特許第6430387号(P6430387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6430387外科用器具のための可撓性高調波導波管/ブレード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430387
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】外科用器具のための可撓性高調波導波管/ブレード
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20181119BHJP
【FI】
   A61B17/32 510
【請求項の数】22
【全頁数】72
(21)【出願番号】特願2015-537734(P2015-537734)
(86)(22)【出願日】2013年10月9日
(65)【公表番号】特表2016-500536(P2016-500536A)
(43)【公表日】2016年1月14日
(86)【国際出願番号】US2013064036
(87)【国際公開番号】WO2014066044
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年10月7日
(31)【優先権主張番号】13/657,553
(32)【優先日】2012年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】オルソン・ウィリアム・エイ
(72)【発明者】
【氏名】プライス・ダニエル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー・ケビン・エル
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】シュテューレン・フォスター・ビー
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05897523(US,A)
【文献】 特表2009−523559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節動作する超音波外科用器具であって、
関節動作可能な高調波導波管であって、前記関節動作可能な高調波導波管は、
近位端及び遠位端を含む第1の駆動部であって、前記近位端が超音波変換器に接続するように構成される、第1の駆動部と、
前記第1の駆動部の前記遠位端に連結される第1の可撓性導波管と、
前記第1の可撓性導波管から遠位に延びるエンドエフェクタと、を含む、関節動作可能な高調波導波管と、
前記第1の可撓性導波管を屈曲させるための関節アクチュエータと、
前記第1の可撓性導波管が所定の条件を超えるのを防止するように構成される限器と、を含み、
前記所定の条件は、局所的曲率半径を含み、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超えたときに、前記関節動作可能な高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する、関節動作する超音波外科用器具。
【請求項2】
前記第1の駆動部の前記遠位端及び前記第1の可撓性導波管の近位端は、腹に位置し、
前記第1の可撓性導波管の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端は、腹に位置する、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項3】
前記第1の駆動部の前記遠位端及び前記第1の可撓性導波管の近位端は、節に位置し、
前記第1の可撓性導波管の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端は、節に位置する、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項4】
前記第1の可撓性導波管の中心は、腹に位置する、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項5】
前記第1の可撓性導波管は、円形ロッドを含む、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項6】
前記第1の可撓性導波管は、金属リボンを含む、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項7】
前記金属リボンに形成される少なくとも1つのスロットを含む、請求項6に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項8】
前記関節動作可能な高調波導波管の縦軸に沿って前記第1の可撓性導波管の遠位端に連結される第2の駆動部と、
前記第2の駆動部の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端に連結される第2の可撓性導波管と、を含む、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項9】
近位端及び遠位端を含むパッド尖叉と、
前記パッド尖叉の前記遠位端に位置する外科パッドと、を含み、
前記パッド尖叉は、第1の尖叉曲率及び第2の尖叉曲率を有し、前記第1の尖叉曲率は、前記第1の可撓性導波管の曲率に等しく、前記第2の尖叉曲率は、前記第2の可撓性導波管の曲率に等しい、請求項8に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項10】
前記関節アクチュエータは、
前記第1の可撓性導波管の遠位端に位置する第1のフランジと、
前記第1の可撓性導波管の近位端に位置する第2のフランジと、
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジを連結する少なくとも1つの制御部材と、を含む、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項11】
前記少なくとも1つの制御部材は、前記第1のフランジから近位に延び、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジに接続される少なくとも1つのケーブルを含み、前記少なくとも1つのケーブルに対して近位方向に張力をかけることによって、前記第1の可撓性導波管を屈曲させる、請求項10に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項12】
前記所的曲率半径は、以下のように制限され、
【数1】
ここで、rは前記関節動作する超音波外科用器具の半径であり、Rは局所的曲率半径である、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項13】
前記所的曲率半径は、以下のように制限され、
【数2】
ここで、Rは局所的曲率半径であり、cは前記第1の可撓性導波管を構成する材料のバー音速であり、fは前記関節動作可能な高調波導波管に供給される駆動周波数である、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項14】
前記限器は、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超える場合に、前記関節動作可能な高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する電気ストローク制限器を含む、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項15】
前記限器は、1つ又は複数の目盛を含む視界窓を含み、前記視界窓は、前記所定の条件に関する現在の局所的曲率半径の視覚的指示を提供する、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項16】
前記限器は、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超える場合に、制御信号を生成するように構成される共振周波数シフト追跡器を含み、前記制御信号は、前記関節動作可能な高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項17】
前記関節動作可能な高調波導波管の上に配置される可撓性シースと、
前記関節動作可能な高調波導波管に枢動可能に連結されるクランプアームと、を含み、
前記関節アクチュエータは、
第1の可撓性条片と、
第2の可撓性条片と、
第1の側面及び第2の側面を含む関節部材と、を含み、前記第1及び第2の可撓性条片は、前記関節部材の前記第1及び第2の側面にそれぞれ連結され、前記第1及び第2の可撓性条片は、前記クランプアームを枢動させるために、近位方向及び遠位方向に並進可能であり、前記関節部材は、前記可撓性シースを関節動作させるために、中心点の周りに回転可能である、請求項1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項18】
屈曲バイアスを提供するように構成される1つ又は複数の屈曲特徴を含む、請求項17に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【請求項19】
外科用器具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルに位置する超音波変換器と、
前記超音波変換器に連結される関節動作可能な高調波導波管であって、前記関節動作可能な高調波導波管は、
近位端及び遠位端を含む第1の駆動部であって、前記近位端が前記超音波変換器に接続するように構成される、第1の駆動部と、
前記第1の駆動部の前記遠位端に連結される第1の可撓性導波管と、
前記第1の可撓性導波管から遠位に延びるエンドエフェクタと、を含む、関節動作可能な高調波導波管と、
前記第1の可撓性導波管を屈曲させるための関節アクチュエータと、
前記第1の可撓性導波管が所定の条件を超えるのを防止するように構成される限器と、を含み、
前記所定の条件は、局所的曲率半径を含み、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超えたときに、前記関節動作可能な高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する、外科用器具。
【請求項20】
前記第1の駆動部の前記遠位端及び前記第1の可撓性導波管の近位端は、腹に位置し、
前記第1の可撓性導波管の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端は、腹に位置する、請求項19に記載の外科用器具。
【請求項21】
前記第1の可撓性導波管の中心は、腹に位置する、請求項19に記載の外科用器具。
【請求項22】
ロボット外科用器具であって、
ロボット外科用システムに取り付けられるように構成される器具取付部分であって、前記器具取付部分は前記ロボット外科用システムとの使用に適合される前記ロボット外科用器具と機械的及び電気的にインターフェースをとるためのインターフェースを含む、器具取付部分と、
前記器具取付部分に位置する超音波変換器と、
前記超音波変換器に連結される関節動作可能な高調波導波管であって、前記関節動作可能な高調波導波管は、
近位端及び遠位端を含む第1の駆動部であって、前記近位端が前記超音波変換器に接続するように構成される、第1の駆動部と、
前記第1の駆動部の前記遠位端に連結される第1の可撓性導波管と、
前記第1の可撓性導波管から遠位に延びるエンドエフェクタと、を含む、関節動作可能な高調波導波管と、
前記第1の可撓性導波管を屈曲させるための関節アクチュエータと、
前記第1の可撓性導波管が所定の条件を超えるのを防止するように構成される限器と、を含み、
前記所定の条件は、局所的曲率半径を含み、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超えたときに、前記関節動作可能な高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する、ロボット外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同時に出願された以下の米国特許出願に関連するものであり、これらの出願の全容を参照により本明細書に援用するものである。
米国特許出願第_______号、表題「Surgeon Feedback Sensing and Display Methods」、代理人整理番号第END7046USNP/110391号。
【0002】
本出願は、以前出願された以下の米国特許出願に関連するものであり、これらの出願の全容を参照により本明細書に援用するものである。
米国特許出願第13/539,096号、表題「Haptic Feedback Devices for Surgical Robot」、代理人整理番号第END7042USNP/110388号、
米国特許出願第13/539,110号、表題「Lockout Mechanism for Use with Robotic Electrosurgical Device」、代理人整理番号第END7043USNP/110389号、
米国特許出願第13/539,117号、表題「Closed Feedback Control for Electrosurgical Device」、代理人整理番号第END7044USNP/110390号、
米国特許出願第13/538,588号、表題「Surgical Instruments with Articulating Shafts」、代理人整理番号第END6423USNP/110392号、
米国特許出願第13/538,601号、表題「Ultrasonic Surgical Instruments with Distally Positioned Transducers」、代理人整理番号第END6819USNP/110393号、
米国特許出願第13/538,700号、表題「Surgical Instruments with Articulating Shafts」、代理人整理番号第END7047USNP/110394号、
米国特許出願番号第13/538,711号、表題「Ultrasonic Surgical Instruments with Distally Positioned Jaw Assemblies」、代理人整理番号第END7048USNP/110395号、
米国特許出願第13/538,720号、表題「Surgical Instruments with Articulating Shafts」、代理人整理番号第END7049USNP/110396号、並びに、
米国特許出願番号第13/538,733号、表題「Ultrasonic Surgical Instruments with Control Mechanisms」、代理人整理番号第END7050USNP/110397号。
【背景技術】
【0003】
様々な実施形態は、様々な関節動作可能な高調波導波管を含む外科用装置を対象とする。
【0004】
超音波メスなどの超音波外科用装置は、これら固有の性能特性のために、外科手術において多くの用途で用いられている。特定の装置構成及び動作パラメータにより、超音波外科用装置は組織の実質的に同時の横切及び凝固によるホメオスタシスを提供することができ、望ましくは患者の外傷を最小化する。超音波外科用装置は、近位に配置される超音波変換器と、超音波変換器に連結された、組織を切断及び封止するための超音波ブレードを備える、遠位に取り付けられたエンドエフェクタを有する器具とを備える。エンドエフェクタは通常、シャフトを介してハンドル及び/又はロボット外科道具のいずれかに連結されている。ブレードはシャフトを通って延びる導波管を介して、変換器と音響的に連結している。この性質の超音波外科用装置は、開腹外科用途、腹腔鏡、又は内視鏡外科手術(ロボット支援手術を含む)のために構成され得る。
【0005】
超音波エネルギーは、電気外科手術にて用いられる温度よりも低い温度で組織を切断及び凝固する。高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動する超音波ブレードは、組織内のタンパク質を変性して、べったりとした凝塊を形成する。ブレード表面によって組織に対して圧力をかけると血管を潰し、凝塊が止血シールを形成することを可能にする。外科医は、エンドエフェクタによって組織に印加される力による切断速度及び凝固、力が印加される時間、及び選択されるエンドエフェクタの実行レベルを制御することができる。
【0006】
また、多くの外科用途に用いられているものとして電気外科用装置が挙げられる。電気外科用装置は、組織を処置するために組織に電気エネルギーを印加する。電気外科用装置は、1つ以上の電極を備えるエンドエフェクタを遠位に取り付けた器具を備えていてもよい。エンドエフェクタは、組織に電流が導入されるように組織に対して配置することができる。電気外科用装置はバイポーラ又はモノポーラ動作用に構成することができる。バイポーラ動作中では、組織に電流がエンドエフェクタの活性及びリターン電極からそれぞれ導入されて戻される。モノポーラ動作中では、電流はエンドエフェクタの活性電極によって組織に導入され、患者の体に個別に配されたリターン電極(例えば、接地パッド)を介して戻される。組織を流れる電流によって生成された熱は組織内及び/又は組織間に止血性封止を形成し得て、例えば血管を封止するのに特に有用であり得る。時々、電気外科装置のエンドエフェクタは、組織及び電極に相対的に移動可能な、組織を横切するための切断部材も備える。
【0007】
電気外科用装置によって印加された電気エネルギーは、発生装置によって器具に伝達可能である。電気エネルギーは、無線周波数(「RF」)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、300kHz〜1MHzの周波数範囲内にあり得る電気エネルギーの形態である。その動作中に、電気外科用装置は組織を通して低周波数RFエネルギーを伝達することができ、これによってイオン性攪拌又は摩擦、つまりは抵抗加熱が引き起こされ、組織の温度が上昇する。処置される組織とその周囲組織との間ではっきりとした境界が形成され得るため、外科医は隣接する非対象組織を犠牲にすることなく、高いレベルでの精度及び制御で手術をすることができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は彫刻しつつ同時に血管を封止する上で有用であり得る。RFエネルギーは、主にコラーゲンからなって熱と接触すると収縮する結合組織に特によく作用し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くの場合、曲線状又はその他の非対称な超音波ブレードを用いるのが望ましい。現在、非対称ブレードは機械で曲線状に仕上げられる。直線状の構成又は曲線状の構成で動作することができ、直線状及び曲線状の構成の間で移動することができる関節動作可能な高調波ブレードを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に記載される様々な実施形態は、関節動作可能な高調波導波管を含む外科用器具を対象とする。一実施形態では、外科用器具は、関節動作可能な高調波導波管を含む。関節動作可能な高調波導波管は、近位端及び遠位端を含む第1の駆動部を含む。第1の駆動部の近位端は、超音波変換器に接続するように構成することができる。関節動作可能な高調波導波管は、第1の駆動部の遠位端に連結される第1の可撓性導波管をさらに含む。エンドエフェクタは、第1の可撓性導波管から遠位に延びる。外科用器具は、第1の可撓性導波管を屈曲させる関節アクチュエータをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
様々な実施形態の特徴が、特許請求の範囲で詳細に示される。ただし、構成及び操作方法の両方に関する様々な実施形態は、それらの利点と共に、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照すれば最もよく理解することができる。
図1】外科用器具と超音波発生装置とを含む外科用システムの一実施形態を示す。
図2図1に示す外科用器具の一実施形態を示す。
図3】超音波エンドエフェクタの一実施形態を示す。
図4】超音波エンドエフェクタの別の実施形態を示す。
図5図1に示される外科用器具の一実施形態の分解図を示す。
図6図1に示される外科用器具の一実施形態の切欠図を示す。
図7図1に示す外科用器具の実施形態の一例の様々な内部構成要素を示す。
図8】外科用器具と超音波発生装置とを含む外科用システムの一実施形態の上面図を示す。
図9図1の外科用器具の一例示的な実施形態に含まれる回転組立体の一実施形態を示す。
図10】単一素子エンドエフェクタを有する外科用器具を含む外科用システムの一実施形態を示す。
図11】電気エネルギー外科用器具の一実施形態の斜視図である。
図12】その中の構成要素のいくつかを図示するためにハンドル本体の半分が取り除かれた状態の、図11の外科用器具の一実施形態のハンドルの側面図である。
図13】その顎部が開いており、軸方向に移動可能な部材の遠位端が引っ込んだ位置にある状態の、図11の外科用器具のエンドエフェクタの一実施形態の斜視図を示す。
図14】その顎部が閉じられており、軸方向に移動可能な部材の遠位端が部分的に前進した位置にある状態の、図11の外科用器具のエンドエフェクタの一実施形態の斜視図を示す。
図15図11の外科用器具の軸方向に移動可能な部材の一実施形態の斜視図を示す。
図16図11の外科用器具のエンドエフェクタの一実施形態の断面図を示す。
図17】コードレスの電気エネルギー外科用器具の一実施形態の断面の斜視図を示す。
図18A】その中の様々な構成要素を図示するためにハンドル本体の半分が取り除かれた状態の、図17の外科用器具の一実施形態のハンドルの側面図を示す。
図18B】一実施形態による、RF駆動及び制御回路を示す。
図18C】一実施形態によるコントローラの主な構成要素を示す。
図19】ロボット外科用システムの一実施形態のブロック図を示す。
図20】ロボットアームカートの一実施形態を示す。
図21図20のロボットアームカートのロボットマニピュレータの一実施形態を示す。
図22】代替的なセットアップ関節構造を有するロボットアームカートの一実施形態を示す。
図23図19図22のロボットアームカートなどのロボットアームカートと併せて使用し得るコントローラの一実施形態を示す。
図24】ロボットシステムとの使用に適合された超音波外科用器具の一実施形態を示す。
図25】ロボットシステムとの使用に適合された電気外科用器具の一実施形態を示す。
図26図24に示される外科用器具を受容して制御するための外科用マニピュレータと連結可能な器具駆動組立体の一実施形態を示す。
図27図24の外科用器具を含む、図26の器具駆動組立体の実施形態の別の図を示す。
図28図25の電気外科用器具を含む、図26の器具駆動組立体の実施形態の別の図を示す。
図29図26の器具駆動組立体の実施形態のアダプタ部分の追加図を示す。
図30図26の器具駆動組立体の実施形態のアダプタ部分の追加図を示す。
図31図26の器具駆動組立体の実施形態のアダプタ部分の追加図を示す。
図32】従動要素の動作を外科用器具の動作に変換する構成要素を示す、図24図25の器具取付部分の一実施形態を示す。
図33】従動要素の動作を外科用器具の動作に変換する構成要素を示す、図24図25の器具取付部分の一実施形態を示す。
図34】従動要素の動作を外科用器具の動作に変換する構成要素を示す、図24図25の器具取付部分の一実施形態を示す。
図35】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する代替的な例示的機構、及びシャフト538の軸に沿って1つ以上の部材の往復並進運動を行わせる代替の例示的な機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図36】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する代替的な例示的機構、及びシャフト538の軸に沿って1つ以上の部材の往復並進運動を行わせる代替の例示的な機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図37】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する代替的な例示的機構、及びシャフト538の軸に沿って1つ以上の部材の往復並進運動を行わせる代替の例示的な機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図38】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する別の代替的な例示的機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図39】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する別の代替的な例示的機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図40】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する別の代替的な例示的機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図41】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する別の代替的な例示的機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図42】従動要素の回転をシャフトの軸回りの回転運動に変換する別の代替的な例示的機構を示す、図24図25の器具取付部分の代替的な実施形態を示す。
