特許第6430429号(P6430429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6430429
(24)【登録日】2018年11月9日
(45)【発行日】2018年11月28日
(54)【発明の名称】流体機械
(51)【国際特許分類】
   F04C 23/02 20060101AFI20181119BHJP
   F04C 23/00 20060101ALI20181119BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20181119BHJP
   F04C 29/06 20060101ALI20181119BHJP
【FI】
   F04C23/02 J
   F04C23/00 F
   F04C29/00 B
   F04C29/06 Z
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-63869(P2016-63869)
(22)【出願日】2016年3月28日
(62)【分割の表示】特願2011-173108(P2011-173108)の分割
【原出願日】2011年8月8日
(65)【公開番号】特開2016-118212(P2016-118212A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 創
(72)【発明者】
【氏名】木全 央幸
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−162679(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/044456(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/064426(WO,A1)
【文献】 特開平07−310651(JP,A)
【文献】 特開平05−312157(JP,A)
【文献】 特開平10−122165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 23/02
F04C 23/00
F04C 29/00
F04C 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一駆動軸上の両端位置に1つずつ流体吸排機構が設けられ、各々の流体吸排機構が1つのみの往復動部品を備えている流体機械であって、
前記各流体吸排機構の前記往復動部品は、互いに同一方向に往復動可能であり、往復動方向が同一方向に位相を合わせて配設され、
前記各流体吸排機構が、膨張機構同士の組み合せ、圧縮機構と膨張機構の組み合せ、又は、ポンプ機構と膨張機構の組み合せにより構成されていることを特徴とする流体機械。
【請求項2】
同一駆動軸上の両端位置に2以上の流体吸排機構が設けられ、各々の流体吸排機構が往復動部品を備えている流体機械であって、
前記各流体吸排機構の前記往復動部品は、互いに同一方向に往復動可能であり、往復動方向が同一方向に位相を合わせて配設され、
前記各流体吸排機構が、膨張機構同士の組み合せ、ポンプ機構同士の組み合せ、圧縮機構と膨張機構の組み合せ、ポンプ機構と膨張機構の組み合せにより構成され、
前記流体吸排機構のうちの1つの第1流体吸排機構が、前記駆動軸上の一端に設けられて、1つの前記往復動部品を備え、
前記流体吸排機構のうちの他の1つの第2流体吸排機構が、前記駆動軸上の他端に設けられて、2つの前記往復動部品を備え、
前記第2流体吸排機構の2つの前記往復動部品は、互いに対向方向に往復動可能に配設されているとともに、前記第1流体吸排機構に近い側の前記第2流体吸排機構の前記往復動部品が、前記第1流体吸排機構の前記往復動部品と対向方向に、前記第1流体吸排機構に遠い側の前記第2流体吸排機構の前記往復動部品が、前記第1流体吸排機構の前記往復動部品と同一方向に位相を合わせて配設されていることを特徴とする流体機械。
【請求項3】
前記各流体吸排機構の前記往復動部品が互いに往復動可能とされる前記同一方向には、その方向の直線上に対して±45°以内の範囲が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一駆動軸上の両端位置に少なくとも2以上の流体吸排機構が設けられている圧縮機、膨張機、ポンプ等に適用して好適な流体機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
同一駆動軸上の両端位置に少なくとも2以上の流体吸排機構が設けられている流体機械としては、例えば同一駆動軸上の両端位置に異なる形式の圧縮機構を設けたもの、一端側に圧縮機構、他端側に膨張機構を設けたもの、一端側にポンプ機構、他端側に膨張機構を設けたもの、更には駆動軸の一端側に低段側圧縮機構、他端側に高段側圧縮機構を設けた2段圧縮機等、様々な構成の流体機械が提供されている。
