燃料供給通路(8a)と燃料還流通路(11)で構成された燃料循環通路(7)が入熱通路(13)を備え、ガス生成用燃料供給通路(12)は燃料循環通路(7)から導出され、エンジンで発生した熱が入熱通路(13)を介して液体燃料(5)に入熱され、入熱された液体燃料(5)が燃料循環通路(7)からガス生成用燃料供給通路(12)を介してガス生成用燃料供給ポンプ(2)に供給されるように構成されているので、寒冷時でも、ガス生成用燃料供給通路(12)に供給される液体燃料(5)は、燃料噴射ポンプ(9)や燃料噴射弁(10)を介してシリンダブロック(18)やシリンダヘッド(19)の熱で加温されるとともに、入熱通路(13)を介してエンジンで発生した熱により加温され、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)での液体燃料(5)の高粘度化やワキシングが防止され、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)から可燃性ガス生成器(3)への燃料供給量が変動する不具合が防止され、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の燃料供給精度を高めることができる。
【0008】
《効果》 液体燃料の加温に新たな熱源を必要としない。
エンジンで発生した熱が入熱通路(13)を介して液体燃料(5)に入熱されるので、液体燃料(5)の加温に新たな熱源を必要としない。
【0009】
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 簡易な配管で液体燃料の加温を行うことができる。
図1,
図2(A),
図3に例示するように、入熱通路(13)としてヘッド内入熱通路(13a)が用いられるので、簡易な配管で液体燃料(5)の加温を行うことができる。
【0010】
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 簡易な熱媒体通路の形成で液体燃料の加温を行うことができる。
図2(B)(C)に例示するように、エンジンで発生した熱が熱媒体通路(14)を通過する熱媒体(15)を介して熱媒体入熱通路(13b)で液体燃料(5)に入熱されるように構成されているので、簡易な熱媒体通路(14)の形成で液体燃料(5)の加温を行うことができる。
【0011】
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 液体燃料の加温を効率的に行なうことができる。
熱媒体(15)はエンジン冷却水とエンジン排気とブローバイガスのいずれかであるため、液体燃料(5)の加温を効率的に行なうことができる。
【0012】
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ガス生成用燃料供給ポンプをコンパクト化することができる。
図1に例示するように、ガス生成用燃料供給通路(12)は、燃料供給ポンプ(8)よりも燃料供給方向下流で、燃料供給通路(8a)から導出されているので、燃料供給ポンプ(8)からガス生成用燃料供給ポンプ(2)への強い圧送力により、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の吸い込み力を省力化することができ、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)をコンパクト化することができる。
【0013】
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ガス生成用燃料供給ポンプの燃料供給精度を高めることができる。
図3に例示するように、ガス生成用燃料供給通路(12)は、燃料噴射ポンプ(9)と燃料噴射弁(10)と入熱通路(13)よりも燃料還流方向下流で、燃料還流通路(11)から導出されているので、燃料噴射ポンプ(9)や燃料噴射弁(10)や入熱通路(13)で加温された後、燃料タンク(1)に還流する前の高温の液体燃料(5)をガス生成用燃料供給ポンプ(2)に供給することができ、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の液体燃料(5)の高粘度化やワキシングが防止され、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)から可燃性ガス生成器(3)への燃料供給量が変動する不具合が防止される。
また、燃料圧送ポンプ(8)や燃料噴射ポンプ(9)による液体燃料(5)の脈動圧は燃料還流通路(11)と燃料噴射弁(10)とガス生成用燃料供給通路(12)で減衰されるので、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)が燃料供給ポンプ(8)や燃料噴射ポンプ(9)による液体燃料(5)の脈動圧の影響を受け難く、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)から可燃性ガス生成器(3)への燃料供給量が変動する不具合が防止される。
これらの理由により、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の燃料供給精度を高めることができる。
【0014】
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ガス生成用燃料供給ポンプの燃料供給精度を高めることができる。
図3に例示するように、ガス生成用燃料供給通路(12)は下突形状部分(12a)を備え、下突形状部分(12a)は、燃料循環通路(7)から下向きに導出された後、上向きに反転された下突形状とされ、下突形状部分(12a)よりも燃料供給方向下流にガス生成用燃料供給ポンプ(2)が配置されているので、下突形状部分(12a)で燃料循環通路(7)内の空気がガス生成用燃料供給通路(12)に流入し難く、ガス生成用燃料供給通路(12)の空気溜まりでガス生成用燃料供給ポンプ(2)から可燃性ガス生成器(3)への燃料供給量が変動する不具合が防止され、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の燃料供給精度を高めることができる。
【0015】
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項7のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 寒冷地でガス生成用燃料供給通路を液体燃料のワキシングや凍結で詰らせてしまう不具合を防止することができる。
図1,
図3に例示するように、ガス生成用燃料供給通路(12)は燃料ドレイン装置(16)を備えているので、ガス生成用燃料供給通路(12)に溜まる液体燃料(5)を燃料ドレイン装置(16)で排出することができ、エンジンを寒冷地仕様として出荷する場合、排気処理装置の出荷前試験で用いた通常温度仕様の液体燃料をガス生成用燃料供給通路(12)に残留させてしまう不備が防止され、寒冷地でガス生成用燃料供給通路(12)を液体燃料(5)のワキシングや凍結で詰らせてしまう不具合を防止することができる。
【0016】
(請求項9に係る発明)
請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 ガス生成用燃料供給ポンプの燃料供給精度を高めることができる。
図1,
図3に例示するように、ガス生成用燃料供給通路(12)はガス生成用燃料供給ポンプ(2)の燃料入口(2a)に接続されたエア抜き装置(17)を備えているので、エア抜き装置(17)でエア抜きを行いながら、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の燃料入口(2a)までガス生成用燃料供給通路(12)に液体燃料(5)を満たすことができ、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)への空気の進入で、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)から可燃性ガス生成器(3)への燃料供給量が変動する不具合が防止され、ガス生成用燃料供給ポンプ(2)の燃料供給精度を高めることができる。