図43】シャフトの軸に沿った部材の差動並進の(例えば、関節動作のため)の代替的な例示的機構を示す器具取付部分の代替的な実施形態を図示する。
図44】シャフトの軸に沿った部材の差動並進の(例えば、関節動作のため)の代替的な例示的機構を示す器具取付部分の代替的な実施形態を図示する。
図45】シャフトの軸に沿った部材の差動並進の(例えば、関節動作のため)の代替的な例示的機構を示す器具取付部分の代替的な実施形態を図示する。
図46A】シャフトの軸に沿った部材の差動並進の(例えば、関節動作のため)の代替的な例示的機構を示す器具取付部分の代替的な実施形態を図示する。
図46B】内部動力及びエネルギー源を備える器具取付部分の一実施形態を示す。
図46C】内部動力及びエネルギー源を備える器具取付部分の一実施形態を示す。
図47】関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図48A】リボン可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図48B】リボン可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図48C】リボン可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図49】中空エンドエフェクタを含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図50】円形可撓性導波管及び中実エンドエフェクタを含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図51】1つ又は複数のスロットが形成されたリボン可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図52A】第1の駆動部、第1の可撓性導波管、第2の駆動部、及び第2の可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の実施形態を示す。
図52B】第1の駆動部、第1の可撓性導波管、第2の駆動部、及び第2の可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の実施形態を示す。
図53A】波動増幅部を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図53B】波動増幅部を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図54】屈曲する位置における図53A図53Bの関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図55A】関節アクチュエータの一実施形態を示す。
図55B】関節アクチュエータの一実施形態を示す。
図56】2ケーブル関節アクチュエータの一実施形態を示す。
図57】関節動作可能な高調波導波管及び全曲率制限器を含む超音波外科用器具の一実施形態を示す。
図58】関節動作可能な高調波導波管及び二段式電気全曲率制限器を含む超音波外科用器具の一実施形態を示す。
図59】全曲率制限器を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図60】関節動作可能な高調波導波管及び視界窓を含む全曲率制限器を含む超音波外科用器具の一実施形態を示す。
図61】腹の周りに中心がある可撓性導波管を含む関節動作可能な高調波導波管の一実施形態を示す。
図62】関節動作可能な高調波導波管を含むロボット超音波外科用器具の一実施形態を示す。
図63】バイオネット鉗子外科用器具の一実施形態を示す。
図64A】関節動作可能な高調波導波管を含む可撓性超音波剪断器具の一実施形態を示す。
図64B】関節動作可能な高調波導波管を含む可撓性超音波剪断器具の一実施形態を示す。
図65A】可撓性超音波剪断器具の一実施形態を示す。
図65B】可撓性超音波剪断器具の一実施形態を示す。
図66A】複数の屈曲特徴を有する可撓性シースを含む可撓性超音波剪断器具の一実施形態を示す。
図66B】複数の屈曲特徴を有する可撓性シースを含む可撓性超音波剪断器具の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な実施形態は、関節動作可能な高調波導波管を含む超音波外科用器具を対象とする。超音波ブレードは、縦軸に沿って延びる近位に配置された直線状駆動部と、直線状駆動部に連結されて、縦軸からある角度で可撓性のある遠位に配置された可撓性導波管と、を含むことができる。可撓性導波管は、曲率半径を規定するように関節動作させることができて、第1の角度を張ることができる。可撓性導波管と駆動部との間の接点は、関節動作可能な高調波導波管の節、腹、又は節と腹との間にあってもよい。関節動作可能な高調波導波管は、例えば、可撓性導波管の特性に基づいて、平衡が保たれ得る。平衡を保つ関節動作可能な高調波導波管は、純粋に及び/又は実質的に長手方向(例えば、縦軸の方向)の振動モードを有してもよい。平衡を達成するために、上述したように、関節動作可能な高調波導波管は、関節動作可能な高調波導波管が共振周波数で駆動される場合に、節及び/又は腹が接点で生じるように構築することができる。
【0012】
いくつかの実施形態は、エンドエフェクタ及び縦軸に沿って延びる関節動作可能な高調波導波管を含む外科用器具を対象とする。関節動作可能な高調波導波管は、エンドエフェクタに音響的に連結され、シャフトを通してエンドエフェクタから近位に延びる。関節動作可能な高調波導波管は、縦軸に配置される可撓性導波管部分を含むことができる。導波管はまた、導波管の節に位置する第1及び第2のフランジを備えていてもよい。第1のフランジは、可撓性導波管部分から遠位に配置することができ、第2のフランジは、可撓性導波管部分から近位に配置することができる。第1の制御部材は、第1のフランジに連結されて第2のフランジ及びシャフトを通って近位に延びていてもよい。第1の制御部材を近位に並進させることによって第1のフランジを近位に引くことができ、これによってシャフトと導波管が縦軸から離れて第1の制御部材に向かって枢動される。
【0013】
超音波及び/又は電気外科要素を備えるエンドエフェクタを有する手動並びにロボット外科用器具の例示的実装を示す実施形態を含む、いくつかの実施形態を具体的に参照する。可能である場合は、類似又は同様の参照番号を図面の中で用いてもよく、類似又は同様の機能性を示してもよい。図面は、開示される外科用器具及び/又はその使用方法の例示的な実施形態を、描写する目的のみのために図示する。当業者であれば、以下の記載から、本明細書中に記載の原則から逸脱することなく、本明細書中に示される構造及び方法の代替的な例示的実施形態が採用可能であることを容易に理解できるであろう。
【0014】
図1は、超音波外科用器具10の一実施形態の右側面図である。示された実施形態では、超音波外科用器具10は、内視鏡的又は伝統的な開腹外科手術を含む様々な外科的処置において使用され得る。一例示的な実施形態では、超音波外科用器具10は、ハンドル組立体12と、細長シャフト組立体14と、超音波変換器16とを備える。ハンドル組立体12は、トリガ組立体24、遠位回転組立体13、及びスイッチ組立体28を備える。細長シャフト組立体14はエンドエフェクタ組立体26を備え、エンドエフェクタ組立体26は、組織を切開するか、又は血管及び/若しくは組織を相互に掴む、切断する、並びに凝固する要素と、エンドエフェクタ組立体26を作動させる要素とを備える。ハンドル組立体12は、超音波変換器16を近位端に受容するように適合される。超音波変換器16は細長シャフト組立体14及びエンドエフェクタ組立体26の一部分と機械的に係合される。超音波変換器16は、ケーブル22を介して発生装置20に電気的に連結される。図面の大半が腹腔鏡外科手術と関連して用いられる複数のエンドエフェクタ組立体26を図示するが、超音波外科用器具10はより伝統的な開腹外科手術で採用されてもよく、及び他の実施形態では内視鏡手術での使用に構成されてもよい。本明細書における目的のために、超音波外科用器具10は、内視鏡器具に関して記載されているが、開腹及び/又は腹腔鏡型の超音波外科用器具10も、本明細書において記載されるものと同じか、又は同様の操作構成要素及び機構を含むことができることが想定される。
【0015】
様々な実施形態で、発生装置20は、モジュール及び/又はブロックのようないくつかの機能的要素を備える。異なる機能要素又はモジュールが、異なる種類の外科用装置を駆動するために構成され得る。例えば、超音波発生装置モジュール21は、超音波外科用器具10などの超音波装置を駆動してもよい。いくつかの例示実施形態では、発生装置20は更に電気外科装置(又は超音波外科用器具10の電気外科実施形態)を駆動する電気外科/RF発生装置モジュール23をも備える。様々な実施形態では、発生装置20はハンドル組立体12の中に一体的に形成されてもよい。このような実装では、エネルギー源として作用するよう、ハンドル組立体12内に電池が併せて配される。図18A及び付随する開示は、このような実装の一例を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態では、電気外科/RF発生装置モジュール23は治療レベル及び/又は治療レベル未満のエネルギーレベルを生成するように構成されていてもよい。図1に図示される例示的な実施形態では、発生装置20は発生装置20と一体化された制御システム25と、ケーブル27を介して発生装置に接続されたフットスイッチ29とを備える。発生装置20は、外科用器具、例えば器具10を作動させるトリガ機構も備えていてもよい。トリガ機構は、電源スイッチ(図示せず)並びにフットスイッチ29を備えていてもよい。フットスイッチ29によって起動させられると、発生装置20は外科用器具10の音響上の組立体を駆動する、及びエンドエフェクタ18を所定の実行レベルにて駆動するためのエネルギーを提供し得る。発生器20は音響アセンブリの任意の好適な共振周波数にて音響アセンブリを駆動若しくは励起し、及び/又は治療レベル/治療レベル未満の電磁/RFエネルギーを駆動する。
【0017】
一実施形態では、電気外科/RF発生装置モジュール23を、無線周波数(RF)エネルギーを用いて2極電気外科手術を行うのに十分な電力を供給することができる電気外科ユニット(ESU)(electrosurgery unit)として実装してもよい。一実施形態では、ESUは、ERBE USA,Inc.(Marietta,Ga)から販売されている2極ERBE ICC 350であってもよい。2極電気外科手術用途では、上述のように、活性電極及びリターン電極を有する外科用器具を使用することができ、その場合、電流が組織を通って活性電極からリターン電極まで流れることができるように、活性電極及びリターン電極は、処置対象組織に接するか、又は隣接して配置され得る。したがって、電気外科/RFモジュール23の発生装置は、組織を処置(例えば、焼灼)するのに十分な電気エネルギーを組織Tに印加することで、処置目的のために構成されてもよい。
【0018】
一実施形態では、電気外科/RF発生装置モジュール23は、組織インピーダンス測定モジュールを実行するために、治療レベル未満のRF信号を伝達するように構成されてもよい。一実施形態では、電気外科/RF発生装置モジュール23は、以下により詳細に記載される2極無線周波数発生装置を備える。一実施形態では、電気外科/RF発生装置モジュール12は、組織Tの電気的インピーダンスZをモニタリングする、及び、エンドエフェクタ組立体26のクランプ部材上に設けられたリターン電極によって、組織Tに基づく時間並びに電力レベルの特性を制御するように構成されていてもよい。したがって、電気外科/RF発生装置モジュール23は、組織Tのインピーダンス又はその他の電気特性を計測する、治療レベル未満の目的のために構成されていてもよい。組織Tのインピーダンス又はその他の電気特性を計測する方法及び回路構成は、本明細書にその開示全体が引用によって参照される、本願の譲受人に譲渡された米国特許出願公報第2011/0015631号、表題「Electrosurgical Generator for Ultrasonic Surgical Instruments」にてより詳細に記載されている。
【0019】
好適な超音波発生装置モジュール21は、オハイオ州シンシナティのEthicon Endo−Surgery社が販売するGEN300に類似の方法で機能的に動作するように構成することができ、それは以下の米国特許の1つ又は複数に開示されており、それらの全ては本明細書に組み込まれるものとする。米国特許第6,480,796号(Method for Improving the Start Up of an Ultrasonic System Under Zero Load Conditions)、米国特許第6,537,291号(Method for Detecting Blade Breakage Using Rate and/or Impedance Information)、米国特許第6,662,127号(Method for Detecting Presence of a Blade in an Ultrasonic System)、米国特許第6,678,899号(Method for Detecting Transverse Vibrations in an Ultrasonic Surgical System)、米国特許第6,977,495号(Detection Circuitry for Surgical Handpiece System)、米国特許第7,077,853号(Method for Calculating Transducer Capacitance to Determine Transducer Temperature)、米国特許第7,179,271号(Method for Driving an Ultrasonic System to Improve Acquisition of Blade Resonance Frequency at Startup)、及び、米国特許第7,273,483号(Apparatus and Method for Alerting Generator Function in an Ultrasonic Surgical System)。
【0020】
様々な実施形態では、発生装置20がいくつかのモードで作動するように構成されてもよい。1つのモードでは、発生装置20は超音波発生装置モジュール21及び電気外科/RF発生装置モジュール23が独立して作動するように構成されてもよい。
【0021】
例えば、超音波発生装置モジュール21は超音波エネルギーをエンドエフェクタ組立体26に印加するために起動されてもよく、その後に、電気外科/RF発生装置モジュール23によって治療レベル又は治療レベル未満RFエネルギーをエンドエフェクタ組立体26に印加してもよい。前述のように、超音波発生装置モジュール21の起動を制御する、又は起動を改造するために組織インピーダンスを計測するべく、治療レベル未満の電気外科/RFエネルギーを、エンドエフェクタ組立体26の請求構成要素の間に掴まれた組織に印加してもよい。治療レベル未満のエネルギーを印加したことによる組織インピーダンスフィードバックを採用することで、電気外科/RF発生装置モジュール23の治療レベルを起動させてエンドエフェクタ組立体26の請求構成要素の間に掴まれた組織(例えば、管)を封止してもよい。
【0022】
別の実施形態では、超音波発生装置モジュール21及び電気外科/RF発生装置モジュール23は同時に起動されてもよい。一例では、超音波発生装置モジュール21を治療レベル未満のRFエネルギーレベルにて同時に起動して、エンドエフェクタ組立体26の超音波ブレードがエンドエフェクタ組立体26のクランプ要素間に留められた組織(又は管)を切断及び凝固させる間に組織インピーダンスを同時に計測させる。このようなフィードバックは、例えば、超音波発生装置モジュール21の駆動出力を改変するために採用してもよい。別の例では、超音波発生装置モジュール21を電気外科/RF発生装置モジュール23と同時に駆動して、組織(又は管)を封止するためにエンドエフェクタクランプ組立体26の電極部分に電気外科/RFエネルギーが印加される間、エンドエフェクタ組立体26の超音波ブレード部分が損傷した組織を切断するために採用されてもよい。
【0023】
発生装置20がトリガ機構によって起動されると、一実施形態では、電気エネルギーは、発生装置20によって連続的に音響組立体の変換器スタック又は組立体に印加される。別の実施形態では、電気エネルギーは発生装置20によって断続的に印加(例えば、パルス)される。発生装置20の制御システム中内のフェーズロックループは、音響組立体からのフィードバックを監視してもよい。フェーズロックループは、発生装置20によって送られる電気エネルギーの周波数を、音響組立体の振動の選択された縦モードの共振周波数と一致するように調節する。更に、制御システム25内の第2のフィードバックループは、音響組立体のエンドエフェクタ18においてほぼ一定の振動幅を達成するために、音響組立体に供給される電流を予め選択された一定レベルに維持する。更に別の実施形態では、制御システム25内の第3のフィードバックループは、エンドエフェクタ組立体26に配される電極の間のインピーダンスを監視する。図1図9は手動で操作される超音波外科用器具を示すが、例えば本明細書中に記載されるロボット用途、並びに手動及びロボット用途の組み合わせにも超音波外科用器具が用いられ得ると理解される。
【0024】
超音波作動モードでは、音響組立体に供給される電気信号は、エンドエフェクタ18の遠位端に、例えば約20kHz〜250kHzの範囲で縦方向に振動させてもよい。様々な実施形態によれば、ブレード22は、約54kHz〜56kHzの範囲、例えば約55.5kHzで振動してもよい。他の実施形態では、ブレード22は、例えば、約31kHz又は約80kHzである、他の振動数で振動してもよい。ブレードにおける振動の振動幅は、例えば、発生装置20によって音響組立体の変換器組立体に印加される電気信号の振幅を制御することによって制御することができる。前述のように、発生装置20のトリガ機構によって、ユーザーは、電気エネルギーを音響組立体に連続的又は断続的に供給できるように発生装置20を起動させることができるようになる。発生装置20はまた、電気外科ユニット又は従来の電気コンセントへの差込用の電力線を有する。また、電池などの直流(DC)源によって発生装置20に電力を供給することもできることが想到される。発生装置20は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.より入手可能なモデル番号GEN04及び/又はモデル番号GEN11などの任意の好適な発生装置を含むことができる。
【0025】
図2は、ハンドル組立体12、遠位回転組立体13、細長シャフト組立体14、及びエンドエフェクタ組立体26を示す、超音波外科用器具10の一例示的な実施形態の左斜視図である。示された実施形態では、細長シャフト組立体14は、エンドエフェクタ組立体26を機械的に係合する大きさを有する遠位端52と、ハンドル組立体12及び遠位回転組立体13を機械的に係合する近位端50とを備える。細長シャフト組立体14の近位端50は、ハンドル組立体12及び遠位回転組立体13内に受容される。細長シャフト組立体14、ハンドル組立体12、及び遠位回転組立体13との間の接続に関する詳細は、図5及び7の説明において更に提供する。
【0026】
示された実施形態では、トリガ組立体24は、固定ハンドル34と併せて動作するトリガ32を備える。固定ハンドル34及びトリガ32は、ユーザーと快適に相互作用するように人間工学的に形成され、適合される。固定ハンドル34は、ハンドル組立体12と一体的に関連づけられている。トリガ32は、超音波外科用器具10の動作について以下に詳述するように、固定ハンドル34に対して枢動的に移動可能である。ユーザーがトリガ32に対して圧迫力をかけると、トリガ32は、固定ハンドル34に方向33Aに向かって枢動的に移動可能である。バネ要素98(図5)は、ユーザーがトリガ32に対する圧迫力を開放するとき、トリガ32を方向33Bに枢動可能に移動させる。
【0027】
一例示的な実施形態では、トリガ32は細長トリガフック36を備え、それは、細長トリガフック36とトリガ32との間の開口38を画定する。開口38は、ユーザーの1つ又は複数の指をそこを通して受容するために好適な寸法である。トリガ32は、トリガ32の基質を覆うように成型される弾性部分32aをも備えてもよい。オーバーモールド弾性部分32aは、外向きの方向33Bでのトリガ32の制御のためのより快適な接触面を提供するために形成される。一例示的な実施形態では、オーバーモールド弾性部分32aは細長トリガフック36の一部分を覆うように提供されてもよい。細長トリガフック32の近位面は、ユーザーが指を開口38の内外へ容易に摺動することを可能にするために被覆されないままであるか非弾性基質で被覆される。別の実施形態では、トリガの形状は、完全に閉じたループを形成し、ユーザーの1つ又は複数の指をそこを通して受容するために好適な寸法である開口を画定する。完全に閉じたループトリガは、トリガ基質を覆うように成型される弾性部分も備えることができる。
【0028】
一例示的な実施形態では、固定ハンドル34は、近位接触面40と、グリップアンカー又はサドル面42とを備える。サドル面42は、手の親指及び人差し指が合わさる水かき部分の上に載る。近位接触面40は、リング又は開口を有さない通常のピストルグリップで手のひらを受容するピストルグリップ輪郭を有する。近位接触面40のプロファイル曲線は、手のひらに適合するか、又はこれを受容するような輪郭を有していてもよい。安定化尾部44は、ハンドル組立体12のより近位の部分に向かって配される。安定化尾部44は、ハンドル組立体12を安定させてハンドル組立体12をより制御可能にするために、親指と人差し指との間に配する手の最も上の水かき部分と接触していてもよい。
【0029】
一例示的な実施形態では、スイッチ組立体28はトグルスイッチ30を備えていてもよい。トグルスイッチ30は、同時起動の可能性を排除するために、ハンドル組立体12の内側に配される中心枢動軸304を有する単一構成要素として実装されてもよい。例示的な一実施形態では、トグルスイッチ30は、最小電力レベル(例えば、MIN)と最大電力レベル(例えば、MAX)との間に超音波変換器16の電力設定を設定するための第1の突起ノブ30aと第2の突起ノブ30bとを備える。別の実施形態では、ロッカスイッチが標準設定と特別設定の間を枢動してもよい。特別設定は、装置によって1つ以上の特別プログラムを実行することを許容し得る。トグルスイッチ30は、第1の突起ノブ30a及び第2の突起ノブ30bが作動すると、中心枢動軸の周りを回転する。1つ又は複数の突起ノブ30a、30bは、1つ又は複数のアームに連結され、その1つ以上又は複数のアームは小アークを通って移動し、電機接触によって、第1又は第2の突起ノブ30a、30bの起動に従って超音波変換器16を通電させるか、又は電力を断つように電気回路を開閉させる。トグルスイッチ30は、超音波変換器16の起動を制御するために発生装置20に連結される。トグルスイッチ30は、超音波変換器16を起動させ、超音波変換器16に対して1つ又は複数の電力設定を設定するための1つ又は複数の電力設定スイッチを備える。トグルスイッチ30を起動するために必要な力はサドル点42に実質的に向けられるため、トグルスイッチ30が起動されるとき手中で回転する器具のあらゆる傾向を回避する。
【0030】
一例示的な実施形態では、第1及び第2の突起ノブ30a、30bはハンドル組立体12の遠位端上に配され、それにより、それらは、ユーザーがハンドグリップの最小限の再配置を伴うか、又は実質的に再配置を伴わずして容易にアクセスして電力を起動することができ、トグルスイッチ30を作動させている間に制御を維持し、注意を手術部位(例えば、腹腔鏡処置におけるモニタ)に集中させることに適している。突起ノブ30a、30bは様々な指の長さからより容易にアクセスすることができ、扱いにくい位置、又は短い指で起動するためにより高い自由度のアクセスを可能にするために、ある程度まで、ハンドル組立体12の側面を包み込むように構成されてもよい。
【0031】
示された実施形態では、第1の突起ノブ30aは、ユーザーが第1の突起ノブ30aを第2突起ノブ30bから区別するのを可能とするために、示された実施形態では複数の触覚要素30c、例えば、手触り感がある突起又は「隆起」を備える。当業者であれば、ハンドル組立体12にいくつかの人間工学的特徴を組み込み得ることを分かるであろう。このような人間工学的特徴は、米国特許出願公開第2009/055750号、表題「Ergonomic Surgical Instruments」に記載されており、上記特許の内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
例示的な一実施形態では、トグルスイッチ30はユーザーの手によって操作されてもよい。ユーザーは、不注意又は意図的でない起動を常に回避しつつ、任意の時点で第1及び第2の突起ノブ30a、30bに容易にアクセスすることができる。トグルスイッチ30は、超音波組立体16及び/又は超音波組立体16への電力を制御するために指で容易に操作されてもよい。例えば、人差し指を使用して、第1の接触部分30aを起動し、超音波組立体16をオンにして、最大(MAX)電力レベルにしてもよい。人差し指を使用して、第2の接触部分30bを起動し、超音波組立体16をオンにして、最小(MIN)電力レベルにしてもよい。別の実施形態では、ロッカスイッチは標準設定と特別設定との間で器具10を枢動させてもよい。特別設定は、器具10によって1つ以上の特別なプログラムが実行されることを許容し得る。トグルスイッチ30は、ユーザーが第1又は第2の突起ノブ30a、30bを見ることなく操作することができる。例えば、第1の突起ノブ30a又は第2の突起ノブ30bは、見ずに第1及び第2の突起ノブ30a、30bを触覚的に区別するための手触り又は突起を備えてもよい。