【0003】
このような流体機械の一例として、例えば特許文献1には、駆動軸の下端側に低段側のロータリ式圧縮機構、上端側に高段側のスクロール式圧縮機構を設けた2段圧縮機が開示されている。そして、この2段圧縮機では、ロータリ式圧縮機構を駆動するクランク軸の偏心部と、スクロール式圧縮機構を駆動するクランク軸の偏心ピンとを互いに180°対向方向もしくは同一方向に設けることにより、回転部の軸系バランス、すなわち偏心部と偏心ピンとを対向方向に設けることによって主に静バランスを取り、偏心部と偏心ピンとを同じ方向に設けることによって主に動バランスを取るようにしている。
【0004】
一方、多気筒ロータリ式圧縮機のように、同一の圧縮機構を複数組備えているものにおいては、一般的に、特許文献2に示されるように、クランク軸の一端部に複数の偏心部を設け、この偏心部を互いに180°対向方向に設けた構成とすることによって、回転部の軸系バランスを取るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−175340号公報
【特許文献2】特開2008−63973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に示されるように、同一駆動軸上の両端位置に2以上の流体吸排機構(例えば、圧縮機構)が設けられ、各流体吸排機構が往復動部品を備えている流体機械では、通常、回転部の軸系バランスは取っているが、スクロール式圧縮機構のオルダムリングやロータリ式圧縮機構のブレード等のような往復動部品について、バランスを取るようにしているものは見当たらなかった。これは、往復動部品単独でバランスを取るのが難しいためと思われ、これが駆動軸系のバランスを崩し、振動、騒音の原因になっていた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、同一駆動軸上の両端位置に設けられる少なくとも2以上の流体吸排機構の往復動部品について、動バランスを取ることにより、振動、騒音を低減することができる流体機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明の流体機械は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる流体機械は、同一駆動軸上の両端位置に1つずつ流体吸排機構が設けられ、各々の流体吸排機構が1つのみの往復動部品を備えている流体機械であって、前記各流体吸排機構の前記往復動部品は、互いに同一方向に往復動可能であり、往復動方向が同一方向に位相を合わせて配設され、前記各流体吸排機構が、膨張機構同士の組み合せ、圧縮機構と膨張機構の組み合せ、又は、ポンプ機構と膨張機構の組み合せにより構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、同一駆動軸上の両端位置に1つずつ流体吸排機構が設けられ、各々の流体吸排機構の1つのみの往復動部品が、互いに同一方向に往復動可能であり、往復動方向が同一方向に位相を合わせて配設されているため、2つの往復動部品を互いに同一方向に往復動させることにより、該往復動部品の主に動バランスを取ることができる。従って、各流体吸排機構の往復動部品についてバランスを取ることにより、そのアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音の低減を図ることができる。
本発明にかかる流体機械は、同一駆動軸上の両端位置に2以上の流体吸排機構が設けられ、各々の流体吸排機構が往復動部品を備えている流体機械であって、前記各流体吸排機構の前記往復動部品は、互いに同一方向に往復動可能であり、往復動方向が同一方向に位相を合わせて配設され、前記各流体吸排機構が、膨張機構同士の組み合せ、ポンプ機構同士の組み合せ、圧縮機構と膨張機構の組み合せ、ポンプ機構と膨張機構の組み合せにより構成され、前記流体吸排機構のうちの1つの第1流体吸排機構が、前記駆動軸上の一端に設けられて、1つの前記往復動部品を備え、前記流体吸排機構のうちの他の1つの第2流体吸排機構が、前記駆動軸上の他端に設けられて、2つの前記往復動部品を備え、前記第2流体吸排機構の2つの前記往復動部品は、互いに対向方向に往復動可能に配設されているとともに、前記第1流体吸排機構に近い側の前記第2流体吸排機構の前記往復動部品が、前記第1流体吸排機構の前記往復動部品と対向方向に、前記第1流体吸排機構に遠い側の前記第2流体吸排機構の前記往復動部品が、前記第1流体吸排機構の前記往復動部品と同一方向に位相を合わせて配設されている。
【0010】
さらに、本発明の流体機械は、上記の流体機械において、前記各流体吸排機構の前記往復動部品が互いに往復動可能とされる前記同一方向には、同方向の直線上に対して±45°以内の範囲が含まれることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、各流体吸排機構の往復動部品が互いに往復動可能とされる同一方向には、その方向の直線上に対して±45°以内の範囲が含まれるため、往復動部品が同一方向(0°方向)に往復動可能に配設されているものに限らず、該方向に対して±45°以内に配設されておれば、その分力で動アンバランス量を十分に小さくすることができ、従って、往復動部品を同一方向(0°方向)に配設できない場合でも、その方向に対して±45°以内の範囲に配設することにより、往復動部品によるアンバランスモーメントを可及的に小さくし、振動、騒音を低減することができる。
【0012】
さらに、本発明の流体機械は、上述のいずれかの流体機械において、前記各流体吸排機構が、圧縮機構、膨張機構、ポンプ機構のいずれか、もしくはその組み合せにより構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、各流体吸排機構が、圧縮機構、膨張機構、ポンプ機構のいずれか、もしくはその組み合せにより構成されているため、同一駆動軸上の両端位置に設けられる流体吸排機構を各々圧縮機構同士、膨張機構同士、ポンプ機構同士、あるいは圧縮機構と膨張機構、ポンプ機構と膨張機構の組み合せ等々とすることにより、様々な構成の流体機械を提供し、各々の流体吸排機構における往復動部品の動バランスを取ることができる。従って、様々な流体吸排機構の往復動部品について動バランスを取ることにより、そのアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音を低減することができる。
【0014】
さらに、本発明の流体機械は、上述のいずれかの流体機械において、前記流体吸排機構の1つが低段側圧縮機構、前記流体吸排機構の他の1つが高段側圧縮機構とされることにより、2段圧縮機が構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、流体吸排機構の1つが低段側圧縮機構、流体吸排機構の他の1つが高段側圧縮機構とされることにより、2段圧縮機が構成されているため、2段圧縮機における低段側圧縮機構および高段側圧縮機構の往復動部品を、互いに同一方向に往復動可能に配設することにより、低段側圧縮機構および高段側圧縮機構の往復動部品の動バランスを取ることができる。従って、各圧縮機構の往復動部品についての動バランスを取ることにより、そのアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音を低減することができる。
【0016】
さらに、本発明の流体機械は、上述のいずれかの流体機械において、前記流体吸排機構の1つが前記往復動部品としてオルダムリングを備えているスクロール式流体吸排機構とされ、前記流体吸排機構の他の1つが前記往復動部品としてブレードを備えているロータリ式流体吸排機構とされていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、流体吸排機構の1つが往復動部品としてオルダムリングを備えているスクロール式流体吸排機構とされ、流体吸排機構の他の1つが往復動部品としてブレードを備えているロータリ式流体吸排機構とされているため、流体吸排機構の構成が異なり、一方が往復動部品としてオルダムリングを備えたスクロール式流体吸排機構、他方が往復動部品としてブレードを備えたロータリ式流体吸排機構であっても、オルダムリングとブレードとを互いに同一方向に往復動可能に配設することによって、スクロール式流体吸排機構およびロータリ式流体吸排機構の往復動部品の動バランスを取ることができる。従って、構成が異なる流体吸排機構の往復動部品によるアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音を低減することができる。なお、オルダムリングとブレードを比較すると、部品の大きさは異なるが、ストロークが異なり、更に材質を変えて質量を異にすることによって、動バランスを十分バランスさせることができる。
【0018】
さらに、本発明の流体機械は、上記の流体機械において、前記ロータリ式流体吸排機構が、2気筒ロータリ式流体吸排機構とされ、その2つのブレードが互いに対向方向に往復動可能に配設されているとともに、前記スクロール式流体吸排機構に近い側の前記ブレードが、前記スクロール式流体吸排機構の前記オルダムリングと対向方向に、遠い側のブレードが、前記スクロール式流体吸排機構の前記オルダムリングと同一方向に往復動可能に配設されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、ロータリ式流体吸排機構が、2気筒ロータリ式流体吸排機構とされ、その2つのブレードが互いに対向方向に往復動可能に配設されているとともに、スクロール式流体吸排機構に近い側のブレードが、スクロール式流体吸排機構のオルダムリングと対向方向に、遠い側のブレードが、前記スクロール式流体吸排機構の前記オルダムリングと同一方向に往復動可能に配設されているため、ロータリ式流体吸排機構の容量やトルク変動等に対応する都合上、ロータリ式流体吸排機構を2気筒ロータリ式流体吸排機構とした場合であっても、その2つのブレードを互いに対向方向に往復動可能に配設することによって、静バランスを取ることができる。この場合、スクロール式流体吸排機構側のオルダムリングによる静アンバランスが残るが、このオルダムリングとスクロール式流体吸排機構から遠い側のブレードの往復動方向の位相を合わせることにより、動アンバランス量を小さくすることができる。従って、往復動部品による動アンバランス量を減少し、軸系バランスを確保することができる。