【0033】
別の実施形態では、トリガ32及び/又はトグルスイッチ30は、個々に、又は超音波発生装置モジュール21の起動と組み合わせて、電気外科/RF発生装置モジュール23を作動させるように用いてもよい。
【0034】
例示的な一実施形態では、遠位回転組立体13は、縦軸「T」の周りをいずれの方向にも制限なく回転可能である。遠位回転組立体13は細長シャフト組立体14と機械的に係合している。遠位回転組立体13は、ハンドル組立体12の遠位端に位置する。遠位回転組立体13は、円筒形のハブ46と、ハブ46を覆うように形成される回転ノブ48とを備える。ハブ46は、細長シャフト組立体14を機械的に係合する。回転ノブ48は縦溝彫りの高分子特徴部を含んでいてもよく、細長シャフト組立体14を回転させるために、指(例えば、人差し指)によって係合され得る。ハブ46は、回転ノブ48を形成するために、一次構造を覆うように成型される材料を備えていてもよい。回転ノブ48は、ハブ46を覆うようにオーバーモールドされていてもよい。ハブ46は、遠位端で露出される端部キャップ部分46aを備える。ハブ46の端部キャップ部分46aは、腹腔鏡的処置中にトロカールの表面と接触してもよい。ハブ46は、端部キャップ部分46aとトロカールとの間に生じ得るいかなる摩擦も軽減するために、ポリカーボネートなどの耐久性硬質プラスチックで形成されていてもよい。回転ノブ48は、より正確な回転グリップを提供するために、隆起リブ48a、及びリブ48aの間に配される凹部分48bで形成される「扇形」又は縦溝を備えていてもよい。一例示的な実施形態では、回転ノブ48は複数の縦溝(例えば、3つ以上の縦溝)を備えていてもよい。他の実施形態では、任意の好適な数の縦溝が使用され得る。回転ノブ48は、硬質プラスチック材料上にオーバーモールドされるより柔らかい高分子材料で形成されていてもよい。例えば、回転ノブ48は、例えば、GLS社(GLS Corporation)によって作製されるVersaflex(登録商標)TPE合金を含む柔軟な弾性可撓性高分子材料から形成されてもよい。このより柔らかいオーバーモールド材料は、より大きなグリップ及び回転ノブ48の動作のより正確な制御を提供することができる。滅菌に対して十分な抵抗を提供し、生体適合性を有し、外科用手袋に対して十分な摩擦抵抗を提供する任意の材料を、回転ノブ48を形成するために使用してもよい。
【0035】
一例示的な実施形態では、ハンドル組立体12は、第1の部分12aと第2の部分12bとを備える2つのハウジング部分又は側板から形成される。遠位端から近位端へハンドル組立体12を見るユーザーの視点から、第1の部分12aは右部分と見なされ、第2の部分12bは左部分と見なされる。第1及び第2の部分12a、12bの各々は、ハンドル組立体12を形成するために互いに機械的に整列し係合するように寸法が決められ、内部作動構成要素を囲む複数のインターフェース69(図5)を含む。ハンドル組立体12と一体的に関連する固定ハンドル34は、ハンドル組立体12の第1及び第2の部分12a及び12bの組立後に形になる。複数の追加的なインターフェース(図示せず)を、超音波溶接の目的で、例えば、エネルギー方向/偏向点といったハンドル組立体12の第1及び第2の部分12a及び12bの周囲の様々な点に設けてもよい。第1及び第2の部分12a及び12b(並びに以下に記載される他の構成要素)は、当該技術分野において既知の任意の方法で一緒に組み立てられてもよい。例えば、整合ピン、スナップ様インターフェース、舌及び溝インターフェース、ロックタブ、接着ポートは、全て、組立体の目的で、単独でか、又は組み合わせてかのいずれかで利用され得る。
【0036】
例示的な一実施形態では、細長いシャフトアセンブリ14は、ハンドル組立体12及び遠位回転組立体13を機械的に係合するように適合される近位端50と、エンドエフェクタ組立体26を機械的に係合するように適合される遠位端52と、を含む。細長シャフト組立体14は、外部管状シース56と、外部管状シース56内に配される往復管状作動部材58とを備える。管状往復管状作動部材58の近位端は、トリガ32の作動及び/又は開放に応答して方向60A又は60Bのいずれかの方向に移動するように、ハンドル組立体12のトリガ32に機械的に係合される。枢動可能なトリガ32は、縦軸「T」に沿って往復動作を起こしてもよい。そのような動作は、例えば、エンドエフェクタ組立体26の顎部又はクランピング機構を作動させるために用いてもよい。一連の連鎖は、トリガ32の枢動回転を、作動機構に連結するヨークの軸動作に変換し、これによってエンドエフェクタ組立体26のクランピング機構の顎部の開閉が制御される。管状往復管状作動部材58の遠位端は、エンドエフェクタ組立体26に機械的に係合される。示された実施形態では、管状往復管状作動部材58の遠位端は、トリガ32の作動及び/又は開放に応答してクランプアーム組立体64を開閉するために、枢動点70の周りで枢動可能であるクランプアーム組立体64に機械的に係合される。例えば、示された実施形態では、クランプアーム組立体64は、トリガ32が方向33Aに圧迫されると、枢動点70の周りを、方向62Aで開いた位置から閉じた位置に移動可能である。クランプアーム組立体64は、トリガ32が方向33Bへ開放されるか、又は外向きに接触するとき、枢動点70の周りを、方向62Bの閉じた位置から開いた位置に移動可能である。
【0037】
一例示的な実施形態では、エンドエフェクタ組立体26は細長シャフト組立体14の遠位端52に取り付けられ、クランプアーム組立体64と、ブレード66とを含む。エンドエフェクタ組立体26のクランピング機構の顎部は、クランプアーム組立体64及びブレード66によって形成される。ブレード66は、超音波で作動可能であり、超音波変換器16に音響的に連結される。ハンドル組立体12上のトリガ32は、合わせて、クランプアーム組立体64が動作するように機械的に連携する駆動組立体と最終的に接続される。トリガ32を方向33Aに圧迫することで、開いた位置からクランプアーム組立体64を方向62Aに移動させ、クランプアーム組立体64及びブレード66が、互いに対して離間した関係において、クランプしたか、又は閉じた位置へ設けられ、クランプアーム組立体64及びブレード66は、その間の組織を掴むように連携する。クランプアーム組立体64は、ブレード66とクランプアーム64との間の組織に係合するクランプパッド69を備えていてもよい。トリガ32を方向33Bに開放することで、クランプアーム組立体64は方向62Bに、閉じた関係から開いた位置に移動し、クランプアーム組立体64及びブレード66は、互いに離間した関係に設けられる。
【0038】
ハンドル組立体12の近位部分は、超音波組立体16の遠位端を受容するための近位開口部68を備える。超音波組立体16は、近位開口部68に挿入され、細長シャフト組立体14に機械的に係合される。
【0039】
一例示的な実施形態では、トリガ32の細長トリガフック36部分は、より短い全長及び回転運動を有する、より長いトリガレバーを提供する。細長トリガフック36のより長いレバーによって、ユーザーは、開口38内で複数の指を使用して細長トリガフック36を操作して、トリガ32を方向33Bに枢動させてエンドエフェクタ組立体26の顎部を開かせることができるようになる。例えば、ユーザーは、3本の指(例えば、中指、薬指、及び小指)を開口38に挿入してもよい。複数の指によって、外科医にトリガ32及び細長トリガフック36上により高いインプット力を働かせてエンドエフェクタ組立体26を起動させることが可能になる。全長及び回転運動がより短いと、トリガ32を閉じるか方向33Aに圧迫するとき、又はトリガ32を方向33Bの外向きの開口動作に開くときにより快適なグリップをもたらし、指を更に外向きに延ばす必要が少なくなる。これは、方向33Bへのトリガ32の外向きの開口動作に関連する手の疲労及び緊張を実質的に軽減する。トリガの外向きの開口動作は、バネ要素98(図5)によるバネの補助を受けて疲労を軽減させてもよい。開くバネの力は、開くことの容易性を支援するために十分であるが、切開を広げる間の組織間緊張の触覚的な反応に悪影響を与えるほど強くない。
【0040】
例えば、外科的処置中、人差し指のいずれかを使用して、細長シャフト組立体14の回転を制御してエンドエフェクタ組立体26の顎部を好適な向きで配することができる。中指及び/又は他の下の指を使用して、トリガ32を圧迫し、顎部内に組織を掴むことができる。顎部が所望の位置に配され、顎部が組織に対してクランプされると、人差し指を使用してトグルスイッチ30を起動し、超音波変換器16の電力レベルを調整して組織を処置することができる。組織が処置されると、次いで、ユーザーは、中指及び/又は下の指で細長トリガフック36を遠位方向に外向きに押すことでトリガ32を開放し、エンドエフェクタ組立体26の顎部を開くことができる。この基本的な方法は、ユーザーがハンドル組立体12のグリップを調整することなく行うことができる。
【0041】
図3図4は、エンドエフェクタ組立体26に対する細長シャフト組立体14の接続を示す。前述の通り、示された実施形態では、エンドエフェクタ組立体26は、クランピング機構の顎部を形成する、クランプアーム組立体64と、ブレード66とを備える。ブレード66は、超音波変換器16に音響的に連結される超音波始動式のブレードであってもよい。トリガ32は、駆動組立体に機械的に接続される。合わせて、トリガ32及び駆動組立体は、クランプアーム組立体64及びブレード66が互いに対して離間した関係で設けられる方向62Aの開いた位置に、クランプアーム組立体64及びブレード66が協働してその間の組織を掴む方向62Bのクランプした、又は閉じた位置に、クランプアーム組立体64を移動させるように機械的に連携する。クランプアーム組立体64は、ブレード66とクランプアーム64との間の組織に係合するクランプパッド69を備えていてもよい。管状往復管状作動部材58の遠位端は、エンドエフェクタ組立体26に機械的に係合される。示された実施形態では、管状往復管状作動部材58の遠位端は、トリガ32の作動及び/又は開放に応答してクランプアーム組立体64を開閉するために、枢動点70の周りで枢動可能であるクランプアーム組立体64に機械的に係合される。例えば、示された実施形態では、クランプアーム組立体64は、トリガ32が方向33Aに圧迫されると、枢動点70の周りを、開いた位置から方向62Bの閉じた位置に移動可能である。クランプアーム組立体64は、トリガ32が方向33Bに開放されるか、又は外向きに接触されると、枢動点70の周りを、閉じた位置から方向62Aの開いた位置に移動可能である。
【0042】
前述の通り、クランプアーム組立体64は治療レベル及び/又は治療レベル未満のエネルギーを受容するために電気外科/RF発生装置モジュール23と電気的に連結した電極を有していてもよく、電気外科/RFエネルギーはブレード66に超音波エネルギーが印加されるのと同時に又は非同時に、電極に印加されてもよい。このようなエネルギーの起動は、アルゴリズム又はその他の制御論理と協働して望ましい組織効果を得るために、任意の好適な組み合わせで印加され得る。
【0043】
図5は、図2に示される超音波外科用器具10の分解図である。示された実施形態では、分解図は、ハンドル組立体12の内部要素、ハンドル組立体12、遠位回転組立体13、スイッチ組立体28、及び細長シャフト組立体14を示す。示された実施形態では、第1及び第2の部分12a、12bは、ハンドル組立体12を形成するために係合する。第1及び第2の部分12a、12bは、それぞれ、ハンドル組立体12を形成するために互いに機械的に整合し、係合し、超音波外科用器具10の内部機能構成要素を包囲する大きさを有する、複数のインターフェース69を備える。回転ノブ48は、360°まで環状方向54に回転され得るように、外部管状シース56に機械的に係合される。外部管状シース56は往復管状作動部材58を覆って配され、それはハンドル組立体12に機械的に係合され、複数の連結要素72を介して保持される。連結要素72は、O字リング72aと、管カラーキャップ72bと、遠位ワッシャ72cと、近位ワッシャ72dと、ねじ山管カラー72eとを備え得る。往復管状作動部材58は、ハンドル組立体12の第1の部分12aと第2の部分12bとの間に保持される往復ヨーク84内に配される。ヨーク84は、往復ヨーク組立体88の一部である。一連の連鎖は、細長トリガフック32の枢動回転を往復ヨーク84の軸動作に変換し、それは、超音波外科用器具10の遠位端にあるエンドエフェクタ組立体26のクランピング機構の顎部の開閉を制御する。一例示的な実施形態では、4リンク設計は、例えば、比較的短い回転長さにおける機械利得を提供する。
【0044】
一例示的な実施形態では、超音波伝達導波管78は往復管状作動部材58の内側に設けられる。超音波伝達導波管78の遠位端52は、ブレード66に音響的に連結(例えば、直接的又は間接的に機械的に連結)され、超音波伝達導波管78の近位端50はハンドル組立体12内に受容される。超音波伝達導波管78の近位端50は、以下に詳述するように、超音波変換器16の遠位端に音響的に連結するように適合される。超音波伝達導波管78は、保護シース80及びシリコーンリングなどの複数の単離要素82によって、細長シャフト組立体14の他の要素から単離される。外部管状シース56、往復管状作動部材58、及び超音波伝達導波管78は、ピン74によって機械的に係合される。スイッチ組立体28は、トグルスイッチ30と、第1又は第2の突起ノブ30a、30bの起動に従って超音波変換器16を通電させる電気要素86a、bとを備える。
【0045】
一例示的な実施形態では、外部管状シース56は、ユーザー又は患者を超音波伝達導波管78の超音波振動から隔離する。外部管状シース56は、一般的に、ハブ76を含む。外部管状シース56は、ハンドル組立体12の遠位端上に螺入される。超音波伝達導波管78は、外部管状シース56の開口部を通って延び、単離要素82は、超音波伝達導波管24を外部管状シース56から単離する。外部管状シース56は、ピン74によって導波管78に取り付けられてもよい。導波管78においてピン74を受容するための穴は、名目上は変位節で生じ得る。導波管78は、スタッドによってハンドピースハンドル組立体12にねじ込まれるか、又は嵌め込まれ得る。ハブ76上の平坦部分によって、組立体を必要なレベルまで捻ることを可能にする。一例示的な実施形態では、外部管状シース56のハブ76部分は、好ましくはプラスチックから作られ、外部管状シース56の管状細長部分は、ステンレス鋼から作られる。あるいは、超音波伝達導波管78は、それを外側の接触から隔離するために、それを取り囲むポリマー材料を含んでもよい。
【0046】
一例示的な実施形態では、超音波伝達導波管78の遠位端は、好ましくは腹、又はその付近で、内部のねじ込み接続によって、ブレード66の近位端に連結されていてもよい。ブレード66は、溶接継手などの任意の好適な手段によって、超音波伝達導波管78に取り付けられ得ることが想到される。ブレード66は、超音波伝達導波管78から取り外し可能であり得るが、単一要素エンドエフェクタ(例えば、ブレード66)及び超音波伝達導波管78は、単一の一体型ピースとして形成され得ることも想到される。
【0047】
一例示的な実施形態では、トリガ32は、トリガ32の方向33A及び33Bへの回転運動を、対応する方向60A及び60Bにおける往復管状作動部材58の直線運動に変換するために、連鎖機構に連結される。トリガ32は、第1のヨークピン92aを受容するように内部に形成された開口部を有する、第1のフランジセット98を備える。第1のヨークピン92aはまた、ヨーク84の遠位端に形成された開口部のセットを通るように配される。トリガ32はまた、リンク92の第1の末端部92aを受容するための、第2のフランジセット96も備える。リンク92及び第2のフランジセット96に形成される開口部に、トリガピン90が受容される。トリガピン90は、リンク92及び第2フランジセット96に形成される開口部で受容され、トリガ32についてのトリガ枢動点を形成するよう、ハンドル組立体12の第1及び第2の部分12a、12bに連結するように適合される。リンク92の第2の末端部92bは、ヨーク84の近位端に形成されるスロット384に受容され、第2のヨークピン94bによってそこに保持される。トリガ32がトリガピン90によって形成される枢動点190の周りを枢動可能に回転する際、ヨークは、矢印60A、Bで示される方向で、長手方向軸「T」に沿って水平に並進する。
【0048】
図8は超音波外科用器具10の一例示的な実施形態を示す。示された実施形態では、超音波変換器16の断面図をハンドル組立体12の部分切取図内に示す。超音波外科用器具10の一例示的な実施形態は、ハンドピースハウジング99を備える超音波変換器16に連結される超音波信号発生装置20と、超音波作動可能な単一又は複数要素エンドエフェクタ組立体26とを備える。前述のように、エンドエフェクタ組立体26は、超音波作動可能ブレード66と、クランプアーム64とを備える。超音波変換器16は、「ランジュバンスタック」として既知であるが、一般に変換部分100と、第1の共振器部分又はエンドベル102と、第2の共振器部分又はフォアベル104と、付属構成要素とを含む。これらの構成要素の全構成体は共振器である。超音波変換器16の長さは、後でより詳細に述べるように、好ましくは、1/2システム波長の整数倍(nλ/2、ここで「n」は任意の正の整数、例えばn=1,2,3...)である。音響組立体106は、超音波変換器16と、ノーズコーン108と、速度変成器118と、表面110とを含む。
【0049】
一例示的な実施形態では、エンドベル102の遠位端は変換部100の近位端に接続され、フォアベル104の近位端は変換部100の遠位端に接続される。フォアベル104及びエンドベル102は、変換部分100の厚さ、エンドベル102及びフォアベル22を製造するのに使用される材料の密度及び弾性率、並びに超音波変換器16の共振周波数などを含む、多くの変数によって決定される長さを有する。フォアベル104は、変速器118として、超音波振動の振幅を増幅するようにその近位端からその遠位端に内側に細くなっていてもよく、あるいは増幅を持たなくてもよい。好適な振動周波数範囲は、約20Hz〜32kHzであり、より適切な振動周波数範囲は約30〜10kHzであってよい。好適な動作振動周波数は、例えばおよそ55.5kHzであり得る。
【0050】
一例示的な実施形態では、圧電素子112は、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、又は他の圧電セラミック材料などの任意の好適な材料から作られてもよい。正極114、負極116、及び圧電素子112のそれぞれは、中心を通って延びる穴を有する。正極114及び負極116は、それぞれワイヤ120及び122に電気的に連結されている。ワイヤ120及び122はケーブル22内に封入され、超音波信号発生装置20に電気的に接続可能である。
【0051】
音響組立体106の超音波変換器16は、超音波信号発生装置20からの電気信号を機械エネルギーに変換し、それによって主として、超音波周波数における超音波変換器16及びエンドエフェクタ組立体66のブレード26部分の長手方向の振動運動の定常音波が得られる。別の実施形態では、超音波変換器の振動運動は異なる方向に作用してもよい。例えば、振動運動は細長シャフト組立体14の先端のより複雑な運動の局所的な長手方向の構成要素を含むことができる。好適な発生装置は、Ethicon Endo−Surgery.(Cincinnati,Ohio)から、モデル番号GEN11として入手可能である。音響組立体106が通電されると、振動運動の定常波が音響組立体106を通して発生する。超音波外科用器具10は、所定の振幅の音響定常波パターンが生み出されるように、共振で動作するように設計される。音響組立体106に沿った任意の点における振動運動の振幅は、振動運動が測定される音響組立体106に沿った場所に依存する。振動運動定常波における最小又はゼロ交差は、一般的に節(すなわち、運動が最小である)と称し、定常波における局所的最大絶対値又はピークは、一般的に、腹(例えば、局所的運動が最大である)と称する。腹とその最も近い節との間の距離は、波長の4分の1(λ/4)である。
【0052】
ワイヤ120及び122は、超音波信号発生装置20から正極114及び負極116に電気信号を伝達する。圧電素子112は、例えば、音響組立体106において音響定常波を生み出すために、フットスイッチなどのアクチュエータ224に応答して、超音波信号発生装置20から供給される電気信号によって通電される。電気信号は、圧電素子112中に、繰り返される小変位形態の乱れを起こし、材料中に大きな交互の圧縮及び伸張をもたらす。繰り返される小変位によって圧電素子112は連続的に電圧勾配の軸に沿って伸縮させ、超音波エネルギーの長手方向の波を生成する。超音波エネルギーは、音響組立体106を通って、細長シャフト組立体14の伝達構成要素又は超音波伝達導波管部分78を介して、エンドエフェクタ組立体26のブレード66に伝達される。
【0053】
一例示的な実施形態では、音響組立体106がエネルギーをエンドエフェクタ組立体26のブレード66部分に送達するために、音響組立体106の全ての構成要素はブレード66に音響的に連結されなければならない。超音波変換器16の遠位端は、スタッド124などのねじ込み接続によって、表面110において超音波伝送導波路78の近位端に音響的に連結されてもよい。
【0054】
一例示的な実施形態では、音響組立体106の構成要素は、好ましくは調整され、それにより、任意の組立体の長さは、2分の1波長の整数(nλ/2)であり、波長λは、音響組立体106の予め選択されたか、又は動作中の長手方向振動駆動周波数fの波長である。音響組立体106は、音響要素の任意の好適な配列を組み込むことができることも想到される。
【0055】
一例示的な実施形態では、ブレード66は、2分の1システム波長(nλ/2)の整数倍と実質的に等しい長さを有していてもよい。ブレード66の遠位端は、遠位端の最大長手方向の振動幅を提供するために、腹付近に設けられてもよい。変換器組立体が通電されると、ブレード66の遠位端は、例えば、およそ10〜500ミクロンのピークからピークまでの範囲内で、好ましくは、例えば、55kHzの所定の振動周波数において、約30〜64ミクロンの範囲内で移動するように構成されていてもよい。
【0056】
一例示的な実施形態では、ブレード66は超音波伝達導波管78に連結されていてもよい。ブレード66及び超音波伝達導波管78は、示されるように、超音波エネルギーの伝達に好適な材料からの単一ユニット構成として形成される。こうした材料の例には、Ti6Al4V(アルミニウム及びバナジウムを含むチタンの合金)、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の好適な材料が挙げられる。あるいは、ブレード66は超音波伝送導波路78から分離可能(かつ異なる組成のもの)であって、例えば、スタッド、溶接、接着剤、急速接続、又は他の好適な既知の方法によって連結されてもよい。超音波伝達導波管78の長さは、例えば2分の1波長の整数(nλ/2)に実質的に等しくてよい。超音波伝達導波管78は、例えば上述のチタン合金(すなわち、Ti6Al4V)若しくは任意の好適なアルミニウム合金、又は他の合金など、超音波エネルギーを効率的に伝播するのに好適な材料から構築された中実コアシャフトから好ましくは作られてもよい。
【0057】
一例示的な実施形態では、超音波伝達導波管78は、スタッド124などのねじ込み接続によって、超音波伝達導波管78の表面110に連結するために、近位端にある長手方向に突起するアタッチメントポストを備える。超音波伝達導波管78は、複数の節に配置される、複数の安定用のシリコーンリング又は適合する支持体82(図5)を含んでいてもよい。シリコーンリング82は、望ましくない振動を緩衝して、最高効率を有するブレード66の遠位端に対する縦方向の超音波エネルギーの流れを保証している外側保護シース80(図5)から、超音波エネルギーを分離する。
【0058】
図9は、近位回転組立体128の一例示的な実施形態を示す。示された実施形態では、近位回転組立体128は、円筒形のハブ135を覆うように挿入される近位回転ノブ134を備える。近位回転ノブ134は、円筒形のハブ135の近位端に形成される、対応するスロット130に受容される複数の放射状突起138を備える。近位回転ノブ134は、超音波変換器16の遠位端を受容するための開口142を画定する。放射状突起138は柔らかい高分子材料から形成され、超音波変換器16の遠位端が、嵌合されたときに摩擦干渉を生じさせるために、超音波変換器16の外径に対して小さい直径を画定する。高分子放射状突起138は開口142に向かって半径方向に突出し、超音波変換器16の外部ハウジングをしっかりと把持する「グリッパ」リブを形成する。したがって、近位回転ノブ134は、超音波変換器16をしっかりと把持する。
【0059】
円筒形のハブ135の遠位端は、円周縁132と、円周軸受表面140とを備える。円周縁はハウジング12に形成された溝と係合し、円周軸受表面140はハウジング12と係合する。そのため、円筒形のハブ135は、ハウジング12の2つのハウジング部分(図示せず)に機械的に保持される。円筒形のハブ135の円周縁132は、第1のハウジング部分12aと第2のハウジング部分12bとの間に配されるか「嵌められ」、溝内の定位置で自由に回転できる。円周軸受表面140は、ハウジングの内部分に対面して配され、適切な回転を補助する。そのため、円筒形のハブ135は、ハウジング内の定位置で自由に回転できる。ユーザーは、ハウジング12内で円筒形のハブ135を回転させるために、近位回転ノブ134上に形成される縦溝136を指又は親指のいずれかと係合させる。
【0060】
一例示的な実施形態では、円筒形のハブ135はポリカーボネートなどの耐久性プラスチックから形成されてもよい。一例示的な実施形態では、円筒形のハブ135は、シリコン処理をしたポリカーボネート材料から形成されてもよい。一例示的な実施形態では、近位回転ノブ134は、例えば、GLS社(GLS Corporation)によって作製されるVersaflex(登録商標)TPE合金を含む柔軟な弾性可撓性高分子材料から形成されてもよい。近位回転ノブ134は、例えば、エラストマー材料、Santoprene(登録商標)として周知の熱可塑性ゴム、他の熱可塑性加硫物(TPVs)、又はエラストマーから形成されてもよい。ただし、実施形態はこの文脈に限定されない。
【0061】
図10は、単一素子エンドエフェクタ278を有する外科用器具210を含む外科用システム200の一例示的な実施形態を示す。システム200は、示されるように、エンドエフェクタ278に連結された変換器組立体216と、エンドエフェクタ278の近位部分の周りに配置されたシース256とを含んでいてもよい。変換器組立体216及びエンドエフェクタ278は、上述の変換器組立体16及びエンドエフェクタ18に類似した様態で動作して、ブレード226’を介して組織に伝達できる超音波エネルギーを生成してもよい。
【0062】
図11図18Cは、組織を処置及び/又は破壊する、若しくは発生装置(例えば、電気外科用器具)にフィードバックを提供するために治療レベル及び/又は治療レベル未満の電気エネルギーを用いる外科用器具の様々な実施形態を図示する。図11図18Cの実施形態は手動又は手で操作する様態での使用に適合されているが、電気外科用器具をロボット用途に活用することもできる。図11は、電気エネルギー外科用器具310を備える外科用器具システム300の一例示的な実施形態の斜視図である。電気外科用器具310は、近位ハンドル312と、遠位作業端部つまりエンドエフェクタ326と、それらの間に設けられる導入器又は細長シャフト314とを備え得る。
【0063】
電気外科用システム300は、電気エネルギー、超音波エネルギー、熱エネルギー又はその任意の組み合わせなどのエネルギーを、患者の組織に、説明されるように、個別又は同時に、例えば図1と関連して供給するように構成することができる。一例示的な実施形態では、電気外科用システム300は、電気外科用器具310と電気的に連通する発生装置320を備える。発生装置320は、ケーブル322などの好適な伝達媒体を介して電気外科用器具310に接続される。一例示的な実施形態では、発生装置320は、例えば、制御ユニット325などのコントローラと連結される。様々な実施形態では、制御ユニット325は発生装置320と一体的に形成されてもよく、又は、発生装置320と電気的に連結された別の回路モジュール若しくは装置として提供されてもよい(このオプションを例示するために図では点線で示されている)。現在開示している実施形態では、発生装置320は電気外科用器具310とは別々に示されるが、一例示的な実施形態では、発生装置320(及び/又は制御ユニット325)は電気外科用器具310と一体的に形成されて単位制電気外科用システム300を形成し、電気外科用器具310内に配される電池がエネルギー源であり、電池に連結される回路が好適な電気エネルギー、超音波エネルギー、又は熱エネルギーを生成する。このような一例を図17図18Cに関連して以下に説明する。
【0064】
発生装置320は、発生装置320コンソールの前側パネルに配される入力装置335を備えていてもよい。入力装置335は、例えば、キーボード又は入力ポートなどの、発生装置320の動作をプログラミングするために好適な信号を生成する任意の好適な装置を備えていてもよい。一例示的な実施形態では、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bの中の様々な電極が発生装置320と連結していてもよい。ケーブル322は、電気外科用器具310の正極(+)及び負極(−)に電気エネルギーを印加する複数の電気的導電線を含んでいてもよい。制御ユニット325は、電気源として用いられ得る発生装置320を起動するのに用いてもよい。様々な実施形態では、発生装置320は、例えば、個別に又は同時に起動されてもよいRF源、超音波源、直流源、及び/又は任意の他の好適な種類の電気エネルギー源を備えていてもよい。
【0065】
様々な実施形態では、電気外科用システム300は少なくとも1つの供給導体331と、少なくとも1つのリターン導体333とを備えていてもよく、電流は、供給導体331を介して電気外科用器具300に供給可能であり、電流は、リターン導体333を介して発生装置320に流れ戻ることができる。種々の実施形では、供給導体331及びリターン導体333は、絶縁線及び/又は任意のその他の好適な種類の導体を含んでもよい。特定の実施形態では、以下に説明するように、供給導体331及びリターン導体333は、発生装置320と電気外科用器具310のエンドエフェクタ326との間(又は少なくとも部分的にそれらの間)に延びるケーブル322の中に収容されてもよい、及び/又は該ケーブルを含んでいてもよい。いずれの場合も、発生装置320は、十分な電流をエンドエフェクタ110に供給することができるように、供給導体331及びリターン導体333との間に十分な電圧差を印加するように構成され得る。
【0066】
図12は、外科用器具310のハンドル312の一例示的な実施形態の側面図である。図12では、ハンドル312は、第2ハンドル本体312B内の様々な構成要素を示すために、第1ハンドル本体312Aの半分が取り除かれて示される(図11)。ハンドル312は、経路33に沿って引くことができるレバーアーム321(例えば、トリガ)を備えていてもよい。レバーアーム321は、レバーアーム321の延長398に動作可能に係合するシャトル384によって、細長シャフト314内に配置される軸方向に移動可能な部材378(図13図16)に連結することができる。シャトル384は、バネ388などの付勢装置に更に接続されてもよく、このバネ388は、第2のハンドル本体312Bにも接続されて、シャトル384、ひいては軸方向に移動可能な部材378を近位方向に付勢し、それによって、顎部364A及び364Bを、図11に見られるような開位置に動かすことができる。更に、図11図12を参照すると、ロック部材190(図12参照)は、ロックスイッチ328(図11を参照)によって、示されるようにシャトル384が遠位側に移動するのが実質的に防止されるロック位置と、シャトル384が細長シャフト314に向かって遠位方向に自由に移動可能であるロック解除位置との間を移動してもよい。ハンドル312は、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bを作動させるための作動レバー、トリガ、又はスライダーを保持するように構成された、任意のタイプのピストルグリップ、又は、当該技術分野において既知の他のタイプのハンドルであり得る。細長シャフト314は、例えば円筒形又は長方形の横断面を有しており、ハンドル312から延びる薄壁管状スリーブを備えることができる。細長シャフト314は、顎部を作動させ、エンドエフェクタ326の電気外科構成要素に電気エネルギーを供給する電気リード線を運ぶために、例えば軸方向に移動可能な部材378といった、作動機構を保持するための、細長シャフト314を通って延びる孔を有してもよい。
【0067】
エンドエフェクタ326は組織の捕捉及び切除、並びに、エネルギー(例えば、RFエネルギー)を制御して印加して捕捉された組織を同時に溶接するように、適合されていてもよい。第1の顎部364A及び第2の顎部364Bは、結果として軸方向に移動可能な部材378によって画定される縦軸「T」の周りの組織を掴む又はその組織に係合するために閉じられてもよい。第1の顎部364A及び第2の顎部364Bはまた、組織を圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、細長シャフト314は、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bと併せて、矢印196(図11を参照)に示すように、ハンドル312に対して360°全回転することができる。例えば、回転ノブ348はシャフト314の縦軸に対して回転可能であってもよく、ノブ348の回転によって、それに応じたシャフト314の回転が引き起こされるようにシャフト314に連結されていてもよい。第1の顎部364A及び第2の顎部364Bは、回転している間、開放可能及び/又は閉鎖可能な状態を維持することができる。
【0068】
図13は、顎部364A、364Bが開いた状態のエンドエフェクタ326の一例示的な実施形態の斜視図を示し、図14は顎部364A、364Bが閉じた状態のエンドエフェクタ326の一例示的な実施形態の斜視図を示す。前述のように、エンドエフェクタ326は、直線又は曲線状であってもよい上方の第1の顎部364A及び下方の第2の顎部364Bを備えていてもよい。第1の顎部364A及び第2の顎部364Bはそれぞれ、それぞれの中間部分に沿ってそれぞれ外方に設けられる細長スロット又は溝362A及び362Bを備えていてもよい。更に、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bはそれぞれ、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bの内側部分に設けられた、歯363などの組織把持要素を有していてもよい。第1の顎部364Aは、上方の第1の外向きの表面202Aと上方の第1のエネルギー供給表面365Aとを有する上方の第1の顎部本体200Aを備えていてもよい。第2の顎部364Bは、下方の第2の外向きの表面202Bと下方の第2のエネルギー供給表面365Bとを有する第2の顎部本体200Bを備えていてもよい。第1のエネルギー供給表面365A及び第2のエネルギー供給表面365Bは共に、エンドエフェクタ326の遠位端の周りで「U」字型に延びていてもよい。
【0069】
ハンドル312(図12)のレバーアーム321は、顎部閉鎖機構としても機能し得る、軸方向に移動可能な部材378を作動させるよう適合され得る。例えば、図12に示して前に説明されたように、レバーアーム321が経路33に沿って近位的にシャトル384を介して引っ張られることで、軸方向に移動可能な部材378は遠位的に押し出されてもよい。
【0070】
図15は、外科用器具310の軸方向に移動可能な部材378の例示的な一実施形態の斜視図である。軸方向に移動可能な部材378は1つ又はいくつかの部品を含んでいてもよいが、いずれの場合でも、細長シャフト314及び/又は顎部364A、364Bに対して移動可能又は並進可能であってもよい。また、少なくとも一例示的な実施形態では、軸方向に移動可能な部材378は17−4析出硬化型ステンレス鋼からなってもよい。軸方向に移動可能な部材378の遠位端は、顎部364A及び364Bのチャネル362A及び362B内で摺動するように構成されたフランジ付き「I」ビームを含んでいてもよい。軸方向に移動可能な部材378は、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bを開閉するために、チャネル362A、362B内で摺動してもよい。軸方向に移動可能な部材378の遠位端もまた、上方のフランジ又は「c」字型部分378A及び下方のフランジ又は「c」字型部分378Bを備えていてもよい。フランジ378A及び378Bはそれぞれ、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bの外向きの表面を係合する内部カム表面367A及び367Bを画定する。顎部364A及び364Bの開閉は、移動可能な「Iビーム」の軸方向に移動可能な部材378及び顎部364A、364Bの外向き表面369A、369Bを含み得るカム機構を使用して組織に対して非常に高い圧縮力を印加することができる。
【0071】
より具体的には、図13図15を参照すると、総じて、軸方向に移動可能な部材378の遠位端の内部カム表面367A及び367Bは、それぞれ第1の顎部364A及び第2の顎部364Bの第1外向きの表面369A及び第2外向きの表面369Bを摺動可能に係合するように適合されてもよい。第1の顎部364A内のチャネル362A及び第2の顎部364B内のチャネル362Bは、軸方向に移動可能な部材378(組織切断要素371、例えば、鋭い遠位端を含む)の動きに適合するように寸法設定されかつ構成されてもよい。例えば、図14は、チャネル362A及び362B(図13)を通って少なくとも部分的に前進した軸方向に移動可能な部材378の遠位端を示す。軸方向に移動可能な部材378が前進することで、図13に示すエンドエフェクタ326の開いた構成を閉じてもよい。図14に示す閉位置において、上方の第1の顎部364A及び下方の第2の顎部364Bはそれぞれ、第1の顎部364A及び第2の顎部364Bの第1のエネルギー供給表面365A及び第2のエネルギー供給表面365Bとの間の、間隙つまり寸法Dを画定する。様々な実施形態において、例えば、寸法Dは約0.01mm〜約1.0mm(約0.0005”〜約0.040”)に等しくすることができ、いくつかの実施形態では、例えば、約0.03mm〜0.25mm(約0.001”〜約0.010”)に等しくすることができる。また、第1のエネルギー供給表面365A及び第2のエネルギー供給表面365Bの縁部は、組織の切開を防止するために丸められていてもよい。
【0072】
図16は、外科用器具310のエンドエフェクタ326の一例示的な実施形態の断面図である。下方の顎部364Bの係合、又は組織接触表面365Bは、以下により詳細に説明するように、少なくとも部分的に、可変抵抗性正温度係数(PTC)本体などの伝導性抵抗基材を通って、組織にエネルギーを供給するように適合される。上方及び下方の顎部364A、364Bの少なくとも1つは、捕捉された組織にエネルギーを発生装置320から供給するように構成される少なくとも1つの電極373を有していてもよい。上方の顎部364Aの係合、又は組織接触表面365Aは、類似の伝導性抵抗基材(すなわち、PTC材料)を有していてもよく、又はいくつかの実施形態では、表面は例えば導電性電極若しくは絶縁層であってもよい。あるいは、顎部の係合表面は、本明細書中にその全体が参照によって組み込まれる、2001年10月22日に出願された、表題「ELECTROSURGICAL JAW STRUCTURE FOR CONTROLLED ENERGY DELIVERY」、米国特許第6,773,409号に記載の任意のエネルギー供給構成要素を有していてもよい。
【0073】
第1のエネルギー供給表面365A及び第2のエネルギー供給表面365Bは、それぞれ発生装置320と電気的に連通していてもよい。第1のエネルギー供給表面365A及び第2のエネルギー供給表面365Bは、組織と接触し、捕捉した組織に組織を封止又は溶接するように適合されている電気外科エネルギーを供給するように構成されていてもよい。制御ユニット325は、電気発生装置320によって供給された電気エネルギーを調節することができ、今度は電気発生装置320が、第1エネルギー供給表面365A及び第2エネルギー供給表面365Bに電気外科エネルギーを供給する。エネルギー供給は、レバーアーム321に動作可能に係合し、ケーブル322を介して生成器320と電気的に通信する作動ボタン328(図12)によって開始することができる。例示的な一実施形態では、電気外科用器具310は、フットスイッチ329(図11)を用いて発生装置320によって通電されてもよい。作動されると、例えば、フットスイッチ329は発生装置320を起動させて、電気エネルギーをエンドエフェクタ326に伝達させる。制御ユニット325は作動中に、発生装置320によって生成された電力を調節してもよい。フットスイッチ329は多くの状況において好適であり得るが、他の好適な種類のスイッチを使用することもできる。
【0074】
前述のように、電気発生装置320によって供給されて制御ユニット325によって調節又はその他の方法で制御された電気外科エネルギーは、無線周波数(RF)エネルギー、若しくはその他の好適な電気エネルギーの形態を含んでいてもよい。更に、対面する第1及び第2エネルギー供給表面365A及び365Bは、発生装置320及び制御ユニット325と電気的に連通する、可変抵抗性正温度係数(PTC)本体を有していてもよい。電気外科エンドエフェクタ、顎部閉鎖機構、及び電気外科エネルギー供給表面に関する追加の詳細は、以下の米国特許及び発行された特許出願に記載されている。米国特許第7,087,054号、同第7,083,619号、同第7,070,597号、同第7,041,102号、同第7,011,657号、同第6,929,644号、同第6,926,716号、同第6,913,579号、同第6,905,497号、同第6,802,843号、同第6,770,072号、同第6,656,177号、同第6,533,784号、及び同第6,500,312号、並びに、米国特許出願公開第2010/0036370号、及び同第2009/0076506号。これらの内容の全ては、参照によって全体として本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す。
【0075】
一例示的な実施形態では、発生装置320は、無線周波数(RF)エネルギーを用いて2極電気外科手術を行うのに十分な電力を供給することができる電気外科ユニット(ESU)(electrosurgery unit)として実装されてもよい。一例示的な実施形態では、ESUは、ERBE USA,Inc.(Marietta,Georgia)から販売される2極ERBE ICC 350であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば2極電気外科手術用途について、活性電極とリターン電極とを有する外科用器具を使用することができ、活性電極及びリターン電極は、電流が活性電極から正温度係数(PTC)本体を通って、組織を通ってリターン電極に流れることができるように、処置される組織に対して、隣接して及び/又は電気的に連通して配置することができる。したがって、様々な実施形態では、電気外科用システム300は供給経路及びリターン経路を含んでいてもよく、処置された捕捉組織は、回路を完成させる、若しくは閉鎖させる。一例示的な実施形態では、発生装置320は単極RF ESUであってもよく、電気外科用器具310は1つ以上の活性電極が一体化された単極エンドエフェクタ326を備えていてもよい。このようなシステムについては、発生装置320は、手術部位及び/又はその他の好適な戻り経路から離れた位置にある、患者と密接したリターンパッドを必要とする場合がある。リターンパッドは、ケーブルを介して発生装置320に接続されていてもよい。他の実施形態では、操作者20は、組織の状態を評価して電気外科用システム300にフィードバックを提供する目的で治療レベル未満のRFエネルギーを提供してもよい。このようなフィードバックは、電気外科用器具310の治療レベルのRFエネルギー出力を制御するために採用されてもよい。
【0076】
電気外科用器具300の操作中、ユーザーは一般的に組織を掴み、捕捉した組織にエネルギーを供給して溶接物又は封止を形成して(例えば、作動ボタン328及び/又はペダル216によって)、そして次に捕捉組織を通って組織切断要素371を軸方向に移動可能な部材378の遠位端で駆動する。様々な実施形態によれば、軸方向に移動可能な部材378の軸状の動きの並進は、軸方向に移動可能な部材378の駆動を好適な移動速度で補助するようにペーシング、若しくはその他の方法で制御されてもよい。移動速度を制御することによって、切断要素371を用いての切離前に捕捉組織が正しく及び機能的に封止される可能性が増加する。
【0077】
図17は、コードレスの電気エネルギー外科用器具410を備える外科用器具システムの一例示的な実施形態の斜視図である。電気外科用システムは、電気外科用システム300と類似している。電気外科用システムは、例えば図1及び11に関連して説明されるように、別々に又は同時に、患者の組織に、電気エネルギー、超音波エネルギー、熱エネルギー、若しくはその任意の組み合わせなどのエネルギーを供給するように構成することができる。電気外科用器具は、本明細書中に記載のエンドエフェクタ326及び細長シャフト314を、コードレスの近位ハンドル412と併せて使用されてもよい。一例示的な実施形態では、ハンドル412は発生回路420を備える(図18Aを参照)。発生回路420は、発生装置320のものと実質的に類似する機能を実行する。一例示的な実施形態では、発生回路420は、制御回路などのコントローラと連結される。示される実施形態では、制御回路は発生回路420と一体化されている。他の実施形態では、制御回路は発生回路420と別々であってもよい。
【0078】
一例示的な実施形態では、エンドエフェクタ326における様々な電極(その顎部364A、364Bを含む)が発生回路420と連結されていてもよい。制御回路は、電気源として機能し得る発生装置420を起動するために用いてもよい。様々な実施形態において、発生装置420は、例えばRF電源、超音波源、直流源、及び/又は他の任意の好適な種類の電気エネルギー源を含んでいてもよい。一例示的な実施形態では、発生回路420を起動させてエンドエフェクタ326、326にエネルギーを提供するために、ボタン328が設けられてもよい。
【0079】
図18Aは、コードレスの外科用器具410のハンドル412の一例示的な実施形態の側面図である。図18Aでは、ハンドル412は、第2のハンドル本体434内の様々な構成要素を図示するために、第1のハンドル本体の半分を除いて示している。ハンドル412は、枢動点の周りの経路33に沿って引っ張られるレバーアーム424(例えば、トリガ)を含んでいてもよい。レバーアーム424は、レバーアーム424の延長部に動作可能に係合されたシャトルによって、細長シャフト314内に設けられた軸方向に移動可能な部材478に連結されていてもよい。一例示的な実施形態では、レバーアーム424は、遠位部材424aと近位部材424bとを含む、シェパードフック(shepherd's hook)の形を画定する。
【0080】
一例示的な実施形態では、コードレスの電気外科用器具は電池437を備える。電池437は発生回路420に電気エネルギーを与える。電池437は、所望のエネルギーレベルにおいて発生回路420を駆動するのに好適な任意の電池であり得る。一例示的な実施形態では、電池437は、100mAhの、トリプルセルリチウムイオンポリマー電池である。電池は外科的処置にて用いられる前にフル充電されてもよく、約12.6Vの電圧を保持していてもよい。電池437は、各電池端末に並んで配される、コードレスの電気外科用器具410に適した2つのヒューズを有していてもよい。一例示的な実施形態では、電池437を直流源(図示せず)に接続するための充電ポート439が設けられている。
【0081】
発生回路420は、任意の好適な様態で構成され得る。いくつかの実施形態では、発生回路はRF駆動及び制御回路440、並びにコントローラ回路482を備える。図18Bは、一実施形態による、RF駆動及び制御回路440を示す。図18Bは、エンドエフェクタ326に供給されるRF電気エネルギーを生成及び制御するために本実施形態において使用されるRF駆動及び制御回路440を例示する、部分的概略、部分的ブロック図である。以下で更に詳細に説明するように、この実施形態では、駆動回路440は、並列共振ネットワークをRF増幅器出力部に備えた共振モードRF増幅器であり、制御回路は、駆動信号の作動周波数を制御するように作動して、その作動周波数が駆動回路の共振周波数に維持されて、同様にエンドエフェクタ326に供給される電力量を制御する。これが達成される方式は、以下の説明から明らかとなろう。
【0082】
図18Bに示すように、RF駆動及び制御回路440は、この例においては約0V〜約12Vレールに給電するように構成された上述の電池437を備える。低電源インピーダンスを得るために、入力コンデンサ(Cin)442は0Vと12Vとの間で接続されている。一対のFETスイッチ443−1と443−2(共にこの実施形態においては電力損失を低減するためにNチャネルである)が0Vレールと12Vレールとの間に直列に接続されている。2つのFET 443のそれぞれを駆動するために、2つの駆動信号を発生させるFETゲート駆動回路805が設けられている。FETゲート駆動回路445は、下方のFET(443−2)がオフであるときに上方のFET(443−1)をオンにし、またその逆にする駆動信号を発生させる。これにより、節447は12Vレール(FET 443−1がオンに切り替えられたとき)及び0Vレール(FET 443−2がオンに切り替えられたとき)に交互に接続されることになる。図18Bはまた、FET 443が開いている任意の期間に動作する、対応するFET 443の内部寄生ダイオード448−1及び448−2を示す。
【0083】
図18Bに示すように、節447は、コイルL 452及びコイルL 454によって形成されたコイル・コイル共振回路450に接続されている。FETゲート駆動回路445は、並列共振回路450の共振周波数でFETスイッチ443を開閉する駆動信号を駆動周波数(f)で生成されるように構成されている。共振回路450の共振特性の結果として、ノード447における方形波電圧は、駆動周波数(f)の略正弦波状の電流を共振回路450内に流れさせる。図18Bに示すように、コイルL 454は変圧器455の一次側であり、その二次側はコイルLsec 456で形成されている。変圧器455の二次側のコイルLsec 456は、コイルL 458、コンデンサC 460、及びコンデンサC 462によって形成されるコイル・コンデンサ・コンデンサの並列共振回路457に接続されている。変圧器455は、コイルL 454にかかる駆動電圧(V)を、出力並列共振回路457に印加される電圧にアップコンバートする。負荷電圧(V)は、並列共振回路457によって出力され、鉗子の顎部、及びエンドエフェクタ326により把持される任意の組織又は血管のインピーダンスに対応する負荷(図18Bの負荷抵抗Rload 459により表される)に印加される。図18Bに図示されるように、直流阻止コンデンサの対CbI 480−1及び480−2が設けられて、任意の直流信号が負荷459に印加されるのを防いでいる。
【0084】