【0020】
さらに、本発明の流体機械は、上述のいずれかの流体機械において、前記2気筒ロータリ式流体吸排機構の前記スクロール式流体吸排機構に近い側の前記ブレードが、前記スクロール式流体吸排機構から遠い側の前記ブレードよりも質量が重くされているか、もしくはストロークが長くされていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、2気筒ロータリ式流体吸排機構のスクロール式流体吸排機構に近い側のブレードが、スクロール式流体吸排機構から遠い側のブレードよりも質量が重くされているか、もしくはストロークが長くされているため、2気筒ロータリ式流体吸排機構の2つのブレード間の静バランスが取れず、静アンバランスが残るが、これをスクロール式流体吸排機構側のオルダムリングによる静バランスと対向させることにより、動アンバランス量を最小化することができる。これによって、往復動部品による動アンバランス量を可及的に小さくし、軸系バランスを確保することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、同一駆動軸上の両端位置に設けられる2以上の流体吸排機構の往復動部品を互いに同一方向に往復動させることにより、該往復動部品の主に動バランスを取ることができるため、各流体吸排機構の往復動部品についてバランスを取ることにより、そのアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係る流体機械(2段圧縮機)の縦断面図である。
図2図1中のA−A断面相当図である。
図3図1中のB−B断面相当図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る流体機械(2段圧縮機)の模式図である。
図5図4の第2実施形態に対する比較例の模式図である。
図6】本発明の参考例のオルダムリング運動方向に対するブレード運動方向の位相と静アンバランス量との関係を示すグラフである。
図7図4の第2実施形態に係る流体機械のオルダムリング運動方向に対する上側ブレード運動方向の位相と動アンバランス量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3および図6を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る流体機械の縦断面図が示され、図2には、そのA−A断面相当図、図3には、そのB−B断面相当図が示されている。なお、本実施形態では、便宜的に、同一駆動軸上の両端位置に少なくとも2以上の流体吸排機構が連結されている流体機械の一例として、1つの流体吸排機構である低段側圧縮機構にロータリ式圧縮機構2、他の1つの流体吸排機構である高段側圧縮機構にスクロール式圧縮機構3を用いた2段圧縮機1の例について説明するが、本発明の流体機械は、このような2段圧縮機1に限定されるものでないことはもちろんである。
【0025】
本実施形態の2段圧縮機(流体機械)1は、密閉ハウジング10を備えている。密閉ハウジング10内の略中央部には、ステータ5とロータ6とから構成されるモータ4が固定設置され、そのロータ6には、駆動軸(クランク軸)7が一体に結合されている。駆動軸7の一端部側であるモータ4の下方位置には、1つの流体吸排機構である低段側ロータリ式圧縮機構2が設けられている。
【0026】
低段側ロータリ式圧縮機構2は、シリンダ室20を備え、密閉ハウジング10に複数箇所で栓溶接等によって固定設置されたシリンダ本体21と、シリンダ本体21の上下に固定設置され、シリンダ室20の上部および下部を密閉する上部軸受22および下部軸受23と、駆動軸7のクランク部7Aに嵌合され、シリンダ室20の内周面を回動するロータ24と、シリンダ室20内を吸入側と吐出側とに仕切るブレード25および該ブレード25を押圧するブレード押えバネ26(図3参照)等を備えている。
【0027】
この低段側ロータリ式圧縮機構2自体は、公知のものでよく、吸入管27を介してシリンダ室20内に低圧の冷媒ガス(作動ガス)を吸入し、該冷媒ガスをロータ24の回動によって中間圧まで圧縮した後、吐出チャンバ28A,28B内に吐き出し、吐出チャンバ28A内で合流した後、密閉ハウジング10内に吐出するように構成されている。この中間圧冷媒ガスは、モータ4のロータ6に設けられているガス通路孔6A等を流通してモータ4の上方空間に流動し、流体吸排機構である高段側スクロール式圧縮機構3へと吸入されて2段圧縮されるようになっている。