一実施形態において、変圧器455は、以下の仕様に従うコア径(mm)、線径(mm)、及び二次巻線同士の間隙で実現され得る。
コア径D(mm)
D=19.9×10−3
22AWGワイヤの線径W(mm)
W=7.366×10−4
間隙0.125の2次巻線同士の間隙
G=gap/25.4
【0085】
この実施形態では、エンドエフェクタ326に供給される電力の量は、FET 443を切り替えるために使用される変換記号の周波数を変えることによって制御される。これは、共振回路450が周波数依存性(無損失)減衰器として作用するために、機能する。駆動信号が共振回路450の共振周波数に近づくほど、駆動信号は減衰されなくなる。同様に、駆動信号の周波数が移動して回路450の共振周波数から離れるほど、駆動信号は減衰され、したがって負荷に供給される電力も低下する。この実施形態において、FETゲート駆動回路445によって生成されるスイッチング信号の周波数は、負荷459に供給されるべき目標電力、並びに従来の電圧検出回路483及び電流検出回路485によって取得される負荷電圧(V)及び負荷電流(I)の測定値に基づいて、コントローラ481によって制御される。コントローラ481が動作する方式について、以下で更に詳細に説明する。
【0086】
一実施形態において、電圧検出回路483及び電流検出回路485は、高帯域幅で高速のレールツーレール増幅器(例えば、National Semiconductor社によるLMH6643)で実現され得る。そのような増幅器はしかしながら、作動状態にあるとき、比較的多くの電流を消費する。したがって、増幅器が電圧検出回路483及び電流検出回路485において使用されていないときに増幅器の供給電圧を低減するために、節電回路が設けられてもよい。一実施形態において、レールツーレール増幅器の供給電圧を低減し、それによって電池437の寿命を延長するために、ステップダウンレギュレータ(例えばLinear Technology社のLT3502)を節電回路で利用してもよい。
【0087】
図18Cは、一実施形態によるコントローラ481の主構成要素を示している。図18Cに示す実施形態では、コントローラ481は、マイクロプロセッサベースのコントローラなどの処理装置を備えていてもよく、したがって図16に示される構成要素のほとんどがソフトウェアペースの構成要素である。それでもなお、それに代わってハードウェアベースのコントローラ481が使用されてもよい。図示するように、コントローラ481は同期I、Qサンプリング回路491を有しており、この同期I、Qサンプリング回路491は、検出電圧及び電流信号を検出回路483及び485から受信し、電力、Vrms及びIrms計算モジュール493に渡される、対応するサンプルを取得する。計算モジュール493は、負荷459(図18B、それによって握持されるエンドエフェクタ326及び組織/血管)に印加されるRMS電圧及びRMS電流を計算し、これらから負荷に459に現在供給されている電力を計算するために、受信したサンプルを用いる。決定した値は次いで、周波数制御モジュール495及び医療装置制御モジュール497に渡される。医療装置制御モジュール497は、それらの値を使用して負荷459の現在のインピーダンスを決定し、決定したこのインピーダンスと定義済みのアルゴリズムに基づいて、どの程度の目標電力(Pset)を周波数制御モジュール495に印加すべきかを決定する。医療用装置制御モジュール497はひいては、ユーザーの入力(例えば、ボタンを押すか、又はハンドル104の制御レバー114、110を起動する)を受け取るユーザー入力モジュール499から受信される信号により制御され、また、ユーザー出力モジュール461によってハンドル104上の出力装置(光、ディスプレイ、スピーカーなど)を制御する。
【0088】
周波数制御モジュール495は、計算モジュール493から取得した値及び医療装置制御モジュール497から取得した電力目標値(Pset)、並びに定義済みのシステム限界(以下で説明する)を使用して、印加周波数を増減させるべきか否かを判断する。この判断の結果は次いで、方形波発生モジュール463に渡されるが、方形波発生モジュール463はこの実施形態において、受け取った判断に基づいて、発生させる方形波信号の周波数を1kHz単位で増減させる。当業者には明らかとなるように、別の実施形態において、周波数制御モジュール495は、周波数を増やすべきかそれとも減らすべきかだけでなく、必要となる周波数変化の大きさをも決定し得る。この場合、方形波発生モジュール463は、所望の周波数シフトを有して、対応する方形波信号を生成する。この実施形態において、方形波発生モジュール463によって発生された方形波信号はFETゲート駆動回路445に出力され、FETゲート駆動回路445はこの信号を増幅し、FET 443−1に与える。FETゲート駆動回路445はまた、FET 443−1に印加される信号を反転させ、その反転した信号をFET 443−2に印加する。
【0089】
電気外科用器具410は、電子外科用システム300に対して記載される追加の特徴を備えていてもよい。当業者であれば、電気外科用器具410が回転ノブ348、細長シャフト314、及びエンドエフェクタ326を含み得ることは認識できるであろう。これらの要素は、電気外科用システム300に対して記載する様態と実質的に類似して機能する。一例示的な実施形態では、コードレスの電気外科用器具410は視覚インジケータ435を含んでいてもよい。視覚インジケータ435は、視覚指示合図を操作者に提供することができる。一例示的な実施形態では、視覚指示合図は操作者に装置の電源がついていること、又は装置がエンドエフェクタにエネルギーを印加していることを警告してもよい。当業者であれば、視覚インジケータ435は装置の複数の状態の情報を提供するように構成されてもよいことを認識できるであろう。
【0090】
外科的な巧緻性を向上させ並びに外科医が直感的な方式で患者に手術できるようにするために、長年にわたって、様々な最小侵襲ロボット(又は「遠隔手術」)システムが開発されてきた。ロボット外科用システムは、本明細書で説明するように、例えば超音波又は電気外科用器具を含め、多種多様な外科用器具と共に使用することができる。例示的なロボットシステムは、米国カリフォルニア州サニーヴェールのIntuitive Surgical社によって製造されるものを含む。このようなシステムは、他の製造業者からのロボットシステムと同様に、以下の米国特許に開示されており、これらはそれぞれ全体として引用により本明細書に組み込まれる。発明の名称が「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」である米国特許第5,792,135号、発明の名称が「Robotic Arm DLUS For Performing Surgical Tasks」である米国特許第6,231,565号、発明の名称が「Robotic Surgical Tool With Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」である米国特許第6,783,524号、発明の名称が「Alignment of Master and Slave In a Minimally Invasive Surgical Apparatus」である米国特許第6,364,888号、発明の名称が「Mechanical Actuator Interface System For Robotic Surgical Tools」である米国特許第7,524,320号、発明の名称が「Platform Link Wrist Mechanism」である米国特許第7,691,098号、発明の名称が「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」である米国特許第7,806,891号、及び発明の名称が「Surgical Tool With Wristed Monopolar Electrosurgical End Effectors」である米国特許第7,824,401号に開示されている。しかし、このようなシステムの多くは、効果的に組織を切って固定するために必要とされる力の大きさを生成することが従来できなかった。
【0091】
図19図46Cは、ロボット外科用システムの例示的な実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、開示されるロボット外科用システムは本明細書に記載される超音波又は電気外科用器具を活用してもよい。当業者であれば、図示されるロボット外科用システムが本明細書に説明される器具のみに限定されないと理解し、任意の互換性のある外科用器具を用いられることを理解できるであろう。当業者であれば更に、本明細書に記載される様々な実施形態がロボット外科用システムと一緒に用いられてもよいがそれに限定されず、任意の互換性のあるロボット外科用システムと用いることができることを理解できるであろう。
【0092】
図19図25はいくつかの例示的なロボット外科用システム及びその構成要素の構成及び動作を図示する。図19は、例示的なロボット外科用システム500のブロック図を示す。システム500は、少なくとも1台のコントローラ508と、少なくとも1台のアームカート510とを備えている。アームカート510は、ボックス512で示される、1つ以上のロボットマニピュレータに機械的に連結されていてもよい。ロボットアーム512のそれぞれは、患者504に対して様々な外科的作業を実施するための1台以上の外科用器具514を備えていてもよい。アーム512及び器具514を含めた、アームカート510の動作は、臨床医502によってコントローラ508から指示され得る。いくつかの実施形態では、第2の臨床医502’によって操作される第2のコントローラ508’から、第1の臨床医502’と併せてアームカート510の動作を指示してもよい。例えば、臨床医502、502’のそれぞれはカートの異なるアーム512を制御してもよく、いくつかの場合では、アームカート510の完全な制御を臨床医502、502’間で渡してもよい。いくつかの実施形態では、追加のアームカート(図示せず)を患者504に用いてもよい。これらの追加のアームカートは、1つ以上のコントローラ508、508’によって制御されてもよい。アームカート510及びコントローラ508、508’は、任意の好適な通信プロトコルに従って任意の好適な種類の信号(例えば、電気的、光学的、赤外線など)を運ぶ任意の好適な種類の有線又は無線の通信リンクであり得る通信リンク516を介して、互いに通信してもよい。システム5000などのロボット外科用システムの例示的な実装が、本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第7,524,320号に開示されている。したがって、そのような装置の様々な詳細については、本発明の装置の各種の実施形態及び形式を理解するのに必要となり得る範囲を超えて記載されない。
【0093】
図20は、ロボットアームカート520の一例示的な実施形態を示す。ロボットアームカート520は、一般的にワークエンベロープ(work envelope)519内の、522と呼ばれる、複数の外科用器具、又は器具を作動させるように構成される。マスターコントローラとロボットアームカートの構成を用いた各種のロボット手術システム及び方法が、その開示内容の全体を本明細書に参照により援用するところの、発明の名称が「Multi−Component Telepresence System and Method」である、米国特許第6,132,368号に開示されている。様々な形態にて、ロボットアームカート520は、図示される実施形態では3つの外科用器具522を支持する基部524を含む。様々な形態にて、外科用器具522はそれぞれ、一般的にセットアップ関節526と呼ばれる、手動の関節動作が可能な一連の連結部及びロボットマニピュレータ528によって支持される。ここで、これらの構造は、ロボット連結部の大部分を覆って延びる保護カバーと共に示されている。これらの保護カバーは必須のものではなく、こうした装置を操作するために使用されるサーボ機構が受ける慣性を最小化し、可動部品の容積を限定することで衝突を防止し、カート520の全体の重量を抑制するため、サイズを限定するか又は実施形態によっては完全に省略してもよい。カート520は、手術室間でカート520を輸送するのに適した寸法を一般的に有している。カート520は、通常、標準的な手術室のドアを通り、標準的な病院のエレベーターに乗せられるように構成され得る。様々な形態において、カート520は好ましくは一定の重量を有し、1人の作業者がカート520を手術台に隣接して配置することができるように車輪(又は他の輸送)システムを有する。
【0094】
図21は、ロボットアームカート520のロボットマニピュレータ528の一例示的な実施形態を示す。図21に示される例では、ロボットマニピュレータ528は、外科用器具522の動きを制限する連結部530を含んでいてもよい。その開示内容の全体を本明細書に参照により引用する、発行された米国特許第5,817,084号により詳しく述べられるように、様々な実施形態において、連結部530が、平行四辺形の配置において回転関節によって互いに連結された剛性の連結部材を含むことにより、外科用器具522は空間内の点532を中心として回転する。この平行四辺形の配置により、回転は、時としてピッチ軸と呼ばれる軸534aを中心とした枢動運動に制限が与えられる。平行四辺形の連結をサポートしている連結は、外科用器具522が時にはヨー軸と呼ばれる軸534bの周りをさらに回転するように、セットアップ関節526(図20)に枢動可能に取り付けられる。ピッチ軸534a及びヨー軸534bは、外科用器具522のシャフト538に沿って彫心される遠隔中心536にて交差する。外科用器具522は、マニピュレータ540によってサポートされる被駆動自由度を有することができ、縦方向器具軸「LT−LT」に沿った外科用器具522の摺動運動を含む。外科用器具522がマニピュレータ540(矢印534c)に対して器具軸LT−LTに沿って摺動するので、遠隔中心536はマニピュレータ540の基部542に対して固定されたままである。したがって、マニピュレータ540全体は概して、遠隔中心536を再配置するように移動される。マニピュレータ530の連結部540は、一連のモータ544により駆動される。これらのモータ544は、制御システムの処理装置からの指令に応答して、連結部530を能動的に移動させる。以下に更に詳細に述べるように、モータ544もまた、外科用器具522を操作するために用いられる。
【0095】
図22は、代替的なセットアップ関節構造を有するロボットアームカート520’の一例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、外科用器具522は、2つの組織操作器具の間の代替的なマニピュレータ構造528’によって支持される。当業者であれば、本発明の装置の様々な実施形態が、その開示内容の全体が本明細書に参照により引用される米国特許第5,878,193号に記載のものを含む、多種多様の代替的なロボット構造を含み得ることを認識できるであろう。更に、ロボット状の構成要素とロボット外科用システムの処理装置との間のデータ通信が外科用器具522とコントローラとの間の通信を参照して本明細書中に主に説明されているが、同様の通信がマニピュレータ、セットアップ関節、内視鏡又はその他の画像撮影装置などの回路と、構成要素の適合性評価、構成要素の種類の識別、構成要素の較正(オフセットなど)の通信、構成要素のロボット外科用システムとの連結の確認などのためのロボット外科用システムの処理装置との間でも行われ得る点は理解されるであろう。
【0096】
図23は、図20図22に図示されるロボットアームカート520、520’などのロボットアームカートと併せて用いられ得るコントローラ518の一例示的な実施形態を示す。コントローラ518は、臨床医がステレオディスプレイ521を通して手術を見ながら空間内で掴んで操作するマスターコントローラ(図23において519として概して表される)を一般的に有している。ディスプレイ521を通して外科医フィードバックメータ515を見ることで、外科医に切断器具又は動的クランピング部材に印加される力の大きさの視覚的指標を提供してもよい。マスターコントローラ519は一般的に手動入力装置を備え、その手動入力装置は好ましくは、多自由度で移動するものであり、また多くの場合、器具を作動させるための(例えば、握持のこぎりの閉鎖、電極への電位の印加など)ハンドル又はトリガを更に有する。
【0097】
図24は、ロボット外科用システムに使用されるように適合される、超音波外科用器具522の一例示的な実施形態を示す。例えば、外科用器具522は、前述の外科的マニピュレータ528、528’の一方に連結されていてもよい。図24で見られるように、外科用器具522は、超音波ブレード550及びクランプアーム552を備える外科的エンドエフェクタ548を含み、これらは、いくつかの実施形態では関節運動関節556を含み得る細長シャフト組立体554に連結されていてもよい。図25は、超音波外科用器具522の代わりに電気外科用器具523を有する別の例示的な実施形態を示す。外科用器具523は、顎部551A、551Bを係合して、その間の組織に電気エネルギーを提供するエネルギー提供表面553A、553Bを有する閉鎖可能顎部551A、551Bを備える外科的エンドエフェクタ548を備える。組織切断要素又はナイフ555が、細長シャフト組立体554から器具取付部分558に延び得る軸方向に移動可能な部材557の遠位端に配置されてもよい。図26は、外科用器具522、523を受容して制御するために、外科的マニピュレータ528、528’の一方に連結されていてもよい器具駆動組立体546の一例示的な実施形態を示す。器具駆動組立体546はまた、臨床医からの入力を受容して器具522、523を制御するために、コントローラ518に動作的に連結されていてもよい。例えば、クランプアーム552の作動(例えば開閉)、顎部551A、551Bの作動(例えば、開閉)、超音波ブレード550の作動、ナイフ555の延び、及びエネルギー供給表面553A、553Bの作動などは、コントローラ518を介して与えられる臨床医からの入力に基づいて、器具駆動組立体546を通して制御されてもよい。外科用器具522は、概して558として示される器具取付部分によってマニピュレータに動作可能に連結される。外科用器具522は、器具取付部分558をマニピュレータに機械的及び電気的に連結させるインターフェース560を更に含む。
【0098】
図27は、超音波外科用器具522を含む、図26の器具駆動組立体の別の図を示す。図28は、電気外科用器具523を含む、図26の器具駆動組立体の別の図を示す。器具取付部分558は、複数の(図26では4つ示される)回転可能胴部部分、駆動ディスク又は要素564を動作可能に支持する器具取付プレート562を含み、複数の回転可能胴部部分、駆動ディスク又は要素はそれぞれ、従動要素564の表面から延びる一対のピン566を含む。一方のピン566は、同じ従動要素564上の他方のピン566よりも各従動要素564の回転軸に近くなっており、従動要素564の正の角度アラインメントを確実に行うのを補助する。従動要素564及びピント566は、器具取付プレート562のアダプタ側567に配置されてもよい。
【0099】
インターフェース560はまた、以下に更に記載するように、取付プレート562と取付可能に嵌合するように構成されたアダプタ部分568を含んでいる。アダプタ部分568は、器具取付部分558内の回路基板によってメモリ構造と連結することができる電気接続ピン570のアレイを含んでいてもよい。本明細書では、インターフェース560は、機械的、電気的、及び磁気的連結要素と関連して説明するが、赤外線、誘導連されるはずである。
【0100】
図29図31は、図26の器具駆動組立体546のアダプタ部分568の追加的な図を示す。アダプタ部568は、一般的に、器具側面572及びホルダ側面574(図29)を含む。様々な実施形態において、複数の回転可能胴部576が、アダプタ568の主要表面の法線である周囲のアダプタ構造に対して限定した移動範囲を有する浮動プレート578に取り付けられる。浮動プレート578が軸状に移動することで、器具取付部分ハウジング582の側面に沿ったレバー580が作動されたときに器具取付部分558から回転可能胴部576の連結が外れるのを補助する(図24、25を参照)。器具取付部分558をアダプタ568に取り外し可能に連結するために他の機構/構成を用いてもよい。少なくとも1つの形態では、各回転可能胴部576は、各回転可能胴部576の周囲の外,周陥凹部内に延びる弾性径方向部材によって浮動プレート578に弾性的に取り付けられる。各回転可能胴部576は、これらの弾性構造が撓むことによってプレート578に対して軸方向に動くことができる。第1の軸方向位置(器具側572に向かって)に配置された場合、回転可能胴部576は、角度の制限なく自由に回転することができる。しかしながら、回転可能胴部576が器具側572の方向に軸方向に動く際、タブ584(回転可能胴部576から径方向に延びる)が浮動プレート上の回り止めと横方向に嵌合することによって回転可能胴部576のそれらの軸を中心とした角度回転が制限される。このような限定された回転は、ロボットシステムの対応する器具把持部分588の駆動ピン586で回転可能胴部576を駆動的に係合するのを補助するように用いることができる。なぜなら、駆動ピン586は、ピン586が開口部590と整列する(及び開口部内に滑り込む)まで、回転可能胴部ピン576を制限された回転位置にまで押すからである。
【0101】
器具側572の開口590及び回転可能胴部576の把持部側574の開口590は、器具取付部分558の駆動要素564(図27図28)を器具把持部588の駆動要素592に正確に位置合わせするように構成される。駆動要素564の内側及び外側ピン566に関して上述したように、開口590は、アラインメントがその目的とする位置から33°離れないように、それぞれの回転可能胴部576上の回転軸から異なる距離にある。更に、開口590のそれぞれは、ピン566を外周方向に緊密に受容するようにわずかに径方向に細長くなっていてもよい。これにより、ピン566は開口590内で径方向に摺動可能となっており、器具522、523及び器具把持部588との間のいくらかの軸方向のずれが調整される一方で、駆動要素と従動要素との間の角度のずれ及びバックラッシュが最小限に抑えられる。図31に最も分かりやすく示されるように、器具側572上の開口590は、把持部側574上の開口590(破線で示される)から約90°外れていてもよい。
【0102】
異なる実施形態は、アダプタ568のホルダ側面574上に配置された電気的コネクタピン570のアレイを更に含んでもよく、アダプタ568の器具側面572は、器具取付部分558からのピンアレイ(図示せず)を受容するための溝部594(図31)を含んでもよい。外科用器具522、523と器具ホルダ588との間で電気信号を送信する以外に、これらの電気的接続の少なくとも一部をアダプタ568の回路基板によってアダプタ記憶装置596(図30)と接続することができる。
【0103】
取り外し可能なラッチ機能598を利用して、アダプタ568を器具把持部588に着脱可能に添付してもよい。本明細書で使用するところの「器具駆動組立体」なる用語は、ロボットシステムとの関連で使用される場合は、アダプタ568及び器具把持部588の様々な実施形態を少なくとも包含し、図26において546として概して示されている。例えば、図26に見られるように、器具把持部588は、アダプタ568に設けられた対応するクレバススロット602内に受容されるような大きさの第1のラッチピン構成600を有していてもよい。更に、器具把持部588は、アダプタ568の対応するラッチクレビス606内に保持されるような大きさの第2のラッチピン604を更に有していてもよい。図30を参照されたい。少なくとも1つの形態では、ラッチ組立体608はアダプタ568上に移動可能に支持され、ラッチピン600はそれぞれのラッチクレバス606内に保持される第1のラッチ位置と、第2のラッチピン604がラッチクレバス606内に入るか又はそこから外れることができるラッチ解除位置との間で付勢可能である。ラッチ組立体は、1乃至複数のばね(図に示されていない)を用いてラッチ位置に付勢される。アダプタ568の器具側572上の縁が、器具取付ハウジング582の横方向に延びるタブを摺動可能に受容することができる。
【0104】
説明されているように、駆動要素592の回転動作が従動要素564の対応する回転動作を引き起こすように、従動要素564は器具把持部588の駆動要素592と並べられていてもよい。駆動要素592及び従動要素564の回転は、コントローラ508を介して臨床医502から受信した指示に応じて、例えばロボットアーム612を介して電気的に制御されていてもよい。器具取付部分558は従動要素564の回転を外科用器具522、523の動作に変換し得る。
【0105】
図32図34は、従動要素564の動作を外科用器具522、523の動作に変換する構成要素を示す器具取付部分558の一例示的な実施形態を示す。図32図34は、その遠位端に外科的エンドエフェクタ610を有するシャフト538を設けた器具取付部分を示す。エンドエフェクタ610は、患者に外科的タスクを行う任意の好適な種類のエンドエフェクタであり得る。例えば、エンドエフェクタは、手術部位の組織にRF及び/又は超音波エネルギーを与えるように構成されてもよい。シャフト538は器具取付部分558に回転可能に連結されていてもよく、シャフト538の連結器650にて上部シャフト把持部646及び下部シャフト把持部648によって固定されてもよい。
【0106】