【0028】
他の流体吸排機構である高段側スクロール式圧縮機構3は、駆動軸7の他端部側であってモータ4の上方位置に設けられており、駆動軸7を支持する軸受30が設けられ、密閉ハウジング10内に固定設置されている支持部材31(フレーム部材または軸受部材とも呼ばれている。)上に組み込まれている。支持部材31は、密閉ハウジング10に対して円周上の複数箇所で栓溶接等により固定設置されており、その外周面には、密閉ハウジング10の内周面との間で冷媒ガスの吸込み流路を構成する切欠き部31A(図2参照)が形成されている。
【0029】
この高段側スクロール式圧縮機構3は、各々端板32A,33A上に立設された渦巻き状ラップ32B,33Bを備え、渦巻き状ラップ32B,33Bを互いに噛み合わせて支持部材31上に組み付けることにより一対の圧縮室34を構成する固定スクロール部材32および旋回スクロール部材33と、旋回スクロール部材33と駆動軸7の軸端に設けられた偏心ピン7Bとを結合し、旋回スクロール部材33を公転旋回駆動させる旋回ボス部35と、旋回スクロール部材33と支持部材31間に設けられ、旋回スクロール部材33の自転を防止しつつ公転旋回させる自転防止機構としてのオルダムリング36と、固定スクロール部材32の背面に設けられた吐出弁40と、固定スクロール部材32の背面に固定設置され、固定スクロール部材32との間に吐出チャンバ41を形成する吐出カバー42等を備えている。
【0030】
高段側スクロール式圧縮機構3自体は、公知のものでよく、低段側ロータリ式圧縮機構2により圧縮され、密閉ハウジング10内に吐き出された中間圧の冷媒ガスを圧縮室34内に吸込み、それを旋回スクロール部材33の公転旋回駆動により吐出圧(高圧)まで圧縮した後、吐出弁40を経て吐出チャンバ41に吐き出すように構成されている。この高圧冷媒ガスは、吐出チャンバ41から吐出管43を経て圧縮機外部、すなわち冷凍サイクル側に吐出されるようになっている。
【0031】
上記駆動軸7の最下端部位と低段側ロータリ式圧縮機構2の下部軸受23との間には、公知の容積形給油ポンプ11が組み込まれている。この給油ポンプ11は、密閉ハウジング10の底部に形成される油溜まり12に充填されている潤滑油(以下、単に油と称する場合もある。)13を汲み上げ、駆動軸7内に設けられている給油孔14を介して低段側ロータリ式圧縮機構2および高段側スクロール式圧縮機構3の軸受部等の所要潤滑部位に潤滑油13を強制給油するためのものである。
【0032】
また、高段側スクロール式圧縮機構3には、軸受部等の所要潤滑部位を潤滑した潤滑油を密閉ハウジング10底部の油溜まり12に戻す排油経路が設けられている。この排油経路は、旋回スクロール部材33の旋回ボス部35が収容されるとともに、所要潤滑部位を潤滑した油が集められる支持部材31の空間部44と支持部材31の外周部間に穿設された排油孔45と、該排油孔45と交差する下向きのパイプ挿入孔46に挿入設置された排油パイプ47とから構成されている。排油パイプ47は、支持部材31の下面から下方に延長され、その下端がモータ4のステータコイルエンド5Aよりも下方位置で、ステータ5の外周に設けられているステータカット5Bの1つに向って開口されている。
【0033】
上記の2段圧縮機1において、第1流体吸排機構である低段側ロータリ式圧縮機構2を駆動する駆動軸7の偏心部7Aと、第2流体吸排機構である高段側スクロール式圧縮機構3を駆動する駆動軸7の偏心ピン7Bとは、互いに対向方向もしくは同一方向に設けられている。これによって、各圧縮機構2,3の回転部の軸系バランス、すなわち偏心部7Aと偏心ピン7Bとを対向方向に設けることで主に静バランスを取り、偏心部7Aと偏心ピン7Bとを同一方向に設けることで主に動バランスを取るように構成されている。
【0034】
さらに、高段側スクロール式圧縮機構(第2流体吸排機構)3において、旋回スクロール部材33の自転を防止するオルダムリング36は、図2に示されるように、楕円形状をしたリング部36Aに対して十字方向に一対のキー36B,36Cが表面側および裏面側に設けられた構成とされており、表面側のキー36Bが旋回スクロール部材33の端板33Aの背面に設けられているキー溝(図示省略)内に摺動可能に嵌合され、裏面側のキー36Cが支持部材31のスラスト軸受面に設けられているキー溝31B内に摺動可能に嵌合されている。このオルダムリング(第2往復動部品)36は、キー溝31Bの中心を通る図2中に示す直線S上を往復動可能に配設されている。
【0035】
一方、上記低段側ロータリ式圧縮機構(第1流体吸排機構)2において、シリンダ室20内を吸入側と吐出側とに仕切っているブレード25は、図3に示されるように、シリンダ本体21に半径方向に設けられているブレード溝21A内に、先端部がシリンダ室20内に突出されるようにブレード押えバネ26を介して摺動可能に嵌合されている。このブレード(第1往復動部品)25は、本実施形態において、オルダムリング36が往復動する直線S上に対して20°傾いた直線R上に往復動可能に配設されている。
【0036】
この2つの往復動部品であるブレード25およびオルダムリング36について、主に動バランスを取るには、ブレード25とオルダムリング36とを互いに同一方向(0°方向およびその方向に対して±45°以内の範囲を含む)に往復動可能に配設することが必要である。つまり、ブレード25とオルダムリング36とは、動バランスを取るため、互いに同一方向(0°方向)に往復動可能に配設することが望ましいが、必ずしも同一方向に限定されるものではなく、ここでは、その分力の大きさを考慮して同一方向の直線S上に対して±45°以内の範囲を含むものとし、許容される最大範囲を、±45°以内、好ましくは±30°以内、より好ましくは±20°以内の範囲としている。
【0037】
なお、参考までに、ブレード25およびオルダムリング36について、主に静バランスを取る場合、ブレード(第1往復動部品)25を上記オルダムリング36と180°対向方向に往復動可能に配設するのが最も望ましいが、必ずしも180°対向する方向に限定されるものではなく、その分力の大きさを考慮して、上記と同様、180°対向する方向の直線S上に対して±45°以内の範囲を含むようにすればよい。
【0038】
また、静バランスを取る場合、上記低段側ロータリ式圧縮機構(第1流体吸排機構)2のブレード(第1往復動部品)25および上記高段側スクロール式圧縮機構(第2流体吸排機構)3のオルダムリング(第2往復動部品)36は、ブレード(第1往復動部品)25の質量をm1、往復動時のストロークをl1、オルダムリング(第2往復動部品)36の質量をm2、往復動時のストロークをl2、としたとき、下記(1)式を満たすように構成される。
m1×l1≒m2×l2・・・(1)
【0039】
一般的には、上記2部品の大きさや材料等により、各々の質量m1、m2が、m1>m2の場合、ストロークl1、l2を、l1<l2として上記(1)式を満たし、一方、質量m1、m2が、m1<m2の場合、そのストロークl1、l2を、l1>l2とすることによって上記(1)式を満たすようにすればよい。通常は、オルダムリング(第2往復動部品)36の方がブレード(第1往復動部品)25よりかなり大きく、m2>m1であり、一方、往復動時のストロークは、l2<l1となっているが、大きさが大分違うことから同じ材料製にすると、(1)式を満たすことが困難なため、オルダムリング(第1往復動部品)36を軽量なアルミ合金材製とすることで、上記(1)式を満たす構成とされる。
【0040】
図6のグラフに、オルダムリング36の運動方向に対するブレード25の運動方向の位相[deg]と、静アンバランス量[gmm]との関係が示されている。このグラフからも、オルダムリング36とブレード25とを互いに180°対向方向に往復動可能に配設することにより、静アンバランス量が最小化されることが明らかである。なお、図6のグラフ中の曲線x,yは、駆動軸7の中心を通るx方向、y方向の静アンバランス量の変化を表す線、曲線Rは、そのトータル線であり、位相が180[deg]の時、静アンバランス量[gmm]がミニマムとなっていることが解る。
【0041】
以上に説明の構成により、本実施形態によると、以下の作用効果を奏する。
吸入管27を介して低段側ロータリ式圧縮機構2のシリンダ室20に吸入された低圧冷媒ガスは、ロータ24の回動により中間圧まで圧縮された後、吐出チャンバ28A,28Bに吐き出される。この中間圧冷媒ガスは、吐出チャンバ28Aで合流され、電動モータ4の下部空間内に吐き出された後、モータ4のロータ6に設けられているガス通路孔6A等を流通してモータ4の上部空間に流動される。
【0042】
モータ4の上部空間に流動された中間圧冷媒ガスは、高段側スクロール式圧縮機構3を構成する支持部材31の外周面に設けられている切欠き部31Aを経て高段側スクロール式圧縮機構3の吸入口に導かれ、圧縮室34に吸込まれる。この中間圧冷媒ガスは、高段側スクロール式圧縮機構3によって高圧に2段圧縮された後、吐出弁40から吐出チャンバ41内に吐き出され、吐出管43を介して圧縮機の外部、すなわち冷凍サイクル側へと送り出される。
【0043】
この2段圧縮過程中に、給油ポンプ11により駆動軸7内の給油孔14を介して低段側ロータリ式圧縮機構2の潤滑部位に給油された油13は、所要の部位を潤滑後、密閉ハウジング10底部の油溜まり12に流下される。また、高段側スクロール式圧縮機構3の潤滑部位に給油された油13は、所要の部位を潤滑後、一部は冷媒ガス中に溶け込み、吐出ガスと共に冷凍サイクル側へと送り出されるが、大部分は空間部44に集められ、排油孔45および排油パイプ47を経て、排油パイプ48の下端開口よりモータ4のステータカット5B内へと導かれ、該ステータカット5Bを介して密閉ハウジング10底部の油溜まり12に流下されることになる。