例示的な一実施形態では、器具取付部分558は、様々な従動要素564の回転をシャフト538の回転に変換する、シャフトの軸に沿った部材(例えば、関節運動について)を差動的に並進させる、及びシャフト538の軸に沿って1つ以上の部材を往復並進させる(例えば、555、オーバーチューブ(overtubes)及び/又はその他の構成要素などの組織切断要素を延ばし及び縮小させる)機構を備える。一例示的な実施形態では、回転可能胴部612(例えば、回転可能なスプール)は、従動要素564と連結されている。回転可能胴部612は、従動要素564と一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、回転可能胴部612は、従動要素564を駆動することで回転可能胴部612の回転が生じるように回転可能胴部612及び従動要素564が固定式に連結されるのであれば、従動要素564とは別に形成されていてもよい。回転可能胴部612のそれぞれは、シャフトの関節動作及び回転、クランプ顎部の開閉、並びにナイフの作動をもたらすように、ギアトレーン又はギア機構に連結される。
【0107】
一例示的な実施形態では、器具取付部分558は、シャフト538の軸に沿って2つ以上の部材を差動的に並進させる機構を備える。図32図34に示される例では、この動作は関節運動継手556を操作するために用いられる。示される実施形態では、例えば、器具取付部分558は、差動並進、そしてそれによるシャフト関節運動機能性を提供するラックピニオンギア機構を備える。一例示的な実施形態では、ラックピニオンギア機構は、対応する従動要素564の回転により第1のピニオンギア614が回転されるよう、回転可能胴部612に連結される第1のピニオンギア614を備える。軸受616は回転可能胴部612に連結され、従動要素564及び第1のピニオンギア614の間に設けられる。第1のピニオンギア614は、シャフト組立体538の関節運動部556の関節運動を左方向620Lに制御するために、第1のラックギア618に噛み合わされて第1のピニオンギア614の回転運動を第1のラックギア618の直線運動に変換する。第1のラックギア618は、第1のラックギア618が遠位方向に直線運動することによってシャフト組立体538の関節区間556が左方向620Lに関節運動するように、第1の関節バンド622(図32)に取り付けられている。対応する従動要素564の回転によって第2のピニオンギア626が回転するように、第2のピニオンギア626は別の回転可能胴部612に連結される。軸受616は回転可能胴部612に連結され、従動要素564と第2のピニオンギア626との間に設けられる。第2のピニオンギア626は、関節運動部556の関節運動を右方向620Rに制御するために、第2のラックギア628に噛み合わされて第2のピニオンギア626の回転運動を第2のラックギア628の直線運動に変換する。第2のラックギア628は、第2のラックギア628が遠位方向に直線運動することによってシャフト組立体538の関節区間556が右方向620Rに関節運動するように、第2の関節バンド624(図33)に取り付けられている。更なる軸受が回転可能胴部とそれに対応するギアとの間に設けられてもよい。例えば、装着を支持及び安定化し、シャフトとギアの回転摩擦を低減するために、任意の好適な軸受が設けられてよい。
【0108】
一例示的な実施形態では、器具取付部分558は更に、従動要素564の回転をシャフト538の軸回りの回転運動に変換する機構を備える。例えば、回転運動はシャフト538自体の回転であってもよい。図示される実施形態では、第1の螺旋状ウォームギア630は回転可能胴部612に連結され、第2の螺旋状ウォームギア632はシャフト組立体538に連結されている。軸受616(図17)が回転可能胴部612に連結され、従動要素564と第1の螺旋状ウォームギア630との間に設けられる。第1の螺旋状ウォームギア630は第2の螺旋状ウォームギア632に噛み合わされ、第2の螺旋状ウォームギア632はシャフト組立体538及び/又は長手方向での回転が望まれる器具522、523の別の構成要素と連結していてもよい。回転は、第1及び第2の螺旋状ウォームギア630、632の回転方向に基づいて、時計回り(CW)及び反時計回り(CCW)の方向に引き起こされてもよい。したがって、第1の軸周りの第1の螺旋状ウォームギア630の回転は、第1の軸に対して直角をなす第2の軸周りの第2の螺旋状ウォームギア632の回転に変換される。図32図33に示すように、例えば、第2の螺旋状ウォームギア632が時計回りの回転は、シャフト組立体538は634CWで示される方向の時計回りの回転になる。第2の螺旋状ウォームギア632が反時計回りに回転すると、シャフト組立体538が634CCWで示す方向に反時計回りの回転になる。更なる軸受が回転可能胴部とそれに対応するギアとの間に設けられてもよい。例えば、装着を支持及び安定化し、シャフトとギアの回転摩擦を低減するために、任意の好適な軸受が設けられてよい。
【0109】
一例示的な実施形態では、器具取付部分558はシャフト538の軸に沿った1つ以上の部材の往復並進を行わせる機構を備える。このような並進は、例えば、555などの組織切断要素を駆動する、閉鎖するため及び/又はエンドエフェクタ610の関節運動のためにオーバーチューブを駆動することなどに用いられてもよい。示される実施形態では、例えば、ラックピニオンギア機構が往復並進を提供してもよい。第1のギア636は回転可能胴部612に連結しており、対応する従動要素564が回転することによって第1のギア636を第1の方向に回転させる。第2のギア638は、器具取付プレート562に形成されたポスト640を中心として自在に回転する。第1のギア636は第2のギア638に噛み合わされており、そのため、第2のギア638が、第1のギア636とは反対の方向に回転するようになっている。一例示的な実施形態では、第2のギア638は、直線方向に移動するラックギア642と噛み合わされるピニオンギアである。ラックギア642は、ラックギア642と遠位的及び近位的に並進することができる並進ブロック644と連結している。並進ブロック644はシャフト組立体538及び/又はエンドエフェクタ610の任意の好適な構成要素と連結して、往復長手方向運動を提供してもよい。例えば、並進ブロック644はRF外科的装置523の組織切断要素555と機械的に連結していてもよい。いくつかの実施形態では、並進ブロック644はオーバーチューブ、又はエンドエフェクタ610若しくはシャフト538の他の構成要素と連結していてもよい。
【0110】
図35図37は、従動要素564の回転をシャフト538の軸周りの回転運動に変換する代替的な例示機構、及びシャフト538の軸に沿った1つ以上の部材の往復並進を引き起こすための代替的な例示機構を示す、器具取付部分558の代替的な実施形態を示す。代替的な回転機構を参照すると、第1の螺旋状ウォームギア652は第2の螺旋状ウォームギア654に連結し、第2の螺旋状ウォームギア654は第3の螺旋状ウォームギア656に連結している。既存のロボットシステム1000と互換性を維持する及び/又は空間が限定され得ることを含む、様々な理由によってそのような配列が設けられてもよい。第1の螺旋状ウォームギア652は回転可能胴部612に連結されている。第3の螺旋状ウォームギア656は、シャフト組立体538に連結された第4の螺旋状ウォームギア658と噛み合わされている。軸受760は回転可能胴部612に連結され、従動要素564と第1の螺旋状ウォームギア738との間に設けられる。別の軸受760が回転可能胴部612に連結され、従動要素564と第3の螺旋状ウォームギア652との間に設けられる。第3の螺旋状ウォームギア652は、シャフト組立体538及び/又は長手方向の回転が望ましい器具522、523の別の構成要素と連結され得る第4の螺旋状ウォームギア658と噛み合わされる。回転は、螺旋状ウォームギア656、658の回転方向に基づいて、時計回り及び反時計回りに引き起こされ得る。したがって、第1の軸を中心とした第3の螺旋状ウォームギア656の回転が、第1の軸に対して直角をなす第2の軸を中心とした第4の螺旋状ウォームギア658の回転に変換される。図36及び図37に示すように、例えば、第4の螺旋状ウォームギア658はシャフト538と連結しており、第4の螺旋状ウォームギア658が時計回りの回転は、シャフト組立体538が634CWで示される方向の時計回りの回転になる。第4の螺旋状ウォームギア658が反時計回りの回転は、シャフト組立体538が634CCWで示す方向の反時計回りの回転になる。更なる軸受が回転可能胴部とそれに対応するギアとの間に設けられてもよい。例えば、装着を支持及び安定化し、シャフトとギアの回転摩擦を低減するために、任意の好適な軸受が設けられてよい。
【0111】
シャフト538の軸に沿って1つ以上の部材の往復並進が行われる代替的な例示的な機構では、器具取付部分558は、シャフト538の軸に沿って往復並進(例えば、RF外科的装置523の組織切断要素555の並進)を行わせるラックピニオンギア機構を備える。一例示的な実施形態では、第3のピニオンギア660は、対応する従動要素564が回転は第3のピニオンギア660が第一方向に回転するように、回転可能胴部612に連結されている。第3のピニオンギア660は、直線方向に移動するラックギア662に噛み合わされる。ラックギア662は、並進ブロック664と連結されている。並進ブロック664は、例えば、RF外科的装置の組織切断要素555及び/又は長手方向に並進するように望まれるオーバーチューブ若しくはその他の構成要素など、装置522、523の構成要素と連結されていてもよい。
【0112】
図38図42は器具取付部分558の代替的な実施形態を示し、従動要素564の回転をシャフト538の軸の周りの回転運動に変換する別の代替的な例示的機構を示す。図38図42では、シャフト538は連結器676及びブッシュ678を介して取付部分558の残りに連結される。第1のギア666は回転可能胴部612と連結され、固定ポスト668は、第1及び第2の開口672と、シャフト組立体に連結する第1及び第2の回転可能ピン674と、ケーブル670(又はロープ)とを備える。ケーブルは回転可能胴部612の周りに巻かれている。ケーブル670の一方の端部は、固定ポスト668の上部開口672を通って配され、上部回転可能ピン674に固定して連結されている。ケーブル670の別の端部は、固定ポスト668の下部開口672を通って配され、下部回転ピン674に固定して連結されている。既存のロボットシステム1000との互換性を維持すること及び/又は空間が限定され得る場所を含め、様々な理由により、そのような構成が設けられている。したがって、回転可能胴部612の回転は、シャフト組立体538が、回転可能胴部612の回転方向(シャフト538自体の回転)に基づいたCW及びCCW方向に回転される。したがって、第1の軸を中心とした回転可能胴部612の回転が、第1の軸に対して直角をなす第2の軸を中心としたシャフト組立体538の回転に変換される。図38図39に示すように、例えば、回転可能胴部612が時計回りに回転すると、634CWで示す方向にシャフト組立体538が時計回りの回転になる。回転可能胴部612が反時計回りに回転すると、シャフト組立体538が634CCWで示す方向に反時計回りの回転になる。更なる軸受が回転可能胴部とそれに対応するギアとの間に設けられてもよい。例えば、装着を支持及び安定化し、シャフトとギアの回転摩擦を低減するために、任意の好適な軸受が設けられてよい。
【0113】
図43図46Aは器具取付部分558の代替的な実施形態を図示し、シャフト538の軸に沿った部材が差動並進される(例えば、関節運動のための)代替的な例示的機構を示す。例えば、図43図46Aに示すように、器具取付部分558は、シャフト関節運動機能性を与えるためのダブルカム機構680を備える。一例示的な実施形態では、ダブルカム機構680は第1及び第2のカム部分680A、680Bを備える。第1及び第2の従動アーム682、684が、対応する枢動スプール686に枢動可能に連結される。ダブルカム機構680に連結された回転可能胴部612が回転すると、第1のカム部分680Aは第1の従動アーム682に作用し、第2のカム部分680Bは第2の従動アーム684に作用する。カム機構680が回転すると、従動アーム682、684は枢動スプール686を中心として枢動する。第1の従動アーム682は、差動的に並進する第1の部材(例えば、第1の関節運動バンド622)に取り付けられていてもよい。第2の従動アーム684は、差動的に並進する第2の部材(例えば、第2の関節運動バンド624)に取り付けられていてもよい。上部カム部分680Aが第1の従動アーム682に作用すると、第1及び第2の部材は差動的に並進する。第1及び第2の部材がそれぞれの関節運動バンド622及び624である例示的な実施形態では、シャフト組立体538は左方向620Lに関節運動する。カム部分680Bが第2の従動アーム684に作用するとき、シャフト組立体538は右方向620Rに関節運動する。いくつかの例示的な実施形態では、2つの別々のブッシュ688、690が、それぞれ第1及び第2の従動アーム682、684の下に取り付けられて、第1及び第2の従動アーム682、684の関節運動位置に影響を与えることなくシャフトの回転を可能とさせる。関節運動のために、これらのブッシュは、顎部902の回転位置に影響を及ぼすことなく第1及び第2の従動アーム682、684と共に往復する。図46Aは、第1及び第2のカム部分680B、680Bを含むブッシュ688、690及び二重カム組立体680を示し、より詳細かつ明白な図を提供するために第1及び第2の従動アーム682、684を省いて示す。
【0114】
様々な実施形態において、器具取付部分558は電子装置を駆動し、外科的ツールに所望の超音波及び/又はRF周波数信号を提供する内部エネルギー源を付加的に備えていてもよい。図46B図46Cは、内部電源及びエネルギー源を備える器具取付部558’の一実施形態を示す。例えば、器具取付部分558’を用いて取り付けられた外科用器具(例えば、器具522、523)は、外部発生装置又はその他の動力源に接続されていなくてもよい。代わりに、本明細書に記載される様々な発生装置20、320の機能性がボード上取付部分558上に実装されていてもよい。
【0115】
図46B図46Cに図示するように、器具取付部分558’は遠位部分702を備えていてもよい。遠位部分702は、本明細書に前述するように、例えば、様々な外科用器具522、523のエンドエフェクタに駆動要素612の回転を連結させる様々な機構を備えていてもよい。遠位部分702の近位において、器具取付部分558’は内部直流(DC)エネルギー源、並びに内部駆動及び制御回路704を備える。示される実施形態において、エネルギー源は第1及び第2の電池706、708を備えている。他の点において、器具取付部分558’は、本明細書に前述するように、器具取付部分558の様々な実施形態に類似している。
【0116】
制御回路704は、発生装置20、320に対して上述のものと同様の様態で動作してもよい。例えば、超音波器具522が用いられるとき、制御回路704は、発生装置20に対して上述のものと類似の様態で超音波駆動信号を提供してもよい。また、例えば、治療レベル又は非治療レベルのRF信号を提供することができるRF器具523又は超音波器具522が用いられるとき、制御回路704は、発生装置20及び/又は発生装置300のモジュール23について本明細書に前述するように、例えば、RF駆動信号を提供してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路704は、図18B図18Cについて本明細書に前述する制御回路440と類似する様態で構成されてもよい。
【0117】
関節動作可能な高調波導波管を含む超音波外科用器具の様々な実施形態について以下に述べる。超音波外科用器具を参照して用いられる用語「近位」及び「遠位」は、器具のハンドピースを握持する臨床医を基準として規定されることが、当業者によって理解されよう。したがって、遠位方向の動きは、臨床医から離れる方向への動きとなる。更に言うまでもなく、便宜及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの特殊用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを握持する臨床医を基準として用いられている。しかし、超音波外科用器具は様々な方向及び位置で使用することができ、これらの用語は限定的又は絶対的なものを意図しない。
【0118】
様々な実施形態は、上述したロボット外科用システム500及び上述した超音波外科用器具10と組み合わせて記載される。そのような記述は限定としてではなく例として提供されているのであり、その範囲及び適用を限定することは意図されない。例えば、当業者には理解されるように、説明する関節動作可能な高調波導波管の任意の1つは、複数のロボット又はハンドヘルド外科用システムと組み合わせて使用することができる。
【0119】
図47及び図48A〜Cは、関節動作可能な高調波導波管802の一実施形態を示す。関節動作可能な高調波導波管802は、駆動部804、可撓性導波管806、及びエンドエフェクタ808を含んでもよい。関節動作可能な高調波導波管802の関節動作機能は、可撓性導波管806により達成することができる。
【0120】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、駆動部804を含んでもよい。駆動部804は、関節動作可能な高調波導波管から超音波変換器(図示せず)(例えば、圧電又は磁気抵抗変換器)までの接続を提供するために、近位に延びることができる。駆動部804は、剛性区間を含んでもよい。いくつかの実施形態では、駆動部804は、1つ又は複数の断面積の変化を含んでもよい。断面積の変化は、駆動部804を通り進行する超音波の関連する利得に対応してもよい。
【0121】
一実施形態では、可撓性導波管806は、駆動部804及びエンドエフェクタ808を接続することができる。可撓性導波管806は、エンドエフェクタ808が駆動部804の縦軸814に対してある角度に屈曲することを可能にすることができる。一実施形態では、可撓性導波管806は、駆動部804の縦軸814と交差する全ての平面において等しい曲げ剛性を有することができる。他の実施形態では、可撓性導波管806は、例えば、第1の平面において低い曲げ剛性を有し、全ての他の平面において高い曲げ剛性を有するなど、1つ又は複数の平面において偏ってもよい。
【0122】
一実施形態では、可撓性導波管806は、円形断面を含んでもよい。別の実施形態では、可撓性導波管806は、例えばリボンなどの非円形断面を含んでもよい。可撓性導波管806の断面は、音響システムの共振周波数と反共振周波数との間の差を最大にするように選択することができる。一実施形態では、可撓性導波管806は、異なる断面形状の1つ又は複数の区間を含んでもよい。本実施形態では、異なる断面形状の1つ又は複数の区間の間の接合は、節、腹、又は、節と腹との間に位置してもよい。
【0123】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、エンドエフェクタ808を含んでもよい。エンドエフェクタ808は、可撓性導波管806に対して遠位に位置してもよい。エンドエフェクタ808は、剛性区間を含んでもよい。一実施形態では、エンドエフェクタ808は、中実部分を含んでもよい。別の実施形態では、エンドエフェクタ808は中空であってもよい。中空エンドエフェクタは、半径方向の剛性を増加させるために、材料で満たされてもよい。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ808は、直線状、曲線状、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。別の実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、個別のエンドエフェクタ808を欠いてもよい。本実施形態では、エンドエフェクタ808の機能は、可撓性導波管806の遠位端によって実行することができる。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ808は、エンドエフェクタ808が他の材料と接触する場合にエンドエフェクタ808の表面挙動を改変するためのセラミック又は他のコーティングを含んでもよい。
【0124】
一実施形態では、駆動部804と可撓性導波管806と間の接合810は、第1の所定の場所に位置し、可撓性導波管806とエンドエフェクタ808との間の接合812は、第2の所定の場所に位置する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の所定の場所は、節、腹、又はいくつかの中間の場所であってもよい。別の実施形態では、所定の場所は、可撓性導波管の中心点が節、腹、又はいくつかの中間の場所に位置するように配置されてもよい。駆動部804、可撓性導波管806、及びエンドエフェクタ808のそれぞれの長さは、音響縦モード形状に対して決定することができる。別の実施形態では、駆動部804、可撓性導波管806、及びエンドエフェクタ808のそれぞれの長さは、ねじりモード形状、横モード形状、又はいくつかのこれらの組み合わせに対して決定することができる。一実施形態では、可撓性導波管806の長さは、関節動作可能な高調波導波管802の曲率による超音波の位相速度増加に依存してもよい。
【0125】
一実施形態では、可撓性部分806は、半波長の数倍に等しい長さを有してもよい。例えば、一実施形態では、可撓性導波管806は、半波長の2倍、すなわち1波長の長さを有してもよい。別の実施形態では、可撓性導波管806は、半波長の3倍に等しい長さを有してもよい。当業者は、可撓性導波管806の長さが半波長の任意の好適な倍数を含むことができることを認識するであろう。
【0126】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、単一の部分を含んでもよい。別の実施形態では、駆動部804、可撓性導波管806、及びエンドエフェクタ808は、個別に製造することができ、任意の好適な技術、例えば、ねじ留め具、ろう付け、プレス嵌め、接着剤、レーザー溶接、拡散接合、又はこれらの任意の組み合わせなどによって互いに連結することができる。
【0127】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、撓み波(送信及び反射の両方)の影響を減らすように構成される曲率半径を含む可撓性導波管806を含んでもよい。可撓性導波管部806の局所的曲率は、たわみ波を生じさせる場合がある。たわみ波は、送信されても、反射されても、あるいは両方であってもよく、それらが構造中を伝搬するにつれて、可撓性導波管806などの構造を変形させるおそれがある。一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管は、たわみ波を減らすように構成される。伸展性(縦方向)波について、局所的曲率によるたわみ波の影響が小さいことを保証するために、可撓性導波管806は、以下の曲率半径方程式を満たすように構成することができる。
【数1】
ここで、「r」は関節動作可能な高調波導波管802の半径であり、Rは局所的曲率半径、例えば、駆動部の縦軸に対する可撓性導波管806の曲率半径である。
【0128】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、可撓性導波管806が関節動作可能な高調波導波管802の遮断周波数に近づくのを防止するために、全曲率制限器を含んでもよい。遮断周波数は、システム、例えば、関節動作可能な高調波導波管802を通過するエネルギーが通過ではなく減少を開始する境界である。一実施形態では、可撓性導波管806の局所的曲率半径Rは、以下のように制限される。
【数2】
ここで、cは可撓性導波管806を構成する材料のバー音速であり、fは超音波変換器によって関節動作可能な高調波導波管802に供給される駆動周波数である。
【0129】
一実施形態では、特定の音響(縦)モードについて、駆動部804の横運動を最小にすることが望ましい場合がある。一実施形態では、駆動部804の横運動は、節又は腹において駆動部804と可撓性導波管806との間に接合810、並びに節又は腹において可撓性導波管806とエンドエフェクタ808との間に接合812を配置する駆動部804の長さを選択することによって減少させることができる。可撓性導波管806内の1/2λ定在波について、張られた角度と曲率半径との関係は、以下の通りである。
【数3】
ここで、Rは曲率半径であり、θは張られた角度であり、cはバー位相速度であり、fはモード周波数である。一実施形態では、永久歪み(降伏)を低減又は防止するために、可撓性導波管806は、区間材料の弾性限界未満の曲げ強度を含んでもよい。
【0130】
図48A図48Cは、可撓性導波管906を含む関節動作可能な高調波導波管902の一実施形態を示す。可撓性導波管906は、方向Aに屈曲バイアスを生じさせるリボン状の断面領域を有する。図48Aは、関節動作可能な高調波導波管802の上面図を示す。図48B及び図48Cは、関節動作可能な高調波導波管902の側面図を示す。図48A及び図48Bは、非屈曲、すなわち直線状態のリボン状の可撓性導波管906を示す。リボン状の可撓性導波管906は、方向A(図48Bを参照)の屈曲バイアスを有する。可撓性導波管906は、エンドエフェクタ908を関節動作可能な高調波導波管902の縦軸814に対してある角度に作動させるように、方向Aに屈曲することができる。図48Cは、屈曲状態の関節動作可能な高調波導波管902を示す。
【0131】
別の実施形態では、可撓性導波管906は、セミフレキシブルであってもよい。本実施形態では、可撓性導波管906は、関節動作可能な高調波導波管902の縦軸に対してある角度で屈曲することができ、縦軸から屈曲の角度で、又はその近くで、屈曲構成を保持することができる。
【0132】
図49図51は、関節動作可能な高調波導波管802の様々な実施形態を示す。図49は、リボン可撓性導波管1006及び中空エンドエフェクタ1008を含む関節動作可能な高調波導波管1002の一実施形態を示す。中空エンドエフェクタ1008は、組織治療部1010及び波動増幅部1012を有する。いくつかの実施形態では、中空エンドエフェクタ1008は、半径方向の剛性を増加させるために、材料で満たされてもよい。
【0133】
図50は、円形可撓性導波管1106及び中実エンドエフェクタ1108を含む関節動作可能な高調波導波管1102の一実施形態を示す。円形可撓性導波管1106は、全方向に等しい屈曲バイアスを含む。図51は、1つ又は複数のスロット1214及び中実エンドエフェクタ1208を有するリボン可撓性導波管1206を含む関節動作可能な高調波導波管1202の一実施形態を示す。中実エンドエフェクタ1208は、組織治療部1210及び波動増幅部1212を含む。
【0134】
図52A及び図52Bは、第1及び第2の可撓性導波管1306A、1306Bを含む関節動作可能な高調波導波管1302の一実施形態を示す。第1の駆動部1304Aは、近位に延び、ハンドヘルド又はロボット外科用器具の超音波変換器に接続するように構成することができる。第2の駆動部は、第1の可撓性導波管1306Aと第2の可撓性導波管1306Bとを接続する。第1及び第2の可撓性導波管1360A、1306Bは、関節動作可能な高調波導波管802が第1の平面及び第2の平面を関節動作させることを可能にする。一実施形態では、第1及び第2の平面は、同一平面であってもよい。図52A及び図52Bに示す実施形態では、第1及び第2の平面は垂直である。図52Bは、方向Aに関節でつながれる関節動作可能な高調波導波管1302を示す。関節動作可能な高調波導波管1302は、紙面の奥又は手前に延びる平面において第2の可撓性導波管1306Bを屈曲させることによって、さらに関節でつながれてもよい。
【0135】
図53A及び図53Bは、関節動作可能な高調波導波管2202A、2202Bの別の実施形態を示す。関節動作可能な高調波導波管2202A、2202Bは、近位に延び、超音波変換器に接続することができる第1の駆動部2204A、2204Bを含む。第1の可撓性導波管2206A、2206Bは、第1の駆動部2204A、2204Bに接続される。第1の可撓性導波管2206A、2206Bは、関節動作可能な高調波導波管2202A、2202Bが縦軸814に対する第1の平面において関節動作させることを可能にする。関節動作可能な高調波導波管2202A、2202Bは、エンドエフェクタ2208A、2208Bをさらに含む。エンドエフェクタ2208A、2208Bは、組織治療部2210A、2210B及び波動増幅部2012A、2012Bを含む。図53Bは、第1の可撓性導波管2206A、2206Bの近接図を示す。第1の可撓性導波管2206A、2206Bは、第1の方向に低い屈曲バイアス及び全ての他方向に高い屈曲バイアスを有するリボン状区間を含む。図54は、屈曲する位置における関節動作可能な高調波導波管2202Aを示す。可撓性導波管2206Aは、縦軸814に対してある角度に屈曲する。
【0136】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、ユーザーが駆動部804の縦軸814に対してある角度に可撓性導波管806を屈曲することを可能にするために、関節アクチュエータを含んでもよい。関節アクチュエータは、1つ又は複数の制御部材を含んでもよい。図53A及び図53Bは、関節アクチュエータ1416を含む関節動作可能な高調波導波管1402の一実施形態を示す。関節アクチュエータ1416によって、ユーザーが所望の位置又は構成に関節動作可能な高調波導波管1402を作動させることができる。図55Aは、非屈曲又は機械的接地位置における関節動作可能な高調波導波管1402を示す。関節アクチュエータ1416は、第1の節点フランジ1418Aと、第2の節点フランジ1418Bを含む。節点フランジ1418A、1418Bは、関節動作可能な高調波導波管1402の節又は腹に位置してもよい。一実施形態では、第2の節点フランジ1418Bは、最も遠位の節又は腹に位置する。一実施形態では、第1及び第2の節点フランジ1418A、1418Bは、駆動部1404と、可撓性導波管1406と、エンドエフェクタ1408との間の接合に位置してもよい。例えばケーブル1420などの制御部材は、近位の方向に第2の節点フランジ1418Bから延びる。ケーブル1420は、第1の節点フランジ1418Aのケーブル保持器(図示せず)を通過して、近位に継続する。ケーブル1420は、可撓性区間1406を屈曲させる。ケーブル1420は、例えばロボット外科用システム500などのロボット外科用システム、例えば超音波外科用器具10などのハンドヘルド外科用器具に接続することができ、あるいは、ユーザーが直接ケーブルを操作することを可能にするように近位に延びることができる。
【0137】
図55Bは、屈曲状態における関節動作可能な高調波導波管1402を示す。本実施形態では、ケーブル1420は、近位の方向に張力がかけられており、関節動作可能な高調波導波管1402の縦軸814に対して可撓性導波管1406を屈曲させる。ケーブル1420は、関節動作可能な高調波導波管1402の縦軸814に対して特定の方向に、可撓性導波管1406を屈曲することを可能にする。一実施形態では、ケーブル1420の屈曲方向は、可撓性導波管1406の屈曲のバイアスされた方向に対応する。
【0138】
図56は、2ケーブル関節アクチュエータ1516を含む関節動作可能な高調波導波管1502の一実施形態を示す。2ケーブル関節アクチュエータ1516は、第1の節点フランジ1518A、第2の節点フランジ1518B、並びに、例えば第1及び第2のケーブル1520A、1520Bなどの第1及び第2の制御部材を含む。第1及び第2のケーブル1520A、1520Bは、正反対であってもよく、第2の節点フランジ1518Bに永久に固定されてもよい。第1及び第2のケーブル1520A、1520Bは、第2の節点フランジ1518Bから近位に延びることができ、第1の節点フランジ1518Aのケーブル保持器を通過することができ、近位方向に継続することができる。一実施形態では、ケーブル保持器は、第1の節点フランジ1518Aに形成される1つ又は複数の穴を含んでもよい。第1及び第2のケーブル1520A、1520Bは、例えばロボット外科用システム500などのロボット外科用システム、例えば超音波外科用器具10などのハンドヘルド外科用器具に接続することができ、あるいは、ユーザーが直接ケーブルを操作することを可能にするように近位に延びることができる。
【0139】
図56に示す実施形態では、可撓性導波管1506は、第1の方向「A」又は第2の方向「B」に屈曲することができる。可撓性導波管1506は、第1のケーブル1520Aに近位の方向に張力をかけることによって、第1の方向「A」に屈曲することができる。可撓性導波管1506を第1の方向「A」に屈曲させるように第1のケーブル1520Aに張力をかけると、第2のケーブル1520Bは、可撓性導波管1506が第1の方向「A」に屈曲するように、弛むことができる。可撓性導波管1506は、第2のケーブル1520Bに近位の方向に張力をかけることによって、第2の方向「B」に屈曲することができる。第2のケーブル1520Bに張力をかけると、第1のケーブル1520Aは、可撓性導波管1306が第2の方向「B」に屈曲するように、弛むことができる。一実施形態では、同時に第1のケーブル1520Aを張り、第2のケーブル1520Bを弛めるために、あるいは、同時に第2のケーブル1520Bを張り、第1のケーブル1520Aを弛めるために、機構を用いることができる。一実施形態では、一方のケーブルを巻き付けて他方のケーブルを同時に弛ませることを可能にするために、1つ又は複数のスプールを用いることができる。
【0140】
一実施形態では、1つ又は複数の制御部材は、第1及び第2の節点フランジ1418A、1418Bを接続する薄いカラムを含んでもよい。フランジが整列した、又は直線状の位置にある場合には、薄いカラムを一方向に「締める」ことができる。薄いカラムは、押されて、関節動作可能な高調波導波管1402の側面に留めることができて、薄いカラムを屈曲させ、第1及び第2の節点フランジ1418A、1418Bを整列しないようにさせ、可撓性導波管1406を縦軸814に対して屈曲させることができる。別の実施形態では、第1及び第2のケーブル1520A、1520Bは、フランジを整列しないように操作され、可撓性導波管1406を屈曲させることができるバイメタル条片と置き換えることができる。
【0141】
一実施形態では、関節アクチュエータ1416は、スクリュージャッキ機構を含んでもよい。スクリュージャッキ機構は、第1及び第2の節点フランジ、1418A、1418Bに連結することができる。スクリュージャッキ機構は、第1の節点フランジ1418Aを第2の節点フランジ1418Bから離れるように押すことができる。第1及び第2の節点フランジ1418A、1418Bを離すことによって、スクリュージャッキ機構は、可撓性導波管1406を縦軸814に対して屈曲させる。
【0142】
一実施形態では、関節アクチュエータは、関節動作可能な高調波導波管802の上に配置される関節動作可能な外側シースを含んでもよい。本実施形態では、関節動作する高調波導波管802は、例えばシリコーンフェンダなどの1つ又は複数の介在部材を含んでもよい。1つ又は複数の介在部材は、関節動作可能な高調波導波管802と関節動作可能な外側シースとの間に接触点を設けるために、関節動作する高調波導波管802に沿って配置することができる。一実施形態では、1つ又は複数の介在部材は、関節動作可能な高調波導波管802の関節を可能にするために、フランジとして作用することができる。関節アクチュエータとして用いることができる関節動作可能な外側シースの例は、米国特許出願第13/538,588号、表題「Surgical Instruments with Articulating Shafts」に開示されており、参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、介在部材は、節、腹、中間点、又はこれらの任意の組み合わせに位置することができる。
【0143】
図55図58は、全曲率制限器を含む関節動作可能な高調波導波管1602、1702、1802、1902の様々な実施形態を示す。全曲率制限器は、関節動作可能な高調波導波管802が1つ又は複数の所定の条件を超えるのを防止するために、例えば、関節動作可能な高調波導波管802の全曲率が効率的な音響伝送のための限界を超えないことを保証するように、機械的又は電気的遮断を含んでもよい。一実施形態では、可撓性導波管806は、小さい直径の又は小さい横方向寸法のロッドである。可撓性導波管806は、関節動作可能な高調波導波管802の比較的短い区間であってもよい。例えば、可撓性導波管806は、長さ0.5〜10センチメートルであってもよい。可撓性導波管806は、屈曲部又は隅角部の周辺での音波伝搬を可能にする。
【0144】
全曲率制限器は、関節動作可能な高調波導波管802が1つ又は複数の所定の制約条件を超えるのを防止するように動作することができる。一実施形態では、1つ又は複数の所定の制約条件は、音響伝達制約条件を含むことができる。例えば、屈曲状態の関節動作可能な高調波導波管802などの湾曲した導波管では、曲率によって共振周波数のシフトが生じる。共振周波数のシフトによって、超音波変換器により供給される駆動周波数が導波管の遮断周波数に近づくようになる。わずかな局所的曲率の条件では、そして局所的遮断条件が得られない場合には、導波管を通る動きの効率的な伝送は導波管の曲率の二乗平均に依存する。この関係は、結果として関節動作可能な高調波導波管の曲率を制約することができる2つの条件になる。
【0145】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、撓み波(送信及び反射の両方)の影響を減らすように構成される曲率半径を含む可撓性導波管806を含んでもよい。可撓性導波管部806の局所的曲率は、たわみ波を生じさせる場合がある。たわみ波は、送信されても、反射されても、あるいは両方であってもよく、それらが構造中を伝搬するにつれて、可撓性導波管806などの構造を変形させるおそれがある。一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管は、第1の条件を満たすことによって、たわみ波を減らすように構成される。伸展性(縦)波について、局所的曲率によるたわみ波の影響が小さいことを保証するために、可撓性導波管806は、以下を要求する第1の条件を満たすように構成することができる。
【数4】
ここで、「r」は関節動作可能な高調波導波管802の半径であり、Rは局所的曲率半径、例えば、駆動部の縦軸に対する可撓性導波管806の曲率半径である。
【0146】
一実施形態では、第2の条件は、関節動作可能な高調波導波管802が遮断周波数に近づくのを防止するために、可撓性導波管806の曲率半径を制限することができる。遮断周波数は、システム、例えば、関節動作可能な高調波導波管802を通過するエネルギーが通過ではなく減少を開始する境界である。一実施形態では、可撓性導波管806の局所的曲率半径は、以下を要求する第2の条件を満たすように構成することができる。
【数5】
ここで、Rは局所的曲率半径であり、cは可撓性導波管806を構成する材料のバー音速であり、fは超音波変換器によって関節動作可能な高調波導波管802に供給される駆動周波数である。
【0147】
別の実施形態では、1つ又は複数の所定の制約条件は、屈曲応力制約条件を含んでもよい。屈曲応力は、一様に屈曲したワイヤの区間について近似することができる。一実施形態では、可撓性導波管806の屈曲応力は、可撓性導波管806の材料降伏強度より小さい値に維持することができる。弾性係数Eを有する材料から作製された可撓性導波管806では、屈曲応力は以下を要求する第3の制約条件に従って維持することができる。
【数6】
【0148】
一実施形態では、1つ又は複数の所定の制約条件は、アクセス制約条件を含んでもよい。所望の組織目標へのアクセスを取り囲む制約条件は、部位の解剖学的構造、又は、人体の外から目標に若しくはその近くに経路を提供する付属装置に関係する場合がある。この経路は、例えば、トロカール、可撓性内視鏡、及び剛性腹腔鏡などを含んでもよい。例えば、一実施形態では、可撓性内視鏡は、それが患者の口及び咽頭を通過すると、曲率半径が約6.99センチメートル(2.75インチ)になり得る。別の例として、Ethicon Endosurgery社から入手可能なETS−Flexの35mmの腹腔鏡直線カッターは、約2.87センチメートル(1.13インチ)の曲率半径を有する関節動作するジョイントによって目標構造へのアクセスを提供する。第3の例として、胃カメラの遠位に後屈した部分は、約2.8センチメートル(1.1インチ)の半径を有する固いループの付属品チャネルを提供することができる。
【0149】
様々な実施形態では、1つ又は複数の所定の制約条件は、例えば、関節動作可能な高調波導波管802の共振周波数、エンドエフェクタ808のピーク変位、エンドエフェクタ808の変位プロファイル、並びに、例えば、鮮鋭度、型締力、又はエンドエフェクタによって目標組織領域に加えられる他の力などのエンドエフェクタ808接触圧力などの、付加的な制約条件を含んでもよい。
【0150】
一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、可撓性導波管806の局所的曲率を最小化する(又は局所的屈曲半径を最大にする)ことによって、及び関節動作可能な高調波導波管802の全経路曲率を最小にすることによって、音響伝達を最大にし、局所的屈曲応力を最小にする全曲率制限器を含んでもよい。
【0151】
図57は、関節動作可能な高調波導波管1602及び全曲率制限器1628を含む超音波外科用器具1600の一実施形態を示す。図57に示す実施形態では、全曲率制限器1628は、超音波外科用器具1600のハンドル1622のストローク制限器1630を含む。ストローク制限器1630は、基準機械的接地1634と移動する制御要素1632との間に配置される、テレスコープ式でばね式の電気的接続1636を含んでもよい。可撓性導波管1606の全曲率が、それを超えると効果的な動作が保証できない所定のしきい値に接近すると、例えば、全曲率が上記の制約条件の1つを超えると、電気的接続1636は、機械的接地1634から所定の距離に移動する制御要素1632の動きによって遮断される。機械的接地1634と移動する制御要素1632との間の電気的接続1636が遮断された場合には、例えば生成器20などの超音波発生器から、関節動作可能な高調波導波管1602に接続された超音波変換器1624への電力は伝送されない。
【0152】
図58は、関節動作可能な高調波導波管1702及び全曲率制限器1728を含む超音波外科用器具1700の一実施形態を示す。全曲率制限器1728は、しきい値警告指示器1736を有する二段式電気的接続1730を含む。可撓性導波管1706の全曲率が所定のしきい値に接近すると、第1の電気的接続1732の連続性が壊れて、しきい値警報指示器1736は、関節動作可能な高調波導波管1702が所定の制約条件の1つに接近しているというしきい値警告をユーザーに提供する。様々な実施形態では、しきい値警告は、視覚的警告、可聴警告、触覚の警告、嗅覚的警告、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。全曲率が警告しきい値を超えて増加する場合には、第2の電気的接続1734が遮断されて、超音波発生器から超音波外科用器具1700の超音波変換器1724への電力が停止する。
【0153】
図59は、全曲率制限器1828を含む関節動作可能な高調波導波管1802の一実施形態を示す。全曲率制限器1828は、共振周波数シフト追跡器1830を含む。共振周波数シフト追跡器1830は、関節動作可能な高調波導波管1802の振動周波数に対応するフィードバック信号を提供するために、超音波発生器(図示せず)に接続される。一実施形態では、共振周波数シフト追跡器1830は、節に位置する。関節動作可能な高調波導波管1802の共振が曲率半径の変化により遮断周波数に近づくと、生成器はユーザーに対してしきい値警告を提供することができる。様々な実施形態では、しきい値警告は、視覚的警告、可聴警告、触覚の警告、嗅覚的警告、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、しきい値警告を超える連続した動作によって、超音波変換器1624への電力が停止する。
【0154】
図60に示す一実施形態では、全曲率制限器1928は、ハンドル1922内に設けられた視界窓1730を含んでもよい。視界窓1730は、曲率半径の増加による効率の損失を示す1つ又は複数の目盛1934を含んでもよい。ユーザーは、目盛1934に関して視界窓1730を通して移動する制御要素(図示せず)を見ることができる。目盛1934は、関節動作可能な高調波導波管1902が動作限界値に近づいていることを示すことができる。限界は、ハンドルに印刷することができ、安全動作ゾーン、警告ゾーン、及び/又は停止ゾーンを示す。
【0155】
一実施形態では、可撓性導波管806は、可撓性導波管806に形成される1つ又は複数の全曲率制限器を有してもよい。可撓性導波管806は、1つ又は複数の全曲率制限器、例えば、分割型シャフト(例えば、レーザーエッチングされたシャフトなど)、屈曲の固定範囲を有する関節、横方向に硬いチューブ、及び/又は限られた可撓性チューブを含んでもよい。別の実施形態では、関節動作可能な高調波導波管802は、互換性のない局所的曲率条件に遭遇しないように、意図された最悪の曲率に設計することができる。
【0156】
一実施形態では、可撓性導波管806は、腹の周りに中心を置くことができる。図61に示す実施形態では、可撓性導波管2006は、腹に位置する中心点2009を有する。中心点2009を腹に配置することによって、腹の周りに中心がある、限られた長さの可撓性導波管2006によって、低い(理想的にゼロ)内部応力における遷移が得られ、利得への影響をなくすことができる。図示する実施形態では、駆動部2004と可撓性導波管2006との間の接合2010、及び可撓性導波管2006とエンドエフェクタ2008との間の接合2012は、共に中心点2009からλ/8離れて設けられ、ここでλは超音波駆動信号の波長である。薄い可撓性導波管2006を用いることによって、より堅い屈曲又は屈曲が可能になる。関節動作可能な高調波導波管2002が関節動作するチューブセットに収納できるように、屈曲は十分にきつくてもよい。一実施形態では、駆動部2004は、0.432センチメートル(0.170インチ)の直径を含んでもよく、可撓性導波管2006は、0.051センチメートル(0.020インチ)の厚さを有し、λ/8の長さを有するリボン状の区間を含んでもよい。
【0157】
図62は、器具取付部分2122及び関節動作可能な高調波導波管2102を含むロボット外科用器具2100の一実施形態を示す。器具取付部分2122は、例えばロボット外科用システム500などのロボット外科用システムとインターフェースするように構成される。本実施形態では、関節アクチュエータ2116、全曲率制限器2128、及び関節動作可能な高調波導波管2102のための他の制御は、器具取付部分2122に収納することができる。
【0158】
図63は、剪断機構2350を含むバイオネット鉗子外科用器具2300の一実施形態を示す。剪断機構2350は、関節動作可能な高調波導波管2302及び外科用パッド2354を含む。関節動作可能な高調波導波管2302は、図52図52Bで説明した関節動作可能な高調波導波管1302に類似する。図63に示す実施形態では、関節動作可能な高調波導波管2302は、第1の駆動部2304A、第1の可撓性導波管2306A、第2の駆動部2304B、第2の可撓性導波管2306B、非可撓性導波管2312、及びエンドエフェクタ部2308を含む。第1及び第2の可撓性導波管2306A、2306Bは、共に同一平面における屈曲バイアスを有し、関節動作可能な高調波導波管2302をバイオネット型鉗子構成と見なすことを可能にする。パッド尖叉2352は、関節動作可能な高調波導波管2302に平行に走る。外科用パッド2354は、パッド尖叉2352の遠位端に配置される。外科用パッド2354及びエンドエフェクタ2308は、これらの間にある組織区間を処理するために用いることができる。
【0159】
一実施形態では、バイオネット鉗子外科用器具2300は、平均的超音波信号、例えば80kHzの信号より高い信号を生成するための超音波変換器を含む。より高い周波数の超音波信号によって、より小さい超音波変換器を用いることができる。本実施形態では、外科用パッド2354の反対側のエンドエフェクタ2308の最も遠位の部分だけが組織区間を処理するために用いられ、したがって、高い周波数の超音波信号のより短い波長は、関節動作可能な高調波導波管2302におけるフィードバック問題を生じさせない。バイオネット鉗子外科用器具2300は、従来の鉗子装置の動作を緊密に模倣する装置をユーザーに提供する。エンドエフェクタ2308のオフセットアーキテクチャも、装置が用いられる場合に、目標組織部位に対する優れた可視性を提供する。
【0160】
図64A図66Bは、関節動作可能な高調波導波管802を含む超音波可撓性剪断外科用装置の様々な実施形態を示す。図64A及び図64Bは、関節動作可能な高調波導波管2402を含む可撓性剪断装置2400の一実施形態を示す。駆動部2404は、外側シース2456の内に配置される。第1及び第2の可撓性条片2420A、2420Bは、外側シース2456内に配置され、外側シース2456の遠位端に接続される。第1及び第2の可撓性条片2420A、2420Bは、それらの近位端で関節アクチュエータ2421に接続される。関節アクチュエータ2421は、枢動して、第1の可撓性条片2420Aを近位に移動させ、同時に第2の可撓性条片2420Bを遠位に移動させることができる。第1及び第2の可撓性条片の動きは、外側シース2456を、近位に並進した可撓性条片、この場合は第1の可撓性条片2420Aの方向に屈曲させる。一実施形態では、関節動作可能な高調波導波管2402の可撓性導波管2406は、外側シース2456と調和して屈曲することができる。外側シース2456及び関節動作可能な高調波導波管2402を屈曲させることによって、可撓性剪断装置2400が従来の非可撓性剪断で処理することが困難又は不可能である組織区間を固定し処理することができる。
【0161】
図65A及び図65Bは、関節動作可能な高調波導波管2402が取り除かれた可撓性剪断装置2500の一実施形態を示す。図示する実施形態では、第1及び第2の可撓性条片2420A、2420Bは、クランプアーム2554に接続される。近位又は遠位方向の関節アクチュエータ2516の動きによって、クランプアーム2554は、図65Aに示す固定された位置から図65Bに示す固定されない位置まで枢動する。本実施形態では、関節アクチュエータ2516は、外側シース2556が外側シース2556の縦軸に対してある角度で関節でつながるように枢動することができる。
【0162】
図66A及び図66Bは、可撓性剪断装置2600の一実施形態を示す。可撓性剪断装置2600は、可撓性シース2656内に配置される関節動作可能な高調波導波管2600を含む。可撓性シース2656は、可撓性シース2656の縦軸に対してある角度で可撓性シース2656の関節接合を容易にするために、可撓性シース2656に形成される、例えば屈曲スロット2657などの1つ又は複数の屈曲特徴を有することができる。可撓性シース2656及び関節動作可能な高調波導波管2602の関節接合を容易にするために、1つ又は複数の屈曲スロット2657の位置で、可撓性シース2656内に可撓性導波管2606を配置することができる。図64A図65Bに上述したことと同様の方法で、可撓性シース2656を関節動作させることができる。
【0163】
器具取付部分に、又はインターフェースに連結されたロボットコントローラ若しくはアームカート側に配された処理装置は、本明細書に記載の様々な関節動作可能な高調波導波管の動作を制御するために用いられてもよい。処理装置は、本明細書に記載した様々な関節動作可能な高調波導波管の動作を制御することを含む、上述した外科用器具のいずれかの計算及び処理動作を提供するために、例えば、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び/又はモジュールなどの、様々なソフトウェアプログラムを実行する役割を果たすことができる。好適な処理装置は、1つ以上の有線又は無線通信チャネルを介して指令及びデータ情報を送信並びに機械処理するなどの。様々なタスク及びデータ通信動作を行う責を負う。様々な実施形態では、処理装置は単一の処理装置構造を含んでいてもよく、あるいは、記載される実施形態に応じた任意の好適な処理装置構造及び/又は好適な数の処理装置を含んでいてもよい。一実施形態では、処理装置は単一の一体型処理装置を用いて実現されてもよい。