【0044】
また、上記駆動軸7の両端位置に連結され、該駆動軸7の回転によって駆動される低段側ロータリ式圧縮機構2の回転部分と高段側スクロール式圧縮機構3の回転部分は、各低段側ロータリ式圧縮機構2および高段側スクロール式圧縮機構3と結合されている駆動軸7の偏心部7Aと偏心ピン7Bとが互いに対向方向もしくは同一方向に設けられることによって、静アンバランス量もしくは動アンバランス量が減少され、駆動軸7の軸系バランスが取られることで、振動および騒音の低減が図られている。
【0045】
同様に、本実施形態においては、第1流体吸排機構である低段側ロータリ式圧縮機構2の往復動部品であるブレード25と第2流体吸排機構である高段側スクロール式圧縮機構3の往復動部品であるオルダムリング36とが互いに同一方向に往復動可能に配設されており、このため、2個の往復動部品であるブレード25およびオルダムリング36についても、動アンバランス量を可及的に小さくすることができる。
【0046】
斯くして、本実施形態によれば、第1流体吸排機構である低段側ロータリ式圧縮機構2および第2流体吸排機構である高段側スクロール式圧縮機構3の回転部の軸系バランスだけでなく、それぞれの圧縮機構2,3に設けられているブレード25およびオルダムリング36等の往復動部品についての動バランスをも取ることができ、従って、当該往復動部品25,36によるアンバランスモーメントで上記軸系バランスが崩れるのを防止し、確実に振動、騒音の低減を図ることができる。
【0047】
また、ブレード25およびオルダムリング36の往復動部品が互いに往復動可能とされる同一方向には、その方向の直線上に対して±45°以内の範囲が含まれる。このため、ブレード25およびオルダムリング36が互いに同一方向(0°方向)に往復動可能に配設されているものに限定されず、その方向に対して±45°以内に配設されておれば、その分力により動アンバランス量を十分に小さくすることができ、従って、ブレード25およびオルダムリング36を同一方向(0°方向)に配設できない場合であっても、各々の方向に対して±45°以内の範囲に配設することで、当該往復動部品によるアンバランスモーメントを可及的に小さくし、振動、騒音を低減することができる。
【0048】
また、本実施形態では、流体吸排機構の1つが低段側ロータリ式圧縮機構2、流体吸排機構の他の1つが高段側スクロール式圧縮機構3とされ、各々が往復動部品であるブレード25およびオルダムリング36を備え、2段圧縮機1を構成している。そして、その往復動部品であるブレード25とオルダムリング36とを互いに同一方向に往復動可能に配設することにより、低段側ロータリ式流体吸排機構2と高段側スクロール式圧縮機構3の往復動部品であるブレード25およびオルダムリング36の動バランスを取っている。
【0049】
その結果、構成が異なる2つの流体吸排機構(低段側ロータリ式圧縮機構2と高段側スクロール式圧縮機構3)の往復動部品25,36によるアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音を低減することができる。なお、ブレード25とオルダムリング36とを比較すると、部品の大きさとしては、オルダムリング36の方が相当大きく、往復動時のストロークl1、l2は、ブレード25の方が若干大きく、それぞれ異なるものの、材質を変えて質量m1、m2を異にすることによって、動バランスを十分バランスさせ、振動、騒音を低減することができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4図5および図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、低段側ロータリ式圧縮機構が2気筒ロータリ式圧縮機構2Aとされている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、低段側ロータリ式圧縮機構が、ロータリ式圧縮機構の容量やトルク変動等に対応するため、2気筒ロータリ式圧縮機構2Aとされ、駆動軸7の下端部に対して偏心部7Aが上下2箇所に設けられ、これに対応してシリンダ本体21内にシリンダ室20が2個形成され、各シリンダ室20内にそれぞれロータ24が駆動軸7の偏心部7Aにより回動可能に設けられた構成とされている。
【0051】
この2気筒ロータリ式圧縮機構2Aにおいては、図4に示されるように、各シリンダ室20に対応して上下に2枚のブレード25A,25Bが半径方向に往復動可能に配設されている。そして、この上下2枚のブレード25A,25Bおよび上下2箇所の偏心部7Aは、互いに180°対向方向に配設され、2気筒ロータリ式圧縮機構2A内において、それぞれ回転部および往復動部品であるブレード25A,25B同士の静バランスが取られるように構成されている。
【0052】
ここで、一方の流体吸排機構である低段側ロータリ式圧縮機構を2気筒ロータリ式圧縮機構2Aとし、この2気筒ロータリ式圧縮機構2A内において、それぞれ回転部および往復動部品であるブレード25A,25B同士の静バランスを取るようにした場合、他方の流体吸排機構である高段側スクロール式圧縮機構3のオルダムリング36の静バランスが残ってしまう。そこで、図4に示されるように、オルダムリング36と2気筒ロータリ式圧縮機構2Aの下側のブレード25B、すなわち高段側スクロール式圧縮機構3から遠い側のブレード25Bとの往復動方向を同一方向に位相を合わせて配設し、上側のブレード25Aをオルダムリング36と対向方向に往復動可能に配設した構成としている。
【0053】
つまり、一方の流体吸排機構を2気筒ロータリ式圧縮機構2Aとした場合、高段側スクロール式圧縮機構3のオルダムリング36に対して、図5に示されるように、2気筒ロータリ式圧縮機構2Aの上側のブレード25A、すなわち高段側スクロール式圧縮機構3に近い側のブレード25Aの往復動方向を同一方向に位相を合わせて配設した構成とする場合と、図4に示されるように、上側のブレード25A、すなわち高段側スクロール式圧縮機構3に近い側のブレード25Aの往復動方向を対向方向として配設した構成とする場合とが考えられるが、本実施形態においては、後者の構成を採用している。
【0054】
斯くして、一方の流体吸排機構を2気筒ロータリ式圧縮機構2Aとした場合でも、その往復動部品である上下2枚のブレード25A,25Bを互いに対向方向に往復動可能に配設することによって、2気筒ロータリ式圧縮機構2A内での静バランスを取ることができる。そして、この場合、高段側スクロール式圧縮機構3側の往復動部品であるオルダムリング36による静アンバランスが残るが、このオルダムリング36と高段側スクロール式圧縮機構3から遠い側のブレード25Bの往復動方向の位相を合わせることにより、駆動軸7の軸方向中心に作用する往復動部品によるアンバランスモーメントを相殺し、動アンバランス量を最小化することができる。これによって、往復動部品による動アンバランス量を減少し、軸系バランスを確保することができる。
【0055】
図7のグラフには、オルダムリング36の運動方向に対する2枚のブレード25A,25Bの運動方向の位相[deg]と動アンバランス量[gmm2]との関係が図示されている。このグラフからも、オルダムリング36と上側ブレード25Aとを互いに180°対向方向(オルダムリング36と下側ブレード25Bとが同位相方向)に往復動可能に配設することにより、動アンバランス量が最小化されることが明らかである。なお、図7のグラフ中の曲線x,yは、駆動軸7の中心を通るx方向、y方向の動アンバランス量の変化を表す線、曲線Rは、そのトータル線であり、位相が180[deg]の時、動アンバランス量[gmm2]がミニマムとなっていることが解る。
【0056】
また、本実施形態においては、2気筒ロータリ式圧縮機構2A内の高段側スクロール式圧縮機構3に近い上側のブレード25Aを、高段側スクロール式圧縮機構3から遠い下側のブレード25Bよりも質量を重くするか、もしくはストロークを長くした構成とすることができる。この構成により、2気筒ロータリ式圧縮機構2A内において上下2枚のブレード25A,25B間の静バランスが取れず、静アンバランスが残ったとしても、それを高段側スクロール式圧縮機構3側のオルダムリング36による静バランスと対向させることで、動アンバランス量を最小化することができる。従って、これによっても、往復動部品の動アンバランス量を可及的に小さくし、軸系バランスを確保することができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、各流体吸排機構を圧縮機構とした2段圧縮機1に適用した例について説明したが、圧縮機構以外にも膨張機構、ポンプ機構、あるいはそれらの組み合せ構成とし、駆動軸7の両端位置に設けられる流体吸排機構を圧縮機構同士、膨張機構同士、ポンプ機構同士、あるいは圧縮機構と膨張機構、ポンプ機構と膨張機構の組み合せ等々とすることにより、様々な構成の流体機械を提供することができ、各々の流体吸排機構における往復動部品の静バランスあるいは動バランスを取ることで、そのアンバランスモーメントで軸系バランスが崩れるのを防止し、振動、騒音を低減することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 2段圧縮機(流体機械)
2 低段側ロータリ式圧縮機構(第1流体吸排機構)
2A 2気筒ロータリ式圧縮機構(第1流体吸排機構)
3 高段側スクロール式圧縮機構(第2流体吸排機構)
7 駆動軸
25,25A,25B ブレード(第1往復動部品)
36 オルダムリング(第2往復動部品)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7