【0164】
処理装置は、汎用プロセッサ及び/又は状態機械などの好適なプロセッサ回路若しくはロジックデバイス(回路)を用いたホスト中処理装置(CPU)として実現されてもよい。処理装置はまた、記載の実施形態に応じて、チップマルチプロセッサ(CMP)、専用プロセッサ、埋め込み型プロセッサ、メディアプロセッサ、入出力(I/O)プロセッサ、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、又はその他の処理装置として実現されてもよい。
【0165】
一実施形態では、処理装置は器具取付部分又はコントローラ/アームカート側のバスを介して、メモリ及び/又は記憶コンポーネントに連結されていてもよい。メモリバスは、処理装置にメモリ及び/又は記憶コンポーネントへのアクセスを許容するための任意の好適なインターフェース及び/又はバス構造を有していてもよい。メモリ及び/又は記憶コンポーネントは処理装置と別々であってもよいが、様々な実施形態では、処理装置と同一の集積回路にメモリ及び/又は記憶コンポーネントの一部若しくは全部が含まれ得ることを言及するに値するであろう。あるいは、メモリ及び/又は記憶コンポーネントの一部若しくは全部は、集積回路又は処理装置の集積回路外のその他の媒体(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ)に設けられてもよい。
【0166】
メモリ及び/又は記憶コンポーネントは1つ以上のコンピュータ読取可能媒体を表す。メモリ及び/又は記憶コンポーネントは、揮発性又は不揮発性メモリ、取り外し可能又は取り外し不能メモリ、消去可能又は消去不能メモリ、書き込み可能又は再書き込み可能メモリなど、データを記憶することができる任意のコンピュータ読取可能媒体を用いて実現されてもよい。メモリ及び/又は記憶コンポーネントは、揮発性媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))及び/又は不揮発性媒体(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、光学ディスク、磁気ディスクなど)を備えていてもよい。メモリ及び/又は記憶コンポーネントは固定媒体(例えば、RAM、ROM、固定ハードディスクなど)、並びに取り外し可能媒体(例えば、フラッシュメモリドライブ、取り外し可能ハードドライブ、光学ディスクなど)を備えていてもよい。コンピュータ読取可能記憶媒体の例としては、RAM、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ(例えば、NOR又はNANDフラッシュメモリ)、連想メモリ(CAM)、ポリマーメモリ(例えば、強誘電性ポリマーメモリ)、相変化メモリ、オボニックメモリ、強誘電体メモリ、シリコン−酸化膜−窒化膜−酸化膜−シリコン(SONOS)メモリ、磁気又は光学カード、若しくはその他の情報を記憶するのに好適な媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0167】
1つ以上のI/Oデバイスによって、ユーザーは処理装置に指令及び情報を入力することができ、更にユーザー及び/又はその他の構成要素若しくはデバイスに情報を提示することができる。入力デバイスの例としては、キーボード、カーソル制御デバイス(例えば、マウス)、マイク、スキャナなどが挙げられる。出力デバイスの例としては、表示装置(例えば、モニタ又はプロジェクタ、スピーカー、プリンター、ネットワークカードなど)が挙げられる。処理装置は英数字キーパッドと連結されていてもよい。キーパッドは、例えば、QWERTYキー配置及び一体化された数字ダイヤルパッドを備えていてもよい。ディスプレイもまた、処理装置に連結されていてもよい。ディスプレイは、ユーザーに内容を表示する任意の好適な視覚的インターフェースを備えていてもよい。一実施形態では、例えば、ディスプレイはタッチ感応カラー(例えば、76ビットカラー)薄膜トランジスタ(TFT)LCD画面などの液晶ディスプレイ(LCD)によって実現されてもよい。タッチ感応LCDは、スタイラス及び/又は手書き認識プログラムと併せて用いられてもよい。
【0168】
処理装置は、ロボット制御される外科用器具に処理又は計算資料を提供するように構成されていてもよい。例えば、処理装置はオペレーティングシステム(OS)及びアプリケーションプログラムなどのシステムプログラムを含む様々なソフトウェアプログラムを実行する責を負っていてもよい。システムプログラムは、一般的にロボット制御された外科用器具の動作を補助することができ、コンピュータシステムの個別のハードウェアコンポーネントを制御、一体化、及び管理する責を直接的に負っていてもよい。OSは、記載の実施形態に応じて、例えば、Microsoft(登録商標)Windows OS、Symbian OSTM、Embedix OS、Linux OS、Binary Run−time Environment for Wireless(BREW)OS、JavaOS、Android OS、Apple OS又はその他の好適なOSとして実現され得る。計算デバイスは、デバイスドライバ、プログラミングツール、ユーディリティープログラム、ソフトウェアライブラリ、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)などの他のシステムプログラムを備えていてもよい。
【0169】
様々な実施形態が本明細書にて、一般的なコンピュータにて実行されるソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンなどのコンピュータ実行可能指示として記載され得る。一般的に、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定の動作を行う又は特定の抽象データタイプを実現するように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定のタスクを行う又は特定の抽象データタイプを実現するルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンコンポーネント並びに方法の実現は、コンピュータ読取可能媒体のいくつかの形態にわたって記憶及び/又は送信され得る。この点において、コンピュータ読取可能媒体は、計算機が情報を記憶してアクセスできるように使用可能な任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態は更に、動作が通信ネットワークを通して接続される1つ以上の遠隔処理装置によって行われる分散コンピューティング環境にて実行されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、メモリ記憶デバイスを含むローカル及び遠隔コンピュータ記憶媒体の両方に配されていてもよい。
【0170】
いくつかの実施形態は様々な動作を行う機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールを備えるように示されて記載されるが、このようなコンポーネント又はモジュールは1つ以上のハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、及び/又はその組み合わせから実現されてもよいように認識されるであろう。機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールは、例えば、ロジックデバイス(例えば、プロセッサ)によって実行されるように、論理(例えば、指示、データ、及び/又はコード)によって実現されてもよい。このような論理は、1つ以上の種類のコンピュータ読取可能記憶媒体上に、ロジックデバイスの中又は外に記憶されてもよい。他の実施形態では、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールなどの機能コンポーネントは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含み得るハードウェア要素によって実現されてもよい。
【0171】
ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールの例としては、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、機械プログラム、オペレーションシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーティン、サブルーティン、機能、方法、手順、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、指示セット、計算コード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、文字、値、記号、又はその任意の組み合わせが挙げられる。実施形態がハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素によって実現されているかの判定は、所望の計算率、動力レベル、耐熱性、処理サイクル予算、入力データレート、出力データレート、メモリリソース、データバス速度及びその他の設計又は性能上の制限などの、任意の数の要因によって変動し得る。
【0172】
いくつかの場合では、様々な実施形態は製品として実現されてもよい。製品は、1つ以上の実施形態の様々な動作を行うための論理、指示及び/又はデータを記憶するように構成されるコンピュータ読取可能記憶媒体を含んでいてもよい。様々な実施形態では、例えば、製品は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサによって実行されるのに好適な、コンピュータプログラム指示を含む磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ又はファームウェアを備えていてもよい。ただし、実施形態はこの文脈に限定されない。
【0173】
出願者は、それぞれ対応してその全体が参照によって引用される以下の特許出願も所有している。
米国特許出願第13/536,271号、2012年6月28日出願、表題「Flexible Drive Member」、(代理人整理番号第END7131USNP/120135号)、
米国特許出願第13/536,288号、2012年6月28日出願、表題「Multi−Functional Powered Surgical Device with External Dissection Features」、(代理人整理番号第END7132USNP/120136号)、
米国特許出願第13/536,295号、2012年6月28日出願、表題「Rotary Actuatable Closure Arrangement for Surgical End Effector」、(代理人整理番号第END7134USNP/120138号)、
米国特許出願第13/536,326号、2012年6月28日出願、表題「Surgical End Effectors Having Angled Tissue−Contacting Surfaces」、(代理人整理番号第END7135USNP/120139号)、
米国特許出願第13/536,303号、2012年6月28日出願、表題「Interchangeable End Effector Coupling Arrangement」(代理人整理番号第END7136USNP/120140号)、
米国特許出願第13/536,393号、2012年6月28日出願、表題「Surgical End Effector Jaw and Electrode Configurations」(代理人整理番号第END7137USNP/120141号)、
米国特許出願第13/536,362号、2012年6月28日出願、表題「Multi−Axis Articulating and Rotating Surgical Tools」(代理人整理番号END7138USNP/120142)、並びに、
米国特許出願第13/536,417号、2012年6月28日出願、表題「Electrode Connections for Rotary Driven Surgical Tools」(代理人整理番号第END7149USNP/120153号)。
【0174】
用語「近位」及び「遠位」は、明細書全体において、患者の処置に使用される器具の一末端部を操作する臨床医を基準にして使用できることが理解できる。用語「近位」は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、用語「遠位」は、臨床医から最も遠い所に配された部分を指す。簡潔にするため、また明確にするために、「垂直」、「水平」、「上」、「下」等、空間に関する用語は、本明細書において、図示した実施形態を基準にして使用できることが更に理解できる。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用され得、これらの用語は、限定的又は絶対的であることを意図したものではない。
【0175】
外科用器具及びロボット外科用システムの様々な実施形態が本明細書中に記載されている。当業者であれば、本明細書中に記載の様々な実施形態が記載の外科用器具及びロボット外科用システムと合わせて用い得ることが理解できるであろう。説明は例示のみのために提供されており、当業者であれば、開示の実施形態が本明細書に開示される装置のみに制限されず、任意の互換性を有する外科用器具又はロボット外科用システムで用いることができることを理解できるであろう。
【0176】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」「一例示的な実施形態」又は「実施形態」の参照は、その実施形態との関連において記述されている特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの例示的な実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して複数の場所に出現する「様々な実施形態では」「いくつかの実施形態では」「一例示的な実施形態では」又は「実施形態では」という表現は、フレーズは、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。更に、一例示的な実施形態に関して図示又は記載される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせることができる。
【0177】
本明細書中の様々な実施形態の記載により本発明が説明され、説明的実施形態がかなり詳細に記載されているが、出願人には添付された請求範囲をかかる詳細によっていかなる方法によっても制限する意図はない。当業者には更なる効果及び改変が直ちに明らかとなり得る。例えば、開示実施形態のそれぞれは顕微鏡手術、腹腔鏡手術、並びに開腹手術においても用いることができ、意図する用途に制限はない。
【0178】
本明細書における図及び説明の少なくともいくらかは、開示を明確に理解するのに関連する要素を示すために簡素化されており、明確にする目的でその他の要素を排除していることを理解すべきである。しかしながら、当業者は、これらの及びその他の要素が望ましい可能性があることを認識するであろう。しかしながら、そのような要素は当該技術分野において周知であり、それらは本開示のよりよい理解を促進しないため、本明細書ではそのような要素についての議論はしない。
【0179】
幾つかの実施形態を説明してきたが、本開示の利点の幾つか又は全てを習得した当業者は、これらの実施形態に対する様々な修正、変更及び適用を想起することができることは明白である。例えば、各種の実施形態によれば、所与の働きを成し遂げるために、単一の構成要素が複数の構成要素で置き換えられてもよく、また複数の構成要素が単一の構成要素で置き換えられてもよい。本願はしたがって、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲及び趣旨を逸脱することなく、そのような全ての修正、変更、及び改作を網羅することを意図したものである。
【0180】
全体又は部分において、本明細書に参照により援用されると称されるいずれの特許、刊行物、又は他の開示物も、組み込まれた事物が既存の定義、記載、又は本開示に記載されている他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0181】
〔実施の態様〕
(1) 関節動作する超音波外科用器具であって、
関節動作可能な高調波導波管であって、前記関節動作可能な高調波導波管は、
近位端及び遠位端を含む第1の駆動部であって、前記近位端が超音波変換器に接続するように構成される、第1の駆動部と、
前記第1の駆動部の前記遠位端に連結される第1の可撓性導波管と、
前記第1の可撓性導波管から遠位に延びるエンドエフェクタと、を含む、関節動作可能な高調波導波管と、
前記第1の可撓性導波管を屈曲させるための関節アクチュエータと、を含む、関節動作する超音波外科用器具。
(2) 前記第1の駆動部の前記遠位端及び前記第1の可撓部の近位端は、腹に位置し、
前記第1の可撓部の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端は、腹に位置する、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(3) 前記駆動部の前記遠位端及び前記第1の可撓部の近位端は、節に位置し、
前記第1の可撓部の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端は、節に位置する、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(4) 前記第1の可撓部の中心は、腹に位置する、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(5) 前記第1の可撓部は、円形ロッドを含む、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【0182】
(6) 前記第1の可撓部は、金属リボンを含む、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(7) 前記金属リボンに形成される少なくとも1つのスロットを含む、実施態様6に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(8) 前記縦軸に沿って前記第1の可撓部の前記遠位端に連結される第2の駆動部と、
前記第2の駆動部の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端に連結される第2の可撓性導波管と、を含む、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(9) 近位端及び遠位端を含むパッド尖叉(pad tine)と、
前記パッド尖叉の前記遠位端に位置する外科パッドと、を含み、
前記パッド尖叉は、第1の尖叉曲率及び第2の尖叉曲率を有し、前記第1の尖叉曲率は、前記第1の可撓性導波管の曲率に等しく、前記第2の尖叉曲率は、前記第2の可撓性導波管の曲率に等しい、実施態様8に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(10) 前記関節アクチュエータは、
前記第1の可撓部の前記遠位端に位置する第1のフランジと、
前記第1の可撓部の前記近位端に位置する第2のフランジと、
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジを連結する少なくとも1つの制御部材と、を含む、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【0183】
(11) 前記少なくとも1つの制御部材は、前記第1のフランジから近位に延び、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジに接続される少なくとも1つのケーブルを含み、前記少なくとも1つのケーブルに対して近位方向に張力をかけることによって、前記第1の可撓性導波管を屈曲させる、実施態様10に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(12) 前記第1の可撓性導波管が所定の条件を超えるのを防止するように構成される全曲率制限器を含む、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(13) 前記所定の条件は、以下のように制限される局所的曲率半径を含み、
【数7】
ここで、rは前記関節動作する超音波外科用器具の半径であり、Rは局所的曲率半径である、実施態様12に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(14) 前記所定の条件は、以下のように制限される局所的曲率半径を含み、
【数8】
ここで、Rは局所的曲率半径であり、cは前記可撓性導波管を構成する材料のバー音速(bar speed of sound)であり、fは前記関節動作する高調波導波管に供給される駆動周波数である、実施態様12に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(15) 前記全曲率制限器は、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超える場合に、前記関節動作する高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する電気ストローク制限器を含む、実施態様12に記載の関節動作する超音波外科用器具。
【0184】
(16) 前記全曲率制限器は、1つ又は複数の目盛を含む視界窓を含み、前記視界窓は、前記所定の条件に関する現在の局所的曲率半径の視覚的指示を提供する、実施態様12に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(17) 前記全曲率制限器は、前記第1の可撓性導波管が前記所定の条件を超える場合に、制御信号を生成するように構成される共振周波数シフト追跡器を含み、前記制御信号は、前記関節動作する高調波導波管への超音波エネルギーの伝送を防止する、実施態様12に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(18) 前記関節動作可能な高調波導波管の上に配置される可撓性シースと、
前記関節動作可能な高調波導波管に枢動可能に連結されるクランプアームと、を含み、
前記関節アクチュエータは、
第1の可撓性条片と、
第2の可撓性条片と、
第1の側面及び第2の側面を含む関節部材と、を含み、前記第1及び第2の可撓性条片は、前記関節部材の第1及び第2の側面にそれぞれ連結され、前記第1及び第2の可撓性条片は、前記クランプアームを枢動させるために、近位方向及び遠位方向に並進可能であり、前記関節部材は、前記可撓性シースを関節動作させるために、中心点の周りに回転可能である、実施態様1に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(19) 屈曲バイアスを提供するように構成される1つ又は複数の屈曲特徴を含む、実施態様18に記載の関節動作する超音波外科用器具。
(20) 外科用器具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルに位置する超音波変換器と、
前記超音波変換器に連結される関節動作可能な高調波導波管であって、前記関節動作可能な高調波導波管は、
近位端及び遠位端を含む第1の駆動部であって、前記近位端が超音波変換器に接続するように構成される、第1の駆動部と、
前記第1の駆動部の前記遠位端に連結される第1の可撓性導波管と、
前記第1の可撓性導波管から遠位に延びるエンドエフェクタと、を含む、関節動作可能な高調波導波管と、
前記第1の可撓性導波管を屈曲させるための関節アクチュエータと、を含む、外科用器具。
【0185】
(21) 前記第1の駆動部の前記遠位端及び前記第1の可撓部の近位端は、腹に位置し、
前記第1の可撓部の遠位端及び前記エンドエフェクタの近位端は、腹に位置する、実施態様20に記載の外科用器具。
(22) 前記第1の可撓部の中心は、腹に位置する、実施態様20に記載の外科用器具。
(23) ロボット外科用器具であって、
ロボット外科用システムに取り付けられるように構成される器具取付部分であって、前記器具取付部分は前記ロボット外科用システムとの使用に適合される前記外科用器具と機械的及び電気的にインターフェースをとるためのインターフェースを含む、器具取付部分と、
前記器具取付部分に位置する超音波変換器と、
前記超音波変換器に連結される関節動作可能な高調波導波管であって、前記関節動作可能な高調波導波管は、
近位端及び遠位端を含む第1の駆動部であって、前記近位端が超音波変換器に接続するように構成される、第1の駆動部と、
前記第1の駆動部の前記遠位端に連結される第1の可撓性導波管と、
前記第1の可撓性導波管から遠位に延びるエンドエフェクタと、を含む、関節動作可能な高調波導波管と、
前記第1の可撓性導波管を屈曲させるための関節アクチュエータと、を含む、ロボット外科用器具。
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